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発明の名称 摺動用受け部材の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−95054
公開日 平成10年(1998)4月14日
出願番号 特願平8−251703
出願日 平成8年(1996)9月24日
代理人
発明者 河崎 秋由
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】フェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分としてこれらを液中に分散させ抄造した成形材料を重ね合せ所定形状に加熱加圧成形する摺動用受け部材の製造において、フェノール樹脂含有量が10〜20重量%の第一の成形材料とフェノール樹脂含有量が25〜40重量%の第二の成形材料を重ね合せて加熱加圧成形することを特徴とする摺動用受け部材の製造法。
【請求項2】第一の成形材料を第二の成形材料の両側に重ね合せて加熱加圧成形することを特徴とする請求項1記載の摺動用受け部材の製造法。
【請求項3】第一の成形材料を構成する補強繊維がアラミド繊維とフィブリル化したアラミド繊維を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の摺動用受け部材の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製の摺動用受け部材(例えば、スラストワッシャ、軸受)の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製のスラストワッシャは、トランスミッションのリテーナとミッションケースとの間に摺動用受け部材として用いられるために、摺動特性と寸法精度、強度が要求される。従来、スラストワッシャの製造法としては、次のような技術がある。フェノール樹脂と補強繊維を混合混練して、粒状の成形材料を調製し、これを射出成形してスラストワッシャの形状とする。そして、摺動性をもたせるために、アニール処理を実施している。アニール処理とは、成形したスラストワッシャを加熱した油中に浸漬して、スラストワッシャに油を浸み込ませる処理である。浸み込ませた油を潤滑油として作用させ、摺動性をよくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の製造法では、成形品の強度を確保するために、成形品中のフェノール樹脂の含有量を30〜45重量%にしている。アニール処理で成形品に油を十分浸み込ませて摺動性をよくするためには、フェノール樹脂の含有量を少なくしたほうがよいが、強度との兼ね合いで思うに任せられないところがある。本発明が解決しようとする課題は、摺動用受け部材の吸油性を高めて十分な摺動性を確保するとともに、摺動用受け部材の強度も十分に確保することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る方法では、フェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分としてこれらを液中に分散させ抄造した成形材料を重ね合せ所定形状に加熱加圧成形して摺動用受け部材を製造する。本発明に係る方法は、前記成形材料として、フェノール樹脂含有量が10〜20重量%の第一の成形材料とフェノール樹脂含有量が25〜40重量%の第二の成形材料を重ね合せて加熱加圧成形する点に特徴がある。
【0005】上記のように製造した摺動用受け部材は、第一の成形材料で構成したフェノール樹脂含有量の少ない層に補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有しているので、この空隙に十分な量の油を浸み込ませることができ、浸み込ませた油を長期にわたって保持することができる。前記補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙は、補強繊維を抄造して得た成形材料に特有のものである。従来の射出成形による方法では、成形品中の補強繊維同士の絡まりが少ないので、本発明における空隙と同様の空隙の形成を多くは期待できない。第一の成形材料で構成した層はフェノール樹脂の含有量が少ないために若干強度が低下するが、この層と一体になっている第二の成形材料で構成した層はフェノール樹脂の含有量が多いので、この層で全体の強度を確保することができる。このようなことから、本発明に係る方法によれば、摺動面に十分な量の油を浸み込ませ摺動時の油切れが少なく、高荷重、高速度の摺動に十分に耐えられる摺動用受け部材を製造することが可能となる。
【0006】尚、本発明に係る方法では、液中に分散させたフェノール樹脂と補強繊維からウェブ状の成形材料が抄造により作られるので、長尺のシート状基材を移送しながらこれに樹脂ワニスを含浸乾燥する場合のように張力が働いておらず、得られた成形材料に歪みが残らない。また、前記抄造による方法では、成形材料を樹脂と補強繊維の混合混練により調製する場合のように、補強繊維が外力で折れることがなく、初期の繊維長を殆どそのまま保つことができる。さらに、液中に分散している補強繊維を抄造するので、補強繊維は特別な方向に配向することはない。このような結果、この成形材料を加熱加圧成形した摺動用受け部材は、強度の方向性や変形がなくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る方法を実施するに当たり、フェノール樹脂粉末の粒子径は、1〜100μmが適当であるが、抄造するときに分散させることができれば特に限定するものではない。補強繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維等である。抄造に際しては、他の充填材や添加剤を適宜配合してもよい。
【0008】第一ならびに第二の成形材料の抄造は、フェノール樹脂粉末と補強繊維を必須成分としてこれらを水中に分散させて行なう。これらを金網上に漉くことにより、ウェブ状の成形材料を抄造する。第一の成形材料と第二の成形材料のフェノール樹脂含有量の調整は、水中に分散させるフェノール樹脂粉末の量で行なう。抄造後に水分を切り、成形金型にそのまま仕込むことができる所定形状に打ち抜き乾燥する。このように用意した第一の成形材料と第二の成形材料を重ね合せ、前記金型に仕込んで加熱加圧成形すると、片面に第一の成形材料による補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有する摺動用受け部材を製造することができる。アニール処理をして油を浸み込ませ、フェノール樹脂含有量の少ない第一の成形材料で構成された面を摺動部材の受け面として配置する。上記第一の成形材料を第二の成形材料の両側に重ね合せて加熱加圧成形により一体化し製造した摺動用受け部材は、両面に、第一の成形材料による補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有する。従って、両面を摺動部材の受け面とすることができる。フェノール樹脂含有量が多い第二の成形材料で構成した中央層が強度の確保に有効に作用する。
【0009】補強繊維の主成分としてアラミド繊維とフィブリル化したアラミド繊維を使用して第一の成形材料を抄造すると、フィブリル化したアラミド繊維が繊維同士の絡まりを促進する。これは、フィブリル化したアラミド繊維が、細かく枝分かれした嵩高い形状を有するからである。このような繊維同士の絡まりの促進により、微細な空隙が一層多くなり、吸油量を多くできるので有利である。
【0010】
【実施例】
実施例1〜6、比較例1〜4フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベルパールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維長6mm)とまっすぐな(チョップ状)アラミド繊維(繊維径5〜20μm,繊維長2mm)を水に分散させ、これを抄造して、表1に示すようにフェノール樹脂含有量が異なるa〜iのウェブ状の成形材料を準備した。尚、抄造後に乾燥して水分を除去した成形材料は、単位重量1450g/m2である。前記乾燥は、フェノール樹脂の硬化反応が進まない温度範囲(常温)で行なった。また、ガラス繊維とアラミド繊維は重量比で2/1の割合で使用した。
【0011】
【表1】

【0012】上記a〜iの成形材料から第一の成形材料ならび第二の成形材料とするものを選択し、外径68mm,穴径58mmのドーナツ形状に打抜き加工した第一の成形材料と第二の成形材料を重ね合せ、成形金型に仕込んで加熱加圧成形して、外径70mm,穴径56mm,厚さ1.8mmのスラストワッシャとした。そして、前記スラストワッシャを180℃のマシン油に10時間浸漬して、スラストワッシャにマシン油を浸み込ませるアニール処理をした。各実施例と比較例において、表1のa〜iの成形材料から選んだ第一の成形材料と第二の成形材料との組合せは表2のとおりであり、各スラストワッシャの特性を表2に併せて示す。
【0013】従来例フェノール樹脂とガラス繊維(繊維径9μm,繊維長6mm)とチョップ状アラミド繊維(繊維径5〜20μm,繊維長2mm)を重量比で35/43/22の配合割合で混合混練し、粒状の成形材料とした。これを射出成形して上記実施例と同寸法のスラストワッシャの形状とした。そして、上記実施例と同じ条件でアニール処理をした。そのスラストワッシャの特性を表2に示す。
【0014】表2において、吸油量は、各スラストワッシャのアニール処理前後の重量を測って、次の(数1)により計算したものである。
【0015】
【数1】

【0016】表2から、第一の成形材料のフェノール樹脂含有量を10〜20重量%とし、第二の成形材料のフェノール樹脂含有量を25〜40重量%にすることにより、吸油量を多くし、強度も十分に保持できることが分かる。第二の成形材料のフェノール樹脂含有量が40重量%を越えると、第一の成形材料のフェノール樹脂含有量が20重量%以下であっても吸油量は少なくなる。
【0017】
【表2】

【0018】実施例7フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベルパールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維長6mm)とチョップ状アラミド繊維(繊維径5〜20μm,繊維長2mm)とフィブリル化したアラミド繊維(繊維長3mm)を重量比で20/50/20/10の割合で水に分散させ、これを抄造してウェブ状の成形材料とした。抄造後に乾燥して水分を除去した成形材料は、厚さ6mm、単位重量1550g/m2、フェノール樹脂含有量20重量%である。この成形材料を第一の成形材料として使用し、そのほかは実施例3と同様にしてスラストワッシャとした。その特性を表3に示す。
【0019】実施例8フェノール樹脂粉末(粒径1〜20μm,鐘紡製「ベルパールS890」)とガラス繊維(繊維径9μm,繊維長6mm)を重量比で40/60の割合で水に分散させ、これを抄造してウェブ状の成形材料とした。抄造後に乾燥して水分を除去した成形材料は、厚さ6mm、単位重量1650g/m2、フェノール樹脂含有量40重量%である。この成形材料を第二の成形材料として使用し、実施例7の第一の成形材料と組合せて加熱加圧成形し、スラストワッシャとした。その特性を表3に示す。
【0020】表3から、第一の成形材料を構成する補強繊維としてフィブリル化したアラミド繊維を含有させることにより、吸油量がさらに多くなることが分かる。
【0021】
【表3】

【0022】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る方法では、第一の成形材料で構成したフェノール樹脂含有量の少ない層に補強繊維同士の絡まりによる微細な空隙を多く有しているので、この空隙に十分な量の油を浸み込ませることができ、浸み込ませた油を長期にわたって保持することができる。すなわち、油の潤滑作用で摺動性を長期間維持できる。そして、第一の成形材料で構成した層と一体になっている第二の成形材料で構成した層はフェノール樹脂の含有量が多いので、この層で全体の強度を確保することができる。
【0023】補強繊維の主成分としてアラミド繊維とフィブリル化したアラミド繊維を使用して第一の成形材料を抄造すると、繊維同士の絡まりの促進により、微細な空隙が一層多くなり、吸油量を多くできるので有利である。




 

 


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