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発明の名称 ノンハロゲンクッション性床材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−235805
公開日 平成10年(1998)9月8日
出願番号 特願平9−322446
出願日 平成9年(1997)11月7日
代理人
発明者 神谷 俊宏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも、繊維質基材、繊維質基材上にハロゲンを含有しない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した中引層、中引層上に施した印刷模様、印刷模様を施した中引層上にハロゲンを含有しない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した透明トップ層、繊維質基材裏面に形成したハロゲンを含有しないクッション層、とを備えるノンハロゲンクッション性床材。
【請求項2】 中引層を形成する合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂のガラス転移点が、−30℃〜30℃である請求項1記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項3】 中引層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスが、合成樹脂固形分もしくはゴム固形分100重量部に対し、50〜300重量部の無機充填剤を含む請求項1又は請求項2記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項4】 透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂のガラス転移点が、−30℃〜30℃である請求項1〜3いずれか1項記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項5】 透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスが、合成樹脂固形分もしくはゴム固形分100重量部に対し、10〜300重量部の艶消し剤を含む請求項1〜4いずれか1項記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項6】 艶消し剤が、ガラス転移点が50〜200℃、平均粒径が1〜100μmのアクリル系樹脂粒状体である請求項5記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項7】 クッション層が、ハロゲンを含まない合成樹脂又はゴムの発泡体を積層した層である請求項1〜6いずれか1項記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項8】 ハロゲンを含まない合成樹脂発泡体が、架橋オレフィン系樹脂発泡体である請求項7記載のノンハロゲンクッション性床材。
【請求項9】 クッション層が、繊維質基材の裏面に、機械発泡せしめたハロゲンを含まない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した層、発泡剤又は/及び膨張剤を添加・分散させたハロゲンを含まない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・加熱発泡して形成した層、中空バルーンを添加・分散させたハロゲンを含まない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した層、のいずれかである請求項1〜6いずれか1項記載のノンハロゲンクッション性床材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンを含有しないクッション性床材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クッション性床材としては、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂を使用したものが使用されている。一方近年では、上記の塩化ビニル系樹脂からなるクッション性床材に代えて、ハロゲンを含まない合成樹脂やゴムからなるクッション性床材を使用することが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のハロゲンを含有しない合成樹脂としては、オレフィン系樹脂やアクリル系樹脂が注目されている。しかし、オレフィン系樹脂やアクリル系樹脂は、加工性の問題や、床材として要求される諸性能を満足するものが得られにくい等の種々の問題があり、塩化ビニル系樹脂からなるクッション性床材と同等以上の諸性能を有するクッション性床材を得るのは困難であった。本発明は、上記の課題を解決し、塩化ビニル系樹脂からなるクッション性床材と同等以上の諸性能を有するノンハロゲンクッション性床材を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明のノンハロゲンクッション性床材は、少なくとも、繊維質基材、繊維質基材上にハロゲンを含有しない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した中引層、中引層上に施した印刷模様、印刷模様を施した中引層上にハロゲンを含有しない合成樹脂のエマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成した透明トップ層、繊維質基材裏面に形成したハロゲンを含有しないクッション層、とを備えることを特徴とするものである。
【0005】繊維質基材としては、従来より床材の基材として用いられている、天然の動物性或いは植物性繊維;アスベスト;ガラス繊維;ロックウール;パルプ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル、ポリエステル等の合成繊維;等から選ばれる無機繊維又は有機繊維の一種又は二種以上に、必要に応じて、無機充填剤、合成樹脂系バインダー等を添加してなる織布、編布、不織布、紙、或いはこれらの積層物等が使用できるが、特に、寸法安定性に優れる有機繊維不織布、ガラス/パルプ混抄不織布等のガラス繊維混入不織布、ガラスペーパー、或いはこれらの積層物で、水に対して膨潤、収縮、機械的強度の低下等を起こし難いものが好適である。
【0006】中引層を形成する合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂として具体的には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の単独重合体もしくは共重合体等のアクリル系樹脂;アクリル−スチレン共重合樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂;水溶性ポリエステル系樹脂;等から選ばれる合成樹脂が挙げられる。合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂は、二種以上の合成樹脂の混合物であってもよい。
【0007】上記の、中引層を形成する合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂としては、ガラス転移点(Tg点)が、−30℃〜30℃のものを選択するのが望ましい。勿論、後記する特性を損なわない範囲であれば、ガラス転移点が30℃以下のものに、ガラス転移点が30℃を超えるものを混合するなどしても差し支えない。尚、このガラス転移点とは、二次転移点で、高分子物質を構成する分子のセグメントが、全体としては相対的な位置を崩さないが、回転又は振動をし始める温度であり、それよりも低い温度では、高分子物質は凍結状態となりガラス状となる。また、中引層は、SBRラテックス、MBRラテックス、NBRラテックス、IIRラテックス等のゴムラテックス、或いはこれらの混合物によって形成することもできる。
【0008】上記の中引層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスには、合成樹脂固形分もしくはゴム固形分100重量部に対し、50〜300重量部の無機充填剤を添加するのが望ましい。このように無機充填剤を添加することにより、中引層のべたつきを抑制し、後記する印刷模様の印刷適性を向上させると共に、合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスの固形分濃度が高くなるために、乾燥時の乾燥性が向上するといった利点もある。
【0009】上記の無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、アルミン酸カルシウム、ケイ酸、タルク、クレー等の通常使用される無機充填剤や、ガラスバルーン、シラスバルーン、合成樹脂製バルーン等の中空バルーン等が使用できる。無機充填剤として、ガラスバルーン等の中空バルーンを使用することにより、コストダウンや得られる床材の軽量化を図ることができる。また、上記の無機充填剤としては、平均粒径が0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μm程度のものを使用するのが望ましい。
【0010】本発明床材の中引層を合成樹脂エマルジョンにより形成する場合には、合成樹脂固形分100重量部当たり50〜300重量部の無機充填剤を添加した、ガラス転移点が−30℃〜30℃の合成樹脂のエマルジョンを選択・使用することにより、床材に要求される耐寒性を満足し、かつ、表面のべたつきを抑制して印刷模様を形成する際の印刷適性を向上させることができる。本発明者等の知見によれば、ガラス転移点が30℃を超える合成樹脂のエマルジョンを使用した場合では、得られる中引層の耐寒性が劣り、0℃の条件下で折り曲げたときに割れが発生することが懸念されるが、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂のエマルジョンを使用した場合では、得られる中引層の表面がべたつき、印刷模様を施すのが困難となる。一方、このべたつきは、上記の無機充填剤を添加することにより抑制することができるが、無機充填剤を過剰量添加すると、中引層が脆くなるといった問題が生ずる。
【0011】即ち、本発明においては、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂のエマルジョンを選択して使用することにより、床材に要求される耐寒性を満足し、かつ、無機充填剤を添加することにより中引層のべたつきを抑制するのであるが、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂のエマルジョンを使用した場合には、無機充填剤は、合成樹脂固形分100重量部当たり50重量部以上必要であり、また、無機充填剤を合成樹脂固形分100重量部当たり300重量部を超えて添加したのでは、中引層が脆くなるといった問題が発生するために、無機充填剤の添加量が合成樹脂固形分100重量部当たり300重量部以下であっても、べたつきを充分に抑制できる合成樹脂、具体的には、ガラス転移点が−30℃以上の合成樹脂のエマルジョンを選択して使用することが必要となるのである。
【0012】尚、上記の合成樹脂のガラス転移点として特に好ましくは、−20℃〜0℃であり、この合成樹脂エマルジョンに添加する無機充填剤の添加量として特に好ましくは、合成樹脂固形分100重量部当たり150〜250重量部である。
【0013】中引層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスには、必要に応じて、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、第三リン酸マグネシウム、スルファミン酸グアニジン、チオ尿素、リン酸グアニジン等の非ハロゲン系難燃剤;アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、各種高分子界面活性剤、ポリビニルアルコール等の粘度調整剤;乳化ターペン等の印刷適性改良剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の乾燥遅延剤;ステアリン酸塩、シリコン油、パラフィンワックス等の粘着防止剤;鉱物油系等の消泡剤;ソルビン酸等のハロゲンを含まない有機系もしくはアルミノケイ酸塩等の無機系の抗菌・防カビ剤;消臭剤;エポキシ樹脂等の架橋剤;分散剤;加硫剤;顔料等の着色剤;等の各種添加剤を添加することもできる。
【0014】上記の無機充填剤及び各種添加剤を添加した合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスは、適宜の混合機にて均一に混合・分散された後、ドクターナイフコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター等の適宜の手段にて繊維質基材表面に塗布され、乾燥固化されて中引層が形成される。この中引層は、少なくとも繊維質基材の表面側(印刷模様を形成する側)に形成する必要があるが、同様の層を繊維質基材の裏面側(クッション層を形成する側)に形成してもよい。
【0015】尚、合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスは、繊維質基材に一部含浸されるため、塗布量が少なすぎると繊維質基材が露出してしまい、印刷模様を鮮明に施すのが困難となるという懸念があり、塗布量が多すぎると中引層の厚さが厚くなりすぎ、反り等が発生し易くなる等の懸念があるため、中引層の厚さ(繊維質基材に含浸した部分は除く)が0.05〜1.0mm程度となるように、塗布量を調整するのが望ましい。
【0016】また、この合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックス、無機充填剤及び各種添加剤の混合・分散液の粘度は、中引層の表面平滑性を確保し、かつ、塗布ばらつきを防止するために、2000〜20000cps程度に調整するのが望ましい。
【0017】上記の中引層上に形成される印刷模様は、通常用いられる溶剤系もしくは水系の印刷インキを用い、グラビアプリンター等の適宜の印刷機にて、一回〜数回印刷して形成したものであってもよいし、いわゆる転写紙等を使用したものであってもよい。勿論、この印刷模様は、いわゆるべた印刷を含んでいてもよい。
【0018】印刷模様を施した中引層上に形成される透明トップ層は、中引層の場合と同様の、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の単独重合体もしくは共重合体等のアクリル系樹脂;アクリル−スチレン系共重合樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂;水溶性ポリエステル系樹脂;等から選ばれる一種以上の合成樹脂が使用できる。また、この透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂としては、ガラス転移点が−30℃〜30℃のものを使用するのが望ましい。勿論、後記する特性を損なわない範囲であれば、ガラス転移点が30℃以下のものに、ガラス転移点が30℃を超えるものを混合するなどしてもよい。更にまた、SBRラテックス、MBRラテックス、NBRラテックス、IIRラテックス等のゴムラテックス、或いはこれらの混合物によって透明トップ層を形成することも可能である。
【0019】透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックス中には、いわゆる艶消し剤を、合成樹脂固形分もしくはゴム固形分100重量部当たり10〜300重量部添加するのが望ましい。この艶消し剤を添加することにより、床材表面のべたつきを抑制することができる。尚、透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョンやゴムラテックス中に、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填剤を添加しても、べたつきを抑制することはできるが、この場合、トップ層の透明性を損なうという問題が発生するため、好ましくはない。
【0020】この艶消し剤としては、シリカ、珪酸塩、アルミナ等の白色微粒子をそのまま用いることもできるが、合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスへの分散性が悪いので、シリカゾル、シリケートゾル、アルミナゾル、チタンゾル、ニッケルゾル等の、白色微粒子を分散させてゾル状としたものを用いるのが望ましい。上記の白色微粒子としては、平均粒径が7〜50nm程度のものが特に好適である。
【0021】また、上記の艶消し剤としては、ガラス転移点が50〜200℃、特に好ましくは80〜120℃で、かつ平均粒径が1〜100μm、特に好ましくは10〜80μmのアクリル系樹脂粒状体を使用することもできる。このアクリル系樹脂粒状体は、上記の合成樹脂エマルジョンへの分散性に優れるため、上記の白色微粒子の場合のようにゾル状とせずとも、そのまま添加することができ、添加することによって固形分濃度を低下させることがないという利点がある。更にこのアクリル系樹脂粒状体を添加することにより、透明トップ層表面(即ち床材表面)の表面強度(耐摩耗性、耐スクラッチ性等)が更に向上するという利点もある。
【0022】この透明トップ層を合成樹脂エマルジョンにより形成する場合においても、中引層の場合と同様、耐寒性を確保するために、ガラス転移点が30℃以下である合成樹脂のエマルジョンを使用する必要があるが、この場合においても、表面がべたつき、汚れが付着し易いといった問題が懸念されるため、上記したような艶消し剤を添加することによって、べたつきを解消する。透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂として特に好ましくは、ガラス転移点が−20℃〜0℃の合成樹脂であり、艶消し剤の添加量として特に好ましくは、合成樹脂固形分100重量部当たり50〜150重量部である。
【0023】透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョン中もしくはゴムラテックス中には、得られる透明トップ層に、更なる防汚性、耐水白化性(水分が付着したとき白化するのを防ぐ性質)を付与するために、上記に加えて、撥水剤を添加しておくこともできる。この撥水剤の添加量としては、合成樹脂固形分もしくはゴム固形分100重量部当たり、5〜50重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。勿論、上記の撥水剤は、中引層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックス中に添加してもよい。
【0024】尚、艶消し剤として上記のアクリル系樹脂粒状体を使用した場合であっても、上記の撥水剤を添加することは可能であるが、艶消し剤としてアクリル系樹脂粒状体を使用した場合であれば、上記の撥水剤を添加せずとも、防汚性、耐水白化性に充分に優れた床材を得ることができる。
【0025】透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスには、中引層を形成する合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスの場合と同様に、必要に応じて、非ハロゲン系難燃剤、粘度調整剤、乾燥遅延剤、粘着防止剤、消泡剤、抗菌・防カビ剤、消臭剤、架橋剤、加硫剤、分散剤等の各種添加剤を添加することもできるし、透明性を損なわない範囲であれば、微量の着色剤を添加することもできる。
【0026】上記の艶消し剤及び各種添加剤を添加した合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスは、適宜の混合機にて均一に混合・分散された後、ドクターナイフコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター等の適宜の手段にて、塗布され、乾燥固化されて、透明トップ層が形成される。
【0027】この透明トップ層を乾燥固化する場合にあっては、均一な膜とするために、三段階程度に昇温させて行なうのが望ましい。例えば、初期段階では低温で充分に乾燥させ、次いで中温で完全に乾燥させ、更に自己架橋を促進させる温度で乾燥固化させることにより行なう。勿論、このように三段階程度に昇温させて乾燥する手段は、透明トップ層を形成する場合に限らず、前記した中引層や、後記するクッション層を形成する場合にも採用できる。
【0028】また、この透明トップ層が薄すぎると、耐摩耗性に劣るために、使用中に印刷模様が摩滅してしまう懸念があり、透明トップ層が厚すぎると、反りが発生し易くなる等の懸念があるため、透明トップ層の厚さは、0.05〜0.3mm程度となるように、上記の合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスの塗布量を調整するのが望ましい。
【0029】更にまた、この合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックス、無機充填剤及び各種添加剤の混合・分散液の粘度は、透明トップ層の表面平滑性を確保し、かつ、塗布ばらつきを防止するために、2000〜20000cps程度に調整するのが望ましい。
【0030】繊維質基材の裏面に形成されるハロゲンを含まないクッション層は、ハロゲンを含まない合成樹脂又はゴムの発泡体を積層したもの、機械発泡せしめたハロゲンを含まない合成樹脂又はゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成したもの、発泡剤又は/及び膨張剤を添加・分散させたハロゲンを含まない合成樹脂エマルジョン又はゴムラテックスを塗布・加熱発泡して得たもの、中空バルーンを添加・分散させたハロゲンを含まない合成樹脂のエマルジョン又はゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成したもの、等である。
【0031】上記のハロゲンを含まない合成樹脂の発泡体としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン;ポリプロピレン;ポリブテン;エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合樹脂等のエチレン系共重合樹脂;等のオレフィン系樹脂発泡体、ポリスチレンやスチレン系共重合樹脂等のスチレン系樹脂、等の合成樹脂、或いはこれらの混合物からなる発泡体が使用できるが、長期間の使用におけるへこみ回復性の低下が少ない等の理由から、好適には、オレフィン系樹脂発泡体であり、中でもポリエチレン又はエチレン系共重合樹脂からなる発泡体である。また、オレフィン系樹脂発泡体は、架橋発泡体であってもよいし、非架橋発泡体であってもよいが、好適には架橋発泡体である。一方、ハロゲンを含まないゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、プロピレン−ジエンターポリマー、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム等から選ばれるゴム、又はこれらの混合物等が使用できる。上記の発泡体の発泡倍率は、5〜30倍程度のものが好適である。また、上記の発泡体は、床材として要求される諸物性、具体的には、硬さ、強度、圧縮強さ等を満足するように、使用する樹脂の種類等(樹脂の密度、メルトフローレート、共重合割合等を含む)、発泡倍率、厚さ等が決定される。
【0032】上記の発泡体を繊維質基材裏面と積層する手段としては、従来より通常行なわれている手段であればいずれの方法であってもよく、具体的には、接着剤を塗布して両者を貼り合わせた後、乾燥する湿式ラミネート法(ウェットラミネート法)、接着剤を塗布して乾燥させた後、両者を貼り合わせて圧着する乾式ラミネート法(ドライラミネート法)、加熱溶融させた接着剤を塗布してから直ちに両者を貼り合わせ、室温まで冷却させるホットメルトラミネート法、押出機のTダイより押し出された溶融状態の合成樹脂等を繊維質基材と発泡体との間に挟み、一対のロール等で圧着する押出ラミネート法、等の手段が採用できる。
【0033】上記のクッション層を形成する手段としては、上記のようにして発泡体を積層する手段に限られるものではなく、機械発泡せしめた合成樹脂エマルジョン又はゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成する手段、発泡剤又は/及び膨張剤を添加・分散させた合成樹脂エマルジョン又はゴムラテックスを塗布・加熱発泡して得る手段、中空バルーンを添加・分散させた合成樹脂のエマルジョン又はゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成する手段等の、ハロゲンを含有しない合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスを、繊維質基材の裏面に塗布することによって形成することも可能である。
【0034】このように、ハロゲンを含有しない合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスを繊維質基材の裏面に塗布することによってクッション層を形成する手段として最も好ましくは、機械発泡させた上記の合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成する手段である。即ち、化学発泡剤等を使用して発泡させる場合には、厚さのコントロールが難しいという問題やコストが高いという問題があり、また中空バルーンを使用した場合においてもコストが高くなるといった問題があるため、厚さのコントロールが容易で、かつ低コストで得られる、機械発泡させた上記の合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスを塗布・乾燥固化して形成する手段が最も好ましいのである。
【0035】上記の合成樹脂エマルジョン中に含まれる合成樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の単独重合体もしくは共重合体等のアクリル系樹脂;アクリル−スチレン共重合樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂;水溶性ポリエステル系樹脂;等から選ばれる一種以上の合成樹脂が使用できる。また、上記のゴムラテックスとしては、SBRラテックス、MBRラテックス、NBRラテックス、IIRラテックス等のゴムラテックス、或いはこれらの混合物等が使用できる。
【0036】更に、上記の合成樹脂エマルジョンもしくはゴムラテックスには、必要に応じて、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、第三リン酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム、スルファミン酸グアニジン、チオ尿素、リン酸グアニジン等の非ハロゲン系難燃剤;アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、各種高分子界面活性剤、ポリビニルアルコール等の粘度調整剤;乳化ターペン等の印刷適性改良剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の乾燥遅延剤;ステアリン酸塩、各種界面活性剤等の整泡剤;エポキシ樹脂、マレイン酸系共重合樹脂等の架橋剤;加硫剤;抗菌・防カビ剤;消臭剤;非ハロゲン系の防腐剤;分散剤;顔料等の着色剤;等の各種添加剤を添加することもできる。
【0037】クッション層を、機械発泡させた合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを用いて形成する場合には、必要に応じて各種添加剤を添加した合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスに、機械的に空気を混入し、1.5〜3倍程度の発泡倍率となるように機械発泡させ、ドクターナイフコーター、エアーナイフコーター等の適宜の手段にて繊維質基材の裏面に塗布し、乾燥固化してクッション層を形成する。このとき、発泡倍率が高すぎると、空気の分散が悪く、粗いセルとなるため、床材としての腰がなくなる。
【0038】一方、クッション層を化学発泡剤や膨張剤を含む合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを用いて形成する場合には、適当量の化学発泡剤等を添加・分散させた合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを、繊維質基材の裏面に塗布し、適宜の温度で加熱発泡せしめることによりクッション層を形成し、クッション層を中空バルーンを含む合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを用いて形成する場合には、中空バルーンを適当量添加・分散させた合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを、繊維質基材の裏面に塗布し、乾燥固化させることにより、クッション層を形成する。
【0039】上記のようにして得られるクッション層の厚さは、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mm程度とするのが望ましい。クッション層が薄すぎると、良好なクッション性が得られず、またクッション層が厚すぎると、反り等が発生することが懸念される。
【0040】上記のようにして得られた本発明のノンハロゲンクッション性床材は、塩化ビニル系樹脂からなるクッション性床材と同様に、表面にエンボス加工を施すこともできるし、艶調整等を目的とした表面処理層を形成することもできる。尚、エンボス加工を施す場合には、クッション層を形成する前に施すのが望ましい。
【0041】また、クッション層の裏面側に、ハロゲンを含有しない合成樹脂等からなるシートや有機繊維不織布、或いはこれらの積層体等の裏打ち材を積層することもできるし、クッション層と繊維質基材との間に、有機繊維不織布、直交クロス等の補強材を介在させることもできる。
【0042】
【実施例】以下、具体的な実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0043】実施例1厚さ0.2mmのガラス−パルプ混抄不織布(ガラス繊維50重量%含有)の表面に、表1に示す配合からなり、ミキサーにて混合したアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョンをドクターナイフコーターにて塗布し、オーブンにて乾燥し、厚さ0.1mm(ガラス−パルプ混抄不織布に含浸している部分を除く)の中引層を形成し、次いで、中引層表面に、グラビア印刷機にて印刷を施し、印刷模様を形成した。
【0044】
【表1】

【0045】次に、表2に示す配合からなり、ミキサーにて混合したアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョンをドクターナイフコーターにて塗布し、オーブンにて乾燥し、厚さ0.1mmの透明トップ層を形成した。
【0046】
【表2】

【0047】上記のようにして、ガラス−パルプ混抄不織布表面上に、中引層、印刷模様、透明トップ層を順次形成した後、表面に意匠エンボスを施し、更に、ガラス−パルプ混抄不織布の裏面側に、厚さ2.3mm、発泡倍率15倍の架橋ポリエチレン発泡体を接着剤を用いて積層して、本発明の床材を得た。得られた床材は、印刷模様が鮮明に現出され、意匠性に優れたものであり、かつ反り等の発生も見られなかった。また、得られた床材を、人の出入りの激しい事務所入口部分の床面に施工したところ、長期間経過後も、へこみ回復性が損なわれることがなく、良好なクッション性を示し、かつ、表面の汚れについても容易に落とすことができた。
【0048】尚、この実施例1の床材の部分拡大断面図を図1に示す。図中の符号1は本発明の床材、符号11はガラス−パルプ混抄不織布(繊維質基材)、符号12は中引層、符号13は印刷模様、符号14は透明トップ層、符号15は架橋ポリエチレン発泡体(クッション層)をそれぞれ示している。また、図中の符号16は、ガラス−パルプ混抄不織布11と架橋ポリエチレン発泡体とを積層するために用いた接着剤である。
【0049】実施例2透明トップ層の配合を、表3に示すものに代える以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0050】
【表3】

【0051】得られた床材は、印刷模様が鮮明に現出され、意匠性に優れたものであり、かつ反り等の発生も見られなかった。また、得られた床材を、人の出入りの激しい事務所入口部分の床面に施工したところ、長期間経過後も、へこみ回復性が損なわれることがなく、良好なクッション性を示し、かつ、表面の汚れについても容易に落とすことができた。更に、この床材は、実施例1の床材よりも表面強度(耐摩耗性、耐スクラッチ性)についても優れるものであった。
【0052】実施例3中引層の配合を表4に示すものに、透明トップ層の配合を表5に示すものに代える以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0053】
【表4】

【0054】
【表5】

【0055】得られた床材は、印刷模様が鮮明に現出され、意匠性に優れたものであり、かつ反り等の発生も見られなかった。また、得られた床材を、人の出入りの激しい事務所入口部分の床面に施工したところ、長期間経過後も、へこみ回復性が損なわれることがなく、良好なクッション性を示し、かつ、表面の汚れについても容易に落とすことができた。更に、この床材は、実施例1の床材よりも表面強度(耐摩耗性、耐スクラッチ性)についても優れるものであり、かつ消臭性にも優れるものであった。
【0056】実施例4クッション層を、表6に示す配合からなり、オークスミキサーを用いて2倍に機械発泡せしめられたゴムラテックスをドクターナイフにて塗布し、オーブンにて乾燥固化して得られた厚さ1.5mmのクッション層に代える以外は、実施例2と同様にして床材を得た。
【0057】
【表6】

【0058】得られた床材は、印刷模様が鮮明に現出され、意匠性に優れたものであり、かつ反り等の発生も見られなかった。また、得られた床材を、人の出入りの激しい事務所入口部分の床面に施工したところ、長期間経過後も、へこみ回復性が損なわれることがなく、良好なクッション性を示し、かつ、表面の汚れについても容易に落とすことができた。更に、この床材は、実施例1の床材よりも表面強度(耐摩耗性、耐スクラッチ性)についても優れるものであった。
【0059】
【発明の効果】本発明のノンハロゲンクッション性床材は、アクリル系樹脂等のハロゲンを含有しない合成樹脂等からなるものであるにもかかわらず、床材に要求される諸物性の面において、従来の塩化ビニル系樹脂からなるクッション性床材と同等以上である。
【0060】また、中引層及び透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョンに含まれる合成樹脂のガラス転移点を特定範囲とし、かつ、添加する無機充填剤或いは艶消し剤の添加量を特定範囲とすることで、中引層上に印刷模様を施すときの印刷適性に優れ、また、透明トップ層表面にべたつきを防止することができるため、意匠性に優れ、かつ防汚性にも優れる床材を得ることができる。
【0061】更に、透明トップ層を形成する合成樹脂エマルジョン等に添加する艶消し剤として、特定のアクリル系樹脂粒子を添加することにより、更なる防汚性を付与するとともに、耐水白化性に優れ、耐摩耗性や耐スクラッチ性等の表面強度にも優れる床材を得ることができる。




 

 


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