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発明の名称 塗装樹脂製品の塗膜剥離装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−109310
公開日 平成10年(1998)4月28日
出願番号 特願平8−264743
出願日 平成8年(1996)10月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
発明者 山本 洋 / 渡辺 俊一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 対向配置されて回転方向及び回転周速度の異なるロール間によって塗膜を有する樹脂部材を圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗装樹脂製品の塗膜剥離装置において、上記ロール間が相対的に一定の付勢力で接近するよう付勢する押圧手段を有することを特徴とする塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
【請求項2】 対向配置されて回転方向及び回転周速度の異なるロール間によって塗膜を有する樹脂部材を圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する複数の塗膜剥離装置と、各塗膜剥離装置間に配置されてこれら装置間において樹脂部材を搬送する搬送装置とを有する塗装樹脂製品の塗膜剥離装置において、上記複数の塗膜剥離装置の内少なくとも1つの塗膜剥離装置のロール間が相対的に一定の付勢力で接近するよう付勢する押圧手段を有することを特徴とする塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
【請求項3】 樹脂素材側ロールと、この樹脂素材側ロールと対向配置し、かつ樹脂素材側ロールより大なる回転周速度で回転して樹脂素材側ロールとの間で塗膜を有する樹脂部材を圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜側ロールと、樹脂素材側ロールと対向配置し上記樹脂素材側ロールと塗膜側ロールとの間で圧延され樹脂素材側ロールのロール表面に沿って湾曲する樹脂素材を樹脂素材側ロールとの間で再び圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する第3のロールとを有する塗膜樹脂製品の塗膜剥離装置において、樹脂素材側ロールと塗膜側ロールとのロール間及び樹脂素材側ロールと第3のロールとのロール間の内少なくとも一方のロール間が相対的に一定の付勢力で接近するよう付勢する押圧手段を有することを特徴とする塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
【請求項4】 押圧手段が、互いのロール間において一方のロールを他方のロール方向に付勢するエアシリンダと、このエアシリンダにエアを供給してエアシリンダによる付勢力を一定に維持するエア供給回路とを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
【請求項5】 押圧手段が、互いのロール間において一方のロールを他方のロール方向に付勢する油圧シリンダと、この油圧シリンダに油圧を供給して油圧シリンダによる付勢力を一定に維持する油圧供給回路とを有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
【請求項6】 押圧手段による付勢力が切換設定される請求項1〜5のいずれか1つに記載の塗装樹脂製品の塗膜剥離装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の装飾及び緩衝等の機能部品として使用されるバンパ、サイドモール等或いはCD−ROM等の塗装が施された塗装樹脂製品の塗膜剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年環境問題や資源再利用に対する関心の高まりから樹脂製品のリサイクル化が叫ばれ、例えば自動車産業分野においてもバンパ、サイドモール等の樹脂製品を製造する際等に発生する工程内不良品及び廃車等から分離回収される樹脂製品のリサイクルが注目されている。
【0003】この種のバンパ、サイドモール等の樹脂製品は、外観及び品質向上のために製品の表面に塗装を施す場合が多い。例えばバンパの表皮は、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂素材上に塩素化ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなるプライマ層を介して塗膜が形成されている。この塗膜は例えばアミノポリエステル系、アミノアクリル系、ポリエステルウレタン系、アクリルウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂であり、硬化反応前のこれらの樹脂は液状であるが、焼付け塗装工程により架橋構造が付与される。これは強固で緻密な構造のため塗装が施された樹脂バンパは優れた耐薬品性、耐熱性、耐擦り傷性、耐候性及び表面光沢性を有する。
【0004】しかし、この塗装されたバンパをそのまま粉砕して再使用すると、樹脂製品の素材を構成していたポリプロピレン系樹脂材料に塗膜片が混入し、この塗膜片が混在するポリプロピレン系樹脂材を用いた成形加工では、塗膜片が溶融樹脂の流動性を阻害し、再生樹脂製品に“焼け”、“ウエルドマーク”、“気泡”等の成形不良を発生させる原因となり、かつ樹脂製品の表面に浮き出た塗膜片が樹脂製品の外観性を損う等の不具合がある。
【0005】また塗膜片が熱硬化性樹脂であり、一方ベースレジンとなるポリプロピレン系樹脂が熱可塑性樹脂であることから塗膜片とベースレジンとの間にはほとんど相互作用がなく、微粉砕されない塗膜片が再生樹脂中の混練一体化を阻止して再生樹脂製品の機械的物性を著しく低下させ、再生樹脂製品の用途範囲が大きく制限される。
【0006】このことから塗装処理された樹脂製品をリサイクルする場合には塗膜除去が必要であり、このための樹脂製品の塗膜を除去する装置としては、特開平5−337941号公報に開示され、かつ図16に説明図を示す合成樹脂表面の剥離装置が提案されている。
【0007】この剥離装置は、一対の搬送ローラ101で樹脂製品、例えばサイドモール102を発泡性の合成樹脂からなる回転体103、104間に移送し、かつサイドモール102の搬送速度Vを回転体103及び104の回転周速度よりも遅く設定することによりサイドモール102の塗膜102a及び両面テープ102bに対して切削及び高い摩擦力を作用させて、サイドモール102の表面の塗膜102a及び両面テープ102bを切削剥離させ、かつ一対の搬送ローラ101によってサイドモール102を外部に搬出するものである。
【0008】しかし上記剥離装置は、回転する発泡性合成樹脂からなる回転体103、104に樹脂製品を接触させることから回転体103、104が脆性破壊されて粉塵を発生させる等作業環境上好ましくなく、また折曲乃至湾曲形状の樹脂製品に適しない等の不具合がある。
【0009】この対策として、例えば特開平7−256640号公報に開示されるように、塗装が施された樹脂部材を対向配置されて互に回転周速度の異なる一対のロールを具備する塗膜剥離装置によって圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を加えて樹脂素材から塗膜を剥離する方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記塗膜剥離装置によると、対向配置して互に回転周速度の異なるロール間によって樹脂部材を圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離除去することから塗膜の除去効率が高く更に溶剤等を用いる必要がないことから毒性がなく環境安全性に優れる。
【0011】しかし塗膜除去すべき樹脂部材相互間において板厚が異なる場合には、樹脂部材に適切な剪断ズリ応力を付与するために各樹脂素材の板厚に相応してロール間の隙間量を調整する必要があり、また同一の樹脂部材であっても板厚の異なる部分がある場合には塗膜全面に亘って均一な剪断ズリ応力を付与することが困難であり塗膜除去効率の低下を招くおそれがある。
【0012】従って本発明の目的は上記対向して互に回転周速度の異なるロール間によって樹脂部材を圧延し、かつ樹脂部材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置において、塗膜樹脂部材相互間で板厚が異なる場合や異なる板厚部分を有する塗膜樹脂部材であっても自動的に塗膜全面に均一な押圧力を付与して塗膜除去効率及び生産性の向上を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明における塗膜樹脂製品の塗膜剥離装置は、対向配置されて回転方向及び回転周速度の異なるロール間によって塗膜を有する樹脂部材を圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗装樹脂製品の塗膜剥離装置において、上記ロール間が相対的に一定の付勢力で接近するよう付勢する押圧手段を有することを特徴とするものであり、押圧手段によりロール間が一定の付勢力で接近するよう付勢することから塗膜剥離すべき樹脂部材相互間において板厚が異なる場合や、板厚の異なる部分を有する樹脂部材であっても常に塗膜全面に亘って均一な押圧力を付与することが可能になり、樹脂素材と塗膜との間に均一な剪断ズリ応力が付与され塗膜除去効率の向上が確保でき、かつ生産性の向上が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明における塗装樹脂製品の塗膜剥離装置の一実施の形態を自動車部品の中でも比較的大物部品である塗装が施された樹脂バンパを回収してリサイクルする場合を例に説明する。
【0015】図1は、本実施の形態の塗膜剥離装置が用いられる塗装樹脂製品のリサイクル方法の概要を示す説明図である。
【0016】このリサイクル方法の概要を図1に従って説明すると、樹脂バンパの製造及び組立の際に発生する工程内不良品や廃車等から取り外されたバンパWは、樹脂製品回収工程aにおいて回収され、金属部分が取り除かれ、その後必要に応じて次の樹脂製品切断工程bにおいて所定幅の樹脂部材Waに切断される。
【0017】樹脂部材Waは、次の塗膜剥離工程cにおいて後述する塗膜剥離装置1によって樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0018】塗膜剥離工程cで塗膜Wcが剥離除去された樹脂素材Wbは次の粉砕処理工程dにおいてシュレッダ等で粉砕されて粉砕材Wdとなる。
【0019】粉砕材Wdは続くペレット化工程eにおいて、例えば押出機へ供給され、押出機はホッパーに投入された粉砕材Wdをスクリューの回転によって加熱シリンダ内を前進させ、かつヒータ等で加熱し、加熱シリンダ内を前進する間に溶融させてダイから押し出して一定形状のペレットWeを製造する。
【0020】ペレット化工程eによって得られたペレットWeは次の成形工程fにおいて必要に応じてバージンポリプロピレン系樹脂等から製造されたペレットが加えられ、再びバンパW等の再生樹脂製品となる。
【0021】上記説明ではペレット化工程eにおいて、粉砕材Wdをペレット化したが、粉砕材Wdの粉砕状態が充分に粉砕された微粉砕状態であるならばペレット化工程eを省略することも可能である。
【0022】次に上記塗膜剥離工程cにおいて樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離除去する塗膜剥離装置1について図2乃至9によって説明する。
【0023】塗膜剥離装置1は剥離装置10及び操作部30とから構成されている。図2はその剥離装置10の要部を示す全体斜視図であり、図3は塗膜剥離装置1の全体平面図、図4は図3のA−A線断面図である。
【0024】剥離装置10は対向配設する樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12とを有し、これら樹脂素材側ロール11、塗膜側ロール12は金属製であってロール表面は鏡面仕上げ、或いはクロムメッキが施され、樹脂素材側ロール11は支持フレーム13に設けられる一対の樹脂素材側ロール支持部材11a間に回転可能に支持され、減速機付モータ等の回転駆動装置14によって回転駆動される。
【0025】一方塗膜側ロール12は支持フレーム13に後述する押圧手段41を介して上下動可能に支持される一対の塗膜側ロール支持部材12a間に回転可能に支持され、自在継手15aを介して連結される減速機付モータ等の回転駆動装置15によって回転駆動される。
【0026】樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12とは各々回転周速度が異なり、樹脂素材Wbの表面に圧接する樹脂素材側ロール11の回転周速度に対して塗膜Wc表面に圧接する塗膜側ロール12の回転周速度が大きく、かつ両ロール11、12間に供給された樹脂部材Waを噛み込み、押圧力を付与するよう互に逆方向に回転駆動される。
【0027】更に剥離装置10には後述する操作部30と共に安全装置19を構成するワーク供給装置20と、塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbを搬出する搬出装置25が配設されている。
【0028】ワーク供給装置20は、前端縁21aが樹脂素材側ロール11の近傍に位置し、前記相対向する樹脂素材側ロール支持部材11a間において対向する樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との隙間に略対応する高さでかつ略水平に配設される板状の平面部21と、平面部21の後端縁21bに設けられる押し板駆動装置、例えばエアシリンダ22の伸縮によって平面部21の上面に沿って樹脂素材側ロール11に接近する前進端位置23aと樹脂素材側ロール11から離間する後進端位置23bとの間を往復移動する押し板23とを有している。
【0029】平面部21の後端縁21bに設けられるエアシリンダ22の上方には樹脂素材側ロール11に接近するに従って次第に下降するよう傾斜するスロープ24aと、スロープ24aの両側端縁及び後端縁に沿って起立する略コ字形のフランジ部24bとからなる投入部24が配設されている。
【0030】そして投入部24のスロープ24a上に投入された樹脂部材Waは、スロープ24a上を滑り落ち、平面部21上に落下し、エアシリンダ22の伸長によって図5(A)に示すよう後進端位置23bから図5(B)に示す前進端位置23aに前進移動する押し板23によって樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み供給されるよう構成されている。また搬出装置25は、樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12を介してワーク供給装置20と反対側に設けられ、上端が樹脂素材側ロール11のロール表面の上部に近接し、かつ樹脂素材側ロール11から離間するに従って次第に下降するよう傾斜して下端が剥離装置10外に達する複数の案内棒26aが並設して形成される底部26と、底部26の両端に各々立設する案内部材27とを有し、底部26上を樹脂素材Wbが滑動して搬出されるよう構成されている。
【0031】一方剥離装置10の投入部24の近傍に配設される操作部30は、支持フレーム31と、支持フレーム31に支持される操作ボックス32とを有し、操作ボックス32の上面には互に離間して第1、第2作動スイッチ33、34及び各作動スイッチ33と34との間に配設される第1緊急停止スイッチ35が設けられ、支持フレーム31の下部には作業者が例えばペダル操作することにより作動する第2緊急停止スイッチ36が設けられている。
【0032】更に操作部30の操作ボックス32内或いは前記剥離装置10には前記第1、第2作動スイッチ33、34、第1、第2緊急停止スイッチ35、36の操作に従って剥離装置10に設けられる回転駆動装置14、15及びエアシリンダ22の作動を制御する制御ユニット(図示せず)が設けられている。
【0033】次に各スイッチ33、34、35、36、及び回転駆動装置14、15、エアシリンダ22の作動を図6に示すブロック図によって説明する。
【0034】図中符号37は制御ユニットであり、制御ユニット37は駆動信号生成部38及び停止信号生成部39を有している。そして作業者の押圧操作により操作ボックス32に設けられる第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34が作動し、即ちONすると、それらの信号が共に駆動信号生成部38に入力され、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいてその押圧操作継続中に亘って回転駆動装置14、15が作動し、かつエアシリンダ22が伸長して押し板23が後進端位置23bから前進端位置23aまで前進移動するように構成されている。
【0035】そして作業者が第1作動スイッチ33或いは第2作動スイッチ34のいずれか一方、または両作動スイッチ33、34の押圧操作を停止することにより、即ち第1作動スイッチ33或いは第2作動スイッチ34のいずれかが少なくとも作動継続の停止、即ちOFFになると、駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が出力され、停止信号生成部39からの停止信号に基づいて回転駆動装置14、15の作動が停止し、かつエアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bに復帰するよう構成されている。
【0036】更に第1、第2作動スイッチ33、34が作動継続中において第1緊急停止スイッチ35の押圧操作或いはペダル操作により第2緊急停止スイッチ36が作動、即ちONすると、その信号が停止信号生成部39へ入力され、停止信号生成部39からの停止信号に基づき回転駆動装置14、15の作動が停止し、かつエアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bに復帰すると共に、警告灯40等が作動して注意を促すよう構成されている。
【0037】なお、駆動信号生成部38からの作動信号に対して停止信号生成部39からの停止信号が優先するよう形成され、第1及び第2作動スイッチ33、34が共にONの場合でも第1或いは第2緊急停止スイッチ35、36を操作することにより回転駆動装置14、15等の作動の緊急停止及びエアシリンダ22の収縮による押し板23の後進端位置23bへの復帰を確実なものとしている。
【0038】次に塗膜側ロール12を上下動可能に支持する押圧手段41について説明すると、支持フレーム13の上部フレーム13aに配設されて下方に出没するピストン部材43aを具備する一対のエアシリンダ43からなる駆動部42と、各エアシリンダ43を隔てて上部フレーム13aに設けられる一対のスリーブ45、各スリーブ45に各々嵌挿して上下方向に摺動案内されるガイド部材46及びガイド部材46の下端間に横架する支持部材47からなる案内部材44とを有し、支持部材47には塗膜側ロール支持部材12aが設けられ、かつピストン部材43aの頂端が支持部材47に連結されている。
【0039】そしてエア供給源からエア供給回路50を介して駆動部42のエアシリンダ43に供給されるエア圧によってピストン部材43a及び塗膜側ロール支持部材12a等を介して塗膜側ロール12を所定の圧力で樹脂素材側ロール11方向へ押圧付勢するように構成されている。
【0040】エア供給回路50は、図7に示すようにエア供給源51からメインバルブ53、圧力調整バルブ54、圧力スイッチ56を介してエアシリンダ43に至るメイン回路52と、メインバルブ53と圧力調整バルブ54との間においてメイン回路52から分岐してレギュレータ58を介して圧力調整バルブ54にパイロット圧を供給するパイロット回路57とを有している。
【0041】メインバルブ53を開放することによりエア供給源51からのパイロット回路57に導入されたエアは、レギュレータ58によって要求エア圧、即ち樹脂部材Waの樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力を付与するに要するエアシリンダ43へ供給すべきエア圧に調圧され、パイロット圧としての圧力調整バルブ54へ供給される。
【0042】一方エア供給源51からメイン回路52を介して圧力調整バルブ54に導かれたエアは、上記レギュレータ58によって圧力調整されたパイロット圧に従って圧力調整されてエアシリンダ43へ供給され、かつエアシリンダ43内のエア圧がパイロット圧より過大な場合には、圧力調整バルブ54に配設されたサイレンサ54aから排出することによりエアシリンダ43内はパイロット圧に相応した一定のエア圧に維持されるよう構成されている。
【0043】更に圧力調整バルブ54とエアシリンダ43との間においてメイン回路52に介装される圧力スイッチ56は、圧力調整バルブ54からエアシリンダ43に供給される圧力が要求エア圧、即ちエアシリンダ43内が要求エア圧に達したときにONし、その信号が図6に示す制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力されて前記第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34による回転駆動装置14、15の作動を可能にするものである。
【0044】従ってレギュレータ58によって設定されるパイロット圧に従って圧力調整バルブ54で一定の圧力に調整されたエア圧に維持されるエアシリンダ43によって塗膜側ロール12が樹脂素材側ロール11側へ押圧付勢され、その結果樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に供給される樹脂部材Waが一定の押圧力で圧延され、樹脂部材相互間で板厚が異なる場合や、異なる板厚部分を有する樹脂部材であっても全範囲に亘って樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に適切な剪断ズリ応力を付与することが可能になる。
【0045】次に上記のように構成される塗膜剥離装置1の作動について図8に示す制御回路チャートを参照して説明する。
【0046】先ず作業者はエア供給回路50に設けられたメインバルブ53を開放する。メインバルブ53の開放によってレギュレータ58によって圧力調整されたパイロット圧を圧力調整バルブ54に導入せしめ、メイン回路52を介して圧力調整バルブ54によって圧力調整したエア圧を駆動装置42のエアシリンダ43に供給する。
【0047】そしてエアシリンダ43内に供給されるエア圧が要求エア圧に達すると、圧力スイッチ56がONし、その信号が図6に示す制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力され、第1作動スイッチ33及び第2スイッチ34による回転駆動装置14、15の作動を可能にすると共に、エアシリンダ43内のエア圧を一定に維持して待機する。
【0048】そして作業者は剥離装置10の投入部24のスロープ24a上に塗膜Wcが上側になるようにして樹脂部材Waを投入する。
【0049】投入された樹脂部材Waはスロープ24a上を滑降して図5(A)に示すように平面部21上に落下し導入される。このとき押し板23は平面部21の後端縁21b付近の後進端位置23bに退避した状態にあり、傾斜するスロープ24aの後方から作業者は目視により平面部21上に導入された樹脂部材Waの状態を確認できる。
【0050】樹脂部材Waが平面部21上に導入された後作業者は、操作部30の操作ボックス32上に互に離間して配設された第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧操作する。この押圧操作は、第1及び第2作動スイッチ33及び34が第1緊急停止スイッチ35を介して互に離れて配設されることから必然的に両手で操作することになり、作業者は樹脂素材側ロール11、塗膜側ロール12から充分離れた位置で第1及び第2作動スイッチ33、34を押圧操作することになる。
【0051】第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34が共に押圧操作によりONすると、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいて回転駆動装置14、15が作動し、樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12が互に逆方向でしかも互の周速度が樹脂素材側ロール11に対して塗膜側ロール12が大なるよう回転駆動開始すると共に、エアシリンダ22が伸長を開始する。
【0052】エアシリンダ22の伸長に伴って押し板23が後進端位置23bから前進移動して平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み供給する。
【0053】樹脂部材Waは押し板23によって押動されて前進しつつ樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に確実に押し込まれる。
【0054】ここで押圧手段41の一対のエアシリンダ43は各々前記のようにレギュレータ58によって圧力調整されたパイロット圧に従って圧力調整バルフ54によって要求エア圧に調圧されたエア圧に維持されることから、出没するピストン部材43aによって上下動可能な支持部材47、塗膜側ロール支持部材12a等を介して塗膜側ロール12は所定の圧力で樹脂素材側ロール11方向へ押圧付勢され、樹脂部材Waは樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12によって所定の押圧力によって圧延され、かつ両ロール11、12間の相対的な回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離する。
【0055】このロール圧延処理において、エア圧が一定に維持された一対のエアシリンダ43によって塗膜側ロール12を樹脂素材側ロール11側へ常時一定の押圧力で押圧付勢することが樹脂部材Wa間において板厚が異なる場合であっても樹脂部材Waに一定の押圧力を付与することが可能になり樹脂部材Waの板厚にかかわらず樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に均一な剪断ズリ応力を付与して均一な剪断ズリ応力下で樹脂素材Wbから塗膜Wcの剥離が得られる。
【0056】処理が終わり、作業者が第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34のいずれか一方または両方から手を離すとエアシリンダ22へのエア供給が切換わり押し板23が前進端位置23aに停止すると共に、エアシリンダ22が収縮し、押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0057】一方塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbは両ロール11、12によって搬出装置25の傾斜する底部26上に送り出され、底部26上を滑動して塗膜剥離装置1から搬出されて回収される。
【0058】そして樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との協働によって樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離する剥離作業が終了した後、作業者が第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34の押圧操作を解除することにより即ち第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34から手を離すことにより回転駆動装置14、15の作動が停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止する。
【0059】この作業を繰返すことにより順次樹脂部材Waの樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離除去する。
【0060】ここで、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中において、エアシリンダ43内のエア圧が要求エア圧より低圧になった場合には、圧力スイッチ56がOFFする。圧力スイッチ56が図8に一点鎖線で示すようOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され、停止信号生成部39からの停止信号に従って回転駆動装置14、15の作動が図8に一点鎖線で示すように停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、かつエアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0061】従って塗膜剥離作業中においてエアシリンダ43内が要求エア圧より低下し、樹脂部材Waに作用する樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12とによる押圧力、即ち剪断ズリ応力が低下した場合には塗膜剥離作業を中断することにより、不均一な剪断ズリ応力による塗膜剥離が未然に防止されて充分な塗膜除去率が確保される。
【0062】また、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中ににおいて、第1作動スイッチ33或いは第2作動スイッチ34のいずれか一方或いは両方から手を離すことにより、即ち第1或いは第2作動スイッチ33、34の少なくともいずれか一方がOFFになると、例えば第2作動スイッチ34が図9に破線で示すようOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され、停止信号生成部39からの停止信号に従って回転駆動装置14、15の作動が図9に破線で示すよう停止して塗膜側ロール11及び樹脂素材側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0063】従って作業者が第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を共に押圧操作しているときのみ樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12が回転駆動され、その間作業者は必然的に両ロール11、12から充分離れることになり作業者が手等を両ロール11、12間に巻き込まれるおそれがなく、また塗膜剥離作業中に何らかの理由により第1或いは第2緊急停止スイッチ35、36を操作した場合にも停止信号生成部39からの停止信号によって回転駆動装置14、15の作動が停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止することから作業の安全が確保できる。
【0064】また、例えば図9に示すように異なる板厚部分を有する樹脂素材Waであっても、その樹脂部材Waの板厚の変化に追従して塗膜側ロール12が案内部材44によって上下移動し、かつエアシリンダ43によって常時一定の押圧力で樹脂素材側ロール11側へ押圧付勢され、樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に常に均一な剪断ズリ応力を付与して樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離することが可能になる。
【0065】上記説明では、塗膜側ロール12を押圧手段41により上下動可能に支持して樹脂素材側ロール11側へ押圧付勢するよう構成したが、樹脂素材側ロール11を上下動可能に支持して塗膜側ロール12側へ押圧付勢するよう構成することも可能である。
【0066】次に図10によって押圧手段41に用いられるエア供給回路の他の実施の形態を説明する。
【0067】このエア供給回路60は、エア供給源51からメインバルブ53、圧力調整バルブ54、圧力スイッチ56を介してエアシリンダ43に至るメイン回路52と、メインバルブ53と圧力調整バルブ54との間においてメイン回路52から分岐して互いに異なる第1要求エア圧、第2要求エア圧、即ち異なる第1パイロット圧、第2パイロット圧を各々得る第1レギュレータ62、第2レギュレータ64を介装する第1パイロット回路61、63と、第1パイロット回路61と第2パイロット回路63から供給される第1パイロット圧及び第2パイロット圧を選択的に切換えて圧力調整バルブ54にパイロット圧を供給する切換バルブ64を有している。
【0068】そして切換バルブ64がON、即ち通電状態では高圧側のパイロット圧となる第2レギュレータ64によって調圧されたパイロット圧が圧力調整バルブ54に供給され、エアシリンダ43が高圧側に設定されて樹脂素材Waの樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に大なる剪断ズリ応力を付与するように、一方切換バルブ64をOFFすることにより図10に示すように低圧側のパイロット圧となる第1レギュレータ64によって調圧されたパイロット圧が圧力調整バルブ54に供給されてエアシリンダ43が低圧側に設定されて樹脂素材Waの樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に小なる剪断ズリ応力が付与される。
【0069】更に圧力調整バルブ54とエアシリンダ43との間でメイン回路52に設けられる圧力スイッチ56は、圧力調整バルブ54からエアシリンダ43に供給されるエア圧が、低圧側の要求エア圧、即ち第1レギュレータ62によって調圧されるパイロット圧に達したときONし、その信号が図6に示す制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力されて前記第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34により回転駆動装置14、15等の作動を可能にするものである。
【0070】次にこのように構成される塗膜剥離装置1の作動について図11に示す制御回路チャートを参照して説明する。
【0071】先ずメインバルブ53を開放すると、図10に示すように第1レギュレータ62によって調圧された低圧側のパイロット圧が第1パイロット回路61から切換バルブ62を介して圧力調整バルブ54に供給されメイン回路52を介して圧力調整バルブ54によって圧力調整されエア圧を駆動装置42のエアシリンダ43に供給する。
【0072】そしてエアシリンダ43に供給されるエア圧が所定圧に達すると、圧力スイッチ56がONし、その信号が制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力され、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34による回転駆動装置14、15の作動を可能にし、かつエアシリンダ43内のエア圧を第1パイロット圧に対応する一定圧に維持して待機する。
【0073】そして処理すべき樹脂部材Waの処理に要する要求エア圧が小である場合には前記同様、投入部24に樹脂部材Waを投入し、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧操作することによりONすると、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいて回転駆動装置14、15が作動及びエアシリンダ22の伸長が開始し、押し板23が平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み供給する。
【0074】ここで押圧手段41のエアシリンダ43は第1のレギュレータ62によって圧力調整された第1パイロット圧に従って圧力調整バルブ54によって調圧されたエア圧に維持されることから樹脂素材Waは樹脂素材側ロール及び塗膜側ロール12によって所定の押圧力によって圧延され、両ロール11、12の回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0075】一方処理すべき樹脂部材Waの処理に要求エア圧が大である場合には、切換バルブ64をONせしめ、切換バルブ64を切換えることにより第2レギュレータ64によって圧力調整された第2パイロット圧が圧力調整バルブ54へ供給され、押圧手段41のエアシリンダ43は第2パイロット圧に従って圧力調整バルブ54によって調圧されたエア圧が供給されて維持される。
【0076】従って投入部24に樹脂部材Waを投入し、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧操作によりONすると、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいて回転駆動装置14、15及びエアシリンダ22が作動して押し板23が平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み、樹脂部材Waは樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12によって圧延されて両ロール11、12の回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0077】ここで第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中にエアシリンダ43のエア圧が所定圧より低圧となった場合には、圧力スイッチ54がOFFする。圧力スイッチ54が図11に一点鎖線で示すようにOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され回転駆動装置14、15の作動が図11に一点鎖線で示すように停止して樹脂素材側ロール11、塗膜側ロール12の回転が停止すると共にエアシリンダ22の収縮により押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0078】従って樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との押圧力が低下した場合には塗膜剥離作業を中断することにより塗膜除去率の低下を防止される。
【0079】また、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中において、第1作動スイッチ33或いは第2作動スイッチ34の少なくともいずれかから手を離すことにより、即ち第1或いは第2作動スイッチ33、34がOFFになると、例えば第2作動スイッチ34が図11に破線で示すようOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され、回転駆動装置14、15の作動が図11に破線で示すよう停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。また前記同様塗膜剥離作業中に何らかの理由により第1或いは第2緊急停止スイッチ35、36を操作した場合にも停止信号生成部39からの停止信号によって回転駆動装置14、15の作動が停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止することから作業の安全が確保できる。
【0080】上記各実施の形態では押圧手段41の駆動部42にエアシリンダ43をエア圧により押圧手段41を制御したが、油圧により押圧手段41を制御することも可能であり、次に油圧により押圧手段41を制御する実施の形態について説明する。
【0081】図12は押圧手段41に用いられる油圧供給回路70であり、図中71はエアシリンダ43に代えて支持フレーム13に設けられる油圧シリンダであって、そのピストン部材71aの頂端は支持部材47に結合されている。
【0082】次にオイルタンク等の作動油供給源72から油圧シリンダ71に油圧を供給する油圧回路70について説明する。
【0083】作動油供給源72から順に作動油供給源72からストレーナ73を介して供給される作動油を圧送する油圧ポンプ74、油圧ポンプ74によって圧送される油圧を設定値に制御するリリーフバルブ75、リリーフバルブ75からの油圧を切換調圧する油圧切換制御部76、油圧切換制御部76からの油量を制御して油圧シリンダ71に供給する流量制御弁80が配設され、更に流量制御弁80と油圧シリンダ71との間に油圧シリンダ71の油圧を検知する圧力スイッチ81及び油圧ポンプ74を駆動する駆動手段、例えば電動モータ82が設けられている。
【0084】油圧切換制御部76は切換バルブ77、切換バルブ77からの油圧を第1リリーフ付減圧弁78aを介して流量制御弁80に供給する第1回路78及び切換バルブ77からの油圧を第2リリーフ付減圧弁79aを介して流量制御弁80に供給する第2回路79を有し、切換バルブ77に通電しない図12に示すOFF状態においてリリーフバルブ75からの油圧を第1回路78を経由して第1リリーフ付減圧弁78aによって減圧して流量制御弁80へ供給する一方、切換バルブ77に通電、即ちON状態に切換えることによりリリーフバルブ75からの油圧を第2回路79を経由して第2リリーフ付減圧弁79aによって減圧して流量制御弁80へ供給するよう構成されている。
【0085】従って切換バルブ77がOFF状態状態では油圧ポンプ74からリリーフバルブ75を介して設定値に調整された油圧は第1回路78へ供給され、第1リリーフ付減圧弁78aによって低圧側に減圧調整され油圧シリンダ71に供給され、油圧シリンダ71が低圧側に設定されて樹脂部材Waに少なる剪断ズリ応力が付与される。一方切換バルブ77がON状態ではリリーフバルブ75で調圧された油圧は第2回路79へ供給されて第2リリーフ付減圧弁79aによって高圧側に減圧調整されて油圧シリンダ71へ供給され、油圧シリンダ71が高圧側に設定されて樹脂部材Waに大なる剪断ズリ応力が付与される。
【0086】更に圧力スイッチ81は油圧シリンダ71内の油圧が要求油圧、即ち第1リリーフ付減圧弁78aによって調圧される油圧に達したときONし、図6に示す制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力されて前記第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34による回転駆動装置14、15の作動を可能にするものである。
【0087】次にこのように構成される塗膜剥離装置1の作動について図13に示す制御回路チャートを参照して説明する。
【0088】先ず油圧ポンプ74の始動により図13に示すようにリリーフバルブ75によって調圧された油圧が切換バルブ75を介して第1リリーフ付減圧弁78aに供給され、第1リリーフ付減圧弁78aによって低圧側に圧力調整された油圧を駆動装置42の油圧シリンダ71に供給する。
【0089】そして油圧シリンダ71に供給される油圧が所定圧に達すると、圧力スイッチ81がONし、その信号が制御ユニット37の駆動信号生成部38に入力され、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34による回転駆動装置14、15の作動を可能にし、かつ油圧シリンダ71の油圧を第1リリーフ付減圧弁78aによる設定圧に維持して待機する。
【0090】そして処理すべき樹脂部材Waの処理に要する要求押圧力が小である場合には前記同様、投入部24に樹脂部材Waを投入し、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧操作することによりONすると、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいて回転駆動装置14、15が作動及びエアシリンダ22の伸長が開始し、押し板23が平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み供給する。
【0091】ここで押圧手段41の油圧シリンダ71は第1リリーフ付減圧弁78aによって圧力調整された油圧に維持されることから樹脂素材Waは樹脂素材側ロール及び塗膜側ロール12によって所定の押圧力によって圧延され、両ロール11、12の回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0092】一方処理すべき樹脂部材Waの処理に要求押圧力が大である場合には、切換バルブ77をONせしめ、切換バルブ77を切換えることにより第2リリーフ付減圧弁79aによって圧力調整された油圧が油圧シリンダ71に供給されて維持される。
【0093】従って投入部24に樹脂部材Waを投入し、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧操作によりONすると、駆動信号生成部38からの作動信号に基づいて回転駆動装置14、15及びエアシリンダ22が作動して押し板23が平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し込み、樹脂部材Waは樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12によって圧延されて両ロール11、12の回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0094】ここで第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中に油圧シリンダ71の油圧が所定圧より低圧となった場合には、圧力スイッチ81がOFFする。圧力スイッチ81が図13に一点鎖線で示すようにOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され回転駆動装置14、15の作動が図13に一点鎖線で示すように停止して樹脂素材側ロール11、塗膜側ロール12の回転が停止すると共に油圧シリンダ71の収縮により押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0095】従って樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との押圧力が低下した場合には塗膜剥離作業を中断することにより塗膜除去率の低下が防止される。
【0096】また、第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34を押圧する塗膜剥離作業中ににおいて、第1作動スイッチ33或いは第2作動スイッチ34の少なくともいずれかから手を離すことにより、即ち第1或いは第2作動スイッチ33、34がOFFになると、例えば第2作動スイッチ34が図13に破線で示すようOFFになると駆動信号生成部38から停止信号生成部39へ停止信号が入力され、停止信回転駆動装置14、15の作動が図13に破線で示すよう停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。また前記同様塗膜剥離作業中に何らかの理由により第1或いは第2緊急停止スイッチ35、36を操作した場合にも停止信号生成部39からの停止信号によって回転駆動装置14、15の作動が停止して樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12の回転が停止し、エアシリンダ22が収縮して押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止することから作業の安全が確保できる。
【0097】次に本発明における塗膜剥離装置の他の実施の形態を図14によって説明する。
【0098】この塗膜剥離装置は、上面塗膜剥離装置110と、下面塗膜剥離装置120と、上面塗膜剥離装置110と下面塗膜剥離装置120との間には搬送装置130が配設されている。
【0099】上面塗膜剥離装置110は投入部24から投入された樹脂部材Waを樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12との間に押し板23によって供給するように構成され、樹脂素材側ロール11は支持フレーム13に設けられる樹脂素材側ロール支持部材11a間に回転自在に支持され、塗膜側ロール12は前記実施の形態と同様押圧手段41及び案内部材44によって支持される塗膜側ロール支持部材12aによって支持され、樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12とは各々回転周速度が異なるように、例えば樹脂素材側ロール11に対し塗膜側ロール12の回転周速度が大きく、かつ互に逆方向に回転駆動される。
【0100】エアシリンダ43には上記図7或いは図10に示すエア供給回路50或いは70によってエアが供給される。
【0101】従って投入部24から投入された樹脂部材Waは、一定の押圧力に制御された樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12によって圧延され、かつ樹脂素材Wbとその上面に施された塗膜との間に常に適切な剪断ズリ応力が付与され樹脂素材Wbの上面に施された塗膜が剥離される。
【0102】上面塗膜剥離装置110で上面の塗膜Wcが剥離除去された樹脂素材Wbは、搬送装置130によって下面塗膜剥離装置120へ搬送される。この搬送装置130はモータ等の回転駆動装置によってチェン、ベルト等の伝達手段を介して回転駆動される上側ロール131と下側ロール132とを有し、上側ロール131と下側ロール132とによって挾持して搬送する。
【0103】下面塗膜剥離装置120は、搬送装置130によって搬送される樹脂素材Wbの下面に施された塗膜に押接する塗膜側ロール12と樹脂素材側ロール11とを有し、塗膜側ロール12は支持フレーム13に塗膜側ロール支持部材12aを介して回転自在に支持され、樹脂素材側ロール11は押圧手段41及び案内部材44によって支持される樹脂素材側ロール支持部材11aを介して支持フレーム13に設けられ、塗膜側ロール12は樹脂素材側ロール11に対して回転周速度が大きく、かつ互に逆方向に回転駆動される。
【0104】そしてエアシリンダ43には上側塗膜剥離装置110同様図7或いは図10に示すエア供給回路51或いは70によってエアが供給される。
【0105】従って搬送装置130によって下面塗膜剥離装置120に搬入された樹脂素材Wbは、一定の押圧力に制御された樹脂素材側ロール11と塗膜側ロール12によって圧延され、かつ樹脂素材Wbとその下面に施された塗膜との間に常に適切な剪断ズリ応力が与えられ樹脂素材Wbの上面に施された塗膜が剥離除去されて搬出装置25に送り出される。
【0106】また上面塗膜剥離装置110及び下面塗膜剥離装置120に設けられるエアシリンダ43に代えて、油圧シリンダ71を設け、この油圧シリンダ71に図12に示す油圧供給回路70により油圧を供給することも可能である。次に本発明における塗膜剥離装置の更に他の実施の形態を図15によって説明する。
【0107】この塗膜剥離装置は、対向配設する樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12、樹脂素材側ロール11と対向する第3のロール17とを有している。
【0108】樹脂素材側ロール11は支持フレーム13に設けられる樹脂素材側ロール支持部材11aに回転可能に支持され、塗膜側ロール12は上部フレーム13aに設けられる押圧手段41及び案内部材44によって支持される塗膜側ロール支持部材12aに回転可能に設けられ、樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12とは各々回転周速度が異なり、樹脂素材側ロール11に対して塗膜側ロール12の回転周速度が大きく、かつ互に逆方向に回転駆動され、塗膜側ロール12を支持する押圧手段41に設けられるエアシリンダ43には上記図7或いは図10に示すエア供給回路50或いは70によってエアが供給される。
【0109】一方第3のロール17は支持フレーム13の下部フレーム13bに設けられる押圧手段41及び案内部材44によって支持される第3のロール支持部材17aに回転可能に支持され、樹脂素材側ロール11に対して小なる回転周速度でかつ、互に逆方向に回転駆動されると共に第3のロール17を支持する押圧手段41のエアシリンダ43には上記図7或いは図11に示すエア供給回路50或いは70によってエアが供給される。
【0110】従って塗膜側ロール12と樹脂素材側ロール11との間に投入される樹脂部材Waは、押圧手段41によって一定に制御された樹脂素材側ロール11及び塗膜側ロール12による押圧力によって圧延され、かつ両ロール11、12間の相対的回転周速度の差に基づいて塗膜Wcと樹脂素材Wbとの間に常に一定の剪断ズリ応力が付与され、樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離する。
【0111】この塗膜剥離に際し、樹脂素材側ロール11の周速度に対し塗膜側ロール12の周速度が大であることから樹脂部材Waは樹脂素材側ロール11側より塗膜側ロール12側がより大きく延伸されて樹脂素材Wbが樹脂素材側ロール11のロール表面に沿って湾曲して送り出される。
【0112】樹脂素材側ロール11のロール表面に沿って湾曲して送り出された樹脂素材Wbは樹脂素材側ロール11と第3のロール17との間に達し、樹脂素材側ロール11と第3のロール17との間に噛み込まれる。
【0113】樹脂素材側ロール11と第3のロール17との間に噛み込まれ供給された樹脂素材Wbは押圧手段41によって一定に制御された樹脂素材側ロール11と第3のロール17との押圧力によって再び圧延され、かつ両ロール11、17間の相対的な周速度の差に従って前記塗膜側ロール12と樹脂素材側ロールとによって塗膜Wcを剥離した樹脂素材Wbの裏面に施された塗膜乃至ミストと樹脂素材Wbとの間に剪断ズリ応力が作用して樹脂素材から塗膜乃至ミストを剥離除去する。
【0114】従って、塗膜側ロール12と樹脂素材側ロール11との間に投入された樹脂部材Waは塗膜側ロール12と樹脂素材側ロール11との間及び樹脂素材側ロール11と第3のロール17との間において連続的に最適な押圧力で圧延され、かつ剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材の両面に施された塗膜乃至付着したミストを一工程で剥離除去でき、効率的に樹脂部材の塗膜剥離が達成される。
【0115】また樹脂素材側ロール11の回転周速度に対して第3のロール17の回転周速度が大なるように設定することにより塗膜側ロール12と樹脂素材側ロール11とにより塗膜を剥離した樹脂素材Wb面に残存する塗膜を再び剥離することにより樹脂素材の同一面に残存する塗膜をより確実に剥離除去することが可能になる。
【0116】更にエアシリンダ43に代えて油圧シリンダ71を設け、この油圧シリンダ71に図12に示す油圧供給回路70を設ける等油圧により制御することも可能である。
【0117】
【実施例】以上説明した本発明における塗装樹脂製品の塗膜剥離装置によると、対向配置されて回転方向及び回転周速度の異なるロール間によって塗膜を有する樹脂部材を圧延して塗膜と樹脂素材との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置において、押圧手段によりロール間を一定の付勢力で互に接近するよう付勢することにより樹脂部材相互間において板厚が異なる場合、或いは板厚の異なる部分を有する樹脂部材であっても樹脂素材と塗膜との間に常に均一な剪断ズリ応力が付与され、塗膜の除去効率が極めて高い樹脂素材が効率的に得られ安定した生産性に優れる等処理能力に優れた効果を有し、広分野における塗装樹脂製品のリサイクルに貢献すること大なるものである。




 

 


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