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発明の名称 薄板円板状ワークの両面研削装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−180602
公開日 平成10年(1998)7月7日
出願番号 特願平8−341971
出願日 平成8年(1996)12月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外3名)
発明者 石井 利夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】端面の円形研削面同志が対向するとともに軸方向に相対的に移動しうるように配置されて回転させられる1対の研削砥石と、薄板円板状ワークの両面の加工面が前記1対の研削砥石の研削面にそれぞれ対向するとともに前記ワークの外周の一部および中心が前記研削面の外周の内側に位置するように前記ワークを前記研削面の間の研削加工位置に支持して自転させるためのワーク自転手段とを備えており、前記ワーク自転手段が、前記ワークの径方向の位置を規制する径方向支持手段と、前記ワークの軸方向の位置を規制する軸方向支持手段とを備え、前記径方向支持手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの外周に接触して回転する少なくとも3個のガイドローラを備え、前記軸方向支持手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの加工面の2箇所に接触して移動することにより前記ワークを自転させる1対の駆動ベルトと、前記ワークを前記各駆動ベルトとの間に挟むように前記駆動ベルトの反対側から前記ワークの加工面に圧接する押えローラとを備えていることを特徴とする薄板円板状ワークの両面研削装置。
【請求項2】前記1対の駆動ベルトが、前記ワークに接触するワーク支持部の面が上向きになるように互いに平行に配置され、前記1対の駆動ローラの駆動状態が、前記ワーク支持部が互いに同じ搬入方向に移動してその上に載ったワークを前記研削加工位置に搬入するワーク搬入状態と、前記ワーク支持部が互いに同じ搬出方向に移動してその上に載ったワークを前記研削加工位置から搬出するワーク搬出状態と、前記ワーク支持部が互いに逆方向に移動してその上に載ったワークを自転させるワーク自転状態とに切替えられるようになされ、前記押えローラが、前記駆動ベルト上の前記ワークより上方に離れた待機位置と、前記駆動ベルト上の前記ワークに圧接する作動位置との間を昇降するようになされ、前記軸方向支持手段が、前記ワーク搬入状態の前記1対の駆動ベルトにより移動させられてきた前記ワークの移動方向前側の部分の外周に当接してこれを停止させる少なくとも2個の固定ガイドローラと、前記固定ガイドローラにより停止させられている前記ワークの移動方向後側の部分の外周に当接する少なくとも1個の可動ガイドローラとを備え、前記可動ガイドローラが、前記駆動ベルト上の前記ワークより上方に離れた待機位置と、前記駆動ベルト上の前記ワークの外周に接触する作動位置との間を昇降するようになされていることを特徴とする請求項1の薄板円板状ワークの両面研削装置。
【請求項3】前記1対の駆動ベルトの前記ワーク支持部が、その下に配置されたガイド部材により案内されていることを特徴とする請求項2の薄板円板状ワークの両面研削装置。
【請求項4】前記押えローラと前記可動ガイドローラとが、同一の昇降部材に取付けられ、互いに同期して昇降するようになされていることを特徴とする請求項2または3の薄板円板状ワークの両面研削装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄板円板状ワークの両面研削装置、さらに詳しくは、たとえば半導体ウェーハなどのような薄板円板状ワークの両面を同時に研削する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】円板状ワークの両面を同時に研削する装置として、端面の研削面同志が対向するように配置されて回転する1対の研削砥石の間に、回転する円板状のキャリヤのポケットに入れたワークを通すものが従来から知られている。この場合、研削砥石の研削面の外径(直径)は、ワークの外径より大きくなくてはならない。また、キャリヤには、通常、外周寄りの円周上に複数のポケットが等間隔をおいて形成されており、キャリヤの一部もウェーハとともに1対の研削砥石の間に入るが、この部分のキャリヤの厚さは、もちろん、研削時の1対の砥石の間隔すなわちワークの仕上がり厚さより小さくなくてはならない。
【0003】ところで、現在用いられている半導体ウェーハには外径が約200mm(8インチ)のものと約300mm(12インチ)のものがあるが、いずれも厚さ(研削仕上がり寸法)は0.8mm程度であり、外径に比べて厚さがきわめて薄いものである。このようなウェーハを上記のような装置で研削する場合、ウェーハの外径が比較的大きいため、砥石の外径が大きくなり、ウェーハを収容して回転するキャリヤも大きくなる。このため、装置が大型になる。また、ウェーハの厚さが薄いため、ウェーハとともに研削砥石の間に入るキャリヤの部分を非常に薄くする必要がある。研削砥石の間に入るキャリヤのとくにポケットの部分には、これに収容されているワークを介して研削力が作用するが、この部分を薄くすると強度が低下し、ワークを円滑に移動させることが困難になる。このため、従来は、ウェーハの両面研削は困難であった。
【0004】ウェーハ以外の薄板円板状のワークの場合にも、同様の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、薄板円板状ワークの両面を同時にかつ容易に研削でき、しかも小型化が可能な装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発明による装置は、端面の円形研削面同志が対向するとともに軸方向に相対的に移動しうるように配置されて回転させられる1対の研削砥石と、薄板円板状ワークの両面の加工面が前記1対の研削砥石の研削面にそれぞれ対向するとともに前記ワークの外周の一部および中心が前記研削面の外周の内側に位置するように前記ワークを前記研削面の間の研削加工位置に支持して自転させるためのワーク自転手段とを備えており、前記ワーク自転手段が、前記ワークの径方向の位置を規制する径方向支持手段と、前記ワークの軸方向の位置を規制する軸方向支持手段とを備え、前記径方向支持手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの外周に接触して回転する少なくとも3個のガイドローラを備え、前記軸方向支持手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの加工面の2箇所に接触して移動することにより前記ワークを自転させる1対の駆動ベルトと、前記ワークを前記各駆動ベルトとの間に挟むように前記駆動ベルトの反対側から前記ワークの加工面に圧接する押えローラとを備えていることを特徴とするものである。
【0007】ワークは、その外周の一部および中心が研削面の外周の内側に位置するように、ワーク自転手段の径方向支持手段および軸方向支持手段により研削加工位置に支持されて、自転させられ、1対の研削砥石が、それぞれの研削面をワークの各加工面に接触させた状態で、回転させられる。研削砥石が回転することにより、それらの研削面に接触しているワークの加工面が研削され、ワークが外周の一部および中心を研削面の外周の内側に位置させた状態で自転することにより、ワークが1回転する間に、ワークの加工面の全面が研削面の間を通過して、研削面に接触する。このため、ワークの半径より研削面の外径が少し大きい研削砥石を用いて、ワークをその場で自転させるだけで、その両面の加工面の全面を同時に研削することができる。ワークをその場で自転させるだけでよく、従来のようにキャリヤなどを用いて移動させる必要がないため、薄板円板状のワークであっても容易にかつ確実に研削ができ、しかも装置の小型化が可能である。また、ワークの半径より研削面の外径が少し大きい研削砥石を用いてワークの加工面全体を研削することができ、ワークの外径より研削面の外径が大きい大型の砥石を用いる必要がないため、この点からも、装置の小型化が可能である。
【0008】しかも、径方向支持手段および軸方向支持手段を構成する少数のローラと1対の駆動ベルトだけで、確実にワークを支持して自転させることができ、装置の構成の簡素化および小型化が可能である。
【0009】したがって、この発明の装置によれば、薄板円板状ワークの両面を同時に、容易にかつ確実に研削でき、しかも装置の構成の簡素化および小型化が可能である。
【0010】たとえば、前記1対の駆動ベルトが、前記ワークに接触するワーク支持部の面が上向きになるように互いに平行に配置され、前記1対の駆動ローラの駆動状態が、前記ワーク支持部が互いに同じ搬入方向に移動してその上に載ったワークを前記研削加工位置に搬入するワーク搬入状態と、前記ワーク支持部が互いに同じ搬出方向に移動してその上に載ったワークを前記研削加工位置から搬出するワーク搬出状態と、前記ワーク支持部が互いに逆方向に移動してその上に載ったワークを自転させるワーク自転状態とに切替えられるようになされ、前記押えローラが、前記駆動ベルト上の前記ワークより上方に離れた待機位置と、前記駆動ベルト上の前記ワークに圧接する作動位置との間を昇降するようになされ、前記軸方向支持手段が、前記ワーク搬入状態の前記1対の駆動ベルトにより移動させられてきた前記ワークの移動方向前側の部分の外周に当接してこれを停止させる少なくとも2個の固定ガイドローラと、前記固定ガイドローラにより停止させられている前記ワークの移動方向後側の部分の外周に当接する少なくとも1個の可動ガイドローラとを備え、前記可動ガイドローラが、前記駆動ベルト上の前記ワークより上方に離れた待機位置と、前記駆動ベルト上の前記ワークの外周に接触する作動位置との間を昇降するようになされている。
【0011】このようにすれば、駆動ベルトの上向きのワーク支持部の面にワークを載せるだけで、後は、駆動ベルトのワーク支持部により、ワークを研削加工位置に搬入し、その位置でワークを自転させて研削加工を行い、研削の終了したワークを研削加工位置から搬出することができる。そして、ワークを自転させるための駆動ベルトでワークの搬入、搬出もできることにより、装置の構成の簡素化および小型化が可能である。
【0012】この場合、たとえば、前記1対の駆動ベルトの前記ワーク支持部が、その下に配置されたガイド部材により案内されている。
【0013】このようにすれば、押えローラの圧接力をガイド部材によって受けることができ、駆動ベルトが変形することがないため、ワークを軸方向の一定位置に確実に支持することができる。
【0014】上記の場合、たとえば、前記押えローラと前記可動ガイドローラとが、同一の昇降部材に取付けられ、互いに同期して昇降するようになされているこのようにすれば、1つの昇降部材だけで押えローラと可動ガイドローラを同時に昇降させることができ、装置の構成および操作の簡素化ならびに小型化が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明を半導体ウェーハの両面研削に適用した実施形態について説明する。
【0016】図1〜図3は第1実施形態を示し、図1は両面研削装置の全体構成を示している。第1実施形態は、位置決め用平坦部が形成されていないワークを対象とするものである。両面研削装置は縦軸両頭平面研削盤(1) にワーク自転手段としてのワーク自転装置(2) が付加されたものであり、自転装置(2) の詳細が図2および図3に示されている。この実施形態の説明において、図1の左側を前、右側を後とし、前から後を見たときの左右を左右とする。
【0017】研削盤(1) は、床(A) に固定された水平なベース(3) 、ベース(3) の後部から鉛直上方にのびるコラム(4) 、コラム(4) の前面に取付けられた上下のスライド(5)(6)、および各スライド(5)(6)の前面に固定された上下の砥石ヘッド(7)(8)を備えている。各スライド(5)(6)は、図示しない適当な駆動手段により、互いに独立してコラム(4) に沿って上下方向に移動させられるようになっている。上下の砥石ヘッド(7)(8)に、それぞれ、鉛直な砥石軸(10)(11)が回転支持されている。上下の砥石軸(10)(11)の軸心は、1つの共通の鉛直線上にある。上側砥石ヘッド(7) の下面より下方に突出した上側砥石軸(10)の下端部にカップ状の上側研削砥石(12)が固定され、下側砥石ヘッド(8) の上面より上方に突出した下側砥石軸(11)の上端部にこれと同形状、同寸法の下側研削砥石(13)が固定される。上側砥石(12)の環状の水平下端面は上側円形研削面(12a) 、下側砥石(13)の環状の水平上端面は下側円形研削面(13a) となっており、上下の研削面(12a)(13a)が互いに平行な状態で対向している。この実施形態の場合、各砥石(12)(13)の外周と各研削面(12a)(13a)の外周は一致している。上下のスライド(5)(6)の少なくともいずれか一方が上下方向に移動することにより、上下の砥石(12)(13)が上下方向すなわち軸方向に相対移動する。上下の砥石軸(10)(11)は、図示しない適当な駆動手段により、互いに逆方向に同速度で回転させられ、その結果、上下の砥石(12)(13)が互いに逆方向に同速度で回転させられる。研削盤(1) の他の部分は、公知の縦軸両頭平面研削盤と同様に構成することができる。
【0018】自転装置(2) は、ワーク(ウェーハ)(W) の両面の加工面(a)(b)が上下の研削面(12a)(13a)にそれぞれ対向するとともにワーク(W) の外周の一部および中心(c) が研削面(12a)(13a)の外周の内側に位置するように、ワーク(W) を上下の研削面(12a)(13a)の間の研削加工位置に水平に支持して自転させるとともに、ワーク(W) の研削加工位置への搬入および研削加工位置からの搬出を行うものであり、研削盤(1) のベース(3) の前部とその前方の床(A) の間に跨がるように固定された基台(14)に設けられている。基台(14)は、鉛直で前後方向に長い左右の側板(14a)(14b)を備えている。左右の側板(14a)(14b)は下部において互いに連結され、基台(14)は砥石ヘッド(7)(8)、砥石(12)(13)などと干渉しないようになっている。
【0019】自転装置(2) は、前後方向にのびる左右1対の無端駆動ベルト(15)(16)、鉛直軸を中心に回転する4個のガイドローラ(17)(18)、および左右方向の水平軸を中心に回転する左右1対の押えローラ(19)(20)を備えている。
【0020】基台(14)の各側板(14a)(14b)の左右方向内側の面に、駆動プーリ(21)、従動プーリ(22)およびテンションプーリ(23)が左右方向の水平軸を中心に回転しうるように取付けられ、これらに各ベルト(15)(16)が巻きかけられている。ベルト(15)(16)は、たとえばゴム製の平ベルトである。各駆動プーリ(21)は各側板(14a)(14b)の後部上部に、各従動プーリ(22)は各側板(14a)(14b)の前部上部に、各テンションプーリ(23)はこれらの前後方向中間の下方に配置されている。ベルト(15)(16)の駆動プーリ(21)と従動プーリ(22)の間の部分はほぼ水平に前後方向にのびており、この部分がその上向きの面でワーク(W) に接触してこれを支持するワーク支持部(15a)(16a)となっている。各側板(14a)(14b)の左右方向内側の面に、各ベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)を下から受けて案内するほぼ水平なガイド部材(24)が固定されている。各駆動プーリ(21)は、それぞれ、電動モータ(25)によって駆動され、各モータ(25)の回転方向を制御することにより、各ベルト(15)(16)の駆動方向を独立して切替えられるようになっている。各ベルト(15)(16)について、ワーク支持部(15a)(16a)が後側に移動させられる駆動方向を搬入方向、ワーク支持部(15a)(16a)が前側に移動させられる駆動方向を搬出方向といい、また、両方のベルト(15)(16)が搬入方向に駆動される状態をワーク搬入状態、両方のベルト(15)(16)が搬出方向に駆動される状態をワーク搬出状態、ベルト(15)(16)の一方が搬入方向に他方が搬出方向に駆動される状態をワーク自転状態という。
【0021】ガイドローラ(17)(18)は、基台(14)の後寄りの部分の前後2箇所に、左右対称となるように配置され、後側の2個が固定ガイドローラ(17)、前側の2個が可動ガイドローラ(18)となっている。各側板(14a)(14b)の上部前端部に左右方向内側に水平に突出した支持部材(26)が固定され、これらの先端部に固定ガイドローラ(17)が回転自在に取付けられている。各固定ガイドローラ(17)は、対応するベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)のすぐ前に位置し、ワーク支持部(15a)(16a)の上面は固定ガイドローラ(14)の外周の高さの中間部に位置している。左右の側板(14a)(14b)のベルト(15)(16)の前部に対応する部分の相互間に、門形のフレーム(27)がわたし止められている。フレーム(27)の上部の水平部分の左右方向中央部に、下向きに配置された電動モータ(28)の下端部が貫通状に固定され、モータ(28)により駆動される鉛直な送りねじ(29)にナット(30)を介して昇降部材(31)が吊り下げられている。昇降部材(31)は水平板状をなし、その左右両側部がフレーム(27)の両側の鉛直部分によって案内され、鉛直軸のまわりに回転しないようになっている。そして、モータ(28)を駆動することにより、昇降部材(31)が所定の範囲を昇降するようになっている。昇降部材(31)の前部の左右対称位置に、下向きに鉛直にのびた支持部材(32)が固定され、各支持部材(32)の下端部に可動ガイドローラ(18)がそれぞれ回転自在に取付けられている。昇降部材(31)の後部の左右対称位置に、下向きに鉛直にのびて下部が開口した各筒状のガイド部材(33)が固定され、上部が開口した鉛直な角筒状の支持部材(34)の上部がガイド筒(33)に摺動自在にはめられている。支持部材(34)はガイド部材(33)に沿って所定の範囲を昇降しうるようになっており、その下端部に押えローラ(19)(20)が回転自在に取付けられている。そして、ガイド部材(33)と支持部材(34)の中空部内に、支持部材(34)および押えローラ(19)(20)を下向きに付勢するための弾性部材としての圧縮コイルばね(35)が設けられている。図3に示すように、昇降部材(31)が下端位置まで下降したとき、可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)は下端の作動位置まで下降する。ベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)の上面は、作動位置にある可動ガイドローラ(19)の外周の高さの中間に位置する。また、作動位置まで下降した押えローラ(19)(20)は、ばね(35)の弾性力により、ガイド部材(24)の前部上面で受けられたベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)の前部上面に圧接する。昇降部材(31)が上端位置まで上昇したとき、可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)は上端の待機位置まで上昇し、このとき、可動ガイドローラ(18)の最下部およびばね(35)によりガイド部材(33)に対して最も下側に移動している押えローラ(19)(20)の最下部は、いずれもベルト(15)のワーク支持部(15a)(16a)の上面より上方にかなりはなれている。
【0022】ベルト(15)(16)の前部、固定ガイドローラ(17)および押えローラ(19)(20)は、砥石(12)(13)の近傍に位置しているが、砥石(12)(13)と干渉しないよう、左右に適当な間隔をあけて配置されている。
【0023】4個のガイドローラ(17)(18)により、ワーク(W) の径方向の位置を規制する径方向支持手段が構成され、左右のベルト(15)(16)と押えローラ(19)(20)により、ワーク(W) の軸方向の位置を規制するとともにワーク(W) を自転させる軸方向支持手段が構成されている。
【0024】この実施形態の場合、砥石(12)(13)の外径はワーク(W) の外径の約70%であり、後述する研削作業時には、ワーク(W) の中心(c) が研削面(12a)(13a)の外周よりわずかに内側(右側)に位置するようになっている。
【0025】詳細な図示は省略したが、研削装置には、たとえば搬出搬入コンベヤ(36)などを備えたワーク搬出搬入装置が設けられている。
【0026】上記の研削装置において、ワーク(W) の研削作業はたとえば次のようにして行われる。
【0027】研削作業中、上下の砥石(12)(13)は常時回転している。作業開始時には、上下の砥石(12)(13)は上下に離れた待機位置に移動し、可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)は上端の待機位置まで上昇し、左右のベルト(15)(16)は停止している。このような状態で、コンベヤ(36)によりワーク(W) が後側に移動させられて、ベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)の前部に搬入される。ワーク(W) が搬入されると、これが図示しない適宜なセンサなどにより検出されて、コンベヤ(36)は停止し、左右のベルト(15)(16)が搬入方向に駆動されて、ワーク搬入状態になり、ワーク(W) がワーク支持部(15a)(16a)に載せられて、後側に移動させられる。ワーク(W) が研削加工位置まで移動すると、その後部の2箇所が固定ガイドローラ(17)に当接し、ワーク(W) はその位置に停止する。ワーク(W) が固定ガイドローラ(17)に当接すると、これが図示しない適宜なセンサなどによって検知され、ベルト(15)(16)が停止する。ベルト(15)(16)が停止すると、可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)が下端の作動位置まで下降させられる。これにより、可動ガイドローラ(18)がワーク(W) の前側2箇所の外周に接するかあるいはその近傍に位置するとともに、押えローラ(19)(20)がベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)の上に載っているワーク(W) の上側の加工面(a) に圧接し、ワーク(W) が、研削加工位置において、径方向および軸方向に支持される。ワーク(W) は、研削加工位置に支持されると、図2に示すように、ワーク(W)の中心(c) が研削面(12a)(12b)の外周の最前部よりわずかに後側(内側)に位置する。
【0028】可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)が作動位置まで下降したならば、左右のベルト(15)(16)が互いに逆方向に駆動されて、ワーク自転状態になる。左右のベルト(15)(16)が逆方向に駆動されることにより、各ベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)が前後方向に関して互いに逆方向に移動し、ワーク(W)の左右両側部が、ベルト(15)(16)との摩擦力により、円周方向に関して同方向に駆動され、ワーク(W) が、研削加工位置において、ほぼその中心(c) を中心に自転させられる。
【0029】ワーク(W) が自転を開始すると、砥石(12)(13)が互いに接近する方向に移動させられ、研削面(12a)(13a)が対応する加工面(a)(b)に接触させられる。これにより、ワーク(W) の後側の部分が砥石(12)(13)で挟まれ、ワーク(W) の後側の外周の一部と中心(c) とが研削面(12a)(13a)の外周の内側に位置する。砥石(12)(13)は、ワーク(W) の仕上がり寸法より決まる所定の位置まで移動させられ、その位置に所定時間停止させられる。その間に、砥石(12)(13)が回転することにより、それらの研削面(12a)(13a)に接触しているワーク(W) の加工面(a)(b)が研削され、ワーク(W) が外周の一部および中心(c) を研削面(12a)(13a)の外周の内側に位置させた状態で自転することにより、ワーク(W) が1回転する間に、ワーク(W)の加工面(a)(b)の全面が研削面(12a)(13a)の間を通過して、研削面(12a)(13a)に接触し、その結果、ワーク(W) が何回転かする間に、両面の加工面(a)(b)の全面が同時に研削される。
【0030】ワーク(W) の研削が終了すると、砥石(12)(13)がワーク(W) から離れ、さらに上下の待機位置まで移動する。砥石(12)(13)がワーク(W) から離れると、ベルト(15)(16)が停止し、これにより、ワーク(W) の回転が停止する。ワーク(W) が停止すると、可動ガイドローラ(18)および押えローラ(19)(20)が待機位置まで上昇し、左右のベルト(15)(16)が搬出方向に駆動されて、ワーク搬出状態になる。これにより、ワーク(W) がワーク支持部(15a)(16a)に載せられて、前側に移動させられ、コンベヤ(36)に移される。ワーク(W) がコンベヤ(36)に移されると、ベルト(15)(16)が停止し、コンベヤ(36)が前向きに駆動されて、ワーク(W) を前側に搬出する。このように加工の終了したワーク(W) が搬出されると、次のワーク(W) が前記のようにコンベヤ(36)により搬入され、以後は、上記の動作を繰返すことにより、次々に研削が行われる。
【0031】なお、必要があれば、基台(14)全体を前後方向に移動しうるようにしておき、研削中に、基台(14)を前後方向に往復移動させ、これにより、ワーク(W) を、前後方向、すなわち、研削面(12a)(13a)に平行であってワーク(W) の中心(c) と砥石(12)(13)の軸心を結ぶ方向に往復移動させる。この往復移動は、ワーク(W) の後側の外周の一部と中心(c) とが常に研削面(12a)(13a)の外周の内側に位置する範囲内で行われる。たとえば、往復移動のストロークは約5mmである。このようにワーク(W) を往復移動させることにより、とくにワーク(W) の中心部の平面度、面粗度を向上させることができる。
【0032】研削中にワーク(W) を往復移動させる場合、往復移動の方向は、上記のようにワーク(W) の中心(c) と砥石(12)(13)の軸心を結ぶ方向あるいはこれに近い方向が望ましいが、研削面(12a)(13a)に平行な他の方向に往復移動させてもよい。
【0033】上下の砥石(12)(13)は、通常は、上記実施形態のように同速度で回転させられるが、たとえば上下の加工面(a)(b)の研削取代配分を変化させたい場合など、場合によっては、上下の砥石(12)(13)の回転速度を変えて研削することもできる。また、上下の砥石(12)(13)を互いに同方向に回転させて研削することも可能である。
【0034】第1実施形態において、固定ガイドローラ(17)は、ベルト(15)(16)により移動させられてきたワーク(W) を研削加工位置に確実に停止させるため、2個以上必要であるが、可動ガイドローラ(18)は固定ガイドローラ(17)とでワーク(W) の径方向の位置を規制するものであるから、1個以上であればよい。
【0035】第1実施形態では、ベルト(15)(16)に対して、コンベヤ(36)によりワーク(W)の搬出、搬入を行うようになっているが、たとえば吸着盤などを備えた適当なワーク搬出搬入装置を使用して、ベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)の前部に直接ワーク(W) を搬入し、この部分から直接ワーク(W) を搬出するようにしてもよい。
【0036】また、第1実施形態では、駆動ベルト(15)(16)の後端部を研削加工位置とし、ワーク(W) を後側に移動させて研削加工位置に搬入し、ワーク(W) を前側に移動させて研削加工位置から搬出するようになっているが、たとえば、研削加工位置の左右両側にのびた駆動ベルトにより、ワークを左側から研削加工位置に搬入し、研削の終了したワークを研削加工位置から右側に搬出するようにすることもできる。このようにすれば、ベルトを1方向に駆動して、ワークの搬入、搬出を行うことができる。しかし、この場合は、上記実施形態の固定ガイドローラ(17)に相当するガイドローラも昇降自在にし、このガイドローラをワークの搬出時には上方の待機位置に上昇させておくようにする必要がある。
【0037】さらに、第1実施形態では、ベルト(15)(16)によりワーク(W) の搬入、搬出も行うようになっているが、ベルト(15)(16)はワーク(W) を自転させるだけのものであってもよい。その場合、ベルト(15)(16)は、研削加工位置にあるワーク(W)を支持するだけの短いものでよい。また、ガイドローラ(17)(18)の位置は全て固定として、押えローラ(19)(20)だけを適当な位置に退避できるようにし、たとえば吸着板などを備えた適当なワーク搬入搬出手段により、ワーク(W) をガイドローラ(17)(18)の間のベルト(15)(16)のワーク支持部(15a)(16a)に直接搬入し、この位置から直接搬出するようにしてもよい。
【0038】駆動ベルト(15)(16)として、第1実施形態では平ベルトを用いているが、たとえばタイミングベルトなど、他の形式のベルトを用いることも可能である。
【0039】図4は、第2実施形態を示し、第1実施形態の図2に相当する部分の主要なものだけを表わしている。
【0040】第2実施形態は、位置決め用平坦部(f) が形成されたワーク(W) を対象とするものであり、可動ガイドローラ(18)(37)の数が第1実施形態の場合と異なっている。すなわち、第2実施形態の場合、第1実施形態と同じ2個の可動ガイドローラ(18)の少し後方にそれぞれ補助の可動ガイドローラ(37)が設けられている。可動ガイドローラ(18)と可動ガイドローラ(37)の円周方向の間隔は、平坦部(f) の円周方向の寸法より少し大きい。また、可動ガイドローラ(37)は、可動ガイドローラ(18)と共通の昇降部材(31)に可動ガイドローラ(18)と同様に取付けられている。
【0041】第2実施形態のようにすれば、平坦部(f) があるワーク(W) を6個のガイドローラ(17)(18)(37)で確実に径方向に支持して自転させることができる。しかし、この実施形態のものは、位置決め用平坦部のないワークの研削にももちろん使用することができる。
【0042】第2実施形態における研削装置の具体的な構成は、第1実施形態のものと同様にすることができる。図4において、第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付している。
【0043】上記実施形態においては、研削砥石の軸心が鉛直である縦軸の両面研削装置を示したが、研削砥石の軸心が水平である横軸のものにすることもできる。その場合、駆動ベルトのワーク支持部は、横軸の砥石の鉛直な研削面と平行な鉛直面内にあるが、その駆動方向は、鉛直方向、水平方向、あるいはこれらの間の斜めの方向のいずれでもよい。
【0044】また、この発明は、半導体ウェーハ以外の薄板円板状ワークの研削にも適用することができる。




 

 


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