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発明の名称 多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−278154
公開日 平成10年(1998)10月20日
出願番号 特願平9−99666
出願日 平成9年(1997)4月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前島 肇
発明者 宮本 勉 / 徳弘 房夫 / 清水 浩 / 加藤 正人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 多孔質シートと、該多孔質シートより低い融点の接着層を有する延伸強化された素材よりなる目の粗い補強材とを、前記接着層を介して加熱圧着して積層する方法において、(1)加熱圧着時の加熱温度を、前記接着層の融点以上で、かつ前記多孔質シートの融点以下とし、(2)加熱温度と接着層の融点との差(加熱温度−接着層の融点)をts℃、加熱温度と多孔質シートの軟化点との差(加熱温度−多孔質シートの軟化点)をt℃、および加熱時間をh秒としたときに、これらの間に7.5/(ts+2)1.3 < h <−0.5t+3の関係を維持し、かつ(3)前記多孔質シートの繰出し張力を200〜550g/mm2の範囲に保持することを特徴とする多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法。
【請求項2】 前記目の粗い補強材が、下記(a)、(b)および(c)から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を、配向軸が交差するように経緯積層しまたは織成してなる熱可塑性樹脂製不織布または織布であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法、(a)フィルムを縦または横に一軸延伸し、延伸方向に割繊したスプリットウェブ(b)フィルムに縦または横に多数のスリットを入れた後に、スリット方向に一軸延伸したスリットウェブ(c)一軸配向多層テープ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生材料、防水衣料、包装材、家屋の壁材等の分野で用いられる透湿性および耐水性を有し、かつ機械的強度に優れたシートを安価に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透湿性と耐水性を有する多孔質シートは、使い捨てカイロ、乾燥剤、脱臭剤、脱酸素剤等を収容する袋、紙オムツ、衣料品、農園芸用被覆材、ハウスラップ等の建築用資材等の種々の分野に利用されており、なかでもハウスラップにおける透湿性耐水シートに対する要求が最近高まりつつある。各種の透湿性耐水シートがハウスラップ材として使われているが、アスファルトフェルトやシージングボードは、防水性、耐水性ともに不十分なものであり、ハウスラップとしては満足できるものではない。また、フラッシュ紡糸されたポリエチレン製不織布は、通気性が大きすぎて保温性に劣ることに加え、製造方法が難しく、コストが高い等の問題がある(例えば、特開昭63−286331号公報)。
【0003】そこで、より安価な透湿性および耐水性を有する多孔質シートが提案されたが、それらの多孔質シートの多くは、微細な孔を多数形成するために無機充填剤を多量に添加して延伸してあるので強度に欠け、特に引裂き強度が劣ることは取扱い上大きな問題点となっている。これを解決するために種々の工夫がなされ、強度に優れた目の粗い織布や不織布を積層して補強することが検討された。従来の積層においては、安価な熱可塑性ポリマーを接着層として用いる押出しラミネーションが一般的であるが、この方法は著しく透湿性を損なう。その解決策として、例えば特開昭63−286331号公報には、接着剤を点付けや格子付けにしたり、ごく薄く(3μ程度)塗布したりすることが提案されている。しかしこの方法では、高価な接着剤および接着剤塗布工程が必要となり、コスト高を招くのみならず、接着強度を高めることと透湿性を保持することとは二律背反するため、必ずしも満足し得る方法とはいい難い。
【0004】さらに、十分な接着強度を得るために加熱を行うと、多孔質シートは製造工程で延伸加工されているために収縮が起こり、積層後の製品にしわが入ったり、著しくカールして外観が悪くなるなどの不都合を生じる。これらの欠点を補うために、特開昭64−90746号公報には、表面に低融点の接着層を有する目の粗い網構造物と、通気性ポリオレフィンフィルムとを直接圧着することが提案されている。圧着する際、熱により通気性ポリオレフィンフィルムの孔を潰して通気性や透湿性を損なうことを防ぐために、網構造物側のみを熱して、加熱されていない通気性ポリオレフィンフィルムと高温ロール上で重ねて押圧することが重要であると記載されている。しかし、この方法では接着強度はきわめて低く、実用上十分な補強効果は得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、透湿性を保持し、かつ機械的強度に優れた強化積層体を、しわや著しいカールを生じさせることなく安価に得ることができる、多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で加熱圧着することにより、しわや著しいカールを生じることなく多孔質シートと目の粗い補強材とを積層することが可能であることを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明の第1は、多孔質シートと、多孔質シートより低い融点の接着層を有する延伸強化された素材よりなる目の粗い補強材とを、前記接着層を介して加熱圧着して積層する方法において、(1)加熱圧着時の加熱温度を、前記接着層の融点以上で、かつ前記多孔質シートの融点以下とし、(2)加熱温度と接着層の融点との差(加熱温度−接着層の融点)をts℃、加熱温度と多孔質シートの軟化点との差(加熱温度−多孔質シートの軟化点)をt℃、および加熱時間をh秒としたときに、これらの間に7.5/(ts+2)1.3 < h <−0.5t+3の関係を維持し、かつ(3)前記多孔質シートの繰出し張力を200〜550g/mm2の範囲に保持することを特徴とする多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法に関するものである。また、本発明の第2は、前記目の粗い補強材として、下記(a)、(b)および(c)から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を、配向軸が交差するように経緯積層しまたは織成してなる熱可塑性樹脂製不織布または織布を用いる多孔質シートと目の粗い補強材との積層方法に関するものである。
(a)フィルムを縦または横に一軸延伸し、延伸方向に割繊したスプリットウェブ(b)フィルムにを縦または横に多数のスリットを入れた後に、スリット方向に一軸延伸したスリットウェブ(c)一軸配向多層テープ【0007】多孔質シートと目の粗い補強材とを加熱圧着する際、加熱温度を高くしたり加熱時間を長くすると、接着強度は増すが透湿性が低下する。また製品にしわが生じ易くなり、カールも著しくなる。逆に加熱温度を低くするかあるいは加熱時間を短くすると、透湿性は保持され、しわやカールも防ぐことができるが、接着強度が著しく低下する。接着強度は、特に「加熱温度と接着層の融点との差」および「加熱時間」に依存し、透湿性、しわ、カール等は「加熱温度と多孔質シートの軟化点との差」および「加熱時間」に依存する。また、多孔質シートの繰出し張力が過小であるとしわが生じ、過大であるとカールが著しくなる。そこで、前記の諸条件を満たす加熱圧着により多孔質シートと目の粗い補強材とを積層することにより、これらの背反事象を克服することが可能となる。
【0008】前記目の粗い補強材としては、補強材と加熱圧着される多孔質シートより低い融点の接着層を有し、強化支持層として使用可能な延伸強化された素材よりなるものであり、多孔質シートの透湿性を損なわないものであれば特に限定されるものではない。上記目の粗い補強材としては、熱可塑性樹脂を原料とする一軸または二軸配向された穴明きフィルム、パンチングフィルム等も用いることができるが、望ましくは、スプリットウェブ、スリットウェブおよび一軸配向多層テープ(ヤーン)から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を、配向軸が交差するように経緯積層しまたは織成してなる不織布または織布、およびそれらをさらに複合したものが用いられる。上記スプリットウェブは、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少なくとも2層以上の多層フィルムを、縦方向(長さ方向)または横方向(幅方向)に延伸して延伸方向に断続的に多数の割れ目を入れた一軸配向された網状のフィルムである。スリットウェブは、上記多層フィルムに縦または横に多数のスリット(切れ目)を入れた後に、スリット方向に延伸した一軸配向された網状のフィルムである。また、一軸配向多層テープ(ヤーン)は、上記多層フィルムを裁断前および/または後に、縦または横方向に一軸延伸したものである。
【0009】上記一軸配向体からなる不織布および織布として、より具体的には、例えばスプリットウェブを経緯積層し熱圧着した不織布、スリットウェブを経緯積層し熱圧着した不織布、スプリットウェブとスリットウェブとを経緯積層し熱圧着した不織布、スプリットウェブまたはスリットウェブと一軸配向多層テープ(ヤーン)とを配向軸が交差するように経緯積層した不織布、あるいは一軸配向多層テープ(ヤーン)を織成した織布等が挙げられる。一軸配向体からなる不織布としては、上記のようにスプリットウェブ、スリットウェブおよび一軸配向多層テープ(ヤーン)から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を配向軸が交差するように経緯積層したものが好ましいが、用途によっては配向をランダムまたは同一方向にして積層してもよい。さらにこれらの織布または不織布を複合積層して用いることもできる。
【0010】上記一軸配向体は、結晶性の第1の熱可塑性樹脂の層の少なくとも片面に、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂の層を付与して形成した多層延伸体であることが望ましい。第2の熱可塑性樹脂の層は目の粗い補強材と多孔質シートとの接着層となるだけでなく、前記(a)〜(c)等の一軸配向体を経緯積層または織成する際の一軸配向体相互の接着層としての作用も行う。
【0011】上記第1の熱可塑性樹脂としては、高密度および中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリヘキセン−1等のα−オレフィンの単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のα−オレフィン相互の共重合体等のポリオレフィン類、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0012】上記第1の熱可塑性樹脂より融点の低い第2の熱可塑性樹脂としては、高密度、中密度および低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−(マレイン酸またはそのエステル)共重合体;ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系重合体;不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン等が挙げられる。さらに、これらの樹脂と他のポリオレフィン系樹脂の混合物であってもよく、例えばプロピレンと、エチレンまたは1−ブテン等とのランダム共重合体に、高密度ポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂を混合したもの等が用いられる。
【0013】製造上の理由および一軸配向体の延伸または圧延により増大した強度の低下を防ぐ理由から、第2の熱可塑性樹脂と上記第1の熱可塑性樹脂との融点の差は、少なくとも5℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50℃の範囲である。
【0014】多層フィルムの具体的な樹脂の構成としては、高密度ポリエチレン(HDPE)/低密度ポリエチレン(LDPE)、LDPE/HDPE/LDPE、HDPE/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVA/HDPE/EVA、ポリプロピレン(PP)/プロピレン−エチレン共重合体(PEC)、PEC/PP/PEC、ポリエステル(PEs)/共重合ポリエステル(CPEs)、CPs/ PEs/CPEs 等が挙げられる。
【0015】本発明で用いる多孔質シートは、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を主原料として作製されたフィルムを延伸してなり、透湿性および耐水性を有するものである。例えば、■熱可塑性樹脂の非相溶性のポリマー同士あるいは熱可塑性樹脂に無機微粒子をブレンドして延伸して得られるフィルム(特開昭50−16561号公報等)、■高剪断力下でポリオレフィン等の樹脂を冷却して特定の結晶構造を形成させ、延伸して得られるフィルム(特公昭46−40119号公報等)、■抽出可能な成分を樹脂に添加した後、抽出を行って得られるフィルム(特公昭58−32171号公報および特公昭61−37436号公報)等が挙げられる。
【0016】上記多孔質シートとしては、厚みが5〜500μm、好ましくは10〜100μmの範囲、平均孔径が0.01〜50μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲、および空孔率が30〜90%の範囲のものを選択することが望ましい。
【0017】上記の厚みを有する多孔質シートの透湿度は、通常500g/m224hr 以上、好ましくは1000g/m224hr 以上であり、透気度(ガーレ式)は、5000sec/100cc 以下、さらに好ましくは2000sec/100cc 以下である。
【0018】上記多孔質シートを形成する熱可塑性樹脂としては、高密度、中密度および低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、特に制限はない。しかしながら、安価で、柔軟性、しなやかさ、風合い等の点から、ポリオレフィン系樹脂に充填剤を配合した組成物を延伸して得られる多孔質シートが好ましい。
【0019】上記充填剤としては、通常使用されている無機および有機の充填剤、例えば次のようなものが挙げられる。すなわち、無機充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸カリウム、アルミノケイ酸リチウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、クレー、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等が使用され、有機充填剤としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末等が使用される。これらは単独もしくは2種以上の混合物であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の積層方法の工程を示す略示側面図である。多孔質シート1は、原反ロール3からターンロール4aを経て繰出され、第2予熱ロール5bに至る。一方、補強材2は、原反ロール6から繰出され、エクスパンダーロール7でしわの発生を防止し、第1予熱ロール5aを経て第2予熱ロール5bで予熱されながら多孔質シート1と合体し、ピンチロール8で挟持され、本圧着ロール9でさらに加熱されながらピンチロール10で圧着される。多孔質シート1の予熱時間を長くする場合には、破線Bで示す経路で第1予熱ロール5aに導入し、ここで補強材と重ね合わせてもよい。逆に、予熱時間を短くするには、一点鎖線Aの経路によりターンロール4bを経て、本圧着ロール9に直接導入してもよい。圧着された後は、エクスパンダーロール11でしわの発生を防止し、両側をスコアカッター12で所定の幅にトリミングしてピンチロール13で搬送し、エクスパンダーロール14でしわの発生を防止しながら表面巻ロール15に接して製品ロール16に巻き取る。
【0021】多孔質シート1の繰出し張力を制御するためには、図示していないが、原反ロール3にブレーキを取付けておき、ターンロール4a(または4b)の軸受けに取付けた圧力センサーで圧力を検出し、所定の張力になるようにブレーキを制御すればよい。加熱を行う予熱ロール5a、5bおよび本圧着ロール9は、蒸気、電熱、オイル加熱、誘導加熱等を用いて加熱し、赤外線や非接触式温度センサーにより温度を検出して熱媒の温度を調節し、所定の表面温度を保つ。加熱時間は、■ライン速度を調節する方法、■ターンロールを設けてその位置を変えることにより、熱ロールと原反ロールから繰出される多孔質シートとの接触角を調節する方法、■図1にA、Bで示したように原反の通過経路を変える方法等により調節する。なお、接着性の向上や製品の印刷性の向上等を考慮して、予熱ロール5a、5bの前や中間にコロナ処理機を導入し、多孔質シート1および/または補強材2の表面をコロナ処理してもよい。
【0022】図2(A)は、本発明に用いる目の粗い補強材を形成する一軸配向体の一例として、フィルムを縦に一軸延伸し、縦方向に割繊したスプリットウェブを示す部分拡大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とするスプリットウェブ17は、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂を用い、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少なくとも2層以上の多層フィルムを、縦方向(長さ方向)に伸長倍率1.1〜15、好ましくは3〜10に延伸した後、同方向に千鳥掛けにスプリッターを用いて割繊(スプリット処理)したものである。これにより、前記多層フィルムは網状となり、さらに網目を拡げることにより目の粗いスプリットウェブ17となる。スプリットウェブ17は、幅方向全体にわたって縦方向に強度を有する一軸配向体である。また、図中18は幹繊維、19は枝繊維である。図2(B)は、図2(A)のB部の拡大斜視図であり、スプリットウェブ17は、第1の熱可塑性樹脂20の両面に第2の熱可塑性樹脂21が積層された3層構造からなるものである。
【0023】図3(A)は、本発明に用いる目の粗い補強材を形成する一軸配向体の他の例として、フィルムに横に多数のスリットを入れた後に横方向に一軸延伸したスリットウェブを示す部分拡大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とするスリットウェブ22は、前記多層フィルムの両耳部を除く部分に、横方向(幅方向)に、例えば熱刃などにより平行に千鳥掛け等の断続したスリットを形成した後、横方向に伸長倍率1.1〜15、好ましくは3〜10に延伸して網状のフィルムとし、さらに網目を拡げた目の粗い一軸配向体であり、横方向に強度を有するものである。好ましくは、多層フィルムを縦方向に1.1〜3倍程度に圧延等で微配向した後、熱刃で横方向に千鳥掛けにスリット処理を施し、横延伸を行う。図3(B)は、図3(A)のB部の拡大斜視図であり、スリットウェブ22は、第1の熱可塑性樹脂層20の両面に第2の熱可塑性樹脂層21が積層された3層構造からなっている。
【0024】さらに、図4は、目の粗い補強材を形成する一軸配向体の他の例として、一軸配向多層テープを示す部分拡大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とする一軸配向多層テープ23は、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂とを用い、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出成形により製造した少なくとも2層以上の多層フィルムを、裁断前および/または裁断後に、縦または横方向に伸長倍率1.1〜15、好ましくは3〜10に一軸配向し、裁断して多層の延伸テープとしたものである。一軸配向多層テープ23も、前記と同様に第1の熱可塑性樹脂層20の両面に第2の熱可塑性樹脂層21が積層された3層構造からなるものである。
【0025】配向後の多層フィルムまたはテープの第2の熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定されないが、熱融着時の接着強度等の諸物性を満たすためには1μm以上であることが好ましく、製造上および製品品質上、より好ましくは4μm以上である。
【0026】図5から図7は、本発明で用いる目の粗い補強材の具体例である。図5は、スプリットウェブ17を2枚積層した不織布24の部分平面図である。図6は、一軸配向多層テープ23を2組積層した不織布25の部分平面図であり、図7は、一軸配向多層テープ23を織成した織布26の部分斜視図である。通気性一軸配向体である不織布24の具体的な例としては「日石ワリフ」(商品名、日石プラスト(株)製)を挙げることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示す。多孔質シートとして、直鎖状低密度ポリエチレンと無機充填剤からなる薄肉フィルムを延伸したものを用い、目の粗い補強材としては、高密度ポリエチレンフィルムの両側に接着層として低密度ポリエチレンフィルムを積層した3層フィルムから作製したスプリットウェブ2枚を直交させて経緯積層したものを用い、両材料を積層した。それらの性状は、以下の通りである。
多孔質シート: 融点 125℃、肉厚 35μm、軟化点 116℃ 補強材本体: 融点 129℃、肉厚 100μm 補強材接着層: 融点 109℃、肉厚 10μm【0028】接着性に関する試験の測定条件と判定結果を表1に、透湿性に関する試験の測定条件と判定結果を表2に示す。これらの測定において、加熱温度および繰出し張力は本発明における条件範囲を満たすものである。結果の判定は次の方法および基準に従う。
(1)接着性製品の端の部分の多孔質シート側と補強材側に粘着テープを十分に押し付けて貼付した後、粘着テープを両側に引き剥がす。
良: 粘着テープが剥離不良:多孔質シートと補強材との間が剥離(2)カール製品から1m×1mのサンプルを切り取り、平板の上に置いて一辺を固定し、他の三辺を自由な状態に保つと、サンプルの両側が多少ともカールする。そのカールの最内側間の距離を計測して、以下の基準により判定する。
良: 670mm以上(全幅または全長の3分の2以上)
不良:670mm未満(3)しわ良: しわが全くない。
不良:しわがわずかでも認められる。
(4)透湿性JIS Z0208に準拠し、40℃、湿度90%において測定する。
良: 6000g/m224hr 以上不良:6000g/m224hr 未満【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】図8は、表1および表2の結果を示すグラフである。図に示すように、接着性の良否の限界はほぼ h=7.5/(ts+2)1.3 の式の曲線により表され、加熱時間hの値がこの曲線よりも上の領域にあれば接着性は良好である。また、透湿性の良否の限界はほぼ h=−0.5t+3 の式の直線により表され、hの値がこの直線よりも下の領域にあれば透湿性は良好である。従って、7.5/(ts+2)1.3<h<−0.5t+3 の式を満足する条件下で加熱圧着した場合に、接着性および透湿性のいずれも良好であることがわかる。また、しわおよびカールに関する試験の測定条件と判定結果を表3に示す。
【0032】
【表3】

【0033】図9は、表3の結果の内、上記不等式の条件を満たすもの(実験No.31〜34、38、39、44)を示すグラフである。図に示すように、しわおよびカールに関しては繰出し張力の影響が大きく、接着性および透湿性が良好な結果を示す範囲内においては、本発明の範囲(200〜550g/mm2)外の張力条件では、しわおよびカールの発生を防止することができない。
【0034】
【発明の効果】多孔質シートと目の粗い補強材とを積層する際に、本発明の特定条件下で熱圧着することにより、透湿性を保持し、かつ機械的強度に優れた積層体を、しわや著しいカールを生じさせることなく安価に得ることが可能になる。このようにして得られた強化積層体は、農園芸用被覆材、土木建築用資材、物流資材、包装資材等に好適である。




 

 


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