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発明の名称 装飾シートおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−217383
公開日 平成10年(1998)8月18日
出願番号 特願平9−185915
出願日 平成9年(1997)6月26日
代理人
発明者 赤川 正俊
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 シート状基材の表面に、光触媒機能を有する粉体を付着せしめてなる装飾シート。
【請求項2】 光触媒機能を有する粉体が、光活性を有する酸化チタンである請求項1記載の装飾シート。
【請求項3】 光触媒機能を有する粉体を、フッ素系樹脂層を介して付着せしめてなる請求項1または2記載の装飾シート。
【請求項4】 光触媒機能を有する粉体を、模様状に付着せしめてなる請求項1〜3いずれか1項記載の装飾シート。
【請求項5】 シート状基材の表面にフッ素系樹脂を含む液状物を塗布し、フッ素系樹脂を含む液状物が固化する前に光触媒機能を有する粉体を散布して液状物に付着せしめ、余剰の粉体を除去してから液状物を固化させるとともに、粉体を固着一体化せしめることを特徴とする装飾シートの製造方法。
【請求項6】 フッ素系樹脂を含む液状物中に、ペースト用塩化ビニル系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を添加してなる請求項5記載の装飾シートの製造方法。
【請求項7】 フッ素系樹脂を含む液状物を、模様状に塗布してなる請求項5又は6記載の装飾シートの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁材、天井材及び床材等の建築物内装材、車輌用の内装材や座席表装材、家具表装材などとして好適な装飾シートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築物内装材等として使用されている装飾シートに、防カビ効果や消臭効果を付与する場合には、含窒素硫黄化合物やバイナジン化合物などを、上記の装飾シートの合成樹脂層中に添加することが行なわれている。しかしながら、含窒素硫黄化合物やバイナジン化合物などは、経時によって劣化するために、長期間にわたって初期の防カビ効果や消臭効果等を維持することはできない。
【0003】一方、防カビ効果や消臭効果等を付与するものとして、光触媒機能を有する粉体が注目されている。このものは、光触媒作用により、カビや臭い成分等の有機物を分解することによって、防カビ効果や消臭効果等を発揮するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の光触媒機能を有する粉体は、光触媒作用により有機物を分解するものであるため、含窒素硫黄化合物やバイナジン化合物などのように、経時によって劣化することなく、半永久的に防カビ効果や消臭効果等を発揮し得るという利点はある。しかしながら、装飾シートの合成樹脂層を形成する合成樹脂までも分解してしまうため、上記のように装飾シートの合成樹脂層中に添加して使用することは事実上不可能である。従って、光触媒機能を有する粉体は、半永久的に防カビ効果や消臭効果等を発揮し得るという利点があるにもかかわらず、陶製品など分解される懸念のない製品のみに使用されているのが現状である。
【0005】本発明は、従来では、上記のような装飾シートには使用不可能と考えられていた光触媒機能を有する粉体を装飾シートに適用し、半永久的に持続する消臭効果等を付与した装飾シートおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の装飾シートは、シート状基材の表面に、光触媒機能を有する粉体を付着せしめてなることを特徴とするものである。また、本発明の装飾シートの製造方法は、シート状基材の表面にフッ素系樹脂を含む液状物を塗布し、該液状物が固化する前に光触媒機能を有する粉体を散布して液状物に付着せしめ、余剰の粉体を除去してから液状物を固化させるとともに、粉体を固着一体化せしめることを特徴とするものである。
【0007】本発明の装飾シートに使用されるシート状基材としては、従来より装飾シートあるいは装飾シートの基材として使用されているものであれば、いずれのものであっても使用できる。
【0008】例えば、壁材や天井材として使用する場合にあっては、通常使用されている難燃紙や不燃紙などの紙類や、天然の動物性または植物性繊維、ガラス繊維、ロックウール、パルプ、合成繊維等の無機または有機繊維の一種または二種以上に、必要に応じて炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の充填剤や樹脂バインダー等を混合してなる織布、編布、不織布などの布帛類、あるいはこれらの表面に発泡または非発泡の合成樹脂層を一層あるいは複数層形成したものなどが使用できる。尚、この合成樹脂層は、紙類や布帛類等の表面全面に形成したものに限らず、ロータリースクリーンプリンター等を用いて、模様状に形成したものであってもよい。また、合成樹脂層の表面に、エンボスロール等を用いてのエンボス加工や、発泡抑制剤及び/又は発泡促進剤を含むインキを使用した、いわゆるケミカルエンボス法等の手段にて、表面に凹凸を形成してもよいし、合成樹脂層表面あるいは紙類や布帛類表面に、通常のインキを用いて印刷模様を形成したものであってもよい。
【0009】床材の場合では、発泡あるいは非発泡の合成樹脂シート、発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を複数層積層した合成樹脂積層シート、天然の動物性あるいは植物性繊維、ガラス繊維、ロックウール、パルプ、合成繊維等の無機または有機繊維の一種または二種以上に、必要に応じて炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の充填剤や樹脂バインダー等を混合してなる織布、編布、不織布、紙等の基材表面および/または裏面に、発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を一層あるいは複数層積層したものなどが使用できる。上記の合成樹脂シートあるいは合成樹脂層は、熱可塑性樹脂製チップを加熱圧着して得られるものであってもよい。また、エンボスロール等を用いてのエンボス加工や、発泡抑制剤および/または発泡促進剤を含むインキを使用した、いわゆるケミカルエンボス法等の手段にて、表面に凹凸を形成したものであってもよいし、通常のインキを用いて印刷模様を形成したものであってもよく、更に、必要に応じて透明および/または不透明の着色チップ、無機粉体などを含有せしめた透明または不透明の耐摩耗層を形成したものや紫外線硬化型塗料等による塗膜を形成したものであってもよい。
【0010】車輌用の内装材や座席表装材、あるいは家具用表装材の場合では、発泡あるいは非発泡の合成樹脂シート、発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を複数層積層した合成樹脂積層シート、天然の動物性あるいは植物性繊維、ガラス繊維、ロックウール、パルプ、合成繊維等の無機または有機繊維の一種または二種以上に、必要に応じて炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の充填剤や樹脂バインダー等を混合してなる織布、編布、不織布等の発泡あるいは非発泡の合成樹脂層を一層あるいは複数層積層したもの、上記の布帛類に合成樹脂を含浸させたものなどが使用できる。また、エンボスロール等を用いてのエンボス加工や、発泡抑制剤および/または発泡促進剤を含むインキを使用した、いわゆるケミカルエンボス法、絞付離型紙などを使用した、いわゆる転写法などの手段にて表面に凹凸を形成したものであってもよいし、通常のインキを用いて印刷模様を形成したものであってもよく、また、艶調整などを目的とした表面処理を施したものであってもよい。
【0011】上記の合成樹脂としては、従来より装飾シートとして使用されているものであればいずれのものであっても使用できる。具体的には、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂やこれらの混合物、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂が使用できる。
【0012】上記の塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合樹脂などから選ばれる一種以上の樹脂が使用でき、上記のイレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂などから選ばれる一種以上の樹脂が使用できる。
【0013】また、上記の合成樹脂に代えて、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの天然もしくは合成ゴムや熱可塑性エラストマー(TPE)なども使用することができる。
【0014】上記の合成樹脂、ゴムあるいは熱可塑性エラストマー(以下、「合成樹脂」という)には、必要に応じて、可塑剤、安定剤、滑剤、発泡剤、膨張剤、帯電防止剤、導電性粉末、導電性短繊維、消臭剤、防カビ剤、抗菌剤、各種充填剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、老化防止剤、軟化剤、増粘剤、粘度降下剤、希釈剤、二次可塑剤、各種界面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、着色剤などの通常使用される添加剤を添加することができる。
【0015】上記の合成樹脂および必要に応じて添加される各種添加剤とからなる合成樹脂組成物は、従来と同様の方法、例えば、カレンダー法、押出法などの公知の手段にてシート状に成形し、必要に応じて基材等の積層する方法や、合成樹脂組成物がペーストやエマルジョン等の液状物の場合は、ドクターナイフコーター、ロールコーター、グラビアプリンター、ロータリースクリーンプリンター、カーテンフローコーター等の手段にて塗布した後、加熱ゲル化もしくは乾燥固化して合成樹脂層を形成する方法などによって、上記の合成樹脂層あるいは合成樹脂シートとされる。
【0016】シート状基材の厚さは、特に限定されるものではなく、その用途によって適宜選定される。例えば、壁材や天井材の場合では0.1〜3.0mm程度、床材の場合では0.5〜10mm程度、車輌用の内装材や座席表装材、あるいは家具用表装材の場合では0.3〜5.0mm程度である。
【0017】上記のシート状基材の表面に付着せしめる光触媒機能を有する粉体は、活性酸素を生成しうる程度の光活性を有する酸化物半導体等であり、具体的には、酸化チタン、BaTiO3 、SrTiO3 、CaTiO3 、ZnO、SiC、GaP、CdS、CdSe、MoS3 、SnO2 、WO3 、Fe2 3 、Bi2 3 、V2 5 などが使用できるが、特に好ましくは酸化チタンである。勿論、これらの光触媒機能を有する粉体は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いることもできる。この酸化チタンとは、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸などの酸化チタンの他に水酸化チタン、酸化チタン水和物なども含むが、特に安価で高い活性をもつアナターゼ型酸化チタンが好ましい。また、光触媒機能を更に向上させるために、表面に白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の金属や酸化ルテニウム、酸化ニッケルなどの金属酸化物を担持させたものであってもよい。上記の光触媒機能を有する粉体は、光触媒機能を高めるために、造粒したり、他の物質を混合して多孔質にしたものを使用するのが望ましい。
【0018】上記の光触媒機能を有する粉体の粒径については、特に限定されるものではなく、散布方法などに合わせて適宜選定すればよい。例えば、上記粉体をパウダースプレーにて散布する場合には、粉体輸送特性が要求されるため、機械的に凝集させるなどして40μm以上の粒径としたものを使用するのことが望ましい。
【0019】上記の光触媒機能を有する粉体は、それ自体をシート状基材に付着させてもよいし、適宜の粉体表面に光触媒機能を有する粉体を担持させたものをシート状基材に付着させてもよい。また、上記の光触媒機能を有する粉体に、それ以外の着色または非着色の適宜の粉体を混合したものをシート状基材表面に付着させてもよい。
【0020】光触媒機能を有する粉体を上記のシート状基材表面に付着せしめる方法としては、公知の液状接着剤を全面あるいは一部に塗布し、この接着剤が固化する前に粉体を散布し、余剰の粉体を除去した後、該接着剤を固化させて粉体を固着一体化せしめる方法や、シート状基材の粉体を付着せしめようとする側の表面の合成樹脂層がペーストやエマルジョン等の液状物を塗布した後、加熱ゲル化もしくは乾燥固化する方法によって形成する場合には、このペーストやエマルジョン等の液状物を加熱ゲル化もしくは乾燥固化する前に粉体を散布し、余剰の粉体を除去した後、ペーストやエマルジョン等の液状物を固化させて粉体を固着一体化せしめる方法を採用することも可能であるが、上記したように、光触媒機能を有する粉体は、光触媒作用によって有機物を分解するものであるため、通常の液状接着剤や合成樹脂を用いた場合、光触媒機能を有する粉体が接触している部分が劣化してしまう懸念がある。勿論、光触媒機能を有する粉体を合成樹脂層中に混合したものと比較すれば、合成樹脂の劣化は抑止されているが、特に長期間にわたって使用する用途には不適である。従って、本発明の装飾シートとして好ましくは、光触媒作用によって劣化しにくい接着剤を選択して使用するか、光触媒作用によって劣化しにくい樹脂からなる層、具体的にはフッ素系樹脂層を介してシート状基材表面に付着せしめたものである。
【0021】上記のフッ素系樹脂層を形成するフッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。また、シート状基材との接着性を向上させるために、これらのフッ素系樹脂にアクリル系樹脂などを混合したものであってもよい。
【0022】上記のようにフッ素系樹脂層を介して光触媒機能を有する粉体をシート状基材に付着せしめるためには、フッ素系樹脂を水等に分散させるなどして液状としたものを使用するのが望ましい。すなわち、フッ素系樹脂を含む液状物をシート状基材の表面に塗布し、この液状物が固化する前に上記の粉体を散布し、余剰の粉体を除去した後、該液状物を固化させて粉体を固着一体化せしめるのである。尚、上記フッ素系樹脂を含む液状物をシート状基材の表面に塗布するに先立って、シート状基材にプライマー処理等を施しておくこともできる。
【0023】上記のフッ素系樹脂を含む液状物には、シート状基材との接着性を向上させるために、ペースト用塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等を添加しておいてもよい。このペースト用塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の添加量は、フッ素系樹脂を含む液状物の固形分100重量部に対し、1〜30重量部程度とするのが望ましい。また、上記のフッ素系樹脂を含む液状物には、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、シリカやアルミナ等の艶消し剤、炭酸カルシウム等の無機充填剤、pH調整剤(中和剤)、乾燥遅延剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0024】上記のフッ素系樹脂層は単層のものに限らず複数層とすることもできる。例えば、シート状基材の表面にフッ素系樹脂を含む液状物をシート状基材の表面に塗布し、この液状物が固化する前に上記の粉体を散布して固着一体化せしめ、その後、更にフッ素系樹脂を含む液状物を粉体が完全に埋没しない程度に塗布して固化させることによって、粉体の付着をより強固にすることもできる。また、シート状基材表面に先にフッ素系樹脂フィルム(接着性を向上させるために、フッ素系樹脂にアクリル系樹脂等を混合したものや片面にアクリル系樹脂層を積層したものを含む)をラミネートしておき、その表面に、フッ素系樹脂を含む液状物をシート状基材の表面に塗布し、この液状物が固化する前に上記の粉体を散布して固着一体化せしめたりすることもできる。
【0025】上記のように、フッ素系樹脂を含む液状物などをシート状基材の表面に塗布した後、光触媒機能を有する粉体を散布する場合の粉体散布方法としては、通常使用される方法であればいずれの方法であっても適用し得る。具体的には、振動フィーダー、スキャッタリングマシーン、パウダースプレー等の散布機で散布する方法が挙げられる。また、このとき余剰の粉体を除去する手段についても、通常使用される方法であればあればいずれの方法であっても適用し得る。具体的には、フッ素系樹脂を含む液状物等に付着していない粉体をそのまま吸引除去する方法、シート状基材の裏面側(すなわち、粉体を散布していない側の面)から振動ローラー、バッティングローラー、その他適宜の振動機などで、シート状基材に対し略垂直方向の振動を与えつつフッ素系樹脂を含む液状物等に付着していない粉体を吸引除去する方法、シート状基材を裏返してから裏面側より振動を与え、フッ素系樹脂を含む液状物等に付着していない粉体を振り落とす方法などが挙げられる。
【0026】光触媒機能を有する粉体は、シート状基材全面に付着させてもよいが、全面に付着させると、ざらつき感が強く、また意匠的にも変化に乏しいものしか得られない。従って、本発明の装飾シートにあっては、光触媒機能を有する粉体を所望の模様状に付着させるのが望ましい。このとき、粉体の付着面積が小さすぎると、所望の効果が得られないため、少なくとも、シート状基材全表面積の10%以上に粉体が付着するようにするのが望ましい。すなわち、フッ素系樹脂を含む液状物等を塗布する場合には、シート状基材全表面積の10%以上に、この液状物が塗布されるようにするのが望ましい。
【0027】上記のようにして、フッ素系樹脂層上等に光触媒機能を有する粉体を付着させた後、必要に応じて、粉体を更に強固に固着させるために、加熱したエンボスロールや加熱したフラットロール等により挟圧してもよい。また、シート状基材表面に凹凸が付されている場合には、この凹部にのみ上記粉体を付着せしれば、接触等による粉体の脱離が抑制される。
【0028】なお、光触媒機能を有する粉体をシート状基材の表面に付着せしめる方法としては、上記に限らず、例えば、熱融着によって粉体を固着一体化させることが可能なフッ素系樹脂層等の上に粉体を付着させるのであれば、熱融着によって上記粉体を固着一体化させてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体例を、図面に基づいて本発明の装飾シートについて説明する。なお、ここでは壁材を例にとって説明する。図1は、本発明の装飾シート(壁材)の一実施例を示す断面図であり、図中の符号1は本発明の装飾シート(壁材)、符号2はシート状基材、符号3はフッ素系樹脂層、符号4は光触媒機能を有する粉体を示している。
【0030】本実施例のシート状基材2は、壁紙用裏打紙(難燃紙)21の表面に塩化ビニル系樹脂層22が形成されたものであり、一般にビニル壁紙と呼ばれているものである。このシート状基材2は、従来のビニル壁紙と同様の方法によって製造することができ、本例では、壁紙裏打紙21の表面に、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂に可塑剤、安定剤、着色剤などの各種添加剤を添加して、ペーストゾル状としたものを、適宜の手段にて塗布し、加熱ゲル化して塩化ビニル系樹脂層を形成して得たものである。
【0031】なお、塩化ビニル系樹脂層22は、発泡層であってもよく、この場合は発泡剤や熱膨張性マイクロカプセルを含有する塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを塗布して、加熱ゲル化した後、発泡させる。また、本例では塩化ビニル系樹脂層22を壁紙用裏打紙21全表面に形成しているが、ロータリースクリーンプリンターなどを使用して、塩化ビニル系樹脂層22を模様状に形成し、壁紙用裏打紙21表面の一部が露出するようにしていてもよい。勿論、塩化ビニル系樹脂層22を二層以上とすることも可能であり、例えば、第一層目を壁紙用裏打紙21全表面に形成し、その上に第二層目を模様状に形成したものであってもよい。
【0032】塩化ビニル系樹脂層22の表面には、模様状に形成されたフッ素系樹脂層3を介して光触媒機能を有する粉体4が付着せしめられている。本例におけるフッ素系樹脂層3は、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、あるいはこれらの混合物などからなるフッ素系樹脂を水に分散させて液状物とし、これに、接着性を向上させるためのペースト用塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂、或いは上記の各種添加剤等を必要に応じて添加したものを、ロータリースクリーンプリンター等の適宜の手段にて模様状に塗布して形成したものである。なお、本例では、塩化ビニル系樹脂層との接着性を向上させるために、上記したフッ素系樹脂の分散液中に、ペースト用塩化ビニル系樹脂を混合したものを使用している。
【0033】本例では、光触媒機能を有する粉体4として、機械的に凝集させ、40μm以上の粒径とした光活性を有するアナターゼ型酸化チタンを用いている。この粉体4は、上記したフッ素系樹脂の分散液を塗布した塩化ビニル系樹脂22上に、該分散液が固化する前に、パウダースプレー機にて散布されている。
【0034】粉体4を散布した後、余剰の粉体4を吸引除去してから、フッ素系樹脂の分散液を固化させる。これによって、フッ素系樹脂の分散液に付着した粉体4が固着一体化され、図1に示すような塩化ビニル系樹脂層22表面に、フッ素系樹脂層3を介して粉体4が付着せしめられた装飾シート1が得られる。なお、粉体4の付着面積は、シート状基材2(塩化ビニル系樹脂層22)の全表面積の約50%であった。
【0035】得られた装飾シート1は、優れた防カビ性、抗菌性、消臭性等の諸特性を有しており、経時しても、上記の諸特性の低下はみられなかった。また、光触媒機能を有する粉体4は、光触媒作用によって劣化しにくいフッ素系樹脂層3を介して付着せしめられ、塩化ビニル系樹脂層22には直接触れていないので、塩化ビニル系樹脂層22に変色劣化等はみられなかった。
【0036】次に、上記のフッ素系樹脂の分散液に代えて、塩化ビニル系樹脂層22と同様の塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを、塩化ビニル系樹脂層表面に上記と同様の模様となるように塗布した後、上記と同じ粉体を散布し、余剰の粉体を除去してから、塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを加熱ゲル化して装飾シートを得た。得られた装飾シートは、優れた防カビ性、抗菌性、消臭性等の諸特性を有しており、経時しても、上記の諸特性の低下はみられなかったが、粉体が付着せしめられた部分に、僅かな変色劣化が見られた。
【0037】更に、上記のフッ素系樹脂の分散液に代えて、塩化ビニル系樹脂層22と同様の塩化ビニル系樹脂ペーストゾル中に、上記と同じ粉体を分散させたものを、塩化ビニル系樹脂層表面に上記と同様の模様となるように塗布した後、加熱ゲル化して装飾シートを得た。得られた装飾シートは、優れた防カビ性、抗菌性、消臭性等の諸特性が、上記例の装飾シートと比較して極めて劣り、しかも、著しい変色劣化が見られた。
【0038】ここで、本発明の装飾シートの消臭効果に関する実験データを示す。図1に示す壁材を、20cm×20cmの大きさに裁断して試料とし、この試料を容積が3リットルのポリエステル製の臭い袋中に入れ、この中に清浄空気3リットルを入れて密封した。次いで、この臭い袋中のトリメチルアミンの初期濃度が100ppmとなるように、トリメチルアミンの溶液を臭い袋内に注入して密封し、トリメチルアミンをガス化させた。この臭い袋を、380nm付近にピークをもつ紫外線カーボンアーク灯を光源とする紫外線ウェザーメーターを使用して、紫外線照射状態下に静置し、15分毎にトリメチルアミン濃度をガステック式ガス検知管にて測定した。但し、臭い袋中には、1時間毎にガス化したときの臭い袋中のトリメチルアミン濃度が50ppmとなる量のトリメチルアミンの溶液を追加し、測定時間は3時間までとした。また、比較対象とするため、消臭剤として、含窒素硫黄化合物を含有させ、光触媒機能を有する粉末を付着させない壁材についても同様の実験を行なった。それら結果を表1に示すとともに、その結果をグラフ化したものを図2として示す。
【0039】
【表1】

【0040】以上の結果から明らかなように、比較対象の壁材は、時間経過とともに(特に120分経過後)消臭効果が低下しているが、図1に示す本発明の壁材は、時間が経過しても、消臭効果の低下は見られず、長期間に亘って消臭効果が持続するものである。
【0041】なお、上記では壁材を例にとって説明してきたが、床材や車輌用内装材、家具用表装材等の場合であっても、通常の方法にて製造したシートをシート状基材とて、その表面に、好ましくはフッ素系樹脂層を介して、光触媒機能を有する粉体を付着せしめることによって、本発明の装飾シートを得ることができる。まや、いわゆる紙壁紙のように、表面に合成樹脂層を有していない装飾シートの場合であっても、所望の印刷模様やエンボス加工による凹凸を付した後、上記のフッ素系樹脂を含む液状物を塗布し、光触媒機能を有する粉体を付着せしめることによって、本発明の装飾シートを得ることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の装飾シートは、シート状基材表面に光触媒機能を有する粉体を付着せしめてなるので、防カビ性、抗菌性、消臭性等の諸特性が半永久的に持続するものである。
【0043】また、上記の光触媒機能を有する粉体をフッ素系樹脂などの光触媒作用によって劣化しにくい層を介してシート状基材表面に付着せしめた場合には、シート状基材の表面に変色劣化等が生じず、特に好ましいものである。
【0044】更にまた、本発明の装飾シートの製造方法によれば、従来と同様の装飾シートの製造方法に、フッ素系樹脂液状物を塗布し、粉体を散布し、余剰粉体を除去してからフッ素系樹脂液状物を固化させるという工程を付加するだけで、上記の優れた特性を有する装飾シートを得ることができるという利点がある。




 

 


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