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発明の名称 水硬性無機質成形体の成形装置およびこの成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−138217
公開日 平成10年(1998)5月26日
出願番号 特願平8−304657
出願日 平成8年(1996)11月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】九十九 高秋
発明者 沖村 要一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】閉合により型窩を形成する2つの分割型を有し、一方の分割型がその内部に加圧媒体を圧入することによってその型面が他方の分割型の型面に向かって膨出し、型窩内に充填された水硬性無機質成形材料を圧縮するようになっていて、他方の分割型が真空吸引手段により内部が減圧状態にされる吸引ボックスによってその外側を囲繞されており、吸引ボックス内に連通する多数の水抜き孔が他方の分割型の型面に穿設されている水硬性無機質成形体の成形装置において、前記水抜き孔がその中間部で型外に連通する通路に接続されていることを特徴とする水硬性無機質成形体の成形装置。
【請求項2】2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を、通路を型外の雰囲気と遮断した状態で水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、通路を型外の雰囲気と連通した状態で一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程とを備えている請求項1の成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法。
【請求項3】2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を、通路を型外の雰囲気と遮断した状態で水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、通路を介して外部から水抜き孔に水を注入しながら、一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、この1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程とを備えている請求項1の成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法。
【請求項4】閉合により型窩を形成する2つの分割型を有し、一方の分割型がその内部に加圧媒体を圧入することによってその型面が他方の分割型の型面に向かって膨出し、型窩内に充填された水硬性無機質成形材料を圧縮するようになっていて、他方の分割型が真空吸引手段により内部が減圧状態にされる吸引ボックスによってその外側を囲繞されており、吸引ボックス内に連通する多数の水抜き孔が他方の分割型の型面に穿設されている水硬性無機質成形体の成形装置において、前記吸引ボックスの底面が傾斜していて、傾斜の最上端に臨む位置にこの吸引ボックスへ洗浄水を送り込む洗浄水供給口が設けられており、傾斜の最下端に臨む位置に真空吸引手段に接続される吸引口が設けられていることを特徴とする水硬性無機質成形体の成形装置。
【請求項5】2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、この1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程と、洗浄水供給口から洗浄水を吸引ボックス内に供給し、吸引ボックス内に進入した水硬性無機質成形材料の滓を洗浄し、洗浄水を吸引口から吸引排水する工程とを備えている請求項4の成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性無機質成形体の成形装置およびこの成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水硬性無機質成形体を製造するにあたり、特公昭59−37203号公報に開示されているような成形装置が用いられている。すなわち、このような成形装置は、図3に示すように、一方の分割型である上型101と、型面を覆うように伸縮性材料からなるろ布103を備えた他方の分割型である下型102とを閉合したのち、型内に上型101側から水硬性無機質成形材料104を注入してろ布103を下型102の型面に沿うように伸張させながら充満させるとともに、下型102の型面に穿設された多数の水抜き孔105を介してろ布103越しに水硬性無機質成形材料104中の余剰水分を吸引脱水して賦形物を得たのち、この賦形物を養生硬化して水硬性無機質成形体を得るようになっている。
【0003】しかし、上記のような成形装置では、水抜き孔105からの吸引脱水だけを行い、型窩内の成形材料に圧力を加えることがないため、得られた賦形物は、十分に脱水されておらず、緻密性に欠け、強度的に弱い成形物しか得られないと言う問題がある。
【0004】そこで、本発明の発明者は、図4に示すように、上型201の型本体208の表面に沿って型面202を形成するゴム弾性シート203を設け、水硬性無機質成形材料204を型窩内に圧入後、下型205の水抜き孔207から余剰水分を吸引脱水する1次脱水工程を実施したのち、上型201の型本体208とゴム弾性シート203との内がに水や空気等の加圧媒体を圧入して弾性シート203を下型205の型面に向かって膨出させることで型窩内の成形材料に圧力を加え2次脱水工程を実施し、より緻密化を図るようにした成形装置200を既に提案している(特開平5−200709号公報参照)。図中、206は加圧媒体の通過孔である。
【0005】すなわち、この成形装置200によれば、弾性シート203の膨出によって型窩内の成形材料に充分な圧力を加えることができるため、従来の成形装置100に比べ、緻密な成形体を得ることができる。しかしながら、この成形装置200の場合、1次脱水工程の吸引脱水に伴い型窩内と下型205の下方に設けられた吸引ボックス209との圧力差が徐々に少なり、水抜き孔207からの水抜けの速度が徐々に低下してくる。
【0006】したがって、2次脱水工程において、型窩内の水硬性無機質成形材料204に圧を加えることによって水硬性無機質成形材料204から滲みでた水分がなかなか脱水できず、場合によっては、脱水不十分な賦形物した得られなくなる恐れがある。また、この成形装置200の場合、下型205の型面に沿ってろ布210が設けられているため、水硬性無機質成形材料204が殆ど水抜き孔207内や吸引ボックス209内に入り込まないようにしているが、水硬性無機質成形材料204中の細かい成分がどうしてもろ布210を通り抜けて水抜き孔207内や吸引ボックス209内に入り込んでしまう。
【0007】したがって、何度も成形を繰り返していると、入り込んだ水硬性無機質成形材料204中の細かい成分が、この水抜き孔207や吸引ボックス209内に溜まり、水抜き孔207を詰まらせたり、吸引ボックス209の容積を小さくして、吸引脱水効率が低下すると言う問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情に鑑みて、より確実に余剰水分を脱水することができ、緻密で強度的に優れた成形体を安定して得ることができる水硬性無機質成形体の成形装置およびこの成形装置を用いた水硬性無機質成形体の製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明にかかる水硬性無機質成形体の成形装置(以下、「請求項1の装置」と記す)は、閉合により型窩を形成する2つの分割型を有し、一方の分割型がその内部に加圧媒体を圧入することによってその型面が他方の分割型の型面に向かって膨出し、型窩内に充填された水硬性無機質成形材料を圧縮するようになっていて、他方の分割型が真空吸引手段により内部が減圧状態にされる吸引ボックスによってその外側を囲繞されており、吸引ボックス内に連通する多数の水抜き孔が他方の分割型の型面に穿設されている水硬性無機質成形体の成形装置において、前記水抜き孔がその中間部で型外に連通する通路に接続されている構成とした。
【0010】請求項2に記載の発明にかかる水硬性無機質成形体の製造方法(以下、請求項2の方法)は、2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を、通路を型外の雰囲気と遮断した状態で水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、通路を型外の雰囲気と連通した状態で一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程とを備えている構成とした。
【0011】請求項3に記載の発明にかかる水硬性無機質成形体の製造方法(以下、請求項3の方法)は、2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を、通路を型外の雰囲気と遮断した状態で水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、通路を介して外部から水抜き孔に水を注入しながら、一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、この1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程とを備えている構成とした。
【0012】請求項4に記載の発明にかかる水硬性無機質成形体の成形装置(以下、「請求項4の装置」と記す)は、閉合により型窩を形成する2つの分割型を有し、一方の分割型がその内部に加圧媒体を圧入することによってその型面が他方の分割型の型面に向かって膨出し、型窩内に充填された水硬性無機質成形材料を圧縮するようになっていて、他方の分割型が真空吸引手段により内部が減圧状態にされる吸引ボックスによってその外側を囲繞されており、吸引ボックス内に連通する多数の水抜き孔が他方の分割型の型面に穿設されている水硬性無機質成形体の成形装置において、前記吸引ボックスの底面が傾斜していて、傾斜の最上端に臨む位置にこの吸引ボックスへ洗浄水を送り込む洗浄水供給口が設けられており、傾斜の最下端に臨む位置に真空吸引手段に接続される吸引口が設けられている構成とした。
【0013】請求項5に記載の発明にかかる水硬性無機質成形体の製造方法(以下、請求項5の方法)は、2つの分割型を閉合し型窩内に水硬性無機質成形材料を充填するとともに、この充填された水硬性無機質成形材料中の余剰水分を水抜き孔から吸引脱水する1次脱水工程と、一方の分割型の型面を他方の型面側に膨出させ、この1次脱水された水硬性無機質成形材料を圧縮するとともに、他方の分割型の型面に穿設された水抜き孔から前記水硬性無機質成形材料中の余剰水分をさらに吸引脱水する2次脱水工程と、洗浄水供給口から洗浄水を吸引ボックス内に供給し、吸引ボックス内に進入した水硬性無機質成形材料の滓を洗浄し、洗浄水を吸引口から吸引排水する工程とを備えている構成とした。
【0014】上記構成において、両分割型は、特に限定されないが、繊維強化合成樹脂製のものが好ましい。この繊維強化合成樹脂に用いられる合成樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、補強繊維としてはガラス繊維や炭素繊維等が挙げられる。
【0015】一方の分割型の型面を膨出させるようにする構造としては、特に限定されないが、たとえば、分割型本体の表面に沿ってゴムなどの弾性体シートで型面を形成し、この弾性体シートと分割型本体との間に水や油などの加圧媒体を圧入して弾性体シートを伸長させて型面を膨出させる構造、型面に沿う部分を薄肉に形成し、この薄肉部の内側に中空部を設け、この中空部に加圧媒体を圧入して薄肉部を膨出させる構造などが挙げられる。
【0016】なお、薄肉部の厚みは、加圧媒体によって所定の割合で膨出すれば、特に限定されないが、たとえば、薄肉部をガラス繊維強化エポキシ樹脂で形成した場合、10mm厚程度が好ましい。
【0017】さらに、この成形装置には、水硬性無機質成形材料を型内に圧入した際、伸張して水抜き孔が穿設された型面に沿う伸縮性のろ布を他方の分割型に一体に設けておくことが好ましい。この伸縮性のろ布の材質としては、巻縮糸を使用した布地、多孔質ゴム、伸縮性アクリル繊維等が挙げられる。
【0018】水硬性無機質成形材料の注入圧としては、3kg/cm2 〜70kg/cm2 程度が好ましい。すなわち、3kg/cm2 を下回ると、成形は可能であるが緻密な成形物を得られなくなる恐れがあり、70kg/cm2 を超えると原料の注入管に原料が詰まる恐れがある。水抜き孔からの吸引脱水圧としては、−500mmHg〜−700mmHg程度が好ましい。すなわち、−500mmHgより高くなると成形材料中の余剰水分の充分な脱水を行うことができず、−700mmHgより低くなると、真空度が高過ぎて脱水時に材料の目詰まりを起こす恐れがある。
【0019】さらに、上記請求項1の装置の構成において、水抜き孔の径は、特に限定されないが、φ1mm〜5mm程度が好ましい。因みに、水抜き孔の径がφ1mm〜5mmの範囲である時、通路の径は、φ1mm〜5mmとすることが好ましい。すなわち、通路の径がφ1mm未満であると、通路の閉塞を起こす恐れがあり、φ5mmを越えると、通路に水硬性無機質成形材料の溜まりや気流の抑制を発生させる恐れがある。
【0020】また、上記請求項4の装置の構成において、吸引ボックスの底面の傾斜角度は、特に限定されないが、30度未満が好ましい。すなわち、角度が急になると、吸引ボックスの高さが高くなりすぎて、装置が大型化してしまう恐れがある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は請求項1の装置の実施の形態をあらわしている。
【0022】図1に示すように、この装置1aは、一方の分割型である上型2aと他方の分割型である下型3aと、吸引ボックス4aとを備えている。上型2aは、型本体21とその表面に沿って設けられ型面20を形成する弾性シートからなる弾性伸縮層22とから構成されている。
【0023】型本体21は、中空になっていて、注入管23を介してこの中空部24に水や油等の加圧媒体が注入できるようになっているとともに、この中空部24の弾性伸縮層22の添設面に小孔25が多数穿設されている。
【0024】弾性伸縮層22は、その周縁部のみが型本体21に一体化されていて、加圧媒体が中空部24に注入されると、加圧媒体の一部が多数の小孔25を介して弾性伸縮層22と型本体21の外壁面との間に入り込むため、この加圧媒体によって、弾性伸縮層22を外側に向かって膨出するようになっている。また、上型2aの型面中央には、水硬性無機質成形材料の注入管27が開口している。
【0025】一方、下型3aは、上型2aと閉合されることよって型窩11を形成するとともに、その型面30に裏面に貫通する多数の水抜き孔31が穿設されている。各水抜き孔31は、その中間部で開口するとともに、端部で型外に開口する通路32に連通している。通路32は、図示していないが、型外側の端部に開閉弁が設けられていて、この開閉弁の解締によって水抜き孔31を外気に解放したり、外気から隔離したりできるようになっている。
【0026】また、下型3aは、型窩11内に水硬性無機質成形材料が充填された時、伸長して下型3aの型面に沿う伸縮性を有するろ布6が一体に設けられている。吸引ボックス4aは、下型3aの下方に配置され、下型3aの水抜き孔31が形成された部分を外側から囲繞するとともに、真空吸引手段(図示せず)に接続される吸引口41が側壁面に設けられている。すなわち、水抜き孔31が吸引ボックス4a内に連通していて、真空吸引手段により吸引ボックス4a内が減圧されると、水抜き孔31を介して型窩11内の水硬性無機質成形材料中の余剰水分を脱水できるようになっている。
【0027】この装置1aは、上記のようになっており、つぎに詳しく説明する実施の形態のように、請求項2まはた請求項3の方法を効率よく実施することができる。すなわち、請求項2の方法は、まず、上下型2a,3aを閉合し、形成された型窩11内に注入管27を介して水硬性無機質成形材料を注入する。なお、この水硬性無機質成形材料の注入によってろ布6は、伸長して下型3aの型面に沿う。
【0028】つぎに、真空吸引装置を作動させて、吸引ボックス4a内を負圧とし、この吸引ボックス4a内に連通する水抜き孔31からろ布6越しに水硬性無機質成形材料中の余剰水分を1次脱水する。なお、この時、通路32は、開閉弁を締めた状態にしておく。
【0029】そして、1次脱水終了後、通路32の開閉弁を開放するとともに、加圧媒体を上型2aの中空部24に注入し、上型2aの型面である弾性伸縮材層22を下型3aの型面側に向かって膨出させて、型窩11内の水硬性無機質成形材料をさらに圧縮しながら、真空吸引装置を作動させて、吸引ボックス4a内を負圧とし、この吸引ボックス4a内に連通する水抜き孔31からろ布6越しに水硬性無機質成形材料中の余剰水分を2次脱水する。
【0030】最後に、真空吸引装置の作動を停止し、上型2aを下型3aから分離したのち、下型3aに残った賦形物を下型3aから取り出し、養生硬化させて水硬性無機質成形体を得るようになっている。
【0031】すなわち、この方法によれば、1次脱水工程で、脱水に伴って型窩11内と吸引ボックス4a内の圧力差が無くなり、それ以上の脱水性が悪くなっていても、2次脱水工程において、通路32の開閉弁を開放して、通路32を介して水抜き孔31を外気に連通した状態にし、型窩11から水抜き孔31を通って吸引ボックス4a内に達する気流以外に、通路32を通って型外から吸引される第2の気流を水抜き孔31の中間部から吸引ボックス4a内に向かって発生させ、この第2の気流によって型窩11内からの吸引を助長する。
【0032】したがって、緻密で強度的に優れた水硬性無機質成形体を安定して得ることができるようになる。
【0033】一方、請求項3の方法は、まず、上記請求項2の方法と同様にして1次脱水工程を行ったのち、2次脱水工程を実施するにあたり、通路32の開閉弁を開放し、その端部から洗浄水を通路32内に注入するようになっている。すなわち、通路32内に注入された洗浄水は、吸引ボックス4a内が負圧になっているため、水抜き孔31に流れ込み、水抜き孔31内に入り込んだ水硬性無機質成形材料の細かい成分等を洗い流して吸引ボックス4a内に入り込み、水硬性無機質成形材料の余剰水分とともに、吸引口41から真空脱水手段によって吸引排出される。
【0034】したがって、水抜き孔31が詰まらずつねに、良好な吸引脱水を行うことで、緻密で強度的に優れた水硬性無機質成形体を安定して得ることができる。
【0035】図2は請求項4の装置の実施の形態をあらわしている。この装置1bは、下型3bに上記装置1aのような通路32が設けられておらず、吸引ボックス45の底面46が傾斜しているとともに、傾斜の頂部に当たる吸引ボックス45の側壁面に洗浄水の注入口47が設けられていて、傾斜の最底部に当たる吸引ボックス45の側壁面に真空脱水手段(図示ぜず)に接続される吸引口48が設けられている以外は、上記装置1aと同様になっている。
【0036】そして、この装置1bは、上記のようになっており、つぎに詳しく説明する実施の形態のように、請求項5の方法を効率よく実施することができる。この方法は、まず、上記請求項2および3の方法と同様に1次脱水工程を実施したのち、加圧媒体を上型2aの中空部24に注入し、上型2aの型面である弾性伸縮材層22を下型3aの型面側に向かって膨出させて、型窩11内の水硬性無機質成形材料をさらに圧縮しながら、さらに水抜き孔31からろ布6越しに水硬性無機質成形材料中の余剰水分を2次脱水するようになっている。
【0037】そして、必要に応じて洗浄水注入口47から洗浄水を吸引ボックス4b内に注入し底面46を洗浄するとともに、洗浄水を吸引口48から吸引ボックス4b内に入り込んだ余剰水分とともに吸引排水するようになっている。すなわち、この方法によれば、余剰水分とともに、吸引ボックス4b内に入り込んだ水硬性無機質成形材料の細かい成分を洗浄水によって洗い流すことができるため、吸引ボックス4b内に水硬性無機質成形材料の細かい成分が溜まることがなく、常に、吸引ボックス4bの内部空間を一定の容積に保つことができ、一定の吸引圧で余剰水分を脱水することができる。
【0038】したがって、常に安定して緻密で強度的に優れた水硬性無機質成形体を得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明する。
(実施例1)各部の寸法が以下のような図1に示す装置、および、以下に示す組成の水硬性無機質成形材料を用意した。
【0040】〔装置の各部寸法〕
・上型:長さ900mm×幅500mm×高さ300mm・下型:長さ900mm×幅500mm×高さ300mm・下型の水抜き孔の径:φ3mm・水抜き孔のピッチ:50mm・通路の径:φ3mm【0041】
〔水硬性無機質成形材料の組成〕
・普通ポルトランドセメント(宇部興産社製) 100重量部・ビニロン繊維(クラレ社製 RM182 繊維長3mm) 2重量部・水 500重量部【0042】そして、上下型を閉合し、注入管より上記水硬性無機質成形材料を20kg/cm2 の圧力で型窩内に注入し、−600mmHgの吸引圧力によって1次脱水を行った。つぎに、通路を開放するとともに、弾性伸縮層と型本体との間に加圧媒体としての30kg/cm2 の加圧水を圧入し、上型の型面を下型側へ膨出させ型窩中の水硬性無機質成形材料に圧縮を加えつつ2次脱水を行った。
【0043】このようにして得た賦形物を型から取り出し、この賦形物の初期重量と110℃24時間後の絶乾重量から含水率を測定し、気中20℃一週間自然養生後、JIS A 5423の住宅屋根用化粧石綿スレートと同様にしてサンプルを切断し曲げ強度を測定した。
【0044】(比較例1)通路を開放せず、2次脱水を行った以外は、実施例1と同様にして賦形物を得た。この賦形物の初期重量と110℃24時間後の絶乾重量から含水率を測定し、気中20℃一週間自然養生後、JIS A 5423の住宅屋根用化粧石綿スレートと同様にしてサンプルを切断し曲げ強度を測定した。
【0045】上記実施例1および比較例1のサンプルの含水率と曲げ強度の結果を表1に示した。
【0046】
【表1】

【0047】表1から、請求項2の方法によれば、従来より緻密で強度的に優れた成形体をより安定して得られることがよくわかる。
【0048】(実施例2)実施例1と同様にして1次脱水を行ったのち、通路を開放して端部から水を通路内に供給し、さらに、実施例1と同様にして2次脱水を行う成形方法を1000回繰り返し、1000回後の賦形物の初期重量と110℃24時間後の絶乾重量から含水率を測定し、気中20℃一週間自然養生後、JIS A 5423の住宅屋根用化粧石綿スレートと同様にしてサンプルを切断し曲げ強度を測定した。
【0049】(比較例2)比較例1と同様の成形方法を1000回繰り返し、1000回後の賦形物の初期重量と110℃24時間後の絶乾重量から含水率を測定し、気中20℃一週間自然養生後、JIS A 5423の住宅屋根用化粧石綿スレートと同様にしてサンプルを切断し曲げ強度を測定した。
【0050】上記実施例2および比較例2のサンプルの含水率と曲げ強度の結果を表2に示した。
【0051】
【表2】

【0052】表2から、請求項3の方法によれば、緻密で強度的に優れた成形体を安定して得られることがよくわかる。
【0053】(実施例3)各部の寸法が以下のような図2に示す装置を用意した。
【0054】〔装置の各部寸法〕
・上型:長さ900mm×幅500mm×高さ500mm・下型:長さ900mm×幅500mm×高さ300mm・下型の水抜き孔の径:φ3mm・水抜き孔のピッチ:50mm・通路の径:φ3mm・吸引ボックス:長さ1000mm×幅600mm×高さ600mm・吸引ボックスの底面の傾斜角度:20度【0055】そして、上下型を閉合し、注入管より実施例1と同様の水硬性無機質成形材料を20kg/cm2 の圧力で型窩内に注入し、−600mmHgの吸引圧力によって1次脱水を行った。つぎに、弾性伸縮層と型本体との間に加圧媒体としての30kg/cm2 の加圧水を圧入し、上型の型面を下型側へ膨出させ型窩中の水硬性無機質成形材料に圧縮を加えつつ2次脱水を行う賦形物の成形を、1000回繰り返し行うとともに、各賦形物の成形毎に洗浄水を洗浄水注入口から吸引ボックス内に注入し、吸引ボックス内の洗浄を行った。
【0056】(比較例3)洗浄水による洗浄を行わず、実施例3と同様にして成形を1000回繰り返し行った。上記実施例3および比較例3の成形1000回を終わった時の吸引ボックスの底に溜まった堆積物の厚みを計ったところ、実施例3の場合、堆積物の厚みが2mmであったのに、比較例3の場合、堆積物の厚みが500mmとなっており、実施例2のように堆積物のほとんど無い場合に比べ、1000回目で得られた賦形物は、含水率が多く、この賦形物を硬化させた得た成形体の曲げ強度も低下していた。
【0057】
【発明の効果】本発明にかかる水硬性無機質成形体の成形装置および水硬性無機質成形体の製造方法は、以上のように構成されているので、より確実に余剰水分を脱水することができ、緻密で強度的に優れた成形体を安定して得ることができる。




 

 


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