米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 富士重工業株式会社

発明の名称 多軸工具ホルダ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−180590
公開日 平成10年(1998)7月7日
出願番号 特願平8−341310
出願日 平成8年(1996)12月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
発明者 中平 辰司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 工具内に一端が工具先端に開口する給油孔を有する工具を保持する複数の工具軸を工具軸受部を介してホルダ本体に対して回転可能に支持し、動力伝達機構を介して各工具軸を回転駆動すると共に、上記工具の給油孔に切削油を供給する切削油供給部を有して工具先端に切削油を供給する内部給油式の多軸工具ホルダにおいて、工具軸受部及び動力伝達機構が工具軸の一側で液密的に区画して設けられ、切削油供給部が工具軸と同軸上でかつ工具軸受部及び動力伝達機構より工具側に独立して液密的に区画して設けられ、切削油を工具軸内の油供給孔を介して工具の供給孔に供給することを特徴とする多軸工具ホルダ。
【請求項2】 工具内に一端が工具先端に開口する給油孔を有する工具を保持する複数の工具軸を工具軸受部を介してホルダ本体に対して回転可能に支持し、動力伝達機構を介して各工具軸を回転駆動すると共に、上記工具の給油孔に切削油を供給する切削油供給部を有して工具先端に切削油を供給する内部給油式の多軸工具ホルダにおいて、主軸収容部と複数の工具軸収容部を具備するホルダ本体と、主軸収容部内にホルダ主軸受部を介して回転自在に支持されるホルダ主軸と、各工具軸収容部内に各々工具軸受部を介して一側が回転自在に支持され先端に設けられた工具の給油孔に連通する油供給孔を内部に有する工具軸と、ホルダ本体内でホルダ主軸と各工具軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達機構と、工具軸と同軸上でかつ工具軸受部より工具側の押え蓋内に配設されて切削油を工具軸内の油供給孔に供給する切削油供給部と、工具軸受部及び動力伝達機構側と切削油供給部側とを液密的に区画する仕切手段と、を有することを特徴とする多軸工具ホルダ。
【請求項3】 切削油供給部が、押え蓋内に各工具軸と同軸上で形成されるスリーブ装着孔と、スリーブ装着孔と工具軸との間に介装されて工具軸と協働して工具軸内の油供給孔と連通する環状油路を形成するスリーブとを有し、スリーブが工具軸受部及び動力伝達機構側と切削油供給部側とを液密的に区画する仕切手段であることを特徴とする請求項2に記載の多軸工具ホルダ。
【請求項4】 工具受部及びホルダ主軸受部が、ベアリングであり、動力伝達機構が、ホルダ主軸に設けられた駆動ギヤ及び工具軸に設けられて駆動ギヤと噛合する従動ギヤであることを特徴とする請求項2または3に記載の多軸工具ホルダ。
【請求項5】 ホルダ本体と押え蓋との間にベアリング押えが介装され、ホルダ本体、ベアリング押え及び押え蓋に各々順次接続する供給路を具備し、これら供給路を介して切削油供給部に切削油が供給されることを特徴とする多軸工具ホルダ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動工具交換装置付数値制御工作機(ATC付NCマシニングセンタ)の工具駆動用スピンドルにセットして使用される多軸工具ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動工具交換装置付数値制御工作機の工具駆動用スピンドルに工具ホルダを介して装着されるドリルやタップ等の工具を用いた穿孔やタッピング、特に深穴加工や袋穴等の穴加工においては、工具の先端切刃部への切削油の供給が不充分であると、先端切刀部が高温になり工具寿命の短命化を招き、かつ切粉の排出に影響を及ぼし、これに起因して先端切刃部の損傷や加工精度の低下を招く等の不具合がある。
【0003】この対策として工具内部に給油孔を穿設し、ポンプ等によって圧送される切削油を工具先端から供給する内部給油方式がある。この内部給油方式の先行技術としては例えば特開平4−1833555号公報に開示される工作機の給油構造がある。
【0004】この先行技術に開示される給油構造を図8に示す断面図によって説明する。
【0005】図中符号100は工作機本体であって、フレーム101にベアリング102を介してスピンドル103が回転可能に設けられ、スピンドル103の先端にはテーパ穴103aが形成されている。更にフレーム101には給油突起104が設けられ、給油路105が開口し、給油路105の他端は切削油を圧送するためのポンプ等に連結されている。
【0006】一方工具、例えば内部に供給孔131を有するドリル130を装着する工具ホルダ110は、基端がスピンドル103のテーパ穴103aに嵌合するテーパ部111aを有し、かつ先端にドリル130を保持するホルダ主軸111と、ホルダ主軸受部となるホルダ主軸111を一対のベアリング112、ベアリングガイド113等を介して回転可能に支持するケース114と、ケース114に一端が支持される受油筒115とを有している。
【0007】ホルダ主軸111には一端が上記一対のベアリング112間に開口すると共に他端が装着されたドリル130の供給孔131に連通する油孔116が形成され、ケース114には一端が一対のベアリング112間に開口してホルダ主軸111の油孔116に連通すると共に他端が受油筒115に形成される油導入孔118に連通する油路117が形成されている。符号119はホルダ主軸111とベアリングガイド113との間に介装されるシール材であり、120はケース114に設けられてケース114に対するホルダ主軸111の回転を規制する回転係止機構である。
【0008】そしてスピンドル103の先端に形成されるテーパ孔103aにホルダ主軸111のテーパ部111aを嵌入し、受軸筒115の先端を給油突起104に接続することにより工作機本体100に工具ホルダ110がセットされ、かつ回転係止機構120によるケース114とホルダ主軸111との間の係止が解除されてホルダ主軸111の回転が許容される。
【0009】この装着状態においてスピンドル103が回転するとホルダ主軸111が一体に回転してドリル130を回転駆動し、ワークに穿孔加工がなされる。一方この過程において、ポンプ等によって圧送される切削油は、給油路105、油導入孔118、油路117及び油孔116を介してドリル130の給油孔131に圧送されてドリル130の先端に供給され、ドリル130の先端切刃部の冷却及び切粉の排出の促進が図られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術によると、ドリル内に形成される給油孔からドリル先端に供給される切削油によって先端切刃部の冷却が図れると共に、切粉等の排出が良好になり先端切刃部の損傷が回避される。
【0011】しかし、ケースにホルダ主軸を回転自在に支持するホルダ主軸受部となる一対のベアリング間に圧送される切削油を供給することから、その給油圧力によりシール材によるシール性が損なわれ、ホルダ主軸受部に切削油が浸入するおそれがある。切削油は一般にフィルタ等で切粉等の不純物を除去して再利用されることからホルダ主軸受部に切削油が浸入すると、切削油内に残存する切粉等の微小粉によるベアリング等の摩耗、欠損等が促進され、加工精度の低下を招き、安定した高品質の穴加工が得難く、かつ工具ホルダの短寿命化の要因となる。
【0012】また特に多軸工具ホルダにあっては、工具ホルダ内に駆動ギヤや従動ギヤ等からなる動力伝達機構を有することから、この動力伝達機構内に切削油が浸入すると、上記同様切削油に含まれる切粉等の微小粉により動力伝達機構の摩耗、欠損等を招くおそれがある。
【0013】従って、本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、切削油等の浸入による軸受部及び動力伝達機構の摩耗、欠損等を回避して高品質の穴加工及び工具ホルダの長寿命化が得られる多軸工具ホルダを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明による多軸工具ホルダは、工具内に一端が工具先端に開口する給油孔を有する工具を保持する複数の工具軸を工具軸受部を介してホルダ本体に対して回転可能に支持し、動力伝達機構を介して各工具軸を回転駆動すると共に、上記工具の給油孔に切削油を供給する切削油供給部を有して工具先端に切削油を供給する内部給油式の多軸工具ホルダにおいて、工具軸受部及び動力伝達機構が工具軸の一側で液密的に区画して設けられ、切削油供給部が工具軸と同軸上でかつ工具軸受部及び動力伝達機構より工具側に独立して液密的に区画して設けられ、切削油を工具軸内の油供給孔を介して工具の供給孔に供給する、ことを特徴としている。
【0015】従って工具軸受部及び動力伝達機構が工具軸の一側で液密的に区画して設けられる一方、切削油供給部が工具側に独立して液密的に区画して設けられることから、切削油供給部内に供給される切削油が工具軸受部及び動力伝達機構内に浸入することなく、切削油に含まれる切粉等の微小粉により工具軸受部及び動力伝達機構を構成するベアリングや駆動ギヤ、従動ギヤの摩耗及び欠損が回避でき、加工精度が得られ安定した高品質の穴加工が確保可能であると共に多軸工具ホルダの長寿命化が達成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明における多軸工具ホルダの一実施の形態を図6に一部破断側面図を示すエンジン用クランクシャフトWの端部に穿設されたフライホイール取付ネジ穴Waをタッピングする自動工具交換装置付数値制御工作機を例に説明する。
【0017】図1は多軸工具ホルダ10の一部破断側面図であり、図2は図1のA部拡大図、図3は図2のB部拡大図、図4は図1の矢視C方向からの正面図である。
【0018】図中符号1は自動工具交換装置付数値制御工作機本体であり、フレーム2にベアリング3を介してスピンドル4が回転可能に設けられ、スピンドル4の先端にはテーパ穴4aが形成されている。更にフレーム2には給油突起5が設けられて切削油供給路6が開口し、切削油供給路6の他端は切削油を圧送するためのポンプ(図示せず)等に連結されている。
【0019】一方多軸工具ホルダ10は略円筒状のホルダ本体11を有し、ホルダ本体11には、その軸線a上に貫通する主軸収容部11a及び軸芯aと平行な軸線bを有してホルダ本体11の先端に開口し、かつ主軸収容部11aに連通する複数、本実施の形態では等間隔で同芯円上に形成される4個の工具軸収容部11bが形成されている。
【0020】ホルダ本体11の主軸収容部11aにはスペーサ13aを介して離間する一対のベアリング13及びベアリング14等からなるホルダ主軸受部12を介して回転自在にホルダ主軸15が支持され、ベアリング13はホルダ本体11の基端にボルト止めされるリング状のベアリング押え16によりホルダ本体11に固定されている。
【0021】ホルダ主軸15はフランジ部15aと、フランジ部15aを介して上記ホルダ主軸受部12のベアリング13、14に支持される主軸部15b及びスピンドル4のテーパ穴4aに嵌合可能なテーパ部15cを有している。符号17は、スペーサ13aを介して離間する一対のベアリング13をフランジ部15aから突出形成される段部15dとの間にスペーサ18を介して挾持することによりホルダ主軸15の軸芯a方向の移動を規制するロックナットである。
【0022】ホルダ本体11の各工具軸収容部11bには先端にコア軸35、タップホルダ45等を介して工具、本実施の形態ではタップ90を保持する工具軸20が工具軸受部21を介して回転自在に支持されている。
【0023】工具軸20は、基端側から先端側に移行するに従って順次基端部20a、従動ギヤ支持部20b、基部20c、コア軸支持部20d、フロート軸支持部20fが同軸上で一体形成されると共に基端部20a、従動ギヤ支持部20b、基部20c、コア軸支持部20dに移行するに従って順次外径が大きく形成され、フロート軸支持部20fの外周はコア軸支持部20dと外径が同一に形成されていてコア軸支持部20d及びフロート軸支持部20fには同軸上でコア軸35及びフロート軸40の基部が各々嵌入するコア軸嵌入穴20e、フロート軸嵌入穴20gが形成されている。
【0024】工具軸20を工具軸収容部11bに支持する工具軸受部21は基部20cをホルダ本体11に支持するスペーサ22aを介在して離間する一対のベアリング22及び基端部20aをホルダ本体11に支持するベアリング23を有し、スペーサ22aを介して離間する一対のベアリング22はワッシャ24を介してベアリング押え34によってホルダ本体11に保持され、ベアリング23は基端部20aに嵌合する座金25とロックナット26とにより挾持保持される。なおベアリング押え34と工具軸20のコア軸支持部20dとの間にはオイルシール34aが介装されている。
【0025】ホルダ主軸15と各工具軸20との間はホルダ主軸15の主軸部15bに嵌合してキー31aによって係止される駆動ギヤ31及び工具軸20の従動ギヤ支持部20bに嵌合してキー32aに係止される従動ギヤ32を有する動力伝達機構30が介装され、駆動ギヤ31と従動ギヤ32が噛合してホルダ主軸15の駆動力が各工具軸20が伝達可能に構成される。
【0026】工具軸20のコア軸支持部20d及びフロート軸支持部20fには同軸上で連続するコア軸嵌入穴20e及びフロート軸嵌入穴20gが穿設され、コア軸嵌入穴20eに対してフロート軸嵌入穴20gが大径に形成されている。
【0027】コア軸嵌入穴20eにコア軸35の基部が嵌入し、コア軸35の基端に形成されるねじ部がコア軸嵌入穴20eに形成されるねじ部に螺合すると共に止めねじ36によりコア軸35が工具軸20に固設される。コア軸35は先端部35aが大径に形成される略円筒状であって、一端がコア軸35の先端に開口し、かつコア軸35の軸芯に沿って穿設されて他端がコア軸35とコア軸嵌入穴20gとの間に介装される一対のシール材37の間に開口する油供給孔35bが設けられている。
【0028】フロート軸40はタップホルダ45が嵌入する先端部40a及びコア軸35とフロート軸嵌入穴20gの間に嵌合する基端部40bを有する略円筒状であって、基端部40bの内周には小径に形成されてコア軸35に摺接する摺動部40cを有し、摺動部40cとコア軸35との間にはシール材41が介装されると共にフロート軸嵌入穴20gの底部との摺動部40cの端部との間及びコア軸35の先端部35aと摺動部40cの端部との間には各々スプリング42が弾装されている。更に基端部40bの外周には軸芯b方向に沿って延びる長形の凹部40eが形成されると共に工具軸20のフロート軸支持部20fに凹部40eと対向して軸芯b方向に沿って延びる長孔20iが形成され、凹部40e及び長孔20iにはボール43が嵌入され、ボール43の移動許容範囲においてフロート軸40が軸線b方向への移動が許容されると共に、ボール43を介して工具軸20の回転力をフロート軸40に伝達構成される。
【0029】フロート軸40の先端部40aにタップホルダ45を介してタップ90が設けられる。タップ90は例えば図6に側面図を示すように、シャンク91の基端に四角部92を有し、シャンク91の先端には溝93を有する切刃94を有すると共に基端から先端に至る給油孔95が貫通して穿設されている。
【0030】タップホルダ45は、フロート軸40の先端40aに嵌合して止めねじ48によって固定される筒状のタップホルダ本体46と、タップホルダ本体46の先端に嵌入してタップ90を保持する工具保持部47を有し、タップホルダ46の内周にはタップ90の四角部92が嵌合する係合部46aを有し、タップホルダ本体46の外周とフロート軸40との間にはシール材49が配置されている。
【0031】工具保持部47はタップ90のシャンク91が嵌入する工具挿入孔47aを有する略円筒状であって、ボール50を介して工具挿入孔47aに挿入されたタップ90のシャンク91を保持すると共に、工具保持部47とタップホルダ本体46の係合部46aの間に弾装されるスプリング51により先端方向へ常時付勢されている。
【0032】次に切削油をタップ90の給油孔95へ供給する切削油供給構造について説明する。
【0033】ホルダ本体11には、基端が受油筒取付部材61によって支持される受油筒62が軸線aに対して略平行に配設され、受油筒62には一端が受油筒62の先端に開口する第1給油路63aが形成され、第1給油路63aは受油筒取付部材61に穿設された第2給油路63bを介してホルダ本体11に形成される第3給油路63cの一端に接続されている。
【0034】第3給油路63cの他端はベアリング押え34に形成された第4給油路63dを介して押え蓋65に形成される第5給油路63eの一端に接続されている。
【0035】押え蓋65には上記工具軸20が貫通する4個の工具軸貫通孔65aを有し、かつ切削油供給部70が形成されている。切削油供給部70は工具軸貫通孔65aと同軸上に押え蓋65に形成されてベアリング押え34側に開口するスリーブ装着孔71を有し、スリーブ装着穴71の周壁に沿って環状の油路溝72が形成され、各油路溝72は図4に示すように互いに連通し、かつ第5給油路63eに接続されている。
【0036】スリーブ装着孔71と工具軸20のコア軸支持部20dとの間には一対のオイルシール73及びスペーサ74を介してスリーブ75が介装されている。
【0037】スリーブ75は、図3に一部断面を、図5に斜視図を示すように略円筒状であって、外周に上記油路溝72と対応する環状の油路溝76を有し、これら油路溝72及び76により第1環状油路77を形成している。一方スリーブ75の内周には油路溝76と対応して環状の油路溝78を有し、この油路溝78と工具軸20のコア軸支持部20dの外周に設けられた環状の油路溝79により第2環状油路80を形成し、第1環状油路77と第2環状油路80はスリーブ75に形成される油路溝76と78との間を互いに連通する複数の連通孔81により連結されている。
【0038】更に工具軸20のコア軸嵌入穴20eの内周には油路溝79と対応して環状の油路溝82が形成され、コア軸35の外周と協働して第3環状油路83を形成し、第3環状油路83に上記コア軸35に穿設された油供給孔35bが開口している。そして油路溝79と82は連通孔81により互いに連通している。
【0039】なお符号84はスリーブ装着孔71の内周とスリーブ75の外周との間をシールするシール材であり、スリーブ75及びシール材84等によりホルダ本体11内に配置される工具支持部21及び動力伝達機構30側と切削油供給部70側を互いに液密的に区画され、これらスリーブ75及びシール材84等は仕切手段として機能する。押え蓋65は取付ボルト65aによりベアリング押え34を介在してホルダ本体11に取り付けられる。
【0040】更に受油筒62には回転係止部材85の基部が摺動可能に嵌合し、受油筒取付部材61と回転係止部材85との間に弾設されるスプリング86により回転係止部材85が常時受油筒62の先端方向へ付勢されて設けられている。
【0041】回転係止部材85の先端85aはベアリング押え16の外周に形成された溝87aとホルダ主軸15のフランジ部15aの外周に形成された溝87bに嵌入可能に形成され回転係止部材85をスプリング86に抗して押し込むことによりフランジ部15aに形成した溝87bから離脱してベアリング押え16に形成した溝87aにのみ係合してホルダ主軸15の回転が許容される一方、回転係止部材85の押し込みを解除することにより回転係止部材85はスプリング86により付勢されて図2に二点鎖線85′で示すようベアリング押え16に形成された溝87aとフランジ部15aに形成された溝87bに係合してホルダ主軸15の回転が阻止される。
【0042】なお図中符号88は、各部材間に配設されて各給油路間の接続部から切削油の漏出を防止する0リングである。
【0043】次にこのように構成される多軸工具ホルダ10の使用方法について説明する。
【0044】上記構成の多軸工具ホルダ10は、マガジン内に収容されいてる状態では図2に回転係止部材85を二点鎖線85′で示すように、その先端85aはベアリング押え16に形成された溝87aとホルダ主軸15のフランジ部15aに形成された溝87bとの間に掛け渡された状態に維持され、ホルダ主軸15の回転が阻止されている。
【0045】多軸工具ホルダ10を工作機本体1にセットするには、ホルダ主軸15のテーパ部15cをスピンドル4のテーパ穴4a及び受油筒62を給油突起5に各々対向させてテーパ穴4aにホルダ主軸15のテーパ部15cを嵌入させてスピンドル4とホルダ主軸15を連結する。
【0046】この連結に従って受油筒62は給油突起5に嵌合して切削油供給路と第1給油路63aが連通されると共に、給油突起5の先端により回転係止部材85がスプリング86の付勢力に抗して押動され、回転係止部材85の先端85aがフランジ部15に形成された溝87bから外れ、ホルダ本体11に対してホルダ主軸15の回動が許容される。
【0047】そしてスピンドル4が回転すると、ホルダ主軸15が回転し、ホルダ主軸15の主軸部15bに嵌合係止された駆動ギヤ31及び工具軸20の従動ギヤ支持部20bに嵌合係止された従動ギヤ32等からなる動力伝達機構30を介して各工具軸20が回転駆動され、ボール43等を介して各工具軸20に動力伝達可能に連結されたフロート軸40、タップホルダ45等を介して各タップ90が回転する。
【0048】一方ポンプ等で圧送される切削油は給油突起5に開口する切削油供給路6から受油筒62の第1給油路63a、受油筒取付部材61の第2給油路63b、ホルダ本体11の第3給油路63c、ベアリング押え34の第4給油路63d、押え蓋65に形成される第5給油路63eを経由して押え蓋65内の切削油供給部70に供給される。
【0049】第5給油路63eから切削油供給部70への切削油は、先ず、各スリーブ装着孔71に形成されて互いに連結される油路溝72と、各スリーブ75の外周に形成される油路76によって形成される各第1環状油路77に導入され。スリーブ5に開口する連通孔81からスリーブ75の内周に設けられた油路溝78と工具軸20のコア軸支持部20dに設けられた油路溝79によって形成される各第2環状油路80に供給される。
【0050】各第2環状油路80に供給された切削油は回転駆動される工具20のコア軸支持部20dに開口する連通孔81から第3環状油路83に導入され、第3環状油路83からコア軸35に穿設された油供給孔35b、中空のフロート軸40内及びタップホルダ本体46内に誘導されてタップ90の給油孔95に圧送され、更に被切削部であるタップ90の先端に供給される。
【0051】そしてフレーム2を前進せしめることにより図6に示すクランクシャフトWの端面に穿設された各フライホイール取付ネジ穴Waに各々のタップ90の先端を押接しつつフレーム2を更に前進することにより各フライホイール取付ネジ穴Waにタッピングを施す。タッピングにおいて、タップ90内に形成される給油孔91からタップ先端に供給される切削油により切刃9、特に先端切刃部の冷却が得られ、かつ切粉等の排出が良好になり先端切刃部の損傷が回避され、かつ安定した加工精度が得られる。なおフレーム2を前進させて各タップ90によるフライホイール取付ネジ穴Waの食い付くタイミングの差はフロート軸40の軸線b方向の移動により許容される。
【0052】またタッピング終了後は、スピンドル4によりタップ90を逆回転しつつ後退することにより各タップ90はタッピングされた各フライホイール取付ネジ穴Waから抜け出す。
【0053】以上説明した各実施の形態によると、工具軸20及びホルダ主軸15をホルダ11に回転自在に支持する工具受軸部21、ホルダ主軸受部12及び、ホルダ主軸15と工具軸20を動力伝達可能にする動力伝達機構30がホルダ本体11、ベアリング押え34、スリーブ75、ベアリング押え16等により液密的に区画されて設けられる一方、切削油供給部70が工具軸20と同軸上でかつ独立して押え蓋65及びスリーブ75等で液密的に区画されて設けられ、工具軸受部21、ホルダ主軸受部12及び動力伝達機構30から離れて設けられる経由路63a、63b‥‥63eを介して切削油供給部70に切削油が供給されることから切削油が工具軸受部21、ホルダ主軸受部12及び動力伝達機構30に影響を及ぼすことが回避され、切削油に含まれる切粉等の微小粉に起因する工具軸受部21のベアリング22、ホルダ主軸受部12のベアリング13、14及び動力伝達機構30の駆動ギヤ31、従動ギヤ32の摩耗、欠損が回避されて加工精度が確保され、安定した高品質の穴加工が確保でき、かつ多軸工具ホルダ10の長寿命化が達成される。
【0054】上記実施の形態では工具としてタップを用いてタッピングする場合を例に説明したが、内部に給油孔を有するドリルを用いて穿孔を行うことも可能であり、また工具軸は4個に限定されることなく、被加工物に応じて他の複数個に変更することも可能であり、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明した多軸工具ホルダによると、工具軸受部及び動力伝達機構が工具軸の一側で液密的に区画して設けられる一方、工具軸内の油供給孔を介して工具内の給油孔に切削油を供給する切削油供給部が工具軸と同軸上で工具側に独立して液密的に設けることから、切削油供給部に供給される切削油が工具軸受部及び動力伝達機構内に浸入することが回避され、切削油に含まれる切粉等の微小粒による工具軸受部及び動力伝達機構の摩耗及び欠損が阻止されて加工精度が得られ、安定した高品質の穴加工が確保でき、かつ多軸工具ホルダの長寿命化が達成できる等多軸工具ホルダを用いる穴加工に貢献するところ大なるものである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013