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発明の名称 複合材の成形型および複合材の成形方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−180892
公開日 平成10年(1998)7月7日
出願番号 特願平8−348717
出願日 平成8年(1996)12月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外2名)
発明者 関 口 雅 幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】繊維強化樹脂複合材製の成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成された成形型表面板と、この成形型表面板を内側から支持する補強枠体と、前記成形型表面板に設けられて補強枠体側に突出する複数のスタッドボルトと、各スタッドボルトを補強枠体に固定する固定金具と、前記成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成され成形型表面板と補強枠体との間に介装されて成形型表面板のモールドラインを変化させるシムとを具備することを特徴とする複合材の成形型。
【請求項2】シムは、スタッドボルト用の挿通孔を有していることを特徴とする請求項1記載の複合材の成形型。
【請求項3】成形しようとする繊維強化樹脂複合材成形品の複合材と同等の熱膨脹率を有する複合材で成形型表面板を形成し、複数のスタッドボルトを成形型表面板に内側に突出するように設け、成形型表面板を内側から補強枠体で支持し、各スタッドボルトを補強枠体に固定し、成形型表面板と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成したシムを成形型表面板と補強枠体との間に介装し、介装するシムにより成形型表面板のモールドラインを変化させることを特徴とする複合材の成形方法。
【請求項4】シムは、成形型表面板の上に複合材を積層して硬化させて成形した成形品を上記成形型表面板から外した時の上記成形品のモールドラインと正規モールドラインとの差に基づいて製作されることを特徴とする請求項3に記載の複合材の成形方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の外板やフェアリング等の構造部材となる熱硬化性繊維強化樹脂複合材の成形型および複合材の成形方法に係り、特に、曲面や複曲面等の複雑形状の成形品を精度よく成形することができる複合材成形型および複合材の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複合材部品の成形型として、特願昭63−102933号に示されているように、成形型を金属材料で構成し、成形後の寸法・角度変化を予め織り込んで成形型各部の寸法を設定するものや、実開平1−156024号公報に示されているように、成形型表面板と補強枠体を成形すべき複合材と同等の熱膨脹率を有する複合材で構成し、補強枠体と成形型表面板との間に隙間を持たせ、補強枠体と成形型表面板をアングル材を介し部分的に接合するものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複合材部品の成形型を金属材料で構成したものは、成形品が曲面や複曲面等の複雑形状の場合に、成形品自体の変形(寸法・角度変化)予測が困難であるため、成形型に成形品の変形を予め織り込むことができないという問題がある。
【0004】また、複合材部品の成形型を複合材で構成したものは、成形型と成形品との間の熱膨脹差に起因する変形は防止することができるが、複合材の成形品が材質(繊維・樹脂)、積層繊維配向、板厚、形状あるいは成形プロセス等によっても変形するため、このような要因による成形品の変形は防止することができないという問題がある。
【0005】そして、このような変形が成形型に発生した場合、航空機の構造組立において重要となる外表面の部品のモールドが合致しない等の重大な問題が生じ、この場合には、成形型の改修・再作が必要となり、過大なコストおよび時間がかかるという問題がある。
【0006】本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、成形品が曲面や複曲面等の複雑形状の場合であっても、成形後の成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することができる複合材の成形型および複合材の成形方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、モールドラインの変更が容易で、かつ正確に行なうことができることにある。
【0008】本発明の他の目的は、成形型表面板の端部から中央部までのモールドラインの調整が可能で、かつ調整後の形状保持を安定させることができることにある。
【0009】本発明の他の目的は、スタッドボルトの引張・圧縮による成形型表面板の局部的な変形を防止することができることにある。
【0010】本発明の他の目的は、成形品の硬化中にシムがずれてモールドラインが変化するのを防止することができることにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、成形品の品質を大幅に向上させることができることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材の成形型は、繊維強化樹脂複合材製の成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成された成形型表面板と、この成形型表面板を内側から支持する補強枠体と、前記成形型表面板に設けられて補強枠体側に突出する複数のスタッドボルトと、各スタッドボルトを補強枠体に固定する固定金具と、前記成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成され成形型表面板と補強枠体との間に介装されて成形型表面板のモールドラインを変化させるシムとを有し、シムの板厚調整で成形型表面板のモールドラインを自在に変化させることが可能となり、成形品が曲面や複曲面等の複雑形状の場合であっても、成形後の成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することが可能となるとともに、モールドラインの変更が容易で、しかも正確に行なうことが可能となる。
【0013】また、本発明の複合材の成形型では、各スタッドボルトを成形型表面板に一体化されているので、成形型表面板の端部から中央部までのモールドラインの調整が可能となり、また、各スタッドボルトは、固定金具を介し補強枠体に固定されているので、成形型表面板の形状保持を安定させることが可能となり、成形型表面板上で真空引きを行なっても、成形型表面板が反るおそれがない。
【0014】さらに、本発明の複合材の成形型では、成形型表面板と補強枠体との間にシムが介装されているので、スタッドボルトの引張・圧縮による成形型表面板の局部的な変形を防止することが可能となり、またシムは、成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成されているので、熱膨脹により成形型表面板のモールドラインが変化してしまうおそれがなく、また、シムに、スタッドボルト用の挿通孔を設けてあるので、成形品の硬化中にシムがずれてモールドラインが変化するといった不具合がない。
【0015】本発明の複合材の成形方法は、成形しようとする繊維強化樹脂複合材成形品の複合材と同等の熱膨脹率を有する複合材で成形型表面板を形成し、複数のスタッドボルトを成形型表面板に内側に突出するように設け、成形型表面板を内側から補強枠体で支持し、各スタッドボルトを補強枠体に固定し、成形型表面板と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成したシムを成形型表面板と補強枠体との間に介装し、介装するシムにより成形型表面板のモールドラインを変化させ、改修モールド成形型を完成し、この改修モールド成形型により成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することを可能にする。
【0016】本発明の複合材の成形方法によれば、成形品が材質(繊維・樹脂)、積層繊維配向、板厚、形状あるいは成形プロセス等の要因で変形することがあっても、この変形量をシムで補正し、成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することを可能にする。
【0017】本発明の複合材の成形方法では、シムを成形型表面板の上に複合材を積層して硬化させて成形した成形品を上記成形型表面板から外した時の上記成形品のモールドラインと正規モールドラインとの差に基づいて製作するようにすることで、成形品の精度がより高くなり、成形品の品質を大幅に向上させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の態様を図面を参照して説明する。
【0019】図1は、本発明の実施の一形態に係る複合材の成形型を示すもので、この成形型1は、成形型表面板2と、この成形型表面板2を内側から支持する補強枠体3と、成形型表面板2の内面から突出する複数のスタッドボルト4と、これら各スタッドボルト4を補強枠体3に固定する固定金具5と、成形型表面板2と補強枠体3との間に介装されるシム6とを備えている。
【0020】前記成形型表面板2は、図2に示すように、成形品10と同等の熱膨脹率を有するCFRP、GFRP等の治具材を積層して形成されている。前記スタッドボルト4は、成形型表面板2の大きさ、形状等によっても異なるが、通常は200mmピッチ程度の間隔で頭部が成形型表面板2の層間に埋設されて補強枠体3側に突出している。そして、このスタッドボルト4の頭部には、成形型表面板2の層間剥離を防止するため、プライマ等の表面処理が施され、頭部と成形型表面板2とが充分接着するよう考慮されている。
【0021】また、前記補強枠体3は、ハニカムコアの両面にCFRPを積層して硬化させたハニカムサンドウィッチパネルで組立てられ、成形型表面板2との接触面は成形型表面板2の形状に合わせて加工され、さらに周壁には軽減孔7を穿設して構成され、これにより熱伝達性の向上と軽量化とを施したエッグクレート構造となっている。上記ハニカムサンドウィッチパネルは熱膨張が極めて小さい上に軽量なので、補強枠体3の材料として非常に好ましいものである。
【0022】また、前記固定金具5は、図2に示すように、各スタッドボルト4の位置に合わせ補強枠体3の壁面にボルト・ナット8を介し取付けられており、スタッドボルト4は、固定金具5を介しその両側から固定ナット9を締付けることにより、固定金具5に固定されるようになっている。
【0023】また、前記シム6は、成形品10と同等の熱膨脹率を有するCFRP、GFRP、SiCFRP等の治具材を積層するとともに、この素材を70mm×70mm程度に切断して形成されており、その板面には、図2に示すように、スタッドボルト4用の挿通孔11が設けられている。そして、このシム6を成形型表面板2と補強枠体3との間に介装することにより、成形型表面板2のモールドラインを変化させることができるようになっている。
【0024】次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0025】成形型1の製作に際しては、まず成形型1を製作するための型であるツーリングツールに離型処理を施した後、成形品10と同等の熱膨脹率を有する例えばCFRPのプリプレグを積層して成形型表面板2を製作する。この際、成形型表面板2の大きさ、形状等によっても異なるが、200mm程度のピッチで成形型表面板2の層間にスタッドボルト4の頭部を埋設しておく。また、スタッドボルト4は、成形型表面板2の層間剥離を防止するため、その頭部にプライマ等の表面処理を施したものを用い、スタッドボルト4とCFRPとの接着性をよくする。
【0026】このように、成形型表面板2にスタッドボルト4を埋設した状態で、バギング・加熱・加圧し、成形型表面板2を硬化させる。そして、硬化後、成形型表面板2の外形仕上げ等を行なう。これと同時あるいは相前後して、シム6として適当な複合材の素材も硬化させておく。
【0027】成形型表面板2の硬化後、補強枠体3を製作する。補強枠体3は、ハニカムサンドウィッチパネルを組立て、成形型表面板2との接触面は、成形型表面板2の形状に合わせて加工し、周壁には軽減孔7を穿設する。そしてこれにより、熱伝達性の向上および軽量化を施したエッグクレート構造とする。
【0028】次いで、成形型表面板2に埋設したスタッドボルト4の位置に合わせ、補強枠体3の壁面に固定金具5をボルト・ナット8により固定し、その後スタッドボルト4を、固定金具5の両側から締付けることにより固定金具5に固定する。
【0029】このようにして、成形型表面板2と補強枠体3とを一体に連結した後、成形型1のポストキュア(二次硬化)を行なって、シム6なしの正規モールドラインの成形型1を完成させる。
【0030】成形品10の製作に際しては、図3に示すように、正規モールドラインの成形型1を用い、その成形型表面板2の表面に離型処理を行なって複合材を積層し、硬化させ成形品10を成形する。
【0031】成形後脱型し、図4に示すように、成形品10の変形量12、すなわち正規モールドライン13と成形後の成形品モールドライン14との差を測定する。変形は通常、図4に示すようにRが小さくなるように収縮する。
【0032】次いで、前後変形量12を用い、図5に示すように、この変形量12と同等板厚のシム6を製作する。このシム6は、予め硬化させておき、変形量12に合わせ研削して製作する。そして、このシム6を図6に示すように成形型1に適用し、改修モールドライン15に変更した改修モールド成形型1′とする。
【0033】次いで、この改修モールド成形型1′を用い、複合材を積層して硬化させ成形品10′を成形する。そして、成形後の成形品10′につき、図7に示すようにそのモールドライン14′を測定する。
【0034】通常は、このモールドライン14′が正規モールドライン13と一致することになるが、両モールドライン13,14′が一致しない場合には、両モールドライン13,14′の変形量を測定し、この変形量に基づきシム6を再製作する。そして、このシム6を改修モールド成形型1′にセットして成形品10′を再成形する。これでも、正規モールドライン13にならない場合には、この作業を正規モールドライン13になるまで繰返す。
【0035】しかして、成形型1の成形型表面板2は、成形品10と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成されているので、金属材料を用いた成形型と異なり、熱膨脹差による成形品の変形がない。また、金属材料に比べ軽量化を図ることができ、補強枠体3もハニカム構造体で軽量化が図られているので、成形型1のハンドリング性を大幅に向上させることができる。また、成形型表面板2は低熱膨脹であるため、成形品10の硬化中に成形型1に寸法誤差を生じることがなく、寸法精度の向上を図ることができるとともに、品質の安定化を図ることができる。
【0036】また、シム6の板厚調整により変形量12を吸収するようにしているので、成形型表面板2のモールドラインを自由に変化させることができ、L型や曲面・複曲面等の複雑形状の成形品であっても、充分に対応することができるとともに、モールドラインの変更が容易で、かつ正確に行なうことができる。
【0037】また、成形型表面板2に複数のスタッドボルト4の頭部を埋設して一体化しているので、成形型表面板2の端部から中央部までのモールドラインの調整を行なうことができる。また、成形型表面板2と補強枠体3との間にシム6が介装されているので、スタッドボルト4の引張・圧縮による成形型表面板2の局部的な変形を、シム6により防止することができる。
【0038】また、このシム6は、成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成されているので、熱膨脹により成形型1の成形型表面板2のモールドラインが変化してしまうといった不具合がない。またシム6はスタッドボルト4用の挿通孔11を有しているので、成形品10,10′の硬化中に、シム6が位置ずれしてモールドラインが変化してしまうといった不具合もない。
【0039】また、成形型表面板2は、スタッドボルト4および固定金具5を介し補強枠体3に一体に連結されているので、成形型表面板2の形状保持を安定させ、成形型表面板2上で真空引きを行なっても、成形型表面板2が反るおそれがない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合材の成形型は、成形型表面板と、補強枠体と、スタッドボルトと、固定金具と、シムとから構成したので、シムの板厚調整のみにより成形型表面板のモールドラインを自在に変化させることができ、成形品が曲面や複曲面等の複雑形状の場合であっても、成形後の成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することができ、モールドラインの変更が容易で、しかも正確に行なうことができる。
【0041】また、本発明の複合材の成形型は、各スタッドボルトを成形型表面板に一体化することで、成形型表面板の端部から中央部までのモールドラインの調整が可能となり、各スタッドボルトを補強枠体に固定することで、成形型表面板の形状保持が安定し、成形型表面板上で真空引きを行なっても、成形型表面板が反るおそれがなく、成形型表面板と補強枠体との間にシムを介装することで、スタッドボルトの引張・圧縮による成形型表面板の局部的な変形をシムで防止することができる。また、このシムは、成形品と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成することで、熱膨脹により成形型表面板のモールドラインが変化してしまうといった不具合がなく、また、シムにスタッドボルト用の挿通孔を設けることで、成形品の硬化中にシムの位置がずれてモールドラインが変化してしまうといった不具合がない。
【0042】本発明の複合材の成形方法は、成形しようとする繊維強化樹脂複合材成形品の複合材と同等の熱膨脹率を有する複合材で成形型表面板を形成し、複数のスタッドボルトを成形型表面板に内側に突出するように設け、成形型表面板を内側から補強枠体で支持し、各スタッドボルトを補強枠体に固定し、成形型表面板と同等の熱膨脹率を有する複合材で形成したシムを成形型表面板と補強枠体との間に介装し、介装するシムにより成形型表面板のモールドラインを変化させることで、改修モールド成形型を完成し、この改修モールド成形型を用いて正規成形品を成形するので、成形品が、材質(繊維・樹脂)、積層繊維配向、板厚、形状あるいは成形プロセス等の要因で変形することがあっても、この変形量をシムで補正し、成形品を所望の形状・寸法に精度よく成形することができる。
【0043】本発明の複合材の成形方法では、シムを成形型表面板の上に複合材を積層して硬化させて成形した成形品を上記成形型表面板から外した時の上記成形品のモールドラインと正規モールドラインとの差に基づいて製作することで、成形品の精度がより高くなり、成形品の品質を大幅に向上させることができる。




 

 


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