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発明の名称 連続水熱反応における原料粒子噴霧方法および装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−151340
公開日 平成10年(1998)6月9日
出願番号 特願平8−312097
出願日 平成8年(1996)11月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀岳 (外3名)
発明者 山崎 仲道 / 持田 典秋 / 前田 彰寛 / 福田 雄史 / 森村 剛
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 飽和水蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体と常温加圧した原料スラリーとを噴霧することを特徴とする連続水熱反応における原料粒子の噴霧方法。
【請求項2】 飽和蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体の噴霧口の中心部に常温で加圧した原料スラリーの供給口を設けて噴霧混合することを特徴とする連続水熱反応における原料粒子の噴霧方法。
【請求項3】 飽和蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体の供給部と常温で加圧した原料スラリーの供給部とは断熱層を介在させて、原料スラリーへの水質流体からの入熱を避けながら噴霧混合することを特徴とする連続水熱反応における原料粒子の噴霧方法。
【請求項4】 断熱層は内部に冷却媒体を供給させる強制冷却方式とした請求項3記載の連続水熱反応における原料粒子の噴霧方法。
【請求項5】 飽和蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体の噴霧口の中心部に常温で加圧した原料スラリーの供給口を開口し、該原料スラリーの供給配管は周囲の飽和蒸気温度を超えた水質流体からの入熱を避けるため、断熱層によって覆われていることを特徴とする連続水熱反応における原料粒子噴霧装置。
【請求項6】 断熱層は原料スラリーの供給管を取巻く管内に断熱材を充填して構成されたものである請求項5記載の連続水熱反応における原料粒子噴霧装置。
【請求項7】 断熱層は原料スラリー供給配管の周囲を取巻く2重管により構成し、冷却媒体を該2重管の原料スラリー供給配管側から供給し、水質流体の供給側を経て排出すべくなした請求項5記載の連続水熱反応における原料粒子噴霧装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飽和蒸気温度を超えた特には亜臨界および超臨界条件における連続水熱反応において原料スラリーをノズル噴霧によって粒子を凝集させずに微細化させ水熱反応を効率よく行わせるための噴霧方法及び装置である。
【0002】
【従来の技術】高温の水、特に高温、高圧の水の存在下では高圧水蒸気特に臨界温度以上の水にシリカ、アルミナをはじめ多くの酸化物の反応速度が速くなっているため、この現象を利用した水熱合成反応が広く行われている。現在、飽和蒸気温度を超える領域、特に臨界温度(例えば水Tc=374℃)を超える温度領域で、かつ、臨界圧力(Tp=218.3atm)を超える加圧条件下での粒子の水熱合成技術は、バッチ式により行われている。しかし、大型バッチ方式では原料をセットしてから目的とする温度圧力の保持時間以外に昇温、降温時間が長くかかる。又、バッチごとの生産であるため、一つの装置で効率よく合成するには限界がある。
【0003】さらに配管を組んで連続的にスラリーを送り込んで処理する方法は、例えば特開昭53−57112号公報に開示されているが、これは粒子の水熱反応を目的としたものではなく、本発明とは目的が異なる。その他に特公平2−5136号公報に開示された技術もあるが、これは飽和水蒸気圧下で行われているものである。特に臨界温度を超えるような温度で加圧状態を保つような配管を組み、粒子の水熱反応を行い、その後、降温、減圧して反応した粒子を排出するような連続水熱反応技術は未だ存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水熱反応を連続配管内で一貫して行うには、原料スラリーの送り込みの問題や配管を降温加熱状態に保持する問題、合成された粒子の取り出しの問題など種々の困難があるが、本発明では、特に原料スラリーの反応室内への供給の際の課題を解決するものである。すなわち、飽和水蒸気温度を超え、特に臨界温度を超える範囲で配管内に原料スラリーを流しても、水が水蒸気となっているため、スラリー中の固体分が分離してしまい、配管内に詰まる可能性がある。そこで本発明では、スラリー中の固体分が配管内に詰まることなく、かつ反応が効率よく行われるよう固体分を微噴霧して反応室に供給するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、飽和水蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体と常温加圧した原料スラリーとを噴霧することを特徴とする連続水熱反応における原料粒子の噴霧方法である。
【0006】すなわち原料スラリーと水質流体とを分離して、水質流体は、飽和蒸気温度を超えて加圧加熱しておき、原料スラリーは常温のまま加圧して、水質流体を噴霧器から噴霧し、原料スラリーを噴霧器から噴霧することによって、原料を水蒸気分離することなく搬送することができ、かつ、熱的な勾配をもつ2つの系を飽和蒸気を超える領域、特には臨界温度を超える温度領域の条件下においても均一な噴霧混合が可能となる。
【0007】水質流体と原料スラリーとの噴霧混合は、水質流体の噴霧口の中心部に原料スラリーの供給口を設けて行う。又、水質流体から原料流体への入熱を避けるため両者の供給経路には断熱層を設け、特には断熱層の内部に冷却媒体を供給させる強制冷却式とするとよい。
【0008】本発明は又、飽和蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体の噴霧口の中心部に常温で加圧した原料スラリーの供給口を開口し、該原料スラリーの供給配管は周囲の飽和蒸気温度を超えた水質流体からの入熱を避けるため、断熱層によって覆われていることを特徴とする連続水熱反応における原料粒子噴霧装置である。
【0009】断熱層は、噴霧以前において原料スラリーが飽和蒸気温度を超えて加熱加圧した水質流体の保有する熱の影響を受けて突沸する恐れをなくすために設けたものである。該断熱層は原料スラリーの供給管を取巻く管内に断熱材(例えばセラミックス系)を充填してなるものか、原料スラリー供給配管の周囲を取巻く2重管により構成し、冷却媒体を該2重管の原料スラリー供給配管側から供給し、水質流体の供給側を経て排出すべくなし、強制冷却をする。後者の場合、冷却媒体はまず原料スラリー供給配管の周囲に供給されることとなり、十分な冷却効果を保つと共に、水質媒体側に回ってからはその熱を受け、循環と共に逐次外部へ熱を放出し、断熱効果を発揮する。冷却媒体としては水や空気さらには油等を用いる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、アルミナ(Al25)、ジルコニア(ZrO2)、クロミア(Cr23)、ハフニア(HfO2)、チタニア(TiO2)などの金属酸化物の水熱合成反応に適用できる。以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。
【0011】
【実施例】図1は本発明の実施例装置の一例で、図中1は飽和水蒸気温度を超える水質流体入口であり、2は常温、加圧原料スラリーの入口である。3は混合物噴出口である。噴出口3は外側の噴霧口3−1とその中心部の供給口3−2よりなる。4は原料スラリー送給管(供給配管)であり、5,6は該原料スラリー送給管4を取巻く2重管であり、内管5の左端は開放されていて外管6に連通している。7は冷却媒体入口、8は同出口である。水、空気の如き冷却媒体は冷却媒体入口7より入って原料スラリー送給管4の外側に沿って2重管の内管5内を通過して、左端に達して外管6内を折返し、冷却媒体出口8より排出される。その間、冷却媒体は内管5内で原料スラリー送給管4の熱上昇を抑えると共に、外管6側から入る水質流体の熱の影響を防ぐ。外管6内を通過する冷却媒体は水質流体の熱を吸収し、吸収した熱は冷却媒体出口8より外部へ逐次放出する。加圧、加熱した水質流体と加圧した原料スラリーとは混合物噴出口3において噴出混合し、混合室9内に達する。この際原料中の粒子は微細に粉砕されるとともに、凝集した粒子も分離される。又、上記2重管に代えて断熱材を充填することや、断熱材自体を空洞に形成し、その空洞に冷却媒体を通してもよい。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、飽和蒸気温度を超えた特には亜臨界および超臨界条件において、原料スラリーを噴霧させることによって粒子を凝集させることなく微細化させることができ、もって水熱反応を連続的に効率よく行うことができる。特に水質流体と原料スラリーとを分離しておいて、原料スラリーの方は混合直前まで常温としておくことにより、配管づまりなどのトラブルをなくし、効率よく連続水熱反応を行うことができる。




 

 


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