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発明の名称 窒素酸化物の接触還元方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−94718
公開日 平成10年(1998)4月14日
出願番号 特願平8−251540
出願日 平成8年(1996)9月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 逸郎
発明者 仲辻 忠夫 / 安川 律 / 田畑 啓一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導き、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、窒素酸化物を含む排ガスと共に、このようにして得られた低級炭化水素を還元剤として上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上の量にて還元反応器に導き、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする窒素酸化物の接触還元方法。
【請求項2】沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導き、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、このようにして得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて部分酸化し、窒素酸化物を含む排ガスと共に、このようにして得られた部分酸化物を含む還元剤を上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上の量にて還元反応器に導き、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする窒素酸化物の接触還元方法。
【請求項3】沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導き、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、このようにして得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて部分酸化し、次いで、窒素酸化物を含む排ガスにこのようにして得られた部分酸化物を含む還元剤を上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上となるように加えて、還元反応器に導き、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする窒素酸化物の接触還元方法。
【請求項4】沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導いて、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、このようにして得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて、上記低級炭化水素を部分酸化し、次いで、窒素酸化物を含む排ガスにこのようにして得られた部分酸化物を含む還元剤を上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上となるように加え、これを上記排ガスと共に還元反応器に導いて、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする窒素酸化物の接触還元方法。
【請求項5】炭化水素油を接触分解して低級化する請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】酸素と水の存在下に炭化水素油を接触分解して低級化する請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】炭化水素が軽油である請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】キャリアガスが空気又は窒素酸化物を含む排ガスである請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】窒素酸化物を接触還元するための触媒がアルミン酸銀、アルミン酸コバルト、アルミン酸ニッケル、ロジウム又は銀を担体に担持させてなる触媒である請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】窒素酸化物を接触還元するための触媒がアルミナにアルミン酸銀を担持させてなる触媒である請求項1から7のいずれかに記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、工場、自動車等から排出される排ガスに含まれる窒素酸化物を触媒の存在下に還元剤を用いて還元する方法に関する。詳しくは、本発明は、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油を予め分解(クラッキング)、低級化して、低級炭化水素とし、次いで、このようにして得られた低級炭化水素の少なくとも一部を部分酸化し、得られた部分酸化生成物を含む還元剤を用いて、排ガス中の窒素酸化物を接触還元することによって、高反応性高選択性にて窒素酸化物を還元除去して、浄化ガスとする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工場、自動車等から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物は、触媒の存在下に、アンモニア、尿素、水素、一酸化炭素、炭化水素、アルコール等の還元剤を用いて、窒素に接触還元する方法によって、排ガスから除去されている。しかし、上述した種々の方法のなかで、アンモニアを還元剤とする方法は、窒素酸化物の窒素と水への還元反応の選択性は非常に高いものの、アンモニアの毒性と可燃性のために、自動車等のような窒素酸化物の移動発生源に用いることは現実的ではない。他方、常温で固体である尿素を還元剤として用いる方法においては、尿素を水に溶解させて水溶液とし、これを排ガスに加え、触媒に接触させるが、このように、還元剤を水溶液として用いる場合には、水の蒸発のために熱を必要とするので、窒素酸化物の接触還元反応の熱効率を低下させ、しかも、窒素酸化物の反応率が低い問題がある。
【0003】他方、水素や一酸化炭素を還元剤として用いる方法は、上述したような問題は少ないものの、反応の選択性が非常に低く、窒素酸化物の実用的な除去方法としては、採用し難い。炭化水素や、或いはアルコール等の含酸素化合物をそのまま排ガスに加えて還元剤として用いる方法によれば、窒素酸化物の還元反応の選択性は幾分改善されるが、しかし、未だ、選択性は不十分であって、窒素酸化物の除去方法としては、実用域からは遠い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の存在下、還元剤を用いて、排ガスに含まれる窒素酸化物、主として一酸化窒素を接触還元する従来の方法における問題を解決するためになされたものであって、窒素酸化物の還元反応の反応性及び選択性を改善した方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による窒素酸化物の接触還元方法の第1は、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導き、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、窒素酸化物を含む排ガスと共に、このようにして得られた低級炭化水素を還元剤として上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上の量にて還元反応器に導き、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする。
【0006】本発明による窒素酸化物の接触還元方法の第2は、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油をキャリアガスと共に分解反応器に導き、上記炭化水素油を分解、低級化して、低級炭化水素とした後、このようにして得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて部分酸化し、窒素酸化物を含む排ガスと共に、このようにして得られた部分酸化物を含む還元剤を上記窒素酸化物に対してC1 換算にて1.0倍以上の量にて還元反応器に導き、上記排ガス中の窒素酸化物を接触還元することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、窒素酸化物とは、主成分として、一酸化窒素を含み、その他、二酸化窒素や二酸化三窒素等を含む。本発明による窒素酸化物の接触還元方法においては、還元剤のための出発物質として、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油を用いる。このような炭化水素油の代表的な具体例としては、ガソリン(沸点約30〜200℃)、灯油(沸点約150〜250℃)又は軽油(沸点約250〜350℃)を挙げることができる。本発明によれば、特に、このような炭化水素油を90重量%以上含む石油留分が好ましく用いられる。上記炭化水素油以外の成分としては、例えば、重油(沸点400℃以上)や、ベンゼン、トルエン、キシレンほか、種々の無置換又はアルキル置換芳香族炭化水素を挙げることができる。
【0008】本発明においては、このような炭化水素油(又はこれを後述するように処理して得られた還元剤)は、浄化しようとする排ガス中の窒素酸化物に対して、C1換算にて、1.0倍以上となるように用いられる。好ましくは、1.0〜10倍、最も好ましくは、1.8〜5倍の範囲で用いられる。本発明において、炭化水素油又は還元剤を窒素酸化物に対して、例えば、C1換算にて2倍量を用いるということは、還元剤の1分子が炭素原子n個を有するとき、還元剤1モルをnモルと換算して、窒素酸化物に対して、2倍モル以上用いるということである。
【0009】本発明の方法によれば、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油は、これをキャリアガスと共に分解反応器に導いて、分解(クラッキング)し、低級炭化水素に低級化し、これを還元剤として、窒素酸化物を含む排ガスと共に、窒素酸化物を接触還元するための触媒を充填した還元反応器に導いて、窒素酸化物を接触還元する(第1の方法)。上記キャリアガスとしては、特に、限定されるものではなく、例えば、窒素を用いることもできるが、しかし、実用上は、空気か、又は浄化しようとする窒素酸化物を含む排ガス自体が用いられる。
【0010】しかし、本発明によれば、より好ましくは、上記炭化水素油を分解(クラッキング)、低級化した後、得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて、ここで部分酸化し、かくして、このように低級炭化水素の部分酸化物を含む還元剤を窒素酸化物を含む排ガスと共に還元反応器に導いて、窒素酸化物を接触還元する(第2の方法)。
【0011】この第2の方法における第1の好ましい態様によれば、炭化水素油を分解反応器において分解(クラッキング)、低級化した後、窒素酸化物を含む排ガスにこのようにして得られた低級炭化水素を加え、次いで、これを酸化反応器に導いて、上記排ガスの存在下に上記低級炭化水素を部分酸化し、次いで、このようにして得られた部分酸化生成物を含む還元剤を上記排ガスと共に還元反応器に導いて、窒素酸化物を接触還元することができる。
【0012】第2の方法における第2の好ましい態様によれば、炭化水素油を分解反応器において分解(クラッキング)、低級化した後、これを酸化反応器に導いて、上記低級炭化水素を部分酸化し、次いで、窒素酸化物を含む排ガスにこのようにして得られた部分酸化生成物を含む還元剤を加え、これを還元反応器に導いて、窒素酸化物を接触還元することができる。
【0013】以下に図面に基づいて、本発明の方法に説明する。図1は、本発明による第1の方法のフロー・シートを示し、前段として、キャリアガスと共に前述したような炭化水素油を分解反応器1に導き、分解(クラッキング)して、低級炭化水素に低級化し、後段として、この低級炭化水素を還元剤として、窒素酸化物を含む排ガスに加え、これを還元反応器3に導き、ここで、排ガス中の窒素酸化物を触媒の存在下に接触還元して、窒素と水とにし、かくして、上記排ガスを浄化ガスとする。
【0014】本発明において、前記炭化水素油の分解(クラッキング)は、触媒を用いずに、高温(通常、700〜800℃)に加熱することによって炭化水素油を分解する熱分解法によってもよいが、このように、炭化水素油を高温度に加熱するには、そのためのエネルギーや設備を必要とするので、本発明においては、接触分解法によるのが好ましい。
【0015】この接触分解法においては、触媒としては、従来、石油の高沸点留分の接触分解に用いられている固体酸触媒を用いることができ、特に、シリカ−アルミナやゼオライトが好ましく用いられる。シリカ−アルミナのなかでも、高アルミナと呼ばれているシリカ−アルミナが好ましい。また、ゼオライトとしては、例えば、A型、X型、Y型等のゼオライトのカチオンをプロトンで置換した酸型ゼオライトが好ましいが、耐熱性の点から、特に、酸型超安定ゼオライトYが一層好ましい。
【0016】このような触媒を用いる接触分解によれば、前記炭化水素油をメタン、エタン、プロパン、ブタン、より高級のアルカン、エチレン、プロピレン、ブチレン、より高級のアルケン等の低級炭化水素に変換することができる。通常、ディーゼルエンジンの排ガスは酸素を0〜15%程度、空気は酸素を20%程度含む。そこで、キャリアガスとして、このように、酸素を含むものを用いる場合には、接触分解においては、炭化水素油が触媒によって酸化される反応が優先して、低級炭化水素を得ることが困難であるので、キャリアガス中に1〜10%程度の水分を含有させ、このように酸素と水との存在下に接触分解を行なって、上記酸化反応を抑制しつつ、炭化水素油の分解(クラッキング)、低級化を効率よく行なうようにすることが好ましい。
【0017】本発明による第1の方法によれば、このように、炭化水素油を分解(クラッキング)し、低級炭化水素とした後、後段において、これを還元剤として、窒素酸化物を含む排ガスに加え、窒素酸化物の接触還元触媒を充填した還元反応器3に導き、ここで、窒素酸化物を接触還元する。この窒素酸化物を接触還元するために用いる触媒は、特に、限定されるものではないが、しかし、周期律表第Ib、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、VIa、VIIa又はVIII族の元素のイオンや、又は酸化物を含む種々の化合物が好ましく用いられる。これらは、通常、従来より知られている担体であるアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニアや、H−ZSM−5、H−モルデナイト等のゼオライトにイオン交換法、含浸法、混練法等によって担持させて、例えば、ハニカム構造体、リング状構造体、ペレット、粒状物等、適宜の形状として用いられる。
【0018】上記元素のイオンをイオン交換法によって上記のような担体に担持させる場合は、上記元素のイオンの担体への担持率は、通常、0.01〜5重量%の範囲がよい。他方、上記元素の酸化物を触媒として担体に担持させる場合は、触媒としてのその酸化物の担持率は、通常、0.1〜10重量%の範囲がよい。上記元素を例示すれば、周期律表第Ib族の元素として、例えば、Cu、Ag等を、第IIb族の元素として、例えば、Zn等を、第IIIa族元素として、例えば、La、Ce等を、第IIIb族元素として、例えば、Al、Ga等を、第IVa族元素として、例えば、Ti、Zr等を、第IVb族元素として、例えば、Ge、Sn等を、第Va族元素として、例えば、V、Nb等を、第、VIa族元素としては、例えば、Cr、Mo、W等を、第VIIa族元素としては、例えば、Mn等を、また、第VIII族元素として、例えば、Fe、Co、Ni(鉄族元素)、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt(白金族元素)等をそれぞれ挙げることができる。
【0019】本発明においては、これらのなかでも、接触還元反応を150〜300℃程度の低い温度域で行なう場合には、Ptが好ましく、300〜450℃程度の中程度の温度域で行なう場合には、Rh、Ag、CuO、Fe2 3 、CuAl2 4 、AgAlO2 等が好ましく、また、450〜600℃程度の高い温度域で行なう場合には、CoAl2 4 、NiAl2 4 、ZnO、SnO2 、Al2 3 等が好ましい。特に、本発明において、銀の化合物のうち、アルミン酸銀(AgAlO2 )が好ましく、この場合、担体としては、固体酸、なかでも、アルミナが好ましく用いられる。固体酸にアルミン酸銀を担持させてなる触媒は、例えば、次に示す(1)から(4)のいずれかの方法に従って調製することができる。
【0020】(1)固体酸を分散させたスリラー中に硝酸銀等の水溶性銀塩を投入し、スラリーのpHを銀水酸化物の生成しない8.0近傍に維持して、固体酸のイオン交換サイトに銀イオンを固定する。ここに、固体酸としてアルミナを用いた場合は、このようにして、銀イオンを固定した固体酸を、その銀イオンを固定するのに十分な塩素イオンを含有する水溶液、例えば、塩酸水溶液中に浸漬することによって、塩化銀を生成させた後、過剰の塩素イオンを水洗等によって除去することによって、先ず、塩化銀を担持した固体酸触媒を調製する。次いで、これを空気等のような酸化雰囲気下、好ましくは、水蒸気の存在下に、600〜800℃程度、好ましくは、700〜800℃程度の温度にて加熱焼成することによって、アルミン酸銀を生成させれば、アルミン酸銀を担持させてなる粉末状の固体酸触媒を得ることができる。
【0021】(2)例えば、硝酸アルミニウム等のような固体酸の前駆体である水溶性塩と硝酸銀等のような水溶性銀塩を均質に混合した水溶液を調製し、この水溶液を塩素イオンの存在下で中和する等の方法によって、沈殿物を生成させ、次いで、この沈殿物を濾過、水洗、リパルプを繰り返して行なった後、乾燥し、焼成して、固体酸を生成させると同時に塩化銀をその固体酸に担持させる。次いで、これを上述したと同様にして、酸化雰囲気下、好ましくは、水蒸気の存在下に、600〜800℃程度、好ましくは、700〜800℃程度の温度にて加熱焼成することによって、アルミン酸銀を生成させれば、アルミン酸銀を担持させてなる粉末状の固体酸触媒を得ることができる。
【0022】(3)硝酸アルミニウムのような水溶性アルミニウム塩と硝酸銀のような水溶性銀塩の水溶液に水和アルミナを浸漬し、上記アルミニウム塩と銀塩とをアルミナの細孔に含浸させた後、噴霧乾燥機のような適当な手段にて乾燥させ、この後、これを前述したように、酸化雰囲気下、好ましくは、水蒸気の存在下に、600〜800℃程度、好ましくは、700〜800℃程度の温度にて加熱焼成することによって、アルミン酸銀を生成させれば、アルミン酸銀を担持させてなる粉末状の固体酸触媒を得ることができる。
【0023】(4)更に、別の方法として、アルミン酸ナトリウムのようなアルミン酸アルカリ金属塩とその1〜4倍当量の硝酸銀の水溶液を噴霧乾燥によって均一に混合すると共に乾燥させ、得られた粒状物を水分の不存在下に300〜800℃の温度にて共融させることによって、アルミン酸銀を得、これを水洗し、過剰の硝酸銀と硝酸ナトリウムを除去すれば、高純度品を得ることができる。このアルミン酸銀とアルミナ等の固体酸とをボールミル等を用いて湿式にて均一に混合粉砕した後、乾燥させれば、アルミン酸銀を担持させたアルミナを粉末状触媒として得ることができる。
【0024】このように、固体酸にアルミン酸銀を担持させてなる触媒において、アルミン酸銀の担持量は、固体酸担体とアルミン酸銀の合計重量において、銀重量換算にて、0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、特に、0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。固体酸にアルミン酸銅、アルミン酸コバルト又はアルミン酸ニッケルを担持させてなる触媒も、固体酸にアルミン酸銀を担持させてなる触媒と同様に、例えば、上記金属塩の水溶液をアルミナに含浸させ、乾燥させた後、700℃以上の高温で焼成することによって調製することができる。これらの触媒においても、アルミン酸銅、アルミン酸コバルト又はアルミン酸ニッケルの担持量は、それぞれ銅、コバルト又はニッケル重量換算にて、0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、特に、0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。。
【0025】窒素酸化物を含む排ガスの接触還元処理は、排ガスを還元反応器に導いて、150〜600℃の範囲の温度にて上記窒素酸化物を接触還元する。特に、反応温度は、200〜400℃の範囲が好ましい。更に、本発明によれば、上記温度領域において、空間速度(SV)500〜100000hr-1程度にて、排ガスを還元反応器に導くことによって、排ガス中の窒素酸化物を効率的に接触還元することができる。
【0026】本発明の方法においては、排ガスに加える還元剤量は、好ましくは、C1 換算にて窒素酸化物に対して1.0〜10倍の範囲である。排ガスに加える還元剤量がC1 換算にて窒素酸化物に対して1.0倍よりも少ないときは、還元反応器に導いて、窒素酸化物の接触還元反応を行なっても、窒素酸化物を十分に還元することができない。しかし、還元剤をC1 換算にて窒素酸化物に対して10倍を越えて多量に排ガスに加えれば、還元反応器において窒素酸化物を接触還元した後も、浄化ガス中に未反応の還元剤が多量に残存するので、これらを別に処理することが必要となり、排ガスの処理費用を却って高めることとなる。
【0027】図2は、本発明による第2の方法における第1の態様のフロー・シートを示し、前段として、前述したと同様にして、キャリアガスと共に炭化水素油を分解反応器1に導き、分解(クラッキング)、低級化して、低級炭化水素とし、次いで、これを窒素酸化物を含む排ガスに加えた後、酸化反応器2に導いて、上記低級炭化水素の少なくとも一部を部分酸化する。次いで、後段として、排ガスをこのようにして得られた低級炭化水素の部分酸化物を含む還元剤と共に還元反応器3に導き、ここで、排ガス中の窒素酸化物を接触還元し、窒素と水とに接触分解し、かくして、上記排ガスを浄化ガスとする。
【0028】本発明の方法において、前記炭化水素油を分解して、得られた低級炭化水素を酸化反応器において部分酸化するには、上記低級炭化水素を酸素濃度5〜50%の条件下、温度350〜800℃、好ましくは、400〜600℃の範囲の温度に0.05〜1秒間保持して、部分酸化してもよい。この方法を気相酸化ということとする。
【0029】この低級炭化水素の気相酸化において、反応雰囲気中の酸素濃度が5%よりも少ないときは、上記低級炭化水素を十分に部分酸化することができず、従って、このような不十分な量の部分酸化物を含む還元剤ガスを排ガスに加えて、窒素酸化物の接触還元反応を行なっても、窒素酸化物を高反応率高選択率にて還元することができない。他方、反応雰囲気の酸素濃度が50%を越えるときは、低級炭化水素が過度に酸化されるので、このような還元剤を排ガスに加えて、窒素酸化物を接触還元しても、窒素酸化物を高反応率高選択率にて還元することができない。特に、本発明においては、低級炭化水素の部分酸化における酸素濃度は、好ましくは、10〜25%の範囲である。
【0030】更に、低級炭化水素の気相酸化のための反応温度は、350〜800℃、好ましくは、400〜600℃の温度である。反応温度が350℃よりも低いときは、低級炭化水素のアルデヒド類への変換率が著しく低く、他方、800℃を越えるときは、低級炭化水素が過度に酸化されるので、いずれにしても、このような部分酸化生成物を含む還元剤を排ガスに加えて、窒素酸化物の接触還元を行なっても、排ガス中の窒素酸化物を高反応率高選択率で還元することができない。
【0031】また、低級炭化水素の気相酸化のための反応時間は、0.05〜1秒、好ましくは、0.1〜1秒の間である。反応時間が余りに短いときは、低級炭化水素のアルデヒド類への部分酸化反応が十分に進行せず、他方、余りに長いときは、低級炭化水素が過度に酸化されるので、いずれにしても、このような部分酸化生成物を含む還元剤を排ガスに加えても、窒素酸化物を高反応率高選択率で接触還元することができない。
【0032】低級炭化水素を部分酸化する別の方法として、触媒を充填した酸化反応器に上記低級炭化水素を導き、加熱して、接触酸化してもよい。この方法を接触酸化ということとする。この場合、酸化反応器における空間速度は、通常、500〜100000hr-1の範囲が好ましく、加熱温度は、通常、200〜600℃の範囲が好ましい。
【0033】酸化触媒としては、例えば、五酸化バナジウム、三酸化モリブデン、酸化ビスマス等の1種又は2種以上を主成分とするものが好ましく、通常、このような触媒は、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸型ゼオライト、チタニア、ジルコニア等に担持させて用いられる。本発明の第2の方法の第1の態様によれば、このように、炭化水素油を低級化し、これを窒素酸化物を含む排ガスに加え、得られた低級炭化水素を排ガスの存在下に部分酸化し、かくして、低級炭化水素の部分酸化物を含む還元剤を窒素酸化物を含む排ガスと共に還元反応器に導き、前述したと同様にして、排ガス中の窒素酸化物を還元して、浄化ガスとする。
【0034】このように、本発明に従って、前記炭化水素油を分解し、得られた低級炭化水素を酸化反応器に導いて、前述した所定の条件下に部分酸化することによって、上記低級炭化水素の少なくとも一部をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン等の比較的低分子量の飽和又は不飽和アルデヒド類に高反応率にて変換することができる。このようなアルデヒド類は、窒素酸化物、特に、一酸化窒素及び二酸化窒素の接触還元において、還元剤として、反応性に富むので、後段において、上記アルデヒド類のような低級炭化水素の部分酸化生成物を含む還元剤を窒素酸化物を含む排ガスに加え、還元反応器に導いて、所定の条件下に窒素酸化物を接触還元することによって、上記窒素酸化物を高反応率高選択率にて還元して、上記排ガスを効率よく浄化ガスとすることができる。
【0035】更に、このような第2の方法の第1の態様によれば、前記炭化水素油の分解(クラッキング)によって得られた低級炭化水素と共に窒素酸化物を含む排ガスを酸化反応に供するので、上述したように、低級炭化水素を比較的低分子量の飽和又は不飽和アルデヒド類に変換することができるのみならず、排ガス中の窒素酸化物、特に、一酸化窒素の少なくとも一部を還元剤との反応性に富む二酸化窒素に酸化することができる。従って、このように、アルデヒド類を含むと共に、二酸化窒素を富化した排ガスを還元反応器に導いて、窒素酸化物を接触還元することによって、排ガス中の窒素酸化物を高反応率高選択率にて還元して、排ガスを効率よく浄化することができる。
【0036】図3は、本発明による第2の方法における第2の態様のフロー・シートを示し、キャリアガスと共に炭化水素油を分解反応器に導いて分解(クラッキング)し、低級化して、炭化水素油を低級炭化水素とし、次いで、この低級炭化水素を酸化反応器に導き、低級炭化水素を部分酸化した後、これを窒素酸化物を含む排ガスに加え、還元反応器に導いて、上記窒素酸化物を接触還元するものである。この方法によれば、低級炭化水素の部分酸化を効率よく行なうことができる。
【0037】このような第2の方法においては、特に、好ましい接触還元触媒として、担体にロジウムを0.01〜0.1重量%の担持率で担持させてなるロジウム触媒、コバルト又はニッケル換算にでアルミネート触媒を0.1〜5重量%の担持率で担持させてなるアルミネート触媒、銀を1〜5重量%の担持率で担持させてなる銀触媒を挙げることができ、なかでも、アルミナにアルミン酸銀を0.5〜5重量%の担持率で担持させてなる触媒が好ましい。
【0038】
【実施例】以下に実施例と共に、触媒の調製例を示す参考例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0039】参考例1ジニトロアンミン白金(Pt(NO2 2 (NH3 2 )10.4gをイオン交換水200mLに溶解させて、〔Pt(NH3 2 2+の水溶液を調製した。酸化セリウム30gとγ−アルミナペレット(住友化学工業(株)製NK−324)の粉体70gとの混合物を含む水溶液に、上記〔Pt(NH3 2 2+の水溶液を十分な攪拌下に加えて、〔Pt(NH3 2 2+とアルミナ又は酸化セリウムにおける水素イオンとを交換させた。この間、pHの低下に伴って、2重量%のアンモニア水を加え、pHを5.5に維持した。このようにして、酸化セリウム/γ−アルミナ混合物に〔Pt(NH3 2 2+を白金として担持率3重量%にてイオン交換担持させた。
【0040】次いで、このようにしてイオン交換させた酸化セリウム及びγ−アルミナを濾過し、120℃で18時間乾燥させた後、空気中、500℃で4時間焼成した。このようにして、酸化セリウム/γ−アルミナ(重量比30/70)混合物に白金を担持率3重量%で担持させてなるγ−アルミナ粉末触媒を調製した。このγ−アルミナ粉末触媒60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/l(触媒層厚み78μm)の割合で担持させた。この触媒をA−1という。
【0041】参考例2硝酸銀(AgNO3 )4.75gをイオン交換水100mLに溶解させた。これに予め120℃にて24時間乾燥させたγ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)粉末60gを投入し、攪拌下、pH8に設定したpHコントローラにてpHを調節しながら、1/10規定のアンモニア水を滴下した。滴下終了後、1時間熟成して、銀イオンを上記γ−アルミナ上にイオン交換によって担持させた。
【0042】このようにして得られたスラリーを濾過して、銀イオンを担持させたγ−アルミナ粉末を集め、これをイオン交換水にて十分に洗浄した後、塩酸水溶液100mL中に投入し、10分間攪拌した後、スラリーを濾過し、イオン交換水にて十分に洗浄して、銀重量換算にて塩化銀を担持量5重量%にて担持させたγ−アルミナ粉末を得た。
【0043】次に、この塩化銀担持γ−アルミナ粉末を水分10重量%を含有する空気雰囲気下、800℃にて3時間加熱焼成して、アルミン酸銀を銀重量換算にて担持量5重量%にて担持させてなるγ−アルミナ粉末触媒を得た。このようにして、アルミン酸銀を担持させたγ−アルミナのX線回折図を図4に示し、γ−アルミナのみのX線回折図を図5に示す。図4において、○はアルミン酸銀によるピーク、×はγ−アルミナによるピーク、△は銀によるピークを示す。
【0044】上記アルミン酸銀を担持させたγ−アルミナ粉末触媒60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/l(触媒層厚み78μm)の割合で担持させた。この触媒をA−1という。
【0045】参考例3硝酸コバルト(Co(NO3 2 ・6H2 O)7.72gをイオン交換水100mL中に溶解させた。120℃にて24時間乾燥させたγ−アルミナのペレット(住友化学工業(株)製NK−324)を上記硝酸コバルト水溶液に加え、γ−アルミナのペレットの細孔中に十分に硝酸イオンを含浸させた。次いで、このように処理したγ−アルミナのペレットを濾別し、表面に付着した過剰の水溶液を除去し、120℃で18時間乾燥させた後、800℃で4時間焼成して、アルミン酸コバルト(CoAl2 4 )Coとして1重量%担持させたγ−アルミナ粉末触媒を得た。
【0046】このγ−アルミナ粉末触媒60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/l(触媒層厚み78μm)の割合で担持させた。この触媒をA−3という。
【0047】参考例4硝酸ニッケル(Ni(NO3 2 ・6H2 O)7.74gを用いた以外は、参考例3と同様にして、アルミン酸ニッケル(NiAl2 4 )をNiとして1重量%担持させたγ−アルミナ粉末触媒を得た。このγ−アルミナ粉末触媒60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/l(触媒層厚み78μm)の割合で担持させた。この触媒をA−4という。
【0048】参考例5塩化金酸(HAuCl4 ・4H2 O)13.21gをイオン交換水200mLに溶解させて、塩化金酸イオン(AuCl4- ) の水溶液を調製した。γ−アルミナペレット(住友化学工業(株)製NK−324)の粉体100gを分散させた分散液に上記塩化金酸イオンの水溶液を十分な攪拌下に加えた。この間、pHの低下に伴って、0.2重量%のアンモニア水を加え、pHを5.5に維持した。このようにして、γ−アルミナに塩化金酸イオンを金として担持率3重量%にて吸着担持させた。
【0049】次いで、このようにして、塩化金酸イオンを吸着させたγ−アルミナを濾過し、120℃で18時間乾燥させた後、空気中、500℃で4時間焼成した。このγ−アルミナに金を担持率3重量%で担持させてなるγ−アルミナ粉末触媒を調製した。このγ−アルミナ粉末触媒60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/l(触媒層厚み78μm)の割合で担持させた。この触媒をA−5という。
【0050】参考例6硝酸ロジウム(Rh(NO3 2 ・2H2 O)0.063gをイオン交換水100mL中に溶解させて、水溶液を調製した。120℃にて24時間乾燥させたγ−アルミナのペレット(住友化学工業(株)製NK−324)100mL(60g)を上記硝酸ロジウム水溶液に加え、γ−アルミナの有する水素イオンとイオン交換させた。この間、pHの低下に伴って、0.2重量%濃度のアンモニア水を加え、pHを3.0に保持した。このようにして、所定量のロジウムイオンをγ−アルミナ上にイオン交換させた。このように処理したγ−アルミナを濾過し、これをpH3.0の硝酸水溶液にて洗浄した後、120℃で18時間乾燥させて、ロジウムイオンの担持量0.01%のγ−アルミナ粉末触媒を得た。この触媒をA−6という。
【0051】参考例7メタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO3 )2.143gを5重量%濃度のシュウ酸水溶液100mLに攪拌下に徐々に加えて、シュウ酸バナジル水溶液を調製した。γ−アルミナのペレット(住友化学工業(株)製NK−324)100mLをこのシュウ酸バナジル水溶液に加え、1時間放置して、γ−アルミナの細孔内にシュウ酸バナジル水溶液を十分に含浸させた。γ−アルミナのペレットを濾過し、60℃の温風を用いてペレットを均一に乾燥させ、この後、空気中、500℃で3時間焼成して、五酸化バナジウムの担持量0.1重量%のγ−アルミナ粉末触媒を得た。この触媒をA−7という。
【0052】参考例8硝酸1Lをイオン交換水9Lに加え、更に、これに硝酸ビスマス(Bi(NO3 3 ・5H2 O)242.5gを加えて、水溶液を調製した。別に、モリブデン酸アンモニウム((NH4 6 Mo7 24・4H2 O)88.3gをイオン交換水10Lに加えて、水溶液を調製した。上記硝酸ビスマス水溶液を80℃に加温し、激しく攪拌しながら、これに同じく80℃に加温したモリブデン酸アンモニウム水溶液を一気に加え、80℃で1時間熟成した。この後、得られた反応生成物を濾過し、水洗し、120℃で18時間、乾燥させた後、500℃で24時間焼成して、Bi2 3 ・2MoO3 なる組成の酸化物粉末150g得た。
【0053】この酸化物粉末60gとシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)6gとを適当量の水と混和し、これをジルコニアボール100gを粉砕媒体として遊星ミルで5分間湿式粉砕して、ウオッシュ・コート用スラリーを調製した。このスラリーをセル数200のコージェライトからなるハニカム基材に塗布して、触媒を約150g/L(触媒層厚み53μm)の割合で担持させた。この触媒をA−8という。
【0054】実施例1総排気量1Lのディーゼルエンジンを軽油を燃料としてトルク100Nmで運転したときの排ガスの組成は、 一酸化窒素(NOx ):約1000ppm(NOが約900ppm、NO2 が 約100ppm)
全炭化水素 :約500ppm 一酸化炭素(CO) :約100ppm 二酸化炭素(CO2 ):約5% 二酸化硫黄(SO2 ):50ppm 酸素(O2 ) :10容量% 窒素(N2 ) :残部であった。
【0055】図1に示すように、硫黄含有率0.2重量%の軽油を市販の酸型ゼオライト(東ソー(株)製HSZ−330HUD)をクラッキング触媒(触媒A−9)として充填した接触分解反応器1にキャリアガスを窒素として空間速度500hr-1にて導き、反応温度400℃で接触分解した。接触分解によって生成した低級炭化水素は、メタン9334ppm、エタン1139ppm、エチレン15580ppm、プロパン1243ppm、プロピレン6945ppm等であった。
【0056】このようにして得られた低級炭化水素を上記ディーゼルエンジン排ガスに加え、触媒A−2〜5を充填した還元反応器3に導き、表1及び表2に示す反応条件下に窒素酸化物を接触還元した。表1及び表2に排ガス中の窒素酸化物の除去率を示す。前段の分解(クラッキング)反応において用いた触媒、還元剤、その量(C1換算による量)と共に、後段の接触還元反応において用いた触媒、還元反応器における空間速度及び反応温度別の窒素酸化物の除去率を表1及び表2に示す。窒素酸化物の除去率は、排ガスの気相反応前の窒素酸化物濃度c0 と気相反応後の窒素酸化物濃度cとを化学発光式窒素酸化物メーターで測定し、式〔(c0 −c)/c0 〕×100(%)にて求めた。結果を表1及び表2に示す。
【0057】実施例2図2に示すように、硫黄含有率0.2重量%の軽油を市販のシリカ−アルミナ系クラッキング触媒(水澤化学工業(株)製ネオビードSA)(触媒A−10)を充填した接触分解反応器1に導き、接触分解した。反応条件は、キャリアガスとして、酸素5%、水1%、残部窒素を用いて、空間速度500hr-1にて、軽油を接触分解反応器1に導き、反応温度を400℃とした。接触分解によって生成した低級炭化水素は、メタン5660ppm、エタン1029ppm、エチレン7150ppm、プロパン475ppm、プロピレン3728ppm等であった。
【0058】次いで、このようにして得られた低級炭化水素を実施例1と同じディーゼルエンジン排ガスに加え、これを酸化反応器2に導き、表1及び表2に記載の条件下に上記低級炭化水素を部分酸化し、次いで、このような低級炭化水素の部分酸化物を含む還元剤を含む上記排ガスを還元反応器3に導き、表1及び表2に示す反応条件下に窒素酸化物を接触還元した。前段の分解反応において用いた触媒、還元剤、その量(C1 換算による量)、酸化反応器における反応温度と滞留時間(酸化反応時間)と共に、後段の接触還元反応において用いた触媒、還元反応器における空間速度及び反応温度別の窒素酸化物の除去率を表1及び表2に示す。窒素酸化物の除去率は、排ガスの気相反応前の窒素酸化物濃度c0 と気相反応後の窒素酸化物濃度cとを化学発光式窒素酸化物メーターで測定し、式〔(c0 −c)/c0 〕×100(%)にて求めた。結果を表1及び表2に示す。
【0059】比較例1実施例1において、キャリアガスとして、酸素5%、残部窒素を用いた以外は、実施例1と同様にして、窒素酸化物を含む排ガスを処理した。結果を表1及び表2に示す。
【0060】実施例3図2において、前記ディーゼルエンジン排ガスを一部、抜き出して、これをキャリアガスとして用い、硫黄含有率0.2重量%の軽油を市販の酸型ゼオライト(東ソー(株)製HSZ−330HUD)をクラッキング触媒(触媒A−9)として充填した接触分解反応器1に導き、接触分解した。反応条件は、空間速度500hr-1、反応温度を400℃とした。
【0061】次いで、このようにして得られた低級炭化水素を実施例1と同じディーゼルエンジン排ガスに加え、これを酸化反応器2に導き、表1及び表2に記載の条件下に上記低級炭化水素を部分酸化し、次いで、このような低級炭化水素の部分酸化物を含む還元剤を含む上記排ガスを還元反応器3に導き、表1及び表2に示す反応条件下に窒素酸化物を接触還元した。
【0062】前段の酸化反応器において用いた還元剤、その量(C1 換算による量)、酸化反応器における反応温度と滞留時間(酸化反応時間)と共に、後段において用いた触媒、還元反応器における空間速度及び反応温度別の窒素酸化物の除去率を表1及び表2に示す。前段の分解反応において用いた触媒、還元剤、その量(C1 換算による量)、酸化反応器における反応温度と滞留時間(酸化反応時間)と共に、後段の接触還元反応において用いた触媒、還元反応器における空間速度及び反応温度別の窒素酸化物の除去率を表1及び表2に示す。窒素酸化物の除去率は、排ガスの気相反応前の窒素酸化物濃度c0 と気相反応後の窒素酸化物濃度cとを化学発光式窒素酸化物メーターで測定し、式〔(c0 −c)/c0 〕×100(%)にて求めた。結果を表1及び表2に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【発明の効果】本発明の方法によれば、沸点30〜350℃の範囲の石油留分を主成分とする炭化水素油を予め分解(クラッキング)、低級化した後、得られた低級炭化水素の少なくとも一部を部分酸化し、このようにして得られた部分酸化物を含む還元剤を用いて、排ガス中の窒素酸化物を接触還元することによって、高反応性高選択性にて窒素酸化物を還元除去して、浄化ガスとすることができる。




 

 


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