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発明の名称 木質材の寸法安定化処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−95003
公開日 平成10年(1998)4月14日
出願番号 特願平8−250355
出願日 平成8年(1996)9月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
発明者 西尾 治郎 / 木村 高志 / 瀬戸 友加里
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 木質材を密封空間内に収容し、該密封空間内への高圧水蒸気の導入及び該密封空間内の圧解放とからなるサイクルを、同じ密封空間内において連続して、少なくとも2回以上繰り返すことにより該木質材の寸法安定化を図ることを特徴とする木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項2】 密封空間内への高圧水蒸気の導入に先立ち該密封空間内の減圧を行うことを特徴とする請求項1記載の木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項3】 前記減圧を各サイクルごとに行うことを特徴とする請求項2記載の木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項4】 前記密封空間を予め加熱しておき、そこに木質材を収容することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項5】 前記密封空間内で木質材を加圧圧縮しながら前記処理を行なうことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項6】 前記密封空間は2枚のプレス盤の間に形成されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の木質材の寸法安定化処理方法。
【請求項7】 前記密封空間内の減圧及び高圧水蒸気の導入を該プレス盤を介して行なうことを特徴とする請求項6記載の木質材の寸法安定化処理方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質材の寸法安定化処理方法に関し、特に、木質材の内部に高圧水蒸気を供給することにより木質材の寸法安定性を向上させるようにした木質材の処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】木材は水分の吸放出により膨潤又は収縮する。このことは無垢の挽き板、木材薄板(厚さ0.2mm〜10mm程度)やパーチクルボード、MDF、OSB、合板等でも同様である。建築用あるいは家具用材料として木質材を用いる場合には、環境により木質材が膨潤又は収縮することは好ましくなく、環境に左右されない寸法安定性を持つことが望まれる。
【0003】そのための対策として、プレス盤で木質材を上下に挟持してオートクレーブ内に入れ、高圧水蒸気で数分間処理して木質材の寸法安定化を図る方法等が行われている。しかし、この方法は設備が大がかりであることに加え、木質材内部(中央部)への高圧水蒸気の浸透が難しく、木質材の中央部と周辺部での処理状態が異なる場合が生じる。
【0004】本出願人は、その不都合を解消すべく、従来の木材処理で用いられる熱盤を持つ平盤プレスの熱盤間に、自然乾燥状態にある木質材を配置し、その周囲に弾性シリコン材等の弾性密封材料を配置して密封状態とした後、上下の熱盤に設けた蒸気供給孔から高圧水蒸気を供与して、木質材に含まれる水分を水蒸気化させ、木質材の寸法安定化を図る方法を提案した(特開平6−238616号公報)。この処理方法は、通常の熱盤を持つ平盤プレスを用いて木質材の寸法安定化処理を行うことから、処理が簡素化される利点がある。また、この処理において、本発明者らの実験によれば、約150℃〜230℃に近い温度の高圧水蒸気(飽和水蒸気又は過熱水蒸気)を密封空間内に供給し、木質材を約180℃〜200℃に近い温度まで昇温させて、木質材の含水率分の水分を水蒸気化させることにより有効に処理が進行することを経験している。
【0005】上記した高圧水蒸気による木質材の寸法安定化処理は、木質材に高い寸法安定性をもたらすと共に、フェノールやホルマリンのような薬剤を使わず、処理後も薬剤が残らないクリーンな処理方法であることからも有用なものである。
【0006】本発明者らは、一層均質に安定化処理が施された木質材を得るべくさらに研究を行い、寸法安定化処理に際して、木質材を収容した密封空間内を減圧し、そこに高圧水蒸気を導入することが有効であることを知覚し、それに基づき、さらに改良された木質材の寸法安定化処理方法を提案している(特願平8−45173号)。この方法を取ることにより、高圧水蒸気が木質材内部にまで確実に透過しかつ均一に供給され、処理木質材に一層均質でかつ高い寸法安定性を付与することができることを確認した。
【0007】さらに、これまでの木質材の高圧水蒸気処理では、常温、常態にある木質材、すなわち、含水率が低くても7%〜10%程度であり、温度が15℃〜25℃程度である自然乾燥状態にある木質材をそのまま熱盤プレス間等に形成された密封空間に配置して処理を行うようにしており、当該木質材に含まれる水分が水蒸気化する温度までに木質材を昇温させ、かつ、高い含水率の水分を高圧水蒸気化するのに、前記のように約150℃〜230℃程度の高圧水蒸気の持つエネルギーを主として使用しており、この高圧水蒸気の製造に高い製造コストを必要としていること、また、木質材の昇温に長い時間を要していることに着目し、それを解消するものとして、処理すべき木質材に対して別途用意した乾燥施設により加熱乾燥処理を施し、自然乾燥状態による含水率より低い含水率とし、該加熱乾燥処理が施された木質材を密封空間内に収容し、該密封空間内に高圧水蒸気を供給することにより該木質材に寸法安定化処理を施すようにした方法も提案している(特願平8−192426号参照)。
【0008】この処理方法によれば、従来法に比較して、短い高圧水蒸気処理時間で従来品と同等の処理効果を上げることができ、高圧水蒸気の製造にかかるコストを低減でき、処理単価を下げることが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すでに提案している上記の方法は、エネルギーコストの低減に資するものであり有効なものであるが、前記のように、処理すべき木質材に対して予め加熱乾燥処理を施すことを必要とし、そのために乾燥施設を別途用意する必要がある。また、乾燥済みの木質材を乾燥施設から高圧水蒸気処理施設へ移動する必要であり、移動の手間と共に一時保管場所等も必要となる。
【0010】そのような設備的また場所的制約を受けることを配慮しつつ、木質材の高圧水蒸気処理についてさらに研究と実験を継続する過程において、自然乾燥状態の木質材を高圧水蒸気処理施設の密封空間内に置き、そこで、高圧水蒸気導入と圧解放とを1サイクルとする処理を同じ密封空間内において複数回繰り返すことにより、木質材を予備加熱乾燥しなくても、短い処理時間で予備加熱乾燥をした場合と同等の処理効果を上げることができることを知覚した。
【0011】本発明の木質材の寸法安定化処理方法は、上記知覚に基づくものであり、基本的に、木質材を密封空間内に収容し、該密封空間内への高圧水蒸気の導入及び該密封空間内の圧解放とからなるサイクルを、同じ密封空間内において連続して、少なくとも2回以上繰り返すことにより該木質材の寸法安定化を図ることを特徴とする。
【0012】本発明において、処理すべき木質材に特に制限はなく、単板等の無垢材や合板だけでなく、中質繊維板(MDF)、配向性ボード(OSB)やパーチクルボード(PB)等の木質加工材料も処理可能である。木質加工材料の場合に、プレス盤により加圧圧縮を施しながら本発明の処理を行なうことは、圧密化処理と共に寸法安定化を処理を行うことができることから、特に有効である。また、本発明において用いる処理木質材は自然乾燥状態のものであってよく、特別の加熱乾燥施設による予備乾燥処理は必要としない。
【0013】前記木質材は密封空間内に収容される。該密封空間は、高圧水蒸気の導入と圧解放が可能であり、また、好ましくは密封空間内の減圧が可能であることを条件に、従来用いられている木質材処理用の耐圧型圧力容器による密封空間であってもよく、木質材の圧締や複合材の製造に従来用いられる平盤プレスに装着されるプレス盤の間に形成される密封空間であってもよい。
【0014】密封空間内の減圧が可能である場合には、好ましくは、第1回目の高圧水蒸気の導入に先立って、密封空間内の減圧を行う。本発明者らの実験によれば、予め減圧された空間内に高圧水蒸気の導入することにより、圧解放後の木質材の含水率低下は促進され、かつ、木質材の中央部まで寸法安定化処理が均一に施されることを確認した。減圧は700mmHg〜750mmHg程度が好ましく、本発明者らの実験によれば、750mmHg程度の減圧で十分な効果が得られた。なお、この減圧は、各サイクルでの高圧水蒸気導入に先立って行うようにしてもよく、その場合には、より少ない高圧水蒸気供給量で(すなわち、より短い高圧水蒸気処理時間で)処理効果が期待できる利点がある。
【0015】前記耐圧型圧力容器又はプレス盤は、熱源を有するもの、有しないものいずれであってもよいが、熱源を有するものが特に推奨される。熱源としては、耐圧型圧力容器あるいはプレス盤に組み込まれたヒーターあるいはバンドヒーター等の電気的加熱手段、加熱蒸気、マイクロウェーブを含む高周波加熱、等任意であり、該熱源によって予め昇温状態とされた密封空間内に木質材を収容する。昇温温度は、好ましくは、高圧水蒸気による寸法安定化処理が木質材において進行する温度範囲(180℃〜200℃程度)である。
【0016】木質材を収容した密封空間内に好ましくは150℃〜230℃程度の飽和水蒸気又は過熱水蒸気(飽和水蒸気より高い温度の水蒸気)である高圧水蒸気を導入する。高圧水蒸気の圧力は、処理すべき木質材の種類等によって相違するが、数kgf/cm2 〜30kgf/cm2 であってよい。
【0017】密封空間への高圧水蒸気の供給及び必要な場合の前記密封空間内の減圧の方法は任意であるが、例えば、密封空間がプレス盤の間に形成され、かつ、プレス盤が外部に連通する多数の細孔を有するものである場合には、一方のプレス盤の該細孔を従来公知の高圧水蒸気発生源に適宜の配管及び弁手段等を介して接続し、他方のプレス盤の細孔を従来公知の好ましくは耐熱性の真空ポンプあるいは吸引ブロアー等の真空引き源にやはり適宜の配管及び弁手段等を介して接続することにより可能である。
【0018】高圧水蒸気の供給及び減圧の他の方法として、上下のプレス盤と木質材との間に、多数の細孔を有しかつ耐圧性、耐熱性を有する別部材を配置して行なうようにしてもよい。その場合には、一方の前記別部材を高圧水蒸気発生源に接続し、他方の前記別部材を真空引き源に接続する。それにより、前記別部材の細孔を介して木質材に高圧水蒸気の供給し、かつ真空引きすることが可能となる。この種の別部材の好ましい態様は処理すべき木質材を収容できる内部空間を持つ箱状部材と該内部空間を密閉する蓋部材とから構成される。
【0019】密封空間内の減圧を行う場合には、噴出する高圧水蒸気は、噴出力に加えて吸引力の作用を受け、運動エネルギーが増大する。それにより、従来法よりも短時間で木質材の内部にまで確実に透過し、かつ等しくかつ均一に行き渡る。その結果、寸法安定化処理が速やかにかつ全域にわたり迅速に進行する。
【0020】第1サイクルの高圧水蒸気導入を所要時間行った後、密封空間内の圧解放を行う。高圧水蒸気導入時間は、高圧水蒸気による寸法安定化処理が進行する温度(180℃〜200℃程度)にまで当該木質材が昇温するまでは少なくとも継続して行うことが好ましい。圧解放は所定の温度に昇温した後に直ちに行ってもよく、高圧水蒸気の導入を停止してしばらく放置した後に行うようにしてもよい。
【0021】圧解放後、直ちに、又は1分〜2分間程度の放置して解圧バルブを締めた後、再び、第1サイクル目と同じ処理を同じ密封空間において繰り返す。その際に、第2サイクル目以降においても、「密封空間内の減圧」処理は任意であり、行う場合には高圧水蒸気処理時間を短くできる利点がある。また、第2サイクル目以降での「密封空間内への高圧水蒸気の導入」処理時間は第1サイクル目でのそれよりも長い時間とすることが好ましい。それは、本発明者の実験によれば、第1サイクル目(あるいは、3サイクル以上行う場合での初期段階での数回のサイクル)は、高含水率かつ常温の木質材が密封空間内で加圧条件下で180℃〜200℃程度までの昇温を受け、次の圧解放により、供給された水蒸気と共に木質材内部の水分も外部に放出されてその含水率を3%程度にまで低下させる段階であり、木質材の昇温には長い時間を必要としないことによる。また、含水率が低下した後に木質材に対して従来と同様の高圧水蒸気処理が施す場合に、比較的長時間に亘って、連続して高温高圧条件におくことが効果的であることを知覚したことによる。
【0022】前記のようにして処理サイクルを繰り返し、所要の寸法安定化処理が達成された時点で処理を終了し、密封空間から処理済み木質材を取り出す。本発明者らの実験によれば、上記の方法により処理された木質材は、無処理のものと比較して高い寸法安定性が得られ、前記サイクルを繰り返さないで処理したものと比較してより短い処理時間で同程度の寸法安定性が得られ、また、予め含水率を低下させた木質材を用いて処理する場合と比較して、同程度の高圧水蒸気処理時間でありながら同程度の寸法安定性が得られた。
【0023】本発明の方法により上記のような効果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、(必要に応じて行う減圧)→高圧水蒸気導入→圧解放、を1サイクルとする処理を複数回繰り返すことは、木質材に対して、高圧水蒸気の過度の流動と圧の上下変動を反復して与えることとなり、そのために、処理すべき木質材の木質エレメント中の壁孔が破壊されて、処理効果が迅速にかつ中央部にまで及ぶことによると解される。事実、実験では、エレメントの大きな材料(無垢材、ブロックボード、合板等において、特に高い処理効果が得られている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明する。図1は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の一例である。図において、1a、1bは、従来の木材処理で用いられる平板プレスに装着されると同様のプレス盤であり、それぞれに熱源としてのヒータ2a、2bが設けられ、さらに、処理すべき木質材Wと衝接することとなる表面部分には多数の細孔3a、3bが形成されている。上方のプレス盤1aに形成された細孔3aは配管4a及び開閉弁Vを介して高圧水蒸気発生源Sに接続しており、下方のプレス盤1bに形成された細孔3bは配管4bを介して真空ポンプVPに接続している。配管4bには三方弁VTを介して分岐管4cが接続しており、該分岐管4cの他端は大気に解放している。真空ポンプに変えてブロアー(図1には示されない)を用いてもよい。
【0025】この装置を用いて本発明による処理方法を実施するに際しては、先ず、処理すべき平板状の木質材Wを、下方のプレス盤1bの該細孔3bが形成されている位置に載置する。一方、上方のプレス盤1aには前記木質材Wを収容できる位置にステンレス材等からなる方形状の厚さ規制治具10をネジ止め(図示されない)等により固定する。図中、11は厚さ規制治具10の下端縁に取り付けた弾性シール材である。この厚さ規制治具10は下方のプレス盤1bに固定的に取り付けてもよく、いずれの場合であっても、厚さ規制治具10の高さは、木質材Wの厚さと同じであるか幾分低いものとする。
【0026】次に、プレス盤1a、1bを該厚さ規制治具10により規制されるまで接近させ、停止させる。図示しないが、前記のように木質材Wの周囲に密封材料を配置して、プレス盤1a、1bの間に密封空間を形成するようにしてもよい。
【0027】その状態で、高圧水蒸気発生源S側の配管4aに設けた開閉弁Vを閉じ、真空ポンプVP(又は、ブロアー)を作動し、かつ三方弁VT を操作して、下方のプレス盤1bに形成した細孔3bから真空引きを行なう。所定圧に減圧した時点で、三方弁VT を操作して配管4bを閉鎖する。次に、高圧水蒸気発生源S側の配管4aに設けた開閉弁Vを開き、プレス盤1aに形成した細孔3aから高圧水蒸気を密封空間内に噴出する。細孔3aから木質材Wに向けてあるいは密封空間に向けて噴出する水蒸気は、噴出力に加えて吸引力による力を受け、木質材の木質材Wの内部にまで容易にかつ均一に到達し、木質材Wは内部水分が水蒸気化する温度に達する。
【0028】所望量の高圧水蒸気の噴出を終えた後、三方弁VT を操作して密封空間を分岐管4cを介して大気に解放し、圧の解放を行う。解圧により、供給した水蒸気と共に木質材の内部水分も放出されて、木質材の含水率は低下する。これで、1回目のサイクルは終了する。圧解放後、好ましくは1分〜5分程度経過した後に、2回目のサイクルとして、再び、三方弁VT を操作して密封空間を真空ポンプVP側に接続し、密封空間内の減圧を行う。木質材の含水率が所定値(3%程度)になるまで、以下同様の操作を必要回数繰り返す。その際に、高圧水蒸気導入処理の時間を次第に長くしていくことは有効である。
【0029】木質材が所定の含水率となった時点で、再度、前記サイクルを反復する。但し、この場合には、これまでよりも長い時間高圧水蒸気の供給を行うことが望ましい。また、2回目以降のサイクルにおいて最初の減圧操作を行うことは必ずしも必要ない。必要回数だけ上記サイクルを繰り返し、所定の寸法安定処理が達成された時点で、必要に応じて冷却工程を行ないながら、木質材を取り出し、本発明による木質材の寸法安定化処理方法は終了する。
【0030】図2は本発明の木質材の寸法安定化処理方法を実施する装置の他の例を示している。この例は、プレス盤に外部に連通する細孔が設けられていない平板プレスを本発明の処理方法に用いる場合に好適な例であり、蒸気噴出用の細孔23aを有する平板状の第1の別部材20aがネジ21aを用いて上方のプレス盤1aに固定され、さらに、真空引き用の細孔23bを有する平板状の第2の別部材20bがネジ21bを用いて下方のプレス盤1bに固定されている。そして、それぞれの細孔23a、23bは、図1に示した装置の場合と同様に、高圧水蒸気発生源S及び真空ポンプVPに接続している。この装置の使用方法は図1の場合と実質的に同じである。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。
〔実施例1〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるMDFを、ヒーター加熱により前もって195℃に加温した寸法16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し、容器内を1サイクル目、750mmHgまで減圧した後、容器内部に15kgf/cm2 、195℃の飽和水蒸気を3分間導入した。解圧弁を開いて容器内部を解圧した。解圧後のMDFの含水率は3.3%であった。1分後に、解圧弁を閉じ内部を密封した後、2サイクル目として、同じ飽和水蒸気を6分間導入した。その後、再度解圧弁を操作して常圧に戻し、処理済のMDFを取り出した。
【0032】〔比較例1〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるMDFを、熱風温度150℃、風速25mのジェットドライヤーによって、ボード温度136℃、ボード含水率3.5%にまで下げた後に、ヒーター加熱により195℃に加熱した寸法16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し、750mmHgまで減圧した後、容器内部に15kgf/cm2、195℃の飽和水蒸気を10分間導入した。処理後に解圧弁を操作して容器内部を常圧に戻し、処理済のMDFを取り出した。
【0033】〔比較例2〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるMDFを、ヒーター加熱により前もって195℃に加温した寸法16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し700mmHgまで減圧した後、容器内部に15kgf/cm2 、195℃の飽和水蒸気を20分間導入した。蒸気の供給を停止した後、解圧弁を開いて常圧に戻し、処理済の木質材を取り出した。
【0034】〔実施例2〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるパーチクルボードを、ヒーター加熱によって前もって195℃に加温した寸法16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し、容器内を1サイクル目、700mmHgまで減圧した後、容器内部に17.5kgf/cm2 、205℃の飽和水蒸気を1分間導入した。その後、解圧弁を開いて容器内部を解圧した。1分後に、2サイクル目として、解圧弁を閉じ密封した後、容器内部を700mmHgまで減圧し、その後に容器内部に同じ飽和水蒸気を2分間導入した。解圧後のパーチクルボードの含水率は3.5%であった。次に、3サイクル目として、容器内を密封し、700mmHgまで減圧した後、容器内部に15kgf/cm2 、205℃の飽和水蒸気を10分間導入した。処理後に解圧弁を操作して容器内部を常圧に戻し、処理済のパーチクルボードを取り出した。
【0035】〔比較例3〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるパーチクルボードを高周波加熱によってボード温度146℃、含水率3.7%にした後、蒸気加熱によって前もって205℃に加温した寸法が16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し、700mmHgまで減圧した後、容器内部に17.5kgf/cm2 、205℃の飽和水蒸気を15分間導入した。その後、解圧弁を開いて容器内部を解圧し、処理済のパーチクルボードを取り出した。
【0036】〔比較例4〕寸法が15×300×1800mmで、常温での含水率7.7%であるパーチクルボードを、蒸気加熱によって前もって205℃に加温した寸法が16×330×1850mmの耐圧容器内に配置した。この容器内を密封し、700mmHgまで減圧した後、容器内部に17.5kgf/cm2 、205℃の飽和水蒸気を25分間導入した。その後、解圧弁を開いて容器内部を解圧し、処理済のパーチクルボードを取り出した。
【0037】〔評価試験〕前記の実施例1、2、比較例1〜4、及び、実施例及び比較例で用いた木質材であって無処理のものについて、厚さ膨張率及び剥離強さ(kgf/cm2 )を測定した。その結果を表1に示す。なお、厚さ膨張率は(T1 −T0 )/T0 ×100であり、ここで、T0 =絶乾時の厚さ、T1 =飽水時の厚さ。また、剥離試験は、5cm角試験片を剥離試験治具に取り付け、試験片の内部剥離試験を行って内部剥離力を求め、その値を試験片面積25cm2 で割って1cm2 当たりの内部剥離応力を求めた。
【0038】
【表1】

【0039】〔考察〕表1に示されるように、本発明品では、(減圧→)高圧水蒸気導入→圧解放、を1サイクルとする処理を2回又は3回繰り返すことにより、無処理のもの比較して高い寸法安定性が得られ、前記サイクルを繰り返さないで処理したもの(比較例2、4)と比較してより短い処理時間で同程度の寸法安定性が得られ、また、予め含水率を低下させた木質材を用いて処理したもの(比較例1、3)と比較して、同程度の高圧水蒸気処理時間でありながら同程度の寸法安定性が得られることが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明による木質材の寸法安定化処理方法によれば、従来法に比較して、短い高圧水蒸気処理時間で同等の処理効果を上げることができる。それにより、高圧水蒸気の製造にかかるコストを低減でき、処理単価を下げることができる。また、処理木質材に対して予備乾燥を施す必要がないことから、乾燥施設に要する経費や設置場所が不要であり、また、予備乾燥後に高圧水蒸気処理にいたるまでの間に木質材が吸湿してしまうことにより生じるロスも回避される。




 

 


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