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発明の名称 小割された繊維セメント板の製造装置及び小割された繊維セメント板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296697
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−112659
出願日 平成9年(1997)4月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
発明者 宇佐美 勝弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 長尺状の繊維セメント板原体を搬送する原体搬送装置Aと、固定下定盤と可動上定盤とを有し該原体搬送装置から搬送される長尺状の繊維セメント板原体を該下定盤と上定盤との間に受け止め、該原体から小割された繊維セメント板を打ち抜くようにされた打ち抜き装置B、とを少なくとも有する小割された繊維セメント板の製造装置であって、前記原体搬送装置の搬送面と前記打ち抜き装置の下定盤の表面とは水平面に対して傾斜した原体通過路を構成しており、長尺状の繊維セメント板原体は自重により、原体搬送装置の搬送面から打ち抜き装置の下定盤表面に移動可能となっていることを特徴とする小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項2】 前記原体通過路における前記打ち抜き装置の上流側に、原体の移動速度を制御するための制御手段Cをさらに設けていることを特徴とする請求項1記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項3】 前記打ち抜き装置の下流側に、該打ち抜き装置により打ち抜かれかつ自重により落下してくる小割された繊維セメント板を受け取るための受け取り装置Dをさらに設けていることを特徴とする請求項1又は2記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項4】 前記原体通過路における前記原体搬送装置の下流側に、原体又は原体から打ち抜かれた小割された繊維セメント板の一方又は双方の端部を原体通過路面から揚上させ、それにより両者の分離を促進するための分離機構Eをさらに設けていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項5】 前記分離機構は往復動するピストン棒を有し、該ピストン棒の衝接により前記揚上が起こるようにされていることを特徴とする請求項4記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項6】 前記分離機構は偏心した回動カムを有し、該回転カムの回転により前記揚上が起こるようにされていることを特徴とする請求項4記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項7】 前記分離機構は流体ノズルを有しており、該流体ノズルからの流体の噴出により前記揚上が起こるようにされていることを特徴とする請求項4記載の小割された繊維セメント板の製造装置。
【請求項8】 長尺状の繊維セメント板原体を原体搬送装置に搭載する工程、該搭載された原体を固定下定盤と可動上定盤とを有する原体打ち抜き装置内に原体の自重による落下によって送り込む工程、落下により送り込まれた長尺状の原体から小割された繊維セメント板を打ち抜く工程、打ち抜かれた小割された繊維セメント板を自重により原体打ち抜き装置外に落下させる工程、とを少なくとも有することを特徴とする小割された繊維セメント板の製造方法。
【請求項9】 前記原体から小割された繊維セメント板を打ち抜く工程の後に、原体と小割された繊維セメント板とを強制的に分離するための分離工程をさらに有することを特徴とする請求項8記載の小割された繊維セメント板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、平板屋根材のような薄板の小割された繊維セメント板を製造するのに用いられる小割された繊維セメント板の製造装置と、そのような装置を用いた小割された繊維セメント板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントと補強繊維材料とを主原料とする薄板状の小割繊維セメント板は軽量であり、最近、日本瓦やセメント瓦に代わって建築物の屋根材として需要が急速に拡大しつつある。小割繊維セメント板の製造に際しては、先ず、原料混合物に水を分散させたスラリーを抄造してシートをフォーミングする湿式法、あるいは、成形ベルト上に該原料混合物を層状に供給して加水の上、ロールによって押圧してシートをフォーミングする乾式法、等によって得られるフォーミングシートから、例えば特開平4−44811号公報に示されるように、最終製品としての小割繊維セメント板(例えは、平板屋根材)の大きさよりも幾分大きな寸法の製品素材を切断し、次に、該製品素材を一次養生後にパンチダイセットのような打ち抜き装置によって余分な部分を切り落として製品形状に打ち抜き、それをオートクレーブ養生して小割繊維セメント板を得るようにしている。
【0003】フォーミングシートからの製品素材の切断は、通常、水平方向の搬送面を持つコンベアにより送られてくるシートに対して、ロールカッターを用いて、シート原体の長手方向が打ち抜き後の屋根材の長手方向となるようにして行われ、また、製品素材から最終製品寸法への打ち抜きも水平に配置したパンチダイセットのような打ち抜き装置によって行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、フォーミングシートはエンドレスのものであり、水平方向にフォーミンシートを配置して製品素材を順次切断していくためには、広い床面積を必要とする。また、個々に切断された製品素材を一次養生するための作業、それを最終製品寸法へ打ち抜く作業は、基本的に一枚単位の作業であり、多くの手間と時間を必要とする。また、水平配置されている打ち抜き機に製品素材を搬入してセットするための作業も多くの時間を要している。
【0005】本発明の目的は、従来の小割繊維セメント板の製造作業を大きく省力化することができ、かつ、スペースの節約も可能な小割された繊維セメント板の製造装置及び小割された繊維セメント板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための本発明による小割された繊維セメント板の製造装置は、長尺状の繊維セメント板原体を搬送する原体搬送装置と、固定下定盤と可動上定盤とを有し該原体搬送装置から搬送される長尺状の繊維セメント板原体を該下定盤と上定盤との間に受け止め、該原体から小割された繊維セメント板を打ち抜くようにされた打ち抜き装置、とを少なくとも有しており、そこにおいて、前記原体搬送装置の搬送面と前記打ち抜き装置の下定盤の表面とは水平面に対して傾斜した原体通過路を構成しており、長尺状の繊維セメント板原体は自重により、原体搬送装置の搬送面から打ち抜き装置の下定盤表面に移動可能となっていることを特徴とする。
【0007】この装置によれば、長尺状の繊維セメント板原体の装置内での通過路は水平面に対して傾斜した面となっており、原体は自重により打ち抜き装置の所定位置まで移動する。そのために、製造装置の設置床面積を小さくすることができるばかりでなく、原体を原体搬送装置から打ち抜き装置まで搬送するための機械的装置及び人的作業を省略することができる。自重による自然落下の移動態様は、水平移動の場合に比べて、最終製品に打ち抜かれた瞬間に落下動作するため生産効率がよく、また動力の省力化のメリットがもたらされる。
【0008】好ましい態様において、製造装置は、前記原体通過路における前記打ち抜き装置の上流側に、原体の移動速度を制御するための制御手段をさらに有する。この制御手段は、原体面に圧接可能な制動用ロールであってもよく、それにより、原体の落下速度は制限され、打ち抜き装置の下定盤と上定盤の間における所定位置に原体を位置決めするのが容易かつ確実となる。また、この制御手段は、打ち抜き装置が打ち抜き工程を行っている間に原体が不要な移動をしないように、原体を通過路面に向けて押圧しておくような手段であってもよい。
【0009】さらに好ましい態様において、前記打ち抜き装置の下流側に、該打ち抜き装置により打ち抜かれかつ自重により落下してくる小割された繊維セメント板を受け取るための受け取り装置が設けられる。打ち抜き後の小割繊維セメント板は養生工程等の後工程に移されるが、この受け取り装置を設けておくことにより、移送が容易となる。
【0010】さらに好ましい態様において、製造装置は、前記原体通過路における前記原体搬送装置の下流側に、原体又は原体から打ち抜かれた小割された繊維セメント板の一方又は双方の端部を原体通過路面から揚上させ、それにより両者の分離を促進するための分離機構をさらに有する。長尺状の繊維セメント板原体は打ち抜き装置の下定盤と上定盤との間でプレス打ち抜き処理されることにより、原理的には打ち抜き後の小割繊維セメント板とその周囲の原体部分とに分離されており、型を開く(上定盤を揚上する)ことにより、小割された繊維セメント板はそれより上位に位置する原体部分から容易に分離して自重によって自然落下し、装置外に出ることができる。しかし、打ち抜きが不十分の場合(被打ち抜き物が未養生の繊維セメント板の場合には起こりがちである)、自重のみによっては、小割された繊維セメント板が原体部分と分離しない場合が起こり得る。上記分離機構はその場合を担保するものであり、型開き後に分離機構を作動させることによって、打ち抜かれた小割繊維セメント板の自然落下を確実にすることができる。
【0011】前記分離機構は、原体部分あるいは打ち抜かれた小割繊維セメント板の端部を原体通過路面から揚上させることのできる手段であればよく、往復動するピストン棒、偏心した回動カム等の機械的手段、さらには、流体ノズルからの流体の噴出のような流体的手段等であってよい。
【0012】なお、本出願人は、改良された小割繊維セメント板の製造方法として、図11に示すように、湿式法あるいは乾式法によって得られるセメントと補強繊維材料とを主体とする原料混合物のシート(フオーミングシート)であって、該補強繊維材料が長手方向に配向されているシート1に、矢印方向に回転するロータリーカッター3よって、硬化前に短手方向両側から切り抜き13を入れて、該シート1の長手方向を縦方向として小割建築板素材(小割繊維セメント板)12Aの連続した原体11を形成すると共に、その原体11を一次硬化せしめた後、該小割建築板素材12Aから最終製品寸法の小割建築板を切り離なし、該切り離された小割建築板をオートクレーブ養生することにより、硬化した小割建築板を製造する方法をすでに提案している(特願平8−1888596号)。なお、図11において、14は未硬化の切り抜き端材であり、再度原料として用いられる。
【0013】本発明による前記の製造装置は、任意の長尺状の繊維セメント板原体から複数個の小割繊維セメント板を連続して打ち抜く場合に適宜用いることができるが、長尺状の繊維セメント板原体として、前記出願でいう、硬化前に短手方向両側から切り抜きを入れて、フオーミングシートの長手方向を縦方向として小割繊維セメント板素材を連続形成した長尺状の繊維セメント板原体を被打ち抜き材として用いる場合に、特に効果的に機能する。従って、前記特願平8−1888596号の開示内容は、本出願の開示の一部を構成する。
【0014】なお、本発明において、繊維セメント板原体の原料としては、例えば、ポルトランドセメント、あるいはポルトランドセメントに高炉スラグを混合した高炉セメント、フライアッシュを混合したフライアッシュセメント、アルミナセメント等のセメント類等の水硬化性の原料と、シリカ粉、硅石粉、シリカフューム、珪藻土、白土等のシリカ微粉末と、木粉、木毛、木片、木質繊維、木質パルプ、木質繊維束等の木質強化繊維材料、セピオライト、ワラストナイト、ガラス繊維等の無機補強繊維材料等の補強繊維材料と、更に所望なればパーライト、シラスバルーン、膨張頁岩、膨張粘度、石炭ガラ等の軽量骨材を混合した混合物が使用される。上記混合物において、通常セメントは28〜40重量%、シリカ微粉末は28〜40重量%、補強繊維材料は5〜20重量%、軽量骨材を混合する場合に3〜10重量%の添加量で使用される。
【0015】本発明による小割された繊維セメント板の製造方法においては、先ず、好ましくは上記のようにして成形された未養生のマット(すなわち、長尺状の繊維セメント板原体)を、好ましくは下端にストッパーを持つ原体搬送装置に搭載する。搭載後、原体打ち抜き装置の固定下定盤と可動上定盤とを開き、ストッパーを開放して原体をその自重により落下させ、原体打ち抜き装置内に送り込む。送り込まれた原体は原体打ち抜き装置のストッパーに衝接して所定の位置で停止する。好ましくは、その際に、原体の移動速度を制御するための制御手段を用いて、落下速度を制御する。原体の移動が停止した時点で、好ましくは制御手段により、該原体を原体通過路に向けて押圧して移動するのを抑えておき、上定盤を下降させて打ち抜きを行う。
【0016】打ち抜き後、上定盤を上昇させることにより打ち抜かれた小割繊維セメント板は自重によって自然落下し装置外に飛び出す。前記分離機構を持つ場合には、分離機構を作動させて分離と落下を確実にする。分離機構の作動は打ち抜き毎に行うようにしてもよいが、適宜のセンサーにより小割繊維セメント板の原体部分からの分離が生じていないことを検知した場合にのみ作動させるようにしてもよい。
【0017】落下の終了を確認した後、前記ストッパーや前記制御手段等を操作して長尺状の繊維セメント板原体の残りの部分を再び原体打ち抜き装置の固定下定盤と可動上定盤との間に自重により移動させ、以下、同様の工程を繰り返す。原体1枚分の打ち抜きが終了した後、適宜の手段により次の原体を原体搬送装置にセットし、同様の操作を反復する。打ち抜かれた小割繊維セメント板はオートクレーブ養生に付され、硬化して平板屋根材等の最終製品とされる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明を好ましい実施の形態にもとづきより詳細に説明する。図1は、本発明による小割された繊維セメント板の製造装置の一実施形態を説明する側面図であり、被処理材である長尺状の繊維セメント板原体11の搬送経路の上流側から、順次、長尺状の繊維セメント板原体を搬送する原体搬送装置A、該原体の移動速度(落下速度)を制御するための制御手段C、該原体と打ち抜かれた小割繊維セメント板との分離を促進するための分離機構E、該原体から小割された繊維セメント板を打ち抜くための打ち抜き装置B、及び、打ち抜き後の小割繊維セメント板を受け取るための受け取り装置D、とが配置されて構成されている。
【0019】原体搬送装置A、制御手段C、分離機構E、及び、打ち抜き装置Bにおける長尺状の繊維セメント板原体11が通過する通過路Lは、図1bに擬似的に示すように、水平面Gに対して適宜角度α傾斜(この例ではα=45°)した実質的に連続した原体通過路Lとなっており、原体搬送装置Aの搬送面上に繊維セメント板原体11を配置した場合、該原体11は自重によって該原体通過路L上を受け取り装置Dの上流位置まで自然落下するようになっている。
【0020】原体搬送装置Aは、多数のローラ21を水平方向に配置したものであり、その搬送面は水平面Gに対して45°傾斜している。そのために、ローラ21に乗った被搬送物(この場合には長尺状の繊維セメント板原体11)は、図で左上方から右下方に自重により自然落下する。さらに、原体搬送装置Aは、搬送面側に起伏自在とされたストッパー22を有しており、該ストッパー22の起立状態では繊維セメント板原体11の自然落下は阻止され、倒伏することにより、繊維セメント板原体11は自然落下する。
【0021】制御手段Cは、遊転ローラ31aと駆動ローラ31bの間に巻装された平ベルト32有し、平ベルト32の搬送面は水平面Gに対して45°傾斜している。また、該駆動ローラ31bの上方に平ベルト32との距離を調整可能とされた制動ローラ33が配置されており、平ベルト32の上を自然落下してくる繊維セメント板原体11の落下速度は、該駆動ローラ31bを長尺状の繊維セメント板原体11に接触させた状態での平ベルト32と制動ローラ33の回転速度によって制御される。制御手段Cは、さらに、平ベルト32の搬送面の裏面側をバツクアップする押さえ板34と、該押さえ板34に向けて進退自在とされた制動板35と、該制動板35を昇降させるための空圧シリンダー機構36とからなる制動機構を有し、制動板35を下降して繊維セメント板原体11に押圧することにより、繊維セメント板原体11の移動は停止する。
【0022】打ち抜き装置Bは、機枠に固定した下定盤41と、該下定盤41に立設した支柱42に沿って摺動自在とされた可動上定盤43を有し、該可動上定盤43には打ち抜き上型44が発条45を介して取り付けられている。さらに、機枠には駆動回転する円板46が設けてあり、円板46の偏心支点47には作動棒48の一端が枢着され、該作動棒48の他端側は前記可動上定盤43に駆動連結している。円板46の回動によって可動上定盤43は上下方向の往復運動を行い、下降位置で、下定盤41上に位置する繊維セメント板原体11から、打ち抜き上型44に取り付けた打ち抜き型48(図4にその輪郭形状のみを示す)の形状に小割された繊維セメント板を打つ抜く。図4に示すように、この例では打ち抜き型48は2個設けられている。また、下定盤41の下端近傍には図示しないストッパーが出入自在に設けられており、下定盤41の上表面を下方に移動してくる繊維セメント板原体11を規定位置に停止させ、また、通過させる。
【0023】打ち抜き装置Bは、全体が水平面Gに対して45°傾斜しており、かつ、下定盤41の上表面は、前記制御手段Cの平ベルト32の搬送面と実質的に連続した傾斜面を構成するように配置されている。打ち抜き後の小割繊維セメント板12は可動上定盤43の上昇により、下方に向けて自然落下する。図示しないが、打ち抜き上型44には、打ち抜き型49の周囲に放射方向に延びる耳破断片49aも取り付けてある。
【0024】分離機構Eは、制御手段Cと打ち抜き装置Bとの間における原体通過路Lの領域内に位置しており、ピストン棒51と空圧シリンダー52とを有し、ピストン棒51は、その上昇位置では原体通過路Lの繊維セメント板原体11の搬送レベルよりも上方に突出する(図3参照)ようにされ、下降位置では該搬送レベルよりも下方に退避するようにされている。なお、図で53は繊維セメント板原体11の搬送レベルに位置して設けられた案内板である。
【0025】受け取り装置Dは、打ち抜き装置Bの前記下定盤41の表面と実質的に連続する傾斜面を構成するように45°の傾斜で配置された案内板61、該案内板61の搬送後流側下方に配置されたほぼ水平方向の搬送面を持つ平ベルトコンベア62、該平ベルトコンベア62の搬送後流側下方に配置された小割繊維セメント板収集箱63とを有すると共に、前記案内板61の上端近傍位置下方に配置された第2の平ベルトコンベア64とを有している。後記するように、第2の平ベルトコンベア64は、小割繊維セメント板12の打ち抜き後に発生する打ち抜き端材を収集排除するために設けられる。
【0026】次に、この製造装置の使用方法について説明する。用いる長尺状の繊維セメント板原体は打ち抜き装置Bの打ち抜き型に合わせて任意の形状のものを用い得るが、以下の説明では、先に図11に基づき説明した形状の繊維セメント板原体11を用いる場合を例として説明する。図4は繊維セメント板原体11を示しており、図示しない抄造装置によって、小割繊維セメント板原体12Aが10個、繊維セメント板原体11の長手方向を小割繊維セメント板原体12Aの短手方向として連続した状態に成形されている。
【0027】この繊維セメント板原体11を原体搬送装置Aの多数のローラ21の上に配置する。その際に、ストッパー22を起立状態としておく(図2はその状態を示している)。打ち抜き装置Bの上定盤43を上昇位置とし、分離機構Eのピストン棒51を下降位置とし、かつ、制御手段Cの制動板35を上昇位置として、前記ストッパー22を倒伏状態とする。それにより、繊維セメント板原体11は制御手段Cの平ベルト32面を通過して、打ち抜き装置B内に入り込み、打ち抜き装置Bの下定盤41に設けたストッパーによって規定位置に停止する。落下速度が早く、ストッパーに衝接するときに繊維セメント板原体11の変形が予想されるような場合には、制御手段Cの平ベルト32と制動ローラ33とを作動して繊維セメント板原体11の移動速度を制御する。
【0028】この実施形態では、打ち抜き装置Bの打ち抜き上型44は2個の打ち抜き型49を有しており、図4に示すように、先ず、先頭から2個の小割繊維セメント板原体12Aが打ち抜き装置B内に入り込み、残りの8個はより上流側の原体通過路Lに位置している。その状態で円板46を回動させて可動上定盤43を下降させ、繊維セメント板原体11から2個の小割された繊維セメント板12、12’を、図4で仮想線49で示す形状に打ち抜く。その際に、制御手段Cの制動板35を下降させて繊維セメント板原体11を固定しておく。なお、前記のように、打ち抜き型49の周囲には放射方向に延びる耳破断片49aが取り付けてあり、小割繊維セメント板12を打ち抜いた残りの周囲の耳部(切り抜き端材)も同時に複数の小片に裁断される。
【0029】打ち抜き後、円板46を作動して可動上定盤43を上昇させる。それにより、打ち抜かれた2個の小割繊維セメント板12、12’は自重により下定盤41の表面に沿って落下し、案内板61を通って、平ベルトコンベア62上に落下し、小割繊維セメント板収集箱63まで運ばれる。同時に、複数に分割された周囲の耳部分も自重により第2の平ベルトコンベア64の上に自然落下し、装置外に搬出される。好ましくは、搬出後に、再度原料として用いられる。
【0030】打ち抜き型49による打ち抜きが不十分な場合には、打ち抜かれた小割繊維セメント板12、12’とその周囲の耳部分との分離が完全に行われない場合が起こり得る。特に、未養生あるいは一次養生した繊維セメント板の場合には、該繊維セメント板の芯層部は湿潤状態にあり粘着性があって、打ち抜き型49による打ち抜き後であっても打ち抜き部の分離が不十分となることがしばしば生じる。1個目の小割繊維セメント板12’と2個目の小割繊維セメント板12との分離の不完全さ、あるいはそれぞれの周囲の耳部との分離の不完全さは、もし生じても、前記小割繊維セメント板収集箱63までの移動過程で自然解消したりあるいは手作業により解消させることが可能であり、連続した打ち抜きプロセスに大きな支障は生じない。しかし、2個目の小割繊維セメント板12と3個目の小割繊維セメント板12Aとの間での打ち抜きが不十分な場合には、2個目の小割繊維セメント板12が自重により自然落下することができなくなり、可動上定盤43が上昇してもそのままの位置に残ってしまう。
【0031】その場合には、次の打ち抜き工程を行うことができず、打ち抜きプロセスを一旦停止しなければならない。特に、図5に小割繊維セメント板(平板屋根材)12の完成品を示すように、軒先側先端に凹凸状の切欠き12cを形成し、それにより施工に際して隣接する平板屋根材との継ぎ目が目立たないようにデザインするような場合には、2つの小割繊維セメント板(原体)12、12Aの間での切断線長が長くなり、分離不完全が起こりやすい。
【0032】分離機構Eは、そのような場合の、打ち抜かれた小割繊維セメント板12とその上位の繊維セメント板原体11との分離を完全にするために設けられるものであり、図示しない適宜のセンサーにより分離不完全が検知されたとき、あるいは、上定盤43の各上昇サイクル毎に、図3に示すように、分離機構Eのピストン棒51を上昇した位置として、繊維セメント板原体11の打ち抜き線に近接した部分(図4参照)を原体通過路Lから揚上させる。それにより、2個の打ち抜かれた小割繊維セメント板12、12’はそれより上位の繊維セメント板原体11から完全に分離し、確実に下方に落下する。
【0033】落下後、制御手段Cの空圧シリンダー機構36を操作して制動板35を上昇させる。それにより、繊維セメント板原体11の3個目と4個目の小割繊維セメント板原板12Aが再び打ち抜き装置Bに入り込み、以下、同じ操作を繰り返す。図2は、先行する繊維セメント板原体11の7個目と8個目の小割繊維セメント板原板12Aが打ち抜き装置Bに入り込み、9個目と10個目の小割繊維セメント板原板12Aが、分離機構E及び制御手段Cの箇所に位置する状態を示しており、10個目、すなわち最後の小割繊維セメント板原板12Aが制御手段Cの制動板35により押圧されて、繊維セメント板原体11の移動が停止している。次に続く繊維セメント板原体11は原体搬送装置Aに配置されており、ストッパー22により落下が抑制されている。ストッパー22は、先行する繊維セメント板原体11の9個目と10個目の小割繊維セメント板原板12Aの打ち抜きが終了するまでは起立状態にあり、その後に倒伏して、原体搬送装置Aの繊維セメント板原体11を同様にして打ち抜き装置Bに入り込む。以下、同じ操作を繰り返すことにより、連続して打ち抜き作業を行うことができる。
【0034】上記の説明は好ましい一実施形態の説明であって、本発明の小割された繊維セメント板の製造装置及び製造方法は他の多くの変形例が存在する。例えば、前記分離装置Eは、原体通過路Lにおいて、繊維セメント板原体11又は該原体から打ち抜かれた小割された繊維セメント板12の一方又は双方の端部を前記原体通過路L面から揚上させ、それにより両者の分離を促進する機能を持つものであればよく、図3に示した態様に限らず、多くの態様が存在し得る。
【0035】図6〜図10はその例を示しており、図6では、偏心した回転軸52aを持つ偏心カム51aを用いている。この場合も、必要時に、偏心カム51aを回転させることにより、繊維セメント板原体11の端部を揚上させることができる。図7はさらに他の例であり、この例では、一端を枢支した平板部材51bが偏心回転する偏心カム51aにより上下方向に揺動するようにされている。この場合には、平板部材51bが幅広い部分で繊維セメント板原体11に接触して揚上させることができるので、分離をより確実に行うことができる。
【0036】図8は空気圧を用いる例であり、ノズル51aの先端から繊維セメント板原体11の裏面に加圧空気を吹きつけ、その流体圧によって繊維セメント板原体11の端部を揚上させる。図9は負圧を用いるものであり、繊維セメント板原体11の表側に負圧源51dを吸着させ、それにより、端部を揚上させる。図10はさらに他の例であり、ここでは、打ち抜き装置Bの下定盤41の上流端位置であって、前記打ち抜き型49による打ち抜き域内の部分に孔41aを形成し、そこに、ピストン棒55と空圧シリンダー56とからなる分離機構Eを配置している。ピストン棒55は、その上昇位置では原体通過路Lでの繊維セメント板原体11(ここでは、打ち抜かれた小割繊維セメント板12)の搬送レベルよりも上方に突出する(図10参照)ようにされ、下降位置では該搬送レベルよりも下方に退避するようにされている。この場合には、打ち抜かれた小割繊維セメント板12側の上方端部を揚上させるので、該小割繊維セメント板12はより迅速にかつスムースに落下するメリットがある。
【0037】また、上記の説明では、原体通過路Lが水平面Gとなす傾斜角α=45°としたが、この傾斜角は、要は、長尺状の繊維セメント板原体11が自重により自然落下して打ち抜き装置Bの規定位置まで移動できる角度であればよく、装置全体の構成、原体通過路Lの摩擦力、繊維セメント板原体11の重さや含水率等との関係で実験的に最適な角度を求めればよい。また、装置全体をその原体通過路Lの傾斜角度が変化するように傾動自在にセットするようにしてもよい。
【0038】さらに、自重による移動によって長尺状の繊維セメント板原体11が特に変形等を伴うことなく打ち抜き装置Bの規定位置まで移動できるのであれば、前記した制御手段Cは必ずしも設ける必要はない。設ける場合でも、平ベルト32と制動ローラ33とによる繊維セメント板原体11の移動速度制御機構のみ、あるいは、制動板35を下降して繊維セメント板原体11に押圧することにより繊維セメント板原体11の移動を停止させる制動機構のみ、を選択的に設けるようにしてもよい。
【0039】さらに、打ち抜き装置Bの機能により、あるいは、繊維セメント板原体11の物性により、打ち抜き装置Bの操作のみで打ち抜きが完全に行われる場合には、前記分離機構Eを省略することもできる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、例えば平板屋根材のような小割繊維セメント板の連続した製造作業を簡素化しかつ大きく省力化することができ、かつ、製造装置のスペースも節約することができる。また、分離機構を持つものにあっては、打ち抜き後の原体側と打ち抜かれた小割繊維セメント板との分離を確実化することが可能となり、分離不能による製造作業の中断は確実に回避できる。




 

 


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