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発明の名称 ドリル工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−328917
公開日 平成10年(1998)12月15日
出願番号 特願平10−134763
出願日 平成10年(1998)5月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外5名)
発明者 ハンス グシュヴェント / フリッツ マルク / エドヴィン シュヴァイツァー
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 後端が差し込み端部(5)として形成され、前端にはドリルカッターが設けられたドリルヘッド(10)を有する長手方向シャフト(2)を具えるドリル工具において、ドリルヘッド(10)に対向する環状肩部(6)をシャフト(2)に配置し、ドリルヘッド(10)に芯出しカッター(11,12)を設け、該芯出しカッターを、ほぼシャフト軸線の延長線上に配置された先行する芯出し先端(14)からドリルヘッドの外周に向けて後退させ、さらに、ドリルヘッド(10)に少なくとも1個の補助カッター(13)を設け、シャフト軸線に対して側方に延在する補助カッターの領域をシャフト(2)の外周から側方に突出させ、その突出量(n)は補助カッターの全長(l)の約10%〜100%としたことを特徴とするドリル工具。
【請求項2】 請求項1記載のドリル工具において、互いに約60°〜約80°の角度(γ)をなす配置とした2個の芯出しカッター(11,12)を具え、さらに、芯出し先端(14)からシャフト外周の外方まで延在する補助カッター(13)を、ドリルヘッド(10)の側面(15)に向けて芯出し先端(14)から後退させ、前記補助カッター(13)を、ドリルヘッド(10)の軸線方向投影面内で芯出しカッター(11,12)の二等分線に対して平行に延在させると共に隣接する芯出しカッター(11,12)との間でそれぞれ鈍角を形成する配置としたことを特徴とするドリル工具。
【請求項3】 請求項2記載のドリル工具において、シャフト外周の外方に位置する補助カッター(13)の端部と芯出し先端(14)との間隔(s)を、シャフト外周領域内に位置する芯出しカッター(11,12)の端部と芯出し先端(14)との間隔よりも大としたことを特徴とするドリル工具。
【請求項4】 請求項2又は3に記載のドリル工具において、補助カッター(13)と芯出しカッター(11)は、芯出し先端(14)において側面から見たときに約30°〜約180°の角度(α)を形成することを特徴とするドリル工具。
【請求項5】 請求項1記載のドリル工具において、シャフト外周に対して半径方向で最も近接する補助カッター(113;213,218)の領域は、芯出し先端(114;214)に対して少なくとも2.5mmだけ後退させたことを特徴とするドリル工具。
【請求項6】 請求項5記載のドリル工具において、2個の補助カッター(213,218)を具え、該補助カッターは互いに30°〜50°の角度(β)を形成することを特徴とするドリル工具。
【請求項7】 請求項5又は6に記載のドリル工具において、各補助カッター(113;213,218)にドリル屑の排出溝(117;217,219)を対応させて配置し、該排出溝はドリル工具の回転方向(R)において補助カッター(113;213,218)の後方に配置すると共にドリルヘッド(100,200)の側面(115;215)で軸線方向に延在させることを特徴とするドリル工具。
【請求項8】 請求項1〜7の何れか一項に記載のドリル工具において、シャフト(2)を少なくとも局部的に楕円形又はレンズ状の断面形状に形成し、シャフト(2)の最大径(a)と、これに対して直角の方向におけるシャフト(2)の最小径(b)との比a:bを約1.8〜1.4:1としたことを特徴とするドリル工具。
【請求項9】 請求項1〜8の何れか一項に記載のドリル工具において、シャフト(2)にドリル屑の排出溝(16)を設け、該排出溝はシャフト(2)の後端に向けてヘリカルに配置したことを特徴とするドリル工具。
【請求項10】 請求項1〜9の何れか一項に記載のドリル工具において、シャフト(2)は、差し込み端部(5)を有する大径の後方部分(4)と、前端にドリルヘッド(10)を固定したより小径の前方部分(3)とを含む2分割構造とし、前方部分(3)は後方部分(4)に対して分離可能に結合し、前記当接肩部(6)を、差し込み端部(5)の反対側に位置する後方部分(4)の前端に配置したことを特徴とするドリル工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【技術分野】本発明は、後端が差し込み端部として形成され、前端にはドリルカッターが設けられたドリルヘッドを有する長手方向シャフトを具えるドリル工具に関するものである。
【0002】
【背景技術】固さの異なる基盤に対する固定構造を実現するため、従来より、種々の固定方法が採用されている。最も汎用されている固定方法は、シーケンシャル固定方式と直接固定方式である。シーケンシャル固定方式は、あらゆる種類の基盤に適している。基盤の性状及び達成すべき固定値に応じて、多様な固定素子を使用することができる。シーケンシャル固定方式の場合、最初にドリル装置を用いて基盤中に受孔を形成する。ドリル装置は金属ドリル、削岩ドリル又は木工ドリル等で構成され、電動回転駆動手段と、所要に応じて軸線方向の衝撃手段とを具える手持ち式駆動装置によって駆動される。受孔を形成した後、通常はアンカー等の固定素子を受孔内に挿入し、多くの場合にはねじの締結又は拡開素子の打ち込みにより固定素子を拡開させて受孔中に係止する。機械的な固定素子として、頭部を有するプラスチック製又は金属製の拡開素子を使用することができる。この拡開素子は、予め作成した受孔中にハンマーによって打ち込まれる。保持機構は、多くの場合には摩擦結合であるが、基盤が中空レンガである場合には形状結合とすることもある。
【0003】直接固定方式の場合、火薬力により作動する打ち込み装置を用いて特殊な固定素子を直接的に基盤中に圧入する。この固定方式の場合、固定素子のために受孔を別個に形成する必要はない。直接取り付け技術によれば、優れた保持値を達成し得る固定構造を迅速に実現することが可能である。当然のことながら、既知の直接固定方式は、例えば、鋼材、石灰岩、コンクリート、木材などの靭性材料からなる基盤についてのみ適している。
【0004】例えば、レンガ壁のような低硬度又は脆性材料からなる基盤は、既知の直接固定方式での固定作業に際して、火薬力作動型の打ち込み装置により極めて強力に負荷され、損傷することも稀ではないため、確実な固定は望むべくもない。したがって、この種の基盤において 基本的にはシーケンシャルな固定方式だけが係止に使用される この方式は 基盤を保護すると共に任意の保持値を達成する確実な固定を可能とする そのために、当然のことながら、各固定箇所についての所要作業時間が明らかに長くなる。さらに、多くの場合には、受孔の形成と固定素子の受孔内での係止のために別個の装置が必要である。すなわち、典型的にはドリル機構を有するドリル装置を使用して受孔を形成し、ねじ装置により固定ねじをアンカーにねじ込み、アンカーを拡開させて係止するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、例えば、レンガ壁のような脆性基盤に対しても固定素子を迅速かつ確実に固定素子を係止可能とするドリル工具を提案することにある。特に、本発明によるドリル工具は、新規な固定素子と新規な固定技術とを併用するものである。その際、受孔の形成と、後続する固定素子の受孔内への挿入と、最後の固定素子の拡開との連続作業は不要である。また、受孔の形成と、引き続く固定素子の係止とに複数の異なる装置を必要としないものである。さらに、基盤を保護すると共に所要の保持値を達成する固定構造を実現可能とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため、本発明は、後端が差し込み端部として形成され、前端にはドリルカッターが設けられたドリルヘッドを有する長手方向シャフトを具えるドリル工具において、ドリルヘッドに対向する環状肩部をシャフトに配置し、ドリルヘッドに芯出しカッターを設け、該芯出しカッターを、ほぼシャフト軸線の延長線上に配置された先行する芯出し先端からドリルヘッドの外周に向けて後退させ、さらに、ドリルヘッドに少なくとも1個の補助カッターを設け、シャフト軸線に対して側方に延在する補助カッターの領域をシャフトの外周から側方に突出させ、その突出量は補助カッターの全長の約10%〜100%としたことを特徴とするものである。
【0007】本発明のドリル工具によれば、新規な固定素子を直接固定方式により基盤に係止させる最適条件が実現される。この固定素子は管状のシャフトを具え、そのシャフトは軸線方向の貫通孔と、シャフト全長に亙って延在するスリットと、打ち込み方向にとは反対側の後端部における荷重係止手段とを有する。本発明の構成を有するドリル工具により、受孔はドリル作業の一工程で形成され、同時に固定素子が軸線方向衝撃力によって基盤中に打ち込まれる。ドリル工具のドリルヘッドを適切に形成することにより、固定素子はネック部が当接肩部に接するまで、シャフト上を変位させることができる。ドリルヘッドは固定素子の前端から突出する。当接肩部は軸線方向衝撃力を固定素子に伝達し、この軸線方向衝撃力によって固定素子が受孔の形成と同時に基盤中に打ち込まれる。極端な場合には軸線方向スリットが完全に閉鎖した固定素子の装着状態において、ドリル工具は再び固定素子から取り外すことができる。ドリルヘッドの包絡円は、スリットが閉鎖した管状固定素子の内径より小さいからである。非対称に配置した少なくとも1個の補助カッターが基盤に当接すると、芯出し先端は中心軸線からのドリフトに抗してドリル工具を支持する。
【0008】本発明を実施するにあたり、互いに約60°〜約80°の角度をなす配置とした2個の芯出しカッターを具え、さらに、芯出し先端からシャフト外周の外方まで延在する補助カッターを、ドリルヘッドの側面に向けて芯出し先端から後退させ、前記補助カッターを、ドリルヘッドの軸線方向投影面内で芯出しカッターの二等分線に対して平行に延在させると共に隣接する芯出しカッターとの間でそれぞれ鈍角を形成する配置とするのが有利である。この場合、切削力がカッターのエッジで均衡するため、ドリル工具の受孔内での支持特性が向上される。また、切削力が左右対称に配分されるため、補助カッターは芯出しカッターの二等分線に対して平行に、特に、その延長線上で延在させるのが有利である。
【0009】シャフト外周の外方に位置する補助カッターの端部と芯出し先端との間隔を、シャフト外周領域内に位置する芯出しカッターの端部と芯出し先端との間隔よりも大とすることにより、ドリルヘッドの非対称性を更に強調することが可能である。この場合、芯出しカッターよりも長い補助カッターは、主たる材料切削にも使用されるものである。
【0010】補助カッターと芯出しカッターは、芯出し先端において側面から見たときに約30°〜約120°の角度を形成する配置とするのが有利である。
【0011】ドリル工具の他の好適な実施形態では、シャフト外周に対して半径方向で最も近接する補助カッターの領域を、芯出し先端に対して少なくとも2.5mmだけ後退させる。この場合、補助カッターは芯出し先端まで延在するだけでなく、これに対して後退しつつシャフト外周の側方に配置される。芯出し先端を有する芯出しカッターは、極めて優れた芯出しドリル機能を発揮する。芯出しカッターは、非対称として配置された補助カッターが基盤に接すると、中心軸線からの側方ドリフトに対してドリル工具を支持する。補助カッターは、衝撃力および切削力の作用下で芯出し孔を衷心とする任意直径の受孔を形成する。この直径はドリルヘッドの包絡円の直径よりも大とされ、管状の固定素子が受孔内で圧縮されるように設定する。これによって生じる固定素子の保持力は、引張と固着摩擦係数とに基づく受孔内壁に対する押圧力の結果である。
【0012】ドリルヘッドには、1個又は複数の補助カッターを設けることができる。例えば、硬い骨材を埋設したコンクリート基盤のような固い基盤に使用する場合には、互いに30°〜50°、特に好適には約40°の角度をなす2個の補助カッターが有利である。
【0013】ドリル屑の排出を促進するため、各補助カッターにドリル屑排出溝を対応させて配置し、これらの排出溝はドリルヘッドの回転方向で補助カッターの後方に配置すると共にドリルヘッドの側面で軸線方向に延在させる。
【0014】ドリル屑の排出特性を更に向上するため、シャフトを少なくとも局部的に楕円形又はレンズ状の断面形状に形成する。ドリル工具のシャフトを楕円形及びレンズ状に形成することにより、削り取られたドリル屑は半径方向外方に押し出され、その結果として生じた排除作用により後方へ排出される。シャフトに設けられる排出溝は、ドリル屑の排出を更に促進する。シャフトを楕円形及びレンズ状とすることにより、ドリル工具には優れたトルク安定性が与えられ、同時に、十分な可撓性が保障される。したがって、ドリル工具は、固定素子が斜めに打ち込まれて軸線方向で若干の屈曲が生じる場合でも、問題なく確実に引き出すことができる。トルク安定性とシャフトの可撓性との特に良好な関係は、シャフトの最大径と、これに対して直角の方向におけるシャフトの最小径との比を約1.8〜1.4:1とするときに成立する。
【0015】シャフトは、差し込み端部を有する大径の後方部分と、小径の前方部分とを具える2分割構造とするのが有利である。ドリルヘッドは前方部分の前端に固定され、前方部分は楕円形又はレンズ状の断面形状とするのが好適である。前方部分は、後方部分に対して分離可能に結合する。例えば、差し込み端部とは反対側に位置する前端面に差し込み孔を設け、この孔内に小径の前方部分を差し込み可能とする。差し込まれた前方のシャフトの脱落を、適宜の結合手段により防止する。小径のシャフト前方部分に対向する後方部分の前端面は、同時に、変位させた固定素子のための当接肩部を形成する。それにより、手持ち装置から及ぼされた軸線方向の衝撃力を固定素子に伝達することが可能となる。小径の前方部分を分離可能に保持することにより、ドリルヘッドが過度に摩耗した場合でも、ドリル工具全体を交換する必要はない。ドリルヘッドが設けられた前方部分のみを交換するだけで十分である。このことは、差し込み端部を有する後方部分を交換する場合にも同様である。この場合にも、ドリル工具における無傷部分は継続して使用することができる。
【0016】ドリルヘッドの材料としては、特に、硬質金属を使用するのが望ましい。この場合、ドリル工具は耐摩耗性に優れ、十分な硬度を有するため、硬い基盤にも受孔を用意に形成することができる。ドリルヘッドは、例えば、溶接又は溶着のように、それ自体は既知の方法によってシャフトに固定される。
【0017】
【実施の形態】以下、本発明を図示の好適な実施形態について更に具体的に説明する。
【0018】図1において、参照数字1は本発明によるドリル工具1の全体を表している。ドリル工具1はシャフト2を有し、シャフト2は基本的に前方部分3と後方部分4とから構成される。前方部分3は後方部分4よりも小径とされている。後方部分4から前方部分3に至る移行領域には、環状の当接肩部6が設けられている.当接肩部6は、差し込み端部5から離間した位置でシャフト2の前方部分3に対向する配置とされている。小径の前方部分3と後方部分4とは、例えば、摩擦溶接により互いに一体的に結合することができる。しかし、これらの部分3,4は互いに分離可能に結合するのが有利である。その場合、シャフト2における前方部分3の後端部が後方部分4の前端面に設けた受孔7内に挿入され、そこで適宜の固定手段(図示せず)により固定される。固定手段は、例えば、ねじ又は既知の係止機構からなるものとする。シャフト2は、差し込み端部5とは反対側に位置する前端にドリルヘッド10を具える。ドリルヘッド10の詳細について以下に記述する。
【0019】図2に示すように、シャフト2における小径の前方部分3は楕円形状又はレンズ形状の断面を有する。その長軸aと、これに対して垂直に延在する短軸bとの長さ比a/bは、約1.8:1〜約1.4:1とすることができる。この断面形状は前方部分3の全長に亙って維持し得るものであるが、図1に示すように、前方部分3の一部だけを局部的に上記断面形状に形成してもよい。その場合には、図2に示すように断面形状が円形又は楕円形の移行領域が形成される。なお、後方部分4における受孔7が設けられた前端面は、当接肩部6を構成するものである。
【0020】図3は、第1の実施形態によるドリルヘッド10を示している。ドリルヘッド10はシャフト2の前端に対して、例えば、溶接又は溶着などにより一体的に結合されている。ドリルヘッド10は、芯出しカッター11と、少なくとも1個の補助カッター13とを有する.補助カッター13は、芯出し用の先端14からドリルヘッド10の側面15に向けて延在させると共に、その高さを漸減させて先端14から後退させる。補助カッター13をシャフト2の中心軸線に対して偏心させて配置し、シャフト2の外周から距離nだけ側方に突出させる。シャフト2の外周からの補助カッター13の突出量は、その全長lの約10%〜100%とする。芯出し先端14から補助カッター13の終点までの距離sは、芯出しカッター11の対応する終点までの距離tよりも大きい。芯出し先端14において、芯出しカッター11と補助カッター13とは約30°〜約120°の角度αを形成する。ドリルヘッド10をシャフト2に対し、補助カッター13を支持する部分の下側領域がシャフトから突出するように固定することが可能である。そのために、シャフト2の前端に側方拡張部分21を設け、この拡張部分21によりドリルヘッド10の突出部分を支持すると共に、ドリルヘッド10とシャフト2との間における結合面を拡大するのが好適である。なお、シャフト2の外周面に、ドリルヘッド10から後方に向けてヘリカルに延在する排出溝16を設ける。
【0021】図4は、図3に示したドリルヘッド10の平面図である。ドリルヘッド10は2個の芯出しカッター11,12を具え、これらの芯出しカッター11,12は芯出し先端14からドリルヘッド10の側面15に向けて延在する。両芯出しカッター11,12は、芯出し先端14において約60°〜180°の角度γを形成する。芯出しカッター11,12により形成された角度γの二等分線上に、より長い補助カッター13を延在させる。補助カッター13は、隣接する芯出しカッター11,12との間で鈍角を形成する。
【0022】図5は、本発明によるドリル工具におけるドリルヘッド100の第2の実施形態を示すものである。この実施形態では、ドリルヘッド100の芯出しカッターが参照数字111,112で表されている。ドリルヘッド100は補助カッター113を有し、補助カッター113の突出量nおよび全長lは、ドリル工具(図示せず)のシャフト外周から100%、すなわち完全に外方に延在する。シャフト外周に対して半径方向で最も近接する補助カッター113の領域は、芯出し先端114に対して少なくとも2.5mmだけ後退させる。図示のように、補助カッター113にはドリル屑の排出溝117が設けられている。この排出溝117は、ドリルヘッド100の側面115においてほぼ軸線方向に延在して配置され、回転方向Rでは補助カッター113の後方に配置される。補助カッター113の前方に自由空間を設けることにより、ドリルヘッド100におけるドリル屑の十分な排出が可能である。異常に多量のドリル屑が生ずる場合、補助カッター113の後方に配置された排出溝117がドリル屑の排出を更にバックアップする。
【0023】図6に示す実施形態によるドリルヘッド200は、図5の実施形態と基本的に一致する。したがって、互いに対応する構成要素は参照数字の下二桁を同一として表している。両実施形態の主要な相違点は、2個の補助カッターの配置にある。すなわち、図6の実施形態において、2個の補助カッター213,218は互いに約30°〜約50°、好適には約40°の角度βを形成する。各補助カッター213,218の後方で、ドリルヘッド200の回転方向に1本ずつのドリル屑排出溝217,219を配置し、これらの排出溝によりドリル屑の排出特性を更に改善する。
【0024】図7及び図8は、図6に示した実施形態によるドリルヘッド200の平面図である。ドリルヘッド200の各構成要素は、図6で使用したと同一の参照数字で表されている。符号Bは、全長に亙って軸線方向スリットSが設けられた管状の固定素子Bを示す。固定素子Bは、ドリル工具に装着されるものである。その場合、ドリルヘッド200は固定素子Bの前端から突出する。固定素子Bは2種の状態で図示されている。すなわち、想像線はスリットSが開放している固定素子Bの初期状態を、また、実線は固定素子Bの装着状態を示すものである。装着状態では固定素子Bが受孔内で半径方向に圧縮され、極端な場合にはスリットSが完全に閉鎖される。ドリル工具のドリルヘッド200はドリル作業位置にあり、芯出し先端214がドリル工具と固定素子Bの中心軸線の延長線上に位置している。芯出しカッター211,212は、補助カッター213,218が基盤に対して切削作用を及ぼす際にドリル工具の側方への変位(いわゆる「ドリフト」)を阻止する。断面が楕円形又はレンズ形状のシャフトは、参照数字2で表されている。図7に明示するとおり、補助カッター213,218はドリルヘッド200の包絡円の直径よりも大径の受孔を形成する。芯出し位置において、ドリル工具は装着した固定素子Bから引き出すことができない。ドリル工具を引き出すためには、図8に示すように、ドリルヘッド200の包絡円全体が固定素子Bの内径領域内に位置するまでドリル工具を側方に変位させる必要がある。この変位後の位置において、装着した固定素子Bからドリル工具を極めて容易に引き出すことができる。
【0025】本発明による直接固定方式に従って例えば絶縁プレートをレンガ壁に固定するためには、図9に示した作業ユニットを使用することができる。作業ユニットは管状の固定素子Bを含み、その固定素子Bは絶縁プレートを固定するための荷重係止手段としてフランジLを有するものである。作業ユニットは、当接肩部6と、偏心補助カッターを有するドリルヘッド10とを具える本発明によるドリル工具1と、手持ち式装置Tとを更に含んでいる。手持ち式装置Tは、例えば、ドリル工具1に軸線方向の衝撃力を負荷するための衝撃部材を具える回転ドリル装置である。固定作業に先立ち、ドリル工具1の差し込み端部を手持ち装置Tの工具ホルダに挿入する。次に、ドリルヘッド10が管状の固定素子Bの前端から突出するまで、固定素子Bをドリル工具1上で移動させる。図中の矢印P1,P2は、ドリル工具1と固定素子Bとの装着方向を示している。このように準備した手持ち装置T、ドリル工具1および固定素子Bから構成される作業ユニットを、絶縁プレートの材料により基盤に対して押圧する。次に、手持ち式装置Tを作動させてドリル工具1により基盤に対する受孔の形成を開始する。管状の固定素子Bの前端が基盤に接すると、前端が軸線方向衝撃力の作用下でドリルヘッド10に続いて基盤中に挿入される。その際、手持ち式装置Tから負荷される軸線方向衝撃力は当接肩部6を介して管状の固定素子Bの後端に伝達され、その後端は図示の実施形態では荷重係止手段としてのフランジLの内周に位置する。このようにして、ドリル作業が連続的に行われると共に固定素子Bが衝撃力によって基盤中に順次に挿入される。長手方向スリットを有する管状の固定素子Bは、形成する受孔よりも大径であり、したがって挿入時には半径方向に圧縮変形させる。中空の固定素子Bは、ドリル工具1を半径方向で案内するための案内部材として機能する。ドリルヘッドにおける芯出しカッターは、少なくとも1個の偏心補助カッターが基盤に当接したときにドリルヘッド10の側方ドリフトを阻止するものである。軸線方向に挿入された管状の固定素子Bは、荷重係止手段としてのフランジLがプレートの表面に対して好適には面一状態で接触するまで、絶縁プレートの材料中に押し込むのが有利である。




 

 


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