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発明の名称 ワイヤソーおよびそのインゴット切断方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296719
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−123087
出願日 平成9年(1997)4月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
発明者 又川 敏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 走行するワイヤ列によりインゴットを切断する切断手段と、砥液を貯留する砥液タンクと、この貯留された砥液をワイヤ列またはインゴット付近に供給する砥液供給手段とを備えたワイヤソーであって、上記砥液用の低粘度油を貯留する低粘度油タンクと、この貯留された低粘度油を、切断直後の上記インゴットの切断溝へ向かって所定速度で噴出する噴出手段と、上記砥液タンクに接続され、使用後の砥液および低粘度油を回収する回収手段とを有するワイヤソー。
【請求項2】 砥液を供給しながらワイヤソーのワイヤ列によりインゴットを切断するワイヤソーのインゴット切断方法において、該インゴットの切断直後、圧縮空気とともに、上記インゴットの切断溝へ向かって砥液用の低粘度油を噴出して上記インゴットを洗浄し、次いで洗浄後の低粘度油を回収し、それからこの回収された低粘度油を上記砥液用の油として再利用するワイヤソーのインゴット切断方法。
【請求項3】 上記インゴット洗浄時には、切断直後の各ウェーハ間に上記ワイヤ列を配置した状態で、上記インゴットの洗浄を行う請求項2に記載のワイヤソーのインゴット切断方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はワイヤソーおよびそのインゴット切断方法、詳しくは切断直後のインゴット(ウェーハ)に付着している砥粒量が少なくて、後工程におけるウェーハ洗浄が容易であり、しかも切断直後の洗浄工程の低コスト化が図れるワイヤソーおよびそのインゴット切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、ラッピングオイルに遊離砥粒を混入したスラリー状の砥液を、単結晶シリコン製などのインゴットにかけながら、例えば走行するワイヤ列にインゴットを相対的に押し付けて、研削作用により多数枚のウェーハに切断する装置である。そして、この切断直後のウェーハ間には、切り粉を含む砥粒が多量に付着しており、洗浄負荷が高い。また、ある種のワイヤソーでは、後工程のウェーハ洗浄が簡単になるように、切断直後、切断溝に残った切り粉を含む砥粒を洗い流している。従来、この切断直後の洗浄に使用される洗い油としては、砥粒を含まない低粘度の油、例えば灯油が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗浄専用の低粘度の灯油類を利用した場合には、砥液として再利用することができない洗い油を多量に使用することから、コスト高になるという問題点があった。そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、比較的低粘度の砥液用油を洗浄油に利用し、インゴット洗浄時には、この低粘度油を例えば圧縮空気の圧力により切断直後の切断溝へ例えば霧状に噴出すれば、高い洗浄効果が安価に得られることを突き止め、この発明を完成させた。
【0004】
【発明の目的】この発明は、切断直後のインゴットに付着する砥粒量が少なく、後工程でのウェーハ洗浄が容易で、かつ比較的洗浄コストが安価なワイヤソーおよびそのインゴット切断方法を提供することを、その目的としている。また、この発明は、インゴット洗浄時におけるウェーハの損傷を防止できるワイヤソーのインゴット切断方法を提供することも、その目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、走行するワイヤ列によりインゴットを切断する切断手段と、砥液を貯留する砥液タンクと、この貯留された砥液をワイヤ列またはインゴット付近に供給する砥液供給手段とを備えたワイヤソーであって、上記砥液用の低粘度油を貯留する低粘度油タンクと、この貯留された低粘度油を、切断直後の上記インゴットの切断溝へ向かって所定速度で噴出する噴出手段と、上記砥液タンクに接続され、使用後の砥液および低粘度油を回収する回収手段とを有するワイヤソーである。
【0006】なお、この発明が適用されるワイヤソーには品種の限定がなく、例えばインゴットをワイヤ列に押接して切断するものでも、反対にワイヤ列をインゴットに押接して切断するものでもよい。また、ワイヤ列の上部にインゴットが当接するものでも、ワイヤ列の下部に押し当てられるものでもよい。さらに、ワイヤ列および/またはインゴットを相対的に揺動させる機能を有するものでもよい。また、ここでいう切断手段は、ワイヤ列を一方向へ走行させるだけでなく、ワイヤの長さ方向へ往復動させるものをも含む。
【0007】そして、砥液供給装置は、切断進行状態に合わせて、自動的に砥液供給量を調整するものでも、手動で砥液供給量を調整するものでもよい。この低粘度油の運動粘性係数は、通常の砥液用の油より小さければよいが、1〜100mPa・s、特に10mPa・sが好ましい。1mPa・s未満では、その組成変動によりスラリーの粘度が低下し、切断不良の原因となる。また、100mPa・sを超えると、脱砥粒効果が小さくなる。
【0008】請求項2に記載の発明は、砥液を供給しながらワイヤソーのワイヤ列によりインゴットを切断するワイヤソーのインゴット切断方法において、該インゴットの切断直後、圧縮空気とともに、上記インゴットの切断溝へ向かって砥液用の低粘度油を噴出して上記インゴットを洗浄し、次いで洗浄後の低粘度油を回収し、それからこの回収された低粘度油を上記砥液用の油として再利用するワイヤソーのインゴット切断方法である。
【0009】請求項3に記載の発明は、上記インゴット洗浄時には、切断直後の各ウェーハ間に上記ワイヤ列を配置した状態で、上記インゴットの洗浄を行う請求項2に記載のワイヤソーのインゴット切断方法である。
【0010】
【作用】請求項1〜請求項3に記載のワイヤソーおよびそのインゴット切断方法では、切断手段により走行するワイヤ列にインゴットを相対的に押し付けて、研削作用によって、インゴットを多数枚のウェーハに切断する。インゴット切断直後、比較的低粘度の砥液用油を、例えば圧縮空気の圧力により霧状にしてインゴットの切断溝へ噴出すると、スラリー状の砥液を接着剤としてウェーハ間に付着した砥粒やインゴットの切り粉が溝外へ吹き出される。この圧縮空気と低粘度油を併用した強力なインゴット洗浄により、切断直後のインゴットに付着する砥粒量が減少し、後工程でのウェーハ洗浄が容易になる。また、洗浄後の油は、濾過せずにそのまま砥液用の油として再利用できるので、このように洗浄力の大きな洗浄が、比較的低コストで実用化できる。
【0011】特に、請求項3に記載のワイヤソーのインゴット切断方法では、切断直後のインゴットの切断溝にワイヤ列を置いたままインゴットを洗浄するので、ウェーハ間に残された1本1本のワイヤが、両側にあるウェーハのスペーサとなって各ウェーハを支持し、インゴット洗浄時に高圧で低粘度油を噴出しても、この圧力により各ウェーハはバタつき難く、これによりバタつきを原因としたウェーハの損傷を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1はこの発明の第1の実施例に係るワイヤソーを示す模式図、図2は同インゴット洗浄作業状態を示す要部拡大斜視図である。図1において、10はワイヤソーであり、このワイヤソー10は、多数本のワイヤからなるワイヤ列11と、砥液aをワイヤ列11へ供給する砥液供給装置12と、ワイヤ列11を往復走行させてインゴット16を切断する切断手段13と、これら砥液供給装置12、切断手段13の動作を制御する制御部14とを備えている。
【0013】図1および図2に示すように、砥液供給装置12は、砥液aを貯留する砥液タンク15と、この貯留された砥液aを、インゴット16付近に供給する砥液供給手段17と、砥液a用の低粘度油bを貯留する低粘度油タンク18と、この貯留された低粘度油bを、圧縮空気供給手段19からの圧縮空気cとともに、切断直後のインゴット16の切断溝16aへ噴出する噴出手段20と、砥液タンク15に連結されて、供給された砥液aおよび低粘度油bを回収する回収手段の一例である回収槽21と、砥液タンク15の下流に設けられた砥液供給ポンプ23とを有している。22は回収槽21に設けられた網であり、この網22で砥液aに含まれるインゴット16の切り粉などを除去する。
【0014】砥液供給手段17は、砥液供給ポンプ23により、砥液タンク15の砥液aを、一対の砥液供給ノズル25を介して、インゴット16の両側のワイヤ列11上に乗せるように供給する。噴出手段20は、低粘度油タンク18下流に配置された低粘度油ポンプ26により、低粘度油タンク18内の低粘度油bを、一対の低粘度油ノズル27へ供給し、この供給された低粘度油bを、圧縮空気供給手段19からの圧縮空気により、インゴット16の切断溝16aへ噴出する。なお、各低粘度油ノズル27は、インゴット16の軸線に沿って延びる筒体であり、このインゴット16側の周面に、同じく軸線方向へ延びるスリット状の噴出口27aが形成されている。切断手段13は、逆三角形状に配置された3個の溝ローラ28と、いずれかの溝ローラ28の回転軸に連結された図外の往復動モータとを有している。これらの溝ローラ28には、一括してワイヤ列11が架けわたされている。
【0015】制御部14は、主に、圧縮空気供給手段19を用いた圧縮空気cの供給制御と、砥液供給ポンプ23を用いたワイヤ列11上に乗せられる砥液aの供給制御と、低粘度油ポンプ26を用いた低粘度油bの供給制御とを行う。なお、制御部14は、例えばコンピュータで構成されることができる。なお、図1、図2において、29はインゴット16のカーボンベッドである。
【0016】次に、この発明の第1の実施例に係るワイヤソー10の動作を説明する。図1に示すように、砥液タンク15内の砥液aを、砥液供給ポンプ23および各砥液供給ノズル25を介して、インゴット16の両側のワイヤ列11上に乗せる。この作業を連続的に行いながら、切断手段13によりワイヤ列11を往復動させ、この往復動中にインゴット16をワイヤ列11に押し付けることにより、多数枚のウェーハ16Aをインゴット16から切断する。切断に使用された後の砥液aは、3本の溝ローラ28により、逆三角形を維持して回転するワイヤ列11の下部から回収槽21へ落下する。この際、砥液aは網22によって切り粉などが除去される。その後、砥液aは砥液タンク15に戻され、さらに、循環使用される。
【0017】インゴット16の切断が終了すると、インゴット16はワイヤ列11の上方へ引き上げられる。その直後、制御部14からの指令により、砥液aの供給側のポンプ23が停止する一方、圧縮空気供給手段19および低粘度油ポンプ26が作動して、低粘度油タンク18から各低粘度油ノズル27まで供給された低粘度油bを、圧縮空気供給手段19からの圧縮空気の圧力でもって霧状にして、インゴット16の各切断溝16aに噴出する。なお、必ずしも霧状で噴出する必要はない。これにより、スラリー状で高粘度の砥液aが接着剤の役目を果すことにより、ウェーハ16A間に付着した砥粒やインゴットの切り粉が、切断溝16aの外へ吹き飛ばされる。この圧縮空気と低粘度油を併用した強力なインゴット洗浄により、切断後のインゴット16に付着する砥粒量が減少し、後工程でのウェーハ16Aの洗浄が容易になる。また、洗浄後の低粘度油bは、網22により濾過されて砥液タンク15へ送られ、その後、砥液aとして再利用される。これにより、洗浄力の大きなインゴット16の洗浄が、比較的低コスト化できる。
【0018】次に、図3に基づいて、この発明の第2の実施例に係るワイヤソーおよびそのインゴット切断方法を説明する。図3は、この発明の第2の実施例に係るワイヤソーによりインゴット洗浄する直前の状態を示す要部拡大図である。図3において、30は第2の実施例のワイヤソーであり、このワイヤソー30は、切断直後のインゴット16の切断溝16aよりワイヤ列11を抜き取らずに、各ウェーハ16A間にワイヤ列11を残したままインゴット16を洗浄するものである。この場合、各ワイヤ11aは図3に示すようにウェーハ16Aの下端部間に位置している。よって、このとき、各切断溝16aは、最大の幅(間隔)を形成している。
【0019】ウェーハ16A間に残された1本1本のワイヤ11aが、両側にあるウェーハ16A間のスペーサとなって各ウェーハ16Aを支持する。このため、洗浄時に高圧で低粘度油bを噴出しても、各ウェーハ16Aはバタつきが起き難くなる。これにより、このバタつきを原因としたウェーハ16Aの損傷を防止できる。また、各切断溝16aに低粘度油bがスムースに供給され、各切断溝16aから砥粒、切り粉等が効率よく排除される。なお、その他の構成および作用は第1の実施例と同様であるので、説明を省略する。この発明はこの実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲での設計変更などがあっても、これらはこの発明に含まれる。
【0020】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明に係るワイヤソーおよびそのインゴット切断方法では、インゴット切断直後、砥液用の低粘度油を圧縮空気により切断溝へ噴出するようにしたので、切断溝内に残った砥粒やインゴットの切り粉を強制的に溝外へ吹き飛ばす。これにより、切断直後のインゴットに付着する砥粒量を減少でき、後工程のウェーハ洗浄が容易になる。また、洗浄後の低粘度油は、砥液用の油として再利用できるので、低コスト化も図れる。
【0021】特に、請求項3に記載のワイヤソーのインゴット切断方法では、切断直後に、各ウェーハ間にワイヤ列を残したままインゴットを洗浄するようにしたので、ウェーハ間に残った各ワイヤが、ウェーハのスペーサの役目を果たし、その後、高圧で低粘度油を噴出したときに、各ウェーハのバタつきが抑えられ、このバタつきを原因としたウェーハの損傷を防止できる。




 

 


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