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発明の名称 透明着色樹脂シートの着色濃度調整法および透明着色樹脂シートの製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296829
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−112135
出願日 平成9年(1997)4月30日
代理人
発明者 覚野 博司 / 大澤 志郎 / 巻幡 和正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層と透明無色樹脂層を一体化して所定厚さのシートとするものであり、その中で、前記両層の厚さ比率を変えることを特徴とする透明着色樹脂シートの着色濃度調整法。
【請求項2】着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層と透明無色樹脂層を共押出により一体化するものであり、前記押出中に、所定のシート厚の中で前記両層の厚さ比率を変えて着色濃度調整をすることを特徴とする透明着色樹脂シートの製造法。
【請求項3】透明着色樹脂層と透明無色樹脂層を透明な機能性樹脂層と共押出により一体化する請求項2に記載の透明着色樹脂シートの製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色された透明樹脂シートの着色濃度調整法と同シートの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明樹脂シートの着色は、目的の着色濃度に応じて、シートの厚さ方向全体に所要の着色剤を含有させる単層着色法により実施している。シート厚が一定の場合、着色濃度は着色剤の含有量によって決まる。このような着色方法で、所定厚さのシートの着色濃度を色の元見本に合わせようとすると、ベース樹脂の着色剤含有量を試行錯誤で調整しなければならない。また、同じ厚さで着色濃度が異なるシートを製造しようとすると、着色剤の含有量の異なる複数種類の樹脂材料を用意しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の方法では、シートの着色濃度を色の元見本に合わせることは非常に煩雑な作業となる。また、同じ厚さで着色濃度が異なるシートを製造するときに、着色剤の含有量の異なる樹脂材料を複数種類用意することも面倒である。本発明が解決しようとする課題は、シート厚が一定の場合に、着色濃度の調整が容易な透明着色樹脂シートの着色濃度調整法とそのような透明着色樹脂シートの製造法を提供することである。また、シート厚が一定のときの着色濃度の変更も容易に実施できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層と透明無色樹脂層を一体化して所定厚さの透明着色樹脂シートとするものであり、その中で、前記両層の厚さ比率を変えることにより着色濃度の調整を行なう。この方法は、透明着色樹脂層の着色剤含有量が一定であっても、当該樹脂層の厚さが変わると着色濃度が変化するところに着目したものである。透明無色樹脂層には実質的に色がないので、シート全体の見かけ上の着色濃度は、着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層によって決まる。所定のシート厚の中で、前記両層の厚さ比率を変えることにより、シート全体の見かけ上の着色濃度を容易に調整することができる。
【0005】そして、本発明では、着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層と透明無色樹脂層を共押出により一体化して、所定厚さの透明着色樹脂シートを製造するが、上記のような観点から、前記押出中に、所定の仕上がりシート厚の中で、前記両層の厚さ比率を変えて着色濃度調整をする。従って、透明着色樹脂層の着色剤含有量を変えなくても、着色濃度の制御を容易にできることになる。この方法により、同一厚みで着色濃度の異なる透明着色樹脂シートを、樹脂材料を変更することなく連続生産可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】着色剤含有量を固定した透明着色樹脂層(以下「着色樹脂層」という)と、透明無色樹脂層(以下「無色樹脂層」)というを共押出により一体化する場合、層構成としては、着色樹脂層と無色樹脂層の二種二層を一体化する構成、無色樹脂層を着色樹脂層で挟んだ二種三層を一体化する構成、着色樹脂層を無色樹脂層で挟んだ二種三層を一体化する構成等が可能である。また、これらの構成に、新たに透明な機能性樹脂層を付加して、三種三層や三種四層さらには三種五層を一体化する構成も可能である。機能性樹脂層は、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、抗菌剤等の機能付加剤を樹脂に添加して、そのような各機能をもたせた樹脂層である。
【0007】着色樹脂層に前記のような機能付加剤を添加することも可能である。しかし、着色剤(染料)と機能付加剤の相性によっては、これらの一方あるいは両方がブリードアウトすることもあり得るので、機能性樹脂層と着色樹脂層を独立した別の樹脂層とすることが望ましい。また、無色樹脂層に前記のような機能付加剤を添加することも可能である。しかし、着色濃度調整のために、所定厚さの中でその厚さ比率を変えることがあるので、このような厚さの変更の可能性がある樹脂層に機能付加剤を添加することは、機能付加剤の効果を一定に保つ上で現実的でない。このことは、着色樹脂層に機能付加剤を添加する場合にも言えることである。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ブラウンスモーク色の変性ポリエステル(シクロヘキサンジメタノールで変性したポリエチレンテレフタレート)からなる2.0mm厚の透明着色樹脂シートを製造するために、着色樹脂層と無色樹脂層の二種二層を共押出により一体化した。実施例1〜3は、シートの総厚さ2.0mmの中で、着色剤含有量0.05wt%の着色樹脂層と無色樹脂層の厚さ比率を変えて共押出により一体化したものである。また、実施例4,5は、シートの総厚さ2.0mmの中で、着色剤含有量0.2wt%の着色樹脂層と無色樹脂層の厚さ比率を変えて共押出により一体化したものである。尚、着色樹脂層は30φ押出機により押出し、無色樹脂層は50φ押出機により押出して、それぞれをフィードブロックに導いて一体化した。着色樹脂層と無色樹脂層の厚さ比率は、共押出の工程中に容易に変えることができる。また、参考のために、着色剤を0.2wt%含有する2.0mm厚の単層透明着色樹脂シートを押出成形した(参考例)。
【0009】表1には、実施例の各透明着色樹脂シートについて、参考例の透明着色樹脂シートを基準にした色差を示した。また、各透明着色樹脂シートの全光線透過率も併せて示した。表1から、2.0mmに固定されたシート総厚さの中で、着色剤含有量が固定された着色樹脂層と無色樹脂層の厚さ比率を変えるだけで、容易に着色濃度を変更できることがわかる。
【0010】
【表1】

【0011】
【発明の効果】上述のように、本発明の着色濃度調整法によれば、シートの全体厚さを固定した中で、着色濃度の異なる透明着色樹脂シートを容易に得ることができる。本発明に係る着色濃度調整方法を適用して共押出により透明着色樹脂シートを製造すれば、厚さが同じで着色濃度の異なるシートを製造するに際し、同じ着色剤含有量の樹脂材料を使用することができる。着色剤含有樹脂材料は一種類用意するだけで済み、それを変える必要がないので、着色濃度が同じで厚さだけが異なる透明着色樹脂シートを、同じ共押出工程の中で効率良く製造することができる。




 

 


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