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発明の名称 環境浄化組成物、環境浄化材料および製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−277401
公開日 平成10年(1998)10月20日
出願番号 特願平9−89737
出願日 平成9年(1997)4月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】柳原 成
発明者 石橋 勇人 / 鈴木 貞一 / 前田 健蔵
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 光触媒と、有機金属錯体およびアゾ基含有有機化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、無機質融着材とを含む環境浄化組成物。
【請求項2】 光触媒と、有機金属錯体およびアゾ基含有有機化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、無機質融着材と、溶媒とを含む環境浄化組成物。
【請求項3】 請求項1または2記載の環境浄化組成物の焼成物からなる環境浄化材料。
【請求項4】 請求項1または2記載の環境浄化組成物の焼成物を基材の表面部に有する環境浄化材料。
【請求項5】 請求項1または2記載の環境浄化組成物を焼成して焼成物を形成することを特徴とする環境浄化材料の製造方法。
【請求項6】 請求項1または2記載の環境浄化組成物を基材表面に被覆して焼成することを特徴とする環境浄化材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、悪臭、有毒ガス、細菌、黴、有機物等の有害汚染物質(以下、有害物質と略す)を、光触媒によるレドックス反応を利用して浄化するための光触媒を用いた環境浄化組成物、およびそれを用いた環境浄化材料ならびにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年地球環境の悪化は社会問題としてクローズアップされ、その関心はますます高まるばかりである。環境の改善を目的として都市や公園の緑地化等行われているものの、氾濫する自動車による排気ガス、工場からの汚水や有毒ガス、家庭内においてはタバコの煙や壁等に付着するヤニなどが人間の社会生活に与える影響は大きく、浄化要求は日増しに大きくなっている。
【0003】近年、酸化チタンに代表される光触媒(photocatalyst)を利用した光触媒反応の研究が盛んに行われてきている。酸化チタンは紫外線を照射すると光化学反応を起こし、水や各種有機物を酸化分解する性質があり、多くの分野にわたりその応用がなされている。例えば空気中の低濃度窒素酸化物の除去方法として、特公平2−62297号公報には、空気中の低濃度窒素酸化物を300nm以上の人工光或いは太陽光を照射した二酸化チタン−活性炭素混合物によって除去する方法が開示されている。
【0004】また有害物質除去法として、特開平4−256755号公報には、光触媒を担持させた粒状パルプからなる光反応性有害物質除去剤に紫外線照射を行うことにより、悪臭物質、刺激臭物質、園芸作物成長促進成分等の有害物質を除去する方法が開示されている。特開平2−273514号には粘土成形体に光触媒を担持させることが開示されている。さらに光分解法として、特開平6−233929号公報には、太陽光を長波長帯域と短波長帯域に分光し、光触媒を分散した溶液に短波長帯域の光を照射して光化学反応により生成物、例えば水から水素と酸素、CO2水溶液からCH3OHとCH4を分解する方法が開示されている。
【0005】上記のように二酸化チタンなどの光触媒を用いると、光源として人工光、太陽光、紫外線等の特定の光を照射することにより有害物質や有機物の除去が可能である。しかし、これらの従来の光触媒は二酸化チタン等の光反応性半導体の触媒活性をそのまま利用しているため、その活性が律速となる。従来は有機物質除去を効率化するための向上策については全く検討されておらず、有害物質の除去率を向上させるものが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光触媒の活性を向上させ、長期にわたって悪臭、有毒ガス、細菌、黴、有機物等の有害物質を効率よく浄化することができる環境浄化組成物、それを用いた環境浄化材料、ならびにその製造方法を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の環境浄化組成物、環境浄化材料および製造方法である。
(1) 光触媒と、有機金属錯体およびアゾ基含有有機化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、無機質融着材とを含む環境浄化組成物。
(2) 光触媒と、有機金属錯体およびアゾ基含有有機化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、無機質融着材と、溶媒とを含む環境浄化組成物。
(3) 上記(1)または(2)記載の環境浄化組成物の焼成物からなる環境浄化材料。
(4) 上記(1)または(2)記載の環境浄化組成物の焼成物を基材の表面部に有する環境浄化材料。
(5) 上記(1)または(2)記載の環境浄化組成物を焼成して焼成物を形成することを特徴とする環境浄化材料の製造方法。
(6) 上記(1)または(2)記載の環境浄化組成物を基材表面に被覆して焼成することを特徴とする環境浄化材料の製造方法。
【0008】本発明において用いられる光触媒は、特定波長の光を照射したときに光化学反応を起こす作用を有する物質であり、電子の充満した価電子帯、空の伝導帯およびこれらを隔てる禁制帯で表されるエネルギー構造を持つ半導体が好ましい。このような光触媒としては0.5〜5eV、好ましくは1〜3eVの禁止帯幅を有する半導体が好ましい。
【0009】このような半導体としては、例えば、二酸化錫、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウム、チタン酸バリウム、酸化第二鉄等の金属酸化物;硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化鉛、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム等の金属カルコゲナイド;シリコン、ゲルマニウム等の第IV族元素;ガリウムリン、ガリウムヒ素、インジウムリン等のIII−V族化合物半導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール等の有機半導体などが挙げられる。
【0010】これらの中では酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウム、酸化第二鉄、二酸化錫、チタン酸バリウム等の金属酸化物が好ましく、特に酸化チタンが優れた光触媒性および汎用性を有することから好ましい。酸化チタンとしては、二酸化チタンの他に含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなどがあげられる。またその結晶型としては、ルチル型およびアナタース型があげられるが、アナタース型が好ましい。酸化チタンの製造方法および表面処理についてはなんら限定されない。
【0011】上記の光触媒は1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。光触媒の形態としては粒子状のものが好ましく、粒子径は電子顕微鏡法で1nm〜200μmのものを用いることが好ましい。
【0012】上記の光触媒はヒ素、リン、アルミニウム、ホウ素、ナトリウム、ハロゲンなどの不純物をドープしたものも同様に使用することができ、また表面に白金などの貴金属を担持することにより、触媒効果の向上をはかることもできる。さらに活性炭や酸化白土などの担体に担持したものを用いることもできる。
【0013】本発明に用いられる有機金属錯体は金属イオンを含む有機錯化合物であり、特に窒素含有有機金属錯体が好ましい。このような窒素含有有機金属錯体としては、フタロシアニン環含有化合物が好ましく、具体的には、フタロシアニン、銅フタロシアニン、フタロシアニンチタン、鉄フタロシアニン、錫フタロシアニン、フタロシアニンコバルト、フタロシアニンアルミニウム、フタロシアニンニッケル等のフタロシアニン金属錯体から選ばれる1種以上のものが好ましい。
【0014】本発明に用いられるアゾ基含有有機化合物は、分子構造中にアゾ基を含む有機化合物である。このようなアゾ基含有有機化合物としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料から選ばれる1種以上であることが望ましい。
【0015】不溶性アゾ顔料としては、パーマネントレッド4R、ジニトロアニリンオレンジに代表されるβ−ナフトール系、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッドに代表されるピラゾロン系、ブリリアントカーミンFB、パーマネントカーミンFB、パーマネントレッドF5RKに代表されるナフトールAS系、ベンツイミダゾロンオレンジに代表されるベンツイミダゾロン系が挙げられる。溶性アゾ顔料としては、例えばパーマネントレッド2B、レーキレッドR、ボルドー10B、ボンマルーンメジウム、ボンマルーンライト等が挙げられる。
【0016】モノアゾ系顔料としては、例えばファーストイエローG、ファーストイエロー10G、ファーストイエロー5GX、ファーストイエローFGL、ベンツイミダゾロンイエローH3G、ベンツイミダゾロンイエローH4G等が挙げられる。ジスアゾ系顔料としては、例えばC.I Pigment YELLOW12、C.I Pigment YELLOW13、C.I Pigment YELLOW14、C.I Pigment YELLOW17、C.I Pigment YELLOW55、C.I Pigment YELLOW81、C.I Pigment YELLOW83、C.I Pigment YELLOW87等が挙げられる。縮合アゾ系顔料としては、例えばC.I Pigment YELLOW93、C.I Pigment YELLOW94、C.I Pigment YELLOW95等が挙げられる。
【0017】これらの金属錯体およびアゾ基含有有機物の形態はそれぞれ、粒子状または溶液に混合したスラリーもしくは液体状のものが好ましく、粒子径は電子顕微鏡法で1nm〜200μmのものが使用でき、使用に当たっては電子顕微鏡法で1nm〜80μmであることが好ましい。本発明では有機金属錯体およびアゾ基含有有機化合物のいずれか一方のみを用いてもよく、また両方を用いてもよい。
【0018】本発明において有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物の配合量は、光触媒100重量部に対し0.001〜400重量部、好ましくは0.001〜200重量部、より好ましくは0.001〜100重量部である。ここで有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物の配合量が400重量部を越えると、光触媒が有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物に覆われて、十分な触媒活性を示さない。また有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物の配合量が0.001重量部以下では、有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物による触媒活性の上昇が顕著でない。
【0019】本発明で用いられる無機質融着材は、光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とを結合し、またはこれらと基材または他の添加剤とを結合させる結合材である。この無機質融着材は加熱により溶融し、冷却により固化して融着する材料である。このような無機質融着材としては、例えばほうろう、グラスライニング、セラミックコーティング等に用いられるほうろうフリット、ほうろうスリップ、うわぐすり等のガラス質材料や、粘土、金属酸化物等のセラミック材料等があげられる。
【0020】上記のガラス質材料は、例えばK2O、SiO2、Al23、CaO、B23、LiO2、MgO、Femn、Mnmn、PbO、Rb2O、Ga23、Sc23、Lu23、Er23、Dymn、Gd23、Sm23、Nd23、Pr23、Lamn、SrO、ZrO2、TiO2、Cr23、C2S、ZnSe、ZnS、CuI、CuBr、CuCl、AgI、CoO、BaO、ZnO、K2O、Na2O、F、NiO、BeO、BeS、Cumn、Ymn、Wmn、Umn、Nbmn(m、nは任意の自然数)等のガラス質成分を配合した材料である。
【0021】これらの各成分の配合割合は溶融温度その他の条件により異なるが、一般的にはSiO2が30〜95重量%、好ましくは30〜70重量%、Na2Oが5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、B23が0〜30重量%好ましくは0〜20重量%、残部が他の成分とすることができる。溶融温度は200〜1500℃、好ましくは300〜900℃に調整するのが好ましい。
【0022】上記の無機質融着材のうちほうろうフリットはアルカリの割合が比較的多くて溶融温度の低い組成であり、グラスライニング用のうわぐすりはアルカリの割合が比較的少なくて溶融温度が比較的高い組成であるセラミックコーディングのうわぐすりはこれらのガラス質材料にセラミックを配合したものが好ましいが、セラミックを溶融するものもある。
【0023】セラミック材料はセラミックを形成する材料であって、各種粘土のほか、前記ガラス質材料として例示した金属酸化物その他の化合物がセラミックの組成となるように配合されたものである。これらの各成分の配合比は各種セラミックの種類によって異なり一般的に規定できないが、いずれの場合も焼成により少なくとも表面部で融着が起こり、光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とを一体化し、またはこれらと基材を一体化するものが使用できる。
【0024】これらの無機質融着材も1種単独で用いてもよく、また数種を併用してもよい。これらの無機質融着材の形態としては、粉体、水分散液、有機溶剤分散液など、使用形態に応じて任意の形態とすることができる。
【0025】これらの無機質融着材は環境浄化組成物の使用形態に応じて任意に使用され、その配合量は使用形態に応じて異なるが、一般的には光触媒100重量部に対して固形分換算で10〜1000重量部、好ましくは10〜600重量部、より好ましくは10〜500重量部である。ここで1000重量部を超えると、光触媒が無機質融着材に被覆されて、十分な光触媒性が得られない。
【0026】本発明で用いる溶媒は分散液ないし溶液状の環境浄化組成物を形成するために用いられるものであり、水その他の溶媒が使用できる。このような溶媒としては、具体的には、例えば水、塩溶液、アルコールその他の有機溶剤、またはこれらの混合物などが挙げられる。塩としてはNaCl、KCl、NH4Cl、MgCl2、CaCl2などの水溶性塩が好ましい。有機溶媒としてはアルコール、アセトン等の水溶性の溶剤が好ましい。
【0027】溶媒の配合量は光触媒組成物100重量部に対し、0〜1000重量部、好ましくは0〜600重量部、より好ましくは0〜500重量部である。ここで溶媒が1000重量部を越えると、溶液の粘度が低下し塗布できなくなる。環境浄化組成物をそのまま焼成して環境浄化材料を形成する場合等には溶媒は必要でない場合があるが、液状の被覆剤として基材に塗布する場合には光触媒100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは50〜600重量部、より好ましくは50〜500重量部用いるのが好ましい。
【0028】上記の各成分は環境浄化組成物の使用形態、性質等に応じて配合割合を任意に変えることができる。また本発明の環境浄化組成物は上記各成分のほか、その使用形態に応じて他の成分、例えば安定剤、促進剤、粘度調整剤等を配合することができる。
【0029】本発明の環境浄化組成物は共通の成分として光触媒と、有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とを含むが、これらの成分のみからなる環境浄化組成物は焼成して環境浄化材料を製造する場合に使用される。具体的にはこのような環境浄化組成物をそのまままたは成形して焼成することにより、光触媒と、有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と無機質融着材の融着によって一体化した成形体からなる環境浄化材料を製造することができる。成形に際しては前記溶媒または樹脂等のバインダーを用いて成形することができる。成形品の形状としては塊状、シート状、繊維状など、任意の形状とすることができる。
【0030】光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と溶媒とからなる環境浄化組成物は、基材表面に塗布して焼成することにより、無機融着剤が融着して光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とが一体化した皮膜を基材表面に形成した環境浄化材料を製造することもできる。塗布の方法としては、一般的な塗布方法、例えば刷毛塗り、エアスプレー塗布、エアレススプレー塗布、ロール塗布、フローコーティング、シャワーコーティング、アプリケーターによる塗布、電着塗布等が挙げられる。
【0031】本発明において用いられる基材としては、例えば鋼板、軟鋼板、建材部品、ガラス、セメント構造物など環境浄化組成物を塗装ないし内添して環境浄化材料を形成できる全ての物が挙げられる。
【0032】焼成工程では無機質融着材は加熱により溶融し、冷却により固化して融着するが、このとき光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とが一体化し、またこれらと基材とが固着される。焼成の際光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物は熱により一部分解するが、粒状体を使用することにより表面の分解にとどめ、内部は触媒反応促進効果を保持することができる。
【0033】
【作用】光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と無機質融着材からなる環境浄化組成物を焼成して得られた環境浄化材料はそのまま環境に放置して、あるいは塔等に充填して環境浄化して使用することができる。また光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と無機質融着材からなる環境浄化組成物を基材に被覆して焼成して得られた環境浄化材料は、基材の形状、使用形態に応じて同様に環境浄化に使用することができる。本発明の環境浄化組成物を焼成して得られる環境浄化材料は自然光や人工光を照射することにより、悪臭、有毒ガス、細菌、黴、有機物等の有害物質を分解することができる。光触媒として前記半導体を用いる場合、禁制帯以上のエネルギーを持つ光が吸収されると、価電子帯の電子が伝導帯に励起し、この光励起に伴い価電子帯には正孔が残る。半導体表面において発生した励起電子と正孔が膜中の酸素や水分に働きかけ、酸素ラジカルを発生させる。この酸素ラジカルのレドックス反応を利用して有害物質が除去される。
【0034】ここで有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物が介在すると、太陽光などの自然光や蛍光灯等の人工光などによって励起された光触媒は有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物に効率よく電子を伝達する。伝達によって励起された有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物は、空気中の水分や酸素に効率よく電子を伝達し、酸素ラジカルを発生させる。この酸素ラジカルの酸化作用によって一層高い有害ガス、雑菌、有機物等の有害物質の光分解効果が得られる。
【0035】本発明の環境浄化材料は無機質融着材の融着により光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とが一体化しているため、樹脂等のバインダーで一体化した場合よりも耐候安定性、耐熱安定性、衝撃に対する安定性、反応に対する安定性等に優れ、長期にわたって触媒反応の活性を高く維持することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の環境浄化材料は、光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と、無機質融着材の焼成物からなるため、これらの相互作用により従来の光触媒を使用した環境浄化材料に比べ、塗膜や空気中の水分や酸素を効率よく酸素ラジカルに変換することができ、この酸素ラジカルの酸化作用によって一層高い有毒ガス、雑菌、有機物等有害物質の光分解効果を得るとともに、劣化が少なく長期にわたって使用することができる。
【0037】光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物と基材表面を無機質融着材で被覆した焼成物からなる環境浄化材料は、反応活性点を表面に形成するため、効率よく浄化作用を行うことができる。
【0038】本発明の環境浄化組成物および製造方法によれば、上記のような光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とが一体化した状態の環境浄化材料を形成することができ、これにより有害物質の光分解効果の高い状態を維持することができる。
【0039】光触媒と有機金属錯体および/またはアゾ基含有有機化合物とともに溶媒を用い、基材表面に被覆して焼成することにより、表面にのみ環境浄化組成物の層を有する環境浄化材料を形成することができ、効率よく、有害物質を光分解することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。各例中、%および部はそれぞれ重量基準である。
【0041】実施例1〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)200部およびフタロシアニン(大日精化工業(株)製、粒径3nm)5部を混合した。これに溶媒としてKCl 20%水溶液400部を加えて攪拌により分散させ、50℃で3日間放置して乾燥させ、これを粉砕することにより環境浄化組成物を得た。
【0042】〈環境浄化材料の調製〉上記の環境浄化組成物を粉体用の静電スプレーで乾燥重量が20g/m2になるようにほうろう用鋼板に塗布し、700℃で5分間焼成することにより実施例1の環境浄化材料を作製した。
【0043】実施例2〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−5(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)300部および鉄フタロシアニン(大日精化工業(株)製)10部を混合した。これに溶媒としてKCl 20%水溶液300部を加えて攪拌により分散させ、環境浄化組成物分散液を得た。
【0044】〈環境浄化材料の調製〉上記の環境浄化組成物をエアスプレーで乾燥重量が20g/m2になるようにほうろう用鋼板に塗布し、700℃で5分間焼成することにより実施例2の環境浄化材料を作製した。
【0045】実施例3〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)400部および不溶性アゾ顔料(富士色素(株)製、商品名;ピグメントレッド170)10部を混合した。これに溶媒としてKCl 20%水溶液300部を加えて攪拌により分散させ、環境浄化組成物分散液を得た。
【0046】〈環境浄化材料の調製〉上記の環境浄化組成物をエアスプレーで乾燥重量が20g/m2になるようにほうろう用鋼板に塗布し、700℃で5分間焼成して実施例3の環境浄化材料を作製した。
【0047】実施例4〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、笠岡粘土300部および;錫フタロシアニン(山陽色素(株)製)10部を混合した。溶媒としてKCl 20%水溶液400部を加え攪拌により分散させ、環境浄化組成物分散液を得た。
【0048】〈環境浄化材料の調製〉上記の環境浄化組成物をエアスプレーで乾燥重量が20g/m2になるようにほうろう用鋼板を塗布し、700℃で5分間焼成し実施例4の環境浄化材料を作製した。
【0049】実施例5〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、鉄フタロシアニン(大日精化工業(株)製)10部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)300部を混合した。これに溶媒としてKCl 20%水溶液を300部加えて攪拌により分散させ、実施例5の環境浄化組成物分散液を得た。
【0050】実施例6〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、不溶性アゾ顔料(富士色素(株)製;ピグメントレッド170)10部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)300部を混合した。これに溶媒としてKCl 20%水溶液を300部を加えて攪拌により分散させ、実施例6の環境浄化組成物分散液を得た。
【0051】比較例1実施例1の浄化組成物の分散液の調製において、フタロシアニン顔料を添加しなかった以外は実施例1と同様にして比較例1の環境浄化材料を作製した。
【0052】比較例2実施例2の浄化組成物の分散液の調製において、鉄フタロシアニン顔料を添加しなかった以外は実施例2と同様にして比較例2の環境浄化材料を作製した。
【0053】比較例3実施例3の浄化組成物の分散液の調製において、不溶性アゾ顔料を添加しなかった以外は実施例3と同様にして比較例3の環境浄化材料を作製した。
【0054】比較例4実施例4の浄化組成物の分散液の調製において、錫フタロシアニン顔料を添加しなかった以外は実施例4と同様にして比較例4の環境浄化材料を作製した。
【0055】比較例5〈環境浄化組成物の調製〉光触媒として二酸化チタン粉末(テイカ(株)製、商品名;JA−3(アナタース型)粒子径:0.18μm)100部、ほうろうスリップ(川鉄建材(株)製)300部を混合した。溶媒としてKCl 20%水溶液を300部加え攪拌により分散し、比較例5の環境浄化組成物分散液を得た。
【0056】試験例1〈触媒活性〉実施例1〜4および比較例1〜4の環境浄化材料を10cm×10cmの大きさにトリミングし、15Wの紫外線灯を備えた容器中に置いて13%のアンモニア水を5mlを添加し、環境浄化材料の15cm上方より紫外線光を照射し、アンモニアを酸化させた。2時間後に添加したアンモニア溶液を回収して溶液中の硝酸、亜硝酸などの酸性成分を分離し、生成量を電位差滴定計(平沼自動滴定装置COM−900)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】試験例2〈防黴効果〉実施例1〜4および比較例1〜4の環境浄化材料を10cm×10cmの大きさにトリミングし、JIS−Z2911−1981の黴抵抗試験方法に従い塗膜の防黴性を調べた。試験2週間後の結果を表2で示す。
【0059】
【表2】

【0060】試験例3〈防黴効果〉実施例5、6および比較例5の環境浄化組成物を培養液(日水製薬(株)製;トリプトソーヤブイヨン「ニッスイ」)100部に対し10部溶解し、黒黴および赤黴を添加した。この環境浄化材料の溶解物を攪拌しつつ15cm上方より15Wの蛍光灯を照射した。2週間後に培養液を濾過しその濾過液を寒天培地(日水製薬(株)製:サブロー寒天培地「ニッスイ」)上で培養した。結果を表3に示す。
【0061】
【表3】

【0062】〈結果〉表1より光触媒性の二酸化チタンとアゾ基含有有機化合物、若しくは有機金属錯体を含有する環境浄化材料はいずれも、光触媒性の二酸化チタンのみ含有するものより、極めて優れた触媒活性を示した。表2より光触媒性の二酸化チタンと、有機金属錯体もしくはアゾ基含有有機化合物を含有する環境浄化材料はいずれも、光触媒性の二酸化チタンのみ含有するものより、極めて優れた防黴効果を示した。表3より光触媒性の二酸化チタンにアゾ基含有有機化合物もしくは有機金属錯体を混合した環境浄化組成物およびそれよりえられる環境浄化材料はいずれも、光触媒性の二酸化チタンのみ含有するものに比べて極めて優れた防黴効果を示し、安定性を有することがわかる。
【0063】以上の結果より、本発明の光触媒を用いた環境浄化組成物およびそれより得られる環境浄化材料は、比較例のような光触媒のみ含有するものに比べて、極めて顕著に光触媒性、有機物の分解性や防黴効果を発揮することがわかる。




 

 


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