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発明の名称 積層体および一軸配向積層体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−211679
公開日 平成10年(1998)8月11日
出願番号 特願平9−32898
出願日 平成9年(1997)1月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前島 肇
発明者 山崎 伸二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 添加剤を含む配向性樹脂Aからなる内層の両面に、内層からの添加剤の析出を防止する樹脂Bからなる被覆層を積層したことを特徴とする積層体。
【請求項2】 前記樹脂Bは、配向性樹脂Aよりも融点が低く、かつ添加剤を実質的に含まない熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】 前記請求項1に記載の積層体を一軸延伸してなることを特徴とする一軸配向積層体。
【請求項4】 前記一軸配向積層体が、(a)スプリットウェブ、(b)スリットウェブおよび(c)一軸配向多層テープの群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の一軸配向積層体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は添加剤、特に耐候性を向上させる添加剤を含有する積層体およびそれを一軸延伸してなる一軸配向積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に酸化劣化し易いプラスチック材料については、成形加工中や製品の使用中の劣化を防止するために酸化防止剤を添加する。しかし、屋外で使用して紫外線に長時間曝されるもの、特にフィルムや織布、不織布などの薄肉のシート状のものには、更に紫外線吸収剤(耐光剤ともいう)を添加して耐候性を向上させている。耐光剤を添加するためには、具体的に次の各種の方法が行われている。
(1)原料樹脂に直接練り込む。
(2)樹脂フィルムに耐光剤自体または耐光剤を含有する物質を塗布する。
(3)樹脂フィルムに耐光剤を含有するフィルム等を積層する。
(4)押出成形時に耐光剤含有樹脂を外側に配して共押出しする。
(5)最終製品に耐光剤を塗布する。
これらの方法において、耐候性商品として一般的な要求を充足する上で必要とされている300ppm 以上の耐光剤を用いると、耐光剤含有樹脂層は外側に被覆する層がなく、直接に製造機械と接触するので、処理工程中において使用するロールやカッターの刃その他の接触する部分に耐光剤が蓄積して、延伸や圧延の不良、スリットや割繊(スプリット)の不良、あるいはほこりおよび異物の混入などの原因となり、多くのトラブルを引き起こす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のような各種の問題を解消して、添加剤、特に耐光剤を含み、かつ後加工する際に添加剤の析出によるトラブルを生じない積層体および一軸配向積層体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的に沿って鋭意検討した結果、添加剤を含む樹脂層の両面にこれを被覆する他の樹脂層を積層することにより、添加剤の析出によるトラブルの発生が防止され、優れた性能を発揮する積層体が得られることを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明の第1は、添加剤を含む配向性樹脂Aからなる内層の両面に、内層からの添加剤の析出を防止する樹脂Bからなる被覆層を積層したことを特徴とする積層体に関するものである。本発明の第2は、発明の第1において、樹脂Bは、配向性樹脂Aよりも融点が低く、かつ添加剤を実質的に含まない熱可塑性樹脂であることを特徴とする積層体に関する。本発明の第3は、発明の第1における積層体を一軸延伸してなることを特徴とする一軸配向積層体に関する。本発明の第4は、発明の第3において、一軸配向積層体が、(a)スプリットウェブ、(b)スリットウェブおよび(c)一軸配向多層テープの群から選ばれる少なくとも1種である一軸配向積層体に関する。
【0005】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明において使用する配向性樹脂Aとしては、一般的には結晶性の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。具体的には、密度0.91〜0.97g/cm3の低、中、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレフィン単独重合体、およびこれらの成分モノマーやヘキセン−1等のα−オレフィンの相互共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等が挙げられる。
【0006】本発明において、樹脂Bは接着層としての役割も果たすため、配向性樹脂Aを形成する樹脂よりも、融点が少なくとも5℃以上、特に10〜50℃以上低いものが好ましい。例えば、低密度ポリオレフィン、密度0.86〜0.94g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−マレイン酸エステル共重合体およびそれらの混合物、ならびにそれらの不飽和カルボン酸変性物等を使用することができる。
【0007】配向性樹脂Aと樹脂Bとの具体的な組み合わせとしては、配向性樹脂Aとして中、高密度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレフィン単独重合体、およびこれらの成分モノマーやヘキセン−1等のα−オレフィンの相互共重合体等のポリオレフィンを使用したときには、樹脂Bとしては、低密度ポリエチレン、密度0.86〜0.94g/cm3程度のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が使用される。また、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等に対しては、不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用される。
【0008】本発明において、配向性樹脂Aに含有させる添加剤としては、耐候性向上剤、着色剤、顔料、充填剤その他各種のものが挙げられるが、特に薄肉のシートやそれらを加工して得られた織布、不織布などにおいては、特に耐候性を高めるために耐光剤を添加することが望ましい。
【0009】本発明において用いる耐光剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン誘導体、置換アクリルニトリル系、サリチル酸系、ニッケル錯塩、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤および光安定剤が挙げられる。
(1)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アルキル化ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
(2)ベンゾフェノン誘導体紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
(3)アクリルニトリル系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
(4)サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
(5)ニッケル錯塩系紫外線安定剤としては、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、〔2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミンニッケル等が挙げられる。
(6)ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
これらの耐光剤の中でもヒンダードアミン系光安定剤が最も好ましい。
【0010】上記耐光剤の配合量は、積層体および一軸配向積層体、またはこれらから製造される不織布、織布等の用途や使用環境等によって異なり、それぞれの有効量を含有させればよいが、一般的には内層の配向性樹脂Aの中に300ppm 以上、好ましくは300〜10,000ppm の範囲である。300ppm 未満では、耐光剤の寿命が短すぎたり、効果を発揮しない懸念がある。また、10,000ppm を超える場合には、耐光剤の寿命は長くなるが、コストが上昇するので望ましくない。
【0011】また、樹脂Bからなる被覆層は、耐光剤等の添加剤を含まないことが好ましいが、積層体を後加工する際に添加剤が析出しても問題にならない場合、あるいは析出量がトラブルを引き起こさない程度に少ない場合には、添加剤を含有していてもよい。
【0012】着色剤または顔料としては、有機顔料と無機顔料があり、有機顔料としては、アゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサン系、ペリレン系、キノフタロン系、ペリノン系などが挙げられ、具体的には、食品添加物公定書に登載されている食用黄色4号(タートラジン)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF)、食用緑色3号(ファストグリーンFCF)、銅クロロフィル、および鉄クロロフィリンナトリウムなどの他、合成樹脂の着色に使用される通常の顔料、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストイエロー、ジアゾイエローなどを適宜使用することができる。また、無機顔料としては、二酸化チタン、鉛白、亜鉛華、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、沈降性シリカなどの白色顔料や硫化カドミウム、セレン化カドミウム、群青、酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0013】本発明において、添加剤を含む配向性樹脂Aからなる内層の両面に、樹脂Bからなる被覆層を積層するには、種々の一般的な方法を用いることが可能である。例えば、樹脂Aのフィルムに樹脂Bを塗布する方法、樹脂Aのフィルムに樹脂Bのフィルムを積層する方法、樹脂Aと樹脂Bを共押出して3層フィルムを製造する方法等がある。これらのいずれの方法を用いてもよいが、共押出し成形による方法が、塗布したり、フィルムを積層する工程を必要とせず、装置および運転操作が簡単で製造工程も少なく、しかも層間強度の強い積層体を提供することができるのでより好ましい。すなわち、共押出し成形で製造した多層フィルムは、圧延または延伸したり、延伸後割繊しまたはスリット後延伸したり、更に延伸多層テープを織成して織布にしたり、また経緯積層して網状の不織布に加工する際などに、積層したフィルムが剥離し難い。
【0014】共押出し成形によって3層フィルムを製造する方法としては、大別して次の2種類が挙げられる。
(1)B−A−Bの3層共押出しによる方法(2)B−Aの2層共押出しを行った後、その2葉をB−AA−Bの構成で積層する方法上記(1)の方法は、製膜のみで所望の構成を有するフィルムが得られるため一般的に用いられるが、押出ダイの構造が複雑なため高価となり、また各層の肉厚の調整に高度の熟練を必要とする。一方、(2)の方法は、(1)の方法に比べて押出ダイの構造が簡単で安価であり、各層の肉厚の調整もはるかに容易であるが、製膜後に積層して接着する必要があるため煩雑であり一般性に欠ける。しかしながら、インフレーション法により製膜すれば、フィルムのバブルを平に折り畳むことにより、自動的にB−AA−Bの構成の積層フィルムを得ることができる。また、後に述べるスリットウェブの材料として用いる場合には、後続の工程で圧延したり、熱刃により多数のスリットを入れる際に強固な溶断シールを行うので、製膜工程に続いて特に積層接着工程を設ける必要がない。従って、このような場合には(2)の方法が適している。
【0015】本発明における添加剤を含有した積層体は、更に一軸延伸して一軸配向積層体に形成される。一軸配向積層体としては、一軸配向多層フィルム、スプリットウェブ、スリットウェブ、および一軸配向多層テープ等が挙げられる。上記一軸配向フィルムとは、前記の方法で製造した積層フィルムを一軸延伸したものであり、スプリットウェブとは、上記積層フィルムを長手方向(縦方向)に延伸して延伸方向に断続的に多数の割れ目を入れたものであり、スリットウェブは上記積層フィルムに横方向に断続的に多数の切れ目を入れ、切れ目の方向に延伸したものである。また上記積層フィルムを裁断前および/または後に、縦または横方向に一軸延伸したものが一軸配向多層テープである。
【0016】不織布や織布を製造する場合において、上記スプリットウェブ、スリットウェブおよび一軸配向多層テープを用いることにより、添加剤の析出による問題は発生しない。上記不織布としては、スプリットウェブを経緯積層し熱圧着した不織布、スリットウェブを経緯積層し熱圧着した不織布、スプリットウェブとスリットウェブを経緯積層し熱圧着した不織布、あるいは2組の一軸配向多層テープを配向軸が互いに交差するように積層して熱圧着した不織布、スプリットウェブまたはスリットウェブと一軸配向多層テープとを配向軸が交差するように経緯積層した不織布等が挙げられ、織布としては一軸配向多層テープを織成したもの等が挙げられる。一軸配向積層体からなる不織布としては、上記のようにスプリットウェブ、スリットウェブおよび一軸配向多層テープから選ばれる少なくとも1種の一軸配向積層体を配向軸が交差するように経緯積層したものが好ましいが、用途によっては配向をランダムまたは同一方向にして積層してもよい。更に、これらの不織布や織布を複合して用いてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の一軸配向積層体である(a)スプリットウェブを製造する方法の一例を示す。あらかじめ耐光剤を配合した配向性樹脂Aと、配向性樹脂Aよりも融点が低く、耐光剤を含まない樹脂Bとを多層インフレーション法により3層ダイを用いて製膜し、切り開いて3層フィルムを作製する。この際、内層となる配向性樹脂Aとしては、高密度ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を使用し、両側の被覆層となる樹脂Bとしては、配向性樹脂となじみのよい低密度ポリエチレンや低融点のポリプロピレンベースのコポリマー等を使用する。なお、多層Tダイ法等の押出成形法により3層フィルムを製造しても何ら差し支えない。このようにして製造した多層フィルムを、フィルムの長手方向(縦方向)に圧延および/または延伸することによって、まず伸長倍率1.1〜10、好ましくは4〜8に1次延伸し、更に最終伸長倍率5〜15、好ましくは6〜10まで2次延伸した後、縦方向に千鳥掛けにスプリッターを用いて割繊(スプリット処理)する。これにより前記多層フィルムは網状のスプリットウェブとなるが、必要に応じて更に適宜拡幅して網状ウェブの網目を大きくし、熱で固定化する。図1は、スプリットウェブの一例を示す部分拡大斜視図である。図において、スプリットウェブ1は、耐光剤300ppm 以上を含む配向性樹脂Aからなる内層2の両面に、耐光剤を含まない樹脂Bからなる被覆層3を積層し、縦一軸延伸を行った後、スプリッターにより縦方向に割繊して拡幅したものである。図中4は幹繊維、5は枝繊維である。
【0018】次に、本発明の一軸配向積層体である(b)スリットウェブの製造方法の一例を示す。まず、前記と同様の配向性樹脂Aと低融点の樹脂B(被覆層樹脂)とを用いて、樹脂Bの層を外層として多層インフレーション法により筒状の2層フィルムとし、得られた2層フィルムを平らに折り畳むことにより、〔被覆層樹脂−配向性樹脂配向性樹脂−被覆層樹脂〕の構成とし、縦方向に軽く圧延して2枚を圧着する。このときの伸長倍率は原料樹脂によって異なるが、倍率が過大であると次の工程の延伸が困難になるので、1.1〜3程度であることが好ましい。このようにして得た多層フィルムに、横方向に千鳥掛けに熱刃等でスリット処理を施した後、横方向に伸長倍率1.1〜15、好ましくは5〜10に延伸して網状のスリットウェブが得られる。場合によっては2段に分けて延伸してもよい。次いでスプリットウエブと同様に、必要に応じて、配向軸に対して直角または斜方向に適宜拡幅して網状に固定化する。図2は、スリットウエブの一例を示す部分拡大斜視図である。スリットウエブ6は、耐光剤300ppm 以上を含む配向性樹脂Aからなる内層2の両面に、耐光剤を含まない樹脂Bからなる被覆層3を積層し、縦方向に微配向した後、熱刃で横方向に千鳥掛けにスリット処理を行い、横延伸して若干拡幅したものである。
【0019】本発明の(c)一軸配向多層テープは、前記の方法によって製造した多層フィルムを、裁断前および/または後に、縦または横方向に伸長倍率1.1〜15、好ましくは3〜10に一軸延伸して得られる。図3は一軸配向多層テープの一例を示す部分拡大斜視図である。一軸配向多層テープ7は、耐光剤300ppm 以上を含む配向性樹脂Aからなる内層2の両面に、耐光剤を含まない樹脂Bからなる被覆層3を積層し、延伸および裁断を行ったものである。
【0020】本発明の一軸配向積層体を更に積層して不織布および織布とする場合には、前記のように、被覆層を形成する樹脂Bとして、内層の配向性樹脂Aよりも低い融点を有するものを使用することにより、被覆層を接着層として、熱圧着によりフィルムの積層を行うことができる。この場合に、最終の積層体はB−A−BB−A−Bの構成となるが、樹脂Bが耐光剤を含有していない場合であっても、紫外線は接着部の被覆層に達する前に耐光剤を含む配向性樹脂Aからなる内層で吸収されるので、接着部の被覆層は劣化から保護される。なお、耐光剤を含まない樹脂Bからなる被覆層の配向後の厚みは、配向性樹脂Aからなる内層に配合された耐光剤の析出を防止することが可能であれば特に限定されないが、被覆層および接着層としての役割を考慮すると1μm以上であることが好ましく、更に製造上および製品性能の点から、4μm以上であることがより好ましい。
【0021】不織布の製造法としては、例えば前記(a)スプリットウェブおよび(b)スリットウェブを所要の目合いに広げて配向軸が交差するように経緯積層し、熱圧着することにより、通気性に優れかつ強度と寸法安定性に優れた網状の不織布が得られる。スプリットウェブは前記の通り繊維が縦方向に並んだものであるから、これのみを用いて経緯積層するには、一方のウェブを縦方向に走行させ、他方のウェブを製品の幅に相当する長さに切断し、横方向から供給して積層し、熱圧着する。またスプリットウェブおよびスリットウェブの双方を用いて経緯積層する場合には、両者を走行方向に供給して合体させ熱圧着すればよい。また、前記(c)一軸配向多層テープを適宜配列し、更に積層して熱圧着を行いうことにより不織布が得られ、また織機を用いて織布に成形するすることができる。
【0022】具体的な一軸配向積層体の組み合わせとしては、(1)スプリットウエブ1を2枚積層した不織布8(図4参照)、(2)スプリットウエブ1とスリットウエブ6を積層した不織布、(3)一軸配向多層テープ7を2組積層した不織布9(図5参照)および(4)一軸配向多層テープ7を織成した織布10(図6参照)などが挙げられる。なお、スプリットウエブおよびスリットウエブを経緯積層した上記(1)および(2)の網状不織布の具体例としては「日石ワリフ」(商品名、日石プラスト(株)製)を挙げることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。実施例に使用した各種材料は次の通りである。
(1)配向性樹脂Aの層・配向性樹脂A:高密度ポリエチレン(MFR:1.0、密度0.956g/cm3、商品名:ジェイレクス E710、日本ポリエチレン(株)製)
・酸化防止剤:チバガイギー社製のイルガノックス1010〔ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]〕/イルガフォス168〔トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト〕=1/1の混合物 1500ppm・耐光剤:ヒンダードアミン系光安定剤の旭電化工業(株)製 LA63〔1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピベリジノールおよびβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールの縮合物〕1000ppm(2)樹脂Bの層・低融点樹脂B:低密度ポリエチレン(MFR:3.0、密度0.924g/cm3、商品名:ジェイレクス F30EE、日本ポリエチレン(株)製)
・酸化防止剤:チバガイギー社製のイルガノックス1010/イルガフォス168=1/1の混合物 900ppm・スリップ剤:ステアリン酸/ステアリン酸カルシウム=1/1の混合物 0.3%【0024】<実施例1>配向性樹脂Aとして高密度ポリエチレンを用い、その両側に樹脂B層として低密度ポリエチレンを配し(B−A−B)、多層水冷インフレーション法により、各層の厚みがそれぞれ15μm、100μ、15μmおよび幅1500mmの3層構造のフィルムを製造した。得られたフィルムを90〜95℃の温浴槽を通して伸長倍率約6に縦に延伸し、次いで100℃の熱風中で最終的に伸長倍率8まで二次延伸した。この延伸フィルムに実公昭51−38979号に示されている割繊具を回転させながら当接させてスプリットし、長手方向に多数のスリットを入れ、千鳥掛けにスリットを有するスプリットウェブとした。次いで2.5倍に拡幅して網状のスプリットウェブとした後、経緯積層し120℃で熱圧着して網状不織布を製造した。この工程を通じ、装置の各部において耐光剤の析出によるトラブルは皆無であった。得られた不織布の耐候性は、表1に示すように屋外の使用に十分耐えるものであった。なお、実施例1は、後に述べる比較例1に比べて耐光剤の使用量は6〜7割多いが、製造上のトラブルを生じない点を考慮すれば、はるかに有利である。
【0025】<実施例2>配向性樹脂Aとして高密度ポリエチレンを、樹脂Bとして低密度ポリエチレンを用い、多層水冷インフレーション法により、B−Aの各層の厚みがそれぞれ35μm、115μm、および折り幅360mmの2層構造のフィルムを製造した。得られたフィルムを平に畳んで重ね、B−AA−Bの構成とし、約100℃で縦方向に伸長倍率約2に圧延して一体化した。両側の耳部を残し、200℃以上の熱刃により横方向に千鳥掛けの断続的な切れ目を多数入れ、次いで横方向に伸長倍率約8.3に延伸して、横方向に主繊維を有する幅2300mmの網状のスリットウェブを作製した。このスリットウェブと実施例1で得たスプリットウェブとを経緯積層して約120℃で熱圧着し、網状不織布を製造した。この工程を通じ、装置の各部において耐光剤の析出によるトラブルは皆無であった。不織布の耐候性を表1に示す。
【0026】<比較例1>実施例1と同様の樹脂を使用し、樹脂Aには耐光剤を添加せず、樹脂Bに耐光剤を2000ppm 添加した他は実施例1と同様にして製造を行ったところ、全工程で耐光剤の析出によるトラブルが生じた。そのためしばしば運転を停止して清掃を行う必要があり、長期連続運転は困難であった。しかし、製品自体は表1に示すように屋外使用に適するものであった。
【0027】<比較例2>実施例1と同様の樹脂を使用し、耐光剤は全く用いず、他は実施例1と同様にして製造を行ったところ、製品は表1に示すように屋外使用に適しないものであった。
【0028】<比較例3>比較例1と同様に配合した樹脂を使用し、実施例2と全く同様にして網状不織布の製造を試みたが、耐光剤の析出によるトラブルが続出した。特に圧延工程では平滑な圧延が困難であり、連続運転は不可能であった。
【0029】使用した試験法は以下の通りである。
(1)耐候性試験サンシャインウェザオメーターを用い、JIS B7753−1977に準拠して行った。ただし、噴霧時間は60分中12分である。
(2)接着強度テンシロンを用い、試験片(縦200mm×横150mm)の上部から中央部にテンシロンのロードセルに連結したJ字型器具を掛けて、試験片の底部をテンシロンに固定する。引張速度500mm/min およびチャート速度50mm/min で引張り、試験片の網目がほつれた時の荷重指示値(kg)の振幅の平均値を求める。
(3)引張強度および伸び低速緊張型引張試験機(ショッパー型)を使用し、試験機の掴み具の上部および下部の間隔を100mmに設定して、試験片(長さ200mm×幅50mm)の両端を固定し、引張速度200mm/min で引張り、試験片が破断したときの荷重(kg/5cm幅)および伸び(%)を求める。
【0030】
【表1】

【0031】
【発明の効果】本発明を用いることにより、添加剤を含有した積層体を後加工して一軸配向積層体とする場合、および上記一軸配向積層体から不織布または織布を製造する場合において、従来の工程をほとんど変更することなく、作業上の煩雑さを伴わずに、製造工程を通じて添加剤の析出によるトラブルを防止することができた。




 

 


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