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センタレス研削盤のドレッシング装置およびドレッシング方法 - 光洋機械工業株式会社
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発明の名称 センタレス研削盤のドレッシング装置およびドレッシング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−230459
公開日 平成10年(1998)9月2日
出願番号 特願平9−54043
出願日 平成9年(1997)2月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾 (外1名)
発明者 矢野 武
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 砥石車の砥石面と調整車の回転支持面にドレッシングを施す単一のドレッシング構造を備えることを特徴とするセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項2】 前記ドレッシング構造は、前記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールを有するロータリドレッサを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項3】 研削加工位置に回転支持された工作物の非円筒外径面をインフィード研削するセンタレス研削盤に設けられることを特徴とする請求項1に記載のセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項4】 前記ドレッシング構造は、工作物を支持するブレードと共に前記砥石車および調整車の間に配されたスライドベース上に配置支持されるとともに、このスライドベースは、前記砥石車および調整車の軸線とほぼ平行な方向へ移動可能とされて、前記ドレッシング構造とブレードが選択的に使用される構成とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項5】 前記砥石車および調整車と前記ドレッシング構造のロータリドレッサとが前記切込み送り方向に対して相対的に移動可能な構成とされていることを特徴とする請求項4に記載のセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項6】 前記砥石車が切込み送り方向へ固定的に設けられるとともに、前記調整車が切込み送り方向へ移動可能な構成において、前記ドレッシング構造は前記砥石車の上方位置に配置されるとともに、前記ロータリドレッサが前記切込み送り方向へ移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のセンタレス研削盤のドレッシング装置。
【請求項7】 請求項1から6のいずれか一つに記載のドレッシング装置により、前記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面を同時にドレッシングするようにしたことを特徴とするセンタレス研削盤のドレッシング方法。
【請求項8】 請求項1から6のいずれか一つに記載のドレッシング装置により、前記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面をそれぞれ別個にドレッシングするようにしたことを特徴とするセンタレス研削盤のドレッシング方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタレス研削盤のドレッシング装置およびドレッシング方法に関し、さらに詳細には、センタレス研削盤の砥石車の砥石面および調整車の回転支持面を、効率良くかつ高い精度をもって目立てないしは修正するドレッシング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】センタレス研削盤は、工作物(以下、ワークと称する)の外径面を砥石車、調整車およびブレード(受け板)の間に回転支持しながら、その外径面を研削する装置であるところ、常に高い研削精度と研削能率を確保するため、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面には、所定のインターバルをもってドレッシング装置によるドレッシングが施される。
【0003】ところで、従来のセンタレス研削盤においては、砥石車および調整車に対してそれぞれ専用のドレッシング装置が設けられており、砥石車の砥石面のドレッシングと調整車の回転支持面のドレッシングは、それぞれ別個独立して行われていた。
【0004】また、上記両ドレッシング装置は、砥石車と調整車による研削加工の邪魔にならないように、それぞれ研削加工位置の反対側つまり砥石車と調整車の外側にそれぞれ設置されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成では次のような問題があり、その改良が要望されていた。
【0006】(1) 2台のドレッシング装置が必要であるため、装置コストの上昇を招くとともに、ドレッシング装置の設置スペースが、砥石車と調整車の外側にそれぞれ設けられていることから、研削盤自体も大型かつ複雑になる。
【0007】(2) インフィード方式のセンタレス研削盤においては、砥石車の砥石面と調整車の回転支持面は、ワークの外径面に見合ったプロフィールを有していることから、砥石車と調整車の軸方向の相対的な位置合わせ(位置決め)がきわめて重要であるところ、上記のように砥石車側と調整車側で別個にドレッシングが施される構成では、この軸方向の位置合わせが困難となり、段替時間等に長時間を要していた。この問題は、特に上記砥石面と回転支持面が複雑なプロフィールを有している場合に顕著となっていた。
【0008】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、センタレス研削盤において、砥石車の砥石面と調整車の回転支持面に効率良くドレッシングを施すことができるとともに、ドレッシング後の砥石車と調整車の軸方向の相対的な位置合わせも容易かつ確実にでき、しかも装置設置スペースも小さくすることができるドレッシング技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のセンタレス研削盤のドレッシング装置は、砥石車の砥石面と調整車の回転支持面にドレッシングを施す単一のドレッシング構造を備えることを特徴とする。
【0010】好適な実施態様として、上記ドレッシング構造は、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールを有するロータリドレッサを備えてなる。
【0011】また、本発明のセンタレス研削盤のドレッシング方法は、上記ドレッシング装置を用いて実行されるものであって、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面を同時にドレッシングするか、あるいは、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面をそれぞれ別個にドレッシングする。
【0012】本発明において、砥石車の砥石面と調整車の回転支持面には、それぞれ適宜のインターバルをもってドレッシングが施されるところ、このドレッシングは、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールを有するロータリドレッサを備えた単一のドレッシング装置により行う。これにより、上記砥石面と回転支持面の目立て・修正が、そのプロフィールの複雑いかんにかかわらず正確に行われるとともに、砥石車と調整車の相対的な軸方向の位置ずれも生じず、ドレッシング後の両者の軸方向の位置決めが容易かつ確実となる。
【0013】また、上記ドレッシングを、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面に対して同時に行うことにより、ロータリドレッサの目詰まりが有効に防止されて、効率的なドレッシングが可能となる。
【0014】すなわち、調整車の回転支持面のみをロータリドレッサでドレッシングする場合、上記回転支持面を構成する砥粒の結合剤が比較的粘度数が高く、かつ軟らかいため、ロータリドレッサのドレッシング面に目づまりを起こしやすい。これに対して、調整車の回転支持面と砥石車の砥石面を同時にドレッシングすると、砥石車側の砥粒等でロータリドレッサに目立ての作用が起こったり、目づまりの防止の効果が出る結果、調整車の目づまりが有効に防止されて、ドレッシング性能が向上することとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】本発明に係るドレッシング装置を備えるセンタレス研削盤が図1ないし図9に示されており、このセンタレス研削盤は、具体的には、図10に示すような両円錐ころ(ワーク)Wを複数個(図示のものにおいては3つ)まとめて研削加工位置Aに回転支持しながら、これらの両円錐面(外径面)Wa,Wbをインフィード(送り込み)研削方式で同時研削するものである。
【0017】センタレス研削盤は、砥石車1、調整車2、ブレード3およびローダ装置4を基本構成として備えるとともに、上記砥石車1と調整車2にドレッシングを施す単一のドレッシング装置5を備えてなり、これら構成装置1〜5が制御装置6により自動制御される構成とされている。
【0018】また、ワークWとしての両円錐ころは、図10(a) に示す正面形状において、その上下両頂点のなす角度つまり円錐角度θが90°、よって両円錐面Wa,Wbの交差角度も90°に設定されている。
【0019】砥石車1はワークW,W,…の外径面に研削加工を施すもので、その回転主軸10は従来周知の一般的基本構造を備えており、装置ベッド11上に設けられた砥石車台12上に回転可能に装着されるとともに、図示しない駆動モータ等の駆動源に連係されている。また、砥石車台12は、装置ベット11上に設けられたスライドベース13上のスライドレール13aに沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置14に連係されている。この送りねじ装置14は、砥石車台12を移動させるもので、砥石車台12に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構14aと、この送りねじ機構14aを回転駆動するサーボモータ14bとからなる。このサーボモータ14bは、スライドベース13上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0020】調整車2はワークW,W,…の外径面を回転支持するもので、その回転主軸20は、上記砥石車1と同様、従来周知の一般的基本構造を備えており、装置ベッド11上に設けられた調整車台22上に回転可能に装着されるとともに、図示しない駆動モータ等の駆動源に連係されている。また、調整車台22は、装置ベット11上に設けられたスライドベース23上のスライドレール23aに沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置24に連係されている。この送りねじ装置24は、調整車台22を移動させるもので、調整車台22に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構24aと、この送りねじ機構24aを回転駆動するサーボモータ24bとからなる。このサーボモータ24bは、スライドベース23上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0021】ブレード3は、ワークW,W,…の外径面下部を支持するもので、図6に示すように、装置ベッド11上に設けられたワークレスト30上に固設されている。このワークレスト30は、位置切換え装置50により、研削加工位置Aと加工待機位置Bとの間で切換え移動されて、後述するように、ドレッシング装置5と選択的に作用状態つまり上記研削加工位置Aに配置される構成とされている。
【0022】砥石車1の砥石面1a、調整車2の回転支持面2aおよびブレード3の支持面3aは、図8および図9に示すように、軸線方向に整列された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb、Wa,Wb、Wa,Wb、に見合ったプロフィールを備えてなる。
【0023】具体的には、図8に示すように、上記砥石車1の砥石面1aは、一定の間隔をもって配された3つの研削面31,31,31から構成され、各研削面31は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの仕上げ形状寸法に対応したV字形状のプロフィール(断面輪郭形状)を有する。
【0024】また、調整車2の回転支持面2aは、上記砥石車1の研削面31,31,31にそれぞれ対向配置される3つの回転支持部32,32,32から構成され、各回転支持部32は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの一部を回転支持するプロフィールを備えている。図示のものにおいては、調整車2は、4枚の調整円板33,33,…がそれぞれスペーサ円板34を介して積層状に一体化されてなり、隣り合う調整円板33,33の端縁面により上記回転支持部32が構成されている。
【0025】さらに、ブレード3の支持面3aは、図9に示すように、砥石車1の研削面31,31,31および調整車2の回転支持部32,32,32にそれぞれ対向配置される3つの支持面35,35,35から構成され、各支持面35は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの一部に見合ったプロフィールを備えている。図示のものにおいては、ブレード3は、ワークレスト30上に起立状に取り付けられた3つのブレード部材36,36,36からなり、その上端面が上記支持面35とされている。この支持面35は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの仕上げ形状寸法に対応したV字形状のプロフィール有し、両円錐面Wa,Wbの下部を支持するV形傾斜溝の形態とされている。
【0026】ローダ装置4は、上記研削加工位置Aにおける調整車2の回転支持面2aとブレード3の支持面3aに対して、3つのワークW,W,Wを同時にまたは連続して搬入・排出するもので、図6に示すように、研削加工位置Aの上方に配置されている。このローダ装置4の具体的な構成については図示しないが、ワークWをチャッキングするチャック部が、移動部により、図外のワーク供給部と上記研削加工位置Aとの間で移動可能とされるとともに、上記チャック部には、エアチャック等の従来周知のチャッキング構造が採用されている。これらチャック部および移動部の駆動源は電気的駆動源で構成されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0027】また、上記ローダ装置4には、上記研削加工位置Aに回転支持される3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を上側から支持する上ブレード37(図7参照)が設けられている。この上ブレード37の支持面の具体的な構成については図示しないが、上記ブレード3の支持面3aと同様な構成とされるほか、単にワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を押さえる平坦面なども採用され、要するに、研削加工中のワークWの浮き上がり等を有効に防止し得る構造とされている。
【0028】ドレッシング装置5は、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aの両者に対してドレッシングを施す単一のドレッシング構造とされ、具体的には、ロータリドレッサ40と駆動モータ41を主要部として備えてなる。
【0029】上記ロータリドレッサ40は、前述した砥石面1aおよび回転支持面2aに見合ったプロフィール、つまり、図3に示すように平面に見て、これら砥石面1aおよび回転支持面2aに密接状に嵌合する断面輪郭形状を備える。
【0030】具体的には、ロータリドレッサ40はダイヤモンドロールであって、いわゆるそろばん玉の形態とされた3つのドレッシング部40a,40a,40aと支軸部40bとが一体的に形成されてなる形態とされている。
【0031】このドレッシング部40aは、上記砥石面1aの研削面31と実質的に合致するドレッシング面を有する。換言すれば、ドレッシング部40aは、ワークWの両円錐面Wa,Wbの仕上げ形状寸法に対応したV字形状のプロフィール(断面輪郭形状)を有し、そのドレッシング面つまり両側外径面は、上記ワークWの両円錐面Wa,Wbと同様、90°の交差角度θをなして、ワークWと相似形とされている。
【0032】また、上記支軸部40aは、ドレッシング部40a,40a,40aが砥石車1の研削面31,31,31に実質的に合致した状態において、その外径面がこれらに隣接する円筒面45,45,…に実質的に合致するような外径寸法を有する。
【0033】上記ロータリドレッサ40は、図4および図5に示すように、その支軸部40bがドレッサ基台46に水平状態で回転可能に支持されるとともに、上記駆動モータ41に連係されている。この駆動モータ41は、具体的にはサーボモータからなり、上記ドレッサ基台46に配置されて、その回転軸が上記ロータリドレッサ40の支軸部40bと同軸状に接続されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0034】そして、上記ロータリドレッサ40は、上記サーボモータ41の回転駆動により、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aの両者に対して、図7に示すように同時に、または個別にドレッシングを施す構造とされている。
【0035】また、ドレッシング装置5は、切込み送り方向Xに対して固定的に設けられる一方、上記位置切換え装置50により、ドレッシング装置5と選択的に作用状態に置かれる、つまり上記研削加工位置Aに配置される構成とされている。
【0036】位置切換え装置50は、スライドベース51と送りねじ装置52を主要部として構成されている。スライドベース51は、上記砥石車1と調整車2の間において、装置ベット11上に設けられた位置切換え基台55上を移動可能とされている。具体的には、この位置切換え基台55上には、スライドレール56が、切込み送り方向Xと直交する水平方向、つまり上記砥石車1と調整車2の軸線とほぼ平行な方向Yへ延びて設けられており、この上をスライドベース51が往復移動可能とされている。
【0037】スライドベース51は、送りねじ装置57に連係されるとともに、その上にブレード3を支持するワークレスト30と、ドレッシング装置5のドレッサ基台46が所定の間隔をもって配置支持されている。この場合、ブレード3上に支持されたワークWの軸線と上記ドレッシング装置5のロータリドレッサ40の軸線がほぼ同一水平面上に位置するように設定されている。また、これらワークWの軸心とロータリドレッサ40の軸心の高さは、図示のものにおいては、砥石車1および調整車2の軸心の高さと同じに設定されている。
【0038】上記送りねじ装置52は、スライドベース51を移動させるもので、このスライドベース51に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構52aと、この送りねじ機構52aを回転駆動するサーボモータ52bとからなる。このサーボモータ52bは、位置切換え基台55上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0039】そして、送りねじ装置52の駆動により、上記スライドベース51が所定の範囲でY方向へ往復移動して、上記ブレード3が研削加工位置Aと加工待機位置Bとの間で、一方、上記ロータリドレッサ40がドレッシング待機位置Cと研削加工位置Aとの間でそれぞれ切換え移動されることとなり、これにより、ブレード3とロータリドレッサ40が選択的に作用状態(研削加工位置A)に配置されて、選択使用されることとなる。
【0040】制御装置6は、上記砥石車1、調整車2、ローダ装置4、ドレッシング装置5および位置切換え装置50の各駆動源(サーボモータ14b,24b,41,52bなど)を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されたCNC装置である。この制御装置6には、以下に述べる研削工程を実行するための制御プログラムが、数値制御データとして、予めまたは図示しない操作盤のキーボード等により適宜選択的に入力設定される。
【0041】次に、以上のようなセンタレス研削盤における研削・ドレッシング工程について説明する。
【0042】A.研削工程:■ 位置切換え装置50により、図5に示すように、ブレード3が研削加工位置Aに位置決めされた状態において、ローダ装置4により、3つのワークW,W,Wがまとめて上記研削加工位置Aに搬入載置される。このときロータリドレッサ40はドレッシング待機位置Cにある。また、上記ローダ装置4の上ブレード37が、搬入された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を上側から支持する。
【0043】■ この状態で、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、砥石車1がワークW,W,Wに対して相対的に切込み送りされて、ワークWの外径面に研削加工が施される(図7〜図9参照)。このときの上記切込み送りは、砥石車1とブレード3の位置が一定で、調整車2が切込み送りされるか、または、ブレード3と調整車2の位置が一定で、砥石車1が切込み送りされる。
【0044】■ 上記ワークW,W,Wの研削加工が終了すると、ワークW,W,Wに対する砥石車1の相対的な切込み送りが停止後退されるとともに、上ブレード37による支持が解除された後、ローダ装置4により、これら3つのワークW,W,Wが研削加工位置Aから搬出除去される。
■ 上記■へ戻り、以後■〜■の工程が繰り返される。
【0045】B.ドレッシング工程:上記の研削工程が繰り返されると、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aに目つぶれ、目づまりあるいはすり減りが生じるため、所定のインターバルをもって、以下のドレッシング工程が実行される。
【0046】■ 位置切換え装置50により、図4に示すように、ドレッシング装置5のロータリドレッサ40が研削加工位置Aに位置決めされるとともに、ブレード3が加工待機位置Bへ移動待機される。
【0047】■ この状態で、ロータリドレッサ40が回転駆動されるとともに、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、ロータリドレッサ40に対して切込み送りされて、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aにドレッシングが施される(図3参照)。
【0048】この場合のドレッシング方式は、砥石車1と調整車2が同時に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが同時にドレッシングされたり、あるいは、砥石車1と調整車2が順次別個に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが別個に独立してドレッシングされるなど、適宜選択実施される。
【0049】しかして、本実施形態においては、砥石車1の砥石面1a(研削面31,31,31)と調整車2の回転支持面2a(回転支持部32,32,32)に対して、それぞれ適宜のインターバルをもって行われるドレッシングは、上記砥石面1aおよび回転支持面2aに見合ったプロフィールを有するロータリドレッサ40を備えた単一のドレッシング装置5により行う。したがって、上記砥石面1aと回転支持面2aの目立て・修正が、そのプロフィールの複雑いかんにかかわらず正確にかつ高精度に行われるとともに、砥石車1と調整車2の相対的な軸方向の位置ずれも生じず、ドレッシング後の両者1、2の軸方向の位置決めが容易かつ確実に行われることとなる。
【0050】また、上記ドレッシングの方式としては、砥石車1と調整車2が同時に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが、単一のロータリドレッサ40により同時にドレッシングされたり、あるいは、砥石車1と調整車2が順次別個に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが別個に独立してドレッシングされるなど、適宜の方式が選択実施されることは上述したとおりであるが、特に、前者のように、砥石車1と調整車2に同時にドレッシングを施す場合は、ロータリドレッサ40の目づまりが有効に防止されて、効率的なドレッシングが実行されることとなる。
【0051】すなわち、発明者らの試験・研究の結果から、調整車2の回転支持面2aのみをロータリドレッサ40でドレスする場合、上記回転支持面2aを構成する砥粒の結合剤の粘度数が比較的高く、かつ軟らかいため、ロータリドレッサ40のドレッシング面に目づまりを起こしやすいことが判明している。これに対して、同時に砥石車1の砥石面1aもドレッシングすると、砥石車1側の砥粒等でロータリドレッサに目立ての作用が起こったり、目づまりの防止の効果が出て、調整車2の目づまりが有効に防止されて、ドレッシング性能が向上することも判明している。以上より、効率的なドレッシングを行うためには、砥石車1と調整車2が同時にドレッシングされることが望ましい。
【0052】また、ドレッシング装置5が、装置ベッド11上に配置されていることから、ドレッシング装置5の配置剛性が十分に確保され、この点においても、正確かつ高精度なドレッシングが確保される。
【0053】さらに、本実施形態においては、上記のようなドレッシング装置5の構成と相まって、砥石車1の砥石面1a、調整車2の回転支持面2aおよびブレード3の支持面3aが、整列された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb、…に見合ったプロフィールを備えているため、上記研削工程において、各ワークW,W,Wは、比較的短寸にもかかわらず倒れ等を生ずることなく常時安定した整列状態をもって研削されることとなる。この結果、3つの両円錐ころW,W,Wが同時にかつ高い加工精度をもって研削されることとなり、多数のワークW,W,…が、高い加工精度をもって、連続的にかつ自動で量産加工することも可能となる。
【0054】実施形態2本実施形態は図11に示されており、ドレッシング装置5と、砥石車1および調整車2との相対的関係が改変されたものである。
【0055】すなわち、このセンタレス研削盤においては、砥石車1が切込み送り方向Xへ固定的に設けられるとともに、調整車2が切込み送り方向Xへ移動可能な構成とされ、これに関連して、ドレッシング装置5のロータリドレッサ40が、切込み送り方向Xへ移動可能に設けられてなる。
【0056】具体的には、砥石車1を装着保持する砥石車台12が装置ベッド11上に固定されている。一方、調整車2を装着保持する調整車台22は、送りねじ装置24により、スライドベース23上を切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、このスライドベース23が、さらに装置ベット11上に設けられたスライドレール60に沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置61に連係されている。この送りねじ装置61は、スライドベース23を移動させるもので、スライドベース23に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構61aと、この送りねじ機構61aを回転駆動するサーボモータ61bとからなる。このサーボモータ61bは、装置ベット11上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0057】また、上記スライドベース23上には、位置切換え装置50が装着されており、これにより、このスライドベース23上において、ブレード3とロータリドレッサ40が切換え移動される構成とされている。
【0058】しかして、本実施形態のセンタレス研削盤においては、図示しないが、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、砥石車1がワークW,W,Wに対して相対的に切込み送りされて、ワークWの外径面に研削加工が施される。このときの上記切込み送りは、砥石車1とブレード3の相対的位置が一定で、調整車2が切込み送りされるか、または、ブレード3と調整車2が相対的位置関係を一定に保ったまま、切込み送りされる。
【0059】また、所定のインターバルをもって行われるドレッシング工程においては、ロータリドレッサ40が回転駆動されるとともに、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、ロータリドレッサ40に対して相対的に切込み送りされて、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aにドレッシングが施される。このときの上記切込み送りは、砥石車1に対するドレッシングにおいては、送りねじ装置61によりドレッシング装置5が移動して、ロータリドレッサ40が切込み送りされる。一方、調整車2に対するドレッシングにおいては、送りねじ装置24により調整車台22が移動して、調整車2が切込み送りされる。
【0060】なお、この場合のドレッシング方式は、実施形態1と同様、砥石車1と調整車2が同時にドレッシングされたり、あるいは、砥石車1と調整車2が順次別個独立してドレッシングされるなど、適宜選択実施される。その他の構成および作用は、実施形態1と同様である。
【0061】実施形態3本実施形態は図12に示されており、ドレッシング装置5と、砥石車1および調整車2との相対的関係、ならびに、ドレッシング装置5とブレード3との相対的関係が改変されたものである。
【0062】すなわち、砥石車1とブレード3(図12においては図示省略)が切込み送り方向Xへ固定的に設けられるとともに、調整車2が切込み送り方向Xへ移動可能な構成とされ、これに関連して、ドレッシング装置5が砥石車1の上方位置に配置されるとともに、そのロータリドレッサ40が昇降可能でかつ切込み送り方向Xへ移動可能に設けられている。
【0063】具体的には、砥石車1を装着保持する砥石車台12が、実施形態2と同様、装置ベッド11上に固定されている。一方、調整車2を装着保持する調整車台22は、実施形態1と同様、装置ベット11上に設けられたスライドベース23上のスライドレール23aに沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置24に連係されている。また、図示しないが、ブレード3は、ワークレスト30を介して装置ベッド11上に固設されている。
【0064】また、ドレッシング装置5は、上記砥石車台12の砥石カバー12a上に配置されている。具体的には、このドレッシング装置5は、実施形態1および2と同様、砥石車1の砥石面1aと調整車2の回転支持面2aの両者に対してドレッシングを施す単一のドレッシング構造とされ、ロータリドレッサ40と駆動モータ41、ならびに、これらを昇降動作させる昇降装置70と切込み送り方向Xへ移動させる切込み装置71を備えてなる。
【0065】上記ロータリドレッサ40は、その支軸部40bがドレッサ本体72に装着された昇降アーム73の下端部に水平状態で回転可能に支持されている。昇降アーム73は、昇降スライド74により上記ドレッサ本体72に昇降可能に支持されるとともに、その上端部に上記駆動モータ41が設けられている。そして、この駆動モータ41の駆動軸41aと上記ロータリドレッサ40の支軸部40bが、伝動プーリ75a,75bおよび伝動プーリ75cを介して駆動連結されている。
【0066】昇降装置70は、上記昇降スライド74と送りねじ装置76を主要部として構成されている。昇降スライド74は、L字形状とされた上記ドレッサ本体72の起立部72aの垂直レール77上を垂直上下方向へ往復移動(昇降動作)可能とされている。昇降スライド74は、その上に上記ロータリドレッサ40と駆動モータ41を備えるとともに、送りねじ装置76に連係されている。この送りねじ装置76は、昇降スライド74に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構76aと、この送りねじ機構76aを回転駆動するサーボモータ76bとからなる。このサーボモータ76bは、ドレッサ本体72の起立部72a上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0067】また、切込み装置71は、上記ドレッサ本体72と送りねじ装置78を主要部として構成されている。ドレッサ本体72は、その水平スライド基台72bが上記砥石カバー12aの上面に設けられた水平レール79に沿って、切込み送り方向Xへ往復移動可能に設けられるとともに、送りねじ装置78に連係されている。この送りねじ装置78は、ドレッサ本体72の水平スライド基台72bに螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構78aと、この送りねじ機構78aを回転駆動するサーボモータ78bとからなる。このサーボモータ78bは、砥石カバー12a上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0068】そして、上記ロータリドレッサ40は、上記昇降装置70の駆動により、砥石車1と調整車2との間を昇降動作するとともに、上記切込み装置71の駆動により、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aの両者に対して、図3に示すごとく同時に、または図示しないが個別にドレッシングを施す。この場合、ロータリドレッサ40の軸心の高さは、実施形態1と同様、砥石車1および調整車2の軸心の高さと同じに設定されている。
【0069】また、ドレッシング装置5とブレード3、およびドレッシング装置5とローダ装置4(本実施形態においては図示省略)は、それぞれ互いに干渉しないように駆動制御される構成とされており、この目的のため、例えばローダ装置4のワーク搬入・搬出の経路も、実施形態1および2におけるような上下方向ではなく、水平方向とされるなど適宜設計されている。
【0070】しかして、本実施形態のセンタレス研削盤においては、図示しないが、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、砥石車1がワークW,W,Wに対して相対的に切込み送りされて、ワークWの外径面に研削加工が施される。このときの上記切込み送りは、砥石車1とブレード3の相対的位置が一定で、調整車2が切込み送りされる。
【0071】また、所定のインターバルをもって行われるドレッシング工程においては、ロータリドレッサ40が、昇降装置70の駆動により、所定のドレッシング高さ位置(図示のものにおいては、ロータリドレッサ40の軸心高さが砥石車1および調整車2の軸心高さと同じになる位置)まで下降する。そして、ロータリドレッサ40は、下降しながらまたは下降した後に回転駆動されるとともに、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、ロータリドレッサ40に対して相対的に切込み送りされて、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aにドレッシングが施される。
【0072】このときの上記切込み送りは、砥石車1に対するドレッシングにおいては、切込み装置71の駆動により、ドレッシング装置5が移動して、ロータリドレッサ40が切込み送りされる。一方、調整車2に対するドレッシングにおいては、送りねじ装置24の駆動により、調整車台22が移動して、調整車2が切込み送りされる。この場合の切込み送り量(ドレス送り量)は、ロータリドレッサ40の切込み送り量のほぼ2倍になる。なお、この場合のドレッシング方式や、その他の構成および作用は、実施形態1と同様である。
【0073】上述した実施形態1〜3はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。一例として、以下に列挙するような改変が考えられる。
【0074】例えば、砥石車1、調整車2、ブレード3およびローダ装置4などのセンタレス研削盤の基本構成については、図示の構造に限定されず、同様な機能を有する他の周知構造を採用することが可能である。
【0075】また、図示の実施形態においては、複数の短寸のワークW,W,…を同時に研削する構造であることから、砥石車1の砥石面1a、調整車2の回転支持面2aおよびブレード3の支持面3aも、これら整列された複数のワークW,W,…の両円錐面Wa,Wb、Wa,Wb、…に見合った複雑なプロフィールを備えており、これに対応して、ドレッシング装置5のロータリドレッサ40も上記砥石面1aおよび回転支持面2aに見合った複雑なプロフィールとされているが、本発明のドレッシング装置5は、これに限定されることなく、従来周知の一般的なセンタレス研削盤にも広く適用することが可能である。
【0076】
【発明の効果】以上詳細したように、本発明によれば、砥石車の砥石面と調整車の回転支持面にドレッシングを施す単一のドレッシング構造を備えるから、次のような種々の効果が得られて、効率的なドレッシングが行えるとともに、ドレッシング後の砥石車と調整車の軸方向の相対的な位置合わせも容易かつ確実にでき、かつ装置設置スペースも小さくすることが可能なドレッシング技術を提供することができる。
【0077】(1) 1台のドレッシング装置で済むため、従来に比較して装置コストが低減されるとともに、ドレッシング装置の設置スペースも、砥石車と調整車の間に設けることができるため、研削盤自体も小型かつ簡単な構成となる。
【0078】(2) 上記ドレッシング構造が、好適には、砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールを有するロータリドレッサを備えてなるから、上記砥石面と回転支持面の目立て・修正が、そのプロフィールの複雑いかんにかかわらず正確に行われるとともに、砥石車と調整車の相対的な軸方向の位置ずれも生じない。したがって、砥石車と調整車の軸方向の相対的な位置合わせ(位置決め)がきわめて重要なインフィード方式のセンタレス研削盤においても、ドレッシング後の両者の軸方向の位置合わせ・位置決めが容易かつ確実に行え、段替時間等も短時間で可能となる。
【0079】(3) 砥石車と調整車の相対的な軸方向の位置決めが確実であるから、ワーク搬入・搬出やドレス時の作業段取り時間の短縮とともに、作業段取りの自動化による多量生産も可能となる。
【0080】(4) 上記ドレッシングを、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面に対して同時に行うようにすれば、ロータリドレッサの目づまりが有効に防止されて、効率的なドレッシングが可能となる。
【0081】すなわち、調整車の回転支持面のみをロータリドレッサでドレッシングする場合、上記回転支持面を構成する砥粒の結合剤は比較的粘度数が高く、かつ軟らかいため、ロータリドレッサのドレッシング面に目づまりを起こしやすい。これに対して、調整車の回転支持面と砥石車の砥石面を同時にドレッシングすると、砥石車側の砥粒等でロータリドレッサに目立ての作用が起こったり、目づまりの防止の効果が出る結果、調整車の目づまりが有効に防止されて、ドレッシング性能が向上することとなる。




 

 


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