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発明の名称 ワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法とその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−180548
公開日 平成10年(1998)7月7日
出願番号 特願平9−317713
出願日 平成9年(1997)11月4日
代理人
発明者 加藤 和夫 / 岡崎 秀二 / 坂口 昌志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片を吸引装置へ移送し、該吸引装置によって前記ワイヤ電極切断片を吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法において、ワイヤ電極をその切断位置から所定の長さ離れた位置でクランプするステップと、前記切断位置で切断するステップと、前記吸引装置の吸引手段の吸引開口から吸引しながら前記ワイヤ電極切断片をクランプしたまま前記吸引手段の中に移送して、前記所定長さのワイヤ電極部分を前記吸引手段の中に収容するステップと、前記ワイヤ電極切断片をアンクランプして、前記吸引手段から前記吸引装置のワイヤ除去装置に吸引して排出するステップと、を含むことを特徴とするワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法。
【請求項2】 先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片を吸引装置へ移送し、該吸引装置によって前記ワイヤ電極切断片を吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法において、ワイヤ電極をその切断位置から所定の長さ離れた位置でクランプするステップと、前記切断位置で切断するステップと、前記ワイヤ電極切断片をクランプしたまま前記吸引装置の吸引手段の吸引開口から該吸引手段の中に移送して、前記所定長さのワイヤ電極部分を前記吸引手段の中に収容するステップと、前記吸引手段の吸引を開始して前記所定長さのワイヤ電極部分の全部を該吸引手段の中に収容するステップと、前記ワイヤ電極切断片をアンクランプして、前記吸引手段から前記吸引装置のワイヤ除去装置に吸引して排出するステップと、を含むことを特徴とするワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法。
【請求項3】 先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片を吸引装置へ移送し、該吸引装置によって前記ワイヤ電極切断片を吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置において、前記吸引装置が吸引開口を有する固定式の吸引手段とこれに連通するワイヤ除去装置とを備え、さらに、ワイヤ電極をその切断位置から所定の長さ離れた位置でクランプする移動式クランプ手段と、前記切断位置で切断する切断装置と、前記ワイヤ電極切断片を前記移動式クランプ手段によってクランプしたまま移送して、前記吸引開口から前記固定式吸引手段の中に前記所定長さのワイヤ電極部分を収容する移送装置と、を備えたことを特徴とするワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
【請求項4】 前記固定式吸引手段に備えた前記吸引開口が、前記所定長さのワイヤ電極部分の長さに略等しい長さの溝であることを特徴とする請求項3記載のワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
【請求項5】 前記固定式吸引手段に備えた前記吸引開口が、前記所定長さのワイヤ電極部分の長さに略等しい長さの溝であって、かつ前記吸引手段の下端側で幅が広く、その上方へ向かうにつれて幅が狭く開口した溝であることを特徴とする請求項3記載のワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
【請求項6】 前記移送装置の移動式クランプ手段の上面に、前記ワイヤ電極をクランプするときに該ワイヤ電極を囲み、前記ワイヤ電極切断片を吸引するときに前記固定式吸引手段と整列し、該吸引手段と一体的に前記ワイヤ電極切断片を吸引する補助ガイドを備えたこと特徴とする請求項3記載のワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
【請求項7】 ワイヤ電極の先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片を吸引装置によって吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法において、ワイヤ電極をクランプするステップと、前記吸引装置の吸引手段を移動して、該吸引手段の吸引開口から該吸引手段の中にワイヤ電極を収容するステップと、前記ワイヤ電極のクランプした位置から所定の長さ離れた切断位置で切断するステップと、前記所定長さのワイヤ電極部分を前記吸引手段の中に吸引して収容するステップと、前記ワイヤ電極切断片をアンクランプして前記吸引装置のワイヤ除去装置に排出するステップとを含むことを特徴とするワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法。
【請求項8】 ワイヤ電極の先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片を吸引装置によって吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置において、前記吸引装置が、吸引開口を有する吸引手段であって該吸引開口からワイヤ電極を収容するように移動する移動式吸引手段と、該移動式吸引手段に連通するワイヤ除去装置とを備え、さらに、ワイヤ電極をその切断位置から所定の長さ離れた位置でクランプ、アンクランプする簡易クランプ手段と、前記切断位置で切断する切断装置と、を備えたことを特徴とするワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
【請求項9】 前記固定式吸引手段または移動式吸引手段の下端に、ワイヤ電極直径より若干大きな円孔と、該円孔から前記吸引開口に合わせて開口する切り欠きとが形成された蓋板を備えたこと特徴とする請求項3ないし請求項5または、請求項8記載のワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤカット放電加工機の切断したワイヤ電極を排出する方法とその装置に係り、さらに詳しくは、ワイヤ電極の自動結線の際に、ワイヤ電極の先端を更新するために切断したワイヤ電極を排出する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的に供給されるワイヤ電極(以下ワイヤと称する。)と被加工物(以下ワークと称する。)との間にパルス状の放電加工電圧を印加しながらワイヤとワークとを相対移動させて、ワークを所望の形状に放電加工するワイヤカット放電加工機が広く知られている。この放電加工を開始する際、加工形状によっては、予めワークに加工してある加工開始用の下孔にワイヤを通した後、放電加工機の下ガイド、ワイヤ搬送装置およびワイヤ巻取りローラを含むワイヤ回収装置で規定されるワイヤの走行経路に沿ってワイヤを張架する操作が自動的に行われる。これは一般に自動結線と称され、種々の公知の技術がある。また、放電加工中に何らかの原因でワイヤが断線することがある。この場合にも上記のような自動結線が行われる。
【0003】ところが自動結線の失敗や加工中の断線があると、ワイヤの先端が損傷あるいは変形することがあり、このような状態で自動結線を行うと、ワイヤの先端が下孔に引っかかるなどしてワイヤを下孔に挿通できないことがある。そこで、ワイヤ先端の損傷部分や変形部分を除去してから自動結線を実行するために、ワイヤの先端からの適宜長さを切断して機外に排出する、いわゆる先端処理が行われる。この先端処理の技術については、いろいろな技術が開示されているが、特に切断したワイヤを吸引して排出する技術として、例えば特開昭63−11233号公報、特開昭63−120034号公報などがある。前者は、回動するワイヤ保持装置のアームによって切断後のワイヤ切断片を吸引装置の吸引口付近まで移送し、そのワイヤ切断片をその吸引口から吸引しようとするものであるが、吸引される直前のワイヤの切断片の切断端は、吸引口の直近に位置するが吸引口の中に入り込んではいない。後者は、不要ワイヤ電極を第1および第2の回転体によって挟持し、これら2つの回転体を回転体駆動手段により駆動しつつ、その不要ワイヤ電極を案内手段に沿って吸引手段の吸引口に挿入した後に吸引を開始し、不要電極を加工区域外へ排出しようとするものである。しかしこの構成の装置でも、不要ワイヤ電極の切断位置が案内手段の上端や吸引口の位置より上方に位置するので、ワイヤ電極の切断端がワイヤ電極を挟持する前記回転体から離れている。さらにまた不要ワイヤ電極が切断される際に、不要ワイヤ電極の相当の長さがその根元のみを前記回転体によって把持されて直立した不安定な状態にある。また不要ワイヤ電極は、回転体によってその長手方向に送り出されることによって、案内手段に案内されながら吸引口に挿入された後に吸引される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明人は、前述したような吸引方式の先端処理装置が直径0.1mm以下、特に直径0.05mm以下の剛性が小さい極細線ワイヤを排出する装置に有効であることに着目して、このような吸引排出装置を開発してきたが、ワイヤ切断片の切断端を吸引口の近傍に近づけるだけでは充分にワイヤ切断片を吸引できない問題があった。また、ワイヤをクランプする位置が切断位置から離れているので、ワイヤを切断するとき、張架されていたワイヤに残存する張力により切断したワイヤが跳ねるように挙動して倒れやすく、前記切断端が吸引口から離れてしまうこともあった。特に極細線のワイヤを使用するときにその不安定さが顕著になる。さらにまた、腰の弱い極細線のワイヤ切断片を単に機械的に送り出しながら、その切断端の方から案内手段に沿わせて吸引口に挿入する動作が、確実性に欠ける問題もあった。
【0005】そこで本発明は、前述の事情に鑑みてなされたもので、自動結線の際にワイヤの先端を切断して更新するとき、移動式クランプ手段の上面から所定の長さだけ上方の切断位置で前記ワイヤを切断し、このワイヤ切断片をその長手方向に送り出すことなくクランプしたままで移送することによって、前記ワイヤ切断片の所定長さの部分を確実に固定式吸引手段内に収容できるようにし、しかる後に前記所定長さの部分全部を前記固定式吸引手段の中で強力に吸引しながらアンクランプして、前記ワイヤ切断片全体を吸引装置のワイヤ除去装置へ確実に排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法とその装置とを提供することを目的とする。
【0006】また別の本発明は、前記ワイヤ切断片を移送装置で移送する代わりに、前記吸引手段を移動可能とすることによって、同様な目的を達する。ワイヤの走行位置でクランプされた前記ワイヤに対して移動式吸引手段を移動して前記ワイヤを前記移動式吸引手段に収容し、しかる後に前記ワイヤを所定長さに切断し、吸引することにより、前記ワイヤ切断片の所定長さを前記移動式吸引手段の中に確実に収容できるようにして、前記ワイヤ切断片全体を吸引装置のワイヤ除去装置へ確実に吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法とその装置とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的は、(1)先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片1aを吸引装置90へ移送し、該吸引装置90によってワイヤ電極切断片1aを吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片1aの排出方法において、先ずワイヤ電極1をその切断位置1eから所定の長さ離れた位置でクランプし、つぎに前記切断位置1eで切断し、つぎに吸引装置90の吸引手段40の吸引開口40aから吸引しながらワイヤ電極切断片1aをクランプしたまま吸引手段40の中に移送して、前記所定長さのワイヤ電極部分を吸引手段40の中に収容し、つぎにワイヤ電極切断片1aをアンクランプして、吸引手段40から吸引装置90のワイヤ除去装置42に吸引して排出することによって達成できる。
【0008】また、(2)先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片1aを吸引装置90へ移送し、該吸引装置90によってワイヤ電極切断片1aを吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片1aの排出方法において、先ずワイヤ電極1をその切断位置1eから所定の長さ離れた位置でクランプし、つぎに前記切断位置1eで切断し、つぎにワイヤ電極切断片1aをその長手方向に送り出すことなくクランプしたまま前記吸引装置90の吸引手段40の吸引開口40aから該吸引手段40の中に移送して、前記所定長さのワイヤ電極部分を吸引手段40の中に収容し、つぎに吸引手段40の吸引を開始して前記所定長さのワイヤ電極部分の全部を吸引手段40の中に収容し、つぎにワイヤ電極切断片1aをアンクランプして、吸引手段40から吸引装置90のワイヤ除去装置42に吸引して排出することによっても達成できる。
【0009】また、(3)先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片1aを吸引装置90へ移送し、該吸引装置90によってワイヤ電極切断片1aを吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片1aの排出装置において、吸引装置90が吸引開口40aを有する固定式の吸引手段40とこれに連通するワイヤ除去装置42とを備え、さらに、ワイヤ電極1をその切断位置1eから所定の長さ離れた位置でクランプする移動式クランプ手段80と、前記切断位置1eで切断する切断装置13と、ワイヤ電極切断片1aを移動式クランプ手段80によってクランプしたまま移送して、吸引開口40aから固定式吸引手段40の中に前記所定長さのワイヤ電極部分を収容する移送装置50と、を備えたることによっても達成できる。
【0010】また、(4)上記(3)の排出装置において、固定式吸引手段40に備えた吸引開口40aが、前記所定長さのワイヤ電極部分の長さに略等しい長さの溝に形成することによっても達成できる。
【0011】また、(5)上記(3)の排出装置において、固定式吸引手段40に備えた吸引開口40aが、前記所定長さのワイヤ電極部分の長さに略等しい長さの溝であって、かつ吸引手段40の下端40c側で幅が広く、その上方へ向かうにつれて幅が狭く開口した溝に形成することによっても達成できる。
【0012】また、(6)上記(3)の排出装置において、移送装置50の移動式クランプ手段80の上面に、ワイヤ電極1をクランプするときにワイヤ電極1を囲み、ワイヤ電極切断片1aを吸引するときに固定式吸引手段40と整列し、該吸引手段40と一体的にワイヤ電極切断片1aを吸引する補助ガイド56、57を備えることによっても達成できる。
【0013】また、(7)ワイヤ電極1の先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片1aを吸引装置90によって吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片の排出方法において、先ずワイヤ電極1をワイヤ走行位置でクランプし、つぎに吸引装置90の吸引手段45を移動して該吸引手段45の吸引開口45aから該吸引手段45の中にワイヤ電極を収容し、つぎにワイヤ電極1のクランプした位置から所定の長さ離れた切断位置1eでワイヤ電極を切断し、つぎに前記所定長さのワイヤ電極部分を吸引手段45の中に吸引して収容し、つぎに前記ワイヤ電極切断片1aをアンクランプして吸引装置90のワイヤ除去装置42に排出することによっても達成できる。
【0014】また、(8)ワイヤ電極1の先端を更新するために切断したワイヤ電極切断片1aを吸引装置90によって吸引して排出するワイヤカット放電加工機のワイヤ電極切断片1aの排出装置において、吸引装置90が、吸引開口45aを有する吸引手段であって、該吸引開口45aからワイヤ電極1を収容するように移動する移動式吸引手段45と、該移動式吸引手段45に連通するワイヤ除去装置42とを備え、さらにワイヤ電極1をその切断位置1eから所定の長さ離れた位置でクランプ、アンクランプする簡易クランプ手段85と、前記切断位置1eで切断する切断装置13と、を備えたことによっても達成できる。
【0015】また、(9)上記(3)ないし(5)または(8)の排出装置において、固定式吸引手段40または移動式吸引手段45の下端40cまたは45cに、ワイヤ電極1の直径より若干大きな円孔40eまたは45eと、該円孔から吸引開口40aまたは45aに合わせて開口する切り欠き40fまたは45fとが形成された蓋板40dまたは45dを備えることによっても達成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】ワイヤ放電加工機は、図1の全体構成図に示すような構成要素をワイヤ1の走行経路に沿って備えている。ワイヤ1を巻回したワイヤボビン2からワイヤ1が供給され、プーリ3で方向転換され、自動結線装置10に導かれる。自動結線装置10には、自動結線の際にワイヤ1を送り出す送り出しローラユニット11と、上下に移動可能な自動結線用パイプ12と、ワイヤ先端を更新する際にワイヤ1を切断する切断装置としてのカッタ13が設けられており、ワイヤ1がこれらを通ってその下方に配置された上側ワイヤガイドユニット20に導かれる。以上の構成要素は図示省略したZ軸ヘッドに取り付けられている。そしてワイヤ1は図示省略したワーク取り付け台上のワーク4の放電加工部位を経由し、図示省略した下アームに固定された下側ワイヤガイドユニット30に通され、ベルトでワイヤ1を挟んで搬送するワイヤ搬送装置5によって搬送されて、機外のバケット6に排出される。勿論パイプ式の搬送装置であっても良い。それぞれのガイドユニット20、30の中には、ワイヤ1をそのワイヤ走行経路上の走行位置に位置決め案内するワイヤガイド21、31と放電加工用のパルス電流をワイヤに供給する通電子22、32とがそれぞれ設けられている。
【0017】自動結線装置によって、自動結線がつぎのように行われる。カッタ13より下流の(下方の)不要なワイヤをカッタ13によって切断し、後述する先端処理によってこれを排出した後、カッタより上流の(上方の)ワイヤ1を、送りローラ11によって送り出す。このとき、自動結線用パイプ12を少なくともワーク4の上面近くまで下降させ、同時にその上部に設けられた流体供給口12aから図示しないポンプ等により噴流または圧縮空気を供給して、ワイヤ1がワイヤ走行経路から外れないように流体(ジェット噴流)で拘束する。こうして、ワイヤ1をワーク4の下孔に通し、下側ガイドユニット30に挿通し、ついにはワイヤ搬送装置5に到達させる。自動結線が終了すると、自動結線用パイプ12はカッタ13より上に引き上げられる。この自動結線用パイプ12は、後述する先端処理においても、ワイヤ1をワイヤ走行位置に拘束しながらクランプするために、ジェット噴流を出す。なお、上記の自動結線装置10はパイプジェット方式の自動結線装置であるが、ジェットノズルからジェット噴流を出しながらワイヤを拘束して自動結線する、ジェットノズル方式の結線装置を上側ワイヤガイドユニット20に備えてもよい。
【0018】本発明の第1実施例について以下さらに詳細に説明する。ワイヤ走行位置にあるワイヤ1をクランプし、後述する固定式の吸引手段40の中心位置である吸引位置にワイヤ切断片1aを移送し、この吸引位置でワイヤ切断片1aをアンクランプして解放する移動式クランプ手段80を含む移送装置50が、自動結線装置10の側方に配設されている。この移送装置50は、図2の斜視図に示すように、Z軸ヘッドのスライダ8に固定されたベース53にアーム51が旋回可能に軸51aによって取り付けられ、同じくベース53に取り付けられたエアーシリンダ54によってアーム51が旋回するように構成される。またクランパ52がアーム51に軸52aによって取り付けられ、このアーム51に取り付けられたエアーシリンダ55によって、クランパ52がアーム51の先端部51bに対して開閉するように構成される。したがってクランパ52とアーム51の先端部51bとが移動式クランプ手段80を構成する。なおクランパ52の上面52cとアーム51の先端部51bの上面は、クランパ52が閉じたときに同一平面になるように形成するとよい。
【0019】このような移動式クランプ手段80を含む移送装置50により、ワイヤ1をクランプするとき、エアーシリンダ55のロッドを伸長してクランパ52を閉じる。またワイヤ1をアンクランプするとき、エアーシリンダ55のロッドを縮短してクランパ52を開く。一方、固定式吸引手段40の吸引位置にあるアーム51をワイヤ走行位置へ旋回するとき、エアーシリンダ54のロッドを伸長する。反対にワイヤ1をワイヤ走行位置から吸引位置へ移送するとき、エアーシリンダ54のロッドを縮短してアーム51を反対に旋回して戻す。先端処理をしないときは、この吸引位置で待機している。
【0020】図1に示すように、吸引装置90はつぎのように構成される。固定式吸引手段40が自動結線装置10の側方に配設され、ホース41によってワイヤ除去装置42に接続されている。そして吸引手段40に加えられる吸引力は、真空ポンプ等の吸引力発生装置43による負圧によって発生する。この吸引手段40で吸引されたワイヤ切断片1aは、ワイヤ除去装置42内のフィルタ42aによって除去される。なおワイヤ除去装置42は、フィルタを使用して除去するものに限らず、ワイヤ切断片1aを回収するもの、例えばサイクロン方式でワイヤ切断片1aを回収するするもの等、各種の実施形態を含む。勿論放電加工液として使用している水や油が吸入されても支障のないものが採用される。
【0021】固定式吸引手段40は、ワイヤ切断片1aが移送装置50によって移送されたとき、図5で説明する、クランパ52の上面52cから切断端1e迄のワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分を収容できる形状であればよい。なおワイヤ1の切断位置と切断端とは、ワイヤ上では同一点であるから同一の符号を付している。図3にその実施例を示すと、図3(a)の40pは円管状のもの、図3(b)の40qは角パイプ状の、図3(c)の40rは多角パイプ状の、図3(d)の40sは四角断面の箱状のものである。それぞれにはワイヤ吸引のための吸引開口40aを備えている。ワイヤ切断片1aをできるだけ固定式吸引手段40の内壁面に付着させずに、かつ吸引力を弱めることなく吸引するには、図4(a)の円筒状のパイプであることが望ましい。そこで吸引手段40が円管状であるもの(以下パイプと称する。)について以下詳細に説明する。
【0022】図4(a)に示すように、固定式吸引手段40は、パイプの下端40cをその長手方向に直角に切断したもので構成され、その上部には、図示省略したホース継手がパイプと一体に設けられ、このホース継手によってホース41に接続される。そしてパイプ下端40cからパイプの長手方向に沿って、吸引開口40aが形成されている。この吸引開口40aは、パイプ下端40c側では幅が広く、その反対側へ向かうにつれて幅を狭くした切り欠き溝に形成するのが好ましい。例えば、ワイヤの直径が0.03mmないし0.05mmの極細線を使用する場合には、外径約10mm、内径約8mmのパイプを使用して、吸引開口40aの最大開口幅bを約3mmとし、吸引開口40aの固定式吸引手段40の下端40cからの長さhを50mm程度とするのが好ましい。これは、後述する図5に示すように、クランパ52の上面52cから切断位置1e迄の長さL0が45mm程度としているので、これより5mm程度長くすることが好ましいからである。直径0.1mm以上の通常のワイヤを使用する場合は、ワイヤに剛性があるのでワイヤが倒れることもなく、上記形状で何ら不都合は起こらない。なお吸引開口40aは、上記のようなテーパ状に形成した切り欠き溝でなく、全体に幅が等しい切り欠き溝に形成しても、後述するように吸引開口40aからの吸引作用が著しく損なわれることはない。このとき溝幅は約3mmとするのが望ましい。
【0023】固定式吸引手段40を吸引位置に戻った移動式クランプ手段80に対して位置決めし、その吸引開口40aの方向をワイヤ切断片1aの移送方向に合わせて固定するために、図2に示すような調整装置70が備えられている。この調整装置70は、スライダ8に固定したベースブロック71に、中間ブロック72が首振り角度を調整可能に固定され、固定式吸引手段40を固定する保持部材73と一体の支持棒73aが、中間ブロック72にその軸方向の取り付け位置が調整可能に固定されるように構成されいる。そしてベースブロック71に対して中間ブロック72の首振り角度を調整し、かつ中間ブロック72に対して支持棒73aの取り付け長さを調整して固定することにより、固定式吸引手段40の中心位置を移送装置50によって吸引位置に戻されたワイヤ切断片1aの中心位置に合わせて調整する。さらに併せて固定式吸引手段40の下端40cをクランパ52の上面52cに近接した位置になるように上下方向の位置を調整するとともに、吸引開口40aの向きを移送装置50のワイヤ切断片1aの移送経路に合わせて回動して調整して、固定式吸引手段40を保持部材73に固定する。このようにして、クランプされ移送されてきたワイヤ切断片1aの所定長さL0が、吸引開口40aを通って固定式吸引手段40の中心位置に収容されるように調整される。
【0024】移動式クランプ手段80と上側ワイヤガイドユニット20の通電子22との間には、図1に示すように、接触感知用の電圧を印加できるようになっている。ワーク4とワイヤ1との接触を通電子22とワーク4との間で電気的に検出する公知の接触感知回路60に加えて、ワーク4とクランパ52、すなわち移動式クランプ手段80とを同一電位になるように配線し、リレー接点62、63によって検出回路を切り替え可能に構成する。こうすることによって、通電子22とクランプ手段80との間でのワイヤ切断片1aの有無が、電流検出手段64の電流の有無として検出できる。なお、この図1に示された回路は原理図であり、種々の実施形態が可能であることは言うまでもない。当然、例えば、導通を電圧の降下で検出する構成とするなどであってもよい。
【0025】ワイヤ1の先端処理をする際に、ワイヤ走行位置で切断されて生じたワイヤ1のワイヤ切断片1aを吸引位置に移送するときのワイヤ1、ワイヤ切断片1aの位置関係を図5に示す。ここで、図示左側のワイヤは、走行位置にあるワイヤ1を示し、右側に傾斜したワイヤは、吸引位置にあるワイヤ切断片1aを示す。カッタ13とクランパ52の上面52cとの間隔L0は、約40mmから約70mm、好ましくは、約45mmになるように、カッタ13とクランパ52とが配置されている。一方、移送装置50の旋回に伴いワイヤ切断片1aが吸引位置へ移送され、クランプ手段80より下方のワイヤ切断片1aが、鉛直な状態から傾斜した状態に変化することにより、ワイヤ切断片1a全体が上側のワイヤガイドユニット20から距離L2だけ引き出される。これに伴いワイヤ1の先端1f(先の自動結線実行のために切断された切断端、または加工中の断線による断点)も距離L2だけ引き上げられる。先端1fが通電子22より上方に引き上げられると、通電子22と移送装置50のクランプ手段80との間のワイヤ切断片1aの有無が電流検出手段64の電流の有無として検出できなくなる。そこで、上側ガイドユニット20のノズル下端またはワーク4の上面と通電子22との間の間隔L1が、移送装置50の旋回に伴いワイヤ切断片1aが引き上げられる距離L2より大きくなるように構成しておく。このために固定式吸引手段40をできるだけワイヤ走行位置に接近して配置するとともに、上側ガイドユニット20の上部とクランパ52との間隔L3をある程度大きくして、両者をある程度離して配置することにより、移送に伴ってワイヤが傾斜する角度θを小さくしている。上記のように間隔L1が距離L2より大きければ、自動結線するときワイヤ1が少なくともワーク4に接する位置まで送り込まれているので、結線失敗後に先端処理を行って、ワイヤ切断片1aを吸引位置に移送した後においても、クランプ手段80と通電子22との間にワイヤ切断片1aが存在し得ることになる。放電加工中にワイヤが断線した場合でも、断線位置がワーク4の上面より下方になるから、同様にしてクランプ手段80と通電子22との間にワイヤ切断片1aが存在し得る。
【0026】ワイヤ切断片1aが固定式吸引手段40に移送され、この吸引手段40の中に吸引される様子を図6で説明する。移動式クランプ手段80より上方の切断端1eまでの所定長さL0の部分は、切断されたとき、図6(a)に示すように倒れずに直立しており、この状態でワイヤ走行位置から吸引位置へ移送される最中にも、前記所定長さL0の部分が倒れることがない。さらに、吸引開口40aの長さがワイヤ切断片1aの前記所定長さL0と略同一な寸法になっているので、この所定長さ部分を移送するだけで吸引開口40aから吸引手段40の中にそのまま収容することができる。そして図6(c)に示すように、ワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分が固定式吸引手段40の中に収容された後は、所定長さL0の部分全体が強い吸引力を受けて直立するので、図6(d)に示すように、移動式クランプ手段80をアンクランプすることによって解放されたワイヤ切断片1aは確実に吸引され、ワイヤ除去装置42へ排出される。万一、図6(b)に示すように、移送の際にワイヤ切断片1aが倒れて所定長さL0の部分の全部が吸引手段40の中に収容されない場合があっても、少なくともその所定長さL0のクランプされている側の1/2程度の部分がほぼ直立した姿勢で移送され、幅の広い方の吸引開口40aを確実に通過する。そして切断端1e側の残りの1/2程度の部分が、吸引開口40aに沿った吸引力によって根元に近い方から順次引き込まれていく。特に吸引開口40aの幅が上方へ向かうほど狭くなっている場合、吸引される空気の流れが上方へ向かうほど強くなるので、切断端1e側の残りの1/2程度がより強力に引き込まれる。このようにして、その長手方向にワイヤ切断片1aを送り出さなくても、ワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分の全部が吸引手段40の中に確実に収容される。なお吸引開口40aの幅が上方へ向かうほど狭くなっていない場合は、狭くなっている場合に比べて、吸引開口40aに沿った吸引空気の流れが上方へ向かうほど強くなる程度が劣るが、実用上、ワイヤ切断片1aの切断端1e側を順次吸引開口40aに引き込むことに特に支障はない。
【0027】図4(b)のように、吸引開口40aに沿ってV字形に拡開した案内片40b、40bを取り付けることができる。このようにすれば、移送装置50によってワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分を吸引開口40aに入れる際に、案内片40b、40bに沿って吸引される空気の流れがワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分全部を確実に吸引開口40aに引き込む。吸引される空気の流れが案内片40b、40bによって絞られて、案内片40b、40bがない場合に比べて吸引力が格段に強くなるからである。また、図5で説明したように、固定式吸引手段40の下端40cと移送装置50のクランパ52の上面52cとの隙間が最小限となるように固定式吸引手段40の位置が調整されている場合には、固定式吸引手段40の下端を全く開放している場合に比べて吸引開口40aでの吸引力が格段に大きくなっている。また吸引手段40の下端40cを下方から見た端面の図面図4(c)に示すように、固定式吸引手段40の下端40cに蓋板40dを取り付けてもよい。この蓋板40dにはワイヤ径より若干大きな円孔40eが中心に形成してあり、この円孔40eから吸引開口40aに合わせて開口する切り欠き40fが形成してある。こうすることにより、固定式吸引手段40の下端が吸引開口40a、40f以外で閉鎖されているので、吸引開口40aでの吸引力が格段に大きくなる。従ってこの場合には、固定式吸引手段40の下端40cと移送装置50のクランパ52の上面52cとの隙間の位置調整を最小限にする必要がない。
【0028】先端処理は、図7と図8または図7と図9に示すフローチャートのように実行される。放電加工中にワイヤが断線した場合または自動結線が失敗した場合に、ワイヤ先端の更新指令が制御装置から出されて、本フローはスタートする。
【0029】先ずワイヤ1のクランプを実行した回数nと吸引を実行した回数mとを0に初期化し(S10)、吸引力発生装置43を起動して、固定式吸引手段40に吸引力を発生させる(S11)。つぎに自動結線用パイプ12からジェット噴流を出す(S12)。こうすることにより、ワイヤ1はジェット噴流に沿ってその姿勢が正され、ワイヤ走行位置に拘束される。そしてクランパ52を開き(S13)、ワイヤ吸引位置に待機していたアーム51をワイヤ走行位置に旋回し(S20)、クランパ52を閉じる(S21)。こうしてワイヤ1は、ワイヤ走行位置に一致する定位置でクランプ手段80にクランプされる。そしてジェット噴流を停止し(S22)、制御装置でクランプ回数nに1を加算する(S23)。なおステップS13の直前からステップS21までの間、自動結線用パイプ12を移動式クランプ手段80に接近した位置まで一時的に下降させることもできる。こうすることにより、ワイヤ1がよりクランプ位置近くで自動結線用パイプ12に拘束されるので、より正確な定位置でクランプされる。なおワイヤ1の切断長さを調整するために、ワイヤ1を巻き戻してからクランプすることは行わない。従来ワイヤ切断片を吸引する力が弱い場合に、自動結線の際に長く送られたワイヤ1をそのまま吸引して排出するのが難しいので、ある程度以上巻き戻してから先端処理を行っていた。しかし本発明では、前述したように吸引手段40の中でワイヤ切断片1aが強力に吸引されるので、ワイヤ1を巻き戻さずにクランプしても充分排出することができるからである。またワイヤの巻き戻しを行うと、剛性が小さい極細線では、巻き戻しローラにからまったり、たるんだワイヤ1が予期しない位置で引っかかったりする障害が発生しやすいからである。
【0030】続いて、通電子22と移動式クランプ手段80との間の導通を確認する(S30)。ワイヤ1のクランプが成功すると両者の間にワイヤ1を介して導通が検出されるので、クランプ完了と制御装置が判断する。一方、クランプ出来なかった場合には導通がないので、再度クランプが試みられる。先ずクランプ回数nが予め制御装置に設定されているクランプ繰り返し回数Nと比較され(S31)、クランプ回数nがこのクランプ繰り返し回数N以内であれば、アーム51を一旦戻し(S32)、S12以下S30迄でのステップをクランプが成功するまで繰り返す。ここでクランプ繰り返し回数Nを「1」と設定した場合は、クランプをもう1回繰り返す。クランプが成功することなく、クランプ回数nがクランプ繰り返し回数Nを超えれば、警告1を行い、先端処理を中断する(S33)。ここで警告1として、例えば「ワイヤをクランプできません。」等のメッセージを表示画面に出し、さらに警告音を発生する。その後アームを吸引位置に戻し(S70)、吸引を止める(S71)。
【0031】ワイヤ1のクランプが成功すると、ワイヤ1を切断し(S40)、アーム51を吸引位置に戻し(S50)、予め設定した時間T1だけ固定式吸引手段40を吸引する(S51)。こうして移動式クランプ手段80から上方のワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分が固定式吸引手段40の中に収容される。万一上記の所定長さL0の部分の全部が固定式吸引手段40に収容されない場合があっても、T1時間待機している間に、図6(b)で説明したようにして、吸引開口40aからの吸引力によってその根元側から順次吸い込まれ、ワイヤ切断片1aの切断端1e側も最終的に吸引手段40の中に吸引される。このようにして剛性の小さい極細線のワイヤであってもワイヤ切断片1aの上記所定長さL0の部分の全部を確実に固定式吸引手段40の中に収めることができる。そしてこの所定長さL0の部分が、吸引される空気の流れの中にあって上方に強く引っ張られた状態で固定式吸引手段40の中で直立する。この状態でクランパ52をアンクランプしてワイヤ切断片1aを解放し(S52)、予め設定した時間T2だけ待機すると(S53)、固定式吸引手段40の中に収まっているワイヤ切断片1aが吸引されてワイヤ除去装置42に排出される。そしてワイヤ吸引回数mに1を加算する(S54)。なお、上記吸引を上記移送の直後に開始するように、ステップS11をステップS50の直後に開始しても、同様に前記所定長さL0の部分の全部を確実に固定式吸引手段40に収容することができる。
【0032】以上のようにして、ワイヤ切断片1aを排出した後、排出が成功したかどうかを以下のようなステップによって確認する。アーム51をワイヤ走行位置に旋回させ(S60)、クランパ52を閉じ(S61)、つぎに通電子22と移動式クランプ手段80との間の導通を確認する(S62)。このときワイヤ切断片1aの排出が成功していれば、ワイヤ走行位置にワイヤ切断片1aが存在しないので導通することはない。したがって、排出が成功したと判断して、アーム51を吸引位置に戻し(S70)、吸引を停止する(S71)。
【0033】一方、排出が失敗していればワイヤ切断片1aが残存して導通が検出される。この場合、ワイヤの吸引回数mが予め制御装置に設定されている吸引繰り返し回数Mと比較され(S63)、吸引回数mが吸引繰り返し回数M以内の回数であれば、ワイヤ切断片1aの排出が成功するまで、吸引動作を繰り返す。この吸引の繰り返し動作は、ワイヤ走行位置に残存しているワイヤ切断片1aを吸引位置に再び移送して吸引し、ワイヤ走行位置で排出の成功を確認するまでの一連の動作を繰り返すものであり、S50以下S62迄のステップを繰り返すものである。吸引繰り返し回数Mが「1」と設定してあるときは、吸引動作をもう1回繰り返す。排出の失敗が続いて吸引回数mが繰り返し回数Mを超えれば、警告2を行い、先端処理を中断する(S64)。警告2として、例えば「ワイヤが結線位置に残っています。」等のメッセージを表示画面に出し、さらに警告音を発生する。この場合、つぎにアーム51を吸引位置に戻し(S70)、吸引を止めて(S71)終了する。なお、吸引繰り返し回数Mを「0」と設定し、吸引の繰り返し動作を全く行わなくとも実用上支障がない。ワイヤ切断片1aのクランプ手段80より上の所定長さL0が、確実に固定式吸引手段40の中に収容されるとともに吸引手段40の中で強力に吸引されるので、排出の失敗がほとんどないからである。また、ワイヤ切断片1aの移送が成功しているにもかかわらず吸引排出ができなかったようなまれな場合に、上記の吸引動作を繰り返すと、ワイヤ切断片1aがL2だけ再度引き上げられる恐れがあるからである。
【0034】図9に示すように、ワイヤ切断片1aを排出した直後に、この吸引位置でワイヤ切断片1aの導通確認を行うこともできる。ステップS54に続いて、この吸引位置でクランパ52を閉じ(S80)、導通を確認する(S81)。このとき導通が検出されない場合には、排出が成功したと判断してクランパ52を開き(S82)、アーム51をワイヤ走行位置に旋回して(S60)、すでに説明したワイヤ走行位置でのワイヤ切断片1aの存在確認を念のために行い(S61、S62)、以下前述した制御を行う。一方、導通が検出された場合には(S81)、吸引位置に未だワイヤ切断片1aが残っているので、上記したステップS63と同様の判断を制御装置で実行する(S83)。吸引回数mが吸引繰り返し回数M以内であれば、吸引が成功するまで次のような動作を繰り返す。すなわちワイヤ切断片1aをクランプしたままアーム51を旋回して一旦固定式吸引手段40の外に出し(S85)、つぎにアーム51を吸引位置に戻し(S50)、以下S81迄のステップを行って吸引動作と導通確認を行う。このように、ステップS85でアーム51を完全にワイヤ走行位置迄旋回させずにその中間位置迄しか旋回させないのは、固定式吸引手段40の中にワイヤ切断片1aを入れ直すだけの操作だからである。このようにしてもなおワイヤ切断片1aの排出が成功しない場合は、ステップS84で警告3を行い、先端処理を中断し(S84)、ステップ70以下を実行する。この場合、警告3として、例えば「ワイヤが吸引位置に残っています。」等のメッセージを表示画面に出し、さらに警告音を発生する。
【0035】このように、ワイヤ切断片1aを排出した直後にこの吸引位置でワイヤ切断片1aの導通を確認することにより、ワイヤ切断片1aが吸引位置に移送されているのにもかかわらず、吸引排出だけが失敗している場合において、ワイヤ走行位置でワイヤ切断片1aを再びクランプし直して、ワイヤ切断片1aを距離L2だけさらに引き出す無駄な動作を避けることができる。
【0036】また、アーム51をワイヤ吸引位置に戻したステップS50の直後に、導通を確認するステップを入れても良い。この場合、ワイヤ切断片1aをクランプしたままなので、リレー接点62を閉じて導通を確認するだけでよい。導通がない場合には、移動式クランプ手段80がワイヤ切断片1aを移送できなかった場合に相当するから、ステップS30の「No」の場合に準じて、前記したステップS31からのステップを再び実行して、ワイヤ切断片1aをクランプし直すことができる。こうすることによって、例えば、ワイヤ切断片1aがワイヤ走行位置で移動式クランプ手段80に単に接触しているだけでクランプされていない場合であっても、吸引を実行する前にこれを検出することができる。
【0037】つぎに本発明の装置の第2実施例を説明する。この実施例では、図10の斜視図に示すようにクランパ52とアーム51の先端部51bとで構成される移動式クランプ手段80の上面に、補助ガイド56、57を立設している。補助ガイド56がクランパ52に、補助ガイド57がアーム51の先端部51bに取り付けられ、移動式クランプ手段80がワイヤ1をクランプするときこれらがワイヤ1を囲むように配置されている。そして補助ガイド56、57が閉じているときの両ガイドが作る断面形状は、固定式吸引手段40のそれと略同一の形状になるように形成されている。図示例では、固定式吸引手段40を円筒状のパイプとしているので、その円管形状に合わせて、それぞれが半円形状の筒体に形成されている。補助ガイド56、57の高さ(長さ)は、図11の模式図にあるように、カッタ13に干渉しない程度に高く(長く)するのが好ましい。従って固定式吸引手段40が第1実施例のものと比べて短くなっている。そしてその下端40cを補助ガイド56、57に干渉しない程度の長さにして、補助ガイド56、57の上端と固定式吸引手段40の下端40cとの隙間をできるだけ小さく構成する。また、固定式吸引手段40には、ワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分が固定式吸引手段40の中に収容されるように、その長さL0の分を補う長さの吸引開口40aが形成されている。吸引開口40aの幅は、第1実施例と同程度か、若干大きめにするとよい。また、好ましくは、補助ガイド56、57の側壁の中間部から下方にかけた位置に、適宜抜き孔56b、57bを形成する。なお第2の実施例では、固定式吸引手段40の下端40cに蓋板40dを取り付ける必要がない。
【0038】このような補助ガイド56、57を取り付けることによって、ワイヤ1をクランプした後にこれを切断するときや、ワイヤ切断片1aを移送するときに、ワイヤ切断片1aが倒れることがまったくない。そしてワイヤ切断片1aを吸引するときには、補助ガイド56、57と固定式吸引手段40とが一直線に整列して、一体の吸引手段のようになってワイヤ切断片1aを吸引するので、確実にワイヤ切断片1aを吸引して排出することができる。さらに、補助ガイド56、57の側壁に抜き孔56b、57bを形成した場合には、ワイヤ1をクランプする際に、自動結線用パイプ12から出されるジェット噴流が補助ガイド56、57内から速やかに排出できるので、ジェット噴流の流れを整え、ワイヤ1のクランプ位置がばらつかないようにすることができる。加えて、ワイヤ切断片1aを吸引するときには、抜き孔56b、57bからも吸引がなされるので、クランプ位置に近い根元の方から吸引空気の流れが発生し、ワイヤ切断片1aの前記所定長さ部分の全部が吸引される。したがって、より確実にワイヤ切断片1aを吸引して排出することができる。このようにして、この第2実施例でも、ワイヤ切断片1aを吸引して排出する際に、ワイヤ切断片1aをその長手方向に送り出す必要が全くない。なお、第2実施例の動作の制御フローチャートは、第1実施例と特に変わるところがないのでその説明を省略する。
【0039】つぎに本発明の装置の第3実施例を、図12、図13の模式図によって以下説明する。本実施例においては、ワイヤ走行位置でワイヤ1をクランプ、アンクランプする簡易クランプ手段85と、クランプされているワイヤ1を吸引するために記ワイヤ走行位置へ移動する移動式吸引手段45とが備えられている。
【0040】移動式吸引手段45は、前述の吸引装置90を構成することに変わりがないが、前述のスライダ8に固定した、図示省略するエアーシリンダのような直線運動する駆動手段または図2の移送装置50のような旋回駆動装置などの公知の機構によって、ワイヤ走行位置とこのワイヤの走行に邪魔にならない待機位置との間を往復するように構成される。そして、この移動式吸引手段45は、図13(a)に示すように箱または筒体形状の本体45sに、ホース41と接続する継手部45hを備えている。また、この吸引手段45が移動するときに、ワイヤ1と対面する位置に吸引開口45aが形成されている。そして図12に示すように、カッタ13と簡易クランプ手段85との間にこの吸引手段45が出入りするように、吸引手段45の高さ(長さ)L4がワイヤ1の前述した所定長さL0より小さいので、この吸引手段45の上面にも、吸引開口45aが形成され、ワイヤ1が吸引されやすいようになっている。なお、この吸引開口45aも他の実施例と同様に、上方に向かうにつれて幅を小さく形成した方が良い。また、図13(a)に示すように、吸引される空気の流れを絞って整えるために、曲面で構成された中仕切り45gを取り付けるとよい。このように構成した移動式吸引手段45は、図13(b)のようにワイヤ切断片1aを吸引する。また、図13(c)に示すように、この吸引手段45は、筒体45pを屈曲させたものに吸引開口45aを設け、この吸引開口45aに沿って案内片45b、45bを取り付けたものにすることもできる。この案内片45b、45bは、吸引開口45aからはみ出たワイヤ切断片1aの前記所定長さL0の部分全部をこの吸引手段45の中に吸引することを助ける。また、図13(d)に示すような蓋板45dを下端45cに備えても良い。この蓋板45dは、図4(c)の蓋板40dと同様な目的のために取り付けるものであり、同様な円孔45eと切り欠き45fとが形成してある。
【0041】簡易クランプ手段85は、ワイヤの走行位置でのみワイヤ1をクランプ、アンクランプするクランプ手段であり、ワイヤ1を切断する際にこれをクランプし、切断後のワイヤ切断片1aを吸引する際にこれをアンクランプするものである。そしてクランプする爪が、アンクランプした後にワイヤ1の走行に支障がない位置に逃げていればよい。したがって簡易クランプ手段85は、第1実施例あるいは、第2実施例にあるような移動式でなくとも良いので移送装置50のような装置に含まれる必要がないが、クランプ爪を少なくともエアーシリンダ等で直接に開閉するもの、あるいはレバー式もしくはリンク式に開閉するものでなければならない。勿論第1実施例と同様な移送装置50に含まれて簡易クランプ手段85自体が移動可能な装置であっても良い。この主旨から、簡易クランプ手段85は、移動式吸引手段45側に一体に設けられていても何ら支障がない。勿論、簡易クランプ手段85は、移動式クランプ手段80と同様に接触感知回路に接続されている。
【0042】このような構成によって先端処理を実行するとき、図13(a)に示すように、先ずワイヤ1を簡易クランプ手段85によってクランプし、つぎに移動式吸引手段45を移動してワイヤ1を移動式吸引手段45の中に収容する。このとき、第1実施例または第2実施例と異なり、ワイヤ1を切断する前にこれを移動式吸引手段45の中に収容するので、吸引手段45の吸引を移動する前に開始しておく必要は全くない。また、簡易クランプ手段85を移動式吸引手段45に一体に備えているときは、簡易クランプ手段85および吸引手段45を移動してから、ワイヤ1を簡易クランプ手段85によってクランプする。そしてつぎに、ワイヤ1をカッタ13で切断するが、この切断動作に先立って、あるいは同時に吸引を開始する。すると図13(b)に示すように、ワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分は、吸引開口45aから吸引される空気の流れによって吸引手段45の中に収容される。このようにして、ワイヤ切断片1aの所定長さL0の部分の全部が吸引手段45の中で確実に吸引されるので、その後にアンクランプすれば、ワイヤ除去装置42に確実に排出することができる。なおワイヤ1のクランプの成否確認やワイヤ切断片1aの排出の成否確認は、図7ないし図9のフローチャートの制御と同様になされる。
【0043】この第3実施例によれば、前述の第1、第2の実施例と同様に、ワイヤ切断片1aの吸引・排出に先立ってワイヤ切断片1aをその長手方向に送り出す必要がないだけでなく、前述の第1、第2の実施例と異なり、ワイヤ切断片1aを移送する必要もないので、先端処理を失敗して、簡易クランプ手段85によるクランプ動作を繰り返したり移動式吸引手段45の移動動作を繰り返しても、ワイヤ切断片1aが徐々に引き上げられる恐れがない。従って前述の繰り返し動作を繰り返し前と同一状態で実行することができるから、クランプし直し、吸引し直し等の繰り返しを何回もできる。
【0044】
【発明の効果】以上の第1実施例のワイヤカット放電加工機のワイヤ切断片の排出方法または装置によれば、クランプ位置から切断位置までの所定長さのワイヤ切断片を、その長手方向に送り出すことなくクランプしたままで移送することにより、確実に固定式吸引手段の中に収容することができる。さらに加えて前記所定長さのワイヤ切断片が吸引手段の中で強力に吸引されるので、ワイヤ切断片は確実に吸引手段によって吸引され、ワイヤ除去装置に排出される。
【0045】また補助ガイドを移動式クランプ手段の上面に備えている第2実施例の場合には、第1実施例の効果に加えてワイヤ切断片の切断端側の端部が切断直後や移送中に倒れる心配が全くないので、さらに確実に固定式吸引手段の中に収容することができる。
【0046】また、第3実施例のワイヤカット放電加工機のワイヤ切断片の排出方法または装置によれば、移動式吸引手段をワイヤに対して移動することによって、クランプ位置から切断位置までの所定長さのワイヤ切断片を、その長手方向に送り出すことが全くなく、確実に吸引手段の中に収容することができる。さらに加えて前記所定長さのワイヤ切断片が移動式吸引手段の中で強力に吸引されるので、ワイヤ切断片は確実に移動式吸引手段によって吸引され、ワイヤ除去装置に排出される。
【0047】また、吸引手段の吸引開口が、前記所定長さのワイヤ切断片の長さに略等しい溝に形成され、かつこの吸引開口から強力に空気を吸引するので、ワイヤ切断片をその長手方向に送り出すことなくクランプしたまま吸引開口に移送することにより、ワイヤ切断片の前記所定長さの部分を確実に吸引手段の中に収容できる。
【0048】また、前記吸引開口が、パイプ下端から所定の長さまでパイプの軸方向に沿ってパイプ下端側では幅が広く、その反対側へ向かうにつれて幅を狭くして形成されている場合には、移送されたワイヤ切断片の前記所定長さ部分をより確実に吸引手段の中に吸引することができる。




 

 


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