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発明の名称 放電加工制御方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−309630
公開日 平成10年(1998)11月24日
出願番号 特願平9−135858
出願日 平成9年(1997)5月9日
代理人
発明者 新家 一朗 / 金子 幹男 / 山田 久典 / 山田 邦治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 加工用電極と被加工体とが相対向して形成する微小加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより発生する放電により加工する放電加工であって、加工中に電極または被加工体に前記間隙維持のサーボ制御送りとは別の相対的な、前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接するジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なわせながら加工する放電加工制御方法に於て、前記ジャンプ運動の設定条件である開離距離が少なくとも現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さのデータを含む加工条件とから、又もう1つのジャンプ運動の設定条件である開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度が少なくとも前記現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とから夫々ファジィ推論により自動設定可能に構成され、加工中に、加工間隙の加工状態を前記電圧パルスが複数個印加される期間の検出判別によりジャンプ運動の作動指令信号が出力されたとき、前記ジャンプ運動の各設定条件の値を当該検出判別時の現在加工位置に於ける前記各データ値に基づいて演算自動設定すると共に、該設定された条件のジャンプ運動の開離作動を起動させるようにしたことを特徴とする上記の放電加工制御方法。
【請求項2】 加工電極と被加工体とが相対向して形成する加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより、発生する放電により加工を行なう放電加工であって、加工中に電極又は被加工体に前記サーボ制御送りとは別の相対的な前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接するジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なわせながら加工すると共に、サーボ制御送りによる加工中の加工状態検出信号により前記電圧パルス間休止時間を加工状態の悪化に応じて順次に増大制御し、正常化に応じて設定値迄順次に減少するように休止時間制御を行ないつつ加工する放電加工制御方法に於て、前記ジャンプ運動の設定条件である開離距離が少なくとも現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さデータを含む加工条件とから、又もう一つのジャンプ運動の設定条件である開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度が少なくとも前記現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とから夫々ファジィ推論により自動設定可能に構成され、加工中に前記休止時間制御により休止時間が所定の増大制御レベルに達したことを信号として、前記ジャンプ運動の各設定条件の値を当該休止時間制御時の現在加工位置に於ける前記各データ値に基づいて演算自動設定すると共に、該設定された条件のジャンプ運動の開離作動を起動させるようにしたことを特徴とする上記の放電加工制御方法。
【請求項3】 前記開始されたジャンプ運動の終期である前記加工間隙がジャンプ開始時の位置に復帰する直前の位置から、加工間隙の放電繰り返し周波数を繰り返し検出するようにし、該検出放電繰り返し周波数が増加しつつある間は、前記ジャンプ運動の作動指令信号を生成出力する加工間隙の加工状態の検出判別することを抑制するようにしたことを特徴とする前記請求項1、又は2に記載の放電加工制御方法。
【請求項4】 前記開始されたジャンプ運動の終期である前記加工間隙がジャンプ開始時の位置に復帰する直前の位置から、加工間隙の平均加工電圧を繰り返し検出するようにし、該検出平均加工電圧が、加工のためのサーボ制御送りのための基準電圧、又は加工電圧パルスの無負電圧の1/2の電圧以上の間は、前記ジャンプ運動の作動指令信号を生成出力する加工間隙の加工状態を検出判別することを抑制するようにしたことを特徴とする前記請求項1、又は2に記載の放電加工制御方法。
【請求項5】 加工用電極と被加工体とが相対向して形成する微小加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより発生する放電により加工する放電加工の制御装置に於て、加工中に電極又は被加工体に前記サーボ制御送りとは別の相対的な前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接させるジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なうジャンプ駆動制御手段と、サーボ制御送りによる加工中の加工状態検出信号により前記電圧パルス間休止時間を加工状態の悪化に応じて順次に増大制御し、正常化に応じて設定値迄順次に減少するように制御する前記電圧パルス供給電源の電圧パルス供給制御手段と、ジャンプ運動条件のファジイ推論部とジャンプ運動の起動判断部とを有するジャンプ運動制御部と、前記ジャンプ運動条件のファジィ推論部が、前記電極の現在送り位置検出信号による加工穴の深さデータと入力加工条件データ又は加工進行状態から検出して得られる現在の電極加工面積データとからジャンプ運動の開離距離を推論してジャンプ量信号を前記ジャンプ駆動制御手段に出力するジャンプ量推論部と、前記加工面積データと入力加工条件データ又は前記電極の現在及び過去の送り位置検出データから得られる加工間隙長のデータとからジャンプ運動の相対的な移動速度特性を含むジャンプ移動速度信号を前記ジャンプ駆動制御手段に出力するジャンプ移動速度推論部と、少なくとも前記ジャンプ運動の起動判断部からの判断信号により前記ジャンプ量とジャンプ移動速度の各推論部に於ける推論を実行させて信号を出力させると共にジャンプ運動の開始指令信号をジャンプ駆動制御手段に出力するファジィ推論部制御手段とを有し、さらに前記ジャンプ運動の起動判断部が、前記電圧パルス供給制御手段が電圧パルス供給電源に出力する休止時間制御の制御信号の出力状態が、入力設定されている休止時間制御パターンの所定のレベルを超えたとき推論指令の判断信号を出力するものであることを特徴とする前記の放電加工制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状、総型等の電極を用い、加工液中で微小間隙を隔て、相対向する被加工体との間で間歇的な放電を発生させることにより、被加工体に穿孔、型彫等の加工を行なう型彫等の放電加工に於て、加工中に電極又は被加工体に間隙維持制御のサーボ送りとは別に相対的な開離近接の往復運動、所謂ジャンプ運動を間歇的に行なわせながら加工を行なう前記ジャンプ運動を必要最小限度として加工効率の向上を計った放電加工制御方法及びその装置に係る。
【0002】
【従来の技術】前記のジャンプ運動の作動及び制御の態様としては、既に多種多様なものがあり、その代表的なものとしては、ジャンプ運動の繰り返し周期とストローク(ジャンプ量、即ち開離距離)を作業者が選択設定し、必要に応じて作業者が切換える態様のものを始めとして、各種の自動化を計ったものがある。即ち、例えば、ジャンプ運動のストロークを設定して置くなどジャンプ条件の1つ以上を設定して置き、加工状態検出装置による加工状態の検出・判別が或るレベルを越えて悪化した(加工屑等の堆積又は濃度過多により、正常放電の発生比率が所定値以下に低下した)とき、前記設定ストロークのジャンプを行なわせるもの、大小複数のジャンプストロークと近接時の加工時間(周期)とを組合わせたジャンプ条件の切換条件テーブルを造っておき、放電加工の進行に応ずる加工穴の深さの増大、加工時間の経過、又は加工間隙における加工状態の悪化に対応し、往復運動の開離距離を長く増大させると共に、近接時の近接加工時間を短かく減少させる切換えを順次に行なうもの(例えば、特公昭54ー7,998号公報、同56―36,011号公報参照)、また近年、間隙から検出した電圧、電流の値やその波形特徴から、放電加工状態の安定度とその変化率を算出し、この安定度と安定度の変化率とからファジィ推論によりジャンプ周期の増分とジャンプ距離の増分とを出力して、ジャンプの周期と距離とを変更制御するもの(特開平2ー303,720号公報参照)等の如くである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き放電加工中に於けるジャンプ作動は、電極・被加工体の材質、組合せ、寸法、形状、電極加工面積、選択設定されている電気的加工条件、加工穴の形状、現在加工穴の深さ、及び、加工液の加工間隙への供給条件や加工の進行に応ずる加工穴の深さの増大等に伴なう加工液の流動条件、設定加工間隙維持のサーボ制御条件等によって、ジャンプのストローク、近接時の加工時間又は周期、往復運動の速度、特に開離時や近接時の送り速度等の夫々の値及び組み合わせた時の各値に特有の適値があり、最適値への調整設定は殆んど困難で、又仮りに或る程度の調整設定が出来たとしても、加工の進行により加工穴の深さや加工面積及び加工形状等が変化すると、上記各ジャンプ条件の値の適値が変化することから、従来より実際の加工に於ては、加工中にアーク放電が殆ど発生せず、電極・被加工体にオシャカを生じさせない安全サイドの条件の選択設定が行なわれているものである。従って、従来の加工に於ては、ジャンプ制御を行なうことによる加工中の加工死時間(電極と被加工体間で正常な間隙長等の間隙状態を保った状態で、予定した繰り返し率に近い状態の放電が繰り返し発生していない期間)の割合が多く、このため平均加工速度が設定加工条件による推定又は理論的加工速度から大幅に低下したものとなっていた。従って本発明は、放電加工中のジャンプ運動を、作業者に設定、切換等の作業をさせることなく、その回数、頻度、ジャンプ量、及び運動速度等の制御により、量的及び質的にも最適で、必要最小限度のものとして与え、加工効率の向上を計り、加工時間を短縮することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、(1)加工用電極と被加工体とが相対向して形成する微小加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより発生する放電により加工する放電加工であって、加工中に電極または被加工体に前記間隙維持のサーボ制御送りとは別の相対的な、前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接するジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なわせながら加工する放電加工制御方法に於て、前記ジャンプ運動の設定条件である開離距離が少なくとも現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さのデータを含む加工条件とから、又もう1つのジャンプ運動の設定条件である開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度が少なくとも前記現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とから夫々ファジィ推論により自動設定可能に構成され、加工中に、加工間隙の加工状態を前記電圧パルスが複数個印加される期間の検出判別によりジャンプ運動の作動指令信号が出力されたとき、前記ジャンプ運動の各設定条件の値を当該検出判別時の現在加工位置に於ける前記各データ値に基づいて演算自動設定すると共に、該設定された条件のジャンプ運動の開離作動を起動させる上記の放電加工制御方法とすることによって達成される。
【0005】又、前述の本発明の目的は、(2)加工電極と被加工体とが相対向して形成する加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより、発生する放電により加工を行なう放電加工であって、加工中に電極又は被加工体に前記サーボ制御送りとは別の相対的な前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接するジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なわせながら加工すると共に、サーボ制御送りによる加工中の加工状態検出信号により前記電圧パルス間休止時間を加工状態の悪化に応じて順次に増大制御し、正常化に応じて設定値迄順次に減少するように休止時間制御を行ないつつ加工する放電加工制御方法に於て、前記ジャンプ運動の設定条件である開離距離が少なくとも現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さデータを含む加工条件とから、又もう一つのジャンプ運動の設定条件である開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度が少なくとも前記現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とから夫々ファジィ推論により自動設定可能に構成され、加工中に前記休止時間制御により休止時間が所定の増大制御レベルに達したことを信号として前記ジャンプ運動の各設定条件の値を当該休止時間制御時の現在加工位置に於ける前記各データ値に基づいて演算自動設定すると共に、該設定された条件のジャンプ運動の開離作動を起動させることにより、より好適、かつ確実に達成される上記の放電加工制御方法とする。
【0006】又、前述の本発明の目的は、(3)前記開始されたジャンプ運動の終期である前記加工間隙がジャンプ開始時の位置に復帰する直前の位置から、加工間隙の放電繰り返し周波数を繰り返し検出するようにし、該検出放電繰り返し周波数が増加しつつある間は、前記ジャンプ運動の作動指令信号を生成出力する加工間隙の加工状態の検出判別することを抑制する前記請求項1、又は2に記載の放電加工制御方法とすることにより、より良く達成することができる。
【0007】又、前述の本発明の目的は、(4)前記開始されたジャンプ運動の終期である前記加工間隙がジャンプ開始時の位置に復帰する直前の位置から、加工間隙の平均加工電圧を繰り返し検出するようにし、該検出平均加工電圧が、加工のためのサーボ制御送りのための基準電圧、又は加工電圧パルスの無負電圧の1/2の電圧以上の間は、前記ジャンプ運動の作動指令信号を生成出力する加工間隙の加工状態を検出判別することを抑制する前記請求項1、又は2に記載の放電加工制御方法とすることにより、より良く達成することができる。
【0008】又、前述の発明の目的は、(5)加工用電極と被加工体とが相対向して形成する微小加工間隙に加工液を介在させ、前記加工間隙をサーボ制御送りにより維持させながら休止時間を置いて間歇的に印加される電圧パルスにより発生する放電により加工する放電加工の制御装置に於て、加工中に電極又は被加工体に前記サーボ制御送りとは別の相対的な前記加工間隙の開離後元の間隙位置近傍まで近接させるジャンプ運動を作動指令信号の入力があったときに行なうジャンプ駆動制御手段と、サーボ制御送りによる加工中の加工状態検出信号により前記電圧パルス間休止時間を加工状態の悪化に応じて順次に増大制御し、正常化に応じて設定値迄順次に減少するように制御する前記電圧パルス供給電源の電圧パルス供給制御手段と、ジャンプ運動条件のファジイ推論部とジャンプ運動の起動判断部とを有するジャンプ運動制御部と、前記ジャンプ運動条件のファジィ推論部が、前記電極の現在送り位置検出信号による加工穴の深さデータと入力加工条件データ又は加工進行状態から検出して得られる現在の電極加工面積データとからジャンプ運動の開離距離を推論してジャンプ量信号を前記ジャンプ駆動制御手段に出力するジャンプ量推論部と、前記加工面積データと入力加工条件データ又は前記電極の現在及び過去の送り位置検出データから得られる加工間隙長のデータとからジャンプ運動の相対的な移動速度特性を含むジャンプ移動速度信号を前記ジャンプ駆動制御手段に出力するジャンプ移動速度推論部と、少なくとも前記ジャンプ運動の起動判断部からの判断信号により前記ジャンプ量とジャンプ移動速度の各推論部に於ける推論を実行させてジャンプ量と移動速度信号をジャンプ駆動制御手段に出力させると共にジャンプ運動の開始指令信号をジャンプ駆動制御手段に出力するファジィ推論部制御手段とを有し、さらに前記ジャンプ運動の起動判断部が、前記電圧パルス供給制御手段が電圧パルス供給電源に出力する休止時間制御の制御信号の出力状態が、入力設定されている休止時間制御パターンの所定のレベルを超えたとき推論指令の判断信号を出力する前記の放電加工制御装置とすることにより達成されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の放電加工制御方法が実施される装置の概略構成を示すブロックダイアグラムの説明図で、図に於て1は加工用電極、2は被加工体、3は被加工体2を載置した載物台(図示せず)を収納する加工槽4を設置したxy各軸駆動サーボモータ3x、3yを有する移動クロステーブル、5は電極1・被加工体2間のZ軸方向対向加工間隙を加工液中に浸漬した状態に保持するよう図示しない加工液循環供給装置から供給貯溜された加工槽4内加工液、6は電極1を被加工体2に対しZ軸方向のサーボ制御により加工送りすると共に、ジャンプ運動指令が出力された時その運動制御信号により、現在加工位置からZ軸方向に電極1を所定量引き上げ離隔後、元の加工間隙位置付近迄下降近接させ、前記サーボ制御の加工送り状態に復帰させる所謂ジャンプ運動の駆動送りを兼用して行なうZ軸送りサーボモータ、7は前記モータ6による電極1の、通常先端の現在送り位置を検出するエンコーダ等の送り位置検出装置、8は前記モータ6による電極1の上昇及び下降の送り速度を検出するための指速発電機等又は前記エンコーダ7等が兼用することがある回転速度検出装置、9は前記サーボモータ6の駆動装置である。
【0010】10は電極1・被加工体2間に並列に接続され、休止時間を置いて矩形波状の電圧パルスを繰り返し印加し、間歇放電を生ぜしめる加工電圧パルス供給電源、11は前記加工電圧パルス供給電源10の電圧パルス供給条件、加工中は主として前記電圧パルス間休止時間条件を制御する電圧パルス供給制御手段、12は電極1・被加工体2間の放電間隙に於ける加工状態を加工間隙の平均的又は放電パルス中等の電圧、電流、若しくはインピーダンス、又は之等に重畳含有されている高周波等の交流成分等を検出し、加工状態判別信号を、前記電源パルス供給制御手段11及び加工サーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13等に出力する加工状態検出判別装置、14はCRT等の表示装置15、キーボード等の入力装置16、及び紙や磁気テープ、FD、又はCD等の外部記憶媒体の記憶情報読込装置17等を有する放電加工機用の数値制御その他の設定制御装置を構成するコンピュータ制御の制御装置、18はジャンプ運動条件のファジィ推論部19とジャンプ運動の起動判断部20を有するジャンプ運動制御部である。
【0011】そして、上記ジャンプ運動制御部18のファジィ推論部19は、前記加工サーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13の加工サーボ制御送り手段からの指令信号によりモータ・ドライバ等の駆動装置9をして作動せしめたモータ6による加工用電極1の送り電極位置、通常加工穴の深さデータの信号(D)を位置検出装置7から前記制御送り手段13を介して入力すると共に、加工用電極1の現在加工穴深さ位置に於ける加工面積データの信号(S)を図示の如く制御装置14に於ける初期設定、入力の加工条件及び加工データから得るか、又は主として電気的な設定加工条件と該設定加工条件による単位時間当り等の加工送り速度若しくは加工送り量との関係から得てジャンプ量(ジャンプ運動の開離距離)を推論し、ジャンプ量信号をジャンプ駆動制御手段13に出力するジャンプ量推論部19Aと、前記加工用電極1の加工面積データの信号(S)と加工間隙長のデータの信号(G)を図示の如く制御装置14に於ける初期設定・入力の加工条件によって定まる放電間隙長データとして得るか、又は現在迄の各種の加工データから推定される最深の加工穴の深さや電極先端位置等と、現在現に位置検出装置7から得られている電極先端位置の検出データ等とから得た加工間隙長のデータの信号(G)とから、ジャンプ速度(開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度)を推論し、ジャンプ速度信号をジャンプ駆動制御手段13に出力するジャンプ速度推論部19Bと、前記制御装置14からの入力選択設定加工条件データの信号と前記ジャンプ運動の起動判断部20から判断信号により、当該ファジィ推論部19に於ける前記各推論部19Aと19Bの推論を実行し、ジャンプ運動の開始指令信号をジャンプ駆動制御手段13に出力するファジィ推論部制御手段とから成る。又前記ジャンプ運動の起動判断部20は、前記電圧パルス供給制御手段11が前記加工状態検出判別装置12からの加工状態判別信号によって加工電圧パルス供給電源10に出力する電圧パルス間休止幅等の電圧パルス供給条件の変更信号と、好ましくは、さらに前記制御装置14からの、主として電圧パルス供給制御の条件に関する加工条件のデータとから、前記ファジィ推論部19に於ける推論実行指令とジャンプ運動の開始指令とを判断して同時並列的に出力するか否かを判断すると共に、前記ジャンプ駆動制御手段13によりジャンプ運動が実行中の場合には、その実行中の信号を帰還入力させ、実行中のジャンプ運動に重畳重複させて別のジャンプ運動を起動することがないように起動判断を停止させるものである。
【0012】而して、放電加工は、制御装置14の内蔵加工条件加工データ、及び各種の加工プログラムを、入力装置16や外部情報の読取り装置17から入力した、使用する電極1、被加工体の材質、寸法、形状、加工の種類、目的加工面粗度、目的寸法・精度、その他加工の目的等により論理演算して、設定制御の加工条件を求め、加工電圧パルス供給電源10に電圧パルス又は放電パルスのオン時間又は放電時間、前記休止時間、及び放電パルスの放電々流振幅等の電圧又は放電パルス条件を、電圧パルス供給制御手段11には放電々流パルスの立ち上り特性等の波形とか、放電パルスの途中からのカット・オフ条件とか前記休止時間の増大・減少の制御条件又は制御パターン等を、又、加工サーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13にはサーボ基準電圧、サーボ駆動速度、及びジャンプ駆動制御のジャンプ量やジャンプ移動速度と速度特性のデータ等を入力設定し、又前記Z軸サーボモータの駆動装置9や加工状態検出判別装置12等についても必要に応じ、又は構成によっては、例えば、移動速度、サーボ制御とジャンプ運動の切換条件、タイミング、又は加工状態の判別レベル、応答感度、判別処理条件等を選択設定等をし、又前記ジャンプ運動制御部18については、前述した諸種のデータ、条件のやり取りをするようにして放電加工の実行に移行するものである。なお、図1及び説明では、クロステーブル3の各xy軸サーボモータ3x、3yの駆動制御による電極1、被加工体2間の対向方向と直方向の相対的な揺制運動付与状態での加工や、3次元経路を駆動制御するジャンプ運動による加工、又加工槽4内加工液5の回収、濾過による再循環供給の構成、作動、及び電極1、被加工体2間の荒加工から仕上げ加工迄の如き複数の加工工程の順次切換えによる加工等に対する対応は省略するものとする。
【0013】電極1、被加工体2間の放電加工間隙は、加工電圧パルス供給電源10から出力する電圧パルスの無負荷電圧が、高電圧の補助パルス電源等が使用されていないで、約100V前後の所謂加工用主パルス電源使用で、加工液がケロシン等の炭化水素系鉱物油の場合、その絶縁破壊電圧の関係から、間隙介在加工液が清浄な場合、前記間隙長は約3μm前後となるが、間隙で放電を行なわせると間隙の加工液中に被加工体2の加工屑、電極1の消耗片、及び加工液の分解、燃燒、炭化等により生じた生成物片等が混入介在するところから、加工間隙長は広まり、正常放電加工中の加工間隙長は、前記絶縁破壊間隙長の約10倍前後となって加工が行われているものである。そしてこのような加工間隙に於ける放電加工は高周波で供給される加工電圧パルスにより発生する放電パルスにより生成する前記加工屑等と、上記放電加工が行なわれている加工間隙から、何等かの液流等の強制乃至半強制及び物理的な拡散現象等により一部の加工液と共に加工間隙外に流出等排出される加工屑等の量とがほぼ平衡して、加工間隙内加工液中の加工屑等の濃度がほぼ所定の範囲内に保たれると、電極1、被加工体2間は前記加工間隙長に保たれた正常放電状態で加工が行なわれ、電極1には加工量に応じた前進加工送りがモータ6の回転により与えられ加工が進行することになる。
【0014】しかしながら、加工間隙から物理的な現象や放電に伴って間隙外へ介在加工液と共に流出等排出される加工屑等の量に対し、供給電圧パルスの放電により生成する加工屑等の量の方が、相当量多くなるように加工条件、主として電圧パルス等の電気的条件が設定されているものであり、このため前述の如く何等かの手段で、加工間隙に更新液流を作用させるか、前述ジャンプ運動によるポンプ作用により吸入、撹拌、排出作用を生ぜしめて、加工間隙内加工屑濃度を所定値以下に保持させる必要があり、電極1の寸法、形状や電極低消耗等の加工の種類、又は加工の目的等によっては加工間隙に加工液流を均一に作用させられないか、作用させられない場合もあり、又何等かの噴流等によっては加工穴の深さが深くなると加工屑の円滑な排除が困難となるところから、加工間隙内の生成加工屑等排出による加工屑等の濃度の制御には前記ジャンプ運動の採用・付与が重要となるものである。即ち、放電加工に於ける加工間隙の加工状態に対応する加工条件等制御の対応としては、電圧パルス供給制御(11)、サーボ制御送り(13)、及びジャンプ駆動制御(13)の順に応答及び対応処理により格段に長い時間を要する所から、加工状態検出判別装置12により加工状態の悪化等が検出されるか、悪化の状態が或るレベルを越えると、先ず電圧パルス供給制御手段11をして加工電圧パルス供給電源10が供給する電圧パルスの条件を、例えば電圧パルス間休止時間を、加工平均電流が減少して、加工負荷が軽減されるように、μSの時間速度で応答して制御作動が行なわれることになる。
【0015】そしてこの場合、上述のような制御作動により、或る設定された量の加工負荷軽減が行われた状態で加工を続行していく訳であるが、その場合上記加工状態検出判別装置12がなおも加工状態の悪化状態の検出による信号を繰り返し出し続けていると、そのままの状態で加工を続けてサーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13の応答可能時間が経過するのを待って該手段13の制御作動に移行する形式のものと、前記手段13の応答可能時間が経過する迄の間に、2段階以上の複数段にわたり電圧パルス供給制御手段11をして加工電圧パルス供給電源10にその供給電圧パルスの条件を、次々に多段に加工負荷を軽減させる、例えば前記電圧パルス間休止時間を電極・被加工体の材質組合せや加工形状寸法、及び加工の種類等により、設定加工条件による休止時間の2倍、4倍、8倍、128倍…等の如く次々に制御変化させて行って、サーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13の制御作動に移行しなくても良い場合があるように制御する形式のもの、及びその他所望の態様の電圧パルスの供給条件制御とすることができる。そしてこの上述のような放電パルスの途中からのカット・オフとか、電圧パルス間休止時間の倍率増大制御の如き加工電圧パルスの供給条件の制御は、加工に伴なう発生加工屑等がその排除条件・環境の悪化等により堆積状態が或るレベルに達した時のアーク状等の不良放電の発生、繰り返しや、当該箇所への発生放電の集中等による電極・被加工物の損傷(集中放電痕、放電しみ)等の防止のために、加工性能を大きく変化させない、かつ応答の最も早い制御をして実行され、次いで該制御条件下での加工での放電状態の検出判別下での加工に移行し、通常之がサーボ制御による応答迄繰り返される。
【0016】なお、上述の場合の、加工状態の検出判別装置12による加工間隙の検出判別による判別信号の出力は、電源10による加工電圧パルスの複数個が印加される期間、例えば連続する各電圧パルス又は所定サンプリングをした電圧パルスが2個乃至100個印加される期間内に、加工間隙の平均的又は放電パルス中等の電圧、電流、若しくはインピーダンスのレベル、又は之等に重畳含有されている高周波成分の状態を検出、又は各電圧パルスの放電が開始する迄の無負荷時間の長短の状態等を検出することにより判別出力され、そして該出力は連続的に繰り返すか、所定複数電圧パルスの期間を置いて繰り返され、電圧パルス供給制御手段11及び加工サーボ制御送り兼ジャンプ駆動制御手段13に送られ、判断等処理され、制御実行信号が出力されるものである。そして、前記ジャンプ運動の起動判断部20は、この加工状態の検出判別手段12が出力する判別信号の頻度又は回数等によりジャンプ運動の導入起動を判断させるようにしても良い。
【0017】加工状態の検出判別装置12が、加工サーボ制御送り手段13に間隙状態が悪いとか、アーク状放電が起っているとか、或いはまた集中放電状態にある等の判別信号を送り出すと、その発生頻度や信号の内容状況により、之等の判別信号がサーボ制御送り手段13に供給され始めてから該手段13の応答時間が経過するとき、なおも前記判別信号が送り続けられていると、前記サーボ制御送り手段13からの信号で、モータ6が回転を始め、電極1を後退(上昇)させて、被加工体2から離隔させ、間隙を広くして発生する放電の正常化を計るが、このサーボ制御送りによる電極1の上昇下降の移動距離は通常数10μm以下と小さく、加工間隙への加工液の吸入、排出の作動はあるものの、その上昇下降の移動速度も遅いことから加工穴が余程浅い状態の場合を除き、加工屑等の生成物が加工間隙外に排出されて正常放電状態に戻ることは少なく、離隔後近接等して発生する放電は、アーク状や集中放電等で正常放電状態には戻らないものである。そして加工屑等の生成物の加工間隙からの排出、加工間隙内介在物中に於ける加工屑濃度を所定値以下にすることは、更に加工を進行させるにはどうしても必要であるから、何等かの手段による加工液の噴流、ジャンプ運動付与、又は之等を組合わせた加工屑等の加工間隙外排出操作が必要となるが、かかる場合にはサーボ制御送りの作動を待つ迄もなく、ジャンプ運動が必要なものとして、必要な条件(ジャンプ量とジャンプ移動速度)のジャンプ運動を行なわせるべきなのである。
【0018】図2は、このようなジャンプ運動の作動を説明するための一実施例のグラフ線図で、縦軸にジャンプ量、離隔距離Lを、横軸に時間tを目盛って示したもので、折れ線Pは時間的なジャンプ運動の位置を示したものである。縦軸のLlとLsはサーボ制御送り下に於ける間隙最大時と最小時の位置で、平均的にはLmの位置にあるものとする。Lpは予定したジャンプ最上昇位置、Ljは予定したジャンプ量である。時間t1に於て、電極1の先端側加工間隙を形成する加工面が位置P1、即ち前記平均的な間隙長を形成する位置Lmに在ったものとして、ここでジャンプ指令の判断信号が出力され、ジャンプ運動が起動開始されたとすると、次の時間t2迄の期間は、ジャンプ上昇移動速度を所定の設定値に迄増大させる助走のスローアップ期間で、位置P1は位置P2に上昇し、ここから設定されたジャンプ移動速度V0での上昇移動Vuを行なわせる速度指令の信号が期間t2からt3の間出力し、予定したジャンプ量Ljのジャンプをして位置P3(Lp)に達し、時間t4迄減速停止制御されて最上昇位置P4に達し、上昇は停止する。そしてこの時間t4又は直前の時間位置から時間t5の間設定されたジャンプ移動速度V0の下降移動Vdを行なわせる速度指令の信号が供給され、前記時間t5で位置P5迄下降し、ここから時間t6まで、又はt6迄の適宜の時間位置迄の間、下降減速のスローダウン期間に移行し、位置P6(Lm)に下降する迄の間に、当該ジャンプ運動を終了し、サーボ制御送りによる近接加工期間に移行し、次のジャンプ運動の起動判断信号が、判断部20から出力される迄の間加工が継続する【0019】ここで、時間t1からt2迄の位置P1からP2迄の上昇加速期間と、時間t5からt6迄の位置P5からP6迄の下降減速期間に於ける時間及び速度特性は、加工間隙に発生作用する負圧と正圧による悪影響防止のために、減速及び緩増減速に設定されるものであるが、前者が後述ファジィ推論により加工間隙の加工状態に応じその毎演算設定されるジャンプ上昇の移動速度Vuとジャンプ量Ljにより、又後者も同じくジャンプ下降の移動速度Vdと下降量(≒Lj)により、論理選択設定されるように構成されているのが好ましいが、相互に同一又は違っていても良い上昇・下降の各移動速度Vu、Vd値に応じたスローアップ及びスローダウン制御方式等のものであっても良い。又、上記上昇・下降の各移動速度は両者同一にVu=Vdに設定されていても良いが、加工間隙からの加工屑排出効果を増大する観点から後者の方を大きくVu<Vd設定するとか、或いは又電極引き上げ離隔時の大きな負荷の発生作動の防止に重点を置いて前者の方を小さくVu<Vd設定する等の考慮は適宜為されるものである。なお、速度Vuでの上昇終期にスローダウン制御を導入すれば、位置P4へのオーバ・シュートはなく、図より右位置のP3から、時間t5−t4=0の位置P5へ速度Vdで下降する特性線図となる。
【0020】次に、本発明に於けるジャンプ運動の2つの条件、ジャンプ量(L)と、ジャンプ移動速度(V)とを、前者を加工面積(S)と加工深さ(D)の各メンバシップ函数とから、又後者を加工面積(S)と加工間隙長(G)の各メンバシップ函数とからのファジィ推論により求める方法の一例を説明する。なお、以下に採り上げたファジィ推論の例は、推論結果の繁雑化を避けるため各組のメンバシップ函数の各集合を大中小の3つの集合に区分した場合のものを示したが、メンバシップ函数の集合の分け方は、これに止まらないものであること勿論である。図3のA、B、及びCは、前述ジャンプ量(Lj)と移動速度(通常V0≒Vu=Vd)を推論するための、各メンバシップ函数としての加工面積(S)、加工深さ(D)、及び加工間隙長(G)の各実施例の値に対する前述大中小3つの集合のメンバシップを全体として示したものである。又、図4のA、Bは前述メンバシップ函数の加工面積(S)と加工深さ(D)とからジャンプ量(Lj)を推量するファジィ推論ルールAと、同じく加工面積(S)と加工間隙長(G)からジャンプ移動速度(V0)を推論するファジィ推論ルールBを示すもので、之等のファジィ推論ルールは、夫々下記の論理表の通り現わすことができる。なお、上記A、Bのルール表に於て、S、D、及びGは夫々加工面積、加工深さ、及び加工間隙長を、そして之等S、D、及びGに付けられた小型文字のサフィックスL、M、及びSにより夫々大きい、中位、及び小さい、を意味し、又、L、及びVは夫々ジャンプ量及び移動速度を、そして之等L、及びVに付けられた小型文字のサフィックスH、M、及びSにより、夫々速い、中位、及び遅い、を意味するものである。
【0021】以下の論理表は、ジャンプ量(Lj)の推論ルールの例である。
(ルールA)
もし、加工面積が小で、加工深さが、大ならば、ジャンプ量は、大もし、加工面積が小で、加工深さが、中ならば、ジャンプ量は、大もし、加工面積が小で、加工深さが、小ならば、ジャンプ量は、中もし、加工面積が中で、加工深さが、大ならば、ジャンプ量は、大もし、加工面積が中で、加工深さが、中ならば、ジャンプ量は、中もし、加工面積が中で、加工深さが、小ならば、ジャンプ量は、小もし、加工面積が大で、加工深さが、大ならば、ジャンプ量は、中もし、加工面積が大で、加工深さが、中ならば、ジャンプ量は、中もし、加工面積が大で、加工深さが、小ならば、ジャンプ量は、小【0022】又、以下の論理表は、ジャンプ移動速度(V0)の推論ルールの例である。
(ルールB)
もし、加工面積が小で、加工深さが、大ならば、ジャンプ速度は、速いもし、加工面積が小で、加工深さが、中ならば、ジャンプ速度は、速いもし、加工面積が小で、加工深さが、小ならば、ジャンプ速度は、速いもし、加工面積が中で、加工深さが、大ならば、ジャンプ速度は、速いもし、加工面積が中で、加工深さが、中ならば、ジャンプ速度は、普通もし、加工面積が中で、加工深さが、小ならば、ジャンプ速度は、普通もし、加工面積が大で、加工深さが、大ならば、ジャンプ速度は、普通もし、加工面積が大で、加工深さが、中ならば、ジャンプ速度は、遅いもし、加工面積が大で、加工深さが、小ならば、ジャンプ速度は、遅い【0023】図5のA、及びBにジャンプ量とジャンプ移動速度の各実施例の値に対する大中、小、及び速い、普通、遅いの各集合のメンバシップを夫々全体として示したものである。
【0024】そして、本発明に於ては、加工状態の検出判別装置12による加工間隙の判別信号の所定加工時間等に対する出力頻度とか、所定数の電圧パルス又は放電パルス数に対する出力頻度又は回数等が所定のレベルを越えたとジャンプ運動制御部18のジャンプ起動判断手段20の設定判断条件で判断したとき、該判断手段20は、ファジィ推論部19に推論指令信号を出力し、ジャンプ量とジャンプ移動速度との推論を実行させ、該推論により得られたジャンプ量(Lj)とジャンプ移動速度(V0)の設定を行なうと共に、該推論設定された条件のジャンプ運動の開始を指令し実行させるものである。そして本発明は、より好ましくは、前記ジャンプ起動判断手段20に於ける判断が、より正確かつ加工間隙状態にマッチした状態で確実に行なわれるように、前記加工状態検出判別装置12から繰り返し出力される検出判別信号により、電圧パルス供給制御手段11をして、加工電圧パルス供給電源10から供給される電圧パルス供給条件、特に電圧パルス間休止時間を、加工状態の悪化に応じて順次に増大し、逆に加工状態の正常化に応じて設定値迄順次に減少する制御をするように前記供給制御手段11の制御を構成しておくと共に、前記休止時間の増加の仕方を電極・被加工体の材質・組合せ・加工の種類、寸法・形状、及び加工の目的等により例えば図6のτoffA、Bの如く複数種用意しておき、選択設定されている休止時間τoffの制御変更のパターン中に於て、例えば、τoffAの場合は悪化判別信号の連続出力回数6に、又、τoffBの場合は連続出力回数7に対応する如く、休止時間制御の用意されている最高位の制御信号が供給制御手段11から電圧パルス供給電源10に出力されたとき、ジャンプ起動判断部20は、この制御信号を受けて、ファジィ推論部19に直ちに推論指令信号を出力し、前述の如く推論設定された条件のジャンプ運動の開始を指令し、実行に移行するが如くである。なお、前述休止時間の制御変化のパターン中例えば、τoffAの悪化判別信号の連続出力回数5の場合、回数4で、休止時間制御としては最高位の制御レベルに到達した状態で、次の判別信号の出を(加工間隙状態が好転したか、又は依然悪いかを)待って居る状態であるから、前記推論の実行は、回数4に達した段階で行なわせる等、休止時間制御のレベルを越えたと判断される時期を選定することが望ましい。
【0025】上記のようにして、ジャンプ起動判断部20からファジィ推論部19に推論指令が入力すると、ジャンプ量推論部19Aは現在加工中の電極等の加工面積データと同じく現在加工中の加工深さデータとからジャンプ量(Lj)を推論し、又ジャンプ移動速度推論部19Bは前記加工面積データと加工間隙長データとからジャンプ移動速度(V0)を推論し、ジャンプ開始指令信号と共にジャンプ駆動制御手段13に出力して推論設定された条件のジャンプ運動を上記の時点に開始し、実行させる。而して、上記に於ける現在加工中の電極等の加工面積データは最も簡単には加工開始前に、入力装置16から制御装置14に入力される電極・被加工体の形状、寸法のデータ等によって得られる電極のZ軸方向投影面積データから、又は前記入力された形状・寸法のデータと後述する現に加工中の位置検出装置7から得られる現在加工位置又は現在加工送り込み位置データ等とから、或いは又設定加工条件による1放電パルス当りの加工除去量を所定加工時間当りの発生放電パルス数で積算して得た加工量を前記所定加工時間当りの加工送り寸法で除すことによって得た加工面積データであっても良い。又上記加工深さデータとしては、例えば、制御装置14により各種入力及び設定条件及びデータからNC的に得られる加工開始位置、又は加工開始時に電極・被加工体を近接送りを与えて行って最初に放電が発生した送り位置又は該位置と所定の関係にある位置を加工開始位置とし、該加工開始位置を基準として位置検出装置7から得られる現在加工送り長さ位置データにより得ることができる。そして、又上記加工間隙長のデータとしては、最も簡単には、目的加工性能及び加工情報等の入力、設定を受けた制御装置14が論理演算、選択設定等した加工条件等によって定まることによって得られる平均的加工間隙長をデータとしたり、或いは、前記加工開始位置データと之と同時に得られるか加工開始位置又は加工中の位置と短絡によって得られるギャップデータ及び所望加工間隙長測定時に最も近い最深の加工送り込み位置データ等の関係から現在加工中の加工間隙長データを得ることができる。
【0026】そしてこのように必要なジャンプ量(Lj)の推論を、加工中等の加工面積と加工穴の加工深さデータとの組合せで行うことにより、現在加工位置に於ける加工中の加工屑の生成堆積量に応じた、そして滞留加工屑等の排出及び濃度制御に適した電極離隔のジャンプ量(Lj)を推論設定することができ、又必要なジャンプ移動速度(V0)の推論を、前記加工面積と加工間隙長のデータの組合せで行なうことにより、一方に於て加工面積が大で間隙長が小のとき、開離及び近接時に加工間隙に作用する異常負圧と正圧の発生を防止して、電極、被加工体、電極主軸、加工ヘッド等への機械力の作用及びサーボモータに対する過負荷をなくし、他方でジャンプ運動に要する時間の短縮化を計る一方で、ポンプ作用の強力化を計ることができるジャンプ運動の移動速度(V0)を好適に推論設定できるものである。
【0027】以上のようにして、放電加工中に、ジャンプ運動による加工間隙からの加工屑等の排出による加工間隙状態の回復処理が必要になった時に、この他に代え難いジャンプ運動を、その時の加工条件及び加工状態に応じたジャンプ量とジャンプ移動速度条件を有するジャンプ運動を行なわせることが出来るようになるが、この本発明の方式に依れば、加工間隙の加工状態を或る程度直接、又は被制御休止時間の制御状態のように間接に検知した信号によって、ジャンプ運動の開始を起動させるように構成されている所から、ジャンプ離隔後電極が所定のジャンプ量のジャンプを行ない、次いで推論移動速度で降下して来て、ジャンプ運動開始前の加工間隙位置付近に復帰して来て、加工電圧パルス供給電源10がオンとなり放電が開始されてサーボ制御送り状態に移行する(図2の位置、P5及びP5からP6の間)か、前記電圧パルス供給電源10がジャンプ運動の起動開始時(図2の位置P1、及びP1からP2の間)にオフ遮断されることなく入りっぱなしで、元の加工間隙位置付近に復帰して来て自然に放電が再開され加工状態に移行するとき、加工間隙内の流動撹拌等の激しい状態が残っているためか、加工放電状態が不安定で、之が加工状態の検出判別装置12により、前述ジャンプ運動の起動開始時と同様、加工状態の悪化と検出判別されて、前述図2の位置P6近傍への降下時、又はその直後位の時期に新たな推論設定によるジャンプ運動が起動してしまうことがあり、このためジャンプ運動の過剰による加工効率の低下の可能性が少なくなかった。
【0028】このため、本発明では、前述本発明によりジャンプ運動が起動開始されて行なわれたとき、その運動の終期に開始前の加工間隙付近の位置(前述図2の位置P6の近傍)に迄電極1が降下近接して来る迄は、仮りに検出判別装置12及び供給制御手段11の両方又は何れか一方からジャンプ運動開始を判断させる検出判別信号又は供給制御信号がジャンプ運動の起動判断部20に入力していっても、該判断部20に判断によるファジィ推論指令信号を出力させないように、ジャンプ駆動制御手段13から前記判断部20に判断抑制信号を供給しておくようにするものである。而して、前記位置P6近傍への降下以後サーボ制御の加工状態に移行し、前記ジャンプ駆動の制御手段13からの判断抑制信号が解除消滅した後に、前記検出判別装置12及び供給制御手段11の両方又は何れか一方からジャンプ運動の開始を判断させる検出判別信号又は供給制御信号が判断部20に入力した場合には、それが前のジャンプ運動の終了直後であっても、前述本発明による次のジャンプ運動として正規に行なわれるものであること当然である。
【0029】また、さらに本発明では、前記ジャンプ運動の終期に開始前の加工間隙近傍の位置(前述図2の位置P6の近傍)に迄電極1が降下して来てサーボ制御送りによる加工に移行する迄は、前述したようなジャンプ運動の再起動開始がないように、前記加工状態の検出判別装置12からの検出判別信号が、少なくとも前記判断部20に入力しないように、或いは更に供給制御手段11に入力しないか該手段11に入力していてもジャンプ運動が行なわれたことにより設定加工条件の電圧パルス供給制御の条件に戻っていた該供給制御手段11から前記判断部20に入力しないようにすることが望ましいものである。そして、前述ジャンプ運動終期の開始前の加工間隙近傍の位置(前述図2の位置P6の近傍)に迄一旦電極が降下近接してサーボ制御送りによる加工に移行したか否かの判断は、加工用電圧パルス供給電源10のスイッチオン・オフによる矩形波電圧パルスの形成供給形式の違いにより、次のように異なる手法を採用するのが好ましい。
【0030】そして、その一つは、前記加工電圧パルスの供給電源が休止時間を置いて矩形波状の電圧パルスを供給するもので、スイッチ素子のオンによる電圧パルス印加時間信号を放電間隙に対する前記電圧パルスの印加開始時より放電間隙で放電が開始する迄の該放電開始遅延期間の函数として増大する、即ち各放電パルスの放電持続時間が各放電の毎に常に一定値となるように、電圧パルスの印加開始後放電間隙での放電開始時より前記放電持続時間信号の計測を開始し、計測完了によりスイッチ素子をオフにして放電終了による休止時間に移行させる所謂オンクランプ方式の電圧パルス発生供給方式の場合(例えば、特公昭44―13,195号公報参照)には、例えば、前記電極1の降下位置が、P5近傍の位置から加工間隙の放電繰り返し周波数を繰り返し検出するようにし、該検出放電繰り返し周波数が検出する毎に増加しつつある間は、正常加工間隙状態に戻るべく加工間隙を調整制御しつつあるものと判断して、加工状態の検出判別装置12から、検出判別信号を電圧パルス供給制御手段11とジャンプ起動判断部20とに供給しないように構成するが如くである。
【0031】そして、もう一つは、前記スイッチ素子を、加工間隙の放電状態検出情報により変更制御等する場合を除き、予め選択設定した加工条件の一定のオン持続時間信号とオフ休止時間信号とを規則的に交互に繰り返し電圧パルスを供給するフリーランニング発振のパルサ信号を利用する電圧パルス発生供給方式の場合(例えば、特公昭41―9,399号公報参照)には、例えば、前記電極1の降下位置が、P5近傍の位置から、加工間隙の平均加工電圧を繰り返し検出するようにし、該検出平均加工電圧が、加工のためのサーボ制御送りのための基準電圧、又は加工電圧パルスの無負荷電圧の1/2の電圧以上の間は、正常加工間隙状態に戻るべく加工間隙を調整制御しつつあるものと判断して、加工状態の検出判別装置12から、検出判別信号を電圧パルス供給制御手段11とジャンプ起動判断部20とに供給しないように構成するが如くである。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に依れば、棒状や総型電極等を使用する穿孔、型彫放電加工に於ける加工間隙維持のサーボ制御送りとは別のジャンプ運動を、予めの各種のストローク及び周期設定等によらず、加工間隙の加工状態検出から、真に必要と判断されたときのみ起動させるようにされ、しかも、そのジャンプ運動の開離距離が現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さのデータを含む加工条件とから、又当該ジャンプ運動の開離近接の相対的な移動速度特性を含む移動速度が前記現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とから、前記ジャンプ運動が必要判断された信号によりファジィ推論をして自動設定をしたデータによりジャンプ運動を実用するようにしたので、ジャンプ運動が必要な時に、かつその時に必要とする量的条件で行なわれるようになるので、斯種型彫り等の放電加工の加工速度及び加工性能を向上させることができる。
【0033】請求項2に記載の発明に依れば、棒状や総型電極等を使用する穿孔、型彫放電加工に於ける加工間隙維持のサーボ制御送りとは別のジャンプ運動を、予めの各種のストローク及び周期設定等によらず、加工間隙の加工状態検出から、真に必要とされる時に起動されるようにするために、サーボ制御送りによる加工中の加工状態検出信号により、加工電圧パルス間の休止時間を加工状態の悪化に応じて予め設定された倍率で、順次に増大制御され、逆に正常化に応じて、所定値迄順次に減少するように構成しておいて、加工状態の悪化検出等により、前記休止時間が予め定めた倍率の値迄増大したとき、発生する指令信号によりジャンプ運動の開離作動を起動開始させると共に、該指令信号により実行するジャンプ運動の開離距離と移動速度とを、前者は前記の現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工穴の深さのデータを含む加工条件から、又後者は前記の現在加工位置に於ける電極の加工面積と加工間隙長のデータを含む加工条件とからファジィ推論により推論させて夫々自動設定するようにしたから、ジャンプ運動が必要な時期をより適確に判断して正確に行わせることができ、そしてその実行されるジャンプ運動の量と速度の条件も必要とする条件のものに適合したものであるから、斯種型彫り等の放電加工の加工速度及び加工性能を一段と向上させることができる。
【0034】前記請求項1及び2に記載の各発明に依れば、放電加工中に、必要な時に、必要な満足すべき条件のジャンプ運動を行なったはずであるから、後はジャンプ運動の終了により、ジャンプ運動開始前の加工間隙位置付近に復帰させた後の緩やかな下降送りにより正常加工状態に移行させ、当該加工再開時に前記ジャンプ運動の作動指令信号を出力させないようにするようにすることが好ましいものであるが、前記請求項3に記載の発明によれば、加工電圧パルス供給電源が矩形波状電圧パルスを生成するスイッチ素子のオン時間信号を放電間隙に対する電圧パルスの印加開始時より放電間隙で放電が開始する迄の該放電開始遅延期間の関数として増大する、即ち各放電パルスの放電持続時間が各放電の毎に常に一定値となるように電圧パルスの印加開始後、放電間隙での放電開始時より前記放電持続時間信号の計測を開始し、計測完了によりスイッチ素子とオフとして休止時間に移行させる所謂オンクランプ方式の電圧パルス発生方式の場合に適用してより良く目的を達するものであり、又請求項4に記載の発明によれば、前記加工電圧パルス供給電源が矩形波電圧パルスを生成するスイッチ素子を、放電間隙の放電状態検出情報により変更制御する場合を除き、予め選択設定した一定のオン持続時間信号とオフ休止時間信号とを規則的に交互に繰り返し電圧パルスを供給するフリーランニング発振のパルサ信号を利用する電圧パルス発生供給方式の場合に適用してより良く目的を達するものである。
【0035】請求項5に記載の発明によれば、前記請求項3に記載の放電加工方法の発明を実施する装置として完成度高く構成されたものであって、発明の目的、効果をより良くかつ確実に達成することができる放電加工の制御装置を提供することができる。




 

 


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