米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 株式会社ソディック

発明の名称 工作機械の主軸及び主軸装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−277803
公開日 平成10年(1998)10月20日
出願番号 特願平9−95172
出願日 平成9年(1997)3月28日
代理人
発明者 橋立 昭武 / 菅原 正見 / 三澤 啓太
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 工作機械の高速回転用の主軸であって、前記主軸は、全体として中空の円筒状体から成り、後端部側に、モータの回転出力軸とカップリングを介して結合する棒状体を嵌設するように径方向に一対組として形成された軸方向の長孔と、先端部内側に軸方向に工具ホルダ嵌合用に拡開して形成されたテーパ嵌合部と、同じく先端部外周に所定の厚さと外径を有させて形成し、前面に装着面を有するフランジと、円環状をした前記装着面に突出させて形成した工具ホルダの溝に嵌合する少なくとも1つのキーと、前記中空筒状体の軸方向の内径が、前記テーパ嵌合部の後端から内装工具保持具の本体挿設部迄の内径に対し、該挿設部から後端迄の内径を大きく設定することにより前記挿設部に形成された保持具本体を軸方向に固定する段部とを有し、上記中空筒状体の全体が、一体のセラミックスの燒結成形体から成るものであることを特徴とする工作機械の主軸。
【請求項2】 前記中空筒状体のセラミックスが、窒化硅素(Si3N4)系のセラミックスであることを特徴とする請求項1記載の工作機械の主軸。
【請求項3】 前記中空筒状体の後部ベアリング外装部と前記フランジ後縁部後側の前部ベアリング外装部の各外径を、外装ベアリングの内輪内径に応じて正寸に仕上げ、前記両ベアリング外装部間の外径を上記正寸よりも僅かに小寸法に仕上げて成ることを特徴とする請求項1、又は2に記載の工作機械の主軸。
【請求項4】 前記中空筒状体内部の前記段部後側の保持具本体内装部の内径を保持具本体外径に応じて正寸に仕上げ、該保持具本体内装部から後端迄の内径を前記正寸よりも僅かに大寸法に仕上げて成ることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の工作機械の主軸。
【請求項5】 前記中空筒状体の保持具本体内装部よりも後側部分の肉厚を、外径に対して少なくとも0.1倍以上の0.3倍以下、軸方向全長に対して少なくとも0.02倍以上0.06倍以下の寸法に構成して成ることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の工作機械の主軸。
【請求項6】 前記フランジの円環状の装着面に、円弧方向に沿う任意所望の間隔で、所望の深さ及び径の穴を多数軸方向にバランスウェイト装填用として形成して成ることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5に記載の工作機械の主軸。
【請求項7】 前記フランジの前後外周縁、テーパ嵌合部の開口周縁、フランジ前面の装着面に形成された突出キーの稜部と角隅部、長孔の内外縁、及び後端開口の内外周縁の面取り処理がなされてあることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、又は6に記載の工作機械の主軸。
【請求項8】 先端側に工具着脱部を有すると共に後端部に回転駆動モータを連結して成る箱体状の主軸本体を有する主軸装置に於て、中空柱状の主軸ケーシングを前記主軸本体に同軸状に内装すると共に主軸本体の先端部に於て連結固定して設け、先端側に、前面に工具廻り止めキー後縁に嵌挿軸受の衝合面を有するフランジと工具取付テーパ嵌合部とを有すると共に、後端側にモータ回転軸にカップリングを介して結合するための結合棒を軸と直交するように嵌挿する軸方向長孔を有する全体として中空筒状で、一体のセラミック燒結成形体から成る主軸を、前記主軸ケーシングに同軸にかつ軸方向前後両端の軸受により回転自在に設けて成り、前記両軸受はアンギュラ・セラミックス球軸受であって、その内輪は前記主軸に外装された間座により、又外輪は前記主軸ケーシングに内装された間座により主軸フランジの後縁面と主軸ケーシング後端部との間に隔設されると共に、前記主軸ケーシングの前面に主軸フランジに同軸に嵌合して設けられるシールフランジにより前記両軸受に予圧が与えられる構成となっていることを特徴とする工作機械の主軸装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械、例えばマシニングセンタ等に於ける比較的安価で簡易・普及型の高速回転用の主軸、特にセラミックス製の軽量主軸と、該主軸を備えた主軸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、主軸高速化のポイントとなる技術として、軸受潤滑技術、湿度制御技術、及びダイナミック・バランス調整技術などが重要視されて来ていたが、主軸高速化の他方のポイントであるモータの高速加減速制御技術の進歩に対応し得ていない問題があった。即ち、高速主軸の要件と言うべき、(1)主軸の剛性(静・動剛性)が高いこと、(2)主軸及び軸受寿命が長く、安価であること、(3)振動が少ないこと、(4)高速回軸時主軸熱変位が少ないこと、及び(5)高速回転時の損失トルクが少ないこと、等の観点が重要視されることから、急加減速制御のために必須の主軸及び回転部の軽量化は等閑視されて来た。尤も、主軸軽量化のために、前記主軸としてアルミナ系とか窒化硅素系、ジルコニア系、或いはガラスセラミック製のものが各種検討されて来ているようであるが、実用的には、軸受及びその転動体、テーブル、案内面、及びスリーブ等への使用に止まり、主軸体としては、試験、研究の用に供されるに止まっているようである。
【0003】セラミックスが、従来の鉄系材料と比較して、■ヤング率、強度とも大きい、■密度が小さい、■耐摩耗性が高く、摩擦係数が小さい、■耐熱性が高い、■熱膨張係数が小さい、■経年変化が少ない、■耐食性に優れている、■非導電体、非磁性体である、■脆性材料である、〓高価である、〓機械加工がむずかしい、等の多くの優れた点と共に、欠点も有していることは広く知られていることであり、特に本発明の工作機械の主軸用等としては、前記■の性質に係る耐衝撃強度に対する危惧がある所から、その実用への障害となっているものと思われる。例えば、特開昭62―228,303号公報には、アルミナ、窒化硅素質、ジルコニア、サーメット、超硬などのセラミック材で構成したスピンドルに、超音波トラスデューサを装備せしめ、該超音波トランスデューサからの信号に基づいて(スピンドルにクラックの発生を検知したときは)、スピンドルの回転駆動系を制御する(例えば、減速、又は停止して安全を保つ)等と記載されているが如くであり、又、例えば特公平4―16,284号公報に、スピンドルのツールホルダ支持部内周面の少なくとも一部をセラミックスで構成するためにセラミックススリーブを燒きばめ固定したものと、該セラミックススリーブ破損の際の取外し交換を容易に可能とする構成が提示されているが如くである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実用化を目的として、その主軸をセラミックス製として構成したもの、特に工作機械用の主軸として、先端部内側に工具ホルダ嵌合装着用のテーパ嵌合部を有すると共に後端部に駆動モータの回転出力軸に対するカップリング構造を有し、かつ前記テーパ嵌合部に対する工具の着脱を後端側外部に於て操作可能とするために工具保持具及び工具保持装置を同軸状に内装し得るように全体として中空筒状体に構成された実用可能なセラミックス製主軸の開発製作が望まれていた。しかるところ、本発明は、マシニングセンタ等の工作機械の高速回転用の主軸として、比較的安価で、強度的に実用可能なセラミックス製の軽量主軸及び該軽量主軸を備えた機能的な主軸装置を開発したことにより提案されるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、(1)工作機械の高速回転用の主軸であって、前記主軸は、全体として中空の円筒状体から成り、後端部側に、モータの回転出力軸とカップリングを介して結合する棒状体を嵌設するように径方向に一対組として形成された軸方向の長孔と、先端部内側に軸方向に工具ホルダ嵌合用に拡開して形成されたテーパ嵌合部と、同じく先端部外周に所定の厚さと外径を有させて形成し、前面に装着面を有するフランジと、円環状をした前記装着面に突出させて形成した工具ホルダの溝に嵌合する少なくとも1つのキーと、前記中空筒状体の軸方向の内径が、前記テーパ嵌合部の後端から内装工具保持具の本体挿設部迄の内径に対し、該挿設部から後端迄の内径を大きく設定することにより前記挿設部に形成された保持具本体を軸方向に固定する段部とを有し、上記中空筒状体の全体が、一体のセラミックスの燒結成形体から成る工作機械の主軸とすることにより、又、(2)前記中空筒状体のセラミックスが、窒化硅素(Si3N4)系のセラミックスである前記(1)記載の工作機械の主軸とすることにより、又、(3)前記中空筒状体の後部ベアリング外装部と前記フランジ後縁部後側の前部ベアリング外装部の各外径を、外装ベアリングの内輪内径に応じて正寸に仕上げ、前記両ベアリング外装部間の外径を上記正寸よりも僅かに小寸法に仕上げた前記(1)、又は(2)に記載の工作機械の主軸とすることにより、又、(4)前記中空筒状体内部の前記段部後側の保持具本体内装部の内径を保持具本体外径に応じて正寸に仕上げ、該保持具本体内装部から後端迄の内径を前記正寸よりも僅かに大寸法に仕上げた前記(1)、(2)、又は(3)に記載の工作機械の主軸とすることにより、又、(5)前記中空筒状体の保持具本体内装部よりも後側部分の肉厚を、外径に対して少なくとも0.1倍以上の0.3倍以下、軸方向全長に対して少なくとも0.02倍以上0.06倍以下の寸法に構成された前記(1)、(2)、(3)、又は(4)に記載の工作機械の主軸とすることにより、又、(6)前記フランジの円環状の装着面に、円弧方向に沿う任意所望の間隔で、所望の深さ及び径の穴を多数軸方向にバランスウェイト装填用として形成した前記(1)、(2)、(3)、(4)、又は(5)に記載の工作機械の主軸とすることにより、又、(7)前記フランジの前後外周縁、テーパ嵌合部の開口周縁、フランジ前面の装着面に形成された突出キーの稜部と角隅部、長孔の内外縁、及び後端開口の内外周縁の面取り処理がなされた前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、又は(6)記載の工作機械の主軸とすることにより、より良く達成されるものである。又、本発明の前述の目的は、(8)先端側に工具着脱部を有すると共に後端部に回転駆動モータを連結して成る箱体状の主軸本体を有する主軸装置に於て、中空柱状の主軸ケーシングを前記主軸本体に同軸状に内装すると共に主軸本体の先端部に於て連結固定して設け、先端側に、前面に工具廻り止めキー後縁に嵌挿軸受の衝合面を有するフランジと工具取付テーパ嵌合部とを有すると共に、後端側にモータ回転軸にカップリングを介して結合するための結合棒を軸と直交するように嵌挿する軸方向長孔を有する全体として中空筒状で、一体のセラミック燒結成形体から成る主軸を、前記主軸ケーシングに同軸にかつ軸方向前後両端の軸受により回転自在に設けて成り、前記両軸受はアンギュラ・セラミックス球軸受であって、その内輪は前記主軸に外装された間座により、又外輪は前記主軸ケーシングに内装された間座により主軸フランジの後縁面と主軸ケーシング後端部との間に隔設されると共に、前記主軸ケーシングの前面に主軸フランジに同軸に嵌合して設けられるシールフランジにより前記両軸受に予圧が与えられる構成とした工作機械の主軸装置とすることにより達成されるものである。
〔発明の詳細な説明〕
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の全体が一つのセラミックス燒成体から成る主軸につき、先端側を下向きとした図1の正面図、図2の縦断面図、及び横置きで先端側から視た図3の斜示図により説明する。主軸1は全体として中空円筒状体であって、後端部側に、図示しないモータの回転出力軸端に連結される円筒カップリングに嵌合して結合するピン等棒状体又は偏平バーを嵌設するように径方向に一対組として形成された軸方向の長孔2を有するのに対し、先端部には、内側に軸方向に工具ホルダ嵌着用に拡開して形成されたテーパ嵌合部3と共に外周に所定の厚さと外径を有するフランジ4を有し、かつ該フランジ4は、前記テーパ嵌合部3の形成により先端円筒部の肉厚が後端部の肉厚以下と小さくならないように形成されたもので、前面に環状装着面を有し、該フランジ4の外周面には後で説明するエア溜り溝4Aが形成してある。そして前記フランジ4の円環状をした前面の装着面には、工具ホルダ本体部に形成される廻り止め溝部に嵌合する少なくとも1つ以上の突起状のキー5と、円弧方向に任意所望の間隔で軸方向に所望の深さに穿設されたバランスウェイト装着用の複数の穴6が設けられてある。
【0007】而して、主軸1の内径は、軸方向に一様ではなく、後端より挿入内装される工具保持装置の保持具本体固定部の挿設位置の段部7迄内径が大きく構成され、前記段部7より先端にかけ、テーパ嵌合部3の後端部迄内径が小で、肉厚が厚く高強度となるように構成してある。そして、前記保持具本体固定部が嵌設される段部7近傍の所望長さの内面部8Aは、保持具本体の外径寸法に合致させて、面粗度及び寸法とも、正寸に仕上げてあるが、該内面部8Aから後端までの全長に渡る内面8Bは、前記保持具本体を後端から内面部8A迄の内挿を容易とするために、内面部8Aより僅かに大きな内径に仕上げてある。又、前記主軸1の外径は、先端側のフランジ4後方の表面部9Aと後端側の表面部9Bとが夫々所望の長さの領域にわたって、主軸装置の構成の際に、燒嵌め嵌設されるアンギュラ球軸受の内輪内径に対して正寸に仕上げてあるのに対し、上記両表面部9A、9B間の表面部9Cの主軸部は、先端側軸受の燒嵌め嵌設作業操作を容易とするために、両表面部9A、9Bよりも僅かに小外径に、例えば5/100mm前後程度小さく仕上げてある。
【0008】本発明の全体が一体の状態に成形燒成して成るセラミックス製主軸本体の形状は、大略上述の如きものであるが、使用するセラミックスとしては、アルミナ系は、硬度、重量等の点で優れているものの、曲げ強度の点に難点があり、特に衝突や衝撃に対して欠けたり、割れたりし易く、該欠け及び/又は割れ部分にクラックやひび割れ等の破壊の原因となりかねない弱点部分を生じ易いので、現在の所、次善の利用に止めるべきものと考える。又、次にジルコニア系のセラミックスは、強度や熱伝導(熱絶縁)等の点で優れているものの、折角の軽量化が中途半端となる点で好ましいものではない。又炭化硅素は熱伝導が優れている点で有用であるが、機械的強度の点で難点があり、之等の欠点を補なう特性を持った、即ち、機械的強度が大きく、耐熱衝撃性及び耐摩耗性等に優れた窒化硅素燒結体の利用が最も適しているものと考えられた。
【0009】窒化硅素燒結体は、窒化珪素(Si3N4)の粉末粒子に燒結助剤を、或いは更に結晶化促進剤乃至は結晶成長コントロール作用等を期待して、酸化物系のものもあるが、多くは希土類元素酸化物、乃至は該希土類元素酸化物に燒結能を高めるAl2O3、SiO2、AlN等、或いは更にBe、SrO等を適宜添加したものを混合し、アイソスタティックプレス乃至は準アイソスタティックプレス法により目的とする形状に成形した後常圧燒結法とガス圧燒結法を組合わせた二段燒結するか、ホットプレス又は熱間静水圧燒結をした後ガス圧燒結法による後処理を行ない、ダイアモンド工具による旋削加工仕上げ後燒鈍処理するものである。本発明のセラミックス製の主軸1は、図1乃至図3に示すように可成りの肉厚のものであるが、工具自動乃至半自動交換用の工具保持装置を中心軸の廻りに軸方向に沿って内装される構成の関係から全体として円筒状体の中空体に構成され、このため燒結に際し、内外両側から燒結熱が作用し、良好な燒結を可能とする。そして、主軸1は中心軸の廻りに回転させられるものであるから、又強度的にも、各部に於て軸対象方向に、そして好ましくは、全体的に密度及び強度等が均しく、より均質に造られていることが望ましく、このため、燒結に際しては、主軸1の軸方向を上下鉛直方向として燒結炉内に、先端側を上向き等として吊持した状態で、或いは更に、N2やAr等の加熱・加圧ガスを上又は下から筒内を流通循環させながら燒結を進行させるのが好ましい。
【0010】前述のように、本発明の実施に際して、好ましくは使用さるべき、窒化硅素(SiN4)の燒結成形体は、機械的強度や耐摩耗性等硬度等も高く優れたものであるが、脆性材料であることから、燒結成形体の角部や稜部は鉄系金属合金等と衝突又は衝合すると微細な欠けや割れを生ずる可能性があり、そして欠けや割れが生じると該当部分に内部に達する割れやひび(クラック)が生じている可能性があり、結局小さい欠けや割れを生じた部分が弱点部分となって、更なる衝撃等が加わった際に破壊に至る可能性も少なくないものである。従って、本発明に於ては、燒結成形体の角部や稜部が異物との衝突とか衝合の際に、欠けとか割れを生じないように、前記角部や稜部の面取り又はR付けを行なうもので、その箇所としては、前記フランジ4の前後外周縁、テーパ嵌合部3の開口周縁、フランジ4前面の装着面に形成された突出キー5廻りの全稜部や角部及び角隅部、モータカップリング用の長孔2の内外周縁、及び後端開口の内外周縁の全部に対して行なうのが好ましいものである。
【0011】そして、全体として中空の筒状体としての形状、及び各部の寸法から、以下の如き各部間の寸法関係を有せしめて燒結及び仕上げ成形されることが好ましい。即ち、保持具本体の内装部よりも後側部分、例えば表面部9B部分、筒体中最も肉厚が薄い部分の肉厚を、当該部分筒体外径に対して少なくとも0.1倍以上0.3倍以下と肉厚に、かつ中空円筒球体1の全長又は表面部9A、9B、及び9C部分の全長に対し前記肉厚を少なくとも0.02倍以上、0.06倍以下の寸法に構成することが好ましい。而して、工具保持具本体が嵌設される段部7より先端側の主軸1の肉厚は、肉径の縮径により大きく形成できるので、構造的にも好ましいものである。図1乃至3に図示の中空筒状体1の寸法例を示すと、表面部9A、9B、9C部の外径約60mm、長さ約300mm、表面部9A部の内径約40mm、肉厚約10mm、テーパ嵌合部3の開口径約43mm、フランジ4の外径約70mm、軸方向の厚み約27mm、キー5の径方向の幅約16mm、突起高さ約7mmの如くである。
【0012】次に、上述の本発明の全体が一体のセラミックス製主軸を用いた主軸装置の実施例を、図4の実施例断面図により説明すると、10は外筒を形成する主軸本体、11は後端側に必要に応じ熱絶縁板を介し、同軸状にカップリングして連結されたモータ、11Aは加圧空気及びクーラントの受給供給孔12を有するモータ11の回転出力軸、13は前記主軸本体10に先端側から同軸状に挿入して本体10に固定された主軸ケーシング、14及び15はセラミック(通常Si3N4)球を用いた主軸1前部及び後部のアンギュラセラミックス球軸受、16及び17は夫々内輪間座及び外輪間座、18は前記主軸ケーシング13先端外周に取り付けられ、図示しない工具加工部へ指向する複数個のクーラント加工液を噴出するノズル及びクーラント導入孔18Aを有する環状のノズルフランジ、19は主軸ケーシング13の先端部に於て、主軸1先端のフランジ4の外周を包囲するように主軸ケーシング13の先端前面に取付けられ、フランジ4外周にシール用に噴出する加圧空気の導入孔19Aを有すると共に前記前部ベアリング14の予圧を調整するシールフランジ、20は、前記フランジ19により、前部ベアリング14の外輪に与えられる予圧を、セラミックボール及び内輪、そして間座16を介して後部ベアリング15の内輪から、ボール及び外輪を介して主軸ケーシング13と共に受けるよう主軸1に外装されたカラー20Aを有するステップドスリーブ、21は主軸後端側のモータ軸結合長孔2に挿設される結合棒、22は主軸後端部に嵌合すると共に前記長孔2の両側から主軸1外へ突出する結合棒21の両端と嵌合して結合す円筒カップリング、23は前記カップリング22の外周に嵌合する円環状体で、前記結合棒21の抜け落ち防止に両端部にて固定された円環状プレート、24はモータ回転出力軸11Aに固定され、前記円筒カップリング22と歪吸収可能にフランジ結合されるカップリングプレート、25は前記結合棒21が直交して嵌設した状態で主軸1後部に挿入された結合体、26は結合体25から結合棒21を通して延びる加圧空気及びクーラントの受給供給孔12Aを前記モータ軸11Aの供給孔12に軸方向に移動可能にシールして連結する中空連結ロッド、27は前記結合体25の下端側に同軸に連結された前記供給孔12Aに繋がる供給孔12Bを有するドローバー、28は前記ドローバー27と主軸1間にドローバー27のほぼ全長に近い上下カラー28A、28B間に挿設された工具保持力発生用の螺旋又は非螺旋の皿ばね、29は主軸1先端のテーパ嵌合部3から嵌挿される工具ホルダの軸部及び径大のプルスタッド等を嵌合掴み及び開放する工具保持具部で、30Aは主軸1内の前記段部7に内挿固定される保持具本体、30Bはドローバー27先端に連結された保持具の移動操作部、30Cはコレットの作動をする複数の掴み片、30Dは補助掴み力を発生する保持具皿ばね、30Eはばね力を掴み片30Cに伝える操作部30Bに対して可動なピストン体である。なお、31は上部の主軸1後部からモータ出力軸11A部からの漏洩クーラント(加工液)が後部軸受15に入るのを防止する傘状カバーで、クーラントは、主軸本体10先端外周の図示しないドレーン口から排出される。
【0013】上記本発明の主軸装置は、前述図1乃至3の如く燒結成形後機械加工により仕上げられたセラミックス主軸1に、例えば工具保持具部29と之に結合したドローバー27及び螺旋皿ばねを主軸1後端より、次いで必要に応じ結合体25を挿設した状態で、前部軸受14で燒き嵌めによりフランジ4後部に装着し、次いで内輪間座16、及び外輪間座17を嵌挿し、後部軸受15を嵌設し、之を全体として主軸ケーシング13に挿設し、主軸後端側の結合棒21及び円筒カップリング22廻りの組立を適宜の状態迄行ない、該主軸ケーシング13を主軸本体10の先端側から挿入する如くして組立て、モータ11及び主軸1後端部間の結合構成は、対応位置の開閉可能な開口10Aから行なうものである。
【0014】而して図示の状態は、工具保持具の移動操作部30Bがドローバー27を介し、螺旋皿ばね28によって強く引き上げられ、工具ホルダの軸部及びプルスタッドを引っ掛け掴む掴み片30Cをしっかりと持ち上げ、締付け掴み状態を保持させている。工具交換の際は、ヒンジ32から左に延び、途中の円環状部が円筒カップリング22に嵌合している挺子の左端側を、例えばエアシリンダで押し下げ、挺子円環状部の押子を円環状プレート23に衝合し、結合棒21及び結合体25と共にドローバー27を螺旋皿ばね28に抗して押し下げると、工具保持具の移動操作部30Bが降下し、掴み片30Cによる保持を解除し、該掴み片30C(放散同形に複数個ある、例えば、3、又は4個)を径方向に揺動可能ではあるが、保持具皿ばね30Dによりプルスタッドを半クランプ状態に保持させ、工具の落下は防止される。そして、この半クランプ状態は、保持具皿ばね39Dの弱い発条力により保たれているので、工具を強く下に引けば、容易に掴み片30Cによる半クランプ状態を解除させて引き抜くことができる。工具交換の開始に際しては、加圧空気及びクーラントの供給孔12A、12Bから、加工中のクーラントに代え、工具ホルダの軸部、プルスタッド及び保持具掴み片30Cの領域に加圧空気を噴出させて、清浄処理することが好ましい。図示実施例の場合の前部及び後部の軸受の潤滑は、所謂グリース潤滑で、先端側の軸受14部への水等加工液の侵入が問題となるが、シールブッシ19に設けた導入孔19Aより加圧空気を供給し、主軸1のフランジ外周からエア溜り4Aを介し先端側へ噴射されるように隙間調整しておくことにより、殆どメンテナンスフリィの状態で継続使用することができる。
【0015】なお、上記主軸及び主軸装置としての回転バランスは、主軸1の中空部に結合棒1、結合体25、及びドローバー27、皿ばね28を含む工具保持具部29を組み込み構成した段階と、前後部軸受14、15や内外輪間座16、17からモータ11及びその回転出力軸11Aを結合構成した段階でのダイナミックバランスを取る段階の如く複数段階とし、上記最初の段階では穴6への鉛等低融点合金の充填の外主軸1外周の一部の切削、或いは穴6の追加穿孔等として為し得るが如くである。又、前述した、前部及び後部のアンギュラ・セラミックス球軸受14、15にシールフランジ19によって与えられる予圧は、主軸1へ付与される高速回転により軸受14、15の内輪の径増大により増加しようとするが、前記高速回転付与に起因する主軸1の温度上昇により該主軸が伸長するものの、主軸と同程度の温度上昇の金属製主軸ケーシングの伸長量の方が大きいので、上記予圧の増大は適度に相殺される。
【0016】以上の如き本発明の主軸装置の構成によれば、前述例示の寸法諸元の主軸1を用いた主軸装置の稼動実績によると、主軸にボールエンドミル等の工具を装着した状態での所定回転数迄の立上り時間は、下記6,000 min −1 0.2sec10,000 min −1 0.4secの如くであり、又、24時間連続稼動後の主軸1の温度上昇は約3度以内と言う小さい値であった。なお、上述図示実施例に於ける前部及び後部軸受14及び15間の内輪間座16は、主軸1の破壊防止の保護と破壊時の被害防止のため、一部誇張して、より大きい肉厚状態に記載してあるが、内装工具保持装置を含む主軸回転部の重量が窒化硅素製主軸1単体での重量の3倍乃至4倍、又はそれを越える場合には、上記内輪間座16を間座としての必要な厚みのものとし、該薄肉厚の内輪間座上に炭化繊維を多層に巻き重ね、之をエポキシ樹脂等により固化固定化して保護を計るようにすること等が推奨されるものである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、工作機械の主軸が、全体として中空筒状体の、全体が一体のセラミックス燒結成形体として構成し、該成形体に主軸として必要な寸法及び形状を有せしめて構成したから、主軸それ自体は鋼を使用した従来のほぼ1/3程度の軽量で、このため破壊対策や強度を考慮して構成した主軸装置の回転部分の重量も約1/2と軽量となり、主軸の所定回転数への立上り時間と停止時間を短かくすることができて、生産性を一段と高めることができる。又本発明の主軸及び主軸装置によれば、高速回転及び迅速な応答制御が可能で、かつその回転駆動に於て低温度上昇を維持することができるので、工作機械の高精度化及び高信頼化を高速化と共に同時に達成することができる。又、本発明の全体が一体のセラミックス燒結成形体から成る主軸は、前述の形状、寸法間連の構成に製作してあるから、比較的安価で簡易、普及型のマシニングセンタ等用の高速回転用の主軸装置を、比較的簡単な構成のものとして、又組み立て構成し易いものと為し得る利点も有するものである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013