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発明の名称 センタレス研削盤およびそのセンタレス研削方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−230439
公開日 平成10年(1998)9月2日
出願番号 特願平9−54042
出願日 平成9年(1997)2月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾 (外1名)
発明者 矢野 武
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 研削加工位置に回転支持された円錐ころの両円錐面をインフィードでセンタレス研削するものであって、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの砥石面を有する砥石車と、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの回転支持面を有する調整車と、前記砥石車の軸線および円錐ころの回転中心軸線が平行となるように、円錐ころの両円錐面を支持する支持面を有するブレードと、前記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールのドレッサ面を有するロータリドレッサとを備えてなることを特徴とするセンタレス研削盤。
【請求項2】 前記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面にドレッシングを施す単一の前記ロータリドレッサからなるドレッサ装置を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のセンタレス研削盤。
【請求項3】 前記ブレードの支持面が、前記両円錐ころの両円錐面の稜線に沿ったV字形状のプロフィールを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタレス研削盤。
【請求項4】 研削加工位置に回転支持された複数の前記両円錐ころの両円錐面をインフィードでセンタレス研削するものであって、前記砥石車の砥石面、調整車の回転支持面およびブレードの支持面が、前記回転中心軸線方向に整列された複数の前記両円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールを備えてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のセンタレス研削盤。
【請求項5】 前記研削加工位置に対して円錐ころを搬入・搬出するローダ装置と、前記砥石車、調整車、ローダ装置およびドレッサ装置の各駆動源を相互に連動して駆動制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のセンタレス研削盤。
【請求項6】 請求項1から5のいずれか一つに記載のセンタレス研削盤を用いて両円錐ころを研削する方法であって、前記研削加工位置に回転支持された両円錐ころの両円錐面を、前記調整車の送り角を付けないで、インフィードでセンタレス研削するようにしたことを特徴とするセンタレス研削方法。
【請求項7】 単一の前記ロータリドレッサにより、前記砥石車と調整車を、その軸方向位置を規制した状態で所定のプロフィールにドレッシングし、これらドレッシングされた砥石車および調整車により、前記研削加工位置に回転支持された両円錐ころの両円錐面を研削するようにしたことを特徴とする請求項6に記載のセンタレス研削方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタレス研削装置およびそのセンタレス研削方法に関し、さらに詳細には、非円筒外径面を有する短寸の回転体、特に一対の円錐面を有してなる両円錐ころについて、その外径面に研削加工を施すためのインフィード方式のセンタレス研削技術に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機械は回転式圧縮機の一種で、小型で弁機構がなく、また流体の圧縮が連続的であり、従来の往復式等の圧縮機に比較して、トルク変動や振動が少なくて、高速運転が可能であることから、近年実用化が活発に進められている。
【0003】ところで、この種の圧縮機では、そのスクロール駆動を可能とするスラスト力支持構造を備えている。この支持構造は一種のスラスト軸受を構成しており、転動体としては鋼球等の球体が用いられているところ、このような球体では、その支持状態が点接触であるため、高速での長期使用には耐久性が劣るという問題があった。
【0004】この点に関して、近時、図9(a) に示すように、スラスト力支持構造を備えたスクロール型圧縮機が提案されている(例えば実開昭61−82086号公報、特開昭62−107284号公報等参照)。
【0005】この圧縮機の基本構成は、図示のごとく、ハウジングa内に、渦巻き体bを備える固定スクロール部材cが固定されるとともに、上記渦巻き体bに噛み合う渦巻き体dを備える公転スクロール部材eが、スラスト力支持構造fにより旋回ないしは公転可能に支持され、またこの公転スクロール部材eはクランクピンgを介して図外の駆動源に駆動連結されてなる。
【0006】上記支持構造fは、上述のごとく一種のスラスト軸受の形態とされ、上記ハウジングaの内面と公転スクロール部材eの対向面に複数の凹部h,iがそれぞれ対向して設けられるとともに、これら両凹部h,i間に両円錐状の転動体(両円錐ころ)Wが転動可能に介装されてなる。
【0007】そして、上記クランクピンgの回転駆動により、公転スクロール部材eが、静止スクロール部材cに対して自転することなく公転して、吸入口jから吸入された流体ガスが、渦巻き体b,d間に形成される圧縮室により圧縮さた後、吐出口kから吐出されるように構成されている。
【0008】この場合、両円錐ころWは、図9(b) の模式図に示すように、その外周面Wa,Wbが凹部h,iの平坦底面m,nに対して線接触状態で転動運動を行うこととなり、従来の球体からなる転動体に比較して、耐久性が格段に向上し、高速での長期使用に十分に耐えうるという利点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】しかしながら、このような優れた耐久性を備えるにもかかわらず、このようなスラスト力支持構造fを備えるスクロール型圧縮機は、上記両円錐ころWの研削技術が確立されていないことに起因して、未だ実用化されるに至っていないというのが実情であった。
【0010】すなわち、両円錐ころWは、図示のごとく上下両外周面Wa,Wbが円錐形状とされたそろばん球状の軸受素子であり、その両円錐面Wa,Wbには高精度な研削加工が要求されるとともに、機械要素としての量産性も同時に確保する必要があるところ、これらの両条件を満たしうる研削技術は従来全く存在せず、安価で高精度な両円錐ころWの量産加工が不可能であった。
【0011】この問題点は、上記両円錐ころに限られず、高い仕上げ精度が要求されかつ量産性を有する、短寸で非円筒外径面の回転体のすべてについて共通するものであた。
【0012】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高い加工精度と高い加工能率を有するセンタレス研削技術を利用することにより、非円筒外径面を有する短寸の回転体である両円錐ころを、安価で高い仕上げ精度をもって製造することができるセンタレス研削盤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のセンタレス研削盤は、研削加工位置に回転支持された円錐ころの両円錐面をインフィードでセンタレス研削するものであって、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの砥石面を有する砥石車と、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの回転支持面を有する調整車と、上記砥石車の軸線および円錐ころの回転中心軸線が平行となるように、円錐ころの両円錐面を支持する支持面を有するブレードと、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールのドレッサ面を有するロータリドレッサとを備えてなることを特徴とする。
【0014】好適な実施態様として、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面にドレッシングを施すドレッサ装置は、これら砥石面と回転支持面の双方にドレッシングを施す単一の上記ロータリドレッサを備えてなる。
【0015】また、本発明のセンタレス研削方法は、上記センタレス研削盤を用いて両円錐ころを研削する方法であって、上記研削加工位置に回転支持された両円錐ころの両円錐面を、上記調整車の送り角を付けないで、インフィードでセンタレス研削するようにしたことを特徴とする。
【0016】ここに、「送り角を付けないで」とは、上記調整車の送り角が実質的に0°であり、これにより、研削加工時の両円錐ころに軸方向の推力が作用しない状態を意味する。
【0017】また、好適な実施態様として、単一の上記ロータリドレッサにより、上記砥石車と調整車を、その軸方向位置を規制した状態で所定のプロフィールにドレッシングし、これらドレッシングされた砥石車および調整車により、上記研削加工位置に回転支持された両円錐ころの両円錐面を研削するようにする。
【0018】本発明において、両円錐ころは、例えは複数個まとめて研削加工位置に搬入されて、調整車とブレードに軸線方向に整列された状態で支持されながら、これら複数の両円錐ころの外径面(両円錐面)に、砥石車により同時に研削加工が施される。
【0019】この場合、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面が、上記円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールを備えるとともに、上記ブレードの支持面が、上記円錐ころの両円錐面を、その回転中心軸線が上記砥石車の軸線と平行になるように支持し、また、上記調整車の送り角は0°として、両円錐ころには軸方向の推力が作用しないため、両円錐ころは、倒れ等を生ずることなく常時安定した整列状態をもってかつ複数個まとめて研削されることとなる。この結果、多数の両円錐ころを連続的にかつ自動で量産加工することも可能であり、量産加工による製造コストの大幅な低減化を図る。
【0020】また、上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面には、それぞれ適宜のインターバルをもってドレッシングが施されるところ、このドレッシングを、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールのドレッサ面を有するロータリドレッサを備えたドレッシング装置により行うことにより、上記砥石面と回転支持面の目立て・修正が、その複雑なプロフィールにもかかわらず正確に行われ、砥石車と調整車の相対的な軸方向の位置ずれも生じず、両者の軸方向の位置決めが確実である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】本発明に係るセンタレス研削盤が図1ないし図7に示されている。このセンタレス研削盤は、具体的には、図8に示すような両円錐ころ(ワーク)Wを複数個(図示のものにおいては3つ)まとめて研削加工位置に回転支持しながら、これらの両円錐面(外径面)Wa,Wbをインフィード(送り込み)研削方式で同時研削するものであって、砥石車1、調整車2、ブレード3、ローダ装置4、ドレッシング装置5および制御装置6を主要部として構成されている。
【0023】また、ワークWとしての両円錐ころは、図8(a) に示す正面形状において、その上下両頂点のなす角度つまり円錐角度θが90°、よって両円錐面Wa,Wbの交差角度も90°に設定されている。
【0024】砥石車1はワークW,W,…の外径面に研削加工を施すもので、その回転主軸10は従来周知の一般的基本構造を備えており、装置ベッド11上に設けられた砥石車台12上に回転可能に装着されるとともに、図示しない駆動モータ等の駆動源に連係されている。また、砥石車台12は、装置ベット11上に設けられたスライドベース13上のスライドレール13aに沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置14に連係されている。この送りねじ装置14は、砥石車台12を移動させるもので、砥石車台12に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構14aと、この送りねじ機構14aを回転駆動するサーボモータ14bとからなる。このサーボモータ14bは、スライドベース13上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0025】調整車2はワークW,W,…の外径面を回転支持するもので、その回転主軸20は、上記砥石車1と同様、従来周知の一般的基本構造を備えており、装置ベッド11上に設けられた調整車台22上に回転可能に装着されるとともに、図示しない駆動モータ等の駆動源に連係されている。また、調整車台22は、装置ベット11上に設けられたスライドベース23上のスライドレール23aに沿って切込み送り方向Xへ往復移動可能とされるとともに、送りねじ装置24に連係されている。この送りねじ装置24は、調整車台22を移動させるもので、調整車台22に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構24aと、この送りねじ機構24aを回転駆動するサーボモータ24bとからなる。このサーボモータ24bは、スライドベース23上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0026】また、調整車2の送り角(傾斜角)つまり回転主軸20の傾斜角は調整可能であるが、この角度が実質的に0°に設定されて、これにより、研削加工時において、ワークW,W,…に軸方向の推力が作用しない構成とされている。
【0027】ブレード3は、ワークW,W,…の外径面下部を支持するもので、装置ベッド11上に設けられたワークレスト30上に固設されている。このワークレスト30は、位置切換え装置50により、研削加工位置Aと加工待機位置Bとの間で切換え移動されて、後述するように、ドレッシング装置5と選択的に作用状態つまり上記研削加工位置Aに配置される構成とされている。
【0028】砥石車1の砥石面1a、調整車2の回転支持面2aおよびブレード3の支持面3aは、軸線方向に整列された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb、Wa,Wb、Wa,Wb、に見合ったプロフィールを備えてなる。
【0029】具体的には、図3に示すように、上記砥石車1の砥石面1aは、一定の間隔をもって配された3つの研削面31,31,31から構成され、各研削面31は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの仕上げ形状寸法に対応したV字形状のプロフィール(断面輪郭形状)を有する。
【0030】このV字形状の研削面の大きさは、上記両円錐面Wa,Wb全体に研削を施すことができるように設定されている。換言すれば、研削面31を構成するV字形状溝は、上述したワークWの両円錐面Wa,Wbと同様、90°の交差角度θをなす両側壁面を有するとともに、その深さ寸法Hは、ワークWの仕上げ最大半径、つまり両円錐面Wa,Wbの交差位置の半径よりも大きく設定されている。
【0031】また、調整車2の回転支持面2aは、上記砥石車1の研削面31,31,31にそれぞれ対向配置される3つの回転支持部32,32,32から構成され、各回転支持部32は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの一部を回転支持するプロフィールを備えている。
【0032】具体的には、図3に示すように、調整車2は、4枚の調整円板33,33,…がそれぞれスペーサ円板34を介して積層状に一体化されてなり、隣り合う調整円板33,33の端縁面33a,33bにより上記回転支持部32が構成されている。これら両端縁面33a,33bは、対向する砥石車1の研削面31と同じプロフィールを有する環状溝の一部をなすように構成されている。また、両端縁面33a,33b間のスペーサ円板34の外径寸法は、その外周面が上記両端縁面33a,33bに支持されるワークWと接触しないように設定されている。このような構成とすることにより、ワークWの両円錐面Wa,Wbが研削加工の進行に伴って変形しても、両端縁面33a,33bが常時安定してワークWの両円錐面Wa,Wbを回転支持することとなる。
【0033】また、ブレード3の支持面3aは、砥石車1の研削面31,31,31および調整車2の回転支持部32,32,32にそれぞれ対向配置される3つの支持面35,35,35から構成され、各支持面35は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの一部に見合ったプロフィールを備え、ワークWの両円錐面Wa,Wbを、その回転中心軸線が砥石車1の回転主軸10の軸線と平行となるように支持する。
【0034】具体的には、図4に示すように、ブレード3は、ワークレスト30上に起立状に取り付けられた3つのブレード部材36,36,36からなり、その上端面がワークWの両円錐面Wa,Wbに見合ったプロフィールを備える上記支持面35とされている。
【0035】すなわち、この支持面35は、ワークWの両円錐面Wa,Wbの仕上げ形状寸法に対応した、つまり両円錐面Wa,Wbの稜線に沿ったV字形状のプロフィール有し、両円錐面Wa,Wbの下部を支持するV形傾斜溝の形態とされている。これにより、ワークWの両円錐面Wa,Wbが研削加工の進行に伴って変形しても、支持面35は、両円錐面Wa,Wbを常時安定した状態で、ワークWの回転中心軸線が砥石車1の回転主軸10の軸線と平行となるように支持することとなる。
【0036】ローダ装置4は、上記研削加工位置Aにおける調整車2の回転支持面2aとブレード3の支持面3aに対して、3つのワークW,W,Wを同時にまたは連続して搬入・排出するもので、研削加工位置Aの上方に配置されている。このローダ装置4の具体的な構成については図示しないが、ワークWをチャッキングするチャック部が、移動部により、図外のワーク供給部と上記研削加工位置Aとの間で移動可能とされるとともに、上記チャック部には、エアチャック等の従来周知のチャッキング構造が採用されている。これらチャック部および移動部の駆動源は電気的駆動源で構成されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0037】また、上記ローダ装置4には、上記研削加工位置Aに回転支持される3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を上側から支持する上ブレード37(図2参照)が設けられている。この上ブレード37の支持面の具体的な構成については図示しないが、上記ブレード3の支持面3aと同様な構成とされるほか、単にワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を押さえる平坦面なども採用され、要するに、研削加工中のワークWの浮き上がり等を有効に防止し得る構造とされている。
【0038】ドレッシング装置5は、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aの両者に対してドレッシングを施すもので、図5および図6に示すように、ロータリドレッサ40と駆動モータ41を主要部として備えてなる。
【0039】上記ロータリドレッサ40は、前述した砥石面1aおよび回転支持面2aに見合ったプロフィール、つまり、図7に示すように平面に見て、これら砥石面1aおよび回転支持面2aに密接状に嵌合する断面輪郭形状を備える。
【0040】具体的には、ロータリドレッサ40は、いわゆるそろばん玉の形態とされた3つのドレッシング部40a,40a,40aと支軸部40bとが一体的に形成されてなる形態とされている。このドレッシング部40aは、上記砥石面1aの研削面31と実質的に合致するドレッシング面を有し、換言すれば、ワークWと相似形とされている。また、上記支軸部40bは、ドレッシング部40a,40a,40aが砥石車1の研削面31,31,31に実質的に合致した状態において、その外径面がこれらに隣接する円筒面45,45,…に実質的に合致するような外径寸法を有する。
【0041】上記ロータリドレッサ40は、図5および図6に示すように、その支軸部40bがドレッサ基台46に水平状態で回転可能に支持されるとともに、上記駆動モータ41に連係されている。この駆動モータ41は、具体的にはサーボモータからなり、上記ドレッサ基台46に配置されて、その回転軸が上記ロータリドレッサ40の支軸部40bと同軸状に接続されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0042】そして、上記ロータリドレッサ40は、上記サーボモータ41の回転駆動により、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aの両者に対して、図7に示すごとく同時に、または、図示しないが個別にドレッシングを施す構造とされている。
【0043】また、ドレッシング装置5は、前記位置切換え装置50により、ブレード3と選択的に作用状態に置かれる、つまり上記研削加工位置Aに配置される構成とされている。
【0044】位置切換え装置50は、スライドベース51と送りねじ装置52を主要部として構成されている。スライドベース51は、上記砥石車1と調整車2の間において、装置ベット11上に設けられた位置切換え基台55上を移動可能とされている。具体的には、この位置切換え基台55上には、スライドレール56が、切込み送り方向Xと直交する水平方向、つまり上記砥石車1と調整車2の軸線とほぼ平行な方向Yへ延びて設けられており、この上をスライドベース51が往復移動可能とされている。
【0045】スライドベース51は、送りねじ装置52に連係されるとともに、その上にブレード3を支持するワークレスト30と、ドレッシング装置5のドレッサ基台46が所定の間隔をもって並設されている。この場合、ブレード3上に支持されたワークWの軸線と上記ドレッシング装置5のロータリドレッサ40の軸線がほぼ同一水平面上に位置するように設定されている。また、これらワークWの軸心とロータリドレッサ40の軸心の高さは、図示のものにおいては、砥石車1および調整車2の軸心の高さと同じに設定されている。
【0046】上記送りねじ装置52は、スライドベース51を移動させるもので、図5および図6に示すように、このスライドベース51に螺進退可能に連係されたボールねじ等の送りねじ機構52aと、この送りねじ機構52aを回転駆動するサーボモータ52bとからなる。このサーボモータ52bは、位置切換え基台55上に配置されるとともに、制御装置6に電気的に接続されている。
【0047】そして、送りねじ装置52の駆動により、上記スライドベース51が所定の範囲でY方向へ往復移動して、上記ブレード3が研削加工位置Aと加工待機位置Bとの間で、一方、上記ロータリドレッサ40がドレッシング待機位置Cと研削加工位置Aとの間でそれぞれ切換え移動されることとなり、これにより、ブレード3とロータリドレッサ40が選択的に作用状態(研削加工位置A)に配置される。
【0048】制御装置6は、上記砥石車1、調整車2、ローダ装置4、ドレッシング装置5および位置切換え装置50の各駆動源(サーボモータ14b,24b,41,52bなど)を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されたCNC装置である。この制御装置6には、以下に述べる研削工程を実行するための制御プログラムが、数値制御データとして、予めまたは図示しない操作盤のキーボード等により適宜選択的に入力設定される。
【0049】次に、以上のようなセンタレス研削盤における研削・ドレッシング工程について説明する。
【0050】A.研削工程:■ 位置切換え装置50により、図5に示すように、ブレード3が研削加工位置Aに位置決めされた状態において、ローダ装置4(図1参照)により、3つのワークW,W,Wがまとめて上記研削加工位置Aに搬入載置される。このときロータリドレッサ40はドレッシング待機位置Cにある。また、上記ローダ装置4の上ブレード37が、搬入された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb,…上部を上側から支持する(図2参照)。
【0051】■ この状態で、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、砥石車1がワークW,W,Wに対して相対的に切込み送りされて、ワークWの外径面に研削加工が施される(図1〜図3参照)。
【0052】この場合、ワークW,W,Wの回転中心軸線は上記砥石車1の軸線と平行になるように支持されるとともに、調整車2の送り角が0°で、ワークW,W,Wには軸方向の推力が作用しない。また、このときの砥石車1の切込み送りは、砥石車1とブレード3の位置が一定で、調整車2が切込み送りされるか、または、ブレード3と調整車2の位置が一定で、砥石車1が切込み送りされる。
【0053】■ 上記ワークW,W,Wの研削加工が終了すると、ワークW,W,Wに対する砥石車1の相対的な切込み送りが停止後退されるとともに、上ブレード37による支持が解除された後、ローダ装置4により、これら3つのワークW,W,Wが研削加工位置Aから搬出除去される。
■ 上記■へ戻り、以後■〜■の工程が繰り返される。
【0054】B.ドレッシング工程:上記の研削工程が繰り返されると、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aに目つぶれ、目づまりあるいはすり減りが生じるため、所定のインターバルをもって、上記研削工程の合間に以下のドレッシング工程が実行される。
【0055】■ 位置切換え装置50により、図6に示すように、ドレッシング装置5のロータリドレッサ40が研削加工位置Aに位置決めされるとともに、ブレード3が加工待機位置Bへ移動待機される。
【0056】■ この状態で、ロータリドレッサ40が回転駆動されるとともに、砥石車1と調整車2が回転駆動されながら、その軸方向位置を規制された状態でロータリドレッサ40に対して切込み送りされて、砥石車1の砥石面1aおよび調整車2の回転支持面2aにドレッシングが施される(図7参照)。
【0057】この場合のドレッシング方式は、砥石車1と調整車2が同時に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが同時にドレッシングされたり、あるいは、砥石車1と調整車2が順次別個に切込み送りされて、砥石面1aと回転支持面2aが別個に独立してドレッシングされるなど、適宜選択実施される。
【0058】特に、前者のように、砥石車1と調整車2が同時にドレッシングが施される場合は、ロータリドレッサ40の目づまりが有効に防止されて、効率的なドレッシングが実行されることが、発明者らの試験・研究の結果判明している。
【0059】すなわち、調整車2の回転支持面2aのみをロータリドレッサ40でドレスする場合、上記回転支持面2aを構成する砥粒の結合剤の粘度数が比較的高く、かつ軟らかいため、ロータリドレッサ40のドレッシング面に目づまりを起こしやすい。これに対して、同時に砥石車1の砥石面1aもドレッシングすると、砥石車1側の砥粒等でロータリドレッサに目立ての作用が起こったり、目づまりの防止の効果が出て、調整車2の目づまりが有効に防止されて、ドレッシング性能が向上することが試験的に判明した。
【0060】しかして、本実施形態においては、砥石車1の砥石面1a(研削面31,31,31)および調整車2の回転支持面2a(回転支持部32,32,32)が、整列された3つのワークW,W,Wの両円錐面Wa,Wb、…に見合ったプロフィールを備えるとともに、上記ブレード3の支持面3a(支持面35,35,35)が、ワークW,W,Wの回転中心軸線が砥石車1の軸線と平行になるように、その両円錐面Wa,Wb、…を支持しており、さらには、調整車2に送り角を付けていないため、上記研削工程において、各ワークW,W,Wは、比較的短寸にもかかわらず倒れ等を生ずることなく常時安定した整列状態をもって研削されることとなる。
【0061】この結果、3つの両円錐ころW,W,Wが同時にかつ高い加工精度をもって研削されることとなり、多数のワークW,W,…が、高い加工精度をもって、連続的にかつ自動で量産加工することも可能であり、従来不可能とされていた両円錐ころWの多量処理による製造コストの大幅な低減化が実現することとなる。
【0062】このようにして製造された両円錐ころWは、例えば、図9(a) に示すようなスクロール型圧縮機におけるスラスト力支持構造用の構成部品として好適に適用され、両円錐ころWの外周面Wa,Wbは、図9(b) に示すように、凹部h,iの平坦底面m,nに対して線接触状態で転動運動を行うこととなる。この結果、上記支持構造に球体からなる転動体を用いた従来のスクロール型圧縮機に比較して格段に耐久性が向上し、ひいては、スクロール駆動による特性(トルク変動や振動が少なく、高速運転が可能)をいかんなく発揮し得るスクロール型圧縮機械の実用化が可能となる。
【0063】また、上述したように、上記砥石車1の砥石面1aと調整車2の回転支持面2aには、それぞれ適宜のインターバルをもってドレッシングが施されるところ、このドレッシングを、上記砥石面1aおよび回転支持面2aに見合ったプロフィールを有する単一のロータリドレッサ40を備えたドレッシング装置5により行うことにより、上記砥石面1aと回転支持面2aの目立て・修正が、その複雑なプロフィールにもかかわらず正確に行われ、砥石車1と調整車2の相対的な軸方向の位置ずれも生じず、両者1,2の軸方向の位置決めが確実となる。また、このようにして、単一のロータリドレッサ40によりドレッシングされた砥石車1と調整車2を用いて行われる研削加工は、より高い加工精度を実現することが可能となる。
【0064】なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。一例として、以下に列挙するような改変が考えられる。
【0065】(1) 調整車2およびブレード3の具体的構成は図示の構造に限定されず、同様な機能を有する他の構造を採用することが可能である。
【0066】(2) 調整車2およびブレード3と砥石車1との相対的関係、例えば、ワークWに対する砥石車1の相対的な切込み送りの方式は、図示のものに限定されず、従来周知の方式が適宜採用可能である。
【0067】すなわち、図示のものにおいては、切込み送り方向Xに対して、ブレード3が固定で、砥石車1と調整車2が移動可能とされているが、このほか、砥石車1とブレード3が一体で移動可能とされたり、調整車2とブレード3が一体で移動可能とされたり、目的に応じて種々の方式が採用可能である。
【0068】(3) 図示の実施形態においては、単一のドレッシング装置5により、砥石車1と調整車2をドレッシングする構成とされているが、もちろん従来と同様に、砥石車1と調整車2それぞれに専用のドレッシング装置を設けても良い。
【0069】(4) ドレッシング装置5は、図示のように装置ベッド11上に配置して、配置剛性を確保するほか、砥石車1が固定の場合は、従来周知のように、砥石車カバー上に配置することも可能である。
【0070】(5) 対象となるワークWは、上述した実施形態のような両円錐ころのほか、他の非円筒外径面、つまり、直径が軸方向へ直線状に連続して変化する外径面(テーパ面)、軸方向へ曲線状に連続して変化する外径面、不連続に変化する段付き外径面あるいはこれらが複合的に組み合わされてなる外径面など、直円筒面以外の回転体の外径面を有する短寸の回転体でも良い。例えば、図10および図11に示すようなワークWも研削加工が可能である。
【0071】すなわち、図10においては、ワークWの外径面Wcが凸円弧状の輪郭を有し、図11においては、ワークWの外径面Wcが二つの凹円弧と直線が組み合わされた輪郭を有する。これに対応して、いずれの場合も、砥石車1の砥石面1a、調整車2の回転支持面2aおよびブレード3の支持面3a(図示省略)が、軸線方向に整列された3つのワークW,W,Wの外径面Wc,Wc、Wcに見合ったプロフィールを備えている。
【0072】(6) 図示の実施形態においては、3つのワークW,W,Wをまとめて研削加工する構造とされているが、加工すべきワークWの個数は、目的に応じて適宜増減可能であることはもちろんである。
【0073】
【発明の効果】以上詳細したように、本発明によれば、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの砥石面を有する砥石車と、円錐ころの両円錐面に見合ったプロフィールの回転支持面を有する調整車と、上記砥石車の軸線および円錐ころの回転中心軸線が平行となるように、円錐ころの両円錐面を支持する支持面を有するブレードと、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールのドレッサ面を有するロータリドレッサとを備えてなるから、円錐ころは短寸である(軸方向長さ寸法が外径寸法に対して比較的小さい)にもかかわらず、倒れ等を生ずることなく、複数個同時に研削する場合でも常時安定した整列状態をもって研削されることとなる。この結果、多数の両円錐ころを連続的にかつ自動で量産加工することも可能であり、量産加工による製造コストの大幅な低減化を図る。
【0074】したがって、高い仕上げ精度(面粗さ、真円度等)と量産性を有する代表的なワークであった両円錐ころにも、センタレス研削技術の利用が可能となって、高い加工精度と高い加工能率の研削加工が実現し、多数の両円錐ころを連続的にかつ自動で量産加工することができる。この結果、従来不可能とされていた両円錐ころの多量処理による製造コストの大幅な低減化が実現する。
【0075】したがって、両円錐ころを構成部品として備えたスラスト力支持構造、さらにはこの支持構造を備えて、従来に比較して格段に耐久性が向上したスクロール型圧縮機の実用化も可能となった。
【0076】上記砥石車の砥石面と調整車の回転支持面に対するドレッシングが、上記砥石車の砥石面および調整車の回転支持面に見合ったプロフィールを有する単一のロータリドレッサにより行われるから、上記砥石面と回転支持面の目立て・修正が、その複雑なプロフィールにもかかわらず正確に行われ、この結果、砥石車と調整車の相対的な軸方向の位置ずれも生じることがなく、両者の軸方向の位置決めが確実で、ワーク搬入・搬出やドレス時の作業段取り時間の短縮とともに、作業段取りの自動化による多量生産も可能となり、装置コストも低く抑えられる。




 

 


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