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発明の名称 メタノールの合成・改質用触媒として有用な複合超微粒子及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80636
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−260352
出願日 平成8年(1996)9月9日
代理人
発明者 山口 正志 / 小林 正幸 / 福井 英夫 / 荒川 裕則 / 岡部 清美 / 佐山 和弘 / 草間 仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 触媒作用を有するM元素(但し、MはCu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Fe,Co,Rh及びRuからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)又はその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進するT元素(但し、TはZn,Al,Ga及びCrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されてなることを特徴とするM−T系又は(M−T)−O系複合超微粒子。
【請求項2】 原子%表示で(M50-97 −T3-5040-99 −O1-60の組成を有する請求項1に記載の複合超微粒子。
【請求項3】 触媒作用を有するM元素(但し、MはCu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Fe,Co,Rh及びRuからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)もしくはその酸化物、及びQ元素(但し、QはAl,Ga,Cr及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属であり、TがAl,Ga又はCr以外の元素の場合、上記QとしてAl,Ga又はCrが選ばれ得る。)もしくはその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進するT元素(但し、TはZn,Al,Ga及びCrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されてなることを特徴とするM−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子。
【請求項4】 原子%表示で(M50-97 −Q0-50−T3-5040-99 −O1-60(但し、QとTの合計量は49.5原子%以下である。)の組成を有する請求項3に記載の複合超微粒子。
【請求項5】 前記超微粒子がCu、Cu2 O、CuO、Cu−Al、Cu−Al−O、Cu−Cr、Cu−Cr−O、Cu−Si、Cu−Si−O、Cu−Ga及びCu−Ga−Oからなる群から選ばれた少なくとも1種からなり、前記被膜がZnOからなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の複合超微粒子。
【請求項6】 前記触媒作用を有する超微粒子の粒径が2〜100nmであり、前記被膜の膜厚が0.5〜10nmである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の複合超微粒子。
【請求項7】 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の複合超微粒子からなるメタノールの合成・改質用触媒。
【請求項8】 M元素(但し、MはCu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Fe,Co,Rh及びRuからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)からなる原材料、又は該M元素とQ元素(但し、QはAl,Ga,Cr及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属であり、TがAl,Ga又はCr以外の元素の場合、上記QとしてAl,Ga又はCrが選ばれ得る。)とからなる原材料を、不活性ガスを含む雰囲気中で加熱蒸発させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製する工程、及び該工程により作製された超微粒子をT元素(但し、TはZn,Al,Ga及びCrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)のイオンを含む溶液中に分散させ、該分散液中で上記超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させて複合超微粒子を作製し、次いで得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を多孔質とする工程を含むことを特徴とする複合超微粒子の製造方法。
【請求項9】 前記超微粒子の作製を、M元素又はM元素とQ元素とからなる合金を原材料として用い、酸化性ガスを含む不活性ガス雰囲気中でアーク溶解し、蒸発した材料を該雰囲気中の酸化性ガスと反応させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製する請求項8に記載の方法。
【請求項10】 前記超微粒子をT元素の塩を含有する水溶液中に分散させ、該分散液中にアルカリを加えて中和反応を行い、上記超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させ、次いで得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を酸化物の多孔質膜とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】 前記M元素がCuであり、作製されたCu−O系の超微粒子を硝酸亜鉛水溶液中に分散させ、該水溶液にアルカリを添加することにより上記Cu−O系超微粒子の表面に水酸化亜鉛の被膜を形成させて複合超微粒子を作製し、得られた複合超微粒子をさらに加熱処理して脱水反応を起こさせることにより上記Cu−O系超微粒子の表面に多孔質のZnO被膜を形成する請求項8又は9に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合超微粒子、さらに詳しくは触媒作用を有する粒子の表面に触媒作用を促進する多孔質の被膜を形成してなる複合超微粒子及びその製造方法並びに該複合超微粒子のメタノール合成・改質用触媒としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールは、触媒及び水蒸気の存在下で、下記反応式(1)に示すように、比較的容易に水素含有量の高いガスに改質される。
CH3 OH + H2 O → 3H2 + CO2 … (1)
得られる改質ガスは、水素を分離して燃料電池、発電用燃料等のエネルギー源として利用される他、化学工業用の原料としても利用される。一方、上記メタノールの水蒸気改質反応と逆の反応、すなわち下記反応式(2)で示されるように、二酸化炭素と水素とによりメタノールを得るメタノール合成反応(もしくは二酸化炭素固定化反応)は、二酸化炭素の再資源化法の一つとして注目されている。
3H2 + CO2 → CH3 OH + H2 O … (2)
すなわち、近年の経済活動の活発化に伴い、CO2 排出量は年と共に増加の傾向にあり、このCO2 の蓄積による地球温暖化が最近深刻化し、CO2 排出量の削減が地球的規模で急務となっている。その解決策として種々のCO2 削減法が検討されているが、中でも有力な方法としてCO2 とH2 とを反応させてメタノールなどのアルコール原料に変換し、再資源化する方法がある。この方法により得られるメタノールは、エネルギー源として利用することもできるが、化学品合成の際の基幹原料でもあるため、この方法が確立できればCO2 排出量の削減が可能となるだけでなく、石油資源の節約にも貢献できる。
【0003】前記メタノールの水蒸気改質反応やその逆反応であるメタノール合成反応の触媒としては、酸化物系触媒(特開平6−178938号、特開平4−122450号、特公平5−67336号等参照)、金属系触媒(特開平3−258738号、特公平4−30383号等参照)及び合金系触媒が知られており、これらの中では酸化物系触媒の性能が良いと考えられている。酸化物の粉末は一般に共沈法を利用した液相法(湿式法)により製造されている。しかしながら、液相中で製造するために、不純物が粉末中に残留してしまい、高純度な粉末が得られ難いという欠点がある。また、この液相法により製造した酸化物粉末を触媒材料として利用する場合、得られる酸化物は触媒前駆体であるため、使用に先立って還元処理によって触媒の活性化を施す必要があると共に、不純物の影響により充分な触媒活性が得られ難いという問題もある。
【0004】また、従来の湿式法により触媒を作製する場合、触媒を形成している粒子自身の形態を制御することは行われていないため、粒子同士の界面制御が不充分であり、触媒活性の面において改良の余地があった。特に、CO2 再資源化用触媒に用いられるCu−Zn−Al−O系工業触媒では、メタノール空時収量STYW(触媒1kg、単位時間当たりのメタノール収量)が500(g−CH3 OH/kg−catalyst・hr)程度であり、CO2 を固定化させるためにはさらに高活性を持つ触媒材料が望まれていた。
【0005】前記したような問題点に鑑み、最近では気相法による酸化物系触媒の製造方法が提案されている。例えば、林主税、上田良二、田崎明編「超微粒子」1988年三田出版会発行、第115〜122頁には、Heガス雰囲気中でCuとZnを高周波誘導加熱して蒸発させ、超微粒子を作製する方法(所謂、ガス中蒸発法)が開示されている。前記ガス中蒸発法では、数百オングストローム径のCu粒子の表面を20〜30オングストローム径のZnO粒子が覆った2層構造の超微粒子が得られると報告されている(前掲刊行物「超微粒子」第119頁参照)。
【0006】このようにCu粒子の表面をそれよりも微細なZnO粒子が覆った構造の超微粒子では、300〜400℃程度の高温でのCu粒子の粒成長が起こり難く、粒子の粗大化が比較的に抑えられるという利点は得られるが、反面、触媒粒子中に含有される触媒活性を持つCu量が見掛け上少なくなるため、触媒活性が低いという問題がある。すなわち、このようなガス中蒸発法において、蒸発源の加熱温度を約1500℃と推定すると、この温度におけるCuの蒸気圧は2Torrであるが、Znの蒸気圧は105 Torrであるため、CuとZnの蒸気圧は5桁の差がある。このように蒸気圧が大きく異なる2成分を同一るつぼ内で溶解し、蒸発させると、蒸発初期には選択的に蒸気圧の大きい元素が先に蒸発してしまい、Cuが蒸発されずに残ってしまう。その結果、作製時間に応じて生成された超微粒子の組成に偏りが生じ、触媒活性を持つCu量が見掛け上少なくなる。その結果、得られる触媒粒子の触媒活性が低くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、高純度で極めて微細であり、従来から知られている共沈法などの液相法やガス中蒸発法などの気相法で得られるものよりも触媒活性が高く、メタノールの合成・改質用触媒等として有利に用いることができる複合超微粒子を比較的簡単な方法で提供することにある。さらに本発明の目的は、触媒作用を有する金属元素又はその酸化物の超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進する酸化物からなる多孔質の被膜が形成された形態を有し、メタノールの合成・改質用触媒等としての触媒活性が高いと共に、高温下においても粒子同士の焼結現象による粒子の粗大化が抑制され、長期にわたって高い触媒活性を維持し得る耐久性に優れた複合超微粒子、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の一つの側面によれば、メタノールの合成・改質用触媒として有用な複合超微粒子が提供される。その一つの態様によれば、触媒作用を有するM元素(但し、MはCu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Fe,Co,Rh及びRuからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)又はその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進するT元素(但し、TはZn,Al,Ga及びCrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属である。)の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されてなることを特徴とするM−T系又は(M−T)−O系複合超微粒子が提供される。上記M−T系又は(M−T)−O系複合超微粒子は、好適には、原子%表示で(M50-97 −T3-5040-99 −O1-60の組成を有する。
【0009】本発明の他の態様によれば、前記触媒作用を有するM元素(但し、Mは前記定義と同じである。)もしくはその酸化物、及びQ元素(但し、QはAl,Ga,Cr及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属であり、TがAl,Ga又はCr以外の元素の場合、上記QとしてAl,Ga又はCrが選ばれ得る。)もしくはその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進するT元素(但し、Tは前記定義と同じである。)の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されてなることを特徴とするM−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子が提供される。上記M−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子は、好適には、原子%表示で(M50-97 −Q0-50−T3-5040-99 −O1-60(但し、QとTの合計量は49.5原子%以下である。)の組成を有する。
【0010】前記複合超微粒子の好適な態様においては、前記超微粒子がCu、Cu2 O、CuO、Cu−Al、Cu−Al−O、Cu−Cr、Cu−Cr−O、Cu−Si、Cu−Si−O、Cu−Ga及びCu−Ga−Oからなる群から選ばれた少なくとも1種からなり、前記被膜がZnOからなる。また、前記触媒作用を有する超微粒子の粒径は2〜100nmであり、前記被膜の膜厚は0.5〜10nmであることが好ましい。前記したようなM−T系、(M−T)−O系、M−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子は、メタノールの合成反応及び水蒸気改質反応の触媒として極めて有利に用いることができる。
【0011】本発明の別の側面によれば、前記のような複合超微粒子の製造方法も提供され、その方法は、M元素(但し、Mは前記定義と同じである。)からなる原材料、又は該M元素とQ元素(但し、Qは前記定義と同じである。)とからなる原材料を不活性ガスを含む雰囲気中で加熱蒸発させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製する工程、及び該工程により作製された超微粒子をT元素(但し、Tは前記定義と同じである。)のイオンを含む溶液中に分散させ、該分散液中で上記超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させて複合超微粒子を作製し、次いで得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を多孔質とする工程を含むことを特徴としている。
【0012】好適な態様においては、前記超微粒子の作製を、M元素又はM元素とQ元素とからなる合金を原材料として用い、酸化性ガスを含む不活性ガス雰囲気中でアーク溶解し、蒸発した材料を該雰囲気中の酸化性ガスと反応させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製し、また、前記超微粒子をT元素の塩を含有する水溶液中に分散させ、該分散液中にアルカリを加えて中和反応を行い、上記超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させ、次いで得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を酸化物の多孔質膜とする。より具体的な態様においては、前記M元素としてCuを用い、作製されたCu−O系の超微粒子を硝酸亜鉛水溶液中に分散させ、該水溶液にアルカリを添加することにより上記Cu−O系超微粒子の表面に水酸化亜鉛の被膜を形成させて複合超微粒子を作製し、得られた複合超微粒子をさらに加熱処理して脱水反応を起こさせることにより、上記Cu−O系超微粒子の表面に多孔質のZnO被膜を形成してCu−T系、(Cu−T)−O系、Cu−Q−T系又は(Cu−Q−T)−O系複合超微粒子を製造する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、触媒作用を有するCu等からなる超微粒子の表面を、触媒作用を促進するZnO等からなる多孔質の被膜で覆うことにより、触媒粒子の高温における焼結、粒成長が抑制され、かつ触媒特性が著しく向上することを見い出し、本発明を完成するに到った。一般に、微細なCn−Zn系触媒粒子は、当初は比較的大きな比表面積を有しているため、例えば300℃程度までの温度環境下では比較的優れた初期触媒活性を示すが、その温度環境下に長時間保持すると粒子相互間に焼結現象が発生し、粒子の粗大化が起こるため、触媒活性が著しく低下するという問題がある。これに対して本発明の複合超微粒子は、触媒作用を有する超微粒子の表面がZnO等の高融点の多孔質の被膜で覆われているため、触媒作用を有する超微粒子同士の接触が防止され、上記超微粒子同士が高温においても融着し難くなり、触媒粒子の高温における焼結、粒成長が抑制される。従って、メタノールの合成反応や水蒸気改質反応において、粒子の粗大化を生ずることなく安定な複合状態を保持できる。
【0014】また、一般に触媒反応は触媒表面で進行するため、単位質量あたりの活性点が多ければそれだけ高活性が期待できる。図2は一般のCu/ZnO触媒の状態の模式図を示しているが、このCu/ZnO触媒の場合、Cu粒子とZnO粒子が混合状態のため、粉末同士の接点が接合部21となる。これに対して、本発明の複合超微粒子では、図1の模式図に示されるように、触媒作用を有する超微粒子(M、M−O、M−Q又はM−Q−O)がZnO等の被膜(T−O)で覆われており、触媒作用を有する超微粒子(M、M−O、M−Q又はM−Q−O)の表面全体と多孔質の被膜(T−O)との間の多数の接点が接合部20となる。そして、上記被膜(T−O)は多孔質であるため反応ガス等の原料は該被膜中を通過又は浸透することができる。上記のような接合部が触媒反応が起こる活性点と考えた場合、一般のCu/ZnO触媒に比べて、本発明の複合超微粒子の場合、触媒作用を有する超微粒子と触媒作用を促進する物質との界面の活性点の面積が非常に大きくなる。そのため、著しく高い触媒活性を示す。従って、本発明の複合超微粒子は、比較的高温域での上記反応において優れた触媒活性を示し、また長期にわたって安定した高い触媒活性を示し、耐久性に優れたメタノールの合成・改質用触媒として有利に用いることができる。
【0015】前記したように、本発明の複合超微粒子の一つの態様は、触媒作用を有するM元素又はその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進するT元素の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されたM−T系又は(M−T)−O系複合超微粒子である。触媒作用を有するM元素としては、Cu,Ag,Au,Ni,Pd,Pt,Fe,Co,Rh及びRuからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属が用いられる。一方、触媒作用を促進するT元素としては、Zn,Al,Ga及びCrからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属が用いられ、これらの金属は水素分子を吸着し、これを解離させる作用を有するため、上記超微粒子の触媒作用を促進する働きを有する。ここで、(M−T)−Oという表現は、M元素及びT元素がそれぞれ又は両方とも金属及び/又は酸化物の構造を有する概念を示す包括的表現と理解されるべきであり、他の表現についても同様である。
【0016】上記M−T系又は(M−T)−O系複合超微粒子の金属成分のみの組成範囲は、原子%表示でM50-97 −T3-50、好ましくはM55-95 −T5-45、さらに好ましくはM75-90 −T10-25 である。触媒粒子中のM成分(超微粒子部分)の量が50原子%未満の場合、触媒活性を示すM金属又はその酸化物の割合が少なく、多孔質被膜部分の量が多く(厚く)なるため、全体としての触媒活性が低下する。
【0017】本発明の複合超微粒子においては、前記M元素の一部、好ましくは50原子%以下を、Al,Ga,Cr及びSiからなる群から選ばれた少なくとも1種のQ元素で置換することもできる。すなわち、本発明の複合超微粒子の他の態様は、前記触媒作用を有するM元素もしくはその酸化物、及びQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進する前記T元素の酸化物からなる多孔質の被膜が形成されたM−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子である。ここで、Q元素は、M元素又はその酸化物からなる超微粒子中に固溶しているか、金属又は酸化物の形態でM元素又はその酸化物からなる粒子内部に一体的に取り込まれているか、あるいは金属又は酸化物の粒子として存在し又はM元素又はその酸化物からなる粒子の表面に付着して存在しており、それによって超微粒子同士がくっ付き合わないように分散度を向上させる効果がある。なお、前記T元素としてAl,Ga又はCr以外の元素が用いられる場合、上記Q元素としてAl,Ga又はCrを選択して用いることが好ましい。
【0018】上記M−Q−T系又は(M−Q−T)−O系複合超微粒子の金属成分のみの組成範囲は、原子%表示でM50-97 −Q0-50−T3-50(但し、QとTの合計量は50原子%以下である。)、好ましくはM55-95 −Q5-40−T3-30、さらに好ましくはM75-90 −Q7-15−T4-12である。触媒粒子中のQ成分の量及びQ成分とT成分の合計量がそれぞれ50原子%を超える場合、触媒活性を示すM金属又はその酸化物の割合が相対的に少なくなり、全体としての触媒活性が低下するため好ましくない。
【0019】触媒材料としての特性を考慮した場合、前記超微粒子の粒径は2〜100nm、好ましくは2〜50nm、超微粒子の表面に被覆される被膜の膜厚は0.5〜10nmの範囲が好ましい。なお、本発明の複合超微粒子は、前記反応式(1)で示されるメタノールの水蒸気改質反応や前記反応式(2)で示される二酸化炭素と水素からメタノールを合成する反応の他にも、類似の反応、例えば一酸化炭素と水素からメタノールを合成する反応及びその逆反応、二酸化炭素+一酸化炭素+水素からメタノールを合成する反応(二酸化炭素と一酸化炭素が混ざっている場合)及びその逆反応の触媒としても有利に用いることができる。
【0020】以上のような本発明の複合超微粒子は、M元素からなる原材料、又は該M元素とQ元素とからなる原材料を不活性ガス雰囲気中で加熱蒸発させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製する工程、及び該工程により作製された超微粒子をT元素のイオンを含む溶液中に分散させ、通常の沈殿法により、上記分散液中で超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させて複合超微粒子を作製し、次いで得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を多孔質とする工程により得ることができる。すなわち、本発明の複合超微粒子の製造方法は、乾式法による超微粒子の作製と湿式法による多孔質被膜の形成とを組み合わせたことに特徴を有する。以下、本発明の複合超微粒子の製造方法について説明する。
【0021】超微粒子の作製:まず、原材料を不活性ガス雰囲気中で加熱蒸発させ、M元素もしくはその酸化物、あるいはさらにQ元素もしくはその酸化物を含む超微粒子を作製する。加熱溶解法としては、アーク溶解法の他、高周波加熱溶解法、プラズマジェット加熱法、高周波誘導加熱法(高周波プラズマ加熱)、電子ビーム加熱法、レーザービーム加熱法なども用いることが可能であるが、特にアークプラズマ法が作製する超微粒子の収量等の点で好ましい。
【0022】前記雰囲気ガスとしては、Ar、He、N2 等の不活性ガス、あるいは不活性ガスと酸素、オゾン、一酸化二窒素等の酸化性ガスの混合ガスを用いることができる。この場合、酸素ガスの割合は0.1〜50%の範囲が好ましい。雰囲気中の酸素ガスの割合が0.1%未満の場合、酸素プラズマの効果が殆どなくなり、酸化物が生成し難くなる。一方、酸素ガスの割合が50%を超えると、酸素プラズマの効果が強くなり、電極の消耗が激しく、短時間に電極が短くなりすぎて、アークが不安定になったり、最悪の場合発生しなくなり、超微粒子が作製されなくなる恐れがある。なお、窒素−酸素混合ガスを用いる場合には、乾燥空気も利用することができ、それによって超微粒子を安価に製造することができる。なお、雰囲気ガスとして不活性ガスのみを用いた場合、超微粒子生成の段階では酸化物は生成しないが、これらの超微粒子の一部は徐酸化処理の過程で酸化されて酸化物となる。ここで、徐酸化処理とは、蒸発室内で生成した超微粒子をそのまま大気中に出すと燃焼してしまうため、酸素を徐々にチャンバー内に供給して粒子表面に酸化膜を形成して安定化する処理をいう。
【0023】雰囲気ガスの圧力(全圧)は3〜200kPaの範囲が適当である。3kPa未満ではアークプラズマが不安定となり、超微粒子が発生し難くなる。一方、200kPaを超えると、発生する超微粒子の生成量は殆ど変化しなくなる。以下、アークプラズマ法に好適に用いることができる超微粒子作製装置を示す図3を参照しながら説明する。
【0024】図3は、本発明に従ってアーク溶解により触媒作用を示す超微粒子を作製するのに好適な装置の一例を示し、後述する実施例において使用した装置の概略構成図である。この装置1は、溶解室2とグローブボックス3とからなる。溶解室2内には、原料(母合金)Aを配置するハース4がモータ12により回転自在に配設されている。また、溶解室2内のハース4上部には、ハース4に配置された母合金Aに接近自在にアーク電極5が配設されている。溶解室2とグローブボックス3は収集管6によって連通されており、該収集管6のグローブボックス3内に位置する収集管後端7にはフィルター8が着脱自在に取り付けられている。符号9はガス混合器であり、所定濃度の酸素ガスを含む窒素ガスを溶解室2中へ供給する。符号10はターボ分子ポンプ、11はメカニカルブースターポンプとロータリーポンプであり、これらによって溶解室2とグローブボックス3との間の差圧が制御される。
【0025】次に、操作手順について説明する。まず、所定分圧の酸素を含む雰囲気ガスを所定の流量で溶解室2内へ供給し、溶解室2内のガス圧を所定の圧力に設定する。この際、雰囲気ガスとして大気を用いる場合以外は、一旦、装置内を真空引きしておいた方が好ましい。その後、通常のアーク溶解と同様、母合金Aとアーク電極5との間でアーク放電を起こしてアークプラズマCを発生させることにより、母合金Aが高温になり、蒸発し、超微粒子Bが発生する。この母合金Aから発生した超微粒子Bは、雰囲気中の酸素と反応し、溶解室2とグローブボックス3との間の差圧によって生ずるガスの流れに乗って収集管6に吸引され、その後端に設置されたフィルター8により捕集される。
【0026】超微粒子表面への多孔質被膜の形成:上記のようにして作製した超微粒子をT元素の塩、例えば硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を含有する水溶液中に分散させ、該分散液中にNH4 OH(アンモニア水)、炭酸ナトリウム等のアルカリを加えて中和反応を行い、上記超微粒子表面にT元素の水酸化物の被膜を析出させる。次いで、得られた複合超微粒子を加熱脱水して上記被膜を多数の開放気孔を有する酸化物の多孔質膜とする。
【0027】例えば、Cu−Al−O系超微粒子の表面に酸化亜鉛の多孔質膜を形成する場合、まず、作製したCu−Al−O系超微粒子をZn(NO32 水溶液中に分散させ、この分散液にアルカリとして例えばNH4 OHを適量滴下すると、中和反応によりCu−Al−O系超微粒子表面にZn(OH)2 が膜状に析出した沈殿物が得られる。得られた沈殿物を濾過し、加熱乾燥することにより、Zn(OH)2 は脱水反応により多数の開放気孔を有する多孔質の酸化物(ZnO)膜となる。このようにして、触媒作用を示すCu−Al−O系超微粒子表面が多孔質のZnO膜で覆われたCu−Al−Zn−O系複合超微粒子を得ることができる。形成するZnO膜の量は、分散させる超微粒子の量、Zn(NO32 水溶液の濃度及び滴下するNH4 OH量によりコントロールすることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0029】実施例1触媒作用を示す超微粒子の作製:Cu−Al系母合金を用いて前述した図3に示すような装置によりアーク溶解を行い、Cu−Al−O系超微粒子を作製した。作製条件を下記表1に示す。
【表1】

【0030】複合超微粒子の作製:前記アークプラズマ法により作製されたCu−Al−O系超微粒子をZn(NO32 水溶液中に均一に分散させ、この分散液にNH4 OHを滴下することにより、上記Cu−Al−O系超微粒子の表面にZn(OH)2 が膜状に析出した沈殿物が得られた。次いで、この沈殿物を洗浄、濾過し、85℃で脱水・乾燥させたものを触媒材料として用いた。
【0031】触媒特性の評価:上記のようにして作製したCu−Al−Zn−O系複合超微粒子を用いて、メタノール合成触媒としての評価を行った。触媒特性評価は、加圧固定床流通式反応装置を用い、下記表2に示す条件に基づいて行った。
【表2】

また、比較例としてZnO被膜を形成していないCu−Al−O系超微粒子を用いて上記と同様の触媒評価を行った。評価試験の結果を下記表3に示す。
【0032】
【表3】

上記表3から明らかなように、Cu−Al−O系超微粒子表面にZnO多孔質膜が被覆されている本発明の複合超微粒子のメタノール空時収量は、ZnO多孔質膜を形成していない超微粒子の350(g−CH3 OH/kg・hr)に比べて2倍以上の820(g−CH3 OH/kg・hr)と大幅に向上していた。また、市販の工業用触媒(Cu−Zn−Al−O系触媒)の約500(g−CH3OH/kg・hr)に比べても著しく高いメタノール空時収量であった。
【0033】前記触媒特性評価により、Cu−Al−O系超微粒子表面にZnO多孔質膜を被覆することでメタノール合成触媒としての特性が大幅に向上することが確かめられたが、より高特性となる最適な組成を見い出すため、各Cu、Al及びZnの組成の違いに対する触媒特性の変化を調査した。図4及び図5は、触媒超微粒子中のZnの含有量を5at%に固定(Oを除外してCu、Al及びZnで規格化した組成)したときのCu含有量に対するCO2 転化率及びメタノール空時収量の変化をそれぞれ示している。これらの図から明らかなように、触媒性能はCu含有量が増加するに従ってCO2 転化率及びメタノール空時収量ともに増加し、80at%程度のCu含有量で最大の触媒特性を示した。特にメタノール空時収量では1000(g−CH3OH/kg・hr)を越える触媒特性が得られた。
【0034】次に、ZnO多孔質膜の最適被覆量を求めるため、Cuの含有量を固定し、Znの含有量の触媒特性に及ぼす影響について調査した。図6及び図7は、Cuの含有量を80at%に固定(Oを除外してCu、Al及びZnで規格化した組成)したときのCO2 転化率及びメタノール空時収量の変化をそれぞれ示している。これらの図から明らかなように、触媒性能はZn含有量数%の違いに対して大きく変化し、Zn:6at%程度で最大のメタノール空時収量を示した。しかしながら、図6及び図7から明らかなように、CO2 転化率とメタノール空時収量の最大を示すZn組成が若干ズレている。これは、CO2 転化率の高いZn:8at%では、選択率が若干低いため、この様な最高特性に対しズレが生じたものと判断される。
【0035】前記図4乃至図7に示すデータを基に、Cu、Al及びZnの最適組成を有するものと考えられるCu−Al−Zn−O複合超微粒子を前記と同様にアークプラズマ法及び沈殿法により作製し、触媒特性を調べた。なお、触媒評価の条件は前記表2に示すとおりである。結果は以下のとおりであった。
組成:Cu81Al13.2Zn5.8 −OCO2 転化率:19.9%CH3 OH選択率:50.6%CH3 OH収率:10.1%メタノール空時収量:1056(g−CH3 OH/kg・hr)
【0036】図8に、前記表3に示す触媒反応後のCu79.7Al12Zn8.3 −Oの組成を有する複合超微粒子の透過電子顕微鏡写真(TEM像)を示す。このTEM像による観察から、10〜50nm程度の超微粒子のまわりに数nmの多孔質膜あるいは不規則な形態をした粒子が付着している複合超微粒子となっていることが確認できた。次に、この複合超微粒子の中心部の粒子やそのまわりの数nmの多孔質膜の構成元素を調べるため、EDXにより分析を行った。尚、この分析はAlメッシュを用いて行った。この結果、複合超微粒子の中心部の部分からは主にCuが検出され、また、弱いAlのピークも観察された。他方、まわりの膜状の部分からはZnが検出された。尚、Alの強いピークも検出されたが、このAlのピークはメッシュの影響と考えられる。
【0037】次に、種々の複合超微粒子の触媒反応の前後の相変化について調査した。図9はCu79.9Al16.8Zn3.3 −O複合超微粒子の触媒反応前のX線回折図、図10は触媒反応後のX線回折図を示している。また、図11はCu57.1Al38.5Zn4.4 −O複合超微粒子の触媒反応前のX線回折図、図12は触媒反応後のX線回折図を示している。図9に示されるように、Cu含有量の多いCu79.9Al16.8Zn3.3 −O複合超微粒子では触媒反応前はCu2 O相及びCuO相から成っていた。この超微粒子より20at%程度Cu量を少なくしたCu57.1Al38.5Zn4.4 −O複合超微粒子では、図11に示されるように、触媒反応前ではCuO相及びCu2 O相の他に若干の複合化合物がみられた。尚、この複合化合物相はJCPDSよりCu3 Zn3 Al2 (OH)16CO3.42 相と考えられた。しかし、触媒反応後ではこれらの複合超微粒子はH2 ガスにより還元されるため、酸化物相及び複合化合物相が消失し、金属Cu相に変化したことが確認できた。種々の複合超微粒子の触媒反応前後の相変化及び触媒特性についての調査結果から、Cu含有量が低い程複合化合物相の生成割合が多くなり、それに伴ってメタノール空時収量も低下することが確認された。従って、複合超微粒子中に触媒作用を示す金属(Cu)の酸化物相(Cu2 O、CuO)が存在することが、高活性の触媒材料を得るためには重要なファクターと考えられる。
【0038】実施例2原料として銅を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりCu−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたCu−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のCu含有量におけるCO2 転化率の変化を図13に、またメタノール空時収量の変化を図14に示す。
【0039】実施例3原料として銀を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりAg−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたAg−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のAg含有量におけるCO2 転化率の変化を図15に、またメタノール空時収量の変化を図16に示す。
【0040】実施例4原料として金を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりAu−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたAu−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のAu含有量におけるCO2 転化率の変化を図17に、またメタノール空時収量の変化を図18に示す。
【0041】実施例5原料としてニッケルを用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりNi−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたNi−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のNi含有量におけるCO2 転化率の変化を図19に、またメタノール空時収量の変化を図20に示す。
【0042】実施例6原料としてパラジウムを用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりPd−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたPd−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のPd含有量におけるCO2 転化率の変化を図21に、またメタノール空時収量の変化を図22に示す。
【0043】実施例7原料として白金を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりPt−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたPt−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のPt含有量におけるCO2 転化率の変化を図23に、またメタノール空時収量の変化を図24に示す。
【0044】実施例8原料として鉄を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりFe−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたFe−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のFe含有量におけるCO2 転化率の変化を図25に、またメタノール空時収量の変化を図26に示す。
【0045】実施例9原料としてコバルトを用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりCo−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたCo−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のCo含有量におけるCO2 転化率の変化を図27に、またメタノール空時収量の変化を図28に示す。
【0046】実施例10原料としてロジウムを用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりRh−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたRh−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のRh含有量におけるCO2 転化率の変化を図29に、またメタノール空時収量の変化を図30に示す。
【0047】実施例11原料としてルテニウムを用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりRu−O系超微粒子を作製し、その後、T元素(T=Zn,Al,Ga又はCr)の塩を含む溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたRu−T−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。種々のRu含有量におけるCO2 転化率の変化を図31に、またメタノール空時収量の変化を図32に示す。
【0048】実施例12原料として銅とQ元素(Q=Ga,Cr又はSi)を用いて実施例1と同様なアーク溶解法によりCu−Q−O系超微粒子を作製し、その後、硝酸亜鉛水溶液中に分散させ、実施例1と同様の沈殿法により複合超微粒子を作製した。得られたCu−Q−Zn−O系複合超微粒子の触媒特性について、実施例1と同様の方法により評価した。触媒超微粒子中のQ元素の含有量を5at%に固定(Oを除外してCu,Q及びZnで規格化した組成)したときの種々のCu含有量におけるCO2 転化率を図33に、またメタノール空時収量を図34に示す。また、触媒超微粒子中のCuの含有量を80at%に固定(Oを除外してCu,Q及びZnで規格化した組成)したときの種々のQ含有量におけるCO2 転化率を図35に、またメタノール空時収量を図36に示す。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合超微粒子は、触媒作用を有する金属元素又はその酸化物の超微粒子の表面に、該超微粒子の触媒作用を促進する他の金属元素の酸化物からなる多孔質の被膜が形成された形態を有し、触媒作用を有する超微粒子と触媒作用を促進する多孔質被膜との界面の活性点(接触点)の面積が非常に大きいため、著しく高い触媒活性を示す。また、メタノールの合成反応や水蒸気改質反応において、粒子同士の焼結現象による粒子の粗大化が抑制され、長期にわたって高い触媒活性を維持し得る。従って、本発明の複合超微粒子は、触媒活性、耐久性に優れたメタノールの合成・改質用触媒として有利に用いることができる。また、本発明の方法によれば、上記のような優れた触媒特性を有する複合超微粒子を、乾式法による超微粒子の作製と湿式法による多孔質被膜の形成との組み合わせにより効率的に製造することができる。




 

 


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