米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 旭ダイヤモンド工業株式会社

発明の名称 ロータリドレッサ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−34533
公開日 平成10年(1998)2月10日
出願番号 特願平8−205215
出願日 平成8年(1996)7月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】内山 充
発明者 原 知義 / 谷口 和昭 / 水谷 圭一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ダイヤモンド層の内周に樹脂層を有し、樹脂層の内周面に雌ネジが、芯金の外周面に雄ネジが相互に螺合するよう設けられ、芯金が樹脂層に螺入されてなることを特徴とするロータリドレッサ。
【請求項2】芯金が第1の芯金及び第2の芯金の2個の部分よりなり、ネジにより樹脂層と螺着する第1の芯金が、外周面の一部において樹脂層と接触しない状態に樹脂層との間に間隙を有し、かつ樹脂層と接触しない外周面に雄ネジが設けられ、第2の芯金の内周面に該雄ネジと螺合する雌ネジが設けられ、第2の芯金の外周面が樹脂層の内周面に接するように第1の芯金と樹脂層の間隙に螺入されてなる請求項1記載のロータリドレッサ。
【請求項3】芯金の両外端部に設けた円環部により、樹脂層の両端面を被覆してなる請求項2記載のロータリドレッサ。
【請求項4】第2の芯金の外周面に、エア逃がし溝を有する請求項2又は請求項3記載のロータリドレッサ。
【請求項5】芯金及び樹脂層の接触面が、接着剤により固定されてなる請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載のロータリドレッサ。
【請求項6】樹脂層に、金属粉末又は金属化合物粉末が混入されてなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載のロータリドレッサ。
【請求項7】金属粉末が、アルミニウム粉末である請求項6記載のロータリドレッサ。
【請求項8】金属粉末が、タングステン粉末である請求項6記載のロータリドレッサ。
【請求項9】樹脂層を構成する樹脂が、エポキシ樹脂である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8記載のロータリドレッサ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリドレッサに関する。さらに詳しくは、本発明は、ダイヤモンド層面の歪みが小さく、形状の修正量を少なくすることができ、しかも製造が容易で、耐久性に優れたロータリドレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドロータリドレッサは、ロール外周面にダイヤモンド砥粒を埋め込み固定した回転式のドレッサで、ドレッサを回転させながら研削砥石に押し当てることにより、研削砥石にドレッサの形状を転写するものである。ダイヤモンドロータリドレッサは、ドレッシング時間を大幅に短縮することができ、ドレッシング精度の再現性が高く、高度な自動化が容易であり、研削コストを低減することができるので、広く使用されるようになっている。ダイヤモンドロータリドレッサは、その製法から焼結ロータリドレッサと電鋳ロータリドレッサに分けられる。焼結ロータリドレッサは、ドレッサの外周面にダイヤモンド砥粒を緻密に手植えしたのち焼結金属で固着したもので、耐久性にすぐれているが、焼結時の熱で変形が起こりやすく、形状修正に時間がかかるという問題がある。電鋳ロータリドレッサは、ダイヤモンド砥粒を電気メッキ法により金属で固着したものであり、製造工程での温度が焼結に比べ低く、精密に仕上げた母型の形状をそのまま表面に反転することができるので、精細な形状のものを比較的容易に製作することができる。電鋳ロータリドレッサは、通常ダイヤモンド砥粒を母型内周面に充填し、電気メッキによりダイヤモンド砥粒の一層分を母型内周面に仮固定したのち余剰のダイヤモンド砥粒を除去し、さらに電気メッキにより電鋳してダイヤモンド砥粒を固着する。従来の電鋳ロータリドレッサでは、ダイヤモンド層と芯金をその間隙に錫−ビスマス合金、錫−鉛合金などの低溶融合金の溶融物を流し込み固化することで接合している。しかし、低溶融合金といえどもその温度は約200℃に達し、構成する材料の熱膨張係数の差と合金の凝固時における収縮が、ダイヤモンド層面に歪みを与え変形を起こしていた。その結果、歪みを取る修正作業が必要となり、それが切れ味を阻害し、あるいはその作業に長時間を要するという問題があった。本発明者らは、先にダイヤモンド層の内周に樹脂層を有し、該樹脂層が接着剤により芯金に固定されてなるロータリドレッサを開発し、ダイヤモンド層面の歪みを減少し、形状の修正量を少なくすることに成功した。図1は、本発明者らが先に発明したロータリドレッサの断面図である。本図のロータリドレッサは、ダイヤモンド層1の内周に樹脂層2を有し、樹脂層が接着剤により芯金3に固定されている。このようなロータリドレッサは、ダイヤモンド砥粒を母型の内周面に充填し、電気メッキにより母型の内周面にその一層分を仮固定したのち余剰のダイヤモンド砥粒を除去し、電鋳によりダイヤモンド砥粒を固着してダイヤモンド層を形成し、さらにダイヤモンド層の内周に樹脂を硬化することにより樹脂層を形成し、樹脂層を芯金に接着剤により固定することにより製造することができる。このようなロータリドレッサは、製造工程において高温にさらされることがないので、熱膨張や収縮に起因する歪みを生ずることがなく、ダイヤモンド砥粒層の修正作業に要する時間を短縮又は不要とすることができる。しかし、図1に示すロータリドレッサは、接着剤により樹脂層と芯金とを接着しているので、必ずしも満足すべき接合強度が得られない場合があった。また、樹脂層の端面4が露出しているので、外観が良好とは言い難いばかりでなく、衝撃によって樹脂層の端面に傷がつき、ドレッシング時に研削液がかかって樹脂層が浸蝕されるおそれがあった。このため、樹脂層と芯金の接合作業が容易で、安定して樹脂層を芯金に強固に接合することができ、樹脂層の端面が機械的、化学的に保護されたロータリドレッサの開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイヤモンド層の内周面に樹脂層を有するダイヤモンド層の歪みが少ないロータリドレッサであって、樹脂層と芯金の接合が容易で接合強度が大きく、樹脂層が機械的にも化学的にも保護された、精度の高いロータリドレッサを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、樹脂層の内周面と芯金の外周面にネジを設け、芯金を樹脂層に螺入することにより、接合作業が容易となり、接合強度が向上し、さらに芯金を2分割された構造とすることにより、接合強度が一層向上するとともに、樹脂層の端面の保護が可能となることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)ダイヤモンド層の内周に樹脂層を有し、樹脂層の内周面に雌ネジが、芯金の外周面に雄ネジが相互に螺合するよう設けられ、芯金が樹脂層に螺入されてなることを特徴とするロータリドレッサ、(2)芯金が第1の芯金及び第2の芯金の2個の部分よりなり、ネジにより樹脂層と螺着する第1の芯金が、外周面の一部において樹脂層と接触しない状態に樹脂層との間に間隙を有し、かつ樹脂層と接触しない外周面に雄ネジが設けられ、第2の芯金の内周面に該雄ネジと螺合する雌ネジが設けられ、第2の芯金の外周面が樹脂層の内周面に接するように第1の芯金と樹脂層の間隙に螺入されてなる第(1)項記載のロータリドレッサ、(3)芯金の両外端部に設けた円環部により、樹脂層の両端面を被覆してなる第(2)項記載のロータリドレッサ、(4)第2の芯金の外周面に、エア逃がし溝を有する第(2)項又は第(3)項記載のロータリドレッサ、(5)芯金及び樹脂層の接触面が、接着剤により固定されてなる第(1)項、第(2)項、第(3)項又は第(4)項記載のロータリドレッサ、(6)樹脂層に、金属粉末又は金属化合物粉末が混入されてなる第(1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)項又は第(5)項記載のロータリドレッサ、(7)金属粉末が、アルミニウム粉末である第(6)項記載のロータリドレッサ(8)金属粉末が、タングステン粉末である第(6)項記載のロータリドレッサ及び、(9)樹脂層を構成する樹脂が、エポキシ樹脂である第(1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)項、第(5)項、第(6)項、第(7)項又は第(8)項記載のロータリドレッサ、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に説明する。図2は、本発明のロータリドレッサの一態様の断面図である。図2(a)は、ダイヤモンド層及び樹脂層の断面図であり、図2(b)は、芯金の断面図であり、図2(c)は、芯金が樹脂層に螺入された状態を示す断面図である。図2(a)に示すように、ダイヤモンド層1の内周に樹脂層2があり、樹脂層の内周面は芯金の外周面と接するように加工されているとともに、雌ネジ5が設けられている。図2(b)に示すように、芯金3の外周面は樹脂層の内周面に接するように加工されているとともに、樹脂層の内周面に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジ6が設けられている。雌雄のネジを利用して、芯金を樹脂層に螺入することにより、図2(c)に示すロータリドレッサが得られる。芯金と樹脂層の接合はネジにより行われるので、接合作業が容易であり、接合強度が大きく、精度の高いロータリドレッサを得ることができる。図3は、本発明のロータリドレッサの他の態様の断面図である。本態様のロータリドレッサは、ダイヤモンド層1の内周に樹脂層2を有し、芯金は第1の芯金7及び第2の芯金8の2個の部分よりなる。第1の芯金は、樹脂層に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジが設けられ、外周面の一部において樹脂層と接触しない状態に外径が小さくなって樹脂層との間に間隙を有し、樹脂層と接触しない外周面に第2の芯金に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジが設けられている。第2の芯金は、第1の芯金と樹脂層の間隙を埋める形状であり、第2の芯金の外周面は樹脂層の内周面に接し、内周面に設けられた雌ネジが第1の芯金の外周面に設けられた雄ネジと螺合するよう、第1の芯金と樹脂層の間隙に螺入される。本態様のロータリドレッサにおいては、第1の芯金及び第2の芯金の外端部に円環部9を設け、芯金を樹脂層に螺入し接合したとき、円環部により樹脂層の端面を被覆する。図3に示す態様のロータリドレッサは、芯金と樹脂層の接合がネジにより行われ、2個の芯金により樹脂層を挟みつける状態で接合されるので、接合作業が容易であり、接合強度と精度が一層高くなる。また、樹脂層の端面が、芯金に設けた円環部により被覆されているので、外観が良好であり、衝撃により樹脂層の端面に傷がつくことがなく、使用中に研削液などがかかって樹脂層の膨潤や浸蝕を生ずることがない。
【0006】本発明のロータリドレッサの製造方法の一態様を、以下に説明する。まず、ダイヤモンド砥粒を母型10の内周面に充填し、電気メッキにより母型の内周面にその一層分を仮固定する。母型の内周面にダイヤモンド砥粒を充填する方法には特に制限はなく、メッキ浴内に浸漬した母型の内周面にダイヤモンド砥粒を充填することができ、あるいは母型の内周面にダイヤモンド砥粒を充填したのちメッキ浴内に浸漬することができる。内周面にダイヤモンド砥粒を充填した母型に陰極を接続し、メッキ液に陽極を接続して、電気メッキを行う。メッキする金属は、ダイヤモンド砥粒を仮固定することができるものであれば特に制限なく使用することができるが、例えば、ニッケル、銅、クロムなどを好適に使用することができる。ダイヤモンド砥粒の一層分が仮固定され、母型の内周面より脱落しない状態になれば、余剰のダイヤモンド砥粒を母型の内周面より除去し、さらに電気メッキを続けてダイヤモンド砥粒を電鋳により固着してダイヤモンド層1を形成する。ついで、ダイヤモンド層の内周に樹脂を硬化することにより樹脂層2を形成する。使用する樹脂には特に制限はないが、常温硬化型の樹脂は特別な加熱装置を必要としないので設備面からも好ましく、また、加熱及び冷却に伴う寸法変化がないので寸法安定性の面からも好ましい。このような樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができるが、常温硬化型の2液型エポキシ樹脂を特に好適に使用することができる。
【0007】本発明のロータリドレッサにおいては、樹脂層に金属粉末又は金属化合物粉末を混入することができる。混入する金属粉末としては、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、銀、インジウム、錫、タンタル、タングステンなどの粉末を挙げることができる。混入する金属化合物粉末としては、例えば、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭化タンタル、ホウ化タンタル、窒化タンタル、酸化タンタル、珪化タンタル、炭化タングステン、ホウ化タングステン、窒化タングステン、酸化タングステン、珪化タングステンなどの粉末を挙げることができる。本発明のロータリドレッサにおいては、これらの中で、アルミニウム粉末及びタングステン粉末を特に好適に使用することができる。アルミニウム粉末は、樹脂との濡れ性が良好であり、一定時間経過後の収縮率が小さく、また、単位重量当たりの補強効果が大きい。樹脂層に含有せしめるアルミニウム粉末の量は、樹脂層の30〜60重量%であることが好ましく、樹脂層の40〜50重量%であることがより好ましい。タングステン粉末は密度が大きく、樹脂層の密度を4〜7g/cm3として、芯金の密度に近づけることができる。樹脂層の密度を芯金の密度に近づけることにより、ロータリドレッサの重量バランスが良好となり、不釣り合い量が低減し、芯金に孔をあけることにより行う高度の熟練と長時間を要するバランス調整作業がほとんど又は全く不要となる。樹脂層を形成する樹脂の硬化方法には特に制限はなく、例えば、母型とダイヤモンド層に底面板を取り付け、前記の粉末を混入し硬化剤を配合した樹脂を注型して静置下に硬化し、あるいは、母型とダイヤモンド層の両側面に側面板を取り付け、回転しながら前記の粉末を混入し硬化剤を配合した樹脂を注ぎ、遠心力により樹脂をダイヤモンド層に押し付けながら硬化することができる。
【0008】図4は、樹脂の硬化による樹脂層の形成工程の一態様の説明図である。母型10とその内周面に形成されたダイヤモンド層1の両側面に側面板11を取り付け、回転しながら中央部から樹脂12を注ぎ込む。樹脂は遠心力によってダイヤモンド層に押し付けられ、中央部に空間を残した状態で硬化する。遠心力下に樹脂を硬化すると、樹脂に常にダイヤモンド層を押し付ける方向に力がはたらき、樹脂の硬化による収縮のためにダイヤモンド層が内側に引かれることがなく、ダイヤモンド層に歪みを生じるおそれが少ないので好ましい。また、遠心力下に樹脂を硬化すると、芯金を装着すべき中央部が中空になり、静置下に硬化する場合に比べて切削により除去すべき樹脂層の量を少なくすることができる。また、遠心力下に樹脂を常温で硬化させた後、恒温槽で60〜100℃に2〜5時間保持すると硬化後の安定性が向上し、変形しにくくなるので一層好ましい。樹脂の硬化が完了したのち側面板を取り外し、樹脂層の切削加工を行う。図5は、樹脂層の切削加工状態の一態様を示す断面図である。樹脂層2には、取り付けるべき第1の芯金に設けられた雄ネジに螺合する雌ネジ5を加工する。図6は、第1の芯金を螺着した状態を示す断面図である。切削加工した樹脂層の雌ネジと第1の芯金の雄ネジを螺合することにより、第1の芯金を樹脂層に螺入する。樹脂層の一端面は、第1の芯金の円環部9により被覆される。第1の芯金には、第2の芯金に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジ6が設けられている。第1の芯金が樹脂層に螺入されたとき、第1の芯金と樹脂層の間には、第2の芯金を螺入するための間隙13が存在する。
【0009】本発明のロータリドレッサにおいては、第1の芯金と樹脂層の接触面、第2の芯金と樹脂層の接触面、第1の芯金と第2の芯金の接触面を、接着剤により固定することができる。雄ネジと雌ネジの螺合による接合に加えて、接触面を接着剤により固定することにより、芯金と樹脂層の接合は一層強固なものとなる。接着剤は、第1の芯金の螺入及び第2の芯金の螺入に必要な時間よりも長いポットライフを有するものを選び、芯金の螺入に先立って接触面にあらかじめ塗付しておく。使用する接着剤には特に制限はなく、例えば、2液型のエポキシ接着剤などを好適に使用することができ、特に常温硬化型の接着剤は加熱冷却に伴う歪みを生じないので好ましい。接触面の間隙は通常0.1〜0.2mm程度であるので、接着剤の硬化による体積収縮の影響は軽微であり、ダイヤモンド層に生ずる歪みは極めてわずかである。図7(a)は、第2の芯金の螺入中の状態を示す断面図であり、図7(b)は、A−A線断面図である。第2の芯金8には、第1の芯金7に設けられた雄ネジと螺合する雌ネジが設けられ、第2の芯金の外周面が樹脂層の内周面に接するよう、第1の芯金と樹脂層の間の間隙に螺入される。本発明のロータリドレッサにおいて、第2の芯金の外周面にエア逃がし溝14を設けることが好ましい。エア逃がし溝の形状には特に制限はなく、例えば、中心軸に対して平行な直線状の溝とすることができ、あるいは、中心軸に対して螺旋状の溝とすることができる。第2の芯金の外周面に設けるエア逃がし溝の数には特に制限はないが、通常は2〜5本とすることが好ましい。エア逃がし溝を設けることにより、第2の芯金を第1の芯金と樹脂層の間隙13に螺入するとき、間隙内の空気が容易に排出され、特に接触面に接着剤を塗付しているとき、第2の芯金の螺入を円滑に行うことができる。図8は、第2の芯金の螺入を完了した状態を示す断面図である。第2の芯金8が、第1の芯金7と樹脂層2の間隙を埋める状態に螺入され、第2の芯金の円環部9が樹脂層の一方の端面を被覆し、保護している。最後に母型10を除去して、図3に示す本発明のロータリドレッサを完成する。本発明のロータリドレッサの製造において、1個又は2個の芯金は、螺入する前に完成品の形状に加工しておくことができ、あるいは、ロータリドレッサの完成品の外側にはみ出す掴みしろなどを有する形状とし、芯金を螺入したのち掴みしろを研削により除去してロータリドレッサの完成品とすることができる。芯金に掴みしろを設けることにより、芯金の螺入作業が容易となる。
【0010】図9は、本発明のロータリドレッサの他の態様の断面図である。本態様のロータリドレッサは、ダイヤモンド層1の内周に樹脂層2を有し、芯金は第1の芯金7及び第2の芯金8の2個の部分よりなる。樹脂層の内周面には、第1の芯金及び第2の芯金と螺合する2個の雌ネジが設けられている。第1の芯金は、樹脂層に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジが設けられ、外周面の一部において樹脂層と接触しない状態に外径が小さくなって樹脂層との間に間隙を有する。第2の芯金は、第1の芯金と樹脂層との間隙を埋める形状であり、樹脂層に設けられた雌ネジと螺合する雄ネジが設けられている。第1の芯金を螺入したのち、第2の芯金を、その内周面が外径が小さくなった第1の芯金の外周面と接し、第2の芯金の外周面に設けられた雄ネジが樹脂層の内周面に設けられた雌ネジと螺合するよう、第1の芯金と樹脂層の間隙に螺入する。あるいは、芯金の螺入の順序を逆にして、第2の芯金を螺入したのち第1の芯金を螺入することができる。本態様のロータリドレッサにおいては、第1の芯金及び第2の芯金の外端部に円環部9を設け、芯金を樹脂層に螺入し接合したとき、円環部により樹脂層の端面を被覆する。図9に示す態様のロータリドレッサは、第1の芯金と第2の芯金に設ける2個の雄ネジ及び樹脂層に設ける2個の雌ネジが同一寸法であるために工作が容易であり、芯金と樹脂層の接合がネジにより行われるため、接合作業が容易であり、接合強度と精度が高くなる。また、樹脂層の端面が、芯金に設けた円環部により被覆されているので、外観が良好であり、衝撃により樹脂層の端面に傷がつくことがなく、使用中に研削液などがかかって樹脂層の膨潤や浸蝕を生ずることがない。図10は、本発明のロータリドレッサの他の態様の断面図である。本態様のロータリドレッサは、円環部9が第1の芯金7及び第2の芯金8と一体でなく、別個の部品となっている。第1の芯金及び第2の芯金を樹脂層に螺入し接合したのち、樹脂層の端面に2個の円環部を接着剤などにより接合し、円環部により樹脂層の端面を被覆する。図10に示す態様のロータリドレッサは、第1の芯金、第2の芯金及び円環部の形状が簡単であるために工作が容易である。また、樹脂層の端面が、円環部により被覆されているので、外観が良好であり、衝撃により樹脂層の端面に傷がつくことがなく、使用中に研削液などがかかって樹脂層の膨潤や浸蝕を生ずることがない。本発明のロータリドレッサは、樹脂層と芯金の接合をネジの螺合を利用して行うので、工作作業が容易であり、工作精度及び接合強度が高い。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1両端部の直径90mm、中央部の最大直径95mm、厚さ55mmの図3に示す形状及び構造を有するロータリドレッサを作製した。外径150mm、両端部の内径90mm、中央部の最大内径95mm、厚さ55mmのスチール製の母型をNC旋盤で加工し、ダイヤモンド層以外をマスキングした。この母型をスルファミン酸ニッケル溶液よりなるニッケルメッキ浴に浸漬し、JIS B 4130に定める粒度が40/50の天然ダイヤモンド砥粒を母型内周面に充填した。次いで、電流密度1A/dm2で4時間通電してダイヤモンド砥粒の一層分を仮固定し、余剰のダイヤモンド砥粒を除去したのち、さらに電流密度2A/dm2で90時間ニッケルメッキを継続し、最終的に厚さ3mmのダイヤモンド層を形成した。母型及びダイヤモンド層に、2枚のアクリル樹脂製の側面板を取り付け、回転しながらエポキシ樹脂[日本チバカイギー(株)AV138]100重量部、硬化剤[日本チバカイギー(株)HY998]40重量部及びタングステン粉末(#1500)514重量部の混合物を注入し、遠心力により樹脂混合物がダイヤモンド層に押し付けられた状態で、常温で1時間硬化した。回転を止めて1日放置後、恒温器に入れて70℃で3時間保持した。樹脂層に直径80mmの円筒状の穴を研削加工し、その両端部を2mm幅で直径86mmに切削加工し、さらに片側端部にM82×1.0、ネジ部長さ10mmの雌ネジを加工した。直径86mm、厚さ2mmの円柱形、直径80mm、厚さ33mmの円柱形及び直径71mm、厚さ20mmの円柱形を積み重ねた形状で、中央に直径43mmの穴を有し、直径80mmの部分の片側端部にM82×1.0、ネジ部長さ10mmの雄ネジ、直径71mmの部分の端部にM72×1.0、ネジ部長さ10mmの雄ネジを有する図6に示されている形状の第1の芯金を、鉄材(S45C)を用いて作製した。さらに、直径86mm、厚さ2mmの円柱形及び直径80mm、厚さ18mmの円柱形を積み重ねた形状で、中央に直径71mmの穴を有し、内周面の端部にM72×1.0、ネジ部長さ10mmの雌ネジを有し、直径80mmの外周に幅3mm、深さ2mmの中心軸に平行な直線状のエア逃がし溝3本を有する図7に示されている形状の第2の芯金を、鉄材(S45C)を用いて作製した。第1の芯金と樹脂層の接触面にエポキシ樹脂[日本チバカイギー(株)AV138]100重量部と硬化剤[日本チバカイギー(株)HY998]40重量部を混合した接着剤を塗付し、第1の芯金を樹脂層に螺入して図6に示される状態とした。さらに、第2の芯金と樹脂層の接触面及び第2の芯金と第1の芯金の接触面に同じ接着剤を塗付し、第2の芯金を第1の芯金と樹脂層の間隙に螺入した。エア逃がし溝から空気が抜け、第2の芯金の螺入を円滑に行うことができた。室温で1日放置後、恒温器に入れて70℃に3時間保持し、接着剤を硬化させた。その後、母型をNC旋盤で切削除去し、さらに、アルミナ砥石によるドレッシングでダイヤモンド砥粒の突出量を50μmにして、図3に示す形状及び構造を有するロータリドレッサを完成した。得られたロータリドレッサのダイヤモンド層外周面について、真円度測定器[(株)東京精密製、ロンコム30B型]による測定を行ったところ、真円度は6〜7μmであった。さらに、WA砥石(M)を使用し、200μm/revの速度で0.1mm切り込む衝撃テストを100回繰り返したのち、真円度を測定したところ、衝撃テスト終了後の真円度は6〜7μmであった。
比較例1ダイヤモンド層の形状が実施例1と同じ両端部の直径90mm、中央部の最大直径95mm、厚さ55mmで、図11に示す構造の、芯金及び樹脂層にネジが設けられていないロータリドレッサを作製した。ダイヤモンド層及び樹脂層は、実施例1と同じ操作により形成した。また、鉄材(S45C)を用いて、直径80mm、厚さ18mmの円柱形、直径75mm、厚さ19mmの円柱形及び直径71mm、厚さ18mmの円柱形を積み重ねた形状で、中央に直径43mmの穴を有する芯金を作製した。樹脂層を鉄芯金の形状に合わせて切削加工し、鉄芯金表面及び切削加工した樹脂層表面に、エポキシ樹脂[日本チバカイギー(株)AV138]100重量部と硬化剤[日本チバカイギー(株)HY998]40重量部を混合した接着剤を塗付し、芯金を樹脂層に挿入した。室温で1日放置後、恒温器に入れて70℃に3時間保持し、接着剤を硬化させた。その後、母型をNC旋盤で切削除去し、さらに、アルミナ砥石によるドレッシングでダイヤモンド砥粒の突出量を50μmにして、図11に示す形状及び構造を有するロータリドレッサを完成した。実施例1と同様にして、真円度を測定した。得られたロータリドレッサのダイヤモンド層外周面の真円度は8〜9μmであった。また、衝撃テストを100回繰り返したのちの真円度は12〜15μmであった。実施例1及び比較例1の結果から、芯金と樹脂層の接合をネジ及び接着剤によって行った本発明のドレッサは、芯金と樹脂層の接合を接着剤のみにより行った比較例1のドレッサより精度が優れていることが分かる。さらに、芯金と樹脂層の接合作業は、本発明のドレッサの方が比較例1のドレッサより、はるかに容易であった。
【0012】
【発明の効果】本発明のロータリドレッサは、ダイヤモンド層が樹脂層により保持され、樹脂層がネジによって芯金に接合されるので、ダイヤモンド層面の歪みが小さく、製作が容易であり、工作精度と接合強度に優れている。さらに、樹脂層と芯金の接触面に接着剤を塗付することにより、接合強度は一層向上し、芯金に円環部を設けて樹脂層の端面を被覆することにより、樹脂層の端面の傷や浸蝕を防止することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013