米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 豊和工業株式会社

発明の名称 チャック交換用のチャック及びチャック交換装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−138017
公開日 平成10年(1998)5月26日
出願番号 特願平8−313142
出願日 平成8年(1996)11月8日
代理人
発明者 森崎 栄一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ワーク把持のための把握爪と、その爪を作用させる爪操作シリンダと、爪操作シリンダに逆止弁を介して接続される給排接続部とを備え、給排接続部からの圧流体により爪操作シリンダを作用させて、主軸以外のチャック装着部においてワークを把持解放可能で、供給された流体圧力を逆止弁により維持することによりワークを把持したまま、チャック装着部としての工作機の回転主軸に着脱自在に取着されるチャック交換用のチャックにおいて、チャックを主軸に装着したときに、チャックの給排接続部が主軸に設けた流体供給部と連通するようにし、主軸装着状態においても、流体による爪操作シリンダの動作で爪を操作可能としたチャック交換用のチャック。
【請求項2】 チャックには、逆止弁により流体圧力を維持する爪操作シリンダのシリンダ室に連通するアキュムレータを備え、そのアキュムレータは、複数の圧力維持ピストンが互いに軸方向相対移動可能に嵌め込まれた多段ピストン構造を有し、各ピストンは、異なる強さの圧力維持ばねによって加圧方向に付勢してあり、前記圧力維持ばねは、外側のばねと内側のばねとが軸方向位置を重ねて配置されていることを特徴とする請求項1記載のチャック交換用のチャック。
【請求項3】 チャックの給排接続部には、チャック装着部からチャックが切り離されるとき、チャック装着部の流体供給部との間の残存流体を、チャックの逆止弁方向へ吸い込む流体吸引装置を設けて成ることを特徴とする請求項1または2記載のチャック交換用のチャック。
【請求項4】 チャックとチャック装着部とは、チャック回転軸線方向から着脱され、チャック装着部の流体供給部には、チャックに向かうように流体開閉弁が設けてあり、チャックの給排接続部には、吸引室に吸引ピストンを所定ストローク移動自在に嵌装すると共に流体開閉弁方向へ付勢し、吸引室を逆止弁につながる流路に連通し、吸引室とチャック装着部の流体開閉弁とを連通可能な連通路を設け、チャック装着部にチャックが装着されると流体開閉弁が前記吸引ピストンを移動させて流体をチャックへ供給可能とし、チャック装着部とチャックを引き離すに際し、流体開閉弁が閉じた後に、前記吸引ピストンがチャック装着部方向へ移動できる吸引ストロークを残していて、吸引ピストンがその残存ストロークを移動することで吸引室に負圧を発生させて流体開閉弁との間の残存流体を吸引するように構成した流体吸引装置を設けて成ることを特徴とする請求項3記載のチャック交換用のチャック。
【請求項5】 流体開閉弁は、チャック装着部のベースから先端が突出するように設けた固定の嵌入筒部材に、先端が供給口から突出するようにした弁体を軸方向摺動自在に設けると共に突出方向に付勢して構成され、流体吸引装置の吸引ピストンの中心には、チャック着脱時に前記弁体先端と同軸となる位置に、チャックに固定した押し軸を挿通し、チャック装着部にチャックが装着された状態では、前記嵌入筒部材が吸引ピストンを所定ストローク押すと共に、前記押し軸が弁体を押して弁体を開き、チャックとチャック装着部を引き離すときには、引き離しの中間位置において、吸引ピストンが吸引ストロークを残した状態で弁体が閉じるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のチャック交換用のチャック。
【請求項6】 チャックに、ワーク把持のための把握爪と、その爪を圧流体で作動可能な爪操作シリンダと、爪操作シリンダに逆止弁を介して接続される圧流体の給排接続部とを備え、工作機の主軸に、チャックを着脱可能なチャック着脱手段を備え、チャック移動手段によってチャックを移動させて主軸のチャック装着部にチャックを着脱させるようにしたチャック交換装置において、主軸に爪操作用の流体供給部を設け、チャックを回転主軸に装着した状態で主軸の給排接続部とチャックの給排接続部を前後に対向させて連通させ、チャックを主軸に装着した状態でチャックの爪操作シリンダを作動させて爪操作を可能にしたチャック交換装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チャック単体でワークを把持開放でき、ワーク把持状態のまま、主軸先端や、主軸以外の固定的なワーク扱い位置などのチャック装着部から取り外して別のチャック装着部へチャックごと移送することのできるチャック及びチャック交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなチャックとして、■特開平5−253713号記載のものがある。これによれば、主軸先端と別の場所に設けたチャッキング治具にチャックを装着し、チャッキング治具側の流体接続口と、チャック側の流体給排口とを連通させ、チャッキング治具側から圧流体を供給してチャック内のチャック爪操作シリンダを逆止弁を介して作動させてチャック爪を開閉し、シリンダ室に供給された流体の流出を逆止弁で規制して供給流体圧力を維持してワーク把持状態を保持し、そのままチャッキング治具から取り外し、工作機の主軸に取着するようにしてある。そして、チャック装着部としての主軸先端においては、主軸中心を貫通し、主軸後端に接続した回転シリンダに連結されたプルロッドをチャック内部のチャック爪操作シリンダのピストンから後方へ突出したピストンロッドと係合させ、主軸に装着した状態において、逆止弁により保持されている流体圧力のみではワーク把握力が不足する場合には、安全のために回転シリンダを作用させてプルロッドを介して爪操作シリンダのピストンを強制的に引き込み、増し締めを行うようにしている。また、■実公昭62−28324号には、予めチャック外周に設けた供給口から圧流体をチャック内部へ供給し、チャックに備えた逆止弁と圧力保証のための空気室(アキュムレータ室)とによりチャック内部のシリンダ室に圧流体を封じ込んでおき、その状態のチャックを、主軸と別の工作物取付段取に準備し、チャック内部のシリンダのピストン後側に突設したリリース軸を、工作物取付段取に設けた開放杆により強制的に押してピストンを移動させてチャック爪を開き、ワークがチャック爪の間に持ち込まれると、開放杆を後退させて、ピストンを爪把持方向へ付勢するばねと、封じ込んだ高圧流体の作用でワークを把持し、そのようにしてワークを把持したチャックは、工作機の主軸に設けたプルロッドで主軸に着脱自在に取着され、工作機での加工が終わると、前記同様リリース軸を強制的に押してワークを取外した後に、プルロッドを開放して、チャックを主軸から外すようになっている。また、チャック交換装置としては、■実開昭59−5210号公報に開示されているように、軸方向に進退可能でかつ回動可能な旋回軸に2本のアームを設け、それらのアームの先端にチャック把持機構を設け、そのチャック把持機構によってフロントチャック等の自己保持タイプのチャックを把持して主軸の装着位置に移動し、そのチャックを主軸に連結機構により装着し、その装着状態で加工作業するものや、■特開昭62−193710号公報に開示されているように、主軸前部にチャック取付手段を設け、このチャック取付手段によってチャックを主軸に装着し、その装着状態でドローバーにより爪操作軸を移動させて爪を開閉作動するものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記■のチャックでは、爪操作シリンダに供給される流体のいかんを問わず、主軸以外のチャック装着部においては、チャック内部の爪操作シリンダを流体により操作して爪を開閉しているのに対し、主軸に装着されたときには、チャック内部の爪操作シリンダに圧流体を作用させることなく、全く別の回転シリンダの駆動力を用いて増し締め(爪を更に把持方向へ移動させる)するので、爪の把持方向への移動のために使用できるシリンダが、チャックを主軸に装着した状態では、2系統あって無駄であった。また、前記構造のチャックにおいて、爪操作シリンダに作用する圧流体を圧油としたとき、主軸上でプルロッドにより強制的に爪操作シリンダのピストンロッドを引っ張って増し締めすることにより、爪操作シリンダのシリンダ室に封じ込んでいた圧油が負圧となり、圧油の逆流を規制していた逆止弁が開いて流体が漏れるので、その装着した主軸での加工を終えてプルロッドによる引き込みを解除すると、爪操作シリンダの内の封入圧力はプルロッドで引っ張る前の状態以下となって、ワーク把持力が保証されない大きな欠点がある。さらに前記従来技術では、主軸装着状態で、圧油を封入したときには、圧油が非圧縮性なので、爪開放方向へピストンを移動させようとしても、ピストンが移動できず、実質的にチャックを主軸に装着した状態では、ワーク開放できない欠点もある。一方、前記■のものでは、空圧であれば空気室、または油圧であればアキュムレータ室を内蔵しているので、主軸装着状態でも、リリース軸を押すことにより流体はそれらの室に逃げ込むことができ、ワークの取り外しができるが、主軸取着状態において増し締めし、あるいは、主軸回転中にも流体をチャック内部へ供給しようとするときには、供給口から高圧流体を再度供給せねばならず、主軸取着状態で供給口に別途、流体配管を接続しなければならない手間がある。また、前記■のものでは、自己保持タイプのチャックを主軸に装着し、その装着状態では爪の開閉作動を行えないので、主軸位置でのワークの取外しや増し締めができない問題があり、■のものでは、チャックを主軸に装着した状態で爪を開閉できるが、チャックを主軸から外すと爪が開放状態になって加工物を把持できない問題がある。この発明の課題は、チャック交換用チャックを取付けるチャック装着部としての主軸に装着した状態においても、チャック内部の爪操作シリンダへの流体の供給が可能で、チャック内部の爪操作シリンダにより、爪の開閉ができるようにしたチャックを得ることにある。また、本願の別の課題は、封入される流体の圧力維持のためにチャックに内装されるアキュムレータの長手寸法を短くして、アキュムレータをチャック軸線に沿う方向に内装しても、チャックの厚みが厚くならない前記チャックを得ることにある。さらに、本願の他の課題は、チャックに設けた給排接続部とそれに接続されるチャック装着部側の流体供給部とを接続してチャック内部の爪操作シリンダに流体を供給した後、チャックをチャック装着部から切り離すときに、切り離された互いの流体接続部と流体供給部との間に残る流体の外部への滴下を少なくするようにしたチャックを提供することにある。また、この発明の課題は、チャックを主軸から離脱した状態では、爪を圧流体作動の爪操作シリンダによって加工物把持位置に保持でき、チャックを主軸に装着した状態では、爪を圧流体作動の爪操作シリンダによって開閉作動できるようにしたチャック交換装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願では、主軸への装着により、チャックの給排接続部が、主軸側の流体給排部と接続、連通され、それによって、チャック装着部としての主軸先端においても、チャック内部の爪操作シリンダにより、爪の開閉操作が行い得るようにした。また、本願では、チャックの圧力維持のためのアキュムレータを、多段ピストン構造とし、複数のピストンを加圧方向に付勢するばねを、軸線方向位置を重ねて配置した。また、本願では、チャックの給排接続部に、チャック装着部側の流体供給部と切り離されるときに、両流体給排部間に残る残存流体を吸引可能な吸引機構を備えた。また、本願のチャック交換装置では、主軸に爪操作用の流体供給部を設け、チャックを主軸に装着した状態で主軸の給排接続部とチャックの給排接続部を前後に対向させて連通させ、主軸装着状態で爪操作シリンダを作動可能にした。
【0005】
【発明の実施の形態】本願は、ワーク把持のための把握爪と、その爪を作用させる爪操作シリンダと、爪操作シリンダに逆止弁を介して接続される給排接続部とを備え、給排接続部からの圧流体により爪操作シリンダを作用させて、主軸以外のチャック装着部においてワークを把持解放可能で、供給された流体圧力を逆止弁により維持することによりワークを把持したまま、チャック装着部としての工作機の回転主軸に着脱自在に取着されるチャック交換用のチャックにおいて、チャックを主軸に装着したときに、チャックの給排接続部が主軸に設けた流体供給部と連通するようにし、主軸装着状態においても、流体による爪操作シリンダの動作で爪を操作可能とした。これにより、主軸に装着したときにも、別途配管接続することなくチャック内の爪操作シリンダを動作させ得る。チャックには、逆止弁により流体圧力を維持する爪操作シリンダのシリンダ室に連通するアキュムレータを備え、そのアキュムレータは、複数の圧力維持ピストンが互いに軸方向相対移動可能に嵌め込まれた多段ピストン構造を有し、各ピストンは、異なる強さの圧力維持ばねによって加圧方向に付勢してあり、前記圧力維持ばねは、外側のばねと内側ばねとが軸方向位置を重ねて配置されている。これによれば、1つのバネを1つのピストンに直列配置する従来のアキュムレータに比べ、バネが軸線方向で重ねられているから、ピストンストローク方向長さが短くなり、アキュムレータをチャック軸線に沿う方向に配置しても、チャック厚みが厚くなることを防止できる。
【0006】チャックの給排接続部には、チャック装着部からチャックが切り離されるとき、チャック装着部の流体供給部との間の残存流体を、チャックの逆止弁方向へ吸い込む流体吸引装置が設けてある。チャックとチャック装着部とは、チャック回転軸線方向から着脱され、チャック装着部の流体供給部には、チャックに向かうように流体開閉弁が設けてあり、チャックの給排接続部には、吸引室に吸引ピストンを所定ストローク移動自在に嵌装すると共に流体開閉弁方向へ付勢し、吸引室を逆止弁につながる流路に連通し、吸引室とチャック装着部の流体開閉弁とを連通可能な連通路を設け、チャック装着部にチャックが装着されると流体開閉弁が前記吸引ピストンを移動させて流体をチャックへ供給可能とし、チャック装着部とチャックを引き離すに際し、流体開閉弁が閉じた後に、前記吸引ピストンがチャック装着部方向へ移動できる吸引ストロークを残していて、吸引ピストンがその残存ストロークを移動することで吸引室に負圧を発生させて流体開閉弁との間の残存流体を吸引するように構成した流体吸引装置を設けてある。これによれば、チャックをチャック装着部から切り離すときに、流体開閉弁と連通孔の間に残る流体を、連通孔より逆止弁方向に吸い込むので、特に、油の外部への滴下を少なくすることができ、作動油の補給量を少なくでき、経済的である。
【0007】流体開閉弁は、チャック装着部のベースから先端が突出するように設けた固定の嵌入筒部材に、先端が供給口から突出するようにした弁体を軸方向摺動自在に設けると共に突出方向に付勢して構成され、流体吸引装置の吸引ピストンの中心には、チャック着脱時に前記弁体先端と同軸となる位置に、チャックに固定した押し軸を挿通し、チャック装着部にチャックが装着された状態では、前記嵌入筒部材が吸引ピストンを所定ストローク押すと共に、前記押し軸が弁体を押して弁体を開き、チャックとチャック装着部を引き離すときには、引き離しの中間位置において、吸引ピストンが吸引ストロークを残した状態で弁体が閉じるように構成されている。これによれば、チャック装着部側の流体開閉弁は、チャックとの間の相対軸方向移動によって、結合時には開き、分離時には閉じるため、チャック装着部側の開閉弁を別途開閉する駆動源が不要である。
【0008】また、本願は、チャックに、ワーク把持のための把握爪と、その爪を圧流体で作動可能な爪操作シリンダと、爪操作シリンダに逆止弁を介して接続される圧流体の給排接続部とを備え、工作機の主軸に、チャックを着脱可能なチャック着脱手段を備え、チャック移動手段によってチャックを移動させて主軸のチャック装着部にチャックを着脱させるようにしたチャック交換装置において、主軸に爪操作用の流体供給部を設け、チャックを主軸に装着した状態で主軸の給排接続部とチャックの給排接続部を前後に対向させて連通させ、チャックを主軸に装着した状態でチャックの爪操作シリンダを作動させて爪操作を可能にした。チャック移動手段としては、工作機のフレームに旋回可能に設けた交換腕を利用したものが好ましいが、工作機と別に設けたロボットを利用したものでも良く、また、チャック着脱手段としては、チャックを主軸に着脱可能に装着できるものであれば良く、後述の実施例の構成に限定されるものでない。
【0009】
【実施例】以下、2つのチャックCを主軸2位置とワーク着脱ステーション85とに交互に位置させてチャックCを主軸2に自動装着するようにしたアーム旋回式のチャック交換装置に本願発明を適用した例で説明する。図11において、主軸ヘッド1には、中空の主軸2が回動自在に支持してある。主軸2は、主軸ヘッド1内蔵のモータにより回転される。主軸ヘッド1の上面には、チャック移動手段3が設けてある。このチャック移動手段3は、ボデイ4にアーム軸5が旋回自在に支持されている。アーム軸5の先端には、交換アーム6が設けてあり、交換アーム6の長手両端に夫々開閉シリンダ7により開閉する一対の開閉アーム8が設けてある。開閉アーム8はチャックC外周の把持溝97を把持する。ボデイ4は案内レール9によってアーム軸線方向に案内され、シリンダ10により軸線方向に所定量前後移動するようになっている。アーム軸5は、ボデイ4内のギヤ列11を介して、旋回モータ12により180度回転され、開閉アーム8の位置、つまり、開閉アーム8に保持された2つのチャックCの位置を、主軸2と同軸となる位置と、後述する、ボデイ4上方に設定されるワーク着脱ステーション85のクランプシリンダ43Aのピストンロッド50と同軸となる位置との間で180度入れ替えるようになっている。
【0010】主軸2先端は、チャックCを着脱するチャック装着部となっている。図1に示すように、その主軸2先端には、装着用アダプタ(ベース)15が取付けてある。装着用アダプタ15は、主軸2に取付板16を介して一体接続されている。装着用アダプタ15には、環状に多数の噛み合い歯17aを有するカップリング17が前方を向いて固着してある。装着用アダプタ15には、図2に示すように、主軸2停止時において、斜め45度方向に、対称に1対の流体供給部18a,18bが設けてある。それらの流体供給部18a,18bには、夫々流体開閉弁20a,20bが設けてある。ここでは、図2の左上の開閉弁20aが後述のチャックC内部の爪操作シリンダ90の前シリンダ室95aと連通し、右下の流体開閉弁20bが後シリンダ室95bと連通するものである。各流体開閉弁20a,20bは同一構造であるので、その一方20bについて説明する。
【0011】前壁に供給口21を備えた中空の嵌入筒部材22が装着用アダプタ15に液密に固定してあり、その先端がアダプタ15前面から突出している。嵌入筒部材22の中空孔23は、前壁に近い部分が大径孔部24となっており、中空孔23の後端は、ばね保持部材25が螺合されて塞がれている。ばね保持部材25と前壁との間には、弁体26が軸方向に移動可能に嵌装してある。弁体頭部27は前記大径孔部24より小径であり、その頭部27には、供給口21の縁部(前壁内側面)との間を塞ぐリング状のシール材28が設けてある。頭部27からは、更に細径の突出軸29が伸びており、その先端が前壁の供給口21から前方へ突出している。弁体26の中心には流体通路30が設けられ、その流体通路30は頭部のすぐ後側位置で半径方向に方向を変えて大径孔部24に開口している。弁体26とばね保持部材25との間にはばね31が介在され、そのバネ力によって弁体26を前壁方向に付勢しており、弁体26が軸方向後方に押されない状態では、弁体26のシール材28が前壁内側面と圧接して、供給口21を塞ぐようになっている。弁体26とばね保持部材25のばね当接面との間の中空孔23の空間に連通する連通孔32が、嵌入筒部材22の筒壁に設けてある。その連通孔23は、嵌入筒部材22の外周と装着用アダプタ15の間に形成された環状流路33、装着用アダプタ15の流路34、及び主軸2と装着用アダプタ15の間に介在された補助アダプタ35の流路36を介して後述の給排パイプ83に連通している。
【0012】主軸2の中空孔37には、ドローバー38が軸方向移動可能に挿通してあり、ドローバー38の先端には、引込ブロック39が一体接続してある。引込ブロック39は図2に示すように、先端に4つの引込爪40を円周方向に等間隔で有している。尚、主軸2は、加工終了時には、絶えずこの図2に示す角度位置、つまり、左上に開閉弁20aが、右下に開閉弁20bが位置する角度位置で停止するように停止制御される。主軸2後端には図3に示すように、回転クランプシリンダ41が設けてある。図3では、チャックをクランプした状態を示す。回転クランプシリンダ41において、ディストリビュータ本体42内側に、クランプシリンダ43が軸受69により回動自在に支持してある。クランプシリンダ43は、いわゆる定位置旋回クランプシリンダである。クランプシリンダ43において、シリンダ本体44の前後をロッド側、ヘッド側エンドキャップ45,46で塞いでシリンダ室を形成し、そのシリンダ室をピストン49により前後のシリンダ室47,48に区画している。ピストン49にはピストンロッド50を相対回動自在に嵌装してある。ピストンロッド50はヘッド側に大径部51を有し、その大径部51には、図4に示すように2面幅部が係合部52として形成してある。この2面幅部が嵌合する2面幅部53を有する係合孔54がヘッド側エンドキャップ46に設けてある。ピストンロッド50は、ピストンロッド50の前進端位置では係合部52が係合孔54から抜け、大径部51の後面51aが係合孔54の前面54aの僅かに前方に位置し、ピストンロッド50が旋回可能となるようにしてある。
【0013】シリンダ本体44には、軸線と平行な案内溝56が設けてある。この案内溝56には、ピストン49と一体で、半径方向外側に突出したピン57が案内され、ピストン49を回止めしている。ピストンロッド50外周にはピストンロッド50の軸線に対して傾斜したリード溝58が設けてある。このリード溝58には、ピストン49と一体で半径方向内側に突出したピン59が案内されている。ピストンロッド50の後端部はヘッド側エンドキャップ46を貫通しており、後端部には付勢リング60が、スラストベアリング60a、ワッシャ60b,及びボルト60cを介して相対回動可能に接続してある。付勢リング60はヘッド側エンドキャップ46とそのエンドキャップ46に固着された後蓋61との間で形成される移動空間65内に軸方向移動可能に配置されており、スタッド62と案内孔63の係合によりシリンダ本体44に対して回止めされている。付勢リング60とヘッド側エンドキャップ46との間には、圧縮ばね64が介在してあり、この圧縮ばね64により、ピストンロッド50を絶えず後ろ向き(つまり、クランプ方向)に引っ張る、クランプ維持機構が構成される。エンドキャップ46には、前記移動空間65に開口する前後方向の長溝66が形成してあり、エンドキャップ46外周に軸方向移動自在に嵌装したピストンロッド50の軸方向位置検出リング67に螺合した長いボルト68が前記長溝66を通って前記付勢リング60の外周壁に連結してある。上記装着用アダプタ15、ドローバー38、引込爪40、クランプシリンダ43、付勢リング60及び圧縮ばね64等の要素は、チャックCを主軸2に着脱可能に装着するチャック着脱手段を構成している。
【0014】シリンダ本体44が嵌め込まれるディストリビュータ本体42の内面孔には、軸受69の間に6つの環状溝70a〜72bが設けてある。両側の2つはドレン回収溝70a,70bである。残る4つの溝のうち、後側の2つは、クランプシリンダ43の前後のシリンダ室47,48へ流体を給排するための溝71a,71b、前側の2つは、前記装着用アダプタ15の2つの流体開閉弁20a,20bに流体を供給するための溝72a,72bである。溝71a,71b,72a,72bは、ディストリビュータ本体42外周に円周方向と軸方向の位相を違えて、互いに干渉しないように設けた4つの給排ポート73a,73b,74a,74bとそれぞれ連通している。給排ポート73a〜74bは流体供給源201と切換弁を介して接続されるが、特に給排ポート74a,74bには、図示のように中立切換位置では、2つの負荷側ポートがタンクTに通じる切換弁200が接続してある。
【0015】クランプシリンダ43に給排する一対の環状溝71a,71bの内、一方の環状溝71bは、シリンダ本体44、ロッド側エンドキャップ45に設けた流路74、及び、ピストンロッド50とロッド側エンドキャップ45の間、シリンダ本体44とロッド側エンドキャップ45間に設けた環状溝75を介して、ピストンロッド50に内装した逆止弁76に連通し、該逆止弁76を介して前側シリンダ室47に流体が供給されるようになっている。また、他方の環状溝71aは、シリンダ本体44とヘッド側エンドキャップ46に設けた流路77を介して係合孔54後側の後側シリンダ室48に連通している。ピストンロッド50の先端には、コネクタ78を介して前記ドローバー38の後端が回動不能に一体連結してある。また、流体開閉弁20a,20bに流体を給排するための一対の環状溝72a,72bは、夫々、別々にシリンダ本体44とロッド側エンドキャップ45に設けた流路79を介して主軸2後端の取付アダプタ80に設けた流路81に連通され、取付アダプタ80の1対の流路開口部82には、夫々給排パイプ83が連結され、それら2本の給排パイプ83は、主軸中空孔37とドローバー38との間の空間に配置され、前記主軸2先端の補助アダプタ35の一対の流路36に接続してある。
【0016】ドローバー38つまり、ピストンロッド50と引込ブロック39とは、引込ブロック39の引込爪40が大径部51の係合部52に対して図4の位置関係となるように取り付けてある。この実施例では、係合部52と係合孔54が係合して、係合孔54に対して図4(a)の位置関係にあるとき、引込爪40が後述のチャックC背面の係止部102の係止爪104と軸方向に対向する角度位置(すなわち、クランプ角度位置P1)となっている。そして、図3のように、ピストンロッド50がクランプ位置(このとき、図10のようにチャックCの係止爪104を軸方向に引込んでチャックCをクランプしている)にある状態から後側シリンダ室48に流体を供給すると、ピストンロッド50と共にピストン49が前進し、ピストンロッド50がその前進端まで移動すると前記係合部52と係合孔54の係合が外れ、その後、ピストン49のみがピストンロッド50に対してピストン49の前進端まで前進することで、リード溝58によりピストンロッド50が旋回されて、ピストンロッド50の前進端位置(このとき、引込ブロック39は、後述のチャックCの係止孔102内で、引込爪40が係止爪104と軸方向に係止しないアンクランプ状態である)において、ピストンロッド50が45度旋回して引込爪40が、図4(b)の角度位置(アンクランプ角度位置P2)まで旋回し、また、ピストンロッド50の前進端で前側シリンダ室47に流体を供給すると、ピストンロッド50は大径部51の後面51aが係合孔54の前面54aに当接して後退できないために、その軸方向位置において、リード溝58により引込爪40が、係止爪104と軸方向に係止することなく、アンクランプ角度位置P2からクランプ角度位置P1まで45度旋回し、クランプ角度位置P1となると、係合部52が係合孔54と係合可能となり、ピストン49がピストンロッド50の大径部51を引掛けてクランプ方向へ後退するように構成してある。
【0017】同様な定位置旋回シリンダが、ワーク着脱ステーション85にも、配置されている。図5に示すように、チャック移動手段3のボデイ4を跨ぐように主軸ヘッド1と一体に設けたブラケット(ベース)86には、クランプシリンダ43Aが、前後をエンドキャップ45,46で塞いだシリンダ本体44を回転不能に一体固着してある。この定位置旋回シリンダ43Aは、ピストン49の回止めの案内溝56がピストン49に設けてある点、及び、逆止弁を内蔵していない点、流体通路の経路が、前述の回転クランプシリンダと異なっているが、基本構造は、前記クランプシリンダと同じであり、同等部分には、同一番号を付して説明を省略する。ピストンロッド50先端に取り付けられる引込ブロック39の、係合部52の2面幅部に対する引込爪40の角度位置が、前記同様であることはいうまでもない。ブラケット86の前面は、チャック装着部になっており、そこには、装着用アダプタ15Aが固着してある。装着用アダプタ15Aは、主軸2先端に取り付けてあるそれと同じように、環状のカップリング17が前面に設けてある。また、主軸2の装着用アダプタ15と同じ位置関係で、2つの流体給排部18a,18bが設けてあり、各流体給排部18a,18bには、前記と同じ流体開閉弁20a,20bが設けてある。1対の流体開閉弁20a,20bの環状流路に連通する1対の流体ポート87a,87bが、装着用アダプタ15Aに設けてある。これらの流体ポート87a,87bは、前述の切換弁200と同じ切換弁(図示なし)を介して流体供給源と接続してある。このワーク着脱ステーション85の装着用アダプタ15Aでは、主軸2に装着されていたチャックCがチャック移動手段3により180度旋回されて対向するために、図12において左上の流体開閉弁20bが爪操作シリンダ90の後シリンダ室95bと連通するものであり、右下の流体開閉弁20aが、前シリンダ室95aに連通するものとなっている。
【0018】次に、前記主軸2及び、ワーク着脱ステーション85に着脱自在な交換用チャックCについて説明する。図1において、チャック本体91に半径方向移動自在に複数(3個)のマスタジョウ92が案内され、マスタジョウ92には把握爪93が一体に連結されている。チャック本体91にはシリンダボデイ嵌装孔94が後方を解放して設けてある。シリンダボデイ嵌装孔94には後方を解放したシリンダ孔95を有するシリンダボデイ96が嵌め込まれ、チャック本体91の後面には、前記チャック移動手段3の開閉アーム8が把持する把持溝97を持っているクランプ部材98が環状押え部材99と共にチャック本体91に共締めされて、シリンダ孔95後端を塞ぎ、シリンダ室を形成している。クランプ部材98は後部が小径部100となっており、その小径部100を囲んで、前記装着用アダプタ15(15A)のカップリング17と噛み合う多数の歯を持つ環状カップリング101が固着してある。前記小径部100の中心(チャック軸芯)には、前記引込爪40と係脱する係止部102(係止凹部)が設けてある。係止部102は、内側が拡がった段付孔であり、その入口小径部には、図6に示すように、円周方向所定間隔で引込爪40が軸方向から通過できる引込爪通過部103が形成され、その通過部103の間が、引込爪40と軸方向から係脱可能な係止爪104となっている。図11において、チャック移動手段3の開閉アーム8には、チャックCが主軸2と同軸、及び、ワーク着脱ステーション85のクランプシリンダ43Aのピストンロッド50と同軸となったときに、アンクランプ角度位置P1にある引込爪40と引込爪通過部103とが対向する位置関係となるように、チャックCが把持される。図1に示すチャックCの状態は、ワークWを把握していないものであり、ワークを把握するときには、爪操作シリンダ90のピストン105が図1の位置から後退して、把握爪93を半径方向内側に移動させることは、いうまでもない。
【0019】シリンダ室には、ピストン105が軸方向移動可能に嵌装され、ピストン105と一体のピストンロッド106がシリンダボディ96の前壁から前方へ突出して爪操作シリンダ90が構成され、そのピストンロッド106に連結されたウエッジプランジャ107がマスタジョウ92のウエッジ部108と係合している。チャックC背面には、チャックCが主軸2と同軸、及び、ワーク着脱ステーション85のクランプシリンダ43Aのピストンロッド50と同軸となったときに、前記装着用アダプタ15(15A)の流体開閉弁20a,20bと軸線方向に対向する位置に、給排接続部110a,110bが設けてある。従って、給排接続部110a,110bは、図6に示すように、チャックCの背面から見ると、斜左下45度と右上45度方向である。各給排接続部110a,110bには流体カプラ111a,111bが設けてある。各流体カプラ111a,111bにおいて、前記開閉弁20a,20bの嵌入筒部材22先端が嵌入する嵌入孔112を有する中空スリーブ113が環状押え部材99とクランプ部材98の間に挾持固定してある。中空スリーブ113の前側には、吸引室114が設けてある。その吸引室114には、吸引ピストン115が所定ストローク移動可能に嵌装され、吸引ピストン115と一体のピストンロッド116が中空スリーブ113の嵌入孔112にOリングにより液密に移動可能に嵌入してある。
【0020】吸引ピストン115はばね117により背面方向へ付勢され、中空スリーブ113により飛び出しを阻止されている。チャック本体91とクランプ部材98との間に、押し軸部材118が挾持され、押し軸部材118からは、吸引室114を経て、吸引ピストン115の中心を貫通した押し軸119が一体に背面に向けて突出されている。吸引ピストン115の先端部は、開閉弁20a,20bの供給口21と対向する供給口120となっている。吸引ピストン115には、吸引室114と供給口120とを連通する細径の連通路121が設けてある。押し軸部材118には、吸引室114と連通する流体通路122が形成してあり、その流体通路122は、チャック本体91内の流体通路123と連通している。各流体通路123の途中にはそれぞれ逆止弁124が介在され、図6において右上の給排接続部110aは、前記爪操作シリンダ90の前側シリンダ室95aと連通し、左下の給排接続部110bは後側シリンダ室95bと連通している。そして、装着用アダプタ15,15AにチャックCが完全に装着されたときには、押し軸119により開閉弁20a(20b)の弁体26が開いて、チャックC側の流体回路が装着用アダプタ15(15A)側の流体回路と連通する一方、開閉弁20a(20b)の嵌入筒部材22が吸引ピストン115を所定ストローク押した状態とし、装着用アダプタ15(15A)からチャックCが離れるときには、嵌入筒部材22がいまだ嵌入孔112に入り込んでいる離脱途中の時点で弁体26が閉じ、しかし、このとき、吸引ピストン115は開閉弁20a(20b)の嵌入筒部材22により押されていて、開閉弁方向へ移動できるストロークが残るようにしてある。前記連通路121は、逆止弁124から連通路121までの油量や粘性などを考慮して、後述するように、油を吸い込んだ後に連通路断面に作用する大気圧により逆止弁124から連通路121までの油が漏れないような孔径に設定してある。
【0021】爪操作シリンダ90の前後シリンダ室95a,95bには、夫々アキュムレータ130が接続してある。アキュムレータ130は、図7に示すように、チャック本体91の軸方向に設けた嵌入孔131に後方を開放したチューブ132を液密に嵌め込み、そのチューブ132は、クランプ部材98により抑えられている。チューブ132の内側に設けた段付孔の大径孔133に、大径の第1の圧力維持ピストン134を移動自在に嵌装し、第1の圧力維持ピストン134は、前端の鍔部135とクランプ部材98との間に介装されたばね136で前方へ付勢され、段付孔の段部137で移動規制されている。その圧力維持ピストン134の有底中心孔138に小径の第2の圧力維持ピストン139を軸方向移動自在に案内している。圧力維持ピストン139の長手途中は、大径の圧力維持ピストン134と当接可能な当接フランジ140が一体に設けてある。圧力維持ピストン139の先端は、チューブ132先端から蓄圧室141に突出している。有底中心孔138の底部と圧力維持ピストン139との間のばね142により、圧力維持ピストン139が前方に付勢してある。内、外側のばね142,136は、軸線方向位置が重なるように配置してあり、圧力維持ピストン139のばね142のばね力より、圧力維持ピストン134のばね136のばね力が大きくしてある。前(後)シリンダ室95a(95b)に供給された流体は、チューブ132と嵌入孔131との間の流体通路143を介して蓄圧室141へ流れ込み、まず、圧力維持ピストン139をばね142をたわめながら押し下げ、当接フランジ140が鍔部135に当接すると、その後は、ばね136をたわめつつ圧力維持ピストン134を押し下げ、それらのばね力で流体圧力を維持するようにしてある。この構成では、2つのばね136,142が軸線方向位置を重ねて配置されているために、アキュムレータ130の軸線方向長さを短くできる。
【0022】チャック移動手段3の交換アーム6がシリンダ10の作用で前進端位置に前進し、その状態で旋回モータ12により180度旋回して、上下のチャック位置を入れ替えたタイミング(図11)から説明する。チャックCには、内蔵の逆止弁124及び、アキュムレータ130により内部ヘ供給された流体圧が維持されて、爪操作シリンダ90によりワークWが把持されているものとする。主軸2後端の回転クランプシリンダ41も、ワーク着脱ステーション85のクランプシリンダ43Aも、ピストン49、ピストンロッド50共に前進端位置にあって、係合部52は係合孔54から外れ、リード溝58の作用により、主軸2及び、ワーク着脱ステーション85の引込ブロック39の引込爪40は、図2,図4(b)に示すアンクランプ角度位置P2にある。また主軸2は、装着用アダプタ15が図2のように左上に爪操作シリンダ90の前シリンダ室95aに連通する開閉弁20aが位置し、右下に爪操作シリンダ90の後シリンダ室95bに連通する開閉弁20bが位置する状態で停止され、各流体開閉弁20a,20bは閉じている。
【0023】シリンダ10が作用して、交換アーム6が軸線方向に後退し、上下のチャックCは、夫々主軸2軸線と、クランプシリンダ43Aの軸線上を後退し、夫々の背面のカップリング101が、対向した装着用アダプタ15(15A)のカップリング17と係合する。これと同時に、アンクランプ角度位置P2の引込ブロック39の引込爪40は、チャックC背面の引込爪通過部103を通って、係止部102の内側に入り込むが、係止爪104とは、円周方向にも、軸方向に離れていて、アンクランプ状態にある(図9)。開閉弁20a,20bは、カップリング101,17が完全に噛み合うまでの過程で、嵌入筒部材22が嵌入孔112に嵌まり込んで、筒部先頭が吸引ピストン115を押すと共に、押し軸119が弁体26を開く(図8(a))。この時点では、圧油が爪操作シリンダ90に供給されていないので、爪操作シリンダ90は、内蔵の逆止弁124の作用で、ワークWを把持した状態を維持している。次いで、クランプシリンダ43,43Aの前シリンダ室47に圧油を供給する。すると、ピストン49が前進端から案内溝56とピン57との係合によりまっすぐ後退し、一方、ピストン49の大径部51の後端面51aが係合孔54の前端面54aと当接することで、リード溝58とピン59との係合によりピストンロッド50が軸方向に後退移動することなくアンクランプ角度位置P2からクランプ角度位置P1に旋回する。
【0024】旋回により、引込爪40がクランプ角度位置P1に到るタイミングでピストン49の後端面がピストンロッド50の大径部51の前端面と当接すると共に、係合部52の2面幅部が係合孔53の2面幅部に一致し(図4(a))、さらにピストン49の後退移動により、ピストン49とピストンロッド50は互いに回転することなく一体に後退し、これにより、引込爪40はチャックCの係合部の係止爪104と対向した状態で軸方向に後退し、係止爪104を強く引込み、チャックCを主軸2、及び、ワーク着脱ステーション85の着脱用アダプタに装着する(図10)。その後、万一、主軸2後端のクランプシリンダ43では、給排ポート73bの外側で圧油の供給が絶たれた場合でも、主軸2後端のクランプシリンダ43の前シリンダ室47への圧油は、内蔵の逆止弁76で内部圧力が維持され、チャックCの主軸2へのクランプ状態は維持されたままである。長期の休日などで、チャックCを主軸2などに装着したまま長時間放置されるとき、クランプシリンダ43,43A内の流体圧力が低下する恐れがあるが、ばね64でピストンロッド50クランプ方向に絶えず引き込んでいるので、そのばね力でチャッククランプ状態が維持され、チャックCが装着用アダプタ15(15A)から外れたり、落下したりする事故が防止でき、安全である。
【0025】こうして、主軸2にチャックCが装着されると、チャックCの爪操作シリンダ90のワーク把握動作に対応する、回転クランプシリンダ41の給排ポート74aから圧油を供給する。すると、回転クランプシリンダ41の、対応する流体通路79、給排パイプ83、装着用アダプタ15の流路34、開閉弁20a、連通路121、吸引室114、逆止弁124を介して、流体が爪操作シリンダ90の前側シリンダ室95aへ供給され、チャックCの把握爪93が把握方向(半径方向内側)に移動し、ワークWを増し締めする。この時、流体が排出される後側シリンダ室95bにつながる逆止弁124は、供給されてくる流体のパイロット圧により開くことはいうまでもない。次いで、チャック移動手段3の、主軸2側に対応している開閉アーム8が開かれ、チャックCには、流体供給源201から流体を供給したまま、主軸2が回転され、ワークWを加工する。このように、加工中にも、チャックC内部の爪操作シリンダ90に流体を供給し続けることができるため、内部の逆止弁124で流体圧を保持するのみで加工する場合に比べ、ワーク把握力が確実に維持され、安全である。
【0026】一方、ワーク着脱ステーション85に固定されたチャックCでは、爪操作シリンダ90の後シリンダ室95bにつながる給排ポートから圧油を供給する。これにより開閉弁20b、連通路121、吸引室114、逆止弁124を経て、爪操作シリンダ90の後シリンダ室95bに圧流体が供給され、ウエッジプランジャ107が前進して、ジョウ93が開き、ワークWを解放する。その後、ワークWを未加工のものと交換し、爪操作シリンダ90の前シリンダ室95aに圧流体を供給し、プランジャ107を後退して、ワークWを把持する。把持後、図示しない切換弁により、圧流体はチャックC切離しのために供給停止されると共に、チャックC内部の2つの逆止弁124から流体供給源側の流路は、内圧がなくなるようにタンクと連通される。しかし、チャックCでは、その内部の逆止弁124により供給圧が維持されるので、ワークWを把持したままである。逆止弁124からの多少の漏れがあっても、内蔵のアキュムレータ130により圧流体が補充されるので、圧力が長期に亘って維持され安全である。
【0027】こうしてワーク着脱ステーション85のチャックCでのワーク取替えと、主軸2側のチャックCでの加工が完了すると、主軸2は、再び図2の位置関係に回転停止され、切換弁200を中央位置に切り換えてチャックC内への流体供給を止めると共に、逆止弁124から切換弁200に到る流路をタンクTにつなぎ、その流路の内圧をなくす。その状態で開閉アーム8が保持溝97を把持し、次いで、上下のクランプシリンダ43,43Aのピストン49がクランプ位置(図3,5の状態)から前進する。これにより、各引込爪40はクランプ角度位置P1を保ったまま、係合孔54から係合部52が外れるまで前進すると、ピストンロッド50が前進端に位置し、引込爪40が係止爪104から離れてチャックCをアンクランプし、そのピストンロッド50の前進端位置において、さらにピストン49がピストンロッド50に対して前進することで、ピストンロッド50がリード溝58により旋回し、先端の引込爪40が、クランプ角度位置P1からアンクランプ角度位置P2まで旋回する。
【0028】次に、シリンダ10が作動してボデイ4が前進すると、チャックCが前進されて、引込爪40がチャックC側の引込爪通過部103を通って、図1の状態になる。このようにチャックCを着脱用アダプタ15(15A)から引き離す途中において、図8(b)に示すように、開閉弁20a,20bの弁体26が閉じる。しかし、このときには、吸引ピストン115は、嵌入筒部材22の先端にいまだ押されていて、吸引ピストン115の開閉弁方向には、さらにストロークSが残っている。そして、弁体26が閉じたときには、開閉弁20a,20bの供給口21及び、吸引ピストン115の供給口120、連通孔121、吸引室114から逆止弁124に到る管路には、流体が充満している(勿論、逆止弁124から爪操作シリンダ90までの管路には、圧流体が閉じ込められている)。
【0029】そして、この状態から、さらにチャックCが前進されると、嵌入筒部材22が嵌入孔112から抜け出るまでに、ばね117力によって、吸引ピストン115が開閉弁方向に残ったストロークSだけ移動し、吸引室114には負圧が発生する。その後に、嵌入筒部材22が嵌入孔112のシール部分から外れて大気圧が作用し始めると、前記負圧によって、供給口21,120にあった残存流体が連通孔121から逆止弁124方向へ吸い込まれ、吸い込まれた流体の液端面が概ね連通孔121内に位置し、チャックC内において逆止弁124で一端を塞がれた流路に大気圧により保持された状態となるので、開閉弁20bとカプラ111bとが完全に離れても、それらの供給口21,120には、外側に滴下する残存流体が殆どなくなり、チャックCを着脱して、流体回路を断続するものであっても、その連結部で流体回路から外側に漏れる漏れ流体の量を大幅に減らすことができ、周囲環境を汚すことがないばかりか、流体回路から失われる作動流体の量を少なくできる。尚、主軸2にチャックCをクランプした状態で、ワークを開放したいときには、前記と逆に爪操作シリンダ90を動作するように、流体を供給すればよい。
【0030】図13は、チャック交換装置の異なる例を示すもので、チャック移動装置3のアーム軸5の駆動機構を変更している。主軸ヘッド1に固着したボデイ4にアーム軸5が軸方向へ移動可能でかつ旋回可能に支承されている。アーム軸5にはピストン10eがアーム軸5に固着された一対の止具5aによって軸方向の相対移動を規制されて回動自在に嵌合されている。ピストン10eはボデイ4に設けたピストン室4eに嵌合され、圧流体(圧油)によって所定量前後移動されるようになっている。アーム軸5には、ギヤ列11のギヤ11eが滑りキー11fを介して一体回動可能でかつ軸線方向へ相対移動可能に嵌合されている。ギヤ11eはボデイ4によって軸線方向へ移動しないように保持され、旋回モータ12によるギヤ11eの回転によってアーム軸5を180度ずつ往復回転又は一方向回転させ、2つのチャックCを主軸2位置と、ワーク着脱ステーション85位置との間で入れ替えるようになっている。
【0031】
【発明の効果】以上のように本願発明では、単体でワークを把持可能なチャック交換用のチャックにおいて、主軸に装着すると自動的に主軸側に準備された流体給排部とチャックの給排接続部とが連結されるようにしたので、交換用チャックを主軸に装着するのみで、チャックが主軸との間で流体回路を結合でき、チャック装着部側からチャック側に作動流体を供給してチャック爪操作シリンダを操作でき、主軸装着状態においても、チャック爪の開閉を行うことができる。また、圧流体を爪操作シリンダに供給したままワークを加工することもでき、逆止弁で圧力保持するのみでワークを把持して加工する場合と比べて、一層安全である。また、アキュムレータの複数のバネを、軸線方向位置を重ねて配置したから、長手長さを短くでき、アキュムレータをチャック軸線方向に設けても、チャック厚みが厚くならない。さらに、チャックをチャック装着部から切り離すときに、両者の流体接続口間に残って滴下しやすい液状残存流体を、チャック側に吸い込むようにしたので、滴下液状流体の量を少なくでき、作動液状流体が滴下することによって流体回路から失われ、流体供給タンクに補填しなければならない流体の補充量を少なくでき、経済的である。また爪操作シリンダにより自己保持可能なチャックを主軸位置と他の位置との間で交換し、夫々の位置で爪操作シリンダにより爪開閉できるようにしたので、主軸位置での加工作業中に別の位置で段取り作業できて稼働率を良くできると共に装置構成を簡易にできる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013