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発明の名称 電着工具及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−193269
公開日 平成10年(1998)7月28日
出願番号 特願平8−358978
出願日 平成8年(1996)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】内山 充
発明者 深川 治之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】超砥粒が作用面に縞状に固着されて縞状の超砥粒層を形成し、一条の縞の幅が1〜5mmであり、縞状の超砥粒層の全面積が作用面の全面積の2〜50%であることを特徴とする電着工具。
【請求項2】超砥粒が作用面に島状に固着されて超砥粒層を形成し、一つの島に超砥粒が2〜10個集合して固着され、超砥粒が固着された島が縞状に配列され、超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の2〜50%であることを特徴とする電着工具。
【請求項3】作用面が2個の同心円に囲まれた平面であり、作用面に形成された縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着され縞状に配列された島が、内側の円の周縁からスパイラル状又は放射状に外側の円の周縁に伸びる請求項1又は請求項2記載の電着工具。
【請求項4】台金の作用面に、縞状の非マスキング部を有するマスキングシートを貼着し、非マスキング部に超砥粒を仮固定したのちマスキングシートを剥離し、超砥粒を電着する電着工具の製造方法であって、一条の縞状の非マスキング部の幅が1〜5mmであり、非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の2〜50%である請求項1又は請求項3記載の電着工具の製造方法。
【請求項5】台金の作用面に、縞状に配列された穴状の非マスキング部を有するマスキングシートを貼着し、非マスキング部に超砥粒を仮固定したのちマスキングシートを剥離し、超砥粒を電着する電着工具の製造方法であって、1個の穴状の非マスキング部の面積が超砥粒の投影面積の2.5〜12倍であり、非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の2〜50%である請求項2又は請求項3記載の電着工具の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電着工具及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、超砥粒の集中度が低く、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、木材、ゴムなどの研削、切削や、CMP用ポリッシングマットのコンディショニングなどにも用いることができる、目詰まりが少なく、寿命の長い電着工具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電着工具は、台金の作用面上に超砥粒をメッキにより固着した、研削研磨工具である。超砥粒の切刃が突出していて鋭い砥粒の刃先を有しているので切れ味がよく、研削効率が高く、超砥粒の集中度が高いので砥粒の偏摩耗が少ない。電着工具は、高能率かつ高精度の加工を行うことができるので、さまざまな被削材の加工やCMP用ポリッシングマットのコンディショニングなどに広く用いられている。電着工具は、通常は単層の砥粒層を有し、砥粒の脱落による自生作用が起こらない。このため工具の作用面の超砥粒の間隙に、研削によって生じた切り屑が付着、あるいは摩擦熱によって溶着すると、研削力が大幅に低下するという問題がある。特に、電着工具をプラスチックの研削、切断などや、CMP用ポリッシングマットのコンディショニングなどに使用するとき、目詰まりの発生が著しい。プラスチックは金属などに比較すると硬度の小さい材料であるので、超砥粒の損傷によるよりも、目詰まりによって電着工具が使用不能な状態となることが多い。台金の作用面に陶磁器の絵付けの転写技術を応用して電気絶縁性のマスキングを施し、非マスキング部にメッキにより砥粒を固定した電着砥石が、特開昭57−66864号公報に提案されている。しかし、作用面に単に砥粒の存在しない部分を設けるのみでは、たとえその形状をスパイラル状としても、十分な研削力やコンディショニング性能を付与することは困難である。また、電着工具の研削面に超砥粒を1個ずつ配置して電着し、チップポケットを大きくすることにより切り屑の排出を容易にする方法が、特開平6−114741号公報に提案されている。さらに、研削面に超砥粒を1個ずつ分散することにより、研削抵抗を低減し、電着砥石の寿命を向上する方法が、特開平5−285846号公報に提案されている。しかし、超砥粒が1個ずつ配置された状態では、電着工具としては研削力が不足し、砥粒の脱落を生じやすく、特にプラスチックの研削、切断や、CMP用ポリッシングマットのコンディショニングにおいては満足すべき結果が得られない。そのため、電着工具として十分な研削力及びコンディショニング性能を有し、目詰まりを生ずることなく長期間にわたって安定して使用することができる電着工具の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、超砥粒の集中度が低く、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、木材、ゴムなどの研削、切削や、CMP用ポリッシングマットのコンディショニングなどに用いることができる、切り屑の排出が良好で目詰まりが少なく、寿命の長い電着工具及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電着工具の作用面に、縞状の超砥粒層を非常に細かく形成することによって、充分な研削力を維持したまま、切り屑による目詰まりの発生を防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)超砥粒が作用面に縞状に固着されて縞状の超砥粒層を形成し、一条の縞の幅が1〜5mmであり、縞状の超砥粒層の全面積が作用面の全面積の2〜50%であることを特徴とする電着工具、(2)超砥粒が作用面に島状に固着されて超砥粒層を形成し、一つの島に超砥粒が2〜10個集合して固着され、超砥粒が固着された島が縞状に配列され、超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の2〜50%であることを特徴とする電着工具、(3)作用面が2個の同心円に囲まれた平面であり、作用面に形成された縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着され縞状に配列された島が、内側の円の周縁からスパイラル状又は放射状に外側の円の周縁に伸びる第(1)項又は第(2)項記載の電着工具、(4)台金の作用面に、縞状の非マスキング部を有するマスキングシートを貼着し、非マスキング部に超砥粒を仮固定したのちマスキングシートを剥離し、超砥粒を電着する電着工具の製造方法であって、一条の縞状の非マスキング部の幅が1〜5mmであり、非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の2〜50%である第(1)項又は第(3)項記載の電着工具の製造方法、及び、(5)台金の作用面に、縞状に配列された穴状の非マスキング部を有するマスキングシートを貼着し、非マスキング部に超砥粒を仮固定したのちマスキングシートを剥離し、超砥粒を電着する電着工具の製造方法であって、1個の穴状の非マスキング部の面積が超砥粒の投影面積の2.5〜12倍であり、非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の2〜50%である第(2)項又は第(3)項記載の電着工具の製造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の電着工具の一態様の作用面の部分平面図である。本図において、電着工具の作用面1に超砥粒が縞状に固着されて縞状の超砥粒層2を形成している。本発明の電着工具において、一条の縞の幅は1〜5mmであり、より好ましくは2〜4mmである。一条の縞の幅が1mm未満であると、研削力やコンディショニング性能などが十分に発揮されないおそれがある。一条の縞の幅が5mmを超えると、超砥粒層面が目詰まりを起こしやすくなるおそれがある。本発明の電着工具において、縞状の超砥粒層の全面積は作用面の全面積の2〜50%であり、より好ましくは10〜40%である。縞状の超砥粒層の全面積が作用面の全面積の2%未満であると、研削力やコンディショニング性能が不足するおそれがある。縞状の超砥粒層面の全面積が作用面の全面積の50%を超えると、切り屑などの排出が困難になって目詰まりを起こしやすくなるおそれがある。図1に示す電着工具においては、縞状の超砥粒層の全面積は、作用面の全面積の25.0%である。
【0006】図2は、本発明の電着工具の他の態様の作用面の部分平面図である。本図において、電着工具の作用面1に超砥粒が島状に固着され、さらに超砥粒が固着された島3が縞状に配列されている。本発明の電着工具において、一つの島に超砥粒が2〜10個、より好ましくは3〜5個集合して固着され、超砥粒が固着された島の全面積は作用面の全面積の2〜50%、より好ましくは10〜40%である。図3は、図2の電着工具の島の部分の部分拡大図である。島は集合して固着された超砥粒に外接する円によって近似され、図3において円によって示される面積が島の面積である。図3においては、一つの島に平均約4個の超砥粒4が固着されている。本発明の電着工具においては、一つの島に2個以上の超砥粒が固着されていることが必要であり、従来知られている超砥粒が1個ずつ分散して研削面に固着されている電着工具は、プラスチックなどに対する研削力や、ポリッシングマットに対するコンディショニング性能が不足する。一つの島に固着される超砥粒が10個を超えると、研削時に目詰まりが生じやすくなるおそれがある。超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の2%未満であると、電着工具としての研削力やコンディショニング性能が不足するおそれがある。超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の50%を超えると、研削時やコンディショニング時に目詰まりが生じやすくなるおそれがある。図2及び図3に示す電着工具においては、超砥粒が固着された島の全面積は、作用面の全面積の27.7%である。
【0007】本発明の電着工具の台金としては、鉄(S45C)やステンレス鋼(SUS304)などを好適に使用することができるが、用途によってはその他の金属、例えば、アルミニウム合金などを使用することができる。本発明の電着工具に用いる超砥粒には特に制限はなく、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒などを使用することができるが、ダイヤモンド砥粒を特に好適に使用することができる。ダイヤモンド砥粒としては、天然ダイヤモンド、合成ダイヤモンドのいずれをも使用することができ、用途に応じて適切な粒度及び粒度分布を有する砥粒を選択することができる。本発明の電着工具においては、円柱形の台金の外周面を作用面とし、縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着された縞状に配列された島を作用面上に設けることができる。縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着された島の縞状の配列は、台金の中心軸に平行に設けることができ、あるいは、台金の中心軸に対して傾斜したスパイラル状とすることができる。図4は、本発明の電着工具の一態様の斜視図である。本図に示す電着工具は、円柱形の台金の外周面が作用面となり、30本の縞状の超砥粒層2が、台金の中心軸に対して傾斜したスパイラル状に設けられている。本発明の電着工具においては、作用面を2個の同心円に囲まれた平面とし、縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着された縞状に配列された島を、内側の円の周縁からスパイラル状又は放射状に外側の円の周縁に伸びる形状とすることができる。図5は、本発明の電着工具の他の態様の作用面の平面図である。本図に示す電着工具は、作用面が2個の同心円に囲まれた平面であり、30本の縞状の超砥粒層2が、内側の円の周縁からスパイラル状に外側の円の周縁に伸びている図6は、本発明の電着工具の他の態様の作用面の平面図である。本図に示す電着工具は、作用面が2個の同心円に囲まれた平面であり、超砥粒が固着された島3が20本の縞の状態で、内側の円の周縁から外側の円の周縁に伸びるよう配列されている。図7は、本発明の電着工具の他の態様の作用面の平面図である。本図に示す電着工具は、作用面が2個の同心円に囲まれた平面であり、24本の縞状の超砥粒層2が、内側の円の周縁から外側の円の周縁に放射状に伸びている。本発明の電着工具においては、作用面を2個の同心円に囲まれた平面とし、作用面に形成された縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着され縞状に配列された島を、内側の円の周縁から外側の円の周縁へスパイラル状又は放射状に伸ばすことにより、切り屑や研削液の排出が一層容易になり、研削力やコンディショニング性能が向上する。
【0008】次に、本発明の電着工具の製造方法を説明する。本発明方法においては、先ず台金の脱脂を行うことが好ましい。脱脂を終了した台金の面に、非マスキング部を有するマスキングシートを貼着する。マスキングシートの非マスキング部は、図1に対応する単純な縞の形状とすることができ、あるいは、図2に対応する穴が縞状に配列された形状とすることができる。本発明方法においては、マスキングシートを貼着した状態で、電着工具の作用面となる台金の面に下地メッキを施すことが好ましい。下地メッキを施すことにより、超砥粒と台金が直接接触することがなく、超砥粒の台金への固着性が改良される。下地メッキする金属には特に制限はなく、例えば、ニッケル、銅、クロムなどを好適に使用することができる。本発明方法においては、下地メッキを施した台金を、マスキングシートを貼着した状態でメッキ槽に入れ、メッキ槽中の台金のマスキングシートを貼着した面の部分に超砥粒を充填する。次いで、台金に陰極を接続し、メッキ液に陽極を接続して、電気メッキを行う。メッキする金属は、超砥粒を台金に仮固定することができるものであれば特に制限はなく、例えば、ニッケル、銅、クロムなどを好適に使用することができる。超砥粒の一層分が仮固定され、台金表面より脱落しない状態になれば、メッキを止めて台金をメッキ浴より引き上げる。
【0009】図8は、本発明方法の一態様の説明図である。図8(a)は、超砥粒が仮固定された台金の部分断面図であり、本図において、台金5にマスキングシート6が貼着され、マスキングシートの非マスキング部に超砥粒4が仮固定層7により仮固定されている。本発明方法においては、次いで台金表面よりマスキングシートを剥離し、さらにマスキング部の脱脂と活性化処理を行ったのち、再び台金の作用面にメッキを施して超砥粒を固着する。超砥粒の固着のためのメッキは、電気メッキによることができ、あるいは、無電解メッキによることができる。電気メッキの場合は、台金をメッキ浴に浸漬して陰極を接続し、メッキ液に陽極を接続してメッキを継続し、超砥粒を台金に固着して作用面を形成し、電着工具を得る。無電解メッキの場合は、金属塩、還元剤及び緩衝剤を含むメッキ浴に台金を浸漬し、自己触媒的に金属を析出させ、超砥粒を台金に固着して作用面を形成し、電着工具を得る。メッキに用いる金属は、超砥粒を台金に固着することができるものであれば特に制限はなく、例えば、ニッケル、銅、クロムなどを好適に使用することができる。図8(b)は、超砥粒が台金に固着された状態を示す部分断面図である。本図において、超砥粒4は台金5に仮固定層7により仮固定され、さらにメッキにより形成された金属層8により固着されている。本発明方法に用いるマスキングシートはメッキ条件に耐えるものであれば特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニルなどの樹脂シートの一面にアクリル系又はビニルエーテル系などの粘着剤を塗布した上に剥離シートを積層し、さらに非マスキング部の加工を施したものを好適に使用することができる。マスキングシートの厚みには特に制限はなく、例えば、樹脂シート及び粘着剤層の厚みの合計が0.05〜0.3mmのマスキングシートを使用することができる。
【0010】本発明方法において、縞状の超砥粒層を形成するときは、縞状の非マスキング部の幅は1〜5mm、好ましくは2〜4mmである。本発明方法において、超砥粒が固着された島を縞状に配列するときは、用いるマスキングシートの1個の穴状の非マスキング部の面積は、使用する超砥粒の平均投影面積の2.5〜12倍である。超砥粒の平均投影面積は、超砥粒が分散した状態で拡大写真を撮影することによって求めることができる。1個の穴状の非マスキング部の面積が超砥粒の平均投影面積の2.5倍未満であると、超砥粒が1個しか存在しない島が形成されるおそれがある。1個の穴状の非マスキング部の面積が超砥粒の平均投影面積の12倍を超えると、超砥粒が11個以上集合して固着された島が形成されるおそれがある。本発明方法において、マスキングシートの非マスキング部の全面積は、マスキングシートの全面積の2〜50%である。マスキングシートの非マスキング部の全面積は、本発明の電着工具の作用面における超砥粒層又は超砥粒が固着された島の全面積に対応する。マスキングシートの非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の2%未満であると、超砥粒層又は超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の2%未満となり、電着工具としての研削力やコンディショニング性能が不足するおそれがある。マスキングシートの非マスキング部の全面積がマスキングシートの全面積の50%を超えると、超砥粒層又は超砥粒が固着された島の全面積が作用面の全面積の50%を超え、研削時やコンディショニング時に目詰まりを生じやすくなるおそれがある。本発明方法において、マスキングシートの穴状の非マスキング部の形状には特に制限はなく、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、くさび形、無定形などの任意の形状を選ぶことができるが、特に円形の穴が好ましい。また、マスキングシートの穴状の非マスキング部の形状は、すべての非マスキング部の形状を同一とすることができ、あるいは、2種以上の異なる形状の非マスキング部を混在せしめることができる。
【0011】本発明の電着工具は、超砥粒が低集中度で固着されているため、切り屑の排出状態が良好であり、研削時に切り屑などによる目詰まりを発生しやすい材料、例えば、プラスチックなどの研削やCMP用ポリッシングマットのコンディショニングに特に好適に使用し、長期間にわたって良好な研削力及びコンディショニング性能を維持することができる。また、本発明の電着工具は、超砥粒が低集中度で固着されているため、切れ味がよく、超砥粒の固着のパターンを変えることにより、切れ味を任意に制御することができる。本発明の電着工具は、超砥粒が1個ずつ独立することなく、連続した形状で低集中度が実現するため、超砥粒の脱落を防止することができる。本発明の電着工具は、超砥粒の脱落がないので、CMP用ポリッシングマットのコンディショナーとして使用したとき、マットに超砥粒が残存してウェハを傷つけるおそれがない。さらに、本発明の電着工具は、縞状の超砥粒層又は超砥粒が固着された島の縞状のパターンを選定することにより、工具の外観を美しくすることができ、放射状やスパイラル形状にすることにより、切り屑の排出をより促進することができる。本発明方法によれば、マスキングシートの非マスキング部の大きさ、形状、配列などを任意に選択することにより、任意の集中度と超砥粒層の形状を有する電着工具を製造することができる。さらに、本発明の電着工具は、超砥粒の使用量が少ないので経済的に製造することができる。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1鉄(S45C)製の100D−22T−20Hの台金の研削面となる外周部を脱脂し、幅6mmのマスキング部と幅3mmの非マスキング部が、台金の中心軸と平行に交互に配列した図1に示される形状に対応するマスキングシートを貼り付け、さらに研削面以外の部分をマスキングしたのち、ニッケルメッキによる下地メッキを施した。非マスキング部の全面積は、研削面の全面積の33.3%である。この台金をニッケルメッキ浴に浸漬し、平均投影面積が0.06mm2のダイヤモンド砥粒をニッケルメッキにより仮固定した。台金をメッキ浴より引き上げ、マスキングシートを剥がし、脱脂したのち、再びニッケルメッキ浴に浸漬し、電気メッキを続けてダイヤモンド砥粒を固着した。得られた電着ホイールの研削面にはダイヤモンド砥粒が縞状に固着され、一条の縞の幅方向にはダイヤモンド砥粒が平均9個固着されていた。この電着ホイールを用いて、ポリカーボネート製のレンズの研削を行った。研削条件は、電着ホイールの周速1,550m/分、レンズの周速1m/分、加工圧5kgで、水溶性研削液を使用し、厚さ5mmのレンズの外径70mmを外径30mmまで研削した。1枚のレンズの研削を、約1分間で行うことができた。
実施例2マスキングシートとして、直径0.7mmの円形の穴状の非マスキング部2個が対になって、台金の中心軸と平行に縞状に配列し、1対の円形の穴状の非マスキング部の縞が2.5mmごとに存在する図2に示される形状に対応するマスキングシートを使用した以外は、実施例1と同様にして電着ホイールを作製した。ダイヤモンド砥粒が固着された縞の全面積は、研削面の全面積の27.7%である。一つの島にはダイヤモンド砥粒が平均4.2個集合して固着されていた。この電着ホイールを用いて、実施例1と同じ条件でポリカーボネート製のレンズの研削を行った。1枚のレンズの研削を、約1分間で行うことができた。
比較例1実施例1と同じ寸法の台金の研削面の全面にダイヤモンド砥粒層を有する従来の電着ホイールを用いて、実施例1と同じ条件でポリカーボネート製のレンズの研削を行った。研削を始めると直ちに目詰まりが生じ、研削を続けることができなかった。
実施例3図5に示す形状のステンレス鋼(SUS304)製の101.6D−1.52T−6.35Hの円盤台金の作用面となる面を脱脂し、マスキングシートを貼り付けた。マスキングシートには、直径25.4mmの円の周縁から外周縁までの間に、中心部における幅が1mmであり外周縁における幅が5mmである縞状の非マスキング部が、スパイラル状に30本配列されている。非マスキング部の全面積は、マスキングシートの全面積の37.5%である。このマスキングシートを貼り付け、さらに作用面以外の部分をマスキングした円盤台金に、ニッケルメッキによる下地メッキを施した。次いで、この台金をニッケルメッキ浴に浸漬し、平均投影面積が0.06mm2のダイヤモンド砥粒をニッケルメッキにより仮固定した。台金をメッキ浴より引き上げ、マスキングシートを剥がし、脱脂したのち、再びニッケルメッキ浴に浸漬して電気メッキを続け、ダイヤモンド砥粒を固着した。得られたコンディショナーの研削面には、ダイヤモンド砥粒が図5に示す形状の縞状に固着されていた。このコンディショナーを用いて、直径600mmのポリッシングマット[ロデール・ニッタ(株)、IC1000]を周速200mm/秒で10分間コンディショニングしたのち、タングステン配線上にSiO2層間絶縁膜をコーティングしたダミー用の直径6インチのウェハのSiO2膜表面上を、3分間ポリッシングした。使用したスラリーは、SEMI−SPERSE 25ポリッシングスラリー[Cabot Corporation]である。次いで、使用したポリッシングマットを再びコンディショナーを用いて、周速200mm/秒で10分間でコンディショニングしたのち、SiO2層間絶縁膜をコーティングした直径6インチのウェハのSiO2膜表面上を、3分間ポリッシングした。研磨速度は、従来の電着コンディショナーと比較すると1.25倍であった。ウェハ表面粗さは、0.40nmであった。投影器下でハロゲンランプで観察したところ、スクラッチ数は1ウェハ当たり4個であった。光学顕微鏡で観察したところ、傷は1ウェハ当たり22個であった。ポリッシングマットの表面には、筋状の研削傷が少し発生していた。
実施例4図6に示される形状のステンレス鋼(SUS304)製の101.6D−1.52T−6.35Hの円盤台金の作用面となる面を脱脂し、マスキングシートを貼り付けた。マスキングシートには、直径25.4mmの円の周縁から外周縁までの間に、直径0.7mmの穴が中心部から外周縁まで幅2.5mmの縞状に20本配列された非マスキング部を有し、非マスキング部の全面積は、マスキングシートの全面積の20.0%である。このマスキングシートを貼り付け、さらに作用面以外の部分をマスキングした円盤台金に、ニッケルメッキによる下地メッキを施した。この台金をニッケルメッキ浴に浸漬し、平均投影面積が0.06mm2のダイヤモンド砥粒をニッケルメッキにより仮固定した。台金をメッキ浴より引き上げ、マスキングシートを剥がし、脱脂したのち、再びニッケルメッキ浴に浸漬して電気メッキを続け、ダイヤモンド砥粒を固着した。得られたコンディショナーの研削面には、ダイヤモンド砥粒が図6に示される形状の縞状に固着されていた。 このコンディショナーを用いて、実施例3と同様にしてポリッシングマットのコンディショニングと、SiO2層間絶縁膜をコーティングしたウェハのSiO2膜表面上のポリッシングを行った。研磨速度は、従来の電着コンディショナーと比較すると1.34倍であった。ウェハ表面粗さは、0.40nmであり、スクラッチ数は1ウェハ当たり3個、傷は1ウェハ当たり18個であった。ポリッシングマットの表面には、研削傷はほとんど発生していなかった。
比較例2作用面の全面にダイヤモンド砥粒層を有する従来の電着コンディショナーを用いて、実施例3と同様にしてポリッシングマットのコンディショニングと、SiO2層間絶縁膜をコーティングしたウェハのSiO2膜表面上のポリッシングを行った。ウェハ表面粗さは、0.44nmであり、スクラッチ数は1ウェハ当たり8個、傷は1ウェハ当たり28個であった。ポリッシングマットの表面には、筋状の研削傷が多数発生していた。実施例3〜4及び比較例2の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】

【0014】第1表の結果から、本発明のコンディショナーを用いた実施例3及び実施例4においては、ウェハの研磨速度が大きく、ウェハ表面粗さが小さく、ウェハ表面のスクラッチ及び傷が少なく、さらにポリッシングマット表面の研削傷も少なく、良好なポリッシングが行われていることが分かる。これに対して、従来のコンディショナーを用いた比較例2においては、ウェハの研磨速度が小さく、ウェハ表面粗さが大きく、ウェハ表面のスクラッチ及び傷が多く、さらにポリッシングマット表面に筋状の研削傷が多く発生し、ポリッシングの状態が劣っている。
【0015】
【発明の効果】本発明の電着工具は、超砥粒の集中度が低く、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス、木材、ゴムなどの研削、切削や、CMP用ポリッシングマットのコンディショニングなどに好適に使用することができ、目詰まりが少なく、寿命が長い。本発明方法によれば、該電着工具を、台金の作用面にマスキングシートを貼着するという簡単な操作によって、容易に製造することができる。




 

 


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