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発明の名称 濾過システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−249112
公開日 平成10年(1998)9月22日
出願番号 特願平9−81852
出願日 平成9年(1997)3月14日
代理人
発明者 白石 仁士 / 武田 知久 / 宮脇 誠治 / 吉岡 一夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 貯水槽1の原水を循環させて濾過するシステムであって、前記原水の循環ライン2に回転ドラム式濾過装置4を設け、この回転ドラム式濾過装置4の上流側または下流側のいずれか一方に、凝集剤を注入する薬注装置5を設けたことを特徴とする濾過システム。
【請求項2】 廃棄水を濾過して排出する排水ライン25に凝集剤を注入する薬注装置5を設け、この薬注装置5の下流側にバランシングタンク3と回転ドラム式濾過装置4を設けたことを特徴とする濾過システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転ドラム式濾過装置を使用してプールや工業用水等の水を濾過する濾過システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プールや工業用水等の水を濾過する装置として、図5に示すような濾過装置31が知られている。この濾過装置31は、図5に示すように、濾材32(たとえば、アンスラサイト,砂等)を所定量充填した缶体33と、この缶体33内に設けた上部集水管34および下部集水管35を備えた流水管36と、この流水管36に連通する原水入口37,濾過水出口38およびドレン出口39のそれぞれの流路を切換えるコントロールバルブ40からなっている。この濾過装置31の通水工程は、前記コントロールバルブ40を操作して、原水を前記原水入口37,流水管36および上部集水管34を介して前記缶体33内に流入させ、濾層を下向流として通水し、前記下部集水管35および流水管36を介して濾過水出口38より処理水を供給するようにしている。
【0003】しかしながら、上記構成の濾過装置31においては、たとえばプールの水中に溶存している夾雑物(たとえば、汗,油,塵埃等の有機物)を濾過するため、多量の凝集剤(たとえば、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム等)を常時投入し、前記夾雑物を凝集させて濾過し、処理水を前記プールへ還流させている。また、この濾過装置31を用いて工業用水を排水する場合も、水質汚濁防止法の排水基準をクリヤするため、排水ラインに前記凝集剤を多量に注入して排出している。したがって、前記濾過装置31で原水を濾過するためには、高価な凝集剤を多量に使用する必要から経済的に問題となっている。
【0004】ところで、前記凝集剤は、夾雑物の濃度と凝集剤の特性にもよるが、夾雑物のほぼ全量が凝集するための添加量が適正量として投入される。通常、適正量の凝集剤を投入すると、前記のような従来の濾過装置31にあっては、ダストの量が増加し、通水量が低下したり、詰まりに至る時間が短くなる等の問題が発生している。このような問題点に対して、従来は、能力の大きい濾過装置を設置せざるを得ない状態であり、これに起因して凝集剤の投入過多が生じている。この投入過多により、プールや浴槽等に凝集剤が流入し、後沈によりプール内や浴槽内が汚れる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記問題点に鑑み、高価な凝集剤の使用量を低減できる濾過システムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、貯水槽の原水を循環させて濾過するシステムであって、前記原水の循環ラインに回転ドラム式濾過装置を設け、この回転ドラム式濾過装置の上流側または下流側のいずれか一方に、凝集剤を注入する薬注装置を設けたことを特徴としており、また請求項2に記載の発明は、廃棄水を濾過して排出する排水ラインに凝集剤を注入する薬注装置を設け、この薬注装置の下流側にバランシングタンクと回転ドラム式濾過装置を設けたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明すると、この発明は、貯水槽(たとえば、プール)の原水を循環させて濾過する濾過システムにおいて実現される。この濾過システムは、前記貯水槽の原水を濾過する循環ラインを設け、この循環ラインに回転ドラム式濾過装置を設けるとともに、凝集剤を注入する薬注装置を設けた構成としている。前記回転ドラム式濾過装置は、外周面に濾布を張設した回転ドラムを濾過槽内に回転自在に配置し、前記回転ドラムの内側へ原水を導入し、前記回転ドラムを回転しながら濾過を行う構成としている。この回転ドラム式濾過装置の濾布は、その濾過精度が約10μ程度であり、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム等の凝集剤による凝集が不充分であっても(すなわち、夾雑物のほぼ全量が凝集しなくても)、したがって前記適正投入量を投入しなくても、通水濾過することができる。この結果、夾雑物が濾布に詰まらず、しかも通水量を低下させることなく濾過作動を継続することができる。すなわち、前記凝集剤の投入量を適正量から大幅に減少させることができる。そして、前記濾布の外面に対し、前記回転ドラムの回転方向の下流側へ向かう噴流束として洗浄水を流下させる逆洗手段を設けることにより、濾過精度を向上させている。一方、前記薬注装置は、前記凝集剤を所定量(適正投入量の約1/10程度)ずつ原水中へ定期的に注入している。
【0008】以上のように、この発明の濾過システムは、従来の濾過装置に比し濾過精度の高い回転ドラム式濾過装置を適用することにより、高価な凝集剤の使用量を低減することができるので、経済的な効果は大きい。
【0009】また、この濾過システムを工業用水等の廃棄水ラインに適用することにより、同等の効果をあげることができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を実施した濾過システムの第一実施例の全体を概略的に示す説明図であり、図2は、図1の回転ドラム式濾過装置の全体を概略的に示す説明図である。
【0011】図1において、この発明の濾過システムは、プール等の貯水槽1の原水を循環させて濾過するシステムであって、前記貯水槽1の原水を循環させる循環ライン2を設け、この循環ライン2に、バランシングタンク3,回転ドラム式濾過装置4および凝集剤を注入する薬注装置5を設けた構成としている。前記バランシングタンク3は、前記貯水槽1の原水を一時貯留し、このバランシングタンク3に貯留した原水を第1ポンプ6で前記回転ドラム式濾過装置4に供給し、処理水は第2ポンプ26で前記貯水槽1へ還流する。
【0012】図2において、この発明において使用される回転ドラム式濾過装置4は、基本的な構成において、回転ドラムが濾過槽7内に設置されてものとして実現される。この濾過槽7は、隔壁8によって区画された原水貯留部9と濾過処理部10とにより構成されており、原水貯留部9と濾過処理部10とは、隔壁8に形成した円形の連通孔11により連通している。そして、濾過処理部10内には、濾過した処理水を一時的に貯留するバッファータンク部12を画成する堰板13が設けられている。
【0013】前記濾過処理部10内には、外周面に濾布14を張設した回転ドラム15が回転自在に収容設置されている。この濾布14は、その濾過表面が回転ドラム15の内側となり、またその裏面が回転ドラム15の外側となるように張設されている。回転ドラム15は、その軸方向の一端側,すなわち前記隔壁8側が開口しており、また他端側,すなわち前記堰板13側が閉鎖したものとして構成されている。そして、前記隔壁8に形成した連通孔11に対して、この一端側の開口がほぼ同一の直径をもって対応しており、したがって前記原水貯留部9内の原水は、前記連通孔11および開口を介して回転ドラム15の内側へ導入される構成となっており、後述するように、回転ドラム15の回転によって、原水は前記濾布14を介して連続的に濾過される。ここにおいて、前記連通孔11と回転ドラム15の開口とは、原水が開口から漏れて、直接前記濾過処理部10へ流入するのを防止するために、詳細な説明は省略するが、弾性シール部材16を用いた適宜なシール構造によりシールされている。また、回転ドラム15の他端の閉鎖側には、回転ドラム15がスラスト荷重により軸方向へ移動するのを規制する軸受17が設けられている。
【0014】ここで、前記濾布14について説明すると、この濾布14は、その濾過精度が10μ程度であり、原水中の夾雑物の全量が凝集していなくても濾過機能を充分に発揮するものとなっている。この点において、前記凝集剤の投入は、夾雑物のほぼ全量が凝集する適正投入量以下で充分であり、通水量が低下したり、詰まりに至る時間が短くなる等の問題点は何等発生しない。
【0015】さて、前記回転ドラム15の外側には、図3に示すように、その頂部上方位置において、前記濾布14を外側から洗浄する逆洗手段18が配置されている。この逆洗手段18は、前記濾布14の濾過精度を維持するために設けたものであって、前記濾布14の外面に対し、前記回転ドラム15の回転方向の下流側へ向かう噴流束として洗浄水を流下供給するもので、洗浄水の前記濾布14に対する衝撃力を増大せしめて、前記濾布14に対する浸透力を高めるように構成されている。そして、この逆洗手段18は、具体的には、多数の流出孔19,19,…を長手方向に穿設した洗浄水供給パイプ20により構成されている。洗浄水は、スプレイ噴射のごとく分流することなく、噴流束となって各流出孔19から前記濾布14の外面へ流下する。この洗浄水供給パイプ20は、前記回転ドラム15の軸方向のほぼ全長に亘って延在した状態で設置されている。また、前記洗浄水供給パイプ20は、前記濾過処理部10内の濾過後の処理水を洗浄水として供給する構成としており、前記濾過処理部10とは、洗浄水供給配管21を介して接続されている。この洗浄水供給配管21には、洗浄水としての処理水を前記洗浄水供給パイプ20へ供給するポンプ22が設けられている。したがって、このポンプ22を作動することにより、前記濾過処理部10内の処理水が前記洗浄水供給パイプ20へ供給され、その作動は、制御器23により、そのON,OFFが制御される。
【0016】また、前記回転ドラム15の内側には、その上部位置において、前記逆洗手段18による洗浄排水を回収し、これを排水配管24を介して前記濾過槽7外へ排出する回収ホッパー25が配置されている。この回収ホッパー25も、前記洗浄水供給パイプ20と同様、前記回転ドラム15の軸方向のほぼ全長に亘って延在した状態で配置されている。
【0017】ここにおいて、前記構成における全体的な濾過処理について簡単に説明すると、前記貯水槽1内の原水は、前記バランシングタンク3を介して濾過槽7の原水貯留部9へ供給される。原水貯留部9へ供給された原水は、原水貯留部9の連通孔11および回転ドラム15の開口を介して、回転ドラム15の内側へ導入される。回転ドラム15内へ導入された原水は、回転ドラム15の回転に伴って濾布14を介して連続的に濾過され、処理水として濾過処理部10内へ流入する。濾過処理部10内へ流入した処理水は、濾過処理部10内に設けられた堰板13をオーバーフローしてバッファータンク部12へ流入し、ここから第2ポンプ26で前記循環ライン2を介して前記貯水槽1へ供給される。一方、逆洗手段18である洗浄水供給パイプ20からの噴流束となって流下する洗浄水により洗浄された洗浄排水は、回転ドラム15内に設置された回収ホッパー25により回収され、排水配管24を介して濾過槽7外へ排出される。また、前記逆洗手段18による濾布14の洗浄は、予め設定した所定間隔により前記制御器23のON,OFF信号により行う。
【0018】つぎに、前記薬注装置5について説明する。この薬注装置5は、前記回転ドラム式濾過装置4と前記貯水槽1との間の循環ライン2に設けており、たとえばポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を注入する装置である。この薬注装置5により、前記凝集剤を前記適正投入量よりも大幅に少ない投入量で原水中へ注入する。この注入量は、所定量ずつ定期的に注入する。そして、前記凝集剤の所定量は、具体的には、前記凝集剤(たとえば、ポリ塩化アルミニウム)を約1ppm ずつ定期的に注入する。この場合、注入量が約1ppm と微量であるので、その注入作動をパルス信号を用いてタイマー制御することが好ましい。このように、タイマー制御することにより、プールへの入場者数あるいは浴槽への入浴者数の変動に同期した注入が可能となり、適性な注入量で、良質な水質を常時維持することができる。
【0019】前記構成の濾過システムによれば、従来の濾過装置に比し濾過精度の高い回転ドラム式濾過装置4を適用することにより、高価な凝集剤の使用量を低減することができるので経済的な効果は大きい。
【0020】つぎに、この発明の第二実施例を図4に基づいて説明する。図4に示す第二実施例は、工業用水等の廃水を濾過して排出する濾過システムであるから、前記第一実施例と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】図4において、工業廃水等の排水ライン27に薬注装置5を設け、この薬注装置5の下流側にバランシングタンク3および回転ドラム式濾過装置4を設けた構成の濾過システムである。この濾過システムによれば、前記バランシングタンク3に廃水を一時貯留し、前記薬注装置5で注入した凝集剤の作用により廃水中の夾雑物を凝集した後、前記回転ドラム式濾過装置4で廃水を濾過し、処理水を排水ライン27から系外に排出する。したがって、水質汚濁防止法の排水基準をクリアするとともに、従来の濾過装置に比し凝集剤の使用量を低減することができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、貯水槽の原水を循環させて濾過するシステムであって、原水の循環ラインに回転ドラム式濾過装置を設け、この回転ドラム式濾過装置の上流側または下流側のいずれか一方に、凝集剤を注入する薬注装置を設けたので、従来の濾過装置(濾材が砂等のもの)に比し濾過精度が高く、したがって高価な凝集剤の使用量を大幅に低減することができるので経済的効果は大きい。




 

 


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