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発明の名称 抗菌性活性炭及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−137524
公開日 平成10年(1998)5月26日
出願番号 特願平8−306221
出願日 平成8年(1996)11月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 逸郎
発明者 池田 美昭 / 仲辻 忠夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】活性炭100重量部に対して、銀、酸化銀及び硫化銀を合計量にて銀換算にて0.1〜15重量部の割合にて担持させてなることを特徴とする抗菌性活性炭。
【請求項2】活性炭に担持させた銀、酸化銀及び硫化銀のうち、硫化銀の割合が銀換算にて5〜80重量%である請求項1に記載の抗菌性活性炭。
【請求項3】活性炭を水溶性銀塩の水溶液に浸漬した後、乾燥させて、活性炭に銀及び酸化銀を担持させ、次いで、この活性炭を硫化剤にて処理し、活性炭に担持させた上記銀及び酸化銀の一部を硫化することを特徴とする抗菌性活性炭の製造方法。
【請求項4】硫化剤が硫化ナトリウム又は硫化アンモニウムである請求項3に記載の抗菌性活性炭の製造方法。
【請求項5】活性炭を水溶性銀塩の水溶液に浸漬した後、乾燥させて、活性炭に銀及び酸化銀を担持させ、このように銀及び酸化銀を担持させた活性炭を還元剤にて還元処理し、次いで、この活性炭を硫化剤にて処理し、活性炭に担持させた銀及び酸化銀の一部を硫化することを特徴とする抗菌性活性炭の製造方法。
【請求項6】硫化剤が硫化ナトリウム又は硫化アンモニウムである請求項5に記載の抗菌性活性炭の製造方法。
【請求項7】還元剤がヒドラジンである請求項5に記載の抗菌性活性炭の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、水に含まれる大腸菌やその他のバクテリア等の増殖を抑制する濾材として水濾過器や浄水装置等に用いる抗菌性活性炭及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、一般の水道水に含まれる有害なトリハロメタン類を除去するために、水道水を活性炭で処理するようにした濾過器や浄水装置等が種々、知られているが、これら装置に大腸菌等の雑菌が混入した場合、これらは装置内で増殖し、上記装置による処理水を却って汚染することとなる。従って、従来の濾過器や浄水装置等においては、止水後、24時間以上経過しておれば、数分間、装置に水を通して、所謂捨て水をすることが必要である。
【0003】そこで、このような問題を解決するために、従来、活性炭に抗菌性の高い銀を担持させて、これを濾過器や浄水装置の濾材として用いることが多いが、しかし、このように銀を担持させてなる活性炭を濾材として用いた場合、その初期には、水中への銀の溶出量が過大であって、例えば、米国において基準値である50ppbを越えるが、その後、溶出量が急激に低減して、殺菌効果や菌の増殖を抑制する抗菌性が不十分となる。即ち、従来の銀担持活性炭は、その抗菌効果の安定持続性に欠ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来、濾材として用いられている銀担持活性炭における上述したような問題を解決するためになされたものであって、銀を長期間にわたって安定して低い濃度で水中に溶出させ、かくして、抗菌作用の持続性にすぐれた抗菌性活性炭及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による抗菌性活性炭は、活性炭100重量部に対して、銀、酸化銀及び硫化銀を合計量にて銀換算にて0.1〜15重量部の割合にて担持させてなることを特徴とする。以下、活性炭に担持させた銀、酸化銀及び硫化銀の銀換算による合計量を全銀担持量という。
【0006】本発明によれば、この全銀担持量のうち、硫化銀の割合が銀換算にて5〜80重量%であることが好ましい。以下、全銀担持量のうち、銀換算による硫化銀の割合を単に硫化銀担持比率という。また、本発明による抗菌性活性炭の製造方法は、活性炭を水溶性銀塩の水溶液に浸漬した後、乾燥させて、活性炭に銀及び酸化銀を担持させ、次いで、この活性炭を硫化剤にて処理し、活性炭に担持させた上記銀及び酸化銀の一部を硫化することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いる活性炭は、その種類や形状や大きさは、特に、限定されるものではないが、例えば、椰子がら活性炭の顆粒状物、繊維状物、ハニカム成形体等を好ましく用いることができる。本発明による抗菌性活性炭は、このような活性炭を水溶性銀塩の水溶液に浸漬した後、乾燥させて、銀及び酸化銀を担持させ、次いで、このような活性炭を硫化剤にて処理して、上記銀及び酸化銀の一部を硫化銀に変換する。
【0008】上記水溶性銀塩としては、例えば、炭酸塩や硝酸塩が好ましく用いられる。これらの活性炭への担持量は、活性炭100重量部に対して、銀換算で0.1〜15重量部、好ましくは、0.5〜10重量部の範囲である。このようにして、活性炭に銀を担持させた後、必要に応じて、活性炭を100〜300℃程度の比較的低い温度で焼成してもよい。特に、200℃以上の温度で焼成することによって、酸化銀の担持割合を増加させることができる。また、必要に応じて、還元性雰囲気中で焼成してもよく、これによれば、銀の担持割合を増加させることができる。
【0009】このようにして銀と酸化銀とを担持させた活性炭を硫化処理するには、通常、この活性炭を硫化剤の水溶液に浸漬すればよい。この硫化剤としては、通常、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムが好ましく用いられる。しかし、場合によっては、活性炭を水に分散させ、これに硫化水素を吹き込むことによっても、活性炭に担持させた銀と酸化銀を硫化することもできる。このように、水中にて活性炭に担持させた銀及び酸化銀を硫化した後、これを濾過し、乾燥して、銀及び酸化銀を担持させた活性炭を得る。
【0010】必要に応じて、このようにして硫化処理した活性炭を還元性雰囲気中、100〜200℃程度の比較的低い温度で焼成してもよく、これによれば、銀の担持割合を増加させることができる。このようにして、活性炭に担持させた銀、酸化銀及び硫化銀を硫化物とすることによって、水中への銀の溶出量を長期間にわたって低く抑えて、抗菌性を持続させることができる。このように、銀及び酸化銀の硫化処理によって、水中への銀の溶出を抑えることができるのは、硫化処理が銀及び酸化銀の表面に溶出量が極めて低い硫化銀の被膜を形成して、銀及び酸化銀の溶出を制御するためでけあるとみられる。しかし、本発明は、何ら理論によって限定されるものではない。
【0011】本発明によれば、このようにして、活性炭における全銀担持量は、主として、経済性の点から、活性炭100重量部に対して、0.1〜15重量部、好ましくは、0.5〜10重量部の範囲であり、しかも、この全銀担持量のうち、硫化銀担持比率は、5〜80重量%の範囲であることが好ましく、特に、30〜50重量%の範囲であることが好ましい。本発明によれば、活性炭に銀、酸化銀及び硫化銀をこのような割合で担持させることによって、銀を低いレベルで、長期間にわたって安定に水中に溶出させることができる。即ち、本発明による抗菌性活性炭は、通常、1000mLあたり、数十トン乃至100トンの水を濾過処理した後も、滞留水中に、通常、5〜100ppbの範囲、好ましくは、10〜50ppbの範囲で銀を水中に溶出させることができる。
【0012】また、前述したようにして、銀及び酸化銀を担持させた活性炭を得た後、これを還元剤にて還元処理し、次いで、この活性炭を硫化剤にて処理し、活性炭に担持させた銀及び酸化銀の一部を硫化することによっても、本発明による抗菌性活性炭を得ることができる。銀及び酸化銀を担持させた活性炭を還元剤にて還元処理することによって、上記銀/酸化銀の割合を高くすることができ、硫化処理後も、銀/酸化銀の割合を高く維持するすることができ、ここに、水中への銀の溶出速度が酸化銀よりも遅いので、かくして、このようにして得られる抗菌性活性炭は、水中への初期の銀の溶出量が低いと共に、低い濃度での溶出を一層長期間にわたって持続することができる。
【0013】本発明による抗菌性活性炭を従来の浄水装置に濾材として組み込むことによって、浄水装置に衛生機能を付加して高機能化することができる。また、本発明による抗菌性活性炭を濾材とする濾過装置を従来の浄水装置と組合わせて用いてもよい。更に、本発明による抗菌性活性炭は、高層建築物における貯水槽の処理に用いてもよい。このようにして、本発明による抗菌性活性炭を用いれば、安全な飲料水等の生活用水や動植物の飼育用の水等を容易に且つ低廉に得ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明による抗菌性活性炭は、活性炭に銀と酸化銀とを担持させた後、これらの一部を硫化処理してなるものであるので、長期間にわたって安定して低いレベルで水中に銀を溶出させることができ、かくして、水中の大腸菌やその他のバクテリア等の増殖を抑制する濾材として好適に用いることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0016】実施例1硝酸銀32gを蒸留水10Lに溶解させ、得られた溶液に粒子径0.1〜0.3mm相当の椰子がら活性炭2kgを1時間浸漬した後、これを濾過し、水洗し、乾燥させた。次いで、このようにして、銀と酸化銀とを担持させた活性炭を硫化ナトリウム9水和物の5重量%水溶液10Lに1時間浸漬した後、濾過し、十分に水洗し、その後、110℃で24時間、乾燥させて、本発明による抗菌性活性炭を得た。
【0017】このようにして得られた抗菌性活性炭における銀、酸化銀及び硫化銀の合計の担持量(全銀担持量)は、蛍光X線分析装置(理学電機(株)製3270型)を用いる検量線による銀の定量分析から求めた。その結果、全銀担持量は、活性炭100重量部に対して、0.98重量部であった。同様にして、抗菌性活性炭におけるイオウ量を蛍光X線分析装置(理学電機(株)製3270型)を用いる検量線による定量分析から求め、これに基づいて銀換算による硫化銀担持量を求めたところ、活性炭100重量部に対して、0.45重量部であった。これより、抗菌性活性が有持する全銀担持量のうち、硫化銀比率は、45.9重量%であった。
【0018】また、抗菌性活性炭における銀/酸化銀(銀換算による重量比)は、X線光電子分光分析装置((株)島津製作所製ESCA−850)を用いて測定した結果、61/39であった。次に、抗菌性活性炭200mLを塩化ビニル樹脂製カラムに充填し、水道水を3L/分の割合で100トン通水し、その間、所定の間隔でカラムに水道水を8時間滞留させて、水中への銀の溶出量を測定した。水中の銀の溶出量は、セイコー電子(株)製SPS−1200Aを用いるプラズマ発光分析法(ICP)にて検量線による定量分析を行なった。その結果を表1に示すように、銀の溶出量は20〜50ppbの範囲であった。
【0019】実施例2硝酸銀16gを蒸留水10Lに溶解させ、得られた溶液に粒子径0.1〜0.3mm相当の椰子がら活性炭2kgを1時間浸漬した後、これを濾過し、水洗した。このようにして銀と酸化銀とを担持させた活性炭を再度、水10Lに分散させ、これにヒドラジン1容量%を加え、発泡が終わって、30分後に濾過、水洗し、乾燥させた。次いで、このようにして酸化銀を還元した活性炭を硫化ナトリウム9水和物の5重量%水溶液10Lに1時間浸漬した後、濾過し、十分に水洗し、その後、110℃で24時間、乾燥させて、本発明による抗菌性活性炭を得た。
【0020】実施例1と同様にして、この抗菌性活性炭を分析した結果、全銀担持量は、活性炭100重量部に対して、銀換算にて、0.99重量部であり、また、硫化銀担持量は、銀換算にて、活性炭100重量部に対して、0.42重量部であった。従って、抗菌性活性が有持する全銀担持量のうち、硫化銀担持比率は、42.4重量%であった。
【0021】また、抗菌性活性炭における銀/酸化銀(銀換算による重量比)は93/7であった。この抗菌性活性炭について、実施例1と同様に試験して、水中への銀の溶出量を測定した。結果を表1に示すように、銀の溶出量は10〜40ppbの範囲であった。
【0022】比較例1椰子がら活性炭100重量部に対して、銀1重量部を担持させてなる市販品を用いて、実施例1と同様に試験して、水中への銀の溶出量を測定した。結果を表1に示すように、通水初期の水中への銀溶出量が非常に高い反面、溶出量は経時的に急激に減少した。
【0023】
【表1】

【0024】比較例2実施例1において、活性炭に担持させた銀と酸化銀とを硫化するに際して、硫化ナトリウム9水和物の30重量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、抗菌性活性炭を得た。実施例1と同様にして、この抗菌性活性炭を分析した結果、全銀担持量は、活性炭100重量部に対して、0.99重量部であり、硫化銀担持量は、活性炭100重量部に対して、銀換算にて、0.93重量部であった。従って、抗菌性活性が有持する全銀担持量のうち、硫化銀担持比率は、94.9重量%であった。この抗菌性活性炭200mLを塩化ビニル樹脂製カラムに充填し、水道水を3L/分の割合で5トン通水した後、カラムに水道水を8時間滞留させて、水中への銀の溶出量を実施例1と同様にして測定したところ、5ppbを下回るものであった。
【0025】実施例3及び比較例3及び4実施例2と同様にして、種々の担持量にて銀を担持させ、ヒドラジン還元した後、銀を硫化処理して、本発明による抗菌性活性炭を得た。この抗菌性活性炭における全銀担持量、硫化及びヒドラジン還元処理の条件、抗菌性活性炭における銀/酸化銀/硫化銀の銀換算による重量比を表2に示す。更に、実施例1と同様にして、それぞれの抗菌性活性炭200mLを塩化ビニル樹脂製カラムに充填し、水道水を3L/分の割合で5トン及び50トン通水した後、カラムに水道水を12時間滞留させて、水中への銀の溶出量を実施例1と同様にして測定した。結果を表2及び表3に示す。
【0026】表2及び3に示すように、本発明の抗菌性活性炭によれば、銀の溶出量は、10〜100ppbの範囲であり、好ましい場合には、10〜50ppbの範囲で安定している。これに対して、比較例3による抗菌性活性炭は、全銀担持量が過大であって、硫化処理にかかわらずに、水中への銀の溶出量が過大である。他方、比較例4による抗菌性活性炭は、全銀担持量は、本発明の範囲にあるが、硫化処理をしていないので、初期の銀溶出量が過大であると共に、経時的に銀溶出量が急激に減少し、銀溶出の持続性に欠ける。
【0027】表2及び表3において、硫化ナトリウム濃度とは、その水溶液10Lの硫化ナトリウム濃度(重量%)であり、ヒドラジン濃度とは、10Lに対する容量%である。また、抗菌性活性炭における銀(金属)、酸化銀及び硫化銀のそれぞれの割合は、銀換算による割合(重量%)である。
【0028】
【表2】

【0029】
【表3】





 

 


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