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発明の名称 薄板円板状ワークの両面研削装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−156681
公開日 平成10年(1998)6月16日
出願番号 特願平8−322595
出願日 平成8年(1996)12月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外3名)
発明者 石井 利夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】端面の円形研削面同志が対向するとともに軸方向に相対的に移動しうるように配置されて回転させられる1対の研削砥石と、薄板円板状ワークの両面の加工面が前記1対の研削砥石の研削面にそれぞれ対向するとともに前記ワークの外周の一部および中心が前記研削面の外周の内側に位置するように前記ワークを前記研削面の間に支持して自転させるためのワーク自転手段とを備えており、前記ワーク自転手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの部分を径方向の両側から挟みかつ前記ワークの周方向に移動しうるように配置される1対の位置保持ベルトを備え、これらのベルトに、前記ワークの外周部がはめられて前記ワークを軸方向および径方向に支持するためのみぞが設けられ、前記ベルトの少なくとも一方が、前記ワークの周方向に駆動されることにより前記ワークを自転させる駆動ベルトであることを特徴とする薄板円板状ワークの両面研削装置。
【請求項2】前記1対の位置保持ベルトが、開閉自在な1対の開閉部材にそれぞれ取付けられ、前記開閉部材が閉じたときに前記ワークの径方向両側の外周部が前記ベルトのみぞにはまるようになされていることを特徴とする請求項1の薄板円板状ワークの両面研削装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄板円板状ワークの両面研削装置、さらに詳しくは、たとえば半導体ウェーハなどのような薄板円板状ワークの両面を同時に研削する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークの両面を同時に研削する装置として、端面の研削面同志が対向するように配置されて回転する1対の研削砥石の間に、回転する円板状のキャリヤのポケットに入れたワークを通すものが従来から知られている。この場合、研削砥石の研削面の外径(直径)は、ワークの外径より大きくなくてはならない。また、キャリヤには、通常、外周寄りの円周上に複数のポケットが等間隔をおいて形成されており、キャリヤの一部もウェーハとともに1対の研削砥石の間に入るが、この部分のキャリヤの厚さは、もちろん、研削時の1対の砥石の間隔すなわちワークの仕上がり厚さより小さくなくてはならない。
【0003】ところで、現在用いられている半導体ウェーハには外径が約200mm(8インチ)のものと約300mm(12インチ)のものがあるが、いずれも厚さ(研削仕上がり寸法)は0.8mm程度であり、外径に比べて厚さがきわめて薄いものである。このようなウェーハを上記のような装置で研削する場合、ウェーハの外径が比較的大きいため、砥石の外径が大きくなり、ウェーハを収容して回転するキャリヤも大きくなる。このため、装置が大型になる。また、ウェーハの厚さが薄いため、ウェーハとともに研削砥石の間に入るキャリヤの部分を非常に薄くする必要がある。研削砥石の間に入るキャリヤのとくにポケットの部分には、これに収容されているワークを介して研削力が作用するが、この部分を薄くすると強度が低下し、ワークを円滑に移動させることが困難になる。このため、従来は、ウェーハの両面研削は困難であった。
【0004】ウェーハ以外の薄板円板状のワークの場合にも、同様の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、薄板円板状ワークの両面を同時にかつ容易に研削でき、しかも小型化が可能な装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発明による装置は、端面の円形研削面同志が対向するとともに軸方向に相対的に移動しうるように配置されて回転させられる1対の研削砥石と、薄板円板状ワークの両面の加工面が前記1対の研削砥石の研削面にそれぞれ対向するとともに前記ワークの外周の一部および中心が前記研削面の外周の内側に位置するように前記ワークを前記研削面の間に支持して自転させるためのワーク自転手段とを備えており、前記ワーク自転手段が、前記研削砥石の間から外に出ている前記ワークの部分を径方向の両側から挟みかつ前記ワークの周方向に移動しうるように配置される1対の位置保持ベルトを備え、これらのベルトに、前記ワークの外周部がはめられて前記ワークを軸方向および径方向に支持するためのみぞが設けられ、前記ベルトの少なくとも一方が、前記ワークの周方向に駆動されることにより前記ワークを自転させる駆動ベルトであることを特徴とするものである。
【0007】ワークは、その外周の一部および中心が研削面の外周の内側に位置するように、ワーク自転手段により支持されて、自転させられ、1対の研削砥石が、それぞれの研削面をワークの各加工面に接触させた状態で、回転させられる。研削砥石が回転することにより、それらの研削面に接触しているワークの加工面が研削され、ワークが外周の一部および中心を研削面の外周の内側に位置させた状態で自転することにより、ワークが1回転する間に、ワークの加工面の全面が研削面の間を通過して、研削面に接触する。このため、ワークの半径より研削面の外径が少し大きい研削砥石を用いて、ワークをその場で自転させるだけで、その両面の加工面の全面を同時に研削することができる。ワークをその場で自転させるだけでよく、従来のようにキャリヤなどを用いて移動させる必要がないため、薄板円板状のワークであっても容易にかつ確実に研削ができ、しかも装置の小型化が可能である。また、ワークの半径より研削面の外径が少し大きい研削砥石を用いてワークの加工面全体を研削することができ、ワークの外径より研削面の外径が大きい大型の砥石を用いる必要がないため、この点からも、装置の小型化が可能である。
【0008】しかも、みぞが設けられた1対の位置保持ベルトだけで、確実にワークを軸方向および径方向に支持して自転させることができ、装置の構成が簡単で、さらに小型化が可能である。半導体ウェーハには、外周の1箇所が弓形に切欠かれて位置決め用平坦部が形成されたものと、これが形成されていないものとがあるが、ウェーハの外周部をベルトのみぞにはめて支持するので、位置決め用平坦部が形成されていないウェーハはもちろん、これが形成されているウェーハであっても、その外周部を確実に支持して自転させることができる。
【0009】したがって、この発明の装置によれば、薄板円板状ワークの両面を同時に、容易にかつ確実に研削でき、しかも装置の小型化が可能である。
【0010】たとえば、前記1対の位置保持ベルトが、開閉自在な1対の開閉部材にそれぞれ取付けられ、前記開閉部材が閉じたときに前記ワークの径方向両側の外周部が前記ベルトのみぞにはまるようになされている。
【0011】このようにすれば、開閉部材を開いた状態で、ベルトをワークの径方向両側に位置させた後に、開閉部材を閉じることにより、簡単にベルトでワークを保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明を半導体ウェーハの両面研削に適用した実施形態について説明する。
【0013】図1は、両面研削装置の全体構成を示している。この両面研削装置は、位置決め用平坦部が形成されていないワークとこれが形成されているワークの両方を対象とするものである。両面研削装置は横軸両頭平面研削盤(1) にワーク自転手段としてのワーク自転装置(2) が付加されたものであり、自転装置(2) の詳細が図2〜図6に示されている。この実施形態の説明において、図1の紙面表側を前、同裏側を後とし、前から後を見たときの左右すなわち図1の左右を左右とする。
【0014】研削盤(1) は、水平なベッド(3) 、およびベッド(3) の上面に取付けられた左右の砥石ヘッド(4)(5)を備えている。各砥石ヘッド(4)(5)は、図示しない適当な駆動手段により、互いに独立して左右方向に移動させられるようになっている。各砥石ヘッド(4)(5)内に、それぞれ、水平な砥石軸(6)(7)が回転支持されている。左右の砥石軸(6)(7)の軸心は、左右方向にのびる1つの共通な水平線上にある。左側の砥石ヘッド(4) より右側に突出した砥石軸(6) の先端部にカップ状の左側研削砥石(8) が固定され、右側の砥石ヘッド(5) より左側に突出した砥石軸(7) の先端部にこれと同形状、同寸法の右側研削砥石(9) が固定される。左側砥石(8) の環状の鉛直右端面は左側円形研削面(8a)、右側砥石(9) の環状の鉛直左端面は右側円形研削面(9a)となっており、これらの研削面(8a)(9a)が互いに平行な状態で対向している。この実施形態の場合、各砥石(8)(9)の外周と各研削面(8a)(9a)の外周は一致している。左右の砥石ヘッド(4)(5)の少なくともいずれか一方が左右方向に移動することにより、左右の砥石(8)(9)が左右方向すなわち軸方向に相対移動する。左右の砥石軸(6)(7)は、図示しない適当な駆動手段により、互いに逆方向に同速度で回転させられ、その結果、左右の砥石(8)(9)が互いに逆方向に同速度で回転させられる。研削盤(1) の他の部分は、公知の横軸両頭平面研削盤と同様に構成することができる。
【0015】自転装置(2) は、ワーク(ウェーハ)(W) の両面の加工面(a)(b)が左右の研削面(8a)(9a)にそれぞれ対向するとともにワーク(W) の外周の一部および中心(c)が研削面(8a)(9a)の外周の内側に位置するように、ワーク(W) を左右の研削面(8a)(9a)の間に鉛直に支持して自転させるものであり、砥石ヘッド(4)(5)より少し上方の位置において前後にのびる水平板状のベース(10)に取付けられている。
【0016】ベース(10)は砥石ヘッド(4)(5)の移動を妨げない適当な支柱(11)などを介してベッド(3) に固定されており、その上面に水平移動部材(12)が取付けられている。移動部材(12)は、図示しない適当な駆動手段により、ベース(10)の上面に沿って前後方向に移動させられる。移動部材(12)は右側端部において上方に鉛直にのびており、その右側の面に、上下方向にのびる鉛直板状の昇降部材(13)が取付けられている。昇降部材(13)は、図示しない適当な駆動手段により、移動部材(12)の右側の面に沿って上下に移動させられる。
【0017】昇降部材(13)の右側の面に、昇降部材(13)と平行な板状の前後1対の開閉部材(14)と、これを開閉するための空気シリンダ(15)とが取付けられている。昇降部材(13)の下端部の前後2箇所に右側に水平にのびるピン(16)が固定され、開閉部材(14)の上寄りで前後方向外寄りの部分が、これらのピン(16)にそれぞれ回動自在に取付けられている。シリンダ(15)は昇降部材(13)の上部の前後方向中央部に下向きに取付けられ、そのシリンダロッド(15a) の先端部(下端部)が、リンク(17)を介して、1対の開閉部材(14)の上端部で前後方向内寄りの部分に連結されている。シリンダ(15)の真下の昇降部材(13)の下端部に、ロッド(15a) を規制するためのストッパ(18)が上下位置調整可能に固定されている。ロッド(15a) がのびてストッパ(18)に当たる下端位置まで移動すると、1対の開閉部材(14)は、図3に示すように、下部が閉じて全体がほぼ鉛直になる閉位置まで回動する。ロッド(15a) が縮んでストッパ(18)から所定距離上方に離れた上端位置まで移動すると、1対の開閉部材(14)は、図6に示すように、下部が前後に開いて全体が八字状になる開位置まで回動する。
【0018】各開閉部材(14)の昇降部材(13)より下方に突出している部分の右側の面に、それぞれ、右側に水平にのびる軸を中心に回転する3個のみぞ付ローラ(19)(20)が取付けられ、各開閉部材(14)の3個のローラ(19)(20)に無端状の位置保持ベルト(21)(22)が巻きかけられている。ベルト(21)(22)は、砥石(8)(9)の間から外に出ているワーク(W) の外周部を径方向(前後方向)の両側から挟んで軸方向および径方向に支持するとともに、ワーク(W) を回転させるものであり、適当な可撓性材料たとえばゴムよりなる。各ベルト(21)(22)の外周側の面には、ワーク(W) の外周部をはめてこれを軸方向および径方向に支持するためのみぞ(23)が形成されている。みぞ(23)の断面は底の方が幅の広い台形状をなし、開口部の左右方向の幅は、ワーク(W) の厚さより少し小さくなっている。ローラ(19)(20)は、開閉部材(14)の下方突出部分の上下で前後方向内側の部分の2箇所と、同部分の高さの中間部で前後方向外側の部分の1箇所に設けられている。後側開閉部材(14)の3個のローラ(20)および前側開閉部材(14)の後側の2個のローラ(19)は、開閉部材(14)に固定されたピン(24)を中心に自由に回転する従動ガイドローラであり、後側のベルト(22)は、ワーク(W) の回転につれて長さ方向に移動する従動ベルトである。前側開閉部材(14)の前側の1個のローラ(19)は、電動モータ(25)により駆動される駆動ローラであり、これにかけられた前側のベルト(21)は、長さ方向に駆動されてワーク(W) を回転させる駆動ベルトである。前側開閉部材(14)の下方突出部分に閉位置において前後方向にのびる長穴(26)が形成され、この長穴(26)に、水平右向きに配置されたモータ(25)の先端側(右端側)の部分が、長穴(26)の長さ方向(前後方向)には移動しうるが軸方向(左右方向)には移動しないように取付けられている。そして、開閉部材(14)より右側に突出したモータ軸(図示略)の先端部に、駆動ローラ(19)が固定されている。前側開閉部材(14)の下方突出部分の左側の面に、モータ(25)を前側に付勢するばね内蔵型プランジャ(27)が設けられ、これにより、駆動ローラ(19)が前側に付勢されて、駆動ベルト(21)に所定の張力が付与されている。
【0019】この実施形態の場合、砥石(8)(9)の外径はワーク(W) の外径の約70%であり、後述する研削作業時には、ワーク(W) の中心(c) が研削面(8a)(9a)の外周よりわずかに内側(下側)に位置するようになっている。
【0020】図示は省略したが、研削盤(1) の後方に適当箇所に、ワーク搬入装置とワーク搬出装置が設けられており、自転装置(2) のベース(10)はこれらの搬入装置および搬出装置の上方までのびている。
【0021】上記の研削装置において、ワーク(W) の研削作業はたとえば次のようにして行われる。
【0022】研削作業中、左右の砥石(8)(9)は常時回転している。作業開始時には、左右の砥石(8)(9)は左右に離れた待機位置に移動し、昇降部材(13)は、開閉部材(14)の最下部が砥石(8)(9)より上方に位置する待機位置まで上昇し、前後の開閉部材(14)は開位置まで開いている。まず、このような状態で、移動部材(12)がワーク搬入装置の上方位置まで移動する。ワーク搬入装置では、ワーク(W) が1枚ずつ、加工面(a)(b)が左右を向いた鉛直な状態で所定の搬入位置に供給される。移動部材(12)は、開位置にある開閉部材(14)のベルト(21)(22)が搬入位置にあるワーク(W) の真上にきたときに停止し、その後、昇降部材(13)が所定のワーク搬入位置まで下降する。これにより、ワーク(W) が前後のベルト(21)(22)の間の空間に入る。このとき、図6に示すように、前後のベルト(21)(22)の対向部分は、ワーク(W) の前後の外周部から離れ、直線状になっている。次に、昇降部材(13)がワーク搬入位置まで下降し、シリンダロッド(15a) がのびてストッパ(18)に当接することにより開閉部材(14)が閉位置まで閉じる。開閉部材(14)が閉位置まで閉じると、前後のベルト(21)(22)の対向部分の前後幅はワーク(W) の直径より小さくなるが、開閉部材(14)が閉じていく途中で、まず、ワーク(W) の前後の外周部がベルト(21)(22)のみぞ(23)にはまり、さらに、可撓材料よりなるベルト(21)(22)の対向部分が、ワーク(W) の外周に沿って前後方向外側に彎曲する。この実施形態の場合、開閉部材(14)が閉位置まで閉じたときに、各ベルト(21)(22)のみぞ(23)にワーク(W) の前後の円周の約1/4の部分がはまり、ベルト(21)(22)によりワーク(W) が保持される。開閉部材(14)が閉位置まで閉じたならば、昇降部材(13)が待機位置まで上昇する。これにより、ワーク(W) がベルト(21)(22)に保持されて、ワーク搬入装置から持ち上げられる。
【0023】昇降部材(13)が待機位置まで上昇したならば、移動部材(12)が左右の砥石(8)(9)を結ぶ線の上方位置まで移動して停止する。移動部材(12)が停止したならば、昇降部材(13)が所定の研削作業位置まで下降し、駆動ローラ(19)が回転する。駆動ローラ(19)が回転することにより、駆動ベルト(21)が長さ方向に駆動され、その対向部分がワーク(W) の円周方向に移動する。そして、ベルト(21)のみぞ(23)にはまったワーク(W) の外周部が、ベルト(21)との間の摩擦力によって円周方向に移動させられ、これにより、ワーク(W) が回転させられる。ワーク(W) の回転により、従動ベルト(22)のみぞ(23)にはまったワーク(W) の外周部も円周方向に移動し、従動ベルト(22)の対向部分がワーク(W) との間の摩擦力によってワーク(W) の円周方向に移動させられ、ベルト(22)が長さ方向に移動させられる。そして、これにより、ワーク(W) がほぼその中心(c) を中心に自転する。また、昇降部材(13)が研削作業位置まで下降すると、ワーク(W) が左右の砥石(8)(9)の間の空間に入り、図3に示すように、ワーク(W) の中心(c) が研削面(8a)(9a)の外周の最上部よりわずかに下側(内側)に位置する。
【0024】昇降部材(13)が研削作業位置まで下降したならば、砥石(8)(9)が互いに接近する方向に移動させられ、研削面(8a)(9a)が対応する加工面(a)(b)に接触させられる。これにより、ワーク(W) の下側の部分が砥石(8)(9)で挟まれ、ワーク(W) の下側の外周の一部と中心(c) とが研削面(8a)(9a)の外周の内側に位置する。閉位置にある前後の開閉部材(14)の前後間隔は砥石(8)(9)の外径より大きいので、砥石(8)(9)と開閉部材(14)が干渉することはない。砥石(8)(9)は、ワーク(W) の仕上がり寸法より決まる所定の位置まで移動させられ、その位置に所定時間停止させられる。その間に、砥石(8)(9)が回転することにより、それらの研削面(8a)(9a)に接触しているワーク(W) の加工面(a)(b)が研削され、ワーク(W) が外周の一部および中心(1) を研削面(8a)(9a)の外周の内側に位置させた状態で自転することにより、ワーク(W) が1回転する間に、ワーク(W) の加工面(a)(b)に全面が研削面(8a)(9a)の間を通過して、研削面(8a)(9a)に接触し、その結果、ワーク(W)が何回転かする間に、両面の加工面(a)(b)の全面が同時に研削される。なお、研削中、必要があれば、昇降部材(13)を上下方向に往復移動させ、これにより、ワーク(W) を、上下方向、すなわち、研削面(8a)(9a)に平行であってワーク(W) の中心(c) と砥石(8)(9)の軸心を結ぶ方向に往復移動させる。この往復移動は、ワーク(W) の下側の外周の一部と中心(c) とが常に研削面(8a)(9a)の外周の内側に位置する範囲内で行われる。たとえば、往復移動のストロークは約5mmである。このようにワーク(W) を往復移動させることにより、とくにワーク(W) の中心部の平面度、面粗度を向上させることができる。
【0025】ワーク(W) の研削が終了すると、砥石(8)(9)がワーク(W) から離れ、さらに左右の待機位置まで移動する。砥石(8)(9)がワーク(W) から離れると、駆動ローラ(19)が回転を停止し、昇降部材(13)が待機位置まで上昇する。駆動ローラ(19)が停止することにより、ベルト(21)(22)およびワーク(W) も停止する。昇降部材(13)が待機位置まで上昇すると、移動部材(12)がワーク搬出装置の上方位置まで移動し、ワーク(W) を所定の搬出位置の真上に位置させる。移動部材(12)が停止すると、昇降部材(13)が所定の搬出位置まで下降し、シリンダロッド(15a) が縮んで開閉部材(14)が開位置まで開く。これにより、ワーク(W) が、ベルト(21)(22)から離れて、搬出位置に移され、搬出装置により搬出される。開閉部材(14)が開いてワーク(W) を離したならば、昇降部材(13)が待機位置まで上昇し、以後は、上記の動作を繰返すことにより、次々に研削が行われる。
【0026】研削中にワーク(W) を往復移動させる場合、往復移動の方向は、上記のようにワーク(W) の中心(c) と砥石(8)(9)の軸心を結ぶ方向あるいはこれに近い方向が望ましいが、研削面(8a)(9a)に平行な他の方向に往復移動させてもよい。
【0027】ウェーハには、図3に実線で示すような位置決め用平坦部が形成されていない完全な円形のものと、同図に鎖線で示すような外周の1箇所に位置決め用平坦部(f) が形成された欠円状のものとがある。しかし、上記の研削装置では、ウェーハの外周部が可撓性材料よりなるベルト(21)(22)のみぞ(23)にはめられ、ベルト(21)(22)はウェーハの外周の形状に合わせて自由に変形するから、位置決め用平坦部が形成されていないウェーハはもちろん、これが形成されているウェーハであっても、その外周部を確実に支持して自転させることができる。
【0028】左右の砥石(8)(9)は、通常は、上記実施形態のように同速度で回転させられるが、たとえば左右の加工面(a)(b)の研削取代配分を変化させたい場合など、場合によっては、左右の砥石(8)(9)の回転速度を変えて研削することもできる。また、左右の砥石(8)(9)を互いに同方向に回転させて研削することも可能である。
【0029】駆動ベルト(21)を駆動する駆動ローラ(19)の数は複数であってもよい。また、1対のベルト(21)(22)の両方を駆動ベルトとしてもよい。
【0030】上記実施形態では、1対の開閉部材(14)が回動により開閉するようになっているが、たとえば平行移動により開閉するようにしてもよい。また、ベルト(21)(22)の支持手段は任意であり、必ずしも開閉部材に取付ける必要はない。
【0031】上記実施形態においては、研削砥石の軸心が水平である横軸の両面研削装置を示したが、上記と同様の構成で研削砥石の軸心が鉛直である縦軸のものとすることもできる。
【0032】また、この発明は、半導体ウェーハ以外の薄板円板状ワークの研削にも適用することができる。




 

 


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