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発明の名称 高耐熱性深絞り容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−216871
公開日 平成10年(1998)8月18日
出願番号 特願平9−17025
出願日 平成9年(1997)1月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 郁男
発明者 相沢 正徳 / 松岡 喜久夫 / 持田 隆明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 有機樹脂がプレコートされた金属素材を絞り・再絞りして成る容器において、プレコート樹脂層がガラス転移点(Tg)が160℃以上で且つ非晶質の下記式(1)

式中、Φは置換または未置換のフェニレン基であり、Yはアルキリデン基またはスルフォン基であり、nはゼロまたは1であり、mはゼロまたは1であって、nがゼロの時はmはゼロであり、nが1の時はmはゼロまたは1であるものとする、で表される反復単位を有する熱可塑性樹脂であり且つ総絞り比が2.5以上の範囲にあることを特徴とする耐熱性深絞り容器。
【請求項2】 前記非晶質熱可塑性樹脂がポリエーテルスルフォンである請求項1に記載の耐熱性深絞り容器。
【請求項3】 前記プレコート樹脂層が樹脂当たり1乃至15重量%のストロンチュウムクロメートを含有するものである請求項1または2に記載の耐熱性深絞り容器。
【請求項4】 金属素材が金属スズ、金属クロムまたは金属ニッケルを含む表面処理膜を備えた厚さが0.06乃至0.20mmの鋼箔乃至鋼板である請求項1乃至3の何れかに記載の耐熱性深絞り容器。
【請求項5】 容器の状態でのプレコート樹脂層の垂れ開始温度が260℃以上である請求項1乃至4の何れかに記載の耐熱性深絞り容器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性深絞り容器に関するもので、より詳細には、プレコート樹脂層を有する金属素材の深絞り成形で形成され、卓越した加工性と耐熱性とを有する深絞り容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目缶(サイド・シームレス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスとポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側面継目のない胴部と該胴部に、継目なしに一体に接続された底部とから成るカップに形成し、次いで所望により前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知られている。また、しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コーナ部で曲げ伸ばして側壁部を薄肉化することも既に知られている(特公昭56−501442号公報)。
【0003】また、側面無継目缶の有機被覆法としては、一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を施す方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルムをラミネートしたり、或いは樹脂塗料を施す方法が知られており、特公昭59−34580号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラメチレングリコールとから誘導されたポリエステルフィルムをラミネートしたものを用いることが記載されている。また、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、ビニルオルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエステル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知の樹脂プレコート金属の深絞り容器、例えばポリエステル被覆金属の深絞り容器は、レトルト殺菌温度に耐える程度の耐熱性は有しているが、260℃以上の高温に長時間曝されると、熱減成が著しく、また被覆の垂れや皮膜のざらつきを生じるという欠点がある。
【0005】一方、耐熱性樹脂として、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等も知られているが、これらの耐熱性樹脂をプレコートした金属素材は、トレー等の浅絞り成形には耐えることができるとしても、総絞り比が2.5以上の深絞り成形には到底耐えることができない。
【0006】従って、本発明の目的は、内部からの加熱或いは外部からの加熱に対して高度の耐熱性を有し、しかも高度の絞り加工が可能となった樹脂プレコート金属板からの深絞り容器を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、有機樹脂がプレコートされた金属素材を絞り・再絞りして成る容器において、プレコート樹脂層がガラス転移点(Tg)が160℃以上で且つ非晶質の下記式(1)

式中、Φは置換または未置換のフェニレン基であり、Yはアルキリデン基またはスルフォン基であり、nはゼロまたは1であり、mはゼロまたは1であって、nがゼロの時はmはゼロであり、nが1の時はmはゼロまたは1であるものとする、で表される反復単位を有する熱可塑性樹脂であり且つ総絞り比が2.5以上の範囲にあることを特徴とする耐熱性深絞り容器が提供される。
【0008】本発明の耐熱性深絞り容器においては、1.前記非晶質熱可塑性樹脂がポリエーテルスルフォンであること、2.前記プレコート樹脂層が樹脂当たり1乃至15重量%のストロンチュウムクロメートを含有するものであること、3.金属素材が金属スズ、金属クロムまたは金属ニッケルを含む表面処理膜を備えた厚さが0.06乃至0.20mmの鋼箔乃至鋼板であること、4.容器の状態でのプレコート樹脂層の垂れ開始温度が260℃以上であること、が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、有機樹脂がプレコートされた金属素材を絞り・深絞りして成る容器に関するが、プレコート樹脂層として、ガラス転移点(Tg)が160℃以上、特に180乃至250℃で且つ非晶質の前記式(1)で表される反復単位から成る熱可塑性樹脂を用いたこと、及びこの有機樹脂プレコート金属素材を総絞り比が2.5以上、特に3.0乃至3.7となるように絞り・再絞り成形したことが特徴である。
【0010】即ち、このプレコート樹脂を用いることにより、ガラス転移点が160℃以上と高温であるにもかかわらず、総絞り比が2.5以上という高度の絞り・再絞り加工が可能となると共に、形成される容器の耐熱性は顕著に向上し、容器は直火による加熱も可能となるものである。
【0011】本発明に用いる前記式(1)の熱可塑性樹脂が高度の絞り・再絞り加工に耐える加工性を有するという事実は、多くの実験の結果現象として見いだされたものであり、その理由は未だ不明であるが、この樹脂の主鎖骨格中には、エーテル基(式(1)中、n及びmが共にゼロ)、炭酸エステル基(式(1)中、mがゼロ、nが1)或いはエステル基(式(1)中、n及びmが共に1)が存在し、これらの基が加工性に寄与していると信じられる。また、熱可塑性樹脂が非晶質であることも絞り・再絞り加工時の加工性に役立っていると信じられる。
【0012】本発明のプレコート樹脂金属素材からの容器は、高い熱安定性と酸化安定性を示し、例えば空気中で重量が5%減少する温度は450℃以上であり、また200℃付近までの弾性率の保持率は50%以上である。また、プレコート樹脂層の垂れ開始温度は260℃以上と高く、耐熱被覆効果においても優れている。これは、本発明に用いる熱可塑性樹脂が160℃以上という高いガラス転移点を有することによると共に、重合体の主鎖となる炭素骨格が、フェニレンプロピリデンフェニレン鎖やフェニレンスルフォンフェニレン鎖或いは更にフェニレン鎖であり、脂肪族性の基を含有していないことにも関連していると思われる。
【0013】本発明に用いるプレコート層樹脂は、160℃以上のガラス転移点を有する非晶質の熱可塑性樹脂であることも極めて重要である。結晶性の熱可塑性樹脂では、温度上昇により強度等の機械的性質が急激に低下していく傾向が大きいが、非晶質でありながら、ガラス転移点が上記のように高い熱可塑性樹脂を用いることにより、高温での物性の低下を抑制しながら、しかも高い加工性を確保することができる。
【0014】[プレコート層]本発明に用いるプレコート樹脂は、前記式(1)で表されるが、式中のn及びmがゼロであるか1であるかによっていくつかの樹脂に分けられる。
【0015】(A)スルホン基及びエーテル基含有樹脂式(1)において、n及びmが共にゼロであり、Yがスルフォン基である場合、この樹脂は下記式(2)
【化1】

で表されるポリエーテルスルフォンとなる。
【0016】このポリエーテルスルフォンは、例えば英国特許第1016245号及び第1153035号明細書にそれらの物性及び製法が記載されており、住友化学工業(株)等より、容易に入手しうる。
【0017】また、式(1)において、n及びmが共にゼロであり、Yがスルフォン基とアルキリデン基(例えばプロピリデン基)の組み合わせである場合、この樹脂は下記式(3)
【化2】

で表されるポリスルフォンとなる。
【0018】このポリスルフォンは、例えば英国特許第1078234号明細書にそれらの物性及び製法が記載されており、Amoco社等より、容易に入手しうる。
【0019】(B)ポリカーボネート式(1)において、nが1であり、mがゼロである場合、Yがアルキリデン基である場合、この樹脂は下記式(4)
【化3】

で表されるポリカーボネートとなる。
【0020】上記ポリカーボネートは、例えばビスフェノール類とホスゲンとの反応により得られる樹脂であり、汎用のポリカーボネート樹脂として、帝人化成(株)等より容易に入手しうる。
【0021】(C)ポリアリレート式(1)において、n及びmが共に1であり、Yがアルキリデン基である場合、この樹脂は下記式(5)
【化4】

で表されるポリアリレートとなる。
【0022】上記ポリアリレートは、テレフタル酸或いはイソフタール酸とビスフェノール類との縮重合により得られ、ユニチカ(株)より容易に入手しうる。
【0023】上記の熱可塑性樹脂の内でも、高度の耐熱性が要求される場合には、ポリエーテルスルフォンを用いることが望ましい。即ち、ポリエーテルスルフォンは、脂肪族単位を含有しないため、高い熱安定性と酸化安定性を示すと共に、スルフォン基(硬いセグメント)の存在により特に高い耐熱性を示し、またエーテル基(柔らかいセグメント)の存在により、加工性に優れている。更にこれらの両セグメントの存在により、非晶質であり、これは、加工性及び高温での機械的性質に顕著な利点をもたらす。即ち、結晶性重合体では、温度上昇による機械的特性、例えば強度の低下が著しいが、ポリエーテルスルフォンは非晶質であるため、このような強度低下は至って少ない。
【0024】勿論、それほど厳密な耐熱性が要求されないような容器の用途には、ポリスルフォン、ポリカーボネート或いはポリアリレートを使用できることが了解されるべきである。また、これらの樹脂は単独でも或いは2種以上の組み合わせでも使用できることが理解されるべきである。
【0025】本発明に用いる熱可塑性樹脂は、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、一般にジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度が0.05以上の範囲にあるのが望ましい。
【0026】[金属素材]本発明では、金属素材としては各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板或いはそれらの金属箔が使用される。
【0027】表面処理鋼板乃至箔としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを用いることができる。好適な表面処理鋼板乃至箔の一例は、電解クロム酸処理鋼板乃至鋼箔であり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板乃至鋼箔の他の例は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有するブリキ板乃至ブリキ箔である。このブリキ板乃至箔は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはクロム酸−リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0028】更に他の例としては、アルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板乃至箔や金属ニッケルを施したニッケル被覆鋼板乃至箔が用いられる。
【0029】軽金属板としては、所謂アルミニウム板乃至箔の他に、アルミニウム合金板乃至箔が使用される。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金板乃至箔は、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものである。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0030】金属板乃至箔の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB )は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.06乃至0.35mmの厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板乃至箔の場合には、0.06乃至0.20mmの厚み、また軽金属板乃至箔の場合には0.12乃至0.35mmの厚みを有するのがよい。
【0031】[プレコート金属素材の製造]本発明の容器の製造に用いるプレコート金属素材は、前記熱可塑性樹脂を適当な溶剤に溶解乃至分散させ、この溶液乃至分散液を金属素材に塗布し乾燥することにより得られる。
【0032】前記熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、塩化メチレン等のそれ自体公知の溶媒が使用される。
【0033】塗布液の濃度は、特に制限されないが、一般に樹脂固形分が10乃至40重量%、特に15乃至30重量%となる範囲のものが、塗装性と、経済的見地とから望ましい。
【0034】上記塗布液には、それ自体公知の塗料用配合剤、例えば顔料、レベリング剤、滑剤、可塑剤、機能性顔料等を配合することができる。
【0035】この塗布液に用いる顔料の適当な例は次の通りであるが、勿論これに限定されない。
黒色顔料カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。黄色顔料黄鉛、亜鉛黄、バリウムチタンイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料チタンコバルトグリーン、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG。
白色顔料亜鉛華、二酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉。
【0036】上記顔料は、樹脂100重量部当たり、40重量部以下、特に0.5乃至30重量部の量で使用するのがよい。
【0037】また、塗布層に平滑性を付与するために、それ自体公知のレベリング剤、例えばシリコーン樹脂を配合することができる。このレベリング剤は、樹脂100重量部当たり20重量部以下、特に1乃至10重量部の量で用いるのがよい。
【0038】本発明で使用する塗布液には、形成されるプレコート層の外面に滑り性を付与するための滑剤を配合することができる。滑剤としては、(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトールエステル等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられる。これらの滑剤は、樹脂100重量部当たり30重量部以下、特に0.1乃至20重量部の量で用いるのがよい。
【0039】また、本発明に用いる熱可塑性樹脂中に、プレコート層に加工性や密着性を付与するために、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂を含有させることもできる。
【0040】更に、本発明に用いる熱可塑性樹脂中にストロンチュウムクロメートを含有させると、絞り・再絞り加工時の成形性が顕著に向上させうることが分かった。このストロンチュウムクロメートは樹脂当たり、1乃至15重量%の量で用いるのがよい。
【0041】塗布液の金属素材への塗布は、グラビアロール塗装、通常のコーティングロールによる塗装、スプレー塗装、静電塗装、電気泳動塗装等を用いて行うことができる。
【0042】金属素材に対するプレコート層の厚みは、樹脂として、一般に2乃至50μm、特に3乃至40μmの範囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲を下回ると、樹脂による保護効果が不十分であり、一方上記範囲を上回ると、加工時にプレコート層にクラックが入るなど加工性の点で不十分となる傾向がある。
【0043】塗膜の乾燥は、溶剤が揮発する条件で行えばよく、一般に150乃至500℃の温度で行うのがよい。塗膜の乾燥乃至焼き付けには、熱風乾燥炉、赤外線加熱炉等を用いることができる。
【0044】本発明では、前述した熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を含む組成物を所謂ラミネート法によりプレコートしてもよい。即ち、前述した熱可塑性樹脂等のフィルムを、樹脂の融着温度以上の温度に加熱された金属素材上に供給し、この集合体をラミネートロールのニップ位置に供給して冷却下に圧着させればよい。
【0045】[容器及びその製造法]本発明に用いるプレコート金属素材の断面構造の一例を示す図1において、この積層体1は金属基体2とその少なくとも外面側に位置する前記熱可塑性樹脂のプレコート層3とから成っている。金属基体2には内面被膜4が形成されているが、この内面被膜4は前記プレコート層3と同じものであることが好ましいが、通常の缶用塗料や樹脂フィルム被覆であってもよい。
【0046】本発明の深絞り容器の一例を示す図2において、この深絞り容器11は前述したプレコート金属素材1の絞り−再絞り加工により形成され、閉塞底部12と側壁部13とから成っている。側壁部13の上端には所望によりネック部を介してフランジ部14が形成されている。
【0047】本発明の深絞り容器は、上記のプレコート金属素材をブランク(円盤)の形に剪断し、このブランクを大径の浅絞りカップに前絞り成形した後、小径の深絞りカップに少なくとも一段の再絞り成形を行うことにより製造され、この際、総絞り比が2.5以上、特に3.0乃至3.7となるように成形を行うことにより、製造される。
【0048】ここで、総絞り比(Rt)とは、ブランクの径をD、最終容器の径をdとしたとき、下記式Rt=D/dで定義される値である。
【0049】この深絞り容器の製造工程を説明するための図3において、予備工程において、前記プレコート金属素材は、径Dのブランク20に切断される。次いで、前絞り工程において、それ自体公知のポンチとダイスとの組み合わせを用いて、径がd1 <Dの浅絞りカップ21に成形される。
【0050】再絞り工程を説明する図4において、前絞りカップ21を、このカップ内に挿入された環状の保持部材30とその下に位置する再絞りダイス31とで保持する。これらの保持部材30及び再絞りダイス31と同軸に、且つ保持部材内を出入し得るように再絞りポンチ32を配置する。再絞りポンチ32と再絞りダイス31とを互いに噛みあうように相対的に移動させることにより再絞り成形が行われる。即ち、前絞りカップ21の側壁部33は、環状保持部材30の外周面34から、その曲率コーナ部35を経て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材30の環状底面36と再絞りダイス31の上面37とで規定される部分を通り、再絞りダイス31の作用コーナ部38により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ21よりも小径の深絞りカップ22に成形することができる。
【0051】図3に示す具体例の場合、再絞り工程は3段に行われ、第1段の再絞り工程で、径がd2 <d1 の第1段再絞りカップ22に成形され、第2段の再絞り工程で、径がd3 <d2 の第2段再絞りカップ23に成形され、第3段(最終段)の再絞り工程で、径がd<d3 の最終再絞りカップ24に成形される。
【0052】各絞り工程における絞り比は、前段におけるブランク或いはカップの径/その工程におけるカップの絞り径の比が1.1乃至1.9、特に1.2乃至1.6の範囲となるように、各段の絞りを定めるのが加工性と能率の点で有利である。
【0053】この際、再絞りダイスの作用コーナー部の曲率半径(Rd )を、金属素材厚(tB )の1乃至15倍、特に5乃至10倍の寸法とすることにより、上記高ガラス転移点のプレコート層を破壊させることなく、円滑な絞り・再絞り成形が可能となる。
【0054】絞り成形等に際して、被覆金属板或は更にカップに、各種滑剤、例えば流動パラフィン、合成パラフィン、食用油、水添食用油、パーム油、各種天然ワックス、ポリエチレンワックスを塗布して成形を行うのがよい。滑剤の塗布量は、その種類によっても相違するが、一般に0.1乃至10mg/dm2 、特に0.2乃至5mg/ dm2 の範囲内にあるのがよく、滑剤の塗布は、これを溶融状態で表面にスプレー塗布することにより行われる。
【0055】最終絞りカップに耳を残留させ、この耳から密封用のフランジ或いはビードを形成させることができる。このフランジ或いはビードの形成は、この部分を300乃至700℃の温度に加熱して焼鈍し、加工性を向上させて行うことも可能である。密封はフランジ部、ビード部と蓋材との熱接着あるいはビード部に蓋材を嵌合することにより行うことができる。
【0056】本発明の容器は、開封後内容物を直火で加熱し、或いは内容物を容器内に内容物とは別個に収容された加熱源、例えば石灰と水との反応により、加熱するような容器として有用である。
【0057】
【実施例】本発明を次の例により更に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0058】実施例・比較例で用いた容器評価法は特記しない限り、次の通りである。
【0059】(加工性)プレコート樹脂被覆層の白化、亀裂の程度により判定した。
◎:金属基体のシワ、プレコート樹脂被覆層の白化、傷などの欠点がみられないもの○:金属基体のシワ、プレコート樹脂被覆層の欠点はみられないが、白化がわずかに認められるもの△:部分的に金属基体にシワが入ったり、缶胴部のプレコート樹脂被覆が部分的に白化しているもの×:金属基体にシワが多発したり、プレコート樹脂被覆に亀裂が生じているもの【0060】(密着性)プレコート樹脂被覆層に碁盤目状に金属基体に達するクロスカットを入れた後、プレコート樹脂被覆層の剥離の程度を判定した。
◎:クロスカットを入れても強固に密着して剥離しないもの○:クロスカットにより密着力の低下が若干認められるもの△:クロスカットを入れるとプレコート樹脂被覆層が剥離するもの×:クロスカットをいれなくとも、プレコート樹脂被覆層が剥離しているもの【0061】(耐熱性)容器を、ガスコンロで4分間加熱した後のプレコート樹脂被覆層の剥がれ、プレコート樹脂被覆層の溶融状態の観察により判定した。
◎:プレコート樹脂被覆層の剥がれ、溶融が全く見られないもの△:プレコート樹脂被覆層の一部に剥がれ、溶融が見られるもの×:容器全面にプレコート樹脂被覆層の剥がれ、溶融が見られるもの【0062】(垂れ開始温度)熱風炉の温度を200℃から5℃毎に設定し、11ケの容器を10分間熱風に暴露した後、垂れが原因のプレコート樹脂被覆の剥がれ、被覆状態を室温にて観察した。6ケ以上の容器に剥がれや被覆に変化があった場合はその温度を垂れ開始温度とした。なお、試験温度葉360℃までとした。
【0063】実施例1(プレコート樹脂溶液の作成)25℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.26のポリエーテルスルフォン樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0064】(高耐熱性深絞り容器の作成、評価)厚み0.075mmの電解クロム酸処理鋼箔の両面に上記プレコート樹脂溶液をロールコート法により塗布し、270℃の温度で乾燥して、乾燥膜厚5μmのプレコート樹脂被覆を有する積層体を作成した。積層体の両面に潤滑剤のパーム油を塗布した後、下記の絞りと3段の再絞り成形に供し、直径36mmの総絞り比が3.0である深絞り容器をプレスにより作成した。
カップ絞り比: 1.741段絞り比: 1.242段絞り比: 1.253段絞り比: 1.11最終絞りカップから幅2mmのフランジを形成した後、所定の評価に供した。評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0065】実施例2プレコート樹脂溶液の作成を下記するように変更した以外は実施例1と同様の試験を行った。
【0066】(プレコート樹脂溶液の作成)25℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.40のポリスルフォン樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。深絞り容器の評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0067】実施例3(プレコート樹脂溶液の作成)ポリアリレート樹脂P5001(ユニチカ(株)社製)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0068】(高耐熱性深絞り容器の作成、評価)厚み0.075mmのニッケルメッキ鋼箔の両面に上記プレコート樹脂溶液をロールコート法により塗布し、300℃の温度で乾燥して、乾燥膜厚5μmのプレコート樹脂被覆を有する積層体を作成した。積層体の両面に潤滑剤のパーム油を塗布した後、下記の絞りと2段の再絞り成形に供し、直径39mmの総絞り比が2.8である深絞り容器をプレスにより作成した。
カップ絞り比: 1.801段絞り比: 1.252段絞り比: 1.23最終絞りカップから幅2mmのフランジを形成した後、所定の評価を供した。評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0069】実施例4(プレコート樹脂溶液の作成)帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂L−1225Yと25℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.17のポリエーテルスルフォン樹脂とを重量比で75/25で混合後、塩化メチレンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0070】(高耐熱性深絞り容器の作成、評価)厚み0.075mmの電解クロム酸処理鋼箔の両面に上記プレコート樹脂溶液をロールコート法により塗布し、350℃の温度で乾燥して、乾燥膜厚5μmのプレコート樹脂被覆を有する積層体を作成した。積層体の両面に潤滑剤のパーム油を塗布した後、下記の絞りと2段の再絞り成形に供し、直径40mmの総絞り比が2.7である深絞り容器をプレスにより作成した。
カップ絞り比: 1.741段絞り比: 1.292段絞り比: 1.20最終絞りカップから幅2mmのフランジを形成した後、所定の評価を供した。評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0071】実施例5(プレコート樹脂溶液の作成)25℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.11のポリエーテルスルフォン樹脂と前記樹脂100部当たり15重量部のストロンチュウムクロメートをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0072】(高耐熱性深絞り容器の作成、評価)厚み0.075mmの電解クロム酸処理鋼箔の両面に上記プレコート樹脂溶液をロールコート法により塗布し、300℃の温度で乾燥して、乾燥膜厚5μmのプレコート樹脂被覆を有する積層体を作成した。積層体の両面に潤滑剤のパーム油を塗布した後、下記の絞りと3段の再絞り成形に供し、直径31mmで総絞り比が3.5である深絞り容器をプレスにより作成した。
カップ絞り比: 1.801段絞り比: 1.252段絞り比: 1.263段絞り比: 1.22最終絞りカップから幅2mmのフランジを形成した後、所定の評価を供した。評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0073】実施例6(高耐熱性深絞り容器の作成)厚み0.120mmのクロム酸/リン酸処理のアルミニウム合金板の両面に実施例1に記載したプレコート樹脂溶液をロールコート法により塗布し、250℃の温度で乾燥して、乾燥膜厚5μmのプレコート樹脂皮膜を有する積層体を作成した。積層体の両面に潤滑剤のパーム油を塗布した後、下記の絞りと2段の再絞り成形に供し、直径43mmの総絞り比が2.5である深絞り容器をプレスにより作成した。
カップ絞り比: 1.711段絞り比: 1.262段絞り比: 1.16次いで、300℃の温度の加熱して焼鈍処理を施した。最後に開口部のビード加工を行い、深絞り容器を作成し、所定の評価に供した。 評価結果を表1に示す。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた優れたキャップ密封できる高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0074】実施例7プレコート樹脂溶液の作成を下記する条件で作成したことおよび絞り容器の直径を41mmに変更した以外は実施例5と同様の試験を行った。
(プレコート樹脂溶液の作成)25℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.09のポリエーテルスルフォン樹脂と前記樹脂100部当たり6重量部のストロンチュウムクロメートと1重量部のカーボンブラックをN−メチルピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0075】(容器蓋材の作成)2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/アルミニウム箔(20μm)の積層体を公知の方法にて作成した。次いでアルミニウム箔の表面に実施例1に記載したプレコート樹脂塗料をロールコート法により塗布し乾燥膜厚5μmのポリエールスルフォン層を有する積層蓋材を作成した。
【0076】(深絞り容器の評価)作成した深絞り容器の評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器に生石灰を充填後、容器フランジ部と前記容器蓋材の間でヒートシールを行い密封容器を作成した。液体の収容部と密封容器の保持部を有する外容器を用意し、外容器に15℃の水を200cc入れ、密封容器外面を水とが接する態様で保持部で固定した。最後に、蓋材を一部分取り除き、スポイトで水を滴下させた。絞り容器の高さが高く、水の対流が速く、従来品より短時間の5分後に水は70℃の温度に達した。また内面のプレコート樹脂の剥がれ、溶融はなく発熱反応は阻害されていなかった。以上のことから、本深絞り容器は加熱内容物とは別個に収容された加熱源の容器としても有用である。
【0077】実施例825℃でのジメチルホルムアミド中1g/dlの濃度、25℃で測定した固有粘度0.60のポリエーテルスルフォン樹脂を押出成形し、厚み20μmのフィルムを作成した。このフィルムを用いて、厚み0.180mmの電解クロム酸処理鋼板の両面に350℃の温度で熱ラミネートを行った積層体を使用する以外は、実施例5と同様の試験を行った。深絞り容器の評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られなかった。加工性、密着性、耐熱性を兼ね備えた直火加熱できる優れた高耐熱性深絞り容器が得られた。
【0078】比較例1プレコート樹脂溶液の作成を下記するように変更した以外は実施例5と同様の試験を行った。
(プレコートフィルムの作成)テレフタル酸/イソフタル酸(モル比88/12)とエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂を溶融押し出しし、急冷固化して未延伸フィルムを作成した。次いで該未延伸フィルムを縦、横方向に延伸して、厚み25μmの2軸延伸フィルムを作成した。
(高耐熱性深絞り容器の作成、評価)前記2軸延伸フィルムを、240℃に加熱された厚み0.075mmの電解クロム酸処理鋼箔の両面上に供給し、この集合体をラミネートロールのニップ位置に供給して冷却下に圧着させることにより積層体を作成した。評価結果を表1に示す。次いで、深絞り容器を、ガスコンロで10分間加熱した。その結果プレコート樹脂被膜の剥離は見られた。本例の容器は耐熱性が不十分であり、高耐熱性深絞り容器は得られなかった。
【0079】比較例2プレコート樹脂溶液の作成と乾燥条件を下記するように変更した以外は実施例1と同様の試験を行った。
(プレコート樹脂溶液の作成)式(6)に示すポリアミドイミドの前駆体のアミック酸をN−メチルピロリドンに溶解させ、固形分25wt%のプレコート樹脂溶液を作成した。
【0080】
【化5】

(積層体作成時の乾燥条件)250℃、1分とした。評価結果を表1に示す。本例の1段再絞り工程において、プレコート樹脂被膜が剥離、亀裂が生じ成形性、密着性に劣り、高耐熱性深絞り容器は得られなかった。
【0081】比較例3プレコート樹脂溶液の作成と乾燥条件を下記するように変更した以外は実施例1と同様に深絞り容器の作成および評価を行った。
(樹脂溶液の作成)エポキシ樹脂エピコート#1009(シェル社製)とフェノール樹脂(二核体)の重量比で80/20の混合物をMEK、MIBK、キシレンの混合溶剤に溶解させ、固形分28wt%のエポキシ/フェノール系プレコート樹脂溶液を作成した。
(積層体作成時の乾燥条件)200℃、10分とした。評価結果を表1に示す。本例の2段再絞り工程において、プレコート樹脂被膜が剥離、亀裂が生じ成形性、密着性に劣り、高耐熱性深絞り容器は得られなかった。
【0082】比較例4実施例5においてストロンチュウムクロメートの重量比を20wt%に変更した以外は、同様の試験を行った。評価結果を表1に示す。本例の3段再絞り工程において、プレコート樹脂被膜に白化が生じ、また密着性評価でクロスカットにより剥離が生ずる等成形性、密着性に劣り、高耐熱性深絞り容器は得られなかった。
【0083】
【表1】

【0084】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス転移点(Tg)が160℃以上で且つ非晶質の前記式(1)の熱可塑性樹脂、特にポリエーテルスルフォンを、金属素材のプレコート層として用いたことにより、高度の絞り加工が可能となり、本発明の目的は、内部からの加熱或いは外部からの加熱に対して高度の耐熱性を有する深絞り容器を提供することが可能となった。




 

 


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