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発明の名称 塗膜剥離装置及び塗膜剥離方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−86154
公開日 平成10年(1998)4月7日
出願番号 特願平8−243526
出願日 平成8年(1996)9月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
発明者 山本 洋
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 樹脂素材に塗装が施された樹脂部材を、対向配置され互いに回転周速度の異なるロール間で圧延し、樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置において、塗膜を剥離しようとする樹脂部材の板厚を検出する板厚検出部と、上記ロール間の隙間を調整する隙間調整部と、上記板厚検出部の信号によりロール間の隙間を調整する制御部とを有することを特徴とする塗膜剥離装置。
【請求項2】 上記板厚検出部は、上記ロールに対して、樹脂部材の搬送方向における上流側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の塗膜剥離装置。
【請求項3】 上記板厚検出部は、非接触式センサを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜剥離装置。
【請求項4】 上記塗膜剥離装置は、上記ロールから離間して設けられた作動スイッチと、この作動スイッチの入力により押し板が前進して樹脂部材を上記ロールに向けて供給するワーク供給装置とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗膜剥離装置。
【請求項5】 上記ワーク供給装置は、上記作動スイッチの入力信号及び上記板厚検出部からの測定信号を受けた後に作動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の塗膜剥離装置。
【請求項6】 上記ワーク供給装置は、上記作動スイッチの入力信号および上記制御部からの調節終了信号を受けた後に作動することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の塗膜剥離装置。
【請求項7】 塗装が施された樹脂部材を、対向配置され互いに回転周速度の異なるロール間で圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離方法において、塗膜を剥離しようとする樹脂部材の板厚を検出し、その検出結果に応じて前記ロール間の隙間を調整し、その後樹脂部材の塗膜を剥離することを特徴とする塗膜剥離方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の装飾及び緩衝等の機能部品として使用されるバンパ、サイドモール等、或いはCD−ROM等のような樹脂素材に塗装処理やメッキ等のコーティング処理が施された樹脂部材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置及び塗膜剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題や資源再利用に対する関心の高まりから樹脂部材のリサイクル化が叫ばれ、例えば自動車産業分野においてもバンパ、サイドモール等の樹脂部材を製造する際等に発生する工程内不良品及び廃車等から分離回収される樹脂部材のリサイクルが注目されている。
【0003】この種のバンパ、サイドモール等の樹脂部材は、外観及び品質向上のために製品の表面に塗装を施す場合が多い。例えばバンパの表皮は、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂素材上に塩素化ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなるプライマ層を介して塗膜が形成されている。この塗膜は例えばアミノポリエステル系、アミノアクリル系、ポリエステルウレタン系、アクリルウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂であり、硬化反応前のこれらの樹脂は液状であるが、焼付塗装工程により架橋構造が付与される。これは強固で緻密な構造のため塗装が施された樹脂バンパは優れた耐薬品性、耐熱性、耐擦り傷性、耐候性及び表面光沢性を有する。
【0004】しかし、この塗装されたバンパをそのまま粉砕して再使用すると、樹脂部材の素材を構成していたポリプロピレン系樹脂に塗膜片が混入し、この塗膜片が混在するポリプロピレン系樹脂を用いた成形加工では、塗膜片が溶融樹脂の流動性を阻害し、再生樹脂製品に“焼け”、“ウェルドマーク”、“気泡”等の成形不良を発生させる原因となり、かつ樹脂製品の表面に浮き出た塗膜片が樹脂製品の外観性を損なう等の不具合がある。
【0005】また塗膜片が熱硬化性樹脂であり、一方ベースレジンとなるポリプロピレン系樹脂が熱可塑性樹脂であることから塗膜片とベースレジンとの間にはほとんど相溶性がなく、微粉砕されない塗膜片が再生樹脂中の混練一体化を阻止して再生樹脂製品の機械的物性を著しく低下させ、再生樹脂製品の用途範囲が大きく制限される。
【0006】このことから塗装された樹脂部材をリサイクルする場合には塗膜除去が必要であり、このための樹脂部材の塗膜を除去する装置としては、特開平5−337941号公報に開示され、かつ図8に説明図を示す合成樹脂表面の剥離装置が提案されている。
【0007】この剥離装置は、一対の搬送ローラ101で樹脂部材、例えばサイドモール102を発砲性の合成樹脂からなる回転体103,104間に移送し、かつサイドモール102の搬送速度Vを回転体103及び104の回転周速度よりも遅く設定することによりサイドモール102の塗膜102a及び両面テープ102bに対して切削及び高い摩擦力を作用させて、サイドモール102の表面の塗膜102a及び両面テープ102bを切削剥離させ、かつ一対の搬送ローラ101によってサイドモール102を外部に搬出するものである。しかし上記剥離装置は、回転する発砲性合成樹脂からなる回転体103,104に樹脂部材を接触させることから回転体103,104が脆性破壊されて粉塵を発生させる等作業環境上好ましくなく、また折曲乃至湾曲形状の樹脂部材に適しない等の不具合がある。この対策として、例えば特開平7−256640号公報に開示されるように、塗装が施された樹脂部材を対向配置されて互いに回転周速度の異なる一対のロールを具備する塗膜剥離装置によって圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を加えて樹脂素材から塗膜を剥離する方法がある。この方法によれば、簡単な装置と方法により塗膜の除去が可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の方法では、板厚の異なる樹脂部材を連続して処理しようとする場合、板厚の差によっては樹脂素材と塗膜との間に十分な剪断ズリ応力が作用せず、塗膜の除去率が低下する場合が生ずる。そのため、樹脂部材の板厚が変化する毎に、作業者が両ロールの隙間を逐次調整する必要があり、作業効率を低下させていた。
【0009】従って本発明の目的は、樹脂部材の板厚が異なる場合でも作業効率を向上させることができる塗膜剥離装置及び塗膜剥離方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明における塗膜剥離装置及び方法は、塗装が施された樹脂部材を対向配置され互いに回転周速度の異なるロール間で圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置及び方法において、塗膜を剥離する前に予め樹脂部材の板厚を検出する板厚検出手段を設け、かつ、板厚検出手段により検出した板厚に相当する両ロール間隙間を自動的に調整する隙間調整手段を有することを特徴とするものである。
【0011】この構成及び方法によると、処理しようとする樹脂部材の板厚が変化しても両ロール間の隙間は常に最適な状態に調整され、最適な剪断ズリ応力が付与されて塗膜の除去率が格段に向上し、かつ、両ロール間の隙間をその都度調整するといった面倒な作業も不要になり、極めて作業効率のよい塗膜剥離の処理ができ、処理能力が大幅に向上する。
【0012】上記板厚検出部は、前記ロールに対して、樹脂部材の搬送方向における上流側に設けられ、ロールの上流側で樹脂部材の厚みを測定することが望ましく、この板厚検出部は、非接触式センサが用いられ、これにより、容易かつ正確に樹脂部材の厚みを測定することができる。
【0013】上記塗膜剥離装置は、上記ロールから離間して設けられた作動スイッチと、この作動スイッチの入力により押し板が前進して樹脂部材を上記ロールに向けて供給するワーク供給装置とを有することが望ましく、これより、樹脂部材の供給を自動的にかつ流れ作業で行なうことができ、上記ワーク供給装置は、上記作動スイッチの入力信号および上記板厚検出部からの測定信号を受けた後に作動することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明における塗装された樹脂部材の塗膜剥離装置及びその方法の一実施の形態を自動車部品の中でも比較的大物部品である塗装が施された樹脂バンパを回収してリサイクルする場合を例に説明する。
【0015】図1は、本実施の形態に係る塗装された樹脂部材の塗膜剥離装置により実施される塗装樹脂部材のリサイクル方法の概要を示す説明図である。
【0016】このリサイクル方法の概要を図1に従って説明すると、樹脂バンパの製造及び組立の際に発生する工程内不良品や廃車等から取り外されたバンパWは、樹脂製品回収工程aにおいて回収され、金属部分が取り除かれ、その後必要に応じて次の樹脂製品切断工程bにおいて所定幅の樹脂部材Waに切断される。
【0017】樹脂部材Waは、次の塗膜剥離工程cにおいて後述する塗膜剥離装置1によって樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離除去される。
【0018】塗膜剥離工程cでは、塗膜Wcが剥離除去された樹脂素材Wbは、次の粉砕処理工程dにおいてシュレッダ等で粉砕されて粉砕材Wdとなる。
【0019】粉砕材Wdは、続くペレット化工程eにおいて、例えば押出機へ供給され、押出機はホッパーに投入された粉砕材Wdをスクリューの回転によって加熱シリンダ内を前進させ、かつヒータ等で加熱し、加熱シリンダ内を前進する間に溶融させてダイから押し出して一定形状のペレットWeを製造する。この際加熱シリンダの先端部に設けられたスクリーンメッシュにより残存する塗膜片等は除去される。なお、このスクリーンメッシュを自動的に交換可能とすることにより処理能力を上げ、生産性を向上させることができる。
【0020】ペレット化工程eによって得られたペレットWeは、次の成形工程fにおいて必要に応じてバージンポリプロピレン系樹脂等から製造されたペレットが加えられ、再びバンパW等の再生樹脂部材となる。
【0021】上記ペレット化工程eにおいて、粉砕材Wdをペレット化したが粉砕材Wdの粉砕状態、例えば微粉砕状態であるならばペレット化工程eを省略することも可能である。
【0022】次に、前記塗膜剥離工程cにおいて、樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離除去する塗膜剥離装置1について、図2乃至図7を参照して説明する。
【0023】塗膜剥離装置1は、概して、剥離装置10、操作部30、板厚検出部50、隙間調整部70とから構成され、図2はその剥離装置10の要部を示す斜視図であり、図3は塗膜剥離装置1の平面図、図4は図3におけるA−A線断面図、図5は図4におけるB−B線断面図である。
【0024】剥離装置10は、図2、図4に示すように対向配設した塗膜側ロール11及び樹脂素材側ロール12とを有し、これら塗膜側ロール11及び樹脂素材側ロール12は、金属製であってロール表面は鏡面仕上げ、或いはクロムメッキが施され、図2に示すように塗膜側ロール11は支持フレーム13に設けられて対向する一対の塗膜側ロール支持部材11a間に回転可能に支持され、減速機付モータ等の回転駆動装置14によって回転駆動される。
【0025】一方、樹脂素材側ロール12は、支持フレーム13に後述する隙間調整部70により上下動可能に支持される一対の樹脂素材側ロール支持部材12a間に回転可能に支持され、自在継手15aを介して連結される減速機付モータ等の回転駆動装置15によって回転駆動される。樹脂素材側ロール支持部材12aは、後述する板厚検出部50からの信号によって、隙間調整部70が作動し上下動して塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との隙間量が調整され、塗膜を除去する樹脂部材Waの厚さに応じて樹脂部材Waに付与する圧延のための押圧力が最適状態に調整される。
【0026】塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12とは各々回転周速度が異なり、樹脂部材Wbの表面に圧接する樹脂素材側ロール12の回転周速度に対し塗膜Wc表面に圧接する塗膜側ロール11の回転周速度が大きく、かつ両ロール11,12間に供給された樹脂部材Waを噛み込み、押圧力を付与するように、図6に示すように互に逆方向に回転駆動される。
【0027】塗膜側ロール11のロール表面に近接する位置には、塗膜側ロール11のロール表面に付着する塗膜を掻き取るスクレーパ17が配設されていて、スクレーパ17で塗膜側ロール11のロール表面から掻き取られた塗膜Wcは、ベルトコンベア(図示せず)等により塗膜剥離装置1から搬出して回収するよう構成されている。なお、符号18は、樹脂素材側ロール12の表面に摺接してそのロール表面に付着する塵埃、塗膜片等を拭き取る例えば布製の清掃材である。
【0028】更に、剥離装置10には、後述する操作部30と共に安全装置19を構成するワーク供給装置20と、塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbを搬出する搬出装置25とが配設されている。
【0029】ワーク供給装置20は、図2、図4に示すように前端縁21aが塗膜側ロール11の近傍に位置し、前記相対向する塗膜側ロール支持部材11a間において対向する塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との隙間に略対応する高さで且つ略水平に配設される板状の平面部21と、平面部21の後端縁21bに設けられる押し板駆動装置、例えばエアシリンダ22、エアシリンダ22の伸縮によって平面部21の上面に沿って塗膜側ロール11に接近する前進端位置23aと塗膜側ロール11から離間する後進端位置23bとの間を往復移動する押し板23とを有している。
【0030】また、搬出装置25は、塗膜側ロール11及び樹脂部材側ロール12を介してワーク供給装置20と反対側に設けられ、搬出装置25の上端が塗膜側ロール11のロール表面の上部に近接し、かつ塗膜側ロール11から離間するに従って次第に下降するよう傾斜して下端が剥離装置10外に達する複数の案内棒26aが並設して形成される底部26と、底部26の両端に各々立設する案内部材27とを有し、底部26上を樹脂素材Wbが滑動して搬出されるよう構成されている。
【0031】平面部21の後端縁21bに設けられるエアシリンダ22の上方には、塗膜側ロール11に接近するに従って次第に下降するよう傾斜するスロープ24aと、スロープ24aの両側端縁及び後端縁に沿って起立する略コ字形のフランジ部24bとからなる投入部24が配設されている。
【0032】そして、投入部24のスロープ24a上に投入された樹脂部材Waは、スロープ24a上を滑り落ちて平面部21上に落下し、平面部21上に落下した樹脂部材Waは、板厚検出部50としてのセンサ51、52によりその板厚が検出され、エアシリンダ22の伸長によって、後進端位置23bから前進端位置23aに前進移動する押し板23によって塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との間に押し込み供給されるように構成されている。
【0033】板厚検出部50のセンサ51,52は、例えば図6のように可視光レーザを用いた非接触センサを平面部21および支持フレーム13等に取り付けられ、これらセンサ51、52間を通過する樹脂部材Waの板厚を瞬時に検出する。
【0034】この板厚検出部50からの信号は直ちに隙間調整部70に送られ、処理しようとする樹脂部材Waの塗膜を剥離するに最適なロール間隙間、例えば、予め試験等により設定された板厚の50%に自動的に調整する。
【0035】隙間調整部70は、駆動部、例えば板厚検出部50の検出結果に従って所謂回転駆動するステップモータ71、ステップモータ71によるピニオン及びピニオンに係合して下端に樹脂素材側支持部材11aを介して樹脂素材側ロール12を支持するラック等からなるロール移動部72及び制御部73から構成されている。
【0036】一方、剥離装置10の投入部24の近傍に配設される操作部30は、支持フレーム31と支持フレーム31に支持される操作ボックス32とを有し、図4に示すように、操作ボックス32の上面には互に離間して第1、第2の作動スイッチ33,34及び各作動スイッチ33と34との間に配設される第1緊急停止スイッチ36が設けられ、支持フレーム31の下部には、作業者が例えばペダル操作することにより作動する第2緊急停止スイッチ37が設けられている。
【0037】更に、操作部30の操作ボックス32内或いは前記剥離装置10には、前述の第1、第2の作動スイッチ33,34、第1、第2の緊急停止スイッチ36,37の操作に従って剥離装置10に設けられる回転駆動装置14,15及びエアシリンダ22の作動を制御する制御ユニット(図示せず)が設けられている。図7は、上述したセンサ51,52、隙間調整部70、作動スイッチ33,34、ワーク供給装置20の接続関係を示している。即ち、センサ51,52は間隙調節部70の制御部73に検知信号を送るようになっており、同時に、センサ51,52からの信号はワーク供給装置20に送る構成となっている。ワーク供給装置20は作動スイッチ33,34からの作動信号と、制御部73からの制御信号を受ける構成となっている。
【0038】次に、上記のように構成される塗膜剥離装置1の作動方法について説明する。
【0039】作業者は、先ず剥離装置10の投入部24のスロープ24a上に塗膜Wcがスロープ24a側に面するようにして樹脂部材Waを投入する。
【0040】投入された樹脂部材Waは、図4に示すスロープ24a上を滑降して、図6に示すように平面部21上に落下し導入される。このとき押し板23は図6に示すように平面部21の後端縁21b付近の後進端位置23bに退避した状態にあり、傾斜するスロープ24aの後方から作業者は、目視により平面部21上に導入された樹脂部材Waの状態を確認できる。
【0041】平面部21上に落下した樹脂部材Waは、板厚検出部50としてのセンサ51,52によりその板厚が検出される。
【0042】この板厚検出部50からの信号は、直ちに隙間調整部70の制御部73に送られ、ステップモータ71の作動によりロール移動部72によって樹脂素材側ロール12が上下動調整され、処理しようとする樹脂部材Waの塗膜を剥離するに最適な塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12とのロール間隙、例えば、板厚の50%に自動的に調整する。
【0043】次に、作業者が第1、第2の作動スイッチ33,34を操作すると、エアシリンダ22の伸長に伴って押し板23が、後進端位置23bから前進移動して平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との間に押し込み供給する。
【0044】樹脂部材Waは、押し板23によって押動されて、前進しつつ塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との間に確実に押し込まれ、塗膜側ロール11及び樹脂素材側ロール12の押圧力によって圧延され、かつ両ロール11,12間の相対的な回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂素材Wbから塗膜Wcが剥離する。
【0045】なお、このときのエアシリンダ22の伸長作動は、板厚検出部50からの信号を受けて作動するようにしてもよいし、あるいは、隙間調整部70の制御部73からの信号で隙間調整が終了したことを受けて作動するようにしてもよい。
【0046】一方、塗膜Wcが剥離された樹脂素材Wbは、両ロール11,12によって搬出装置25の傾斜する底部26上に送り出され、底部26上を滑動して塗膜剥離装置1から搬出されて回収される。かつ樹脂素材Wbから剥離された塗膜Wcは塗膜側ロール11のロール表面に付着して搬送され、スクレーパ17によって塗膜側ロール11のロール表面から掻き取られてベルトコンベア等によって塗膜剥離装置1から搬出されて回収される。
【0047】そして剥離側ロール11と樹脂素材側ロール12との協働によって樹脂素材Wbから塗膜Wcを剥離する剥離作業が終了した後、作業者が第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34の押圧操作を解除、即ち第1作動スイッチ33及び第2作動スイッチ34から手を離すことにより回転駆動装置14,15の作動が停止して、塗膜側ロール11及び樹脂素側ロール12の回転が停止し、かつ押し板23が後進端位置23bまで後進移動して停止する。
【0048】次に、別の樹脂部材Waを投入すると、上記同様平面部21上に落下した樹脂部材Waは、板厚検出部50としてのセンサ51,52によりその板厚が検出される。
【0049】この板厚検出部50からの信号は直ちに隙間調整部70の制御部73に送られ、処理しようとする樹脂部材Waの塗膜を剥離するに最適なロール間隙間に再調整される。
【0050】次に、作業者が第1、第2の作動スイッチ33、34を操作すると、エアシリンダ22の伸長に伴って押し板23が後進端位置23bから前進移動をして平面部21上に導入された樹脂部材Waを押動して塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との間に押し込み供給する。
【0051】樹脂部材Waは押し板23によって押動されて前進しつつ塗膜側ロール11と樹脂素材側ロール12との間に確実に押し込まれ、塗膜側ロール11及び樹脂素材側ロール12の押圧力によって圧延され、かつ両ロール11,12間の相対的な回転周速度の差に基づいて樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に剪断ズリ応力が付与されて樹脂部材Wbから塗膜Wcが剥離する。
【0052】この際、両ロール11,12間の隙間は樹脂部材Waの板厚の如何にかかわらず、処理するうえで常に最適な状態に調整されており、樹脂部材Waにはほぼ一定の圧縮力及び樹脂素材Wbと塗膜Wcとの間に一定の剪断ズリ応力が作用することになり安定した状態で塗膜が剥離する。
【0053】以上説明した本発明の実施の形態によると、塗装が施された樹脂部材を対向配置され互いに回転周速度の異なるロール間で圧延し、かつ樹脂素材と塗膜との間に剪断ズリ応力を付与して樹脂素材から塗膜を剥離する塗膜剥離装置及び方法において、塗膜剥離に先行して予め樹脂部材の板厚を検出する板厚検出手段を設け、かつ、板厚検出手段により検出した板厚に相当する両ロール間隙間を自動的に調整する隙間調整手段を設けることから、処理しようとする樹脂部材の板厚が変化しても両ロール間の隙間は常に最適な状態に自動的に調整され、塗膜の除去率が格段に向上し、かつ、両ロール間の隙間をその都度調整するといった面倒な作業も不要になり、極めて作業効率のよい塗膜剥離の処理ができ、処理能力が大幅に向上する。
【0054】また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、センサ51、52は、可視光レーザーを用いた非接触センサに限らず、他の非接触の厚さ測定器や、検知部材を樹脂部材に接触させて測定する接触型のセンサを用いる等種々変形可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明した本発明による塗装された樹脂部材の塗膜剥離装置および塗膜剥離方法によると、処理しようとする樹脂部材の板厚が変化しても両ロール間の隙間は常に最適な状態に自動的に調整される。樹脂素材と塗膜との間に最適な剪断ズリ応力を付与する構成であるから、塗膜の除去率が格段に向上し、かつ、両ロール間の隙間をその都度調整するといった面倒な作業も不要になり、極めて作業効率のよい塗膜剥離の処理ができ、処理能力が大幅に向上する。




 

 


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