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発明の名称 プラスチックフィルムの圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−100180
公開日 平成10年(1998)4月21日
出願番号 特願平8−254494
出願日 平成8年(1996)9月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
発明者 石田 大 / 高橋 奉孝 / 加藤 忠義
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 プラスチックフィルムの基材層に該基材層とは摩擦の性質の異なる表面層を設け、一対の圧延ロールの間に該プラスチックフィルムを通し、該一対の圧延ロールの間で圧力をかけて該プラスチックフィルムを圧延することを特徴とするプラスチックフィルムの圧延方法。
【請求項2】 該表面層が該基材層の一方の側にのみあることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの圧延方法。
【請求項3】 該表面層が該基材層の両側にあることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの圧延方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックフィルムの圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムの圧延とは一対の圧延ロールの間で圧力をかけてプラスチックフィルムの厚さを変化させることである。プラスチックフィルムの厚さにより、フィルムとシートとに分類することがあるが、本願では、厚さによってそのような呼び方の区別をせず、両者を含めてプラスチックフィルムと呼ぶことにする。
【0003】プラスチックフィルムの圧延装置は、例えば実開昭52─135465号公報に記載されている。この公報は、一対の圧延ロールの速度に差をつけて、これらの圧延ロールを互いに逆方向に回転させ、そして、プラスチックフィルムを低速の圧延ロールに沿うように供給しつつ、一対の圧延ロールの間で圧延を行うことを開示している。そのような構成によれば、高い圧延倍率で均一な圧延を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラスチックフィルムは一般に金属のシートよりも薄く、その中で、薄手のものから厚手のものまで多種多様のものがある。従って、多種多様のプラスチックフィルムに合わせて圧延条件を設定しなければならない。しかし、圧延装置はプラスチックフィルムに合わせて変更することはできない。一般に、薄いプラスチックフィルムの圧延はなかなか難しい面がある。
【0005】図2は一対の圧延ロール1、2の間で圧力をかけてプラスチックフィルム3を圧延している例を示す図である。一対の圧延ロール1、2の間には微小なギャップがあり、このギャップに従って圧延変形が行われる。プラスチックフィルム3の当初の厚さはそのギャップよりも大きく、プラスチックフィルム3がそのギャップに連続的に噛みこまれながら、その厚さを減じていき、最終的にその厚さがギャップ相当になる。
【0006】プラスチックフィルム3が一対の圧延ロール1、2の間の微小なギャップに進入するときに、プラスチックフィルム3は噛みこみ角αで進入する。プラスチックフィルム3の中央部はその先行部分に引っ張られて比較的に順調に同ギャップに進入するが、プラスチックフィルム3の両端部は自由端部であるのでバタバタして、中央部よりも遅れて進入することがある。
【0007】すると、プラスチックフィルム3がまっすぐな状態で同ギャップに進入しなくなり、その状態で圧延されると圧延されたプラスチックフィルム3に斜めにこじれが生じる。特に、圧延ロール1、2の直径が小さいほど、噛みこみ角αが大きくなり、プラスチックフィルム3が同ギャップに進入するときの抵抗が大きくなる。このような状況では、プラスチックフィルム3のこじれが生じやすくなることがある。
【0008】また、プラスチックフィルム3が一対の圧延ロール1、2の間の微小なギャップに連続的に滑らかに進入しないときには、プラスチックフィルム3の長手方向に対して横方向に延びる横縞や圧延ムラが生じることがある。また、圧延に際しては、プラスチックフィルム3が変形しやすいものでないと、プラスチックフィルム3が前記ギャップに滑らかに進入するのが難しいと言える。
【0009】本発明の目的は、上記問題点を解決し、連続的に滑らかな圧延が行われるようにして、品質の優れたプラスチックフィルムを得ることのできるプラスチックフィルムの圧延方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラスチックフィルムの圧延方法は、プラスチックフィルムの基材層に該基材層とは摩擦の性質の異なる表面層を設け、一対の圧延ロールの間に該プラスチックフィルムを通し、該一対の圧延ロールの間で圧力をかけて該プラスチックフィルムを圧延することを特徴とするものである。
【0011】この圧延方法によれば、プラスチックフィルムは、その基材層とは摩擦の性質の異なる表面層を有する。よって、プラスチックフィルムの基材層はすべって圧延変形点へ安定して進入することができないものである場合でも、表面層はプラスチックフィルムが一対の圧延ロールの間に確実に引き込まれて安定した圧延を行うことができる作用をする。
【0012】本願の発明者の考察によれば、プラスチックフィルムが圧延変形点へ進入する状態に最も影響するのは、プラスチックフィルムと圧延ロールとの間の摩擦であり、それからプラスチックフィルムの変形時の硬さであることを見いだした。摩擦はプラスチックフィルムをギャップへと引き込む力を発生させ、プラスチックフィルムの硬さはプラスチックフィルムのギャップへの引き込みに対する抵抗を決定する。表面層は、プラスチックフィルムの基材層の圧延条件に応じてプラスチックフィルムが圧延されやすいように少なくとも摩擦を調節するような性質を備えたものが選ばれる。
【0013】例えば、プラスチックフィルムの基材層が滑りがよくて変形に対して抵抗となるような硬さをもつものの場合には、表面層としては摩擦を高くするような材料が選ばれ、あるいはギャップへの進入時に変形しやすいような材料が選ばれる。また、プラスチックフィルムの基材層の剛性がきわめて高く変形性の小さい場合には、変形性に富んだ表面層を設けることで、プラスチックフィルムの圧延変形点への進入が安定する。こうして、圧延時にプラスチックフィルムに横縞やこじれのような外観不良が発生することが解消される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例によるプラスチックフィルムの圧延方法を実施できる圧延装置を示す図である。
【0015】図1において、圧延装置10は、フレーム12と、予熱ユニット14と、圧延ユニット16とを備える。予熱ユニット14は、駆動用モータ17と、予熱ロール18、19、20、21とを有する。予熱ロール18、19、20、21は、プーリ及びベルト装置24を介してモータ17により駆動される。また、予熱ローラ18、19、20、21には、例えば図示しない加熱流体が供給され、プラスチックフィルム3を予熱する。プラスチックフィルム3は、最後の予熱ロール21でニップされて圧延ユニット16へ供給される。従って、予熱ロール21が圧延ユニット16に対する繰り出しロールになる。なお、22はニップロールである。
【0016】圧延ユニット16は、一対の圧延ロール1、2を含む。これらの圧延ロール1、2は、モータ32によってプーリ及びベルト機構34を介して駆動される。この場合、プーリ及びベルト機構34は変速用多段プーリとしたり、変速機を含むものであったりすることができる。これらの圧延ロール1、2は、矢印で示されるように互いに反対方向に回転される。さらに、出口側の圧延ロール1に対してニップロール38が設けられる。ニップロール38は圧延ロール1に従って回転する。圧延ロール1、2には、例えば図示しない加熱流体が供給され、プラスチックフィルム3を加熱しつつ圧延を行うことができる。
【0017】圧延ユニット16は対向した一対の端部フレーム16aを有し、端部フレーム16aには垂直なスライドガイド40が設けられる。上方圧下ブロック42及び下方圧下ブロック(図示せず)がこのスライドガイド40に摺動可能に係合する。圧下ハンドル44が図示しない送りねじ機構を介して上方圧下ブロック42に連結される。下方圧下ブロックは通常は垂直方向で下方の固定位置に維持され、上方圧下ブロック42は下方圧下ブロックに向って上下することができる。
【0018】図1で上側に位置する圧延ロール1のシャフト(図示せず)は上方圧下ブロック42に取り付けられ、下側に位置する圧延ロール2のシャフト(図示せず)は下方圧下ブロック(図示せず)に取り付けられる。圧延ロール1のシャフトは上方圧下ブロック42とともに昇降可能であり、圧下ハンドル44を操作することにより、圧延ロール1を圧延ロール2に対して圧下し、所望の圧下力を与えることができる。
【0019】図2は、プラスチックフィルム3及び圧延ロール1、2を拡大して示す図である。一対の圧延ロール1、2の間には微小なギャップがあり、このギャップに従って圧延変形が行われる。プラスチックフィルム3の当初の厚さはそのギャップよりも大きく、圧延によりその厚さがギャップ相当になる。プラスチックフィルム3は、プラスチックフィルム3が一対の圧延ロール1、2の間の微小なギャップに連続的に噛みこまれながら厚さを減じていく。
【0020】本発明においては、圧延を行う前に、図3から図5に示されるように、プラスチックフィルム3の基材層3aに該基材層3aとは少なくとも摩擦の性質の異なる表面層3b、3cを設け、安定した圧延を行うことができるようにしてある。図3においては、表面層3bが基材層3aの一方の側にのみある。図4及び図5においては、表面層3b、3cが基材層3aの両側にある。基材層3aと表面層3b(3c)との間には必要に応じ、接着層として、アイオノマー、エチレン−不飽和カルボン酸(またはその誘導体)共重合体、マレイン酸等による変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極性基を有するポリオレフィン系重合体、その他基材層3aおよび表面層3b(3c)の両層に対し接着性を有する樹脂を挿入のが好ましい。さらに、図5においては、基材層3aの中に表面層3b、3cと同じ樹脂材料の粒子3dがある。
【0021】次に、下記のプラスチックフィルムを準備し、圧延を行った。
比較例1 実施例1 実施例2 表面層3b なし LDPE LDPE 基材層3a HDPE HDPE HDPE 表面層3c なし LDPE なし 結果 こじれ発生 安定的圧延 安定的圧延【0022】圧延条件は、予熱ロール温度80℃、圧延ロール温度100℃、圧延ロール径75mm、原反繰り出し速度10m/m、圧延ロール速度30m/mであった。プラスチックフィルム3の基材層3aは高密度ポリエチレン(HDPE)であり、表面層3b、3cは低密度ポリエチレン(LDPE)である。圧延温度は基材層3aであるHDPEに合わせて設定してあり、表面層3b、3cであるLDPEはHDPEよりも融点が低い。HDPEの圧延温度(圧延ロール温度)においては、LDPEはHDPEよりもかなり軟化した状態になっている。
【0023】比較例1においては、表面層3b、3cはなく、プラスチックフィルム3の基材層3a(HDPE)のみである。HDPEは比較的に圧延しやすい材料であるが、圧延ロール1、2の直径が小さいと、噛みこみ角αが大きくなり、プラスチックフィルム3が圧延ロール1、2の間のギャップに進入するときの抵抗が大きくなる。一方、HDPEは滑りがよいために、圧延ロール1、2とプラスチックフィルム3との間の摩擦が小さく、圧延ロール1、2によってプラスチックフィルム3を噛みこむ際にすべりを生じ、圧延ロール1、2の間のギャップに進入しにくい。特に自由度の高い両端部においてプラスチックフィルム3の進入がスムーズにいかなくなり、プラスチックフィルム3がその両端部においてはためき勝ちとなり、プラスチックフィルム3の幅方向に見た部分の進行が不均一となって、こじれが生じる。
【0024】実施例1は、比較例1と同じロール径での試験である。実施例1は図4の構成に相当する。基材層3aであるHDPEが硬くて摩擦が小さいのに対して、表面層3b、3cであるLDPEは柔らかくて摩擦が大きく、プラスチックフィルム3に安定した圧延を行う作用を与える。
【0025】上記したように、本願の発明者の考察によれば、プラスチックフィルム3が圧延変形点へ進入する状態に最も影響するのは、プラスチックフィルム3と圧延ロール1、2との間の摩擦であり、それからプラスチックフィルム3の変形時の硬さである。摩擦はプラスチックフィルム3を圧延ロール1、2との間のギャップへと引き込む力を発生させ、プラスチックフィルム3の硬さはプラスチックフィルム3のギャップへの引き込みに対する抵抗を決定する。表面層3b、3cは、柔らかくて摩擦が大きい性質を有するので、プラスチックフィルム3に安定した圧延を行うことができるようにする。この例では、摩擦付与効果と、LDPEの硬さ(軟らかさ)付与効果とのいずれか、あるいは双方の寄与によるものと思われる。
【0026】実施例2では、表面層3bがプラスチックフィルム3の基材層3aの一方の側にのみ設けられた例である。実施例2は図4の構成に相当する。この場合にも、実施例1と同様に安定的な圧延を行うことができた。このことから、圧延特性を改善するには、必ずしも両面を調整する必要はなく、一方の側のみでもよいことが分かる。
【0027】さらに、下記の試験を行った。
比較例2 実施例3 実施例4 表面層3b なし HDPE HDPE 基材層3a PP PP PP 表面層3c なし なし HDPE 結果 こじれ発生 安定的圧延 安定的圧延【0028】圧延条件は、予熱ロール温度100℃、圧延ロール温度130℃、圧延ロール径75mm、原反繰り出し速度10m/m、圧延ロール速度30m/mであった。プラスチックフィルム3の基材層3aはポリプロピレン(PP)であり、表面層3b、3cは高密度ポリエチレン(HDPE)である。圧延温度は基材層3aであるPPに合わせてあり、前の試験よりも高い。PPの圧延温度(圧延ロール温度)においては、HDPEはかなり軟化した状態になっている。
【0029】比較例2においては、表面層3b、3cはなく、プラスチックフィルム3の基材層3a(PP のみである。PPはHDPEと比較すると、その成形温度での摩擦は大きいものの、PPを圧下力で変形させるのは難しく、変形に対する抵抗が大きいために、やはり安定的に圧延することが難しかった。そのため、こじれた横縞が発生した。
【0030】実施例3は、図3の構成に相当し、ポリプロピレン(PP)の基材層3aの一方の側にのみ、高密度ポリエチレン(HDPE)の表面層3bを設けたものである。PPとHDPEはそのままでは接着しないので、基材層3aと表面層3bとの間にはPP樹脂をマレイン酸変性した接着性樹脂(図示せず)を設けてある。このプラスチックフィルム3を圧延する際、HDPEはもっと温度の低い領域ではすべりやすい樹脂であるが、PPの圧延温度付近ではその融点近傍にあり、ベタツいていて摩擦作用が高くなり、安定した圧延を行うことができた。HDPEはプラスチックフィルム3を圧延ロール1、2の間に噛みこむときにクッション的な作用ももっているものと考えられる。
【0031】実施例4は、ポリプロピレン(PP)の基材層3aの両側に高密度ポリエチレン(HDPE)の表面層3b、3cを設けたものである。これは、図5の構成に相当し、PPの樹脂材料に10重量パーセントのHDPEの樹脂材料を混練し、フィルムに成形したものである。成形時に、融点の低いHDPEが最初に外面に析出して硬化し、それからPPが中心部で硬化する。従って、図5に示したような3層構造のプラスチックフィルム3が得られる。PPの基材層3aの中には、完全にその外側に出なかったHDPEの粒子3dが混在している。この場合にも、このプラスチックフィルム3を圧延する際、HDPEはPPの圧延温度付近ではベタツイていて、摩擦が高くなり、プラスチックフィルム3を圧延ロール1、2の間に噛みこむときにクッション的な作用をし、安定した圧延を行うことができた。
【0032】このプラスチックフィルム3をPPの融点に近い圧延温度で圧延すると、HDPE成分のベタつきによる摩擦付与効果があらわれ、安定的な圧延を行うことができる。また、PPの基材層3aの中のHDPEの粒子3dがあるために、PPの基材層3aは変形しやすい状態になっており、このためにさらに圧延がしやすくなっている。このように、基材層3aをA樹脂、表面層3b、3cをB樹脂とし、両者の融点が過大に離れていず、また相溶性が良好でない、プラスチックフィルム3を得るにあたって、A樹脂に適量のB樹脂を混練してフィルムへの成形を行うことにより、B樹脂成分がA樹脂成分の外側に滲み出して表面層3b、3cとなるようにすることができる。この場合にも、プラスチックフィルム3は実質的に多層化されたフィルムとなり、少なくとも摩擦の性質の異なった表面層3b、3cを備える。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、こじれや横縞のない品質の優れたプラスチックフィルムを得ることができる。




 

 


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