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発明の名称 メタルボンド砥石を用いたセンタレス研削方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−175165
公開日 平成10年(1998)6月30日
出願番号 特願平8−352629
出願日 平成8年(1996)12月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司 (外2名)
発明者 大森 整 / 山田 裕久
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 所定方向に回転するメタルボンド砥石と調整車との間に被加工物を回転自在に配置し、前記調整車により被加工物をメタルボンド砥石に押し付けて該被加工物の研削加工を行うセンタレス研削方法において、前記メタルボンド砥石と該メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたツルーイング用電極との間に電圧を印加し、該ツルーイング用電極とメタルボンド砥石の研削作用面との間に放電を生起させて、砥石研削作用面のメタルボンドを溶融・排除することにより、前記メタルボンド砥石の研削作用面の形状を修正した後、前記ツルーイング用電極と同様に前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極と前記メタルボンド砥石との間に電圧を印加し、且つ前記ドレス用電極とメタルボンド砥石との間に導電性の研削液を供給して電解ドレッシングを行いながら被加工物の研削加工を行うことを特徴とするメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削方法。
【請求項2】 前記ツルーイング用電極及び/又はドレス用電極をメタルボンド砥石の研削作用面に沿って移動させる請求項1記載のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削方法。
【請求項3】 メタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石を回転自在に支持するとともに、これを所定方向に回転させる支持回転手段と、被加工物を回転自在に支持するブレードと、該ブレードに支持される被加工物を前記メタルボンド砥石に押し付ける調整車と、前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたツルーイング用電極と、陽極が前記メタルボンド砥石に接続するとともに、陰極が前記ツルーイング用電極に接続して、前記メタルボンド砥石と該ツルーイング用電極との間に電圧を印加するツルーイング用電源と、前記ツルーイング用電極をメタルボンド砥石の研削作用面に対して所定量前進させる切込付与手段と、前記ツルーイング用電極と同様に前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極と、陽極が前記メタルボンド砥石に接続するとともに、陰極が前記ドレス用電極に接続して、前記メタルボンド砥石と該ドレス用電極との間に電圧を印加するドレス用電源と、前記メタルボンド砥石とドレス用電極との間に導電性の研削液を供給する研削液供給手段とから構成したことを特徴とするメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削装置。
【請求項4】 前記ツルーイング用電源とドレス用電源とを一つの電源で構成し、且つ該電源と前記ツルーイング電極又はドレス電極との接続を切り換える切換え手段を備えた請求項3記載のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削装置。
【請求項5】 前記ツルーイング用電極及び/又は前記ドレス電極を前記メタルボンド砥石の研削作用面沿って移動させる電極移動手段を備えた請求項3又は4記載のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削装置。
【請求項6】 前記ツルーイング電極が銅−タングステン合金からなる請求項3,4又は5記載のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削装置。
【請求項7】 前記メタルボンド砥石の結合剤が青銅及び鉄である請求項3,4,5又は6記載のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度のメタルボンド砥石を用いたセンタレス研削方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳鉄ファイバボンドダイヤモンド砥石等の高強度メタルボンド超砥粒砥石が、セラミックス等の高硬度難加工材の超精密加工に適していることが知られている。そして、この高強度メタルボンド超砥粒砥石を用いた高能率研削法として電解インプロセスドレッシング(Electrolytic In-process Dressing、以下「ELID」という)研削法が開発され、近時注目を集めている。前記高強度メタルボンド超砥粒砥石は高強度であり前記高硬度難加工材の超精密加工に向いているが、高強度であるが故にそのドレッシング(目立て)が容易ではなく、従来用いられていたロータリダイヤ等による機械的ドレッシングでは、ドレッシング作業に長時間を要するばかりか、ロータリダイヤ自体の摩耗も激しく、その作業が困難を極めていたのである。そこで前記ELID研削法が開発されたのであるが、このELID研削法を簡単に言うと、研削加工を行いながら(インプロセス)電解作用により砥石をドレッシングするというものである。
【0003】このELID研削法を実施するための一具体例としての装置を図5に示す。同図に示すように、このELID研削装置は、支持回転手段(図示せず)により支持され一定方向に回転するメタルボンド砥石12と、被加工物Wを回転自在に支持するブレード15と、メタルボンド砥石12と同方向に回転するとともに被加工物Wをメタルボンド砥石12に押し付ける調整車14とを備えたセンタレス研削装置にELID研削法を適用したものであり、ELID装置として、メタルボンド砥石12の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極11と、メタルボンド砥石12の回転軸13に陽極が接続し、前記ドレス用電極11に陰極が接続した電源16と、前記メタルボンド砥石12とドレス用電極11との間に導電性の研削液を供給する研削液供給手段17とを備えたものである。
【0004】前記メタルボンド砥石(以下、単に「砥石」という)12はダイヤモンド,CBN等の超砥粒を鋳鉄等の導電性を有する結合剤(メタルボンド)で保持したものであり、電源16により、この砥石12の回転軸13とドレス用電極21との間に所定の電圧を印加すると、メタルボンドの導電性からメタルボンド砥石の表面が陽極となり、前記ドレス用電極11が陰極となる。そこに前記研削液供給手段17から導電性の研削液(弱導電性の研削液が好ましい。)を供給すると、例えばメタルボンドが鋳鉄である場合には、図6(a)に示すように、電気分解により砥石12表面のメタルボンド部分18から鉄イオン(Fe2+)が溶出し、砥粒19が砥石12表面に露出してドレッシングが行われる。そしてこの鉄イオン(Fe2+)のうちある割合のものが水酸化鉄に変化し、最終的には硬い酸化鉄へと変化して砥石12表面に付着し、図6(b)に示すような酸化鉄被膜20を砥石12表面に形成する。この酸化鉄は電気的に絶縁性であるため、酸化鉄被膜20が充分に形成されると、電気分解による鉄イオン(Fe2+)の溶出が抑制される。次に、この状態で引き続いて研削加工を行うと、図6(c)に示すように、砥粒19が摩耗するとともに、被加工物Wとの摩擦により酸化鉄被膜20が砥石12表面から遊離し始め、これが進行すると、図6(d)に示すように、砥石12表面を覆う酸化鉄被膜20が不十分となって再び導電性が回復し、上述した図6(a)から(d)に至る一連のプロセスを繰返すことになる。
【0005】以上のようにELID研削法は、随時ドレッシングを行いながら研削加工を行うことができるものであり、研削加工を極めて高能率に行うことができるとともに、ドレッシングを電気化学的に行うので、従来のロータリダイヤ等を用いた機械的なドレッシングに比べて、その抵抗が少なく、装置全体をコンパクトにすることができるという効果を有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ELID研削法は画期的な研削法であるが、このELID研削法においても、他に解決しなければならない問題として、砥石の形状修正(ツルーイング)の問題が存在した。
【0007】図7(a)に示すように、製造されたばかりの砥石12は、その表面がメタルボンド18で覆われ、砥粒19が表面に露出していないのが通常の状態である。そこで、砥石12表面のメタルボンド18を落として、砥粒19を表面に露出させなければ研削加工を行うことができないが、従来はこの作業に、上述したドレッシングにおけると同様のロータリダイヤを用いていたのである。
【0008】ところが、メタルボンドは他の結合剤、例えばビトリファイドやレジンと異なり、硬くしかもねばりがあり、これを落として砥粒19を砥石12表面に露出させるには膨大な時間を要するばかりか、ロータリダイヤが激しく摩耗し、また、目詰りに起因する切れ味不良により激しい機械的振動を伴うため、とても実用に適さないものであった。また、例え、ロータリダイヤを用い長時間を掛けて砥石12をツルーイングしたとしても、その結果得られる砥石12は、図7(b)に示すように、砥粒19が磨滅した状態でその表面に露出したものとなり、当初からその切れ味が悪いものとなるという不都合を生じるのである。
【0009】また、研削加工が進むと摩耗により砥石12の形状が異常となることは良く知られているが、このままの状態で加工すると、形状異常による加工精度の悪化を来すため、この形状異常を修正する必要があるが、この際にも上述したと同様の問題を生ずるのである。
【0010】特に、センタレス研削においては、比較的幅の広い砥石を使用するため、ツルーイングの効率化及び高精度化を図る必要があり、これらは必ず達成しなければならない課題なのである。
【0011】一方、ELID研削における電解ドレッシングは上述したように、電気分解により砥石12の表面のメタルボンド部分18から鉄イオン(Fe2+)を溶出させ、酸化鉄被膜20を砥石12表面に形成させるというものであり、比較的緩やかな作用であるため、砥石の形状修正までをもはなし得ないものである。従って、ELID研削においても、砥石の形状修正等は必ず実施しなければならない工程なのである。
【0012】本発明は以上の実情に鑑みなされたものであって、高強度メタルボンド超砥粒砥石の形状修正を高精度且つ効率的に行って、効果的にELID研削を行うことのできるセンタレス研削方法及びその装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び効果】上記目的を達成するための本発明は、所定方向に回転するメタルボンド砥石と調整車との間に被加工物を回転自在に配置し、前記調整車により被加工物をメタルボンド砥石に押し付けて該被加工物の研削加工を行うセンタレス研削方法において、前記メタルボンド砥石と該メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたツルーイング用電極との間に電圧を印加し、該ツルーイング用電極とメタルボンド砥石の研削作用面との間に放電を生起させて、砥石研削作用面のメタルボンドを溶融・排除することにより、前記メタルボンド砥石の研削作用面の形状を修正した後、前記ツルーイング用電極と同様に前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極と前記メタルボンド砥石との間に電圧を印加し、且つ前記ドレス用電極とメタルボンド砥石との間に導電性の研削液を供給して電解ドレッシングを行いながら被加工物の研削加工を行うことを特徴とするものである。
【0014】そしてこの方法は、メタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石を回転自在に支持するとともに、これを所定方向に回転させる支持回転手段と、被加工物を回転自在に支持するブレードと、該ブレードに支持される被加工物を前記メタルボンド砥石に押し付ける調整車と、前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたツルーイング用電極と、陽極が前記メタルボンド砥石に接続するとともに、陰極が前記ツルーイング用電極に接続して、前記メタルボンド砥石と該ツルーイング用電極との間に電圧を印加するツルーイング用電源と、前記ツルーイング用電極をメタルボンド砥石の研削作用面に対して所定量前進させる切込付与手段と、前記ツルーイング用電極と同様に前記メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極と、陽極が前記メタルボンド砥石に接続するとともに、陰極が前記ドレス用電極に接続して、前記メタルボンド砥石と該ドレス用電極との間に電圧を印加するドレス用電源と、前記メタルボンド砥石とドレス用電極との間に導電性の研削液を供給する研削液供給手段とを備えた装置により、好適に実施することができる。
【0015】本発明によれば、まず、ツルーイング用電極とメタルボンド砥石の研削作用面との間で放電を生起せしめ、このときに発生する熱によって研削作用面のメタルボンドが溶融・排除することにより砥石のツルーイングを行う。このように、放電に伴う高い熱エネルギによりメタルボンドを溶融・排除するので、幅の広いメタルボンド砥石であってもその形状を容易に修正することができる。従って、幅広の砥石を用いるセンタレス研削装置において特段の効果が発揮される。また、メタルボンド砥石に対して非接触でツルーイングを行うことから、その際の抵抗が小さく、ツルーイング手段を含めた装置全体をコンパクトにすることができるという効果を奏する。
【0016】この後、メタルボンド砥石の研削作用面に対向させて設けたドレス用電極とメタルボンド砥石との間に電圧を印加し、且つドレス用電極とメタルボンド砥石との間に導電性の研削液を供給しながら被加工物を研削加工するELID研削を行う。上記放電によるツルーイングにおいては、砥石表面は放電によってクレータ状に凸凹となっており、また、目立てが不十分であるため、このままの状態で被加工物を研削加工すると、加工面の表面粗さがあまり良好なものとはならない。そこで、電解ドレッシングを伴うELID研削を行うことにより、当該クレータ部分が滑らかになるとともに、十分な目立てが行われ、被加工物の加工面の表面粗さを良好なものとすることができる。尚、前記研削液は弱導電性を有するものが好ましい。
【0017】また、前記ツルーイング用電源とドレス用電源とを一つの電源で構成し、且つ該電源と前記ツルーイング電極又はドレス電極との接続を切り換える切換え手段を設けて構成すれば、装置をコンパクトにすることができる。
【0018】また、前記ツルーイング用電極及び/又はドレス用電極をメタルボンド砥石の研削作用面に沿って移動させる電極移動手段を設け、前記ツルーイング用電極及び/又はドレス用電極をメタルボンド砥石の研削作用面に沿って移動させるように構成しても良い。このように構成すれば、ツルーイング用電極及び/又はドレス用電極を極力小さくすることができ、これに伴う放電量及び/又は電解に要する電力を小さくすることができるため、電源の容量を小さくすることができる。
【0019】また、前記ツルーイング電極に銅−タングステン合金を用いると、電極の消耗を極力抑えることができる。
【0020】尚、本発明におけるメタルボンド砥石は、ダイヤモンド,CBN等の砥粒を鋳鉄等の導電性を有する結合剤(メタルボンド)で保持したものである。そして、結合剤が青銅及び鉄である場合には特に高強度であり、本発明の効果が発揮される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。
【0022】図1は本実施形態に係る装置(以下、「本装置」という)を模式的に示した正面図であり、図2はその斜視図であるが、同図に示すように、本装置は上述の図5に示す従来のELID研削装置に、本発明を適用、具現化したものであって、当該ELID研削装置に、ツルーイング用電極1と、切換えスイッチ2と、前記ツルーイング電極1を砥石12の研削作用面に対して所定量前進させる切込付与手段(図示せず)と、前記ツルーイング用電極1を砥石12の研削作用面に沿って移動させる電極移動手段(図示せず)とを設けて構成したものであり、他の構成は従来のELID研削装置と同様である。従って、同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0023】前記ツルーイング用電極1は、砥石12の研削作用面に対し僅かな間隙をあけてこれと対向するように設けたもので、前記スイッチ2を介して前記電源16の陰極に接続している。尚、ツルーイング用電極1には銅,ステンレス等各種の導電性金属を使用し得るが、銅−タングステン合金を用いると電極の消耗が抑えられて好のましい。
【0024】また、前記ドレス用電極11もスイッチ2を介して前記電源16の陰極に接続しており、このスイッチ2を切り換えることにより、砥石12表面とドレス用電極11との間又は、砥石12表面とツルーイング用電極1との間のそれぞれに電圧を印加することができるようになっている。
【0025】また、前記切込付与手段及び電極移動手段については特に図示しないが、これら各手段の作動によって、ツルーイング用電極1を図2において一点鎖線で示すような軌跡で移動させることができる機構であれば良く、例えば、ボールねじとサーボモータの組み合わせ等を採用することができる。
【0026】以上の構成を備えた本装置によれば、まず、砥石12を装置に装着し、スイッチ2を切り換えて砥石12の表面とツルーイング電極1との間に所定の電圧を印加する。ついで、切込付与手段(図示せず)を駆動して、砥石12の研削作用面に近づくようにツルーイング電極1を移動させ、ツルーイング電極1と砥石12の研削作用面との間隙が所定の間隙(5〜20μm)となるように調整する。これにより、ツルーイング電極1と砥石12の研削作用面との間で放電が生起され、このときに発生する熱によって研削作用面のメタルボンドが溶融・排除される。そして、電極移動手段(図示せず)を駆動して当該ツルーイング用電極1を砥石12の研削作用面に沿って移動(トラバース)させると、このツルーイング用電極1のトラバースに伴って、放電作用位置が移動し、結果、砥石12の研削作用面全面のメタルボンドがつぎつぎと溶融・排除される。
【0027】前述したように、砥石12は新品の状態ではその表面がメタルボンドで覆われており、砥粒19が表面に露出していないが(図3(a))、この操作を複数回繰返すことにより、図3(b)に示すように、砥粒19が砥石12の研削作用面に露出するようになる。そして、この状態となり、砥石12は初めて研削加工可能となる。
【0028】次に、スイッチ2を切り換えて、砥石12表面とドレス用電極11との間に電圧を印加し、従来技術の欄で説明したELID研削を行う。前記放電によるツルーイングでは、砥石12表面のメタルボンド部分は放電によりクレータ状の凸凹となっており、また、目立てが不十分であるため、このままの状態で被加工物Wを研削加工すると、加工面の表面粗さがあまり良好なものとはならない。そこで、電解ドレッシングを行って、当該クレータ部分を滑らかにするとともに、十分な目立てを行うことで、被加工物Wの加工面の表面粗さを良好なものとすることができる。このように、放電ツルーイングはELID研削と組み合わせて用いるのが最も好ましいツルーイング方法である。
【0029】以後、ELID研削を一定期間継続的に行うと、摩耗により砥石12の形状が異常となるが、この場合には、再び上述した放電によるツルーイングを行い、砥石12の形状を修正する。尚、これら一連の加工系を図4に示す。
【0030】以上のように、本装置によれば、放電に伴う高い熱エネルギによりメタルボンドを溶融・排除するので、砥石12の目立てを容易に行うことができ、摩耗により砥石12の形状が変形した場合にはその修正を容易に行うことができるとともに、幅広の砥石に対してもこれを容易にツルーイングすることができる。また、砥石12に対して非接触でツルーイングを行うものであるため、その際の抵抗が小さく、装置全体を小型にすることができるという効果を有する。また、ツルーイング用電極1をトラバースさせるように構成したので、当該ツルーイング用電極1を極力小さくすることができ、これに伴う放電量を小さくすることができるため、電源16の容量を小さくすることができる効果も有する。
【0031】尚、前記ドレス用電極11も同様に、砥石12の研削作用面に沿ってトラバースさせるように構成しても良い。このように構成することでドレス用電極1を極力小さくすることができ、電解に要する電力を小さくすることができるため、電源16の容量を小さくすることができる。
【0032】また、前述の放電ツルーイングにおいては、印加する電圧を高くした荒ツルーイングを行った後、当該電圧よりも低い電圧を印加した仕上ツルーイングを行う2段階のツルーイングを行うのが好ましい。これにより、効率的にツルーイングを行うことができ、また、仕上ツルーイングを行うことで、砥石表面に生じるクレータを極力小さくすることができる。
【0033】また、ツルーイング用電極1を軸中心に回転自在に設け、これを適宜駆動手段により回転させるように構成すれば、放電に伴うツルーイング用電極1の消耗を抑えることができ効果的である。
【0034】また、前記電源16の電気容量に制限がなければ、前記ツルーイング用電極1を砥石12の研削作用面の全幅に対応する長さとし、これをトラバースさせないで放電ツルーイングするように構成しても良い。
【0035】
【実施例】以下、本装置を用いて実際に砥石12をツルーイングした実施例について説明する。
【0036】(実施例1)砥石12に青銅−鉄系のメタルボンドを使用したSD800S75MEL(外径150mm,幅50mm,内径63.5mm)を用い、電源16に容量が150V,75Aの直流電源を用い、ツルーイング電極1に銅−タングステン合金(外径50mm,幅5mm)を用いた上記本装置により砥石12の放電ツルーイングを行った。尚、ツルーイング電極1はこれを軸中心に3090rpmの回転数で回転させ、その切込量を5μmとし、これを砥石の研削作用面に沿って100mm/minの速度で往復移動(トラバース)させた。また、ツルーイングは荒ツルーイングと仕上ツルーイングの2段階とし、荒ツルーイングでは150Vの電圧を印加し、仕上ツルーイングでは120Vの電圧を印加した。また、砥石12の回転数は4060rpmとした。
【0037】(比較例1)ツルーアに多石ロータリダイヤ(外径50mm,幅1mm,80個埋込み)を用い、これを3090rpmの回転数で回転させ、実施例1と同じメタルボンド砥石をツルーイングした。
【0038】(比較例2)ツルーアにボンドロータリダイヤ(外径50mm,幅5mm,SD#80,100M)を用い、これを3090rpmの回転数で回転させ、実施例1と同じメタルボンド砥石をツルーイングした。
【0039】以上の実施例1及び比較例1,2においてツルーイングした砥石12の「振れ」及び「真直度」を測定した。その結果を下表、表1に示す。尚、「振れ」は砥石12の研削作用面の面振れを意味し、「真直度」は砥石12の軸との平行度を意味する。
【0040】
【表1】

【0041】表1に示すように、実施例1の本発明にかかる放電ツルーイングは、従来のロータリダイヤを用いたツルーイングである比較例1及び2に比べて、砥石の「振れ」,「真直度」の双方において格段に優れており、放電ツルーイングの形状修正能力が高いことが分かる。尚、表1に示すように、比較例1及び2においては、ツルーイングを行うことにより砥石の「振れ」は却って悪くなり、測定ができない状態となった。
【0042】(実施例2)上記実施例1でツルーイングを完了した砥石12を使用して、本装置によりELID研削を行った。ELID研削の条件は、ドレス電極11と砥石12との間に90Vの電圧を印加し、砥石12の回転数を4060rpmとし、調整車の回転数を45rpmとし、送り速度を0.5mm/minとし、切込量を20μmとして、スルーフィード方式により、ジルコニア系のセラミックスの被加工物W(外径2.5mm,長さ12.5mm)を研削した。
【0043】(比較例3)本装置のELID装置を使用しない、即ち、ELID研削を行わない以外は実施例2と同じ条件で、ジルコニア系のセラミックスの被加工物W(外径2.5mm,長さ12.5mm)を研削した。
【0044】以上の実施例2及び比較例3において加工した被加工物Wの表面粗さを測定した。その結果を下表、表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】表2に示すように、放電ツルーイング後にELID研削を行った場合(実施例2)の方が、放電ツルーイングを行っただけの砥石12を用いて研削した場合(比較例3)に比べて、被加工物Wの表面粗さが優れたものとなった。このことから、放電ツルーイングとELID研削法とを組み合わせて用いることで良好な表面粗さが得られることが分かる。




 

 


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