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発明の名称 木材と弾性材料との積層体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−193485
公開日 平成10年(1998)7月28日
出願番号 特願平8−358042
出願日 平成8年(1996)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
発明者 五十木 義隆 / 小林 敏昭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 板状木材の表面及び端面が弾性材料により被覆されていることを特徴とする木材と弾性材料との積層体。
【請求項2】 弾性材料が端面を越えて裏面の一部を被覆している請求項1記載の木材と弾性材料との積層体。
【請求項3】 板状木材の端面が面取りされている請求項1又は請求項2記載の木材と弾性材料との積層体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築、家具、船舶等の板材として用いられ、特に屋外や、風雨にさらされる部位に最適な、木材の表面及び端面がゴム等の弾性材料に覆われてなる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐水性板材又は化粧合板等(化粧板)が、建築、家具、船舶等の板状部材として広く用いられている。これらの板状部材は、合板又は木材の表面に塗料を塗装したり、或いは表面に合成樹脂シート等の化粧フィルムを貼り合わせたものや、板材に反応性モノマーを含浸させ、高温、高圧下で重合させてなる樹脂含浸板等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の化粧板の場合、木材の伸縮や収縮に対して表面の塗料や化粧フィルムが追随できず、該化粧板に割れ、剥離、反り等が発生し易く、耐久性に問題があった。また、樹脂含浸板の場合には、更に該含浸板を製造する際に高温、高圧とするための設備が必要であるという問題があった。
【0004】本発明は上記従来技術の欠点を解決するためのものであり、省力化された設備で製造可能であり、且つ木材の伸縮及び収縮等に追随して、剥離や割れ等のない耐久性に優れた板状部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)板状木材の表面及び端面が弾性材料により被覆されていることを特徴とする木材と弾性材料との積層体、(2)弾性材料が端面を越えて裏面の一部を被覆している上記(1)記載の木材と弾性材料との積層体、(3)板状木材の端面が面取りされている上記(1)又は(2)記載の木材と弾性材料との積層体、を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の木材と弾性材料との積層体(以下、単に積層体と略記することもある)1は、図1(a)に示すように、木材或いは合板等の板状木材2の表面全体がゴム等の弾性材料3により被覆されて形成された表面被覆部3aと、板状木材2の端面が弾性材料により被覆された端面被覆部3bとからなり、上記表面被覆部3aと端面被覆部3bとが連続的に一体に形成され、表面被覆部3aは板状木材の表面全体を覆い、また端面被覆部3bは、板状木材の端面の全体を被覆している。
【0007】板状木材2は、合板、木材単板、集成材、繊維板、パーティクルボード、硬化積層材、WPC等が挙げられ、その他の板状に形成された木材であればいずれでもよい。板状木材2の平面形状は通常、正方形、長方形等の方形状が用いられるが、特にそれらの形状に限定されず、例えば円形、多角形等その他の任意形状のものが用いられる。また、板状木材の厚みも特に限定されず、従来のこの種の板材と同様の厚みのものが用いられる。
【0008】弾性材料3は弾性を有するゴム状体であればよく、例えば天然ゴム、合成ゴム、弾性を有するプラストマー、或いは熱可塑性エラストマー等が用いられる。具体的には、合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリエピクロルヒドリンゴム、プロピレンオキシドゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、ポリサルファイド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体ゴム、四フッ化エチレンプロピレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、液状ゴム等が挙げられる。弾性を有するプラストマーとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、その他エチレン−酢酸ビニル共重合体などの共重合体が挙げられる。熱可塑性エラストーとしては、一般的に入手可能なスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコン系エラストマーなどが挙げられる。弾性材料3は、積層体の用途等に応じ適宜選択することができる。また、弾性材料3を適宜選択することで、木材に耐衝撃性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性、耐寒性、耐熱性、耐炎性、難燃性、耐摩耗性等の任意の特性を付与することができる。例えば、積層体が屋外で使用される場合には、EPDM、シリコーンゴム等の耐候性の優れた弾性材料を用いるのが好ましい。
【0009】本発明の積層体1は、板状木材2の表面及び端面が弾性材料3により被覆されていればよいが、図2(a)に示すように、弾性材料3が板状木材1の端面を越えて裏面の一部を端面被覆部から一体に覆ってなる裏面被覆部3cを設けるのが好ましい。この裏面被覆部3cは、図1(b)に示す態様と同様に裏面の周囲全体を覆っている。積層体1において裏面被覆部3cを設けることで、積層体において弾性材料が板状木材の端面から更に剥離しにくくなって、外力に対する弾性材料3の剥離強度が更に向上する。この場合、裏面被覆部3cの幅は、板状木材の端部から内側方向に1mm以上、更に好ましくは2mm以上の幅に形成するのが好ましい。
【0010】板状木材2は、図2(a)に示すように端面形状が表裏面に対して垂直に切断した形状であってもよいが、図2(b)に示すように端面の裏面側の角を面取りしたものを用いるのが好ましい。このように形成することで、弾性材料が板状木材の端部から更に剥離しにくくなる。また、板状木材2の面取りは端面の裏面側のみならず、図1(a)に示すように、端面の表面側を面取りしてもよい。また板状木材の面取りは図1(a)及び図2(b)に示したように、板状木材2の端面の角を平面的に面取りして断面形状が直線状になる面取りでもよいが、特にそのような形状のみならず、例えば図1(c)に示すように板状木材の端面の断面が曲線状になるように、端面を曲面状に面取りしてもよい。
【0011】本発明積層体において、端面の弾性材料3の外表面は、板状木材2の端面形状に沿った形状に一定厚みに形成してもよいが、好ましくは図1(a)及び図2(a)〜(c)に示すように、板状木材の端面の面取りの有無にかかわらず、積層体の表面に対して垂直面となるよう形成するのが好ましい。
【0012】本発明の積層体1において、板状木材2の表面の弾性材料3の厚みは特に限定されないが、表面被覆部3aは0.2mm〜5mmの厚み、更に好ましくは0.3〜1mmの厚みに形成するのが好ましく、厚みが0.2mm未満では、均一な被覆層を形成するのが困難であり、一方厚みが5mmを越えると、積層体自体の重量が重くなって、軽量性等の板状木材が本来備える特徴が失われる虞れがある。端面被覆部3bの厚みは、図2(a)に示す形状の場合は表面被覆部3aと同じ厚みか、それ以上の厚みとするのがよく、端面被覆部3bの厚みが表面被覆部3aの厚みより小さいと、表面被覆部3aの端部に端面被覆部3bを剥離する方向に外力が加わった場合、破れや剥離が起こりやすくなる傾向がある。端面被覆部3bの厚みが表面被覆部3aの厚みより厚いと、前記外力を端面被覆部3bが弾性変形して吸収し、破れや剥離を防止できる。また板状木材の端面が図1(a)、図2(b)、(c)に示すように面取りされ、端面被覆部の外表面が垂直に形成されている場合には、最も薄い部分の厚みが1〜10mmに形成するのが好ましい。
【0013】本発明の積層体は、表面被覆部3aの外表面にエンボス加工等を施して、積層体表面にエンボス模様等の意匠を付与することが好ましい。エンボス加工の凹凸模様により積層体の外観意匠が向上し、更にエンボス模様の凹凸により、積層体に滑り防止機能等が付与される。エンボス加工は板状木材2の端面被覆部3b、裏面被覆部3c等の外表面に行ってもよい。
【0014】以下、本発明の積層体の製造方法の1例を図面を用いて説明する。図3に示すように、先ず型4とプレス板5とから構成され所望の積層体の大きさに対応する金型を用い、型4の内部に弾性材料としてシート状のゴム7を設置する。次いで型4内のシート状のゴム7の上に、板状木材としての合板8を裏面が上側となるように置く。このとき、図3及び図6に示すように、シート状のゴム7が合板8の端部をくるむように金型4内に設置する。次いで、プレス板5を用いて、ゴム7が合板8の端部周辺を包むように、金型4の上から加熱プレスし、ゴム7が合板8の裏面を覆うように積層一体化し、しかる後型4から取り出して合板8の表面、端面、及び裏面の一部がゴムによって被覆された合板からなる積層体1が得られる。
【0015】上記合板8は図4に示すように、金型に設置する前に予め端面の4辺8aを表面側及び裏面側から面取りし、更にゴムとの接触面となる表面、端面、及び裏面の一部にゴムのりを塗布し乾燥させたものを用いる。また、上記シート状のゴム7の大きさは、板状木材2の表面を覆い更に端面を覆うことの可能な大きさである。具体的なシート状ゴムの形状は例えば図5に示すように、合板の表面を被覆する部分7aと、合板の端面、及び裏面の一部を覆う部分7bとから構成することができる。更にシート状のゴム4は、図5に示すように4角の部分がカットされた形状のものが好ましい。上記のようにゴムの4角がカットされていることで、プレス時に4角の余剰のゴムが金型からはみ出るのを防止できる。
【0016】また、金型から積層体を取り出し易くするために、金型の内面のゴムと接する部分にテフロン加工を施したり、金型の形状を積層体が抜き取り易い形状に形成することが好ましい。また図3に示すように、シリコン処理した加工基布9を金型4内に予め敷設しておきプレスしてもよい。このようにすることで、ゴムの積層と同時にゴム表面に基布の凹凸模様を転写して積層体の表面にエンボス模様を付与することができる。更に基布9のシリコーン処理により積層体を型から取り出す際に基布からゴムが剥離し易いため、積層体の金型からの取り出しを容易に行うことが可能である。
【0017】また図7(a)、(b)は金型の他の例を示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。同図に示すように、金型4は4辺に余剰のゴムが流れ出せるように、切欠き部10を設けることが好ましい。
【0018】本発明の積層体は、従来の化粧合板や耐水性板材等と同様の用途に利用できる。特に、ボートの底板、フローリング床、壁材、水回り等の板材として最適に用いられる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の積層体は、板状木材の表面及び端面が弾性材料により被覆されている構成を有するため、従来のフィルムの積層或いは塗料の塗装等の被覆層が形成されてなる化粧板材等と比較した場合、弾性材料が被覆されているから木材の割れに対する耐性が良好であり、仮に経時後に板状木材に割れが生じても、表面が弾性材料により覆われているため、板状木材の割れが直ちに表面に波及することがなく、寿命が伸びる。更に、木材の特徴である外力に対する弾性、クッション性、伸縮、収縮性、二次加工性等をそのまま生かすことができる。また、本発明の積層体は、木材の表面及び端面を弾性材料を被覆するだけでよいため、例えばプレス装置程度の簡単な装置があれば製造可能であり、高温、高圧等の大規模な設備が不用であり、製造設備の省力化が図れる。
【0020】また、本発明の積層体は弾性材料が板状木材の表面を被覆しているのみならず端面全体を覆っているため、表面の被覆層が板状木材の端部から剥離するのを防止して、耐久性に優れた積層体が得られる。
【0021】更に本発明の積層体は、複数の積層体を端面どうしを付き合わせて接続して使用する際、接合部分となる積層体の端面の弾性材料を若干圧縮する状態で使用すれば、弾性材料の弾性により接合部分が良好に密着するため、密閉性に優れ、シール材等が不用となる。また、板状木材が反ったりしても接合部に隙間が生じたりすることがない。更に木材の亀裂が直ちに積層体の表面の亀裂にはならないため、耐久性に優れる。
【0022】このように本発明の積層体は、表面の弾性材料の持つクッション性と木材の持つ剛性とを兼備えたものであり、例えば海岸の風と砂による摩耗や剥離等の外部の激しい環境条件に使用可能であり、従来の化粧板材や耐水性合板等では利用できなかった分野への用途拡大を図ることができる。




 

 


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