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発明の名称 木質ボ−ドの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−151608
公開日 平成10年(1998)6月9日
出願番号 特願平8−327681
出願日 平成8年(1996)11月22日
代理人
発明者 樋口 晃司 / 池山 道高 / 今西 恵施
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 木材チップや木材ストランド等の木削片または木材ファイバ−にアミノ系接着剤を塗布しフォ−ミングマットを形成して後、所定厚みに熱圧成形して木質ボ−ドを製造する方法において、上記接着剤にレゾ−ル型フェノ−ル樹脂、硬化促進剤および親水性かつ親油性を有する溶媒を添加することを特徴とする木質ボ−ドの製造方法。
【請求項2】 前記アミノ系接着剤にレゾ−ル型フェノ−ル樹脂、硬化促進剤および親水性かつ親油性を有する溶媒のほか、さらにPH調整剤を添加することを特徴とする請求項1記載の木質ボ−ドの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パ−ティクルボ−ドや中質繊維板、配向性ボ−ドなど木質ボ−ドの製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】尿素樹脂や尿素メラミン樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノ−ル樹脂等、アミノ系樹脂を用いる木質ボ−ド、例えば中質繊維板(略してMDF)やパ−ティクルボ−ド(略してPB)、配向性ボ−ド(略してOSB)などは、製造工程中においてプレキュア(前硬化)によって接着力が低下する恐れがある。
【0003】例えば、PBの場合木材チップに上記樹脂を塗布した後、マット状に積層して熱圧成形することになるが、フォ−ミングマットがホットプレスによって所定の厚みに圧縮されるまで数十秒の時間を必要とするため、常に熱盤に接しているマット表面では表層用チップに塗布されている接着剤がプレキュアを起こしてその部分の接着剤の流動性を悪化させ、その結果PB表面付近の木材チップの接着力が弱くなるという欠点があった。
【0004】また、MDFの場合木材ファイバ−に上記接着剤を塗布した後、高温のフラッシュドライヤ−に木材ファイバ−を通して乾燥させていたので、加熱乾燥による接着剤のプレキュアが生じて接着剤の流動性を悪化させボ−ド全体の接着力が低下していた。
【0005】上記欠点を解消するために接着剤中にアンモニア、ヘキサミン、苛性ソ−ダ等のアルカリ性物質またはアルカリ性レゾ−ル型フェノ−ル樹脂(略してレゾ−ル樹脂)を添加してPH値を高め、接着剤の硬化を遅らせてプレキュアを抑制させる試みは既に行われていた。
【0006】しかしながら、アンモニア水やヘキサミン、苛性ソ−ダ等は、製造工程中の加熱によって本来の作用をなさずPH値が下がる傾向にあり、硬化遅延能力は十分でなかった。また、レゾ−ル樹脂のみの添加では硬化遅延能力は優れているものの、熱圧中の硬化速度が必要以上に遅く熱圧時間が長くなり、製造コストや製造効率の面で問題があった。
【0007】
【上記欠点を解消するための手段】請求項1の発明は、PB、MDF、OSBなど木質ボ−ドを製造する方法であり、木材チップや木材ストランド等の木削片や木材ファイバ−に水性のアミノ系樹脂接着剤を塗布・撹拌しマットを形成し所定厚さに熱圧成形し木質ボ−ドを製造するにあたり、上記アミノ接着剤に硬化遅延能力の優れたアルカリ性レゾ−ル型フェノ−ル樹脂(略してレゾ−ル樹脂)と硬化促進能力のある塩化アンモニウム等の硬化促進剤、さらに親水性かつ親油性の有する溶媒を添加することを特徴とする木質ボ−ドの製造方法を提供する。
【0008】上記レゾ−ル樹脂と硬化促進剤を配合した場合、PH低下のためレゾ−ル樹脂が水不溶性となって析出し、ポットライフが短くなるという問題があるので、親水性かつ親油性の有する溶媒すなわち、メチルアルコ−ルやエチルアルコ−ル等の水溶性アルコ−ルまたはアセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォオキシド(DMSO)などをさらに添加し、レゾ−ル樹脂の溶解性を上げることにより上記析出の問題を解決する。
【0009】また、上記硬化促進剤として他に、硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなどの強酸と弱アルカリの塩、酢酸メチルや酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステルが挙げられる。さらにアミノ系接着剤として尿素樹脂、尿素メラミン樹脂、メラミン樹脂、またはメラミンフェノ−ル樹脂などが適している。なお、上記接着剤の配合時のPH値は、8〜13のアルカリ性範囲であることが望ましい。
【0010】さらに、請求項2の発明は、アミノ系接着剤に添加するものとして請求項1の発明における添加剤のほかPH調整剤、すなわちアンモニア、ヘキサミンまたは苛性ソ−ダなどアルカリ性化合物を添加することを特徴とする木質ボ−ドの製造方法を提供する。接着剤配合時のPH値は、8〜13の範囲が望ましい。
【0011】このように接着剤のPH値を上げることによりポットライフが長くプレキュアを防ぎ、かつ熱圧時間を延長せずに木質ボ−ドの物性すなわち強度や耐水性に優れた木質ボ−ドの製造方法を提供する。
【0012】
【作用】請求項1の発明ではレゾ−ル樹脂の溶解性を高め、木質ボ−ド製造工程中の接着剤のプレキュアを抑制する。
【0013】請求項2の発明ではPH調整剤をさらに添加することにより、いっそうレゾ−ル樹脂の溶解性を高め、上記プレキュアをいっそう抑制する。
【0014】
【発明の実施の形態】接着剤の配合方法として樹脂分50%の水性アミノ系接着剤、例えばメラミン樹脂接着剤、および親水性かつ親油性を有する溶媒、例えばメタノ−ル、およびレゾ−ル樹脂、および硬化促進剤として塩化アンモニウム水溶液を各々添加撹拌し接着剤を調整する。
【0015】高含水率の湿潤ファイバ−に上記調整した接着剤を塗布し、フラッシュドライヤ−を通し、ファイバ−の含水率を20%以下にして乾燥させマット状にフォ−ミングする。次いで200℃、26kgf/cm2、数分の熱圧条件でホットプレスを行い、所定厚さ、所定比重の木質ボ−ド(MDF)を製造する。
【0016】このようにして得られたMDFは、塩化アンモニウムのみを配合に用いた接着剤を使って得られたMDFよりも曲げ強度における残存率およびはく離強度ともに高く、MDF内層の硬化が進んでいることがわかる。
【0017】
【実施例】さらに本発明の実施例を4つ詳しく説明する。実施例1〜2および比較例1はMDF、実施例3〜4および比較例2はPBを用いた場合の例である。
【0018】(実施例1)配合方法として樹脂分50%のメラミン樹脂接着剤200重量部にメタノ−ル3重量部、樹脂分40%レゾ−ル樹脂2.5重量部、20%塩化アンモニウム水溶液2.5重量部添加し撹拌して調整した。湿潤ファイバ−に上記調整した接着剤を樹脂固形分で15%塗布し、フラッシュドライヤ−を通し、含水率20%以下に乾燥させる。次いでファイバ−をマット状にフォ−ミングして200℃、26kgf/cm2の熱圧条件で3分間プレスを行った。この時の設定厚さ7mm、設定比重0.75とした。このようにして得られたMDFは、塩化アンモニウムのみを配合に用いた場合や塩化アンモニウムとヘキサミン(アルカリ物質)を添加した場合に比して常態強度こそ僅少差であるが、残存率やはく離強度ともに高くMDF内層の硬化が進んでいた。
【0019】(実施例2)配合方法として樹脂分50%のメラミン樹脂接着剤200重量部にメタノ−ル6重量部、樹脂分40%のレゾ−ル樹脂5重量部、20%塩化アンモニウム水溶液5重量部添加し、さらに20%アンモニア水1重量部加え撹拌して調整した。湿潤ファイバ−に上記調整した接着剤を樹脂固形分で15%塗布し、フラッシュドライヤ−を通し、含水率20%以下に乾燥させた。次いでファイバ−をマット状にフォ−ミングして200℃、26kgf/cm2の熱圧条件で3分間プレスを行った。この時の設定厚さ7mm、設定比重0.75とした。このようにして得られたMDFは実施例1よりもさらに内層の硬化が進んでおり、湿潤時曲げ強度やはく離強度、耐水性ともに向上した。
【0020】(比較例1)配合方法として樹脂分50%のメラミン樹脂接着剤に樹脂固形分に対して塩化アンモニウム1%、ヘキサミン1%を添加して接着剤を調整した。湿潤ファイバ−に上記調整した接着剤を塗布した後は、実施例1と同じである。なお、設定厚さ7mm、設定比重0.75とした。
【0021】(実施例3)樹脂分50%の尿素樹脂接着剤200重量部に、樹脂分40%レゾ−ル樹脂5重量部、エタノ−ル10重量部、粉末塩化アンモニウム1重量部を添加し撹拌し表層用接着剤を調整した。この接着剤を絶乾木材チップ100重量部に対し樹脂固形分で12重量部塗布して表層用チップとした。また、樹脂分50%の尿素接着剤200重量部に塩化アンモニウム2重量部添加し撹拌し内層用接着剤を調整した。この接着剤を絶乾木材チップ100重量部に対し樹脂固形分で7重量部塗布して内層用チップとした。このように表層用チップと内層用チップを交互に積層して3層マットを構成しホットプレスに挿入し、170℃、25kgf/cm2の熱圧条件で3分間プレスし、厚さ12mm、設定比重0.73のPBを成形した。得られたPBはサンダ−がけしても、従来見られたプレキュア層による表面ザラザラの凹凸感がほとんどなく平滑性が保持された。曲げ強度も225kgf/cm2と従来のPBの曲げ強度より高かった。
【0022】(実施例4)樹脂分50%の尿素樹脂接着剤200重量部に樹脂分40%のレゾ−ル樹脂8重量部、メタノ−ル15重量部、粉末塩化アンモニウム2重量部添加し、さらに25%のヘキサミン水を1重量部添加し表層用接着剤を調整した。この接着剤を絶乾木材チップ100重量部に対し、樹脂固形分で15重量部塗布して表層用チップとした。また、樹脂分50%の尿素メラミン樹脂接着剤200重量部に塩化アンモニウム2重量部添加し撹拌し内層用接着剤を調整した。この接着剤を絶乾木材チップ100重量部に対し樹脂固形分で10重量部塗布して内層用チップとした。このようにして得られた表層用チップと内層用チップを交互に積層して3層マットを構成しホットプレスに挿入し、170℃、25kgf/cm2の熱圧条件で3.5分間プレスし、厚さ15mm、設定比重0.73のPBを成形した。得られたPBはサンダ−がけしても、実施例3と同じように表面の平滑性は保持された。曲げ強度も230kgf/cm2と従来のPBの曲げ強度より高かった。
【0023】(比較例2)配合方法として樹脂分50%の尿素樹脂接着剤に樹脂固形分に対して表層用の場合、塩化アンモニウム1%、ヘキサミン1%を添加し、内層用の場合、塩化アンモニウム1%添加し、接着剤を調整した。その他の製造工程は実施例4と同じようにした。このようにして得られたPBは厚さ15mm、設定比重0.73とした。
【0024】以上4つの実施例および2つの比較例で製造されたMDF、PBの試験片についてJIS規格に示されている曲げ強度試験、湿潤時曲げ強度B試験、およびはく離強度試験を行った。その試験結果を表1および表2に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】なお、上記試験方法として曲げ強度試験では、所定厚さ(mm)、幅50mm、長さ200mm、スパン長150mmの試験片を準備し、この試験片表面中央から荷重を加えその最大荷重を測定した。湿潤時曲げ強度B試験では、所定厚さ(mm)、幅50mm、長さ200mm、スパン長150mmの試験片を沸騰水中に2時間浸漬、さらに常温水中に1時間浸漬した後、濡れたままの状態で上記した試験方法で同じように行った。はく離強度試験では、所定厚さ(mm)、幅50mm、長さ50mmの試験片をはく離試験治具に取り付け、試験片の内部はく離試験を行って内部はく離力を求め、その値を試験片面積25cm2で割って1cm2当たりの内部はく離応力(kgf/cm2)を求めた。上記曲げ強度(kgf/cm2)は3PL/2bt2であり、ここでPは最大荷重、Lはスパン長、bは試験片の幅、tは同厚さである。また表の中、残存率(%)は湿潤時曲げ強度B(kgf/cm2)を曲げ強度(kgf/cm2)で割って100を乗じた値であり、耐水性の度合いを示す。
【0028】(考察)上記表1から明らかなように、各々実施例の試験片は比較例の試験片に比べて常態曲げ強度および湿潤時曲げ強度Bは高くなっている。さらに、表2から明らかなように、曲げ強度やはく離強度が比較例に比べて高いことから、表層のプレキュアが抑制され、内層まで硬化が進んでいることがわかる。
【0029】また、表1から明らかなように、耐水性やはく離強度においても比較例のそれに比べて高い値を示しており、この結果からボ−ドの内層まで硬化が進んでおり、フラッシュドライヤ−通過時でのプレキュアによる接着不良等が抑制されたものと思われる。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明によれば木質ボ−ドの製造工程中、接着剤のプレキュアを抑制することで、木質ボ−ド中の木削片間やファイバ−間を結合する接着剤の接着力が従来より高まり、木質ボ−ドの曲げ強度やはく離強度、耐水性の向上が見られた。
【0031】請求項2の発明によれば、さらに上記接着剤にPH調整剤を添加することによって、請求項1の発明よりもレゾ−ル樹脂の溶解度を高め、その結果PH値を高め、ポットライフがボ−ド製造に支障を起こさないように保持される。したがって、プレキュアがいっそう抑制され、木質ボ−ドの強度、耐水性も向上した。




 

 


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