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発明の名称 硫黄化合物吸着剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−165804
公開日 平成10年(1998)6月23日
出願番号 特願平8−333765
出願日 平成8年(1996)12月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 逸郎
発明者 仲辻 忠夫 / 吉田 公彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である酸化マンガンにPt、Au及びPdよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を担持させてなることを特徴とする硫黄化合物吸着剤。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】都市ガス、プロパンガス等の一般家庭において用いられているガス燃料には、その漏洩があった場合、それを臭覚的に感知させるために、通常、硫黄化合物系の付臭剤が含まれている。従って、上述したような都市ガス等を炭化水素として燃料電池の反応用原料や、スプレー容器における高圧充填剤等の用途に用いる場合に、所要の反応に有害であったり、また、スプレーの使用者に不快感をもたせ、場合によっては、毒性を有することさえある。
【0002】本発明は、都市ガス、プロパンガス等の炭化水素ガスを上述したような用途に供する前に、上記硫黄化合物系の付臭剤を効果的に除去することができるほか、種々の生活のための設備や機器、例えば、便所や冷蔵庫内にて発生する硫黄化合物系の悪臭をも効果的に除去することができる硫黄化合物吸着剤に関する。
【0003】
【従来の技術】悪臭を有する硫黄化合物は、従来、主として活性炭によって吸着除去されている。しかし、都市ガスやプロパンガス等の主成分である炭化水素をこのように活性炭によって吸着処理すれば、炭化水素自体が活性炭の細孔を占めるので、硫黄化合物が十分に活性炭に吸着されないという問題がある。従来、活性炭以外の吸着剤としては、電解法による二酸化マンガンやゼオライトのイオン交換サイトを銅でイオン交換してなる銅ゼオライト等が知られているが、これらは、メルカプタン類は吸着するものの、硫化メチル等のサルファイド類(硫化物)は殆ど吸着しないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したような硫黄化合物の吸着剤における従来の問題を解決するためになされたものであって、炭化水素をバランスとし、比較的少量の硫化水素、メルカプタン類、サルファイド類(硫化物)等のような悪臭を有する硫黄化合物を含むガスのほか、一般に、上述したような悪臭を有する硫黄化合物を含むガス、例えば、空気から上記硫黄化合物を効率よく吸着除去することができる吸着剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による硫黄化合物吸着剤は、比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である酸化マンガンにPt、Au及びPdよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を担持させてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明において、酸化マンガンを担体といい、Pt、Au及びPdよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を活性成分ということがある。また、本発明において、酸化マンガンは、二酸化マンガンを意味するが、しかし、既に知られているように、非化学量論的な二酸化マンガンをも含むものとする。
【0007】本発明者らは、既に、比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である酸化マンガンが硫黄化合物を効果的に吸着することを見出している(特開平8−173795号公報)。このような酸化マンガンからなる吸着剤が、炭化水素類をバランスガスとする系においても、硫黄化合物を効果的に吸着し得る理由については、未だ明らかではないが、上記比表面積とX線回折における特性を有する酸化マンガンが有する酸素欠陥が大きく関わっていると考えられる。
【0008】本発明者らは、このような酸化マンガンの硫黄化合物に対する吸着を更に研究した結果、上記酸化マンガンにPt、Au及びPdよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を活性成分として担持させることによって、炭化水素類をバランスガスとする系において、硫化物をはじめ、種々の硫黄化合物に対する吸着性能が一層向上すると共に、種々の硫黄化合物に対する吸着性能の持続性が更に向上することを見出して、本発明に至ったものである。
【0009】上述したような比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である酸化マンガンは、例えば、焼成することによって酸化マンガンを与える前駆体、例えば、水酸化マンガンや、或いは炭酸マンガン、酢酸マンガン等のマンガン塩を、雰囲気、温度、時間等の焼成条件を調整して焼成し、必要に応じて、酸処理をすることによって得ることができる。例えば、炭酸マンガンを250〜450℃の範囲の温度で焼成した後、例えば、硝酸等の酸を用いて酸処理することによって、上記特性を有する酸化マンガンを得ることができる。また、別の方法として、水溶性マンガン塩、例えば、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガン等と過マンガン酸カリウムとを反応させた後、水洗乾燥させることによっても、前記特性を有する酸化マンガンを得ることができる。
【0010】このような酸化マンガンに前記元素を活性成分として担持させるには、例えば、第1の方法として、炭酸マンガンを焼成して、酸化マンガンとする際に、炭酸マンガンに上記元素の化合物を混合し、これを焼成したり、硝酸マンガンと過マンガン酸カリをウムとを反応させて、上記元素を担持させた酸化マンガンを得ればよい。この方法において、上記元素の化合物としては、特に、塩化合物を用いることが好ましい。この方法によって、前記元素を活性成分として担持させた酸化マンガンを調製する場合も、得られる酸化マンガンは、比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である。勿論、前記元素を担持した複合物としての吸着剤自体も、比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である。
【0011】酸化マンガンの製造方法自体が上述したものである限りは、酸化マンガンを調製する際に、前記元素を担持させるか、させないにかかわらず、得られる酸化マンガンは、比表面積が50m2 /g以上であり、X線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が37°±1°である。
【0012】また、第2の方法として、前記比表面積特性とX線回折特性とを特性を有する酸化マンガンを調製した後、その粉末を前記元素の塩化合物の水溶液と混合した後、蒸発乾固させてもよい。勿論、必要に応じて、これら第1及び第2の方法を組み合わせて行なってもよい。
【0013】本発明による硫黄化合物吸着剤において、前記元素の担持率は、合計量にて、0.01〜1重量%の範囲が好ましい。ここに、前記元素の担持率とは、前記元素と酸化マンガンとの合計量に対する前記元素の割合(重量%)をいう。前記元素の担持率が0.01重量%より少ないときは、前記元素の添加による吸着能の増大が殆どなく、他方、1重量%を越えるときは、反対に、吸着能が低下するからである。
【0014】本発明による硫黄化合物吸着剤においては、このように、前記酸化マンガンに前記元素を担持させることによって、相乗的に硫黄化合物に対する吸着能を高めることができると共に、種々の硫黄化合物に対する吸着性能の持続性も向上する。
【0015】本発明による吸着剤は、従来より知られている成形方法によって、ハニカム状、球状等、種々の形状に成形することができる。この成形に際して、成形助剤、補強材、無機繊維、有機バインダー等を適宜配合してもよい。また予め成形された基材状にウオッシュコート法等によって被覆担持させることもできる。さらに従来知られているその他の吸着剤の調製方法によることもできる。
【0016】本発明による吸着剤によれば、硫化水素、メチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンなどのメルカプタン類、一硫化メチル、二硫化メチル等のサルファイド類(硫化物)を効率よく吸着除去することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0018】実施例1硝酸マンガン6水和物121.8gをイオン交換水50mLに溶解して、硝酸マンガン水溶液を調製した。別に、過マンガン酸カリウム40gをイオン交換水200mLに溶解して、過マンガン酸カリウム水溶液を調製した。
【0019】上記硝酸マンガン水溶液中に、攪拌下、上記過マンガン酸カリウム水溶液を滴下し、約30分にて反応を終了させた。得られた反応生成物を濾過し、イオン交換水にて水洗し、乾燥して、酸化マンガン61gを得た。この酸化マンガンの比表面積は204m2 /gであった。
【0020】この酸化マンガン10gに適量のイオン交換水と共にジニトロジアンミン白金硝酸溶液をPt換算で0.05gとなるように加えて、スラリー状とした後、これを蒸発乾固して、Pt担持率0.5重量%の酸化マンガンを得た。
【0021】実施例2実施例1において、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液をPt換算で0.001gとなるように用いた以外は、実施例1と同様にして、Pt担持率0.01重量%の酸化マンガンを得た。
【0022】実施例3実施例1において、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液をPt換算で0.1gとなるように用いた以外は、実施例1と同様にして、Pt担持率1重量%の酸化マンガンを得た。
【0023】実施例4実施例1において、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液に代えて、塩化金溶液をAu換算で0.05gとなるように用いた以外は、実施例1と同様にして、Au担持率0.5重量%の酸化マンガンを得た。
【0024】実施例5実施例1において、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液に代えて、塩化パラジウム溶液をPd換算で0.05gとなるように用いた以外は、実施例1と同様にして、Pd担持率0.5重量%の酸化マンガンを得た。
【0025】実施例6炭酸マンガン100gを空気中、300℃で5時間焼成した。得られた焼成物を0.1N硝酸水溶液1L中に投入し、30分間攪拌して、酸処理を行なった後、濾過し、イオン交換水で洗浄して、酸化マンガン82gを得た。この酸化マンガンの比表面積は117m2 /gであった。
【0026】この酸化マンガン10gに適量のイオン交換水と共にジニトロジアンミン白金硝酸溶液をPt換算で0.05gとなるように加えて、スラリー状とした後、これを蒸発乾固して、Pt担持率0.5重量%の酸化マンガンを得た。
【0027】比較例1硝酸マンガン6水和物121.8gをイオン交換水50mLに溶解して、硝酸マンガン水溶液を調製した。別に、過マンガン酸カリウム40gをイオン交換水200mLに溶解して、過マンガン酸カリウム水溶液を調製した。
【0028】上記硝酸マンガン水溶液中に、攪拌下、上記過マンガン酸カリウム水溶液を滴下し、約30分にて反応を終了させた。得られた反応生成物を濾過し、イオン交換水にて水洗し、乾燥して、酸化マンガン61gを得た。この酸化マンガンの比表面積は204m2 /gであった。
【0029】(吸着評価試験)
実施例7実施例1〜6及び比較例1において調製した吸着剤を下記のように顆粒状に成形し、これを用いて、その硫黄化合物の吸着性能を評価する試験を行なった。
【0030】顆粒状吸着剤の調製実施例1〜6及び比較例1にて得られた酸化マンガン粉体50gにシリカゾル(日産化学製「スノーテックスN」)50gと水適量を加え、これを顆粒状に成形して、20メッシュアンダー、30メッシュオーバーとした。
【0031】吸着率の試験方法試験は、図1に示すように、吸着剤を充填した吸着器1を恒温槽2内に置き、この吸着器1に下記の硫黄化合物を含むプロパンガス又は空気を下記の試験条件下に通過させて、プロパンガス又は空気中の吸着器の入口及び出口における硫黄化合物濃度を測定して、次式硫黄化合物吸着率=〔(入口濃度−出口濃度)/入口濃度〕×100(%)
から、硫黄化合物の吸着率(%)を求めた。
【0032】試験条件は次の条件1又は2によった。
試験条件1(バランスがプロパンであるときの硫化ジメチルの吸着除去)
■ ガス組成: t−ブチルメルカプタン 3ppm 硫化ジメチル 3ppm プロパン バランス ■ 温度: 20℃ ■ 空間速度(SV): 30000hr-1 【0033】
試験条件2(バランスが空気であるときの硫化水素及びメチルメルカプタンの吸着除去)
■ ガス組成: 硫化水素 5ppm メチルメルカプタン 5ppm 空気 バランス 相対湿度 60% ■ 温度: 20℃ ■ 空間速度(SV): 100000hr-1 試験条件1のときの結果を表1に示し、試験条件2のときの結果を表2に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明による吸着剤は、所定の比表面積とX線回折における最大強度の回折ピークの回折角度(2θ)が所定角度である酸化マンガンに所定の活性成分を担持させてなり、比較的少量の硫化水素、メルカプタン類、サルファイド類(硫化物)等のような悪臭を有する硫黄化合物を含むガスから上記硫黄化合物を効率よく吸着除去することができる。特に、本発明による吸着剤は、都市ガス、プロパンガス等、炭化水素をバランスとし、比較的少量の硫黄化合物、なかでも、従来、その吸着による除去が困難であった硫化メチルを有効に吸着除去することができる。勿論、本発明による吸着剤は、上記炭化水素をバランスとするガスのみならず、一般家庭においても、便所や冷蔵庫において発生する悪臭を有する硫黄化合物を含む空気からそのような硫黄化合物を効率よく吸着除去することができる。
【0037】更に、本発明による吸着剤によれば、酸化マンガンのみからなる吸着剤に比べて、例えば、実施例1による吸着剤を比較例1による吸着剤と比較して明らかなように、硫黄化合物の吸着率自体が高く、しかも、吸着率の経時低下が殆どみられず、吸着性能の持続性、即ち、耐久性にすぐれるものである。




 

 


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