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発明の名称 既設管路の管内塗装装置およびそれを用いた塗装方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−192753
公開日 平成10年(1998)7月28日
出願番号 特願平8−350745
出願日 平成8年(1996)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
発明者 古賀 基之 / 本田 元光 / 金子 裕章 / 池 宣勝 / 結城 勇 / 長谷川 拓也 / 高羽 謙爾
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 既設管路の一端開口から管内に導入され、他方の開口部に向け移動させる過程で、回転する塗料吹付けカップより塗料を管内面に吹き付けて塗付する管内塗装装置であって、上記管内塗装装置は、その進行方向の前部に配置されて塗料を収容可能な塗料カートリッジと、進行方向の後部に配置されている塗料吹付けカップと、上記両者の中間部に配置されているジョイント部とをそれぞれ備え、上記塗料カートリッジは、上記既設管路の内径に対して外周部に所要幅の空気流通路を形成できる外径寸法に形成され、上記ジョイント部は、中心部に上記塗料カートリッジ内の塗料を上記塗料吹付けカップに供給可能な塗料通路を開通した軸体と、外周部に配置されて上記空気流通路内を流通する管内空気流を上記管内壁面から離れた管内中心側に向け迂回流通させるシールリングとを備え、上記塗料吹付けカップは、上記軸体の後端位置で回転自在に支持され、その外周部に上記塗料通路と連通する塗料噴射ヘッドと、外周部よりも内側にて周方向に沿って配置された複数の回転羽根とを備え、同回転羽根を上記ジョイント部のシールリングにより迂回流通される管内空気流の対向位置に配置して管内空気流により回転駆動されることを特徴とする管内塗装装置。
【請求項2】 請求項1記載の管内塗装装置を用いる管内塗装方法であって、上記管内塗装装置を導入する既設管路に対し、同塗装装置の移動方向前側の管内と後側の管内との間に所要の圧力差を生起させる手段を設け、上記圧力差を付与した状態で既設管路内に上記管内塗装装置を導入移動させることで管内差圧により上記塗料吹付けカップの回転エネルギーを得、上記塗料噴射ヘッドから流出する塗料を管内壁面に遠心吹付けして塗装施工を行うことを特徴とする管内塗装方法。
【請求項3】 請求項2記載の管内塗装方法において、上記圧力差は、上記管内塗装装置の移動方向前側の管内に送風圧を、上記管内塗装装置の移動方向後側に負圧を付加することにより生起されることを特徴とする管内塗装方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設管路の管内塗装装置およびそれを用いた管内塗装方法に関し、さらに詳しくは、既設管路の内面に樹脂液(塗料)を塗付して管内面に薄膜の樹脂ライニングを形成するための装置およびそれを用いた樹脂ライニングの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中等に埋設されているガス管、水道管、あるいは通信管路等の既設配管には、鋼管や鋳鉄管等の金属管あるいは硬質ビニール管等の樹脂管が用いられているが、埋設期間が長期にわたると腐食等による老朽化現象が進行して管内に漏洩孔等の欠損部を生じることがある。特に、金属管を用いた場合にはこの現象が顕著である。
【0003】従来、老朽化現象に対して欠損箇所の補修やその現象の進行を予防する予防保全の目的から、気密性を要求されるガス管、水道管では、管路内面にシールチューブを内張りしたり、また樹脂液を管内面にライニングして管路のシール性を高めるようにした更正修理技術が開発されている。
【0004】一方、上記の配管のうちでケーブル管のような通信管路は、布設位置に複数本の管路群が事前に埋設されており、新規にケーブルを布設する際にはその管路群のなかの空管路からケーブルを挿通するための管路を選択できるようにしてある。これにより新規にケーブルを布設する際に改めて通信管路を埋設するような手間が省けるようになっている。しかし、空管路をなす管体に生じた腐食孔等から雨水や土砂が侵入して管内に錆こぶ等が発生していると、管路内径の減径によって新規のケーブルを挿通することができなくなる場合がある。このため、空管路に対しても管内壁面に錆止め用の樹脂液を塗付するライニング施工が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、管内壁面に樹脂ライニングを施工する方法として、ガス管や水道管等の気密性を要求される管路を対象とした場合には、管路内に樹脂液を導入し、この樹脂液をピグや管内差圧により流動させてライニングする方法がある。
【0006】しかし、この方法には次のような問題がある。つまり、この方法では、気密性を確保する目的からして管内に形成される樹脂液の塗膜を比較的厚くすることが多い。このため、通信管路に適用した場合、塗膜が厚いことによって管路内径が減径されてしまい、ケーブルの挿通性を悪化させてしまう。しかも、膜厚に比例して使用される樹脂液の量が多くなることから管路内の全域をライニングする場合を含めて修理コストが高価となる。
【0007】通信管路の場合には、その他の管路と違って、管路全域での気密性をさほど考慮しなくてよいこと、そしてケーブルの挿通が可能であることを踏まえて塗膜の厚さも比較的薄くてもよいので、樹脂液の使用量が多くなる上記の方法をそのまま用いることはコストの上昇を招く結果となる。
【0008】一方、ライニング技術には、塗料を遠心噴霧させるパッカー方式のライニング技術が提案されている(例えば、特公昭51ー41655号公報)。上記公報記載のライニング技術は、エアモータにより塗料吹付けカップを回転させる構造であるために、エアモータを組込むことにより装置自体が大型化するだけでなく、装置が高価となる。しかも、エアモータへのエア供給用配管等の設備が必要となるばかりでなく、その配管を管路内に挿通する操作が必要となることから配管の重量等が影響して運搬時や管路内へ挿通する際の作業性が悪くなる。
【0009】本発明は、上記従来の管内塗装装置および塗装作業における問題に鑑み、低コストで既設配管の管内壁面に薄膜のライニングが形成できる管内塗装装置およびその塗装装置を用いた管内塗装方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、既設管路の一端開口から管内に導入され、他方の開口部に向け移動させる過程で、回転する塗料吹付けカップより塗料を管内面に吹き付けて塗付する管内塗装装置であって、上記管内塗装装置は、その進行方向の前部に配置されて塗料を収容可能な塗料カートリッジと、進行方向の後部に配置されている塗料吹付けカップと、上記両者の中間部に配置されているジョイント部とをそれぞれ備え、上記塗料カートリッジは、上記既設管路の内径に対して外周部に所要幅の空気流通路を形成できる外径寸法に形成され、上記ジョイント部は、中心部に上記塗料カートリッジ内の塗料を上記塗料吹付けカップに供給可能な塗料通路を開通した軸体と、外周部に配置されて上記空気流通路内を流通する管内空気流を上記管内壁面から離れた管内中心側に向け迂回流通させるシールリングとを備え、上記塗料吹付けカップは、上記軸体の後端位置で回転自在に支持され、その外周部に上記塗料通路と連通する塗料噴射ヘッドと、外周部よりも内側にて周方向に沿って配置された複数の回転羽根とを備え、同回転羽根を上記ジョイント部のシールリングにより迂回流通される管内空気流の対向位置に配置して管内空気流により回転駆動されることを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の管内塗装装置を用いる管内塗装方法であって、上記管内塗装装置を導入する既設管路に対し、同塗装装置の移動方向前側の管内と後側の管内との間に所要の圧力差を生起させる手段を設け、上記圧力差を付与した状態で既設管路内に上記管内塗装装置を導入移動させることで管内差圧により上記塗料吹付けカップの回転エネルギーを得、上記塗料噴射ヘッドから流出する塗料を管内壁面に遠心吹付けして塗装施工を行うことを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の管内塗装方法において、上記圧力差は、上記管内塗装装置の移動方向前側の管内に送風圧を、上記管内塗装装置の移動方向後側に負圧を付加することにより生起されることを特徴としている。
【0013】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1は、本発明による管内塗装装置の構成を示すために管内塗装装置の縦方向での中心線Lを基準として破断した要部の断面図である。図1において、管内塗装装置1は、矢印Aで示す管内塗装装置1の進行方向の前側に位置する塗料カートリッジ2と、後側に位置する塗料吹付けカップ4と、これら両者の中間部に位置するジョイント部3とを備えている。
【0014】以下、各部材について説明すると次の通りである。塗料カートリッジ2は、塗装に用いられる樹脂液(塗料)を充填している部材であり、保持部材2Aと、保持部材2A内に挿填されている袋体2Bとを備えている。
【0015】保持部材2Aは、管内塗装装置1の外郭部材をなし、図2に示すように、周方向に沿って複数の関節部に相当するヒンジ結合部を有する板金部材2A1が連結されて折り畳みが可能なものである。折り畳まれた状態から拡径された保持部材2Aは、ヒンジ結合部が管路10の内壁面に当接することによって多角形の断面形状をなし、また、拡径された場合、管路10の内壁面に当接するヒンジ結合部を除いた板金部材2A1の外径が、図1および図2に示すように、管体10の内壁面に対して所要幅Pの空気通路が形成できる寸法に設定されている。
【0016】図1において保持部材2Aは、その延長方向の一端が後述する軸体3A側に、そして延長方向の他端が芯材に相当するマンドレル2Cにそれぞれ締結されて固定されるようになっている。
【0017】マンドレル2Cには、内部に袋体2Bの一端開口に連通する充填用空間部2C1が形成され、その充填用空間部2C1には、外部から塗料を充填するための充填通路2C2が接続されている。充填通路2C2は、上記の保持部材2Aを締結するために用いられるボルト5によって塞がれるようになっている。マンドレル2Cにおいて、管内塗装装置1の進行方向前側に相当する面には、ブラケット6が上記の締結箇所を利用して取り付けられており、そのブラケット6には、牽引部材7の一端が係止できるようになっている。
【0018】袋体2Bは、収縮変形可能な可撓性部材で構成され、その延長方向各端部がその他の部分よりも縮径されて後述する軸体3A側およびマンドレル2Cに固定されており、塗料が内部に充填されると、図2に示すように、保持部材2Aを拡径させてその保持部材2Aに内接するようになっている。袋体2Bは収縮変形することができるようになっているが、その変形のための作用力として、本実施例では管内空気が用いられるようになっている。つまり、図1に示すように、保持部材2Aの延長方向各端部には内部に位置する袋体2Bに向け管内空気を導入するための空気取入れ口2A2が周方向に沿って複数形成されており、この空気取入れ口2A2に対向する位置に袋体2Bの外径が縮径に転じる傾斜面が位置している。これにより、管内塗装装置1が進行した場合、進行方向の前側に存在する管内空気の一部が、図1中、矢印Bで示すように、空気取入れ口2A2内に導入されるので、袋体2Bの端部寄りの位置が加圧されることになる。
【0019】一方、ジョイント部3は、図3に示すように、軸体3Aとシールリング3Bとを備えている。軸体3Aには、中心部に管内塗装装置1の進行方向に沿って開通された塗料通路3A1が形成されており、その塗料通路3A1の一端が塗料カートリッジ2の袋体2Bの一端開口に連通し、他端がボルト8によって塞がれている。軸体3Aにおいて、塗料カートリッジ2側に位置する端部には、図4に示すように、周方向に沿って4等分された位置に塗料カートリッジ2の外径と同等の外径を以て延長されたスポーク部3A2が設けられており、塗料カートリッジ2の保持部材2Aおよび袋体2Bがボルト9によって取り付けられるようになっている。
【0020】図4において、スポーク部3A2により占有されていない範囲は、管体10の内部に連通しており、図3において矢印Cで示すように、管内空気を取り込めるようになっている。軸体3Aの端末部には、塗料通路3A1に連通する凹状段部で構成された塗料貯溜部3A3が設けられている。この塗料貯溜部3A3は、後述する塗料吹付けカップ4の塗料導入路4Aとの接続位置に相当しており、塗料吹付けカップ4への塗料供給部を構成している。
【0021】図3および図4において軸体3Aの軸方向においてスポーク部3A2と反対側の端部には、スポーク部3A2と周方向において90゜の位相差を設定されてシールリング取り付け部3A4が設けられており、このシールリング取り付け部3A4とスポーク部3A2とでシールリング3Bが固定保持されるようになっている。
【0022】シールリング取り付け部3A4にシールリング3Bを取り付けるにあたっては、図3に示すように、シールリング取り付け部3A4に対して締結されるシールリング取り付け片11が用いられ、このシールリング取り付け片11は、管内塗装装置1の進行方向に沿った幅を有し、スポーク部3A2が占有していない範囲から流入してくる管内空気を整流して後述する塗料吹付けカップ4側に向け吐出させることができる静止翼をなしている。
【0023】図3において、シールリング3Bは、管内塗装装置1の進行方向に沿って連続する凸部を形成された弾性体で構成され、凸部が管内塗装装置1の進行を許容する圧力を以て管内壁面に当接し、管内塗装装置1の進行方向前側と後側との気密性を維持している。
【0024】シールリング3Bは、凸部が管内壁面に接触していることにより、管内移動体1の進行方向前側と後側とを遮蔽しており、矢印Cで示すように、管内空気流を管内壁面から離れた管内中心寄りに迂回流通させ、スポーク部3A2の非占有範囲を介して軸体3A側に位置するシールリング取り付け片11に向け流動させることができるようになっている。
【0025】塗料吹付けカップ4は、管内塗装装置1の進行方向におけるシールリング3Bの後側にて軸体3Aに回転自在に支持されており、ボルト8を介して締結されることによって軸体3Aからの抜け止めがなされている。塗料吹付けカップ4は、管体10内に挿通可能であって、かつ、管内壁面に塗付される塗膜に干渉することがない外径を設定された断面形状がカップ状をなす部材であり、アルミニューム等の軽量部材で構成されることにより慣性質量が小さくされている。塗料吹付けカップ4には、図5に示すように180゜の位相を以て軸体3Aの塗料貯溜部3A3に連通する塗料導入路4Aが内部に形成されている。このような塗料導入路4Aの配置関係により、塗料貯溜部3A3内の塗料は、塗料吹付けカップ4の回転時に発生する遠心力が有効に作用することになるので塗料導入路4A内への流動を促進されることになる。
【0026】塗料導入路4Aの始端は、軸体3A側の塗料貯溜部3A3に対向し、終端が塗料吹付けカップ4の外周壁に位置する塗料噴射ヘッド4Bに至っている。これにより、塗料は、軸体3Aの塗料貯溜部3A3から塗料導入路4Aを介して塗料噴射ヘッド4Bに至る範囲で充填されるようになっている。また、図3に示されているように、塗料導入路4Aの始端側には、軸体3Aの塗料貯溜部3A3の外周を囲繞する外周壁4A1が設けられており、その外周壁4A1が軸体3Aの外周面に圧接することにより塗料を貯溜するための閉空間が構成されている。
【0027】外周壁4A1と軸体3Aの外周面とは、一方の外周壁4A1が回転するのに対し、他方の外周面が不動であることから、その圧接面には、図示されないシール部材を介して外周壁4A1の回転を許容できるようにすると共に塗料が漏洩しないように気密性を維持するようになっている。なお、特別にシール部材を設けることに限らず、外周壁4A1および外周面の材質の選択によって上記の機能を発揮させるようにしてもよい。
【0028】図3に示されているように、塗料噴射ヘッド4Bは、塗料吹付けカップ4の外周壁内部に設けられている塗料収容チャンバー4B1と、そのチャンバー4B1の外周壁において周方向および管内塗装装置1の進行方向に沿って形成された複数の開口からなる塗料噴射口4B2とで構成され、回転した際に得られる遠心力によって塗料導入路4Aおよび塗料収容チャンバー4B1に充填されている塗料を塗料噴射口4B2から噴出させることができるようになっている。
【0029】塗料吹付けカップ4には、塗料噴射ヘッド4B2よりも中心寄りの内側に周方向に沿って複数の回転羽根4Cが設けられている。回転羽根4Cは、シールリング3Bにより迂回流通された管内空気流を吐出できるシールリング取り付け片11と対向して配置されている。本実施例では、回転羽根4Cの配置数として、図5に示すように、シールリング取り付け片11の数よりも多くされ、シールリング3Bによってシールリング取り付け片11に向け迂回流通されて吐出される管内空気流を効率よく受けることができるようにしてある。
【0030】本実施例は以上のような構成であるから、牽引部材7が牽引されると、ジョイント部3に有するシールリング3Bによって遮蔽されている管内塗装装置1の進行方向前側の圧力が後側の圧力よりも高くなることで圧力差が生起され、管体10内に空気流が生じる。
【0031】管内空気流は、図1中、矢印Bで示すように、その一部が塗料カートリッジ2の保持部材2Aに有する空気取入れ口2A2から袋体2Bに作用して袋体2Bを加圧し、残りが図1および図3中、矢印Cで示すように、シールリング3Bによって軸体3Aに有するシールリング取り付け片11に向け迂回流通されてシールリング取り付け片11から塗料吹付けカップ4側の回転羽根4Cに向け吐出される。管内空気流によって加圧される袋体2Bは、収縮変形しやすくされ、内蔵している塗料の吐出が促進される。
【0032】一方、シールリング取り付け片11を流通した管内空気が回転羽根4Cに向け吐出されると塗料吹付けカップ4に回転力が生じ、この回転力によって塗料導入路4Aおよび塗料噴射ヘッド4Bに有する塗料収容チャンバー4B3内に充填されている塗料が塗料噴射口4B2から管内壁面に向け遠心吹付けされ、管体10の内壁面に薄膜のライニング11が形成される。
【0033】塗料吹付けカップ4の回転速度は、上記の圧力差を調整することにより変化させることができるので、回転速度によって得られる遠心吹付け量に応じた塗膜の厚さを所要の厚さに調整することができる。塗料吹付けカップ4の回転によって塗料噴射口4B2から塗料が遠心吹付けされると、塗料の充填範囲では袋体2B側に比べて塗料吹付けカップ4側が負圧化傾向となることにより、塗料吹付けカップ4が停止するまでの間、袋体2Bの内部から引出されやすくなる。
【0034】本実施例によれば、塗料吹付けカップ4の回転エネルギーを管内空気によって得ることができるので、特別な回転駆動源を準備する必要がなく、構造を簡略化することができる。
【0035】次に、上記構成を備えた管内塗装装置1を用いた管内塗装方法について説明する。管体10の内壁面にライニング塗付するにあたり、図6に示すように、管内塗装装置1は、既設配管の延長方向一端から挿通される。この場合、管内塗装装置1には、ウインチ12に一端が結合された牽引部材7が取り付けられ、また管内塗装装置1の進行方向(矢印Aで示す方向)の後側では、モータ13Aにより駆動される真空ポンプ13に連結されたダクト14がマンホール15から管体10に接続されている。
【0036】管内塗装装置1は、ウインチ12に連結された牽引部材7が牽引されることによって管路内を進行する。このとき、真空ポンプ13が作動されて管内塗装装置1の進行方向後側に負圧が付与される。
【0037】管路内で管内塗装装置1が進行すると、進行方向の前側には正圧が作用し、進行方向後側に負圧が付与されているので、進行方向の前後において圧力差が生起される。このため、管内塗装装置1の進行方向前後において管内空気流が生じるので、管内壁面に沿って流通する管内空気流がシールリング3Bによって管内壁面から離れる管内中心寄りに迂回流通され、ジョイント部3に有するシールリング取り付け片11に向け流動させられる。シールリング取り付け片11に向け導入された管内空気流は塗料吹付けカップ4の回転羽根4Cに向け吐出され、塗料吹付けカップ4に回転エネルギーを付与して塗料吹付けカップ4を高速回転させる。
【0038】塗料吹付けカップ4が高速回転すると、塗料導入路4Aおよび塗料噴射ヘッド4Bの塗料収容チャンバー4B1に充填されている塗料が遠心力によって塗料噴射口4B2から噴出し、管内壁面に対して遠心吹付けによる薄膜のライニングが形成される。
【0039】なお、管内塗装装置1の進行方向前側に作用する正圧は、上記した牽引部材7の牽引時に発生する風圧を用いることに加えて図示されない送風機等によって生成するようにしてもよい。この場合には、送風量を調整することにより、圧力差を変化させて塗料吹付けカップ4の回転速度を高速化させるようにすることもできる。さらに、圧力差の調整としては、牽引速度を調整するようにしてもよい。これにより、塗料吹付けカップ4の回転速度と管内塗装装置1の進行速度との組合わせにより、管内壁面での塗膜の厚さを要求される厚さに設定することができる。
【0040】以上のような構成によれば、管内塗装装置1の進行方向前側と後側との間に圧力差を生成させるだけの簡単な操作によって管内壁面への塗料の遠心吹付けが可能となる。しかも、圧力差は、正圧と負圧との設定値によって、あるいは牽引部材7の牽引速度によって設定できるので、管内塗装装置1に対して減速機構等を用いた増速機構を要することなく塗料吹付けカップ4の回転速度を制御し、より高速の回転を行わせることにより薄膜のライニングを形成することが可能になる。
【0041】本発明は、上記実施例に限られるものではなく、要旨の範囲内で種々変更することが可能である。例えば、塗料吹付けカップ4に有する回転羽根4Cに衝突した管内空気を塗料噴射口4A2よりも進行方向前側にて管内壁面に吹付けられるような案内部を形成しておくことで、塗料の塗付前に管内壁面に付着しているごみ等の異物を除去できるようにすることも可能である。
【0042】さらに、塗料の塗付前の塗付面を清浄化する構成としては、塗料吹付けカップ4の外周部にブラシを設けて回転ブラシを構成するようにしてもよい。このように塗料吹付けカップ4に塗料吹付けとは別な機能部品を設けることによって塗料の吹付けとその前処理とを同一部材によって実行することができるので、操作部材の取り替え等の操作を不要にして、作業時間の短縮化を図ることができる。また、管内塗装装置1に移動距離を計測できる機構を装備したり塗料吹付けカップ4に回転停止機構を付加するか、また塗料の供給停止手段を具備しておくと、移動量に応じてあるいは施工対象の既設管路に対して部分的なライニング施工を行えるようにすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、管内空気流を管内壁面から離れた管内中心寄りに向け迂回流通させることができるシールリングを設け、このシールリングにより迂回流通された管内空気流により塗料吹付けカップを回転させるエネルギーを得るようにしたので、特別な回転駆動源を設けることなく塗料吹付けカップの高速回転による遠心吹付けを可能にして薄膜のライニング施工を行うことができる。これにより、既設配管の内壁面への薄膜のライニングに要するコストを低減することが可能になる。しかも、塗料吹付けカップの高速回転が行えることにより、塗料吹付けカップ側の塗料充填部を塗料カートリッジ側に比較して負圧化傾向とすることができるので、塗料カートリッジからの自動的な塗料の流動を生起させて塗料供給のための特別な機構を要しないですむ。これによっても、既設配管の内壁面への薄膜のタイニングに要するコストを低減することが可能になる。
【0044】請求項2および3記載の発明によれば、管内塗装装置の進行方向前側と後側とで所要の圧力差を生起させることによって、管内空気流を塗料吹付けカップの回転エネルギーとして用いるようにしたので、管内壁面への薄膜のライニングを得るための回転エネルギー源としての特別な構造を要しないですむ。これにより、低コストの管内塗装を可能にすることができる。




 

 


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