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発明の名称 建築板の塗装方法及び塗装装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−263467
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−71954
出願日 平成9年(1997)3月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
発明者 山口 隆博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 搬送手段によって搬送されてくる建築板の表面に、その上方に配列された複数の噴射ノズルから塗料を噴射して、模様を塗装する建築板の塗装方法において、少なくとも一部の噴射ノズルを、予め設定された動作パターン又はランダムな動作パターンで動かしながら、前記建築板の表面に模様を塗装することを特徴とする建築板の塗装方法。
【請求項2】 少なくとも一部の噴射ノズルは、塗料噴射中に噴射位置が変化することを特徴とする請求項1に記載の建築板の塗装方法。
【請求項3】 少なくとも一部の噴射ノズルは、塗料噴射中に前記建築板に対する噴射角度が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の建築板の塗装方法。
【請求項4】 前記複数の噴射ノズルは、前記建築板の搬送方向と交差する方向に非直線的に配列されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建築板の塗装方法。
【請求項5】 前記複数の噴射ノズルから、色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建築板の塗装方法。
【請求項6】 前記複数の噴射ノズルを配列したノズルアレイを複数、配置し、前記ノズルアレイ毎に色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建築板の塗装方法。
【請求項7】 搬送手段によって搬送されてくる建築板の表面に、その上方に配列された複数の噴射ノズルから塗料を噴射して、模様を塗装する建築板の塗装方法において、前記複数の噴射ノズルとして、異なる形状の噴口を有する複数種類の噴射ノズルを配列し、前記複数の噴射ノズルから異なる噴射形状で塗料を噴射することで前記建築板の表面に模様を塗装することを特徴とする建築板の塗装方法。
【請求項8】 搬送手段によって搬送されてくる建築板の表面に、その上方に配列された複数の噴射ノズルから塗料を噴射して、模様を塗装する建築板の塗装方法において、前記複数の噴射ノズルを配列したノズルアレイを複数、配置し、前記ノズルアレイ毎に異なる形状の噴口を有する噴射ノズルを配列し、前記ノズルアレイ毎に異なる噴射形状で塗料を噴射することで、前記建築板の表面に模様を塗装することを特徴とする建築板の塗装方法。
【請求項9】 各噴射ノズルの一回の噴射で一個の斑点を形成して斑点模様を塗装する塗装方法であって、少なくとも一部の噴射ノズルの一回当りの噴射時間を、予め設定された変更パターン又はランダムな変更パターンで変化させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の建築板の塗装方法。
【請求項10】 前記複数の噴射ノズルから、異なる噴射圧で塗料を噴射することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の建築板の塗装方法。
【請求項11】 建築板を搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送されてくる建築板の上方に配列された複数の噴射ノズルとを備え、各噴射ノズルから塗料を噴射して、前記建築板の表面に模様を塗装する建築板の塗装装置において、少なくとも一部の噴射ノズルを動かすための駆動手段と、塗料噴射中に少なくとも一部の噴射ノズルを予め設定された動作パターン又はランダムな動作パターンで動かすように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする建築板の塗装装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築板の表面に模様を塗装する建築板の塗装方法及び塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、需要が急増している窯業系の建築板は、表面に模様を塗装して意匠性を高めたものが多い。建築板の凹凸のある表面に模様を塗装する場合、特開平7−228036号公報に示すように、インクジェット式の塗装装置を用いて、建築板の表面に非接触で模様を描く塗装技術が開発されている。このインクジェット式の塗装装置は、塗料を噴射する多数の噴射ノズルを、建築板の搬送方向の直角方向に配列し、建築板をコンベアにより搬送しながらコンピュータによって各噴射ノズルの電磁弁のオン/オフ(塗料噴射/停止)を制御することによって、建築板の表面に模様を塗装する。
【0003】このインクジェット式の塗装装置を用いて、建築板の表面に、例えば斑点模様を塗装する場合、コンピュータによって各噴射ノズルの電磁弁のオン/オフを細かく切り換えて、各噴射ノズルから間欠的に塗料を少量ずつ噴射することで、斑点模様を塗装することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塗装方法では、搬送されてくる建築板の上方で各噴射ノズルが下向きに固定され、建築板に対する噴射位置と噴射角度が一定に保たれた状態で斑点模様を塗装するので、各噴射ノズルから噴射される塗料の建築板への付き具合が常に一定となり、建築板に塗装される斑点の形状が常に同一になってしまう。このため、建築板に塗装する斑点模様が比較的単調なものとなり、模様としての面白味や斬新性が少ないという欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、建築板の表面に異なる形状の斑点(ここでいう斑点とは小さい斑点に限らない)を塗装することができて、変化に富む斬新な模様を塗装することができる建築板の塗装方法及び塗装装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1,11の建築板の塗装方法及び塗装装置によれば、搬送手段によって搬送されてくる建築板の表面に、その上方に配列された複数の噴射ノズルから塗料を噴射して模様を塗装する際に、少なくとも一部の噴射ノズルを、予め設定された動作パターン又はランダムな動作パターンで動かしながら、前記建築板の表面に模様を塗装する。
【0007】この塗装方法では、塗料噴射中に噴射ノズルを動かすことで、噴射ノズルから噴射される塗料の建築板表面ヘの付き具合が変わるため、建築板の表面に塗装される斑点形状も変わる。つまり、噴射ノズルの動きによって、塗装される斑点形状が変化していくので、建築板の表面に形状の異なる斑点で構成される斑点模様を形成することができる。従って、従来の単調で機械的な模様に対して、変化に富んだ斬新な模様とすることができる。
【0008】この場合、請求項2のように、少なくとも一部の噴射ノズルは、塗料噴射中に噴射位置が変化するようにしても良い。例えば、噴射ノズルの高さ位置が変化すると、建築板表面までの噴射距離が変化し、噴射ノズルから噴射した塗料が建築板表面に到達するまでの塗料の拡散状態が変化して、建築板表面に大きさの異なる斑点が塗装される。また、塗料噴射中に噴射ノズルが水平方向に移動されると、その移動方向に噴射塗料がずれ、建築板表面では噴射ノズルの移動方向に延ばされた形状の斑点が塗装される。つまり、噴射ノズルの噴射位置を変化させるという簡単な方法で、建築板の表面に大きさや形状の異なる斑点で構成される斑点模様を形成できる。
【0009】また、請求項3のように、少なくとも一部の噴射ノズルは、塗料噴射中に建築板に対する噴射角度が変化するようにしても良い。この場合、噴射ノズルの噴射角度が変化すると、噴射される塗料が建築板表面に付着する角度が異なるため、建築板表面での斑点の広がり方や広がり方向が異なり、異なる形状の斑点が塗装される。また、建築板表面で塗料の跳ね返りが生じるような場合には、跳ね返った塗料の飛び散り方も変化するため、一層、変化に富んだ模様を形成できる。しかも、斜め方向に塗料を噴射することができるので、従来では塗装が困難であった凹部や凸部の側面や逆テーパ面にも塗装することができる。
【0010】また、請求項4のように、複数の噴射ノズルは、建築板の搬送方向と交差する方向に非直線的に配列されているようにしても良い。このようにすれば、建築板の表面に斑点が建築板の搬送方向と交差する方向に非直線的に並んで塗装されていくため、斑点模様のランダム性が強調される。
【0011】更に、請求項5のように、複数の噴射ノズルから、色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射するようにしても良い。色が異なる塗料を噴射することで、色の異なる斑点で構成されるカラー斑点模様を形成できる。また、塗料の粘度が異なると、建築板表面上での塗料の広がり具合が異なるので、大きさの異なる斑点で構成される斑点模様を形成できると共に、粘度が低い場合には、跳ね返りによる塗料の飛び散りによって一層変化のある斑点模様が出来る。
【0012】尚、色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射する場合、請求項6のように、複数の噴射ノズルを配列したノズルアレイを複数、配置し、ノズルアレイ毎に色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射するようにしても良い。このようにすれば、塗料配管の取り回しが複雑とならず、メンテナンス性も向上する。
【0013】一方、請求項7のように、複数の噴射ノズルとして、異なる形状の噴口を有する複数種類の噴射ノズルを配列し、複数の噴射ノズルから異なる噴射形状で塗料を噴射するようにしても良い。このようにすれば、建築板の表面に異なる形状の斑点がおり混ざった斬新な斑点模様を形成できる。
【0014】或は、請求項8のように、複数の噴射ノズルを配列したノズルアレイを複数、配置し、ノズルアレイ毎に異なる形状の噴口を有する噴射ノズルを配列し、ノズルアレイ毎に異なる噴射形状で塗料を噴射するようにしても良い。この場合も、異なる形状の斑点がおり混ざった斬新な斑点模様を形成できると共に、同形状の噴口をもった噴射ノズルが並んで配置されているので、修理、点検等もしやすく、メンテナンス性も向上する。
【0015】また、請求項9のように、少なくとも一部の噴射ノズルの一回当りの噴射時間を、予め設定された変更パターン又はランダムな変更パターンで変化させるようにしても良い。噴射時間が変化すると、噴射される塗料の噴射量や、噴射中の建築板に対する噴射位置の相対的な位置変化量が異なるので、大きさの異なる斑点や噴射位置変化方向に延ばされた形状の斑点が塗装される。
【0016】更に、請求項10のように、複数の噴射ノズルから、異なる噴射圧で塗料を噴射するようにしても良い。噴射圧が異なると、噴射される塗料の噴射量や噴射塗料の拡散状態や建築板表面での塗料の跳ね返り具合が異なるので、建築板の表面に大きさや形状の異なる斑点で構成される斑点模様を形成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1乃至図11に基づいて説明する。まず、図1及び図2に基づいて、窯業系の建築板11の塗装に用いるインクジェット式塗装装置12の構成を説明する。建築板11を搬送する搬送ローラ13(搬送手段)の上方には、塗装ユニット14が設置され、この塗装ユニット14の上方に塗装ヘッド15が設けられ、塗装ユニット14内には、電磁弁アレイ16及びノズルアレイ17が設けられている。ノズルアレイ17の下面には、多数の噴射ノズル18が設けられ、これら多数の噴射ノズル18が建築板11の搬送方向と直角方向に一列に配列されている。電磁弁アレイ16には、噴射ノズル18の数と同数の電磁弁19が設けられ、各電磁弁19の流入口がフレキシブル配管20を介して塗装ヘッド15に接続され、各電磁弁19の流出口がフレキシブル配管21を介して各噴射ノズル18に接続されている。
【0018】塗装ヘッド15の流入口は、密閉された塗料タンク22と塗料供給配管23を介して接続され、コンプレッサ24から圧力調整バルブ25を介して塗料タンク22内に低圧の圧縮空気を供給することで、塗料タンク22内の圧力を一定に保ちつつ、塗料タンク22内の塗料を塗料供給配管23を通して塗装ヘッド15に圧送し、この塗料ヘッド15内の塗料をフレキシブル配管20→電磁弁19→フレキシブル配管21→噴射ノズル18の経路で分配して、電磁弁19の開放時に噴射ノズル18から塗料を噴射する。
【0019】また、塗装ヘッド15には、余剰塗料を塗料回収タンク26側に戻すための塗料戻し配管27が塗料供給配管23とは反対側に設けられ、塗料供給配管23から塗装ヘッド15内に流入した塗料が塗装ヘッド15内を塗料戻し配管27側に向けて流れるようになっている。塗料戻し配管27中には、塗装ヘッド15内の塗料流量を調整する流量調整バルブ28が設けられ、この流量調整バルブ28を通過した塗料は塗料回収タンク26内に回収され、この塗料回収タンク26からポンプ29により塗料タンク22内に戻される。
【0020】一方、前記塗装ユニット14のフレームは、外フレーム30と内フレーム31とから構成され、この内フレーム31内に電磁弁アレイ16及びノズルアレイ17が取り付けられている。電磁弁アレイ16は、内フレーム31の背面内側に取付金具32により固定されており、塗装ヘッド15からのフレキシブル配管20は、外フレーム30上面及び内フレーム31背面に設けられた各配管挿入孔71を通って各電磁弁19の流入口に接続されている。ノズルアレイ17右端から延びる回動軸35が内フレーム31の右内側面に取り付けられた軸受金具36に嵌着されると共に、ノズルアレイ17両端円柱部が内フレーム31の背面内側に取り付けられた支持金具37により受け支えられることで、ノズルアレイ17が回動可能に取り付けられている。
【0021】内フレーム31の左内側面には、ノズルアレイ17を回動させる駆動手段としてパルスモータ39が取り付けられ、このパルスモータ39の回転軸40に嵌着された歯車41が、ノズルアレイ17の左端から延びる回動軸35に嵌着された歯車38と噛み合っている。これにより、パルスモータ39が回転すると、その回転運動が歯車41,38を介してノズルアレイ17に伝わるため、パルスモータ39の回転方向及び回転角に応じてノズルアレイ17が回動し、各噴射ノズル18の建築板11に対する噴射角度が変化する。
【0022】また、外フレーム30の右内側面には、内フレーム31を上下方向に移動させる駆動手段として、パルスモータ43が取り付けられている。このパルスモータ43の回転軸45に嵌着されたピニオン46が、内フレーム31の右外側面に取り付けられたラック47と噛み合っていると共に、外フレーム30の左内側面に回転自在に取り付けられたピニオン48が、内フレーム31の左外側面に取り付けられたラック49と噛み合っている。これにより、パルスモータ43が回転すると、その回転運動がピニオン46,ラック47を介して内フレーム31に伝わるため、パルスモータ43の回転方向及び回転角に応じて、内フレーム31が上方若しくは下方に移動して、ノズルアレイ17の高さ位置が変化し、各噴射ノズル18から建築板11表面までの噴射距離が変化する。
【0023】尚、ラック47,49の上端及び下端にはゴムストッパ50が設けられ、各ゴムストッパ50によって内フレーム31の上下方向の移動量を規制して、ピニオン46,48とラック47,49との噛み合わせが外れて内フレーム31が脱落することを防止している。
【0024】更に、外フレーム30は、上部四隅が四本の吊り棒51で吊持され、各吊り棒51の上端に取り付けられた車輪52が、塗装ユニット14の上方に設けられた二本の山形レール53上に嵌合されている。そして、塗装ユニット14全体を建築板11の上方で建築板11の搬送方向と直角方向に直線往復運動をさせる駆動手段として、モータ54が山形レール53とほぼ同一の高さ位置に設けられ、このモータ54の回転軸55にクランク円盤56が嵌着され、このクランク円盤56の偏心位置と車輪52の車軸57とがリンク58で連結されている。これにより、モータ54と一体回転するクランク円盤56の回転運動がリンク58のクランク運動によって直線往復運動に変換され、車輪52が山形レール53上を往復することで、塗装ユニット14全体が建築板11の搬送方向と直角方向に直線往復運動する。このため、モータ54の回転中は、各噴射ノズル18が建築板11の上方で建築板11の搬送方向と直角方向に直線往復運動する。
【0025】上述したパルスモータ39,43及びモータ54は、このインクジェット式の塗装装置12の操作盤(図示せず)内に設けられたコンピュータ(制御手段)により制御される。また、外フレーム30の左右両側面下部は、塗料の側方への飛び散りを防止するための塗料側方飛散防止カバー30aとなっている。更に、搬送ローラ13の下方には、飛散した塗料を回収するための塗料回収トレー59が設置されている。
【0026】以上のように構成されたインクジェット式の塗装装置12を設置した塗装ラインでは、建築板11を搬送ローラ13によって例えば10m/分の速度で搬送し、該建築板11の前端が噴射ノズル18の真下に到達すると、それがセンサ(図示せず)で検出され、全ての噴射ノズル18の電磁弁19の開閉(オン/オフ)の切り換えを開始し、予め設定された短い噴射時間で、各噴射ノズル18から間欠的に塗料を少量ずつ噴射する。上記電磁弁19の開閉の切り換え開始と同時に、若しくは、それよりも前に、各パルスモータ39,43及びモータ54を起動して、各噴射ノズル18の噴射位置と噴射角度を予め設定された動作パターン又はランダムな動作パターンで変化させる。これにより、各噴射ノズル18の噴射位置と噴射角度を変化させながら建築板11の表面に斑点模様を塗装する。
【0027】その後、建築板11の後端が噴射ノズル18の真下を通過すると、それがセンサ(図示せず)で検出され、全ての噴射ノズル18の電磁弁19を閉鎖(オフ)して塗料の噴射を停止すると共に、各パルスモータ39,43及びモータ54を停止して各噴射ノズル18の動きを停止する。以後、後続の建築板11が噴射ノズル18の真下に到達する毎に上述した動作を繰り返して、建築板11の表面に斑点模様を塗装する。
【0028】この塗装方法では、パルスモータ39により各噴射ノズル18の建築板11に対する噴射角度を変えることができる。図3に示すように、噴射ノズル18の噴射角度が変化すると、噴射した塗料が建築板11表面に付着する角度θが異なるため、建築板11表面での斑点の広がり方や広がり方向が異なり、異なる形状の斑点が塗装される。また、建築板11表面で塗料の跳ね返りが生じるような場合には、跳ね返った塗料の飛び散り方も変化する。
【0029】また、パルスモータ43により各噴射ノズル18の建築板11表面までの噴射距離を変えることができる。図4に示すように、噴射ノズル18から建築板11表面までの噴射距離Lが変化すると、噴射ノズル18から噴射した塗料が建築板11表面に到達するまでの塗料の拡散状態が変化して、建築板11表面に大きさの異なる斑点が塗装される。
【0030】更に、モータ54により各噴射ノズル18を建築板11の搬送方向と直角方向に直線往復運動させることができる。塗料噴射中に噴射ノズル18が移動すると、その移動方向に噴射塗料がずれ、建築板11表面では噴射ノズル18の移動方向(建築板11の搬送による相対移動も含む)に延ばされた形状の斑点が塗装される。また、図5に示すように、塗料が噴射されてから次に塗料が噴射されるまでの間の時間にも、各噴射ノズル18は建築板11の搬送方向と直角方向に移動するので、建築板11表面に塗装される斑点の位置は、時刻T1→T2→T3→T4→T5といった時間経過と共に各噴射ノズル18の移動に応じて、左右方向にも変化する。
【0031】以上説明した実施形態によれば、塗料噴射中に噴射ノズル18を動かすことにより、建築板11の表面に塗装される斑点の形状や大きさを変えることができるため、建築板11の表面に異なる形状及び大きさの斑点で構成される斑点模様を形成することができ、従来の単調で機械的な模様に対して、変化に富んだ斬新な模様を塗装することができる。また、噴射ノズル18の噴射角度を変化させることで、斜め方向に塗料を噴射することもできるので、従来では塗装が困難であった凹部や凸部の側面や逆テーパ面にも塗装することができる。
【0032】尚、上記実施形態では、各噴射ノズル18を、ノズルアレイ17の下面に、建築板11の搬送方向と直角方向に一列に配列したが、噴射ノズル18の配列は、図6に示すように、種々のものが考えられる。図6の(a)は、建築板11の搬送方向と直角方向に噴射ノズル18を一列に配列し、(b)は、噴射ノズル18を千鳥状に配列し、(c)は、噴射ノズル18を2本ずつ並べて千鳥状に配列している。また、(d)は噴射ノズル18を三列に配列し、各列間で噴射ノズル18の位置をずらして斜め配列とし、(e)は、三列に配列した噴射ノズル18を各列で2本ずつ並べて配列し、各列間で噴射ノズル18の位置をずらしたものである。(b)〜(e)の噴射ノズル18の配列は、建築板11の搬送方向と直角方向に一列に直線的に並んでいないため、塗装される斑点模様の風合を変えることができる。また、隣接する噴射ノズル18により塗装される斑点の一部が重なり合う場合、重なり合う部分の色が濃くなる(又は変色する)が、(b)〜(e)の噴射ノズル18の配列では、重なり合って色が濃くなる部分(又は変色する部分)の方向と並びが一様でないため、より変化に富んだ模様となる。
【0033】また、上記実施形態では、同一形状の噴口を有する複数の噴射ノズル18を配列したが、異なる形状の噴口を有する噴射ノズル18を配列しても良い。図7に示すように、噴射ノズル18の噴口は種々の形状が考えられる。図7の(a)は円形状の噴口を有する噴射ノズル18であり、(b)は楕円形状に形成された噴口、(c)は環形状に形成された噴口、(d)は十字形状に形成された噴口を有する噴射ノズル18である。また、(a)の噴射ノズル18により形成される斑点は円形であり、(b),(c)の噴射ノズル18により形成される斑点は、それぞれ楕円形,環形であり、(d)の噴射ノズル18により形成される斑点は方形である。これら(a)〜(d)のように異なる形状の噴口を有する複数種類の噴射ノズル18を配列すると、建築板11の表面に異なる形状の斑点がおり混ざった斬新な斑点模様を塗装することができる。
【0034】また、本実施形態では、全ての噴射ノズル18から同一の塗料を噴射するようにしたが、異なる色の塗料が供給される複数の塗装ヘッドを並設して、異なる色の塗料を噴射し、カラーの斑点模様を塗装するようにしても良い。或は、粘度の異なる塗料が供給される複数の塗装ヘッドを並設して、粘度の異なる塗料を噴射し、異なる大きさ(塗料の広がり方)の斑点を塗装するようにしても良い。塗料の粘度は、色毎に変えても良く、或は、同じ色の塗料で粘度を変えても良い。
【0035】また、全ての噴射ノズル18について、一定の噴射時間及び一定の噴射圧で噴射を行っても良いが、複数の噴射ノズル18の間で、異なる噴射時間や異なる噴射圧で噴射を行ったり、噴射時間を予め設定された変更パターン又はランダムな変更パターンで変化させたりして実施し、大きさや形状の異なる斑点を塗装するようにしても良い。
【0036】例えば、図8に示すように、三本の塗装ヘッド60〜62を並設し、塗装ヘッド60をフレキシブル配管20,21により噴射ノズル■,■及び■に接続し、塗装ヘッド61を噴射ノズル■及び■に接続し、塗装ヘッド62を噴射ノズル■及び■に接続しておき、各塗装ヘッド60〜62に対して独立して調整可能なように3つの圧力調整バルブ63〜65を設ける。そして、図9に示すように、各塗装ヘッド60〜62に接続された噴射ノズル毎に、異なる塗料の色及び粘度、噴射ノズルの噴口形状、噴射時間及び噴射圧に設定し、更に、噴射距離50mm、噴射角度80°、ノズルピッチ10mm、図6(b)に示す千鳥配列の噴射ノズルの配列、モータ54を駆動するインバータの出力周波数30Hz、建築板搬送速度10m/分に設定して塗装を実施する。これにより、図10に示すように、建築板11の表面に、大きさや形状の異なる斑点により構成されるカラーの斑模様を塗装することができる。
【0037】以上説明した実施形態以外に、図11(a),(b)に示すように、複数のノズルアレイ17を建築板11の搬送方向に並べて配置し、ノズルアレイ17毎に色や粘度の異なる塗料を噴射するようにしたり、ノズルアレイ17毎に異なる形状の噴口を有する噴射ノズル18を配列したりして実施しても良い。この場合、色や粘度が異なる塗料を使用してもフレキシブル配管20,21の取り回しが複雑とならない。また、修理、点検等もしやすくメンテナンス性も向上する。更に、塗装ヘッド15、電磁弁アレイ16、ノズルアレイ17の配置方法は、設置スペースに応じて図11(a),(b)のいずれか又はこれ以外の形態に設置すれば良い。
【0038】尚、上記実施形態では、全ての噴射ノズル18を動かすようにしたが、一部の噴射ノズル18のみを動かすようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1,11によれば、塗料噴射中に噴射ノズルを動かすことにより、噴射される塗料の付き具合を変化させ、建築板の表面に塗装される斑点形状を変えることができるので、建築板の表面に形状の異なる斑点で構成される斑点模様を形成することができて、変化に富んだ面白味のある斬新な模様を塗装することができ、建築板の意匠性を向上させることができる。
【0040】また、請求項2では、塗料噴射中に噴射ノズルの噴射位置を変化させるという簡単な方法で、建築板の表面に大きさや形状の異なる斑点で構成される斑点模様を形成することができる。
【0041】更に、請求項3では、塗料噴射中に噴射ノズルの噴射角度を変化させるので、建築板表面での斑点の広がり方や広がり方向、若しくは跳ね返った塗料の飛び散り方が異なり、一層変化に富んだ模様を形成することができる。しかも、従来では塗装が困難であった凹部や凸部の側面や逆テーパ面にも塗装が可能となる。
【0042】また、請求項4では、噴射ノズルを建築板の搬送方向と交差する方向に非直線的に配列することで、建築板の搬送方向と交差する方向に非直線的に並んだ斑点を塗装するので、建築板表面の斑点模様の風合を変えることができる。
【0043】一方、請求項5では、複数の噴射ノズルから、色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射することで、カラーの斑点模様や大きさの異なる斑点で構成される斑点模様を塗装することができ、一層、変化に富んだ模様が得られる。
【0044】また、請求項6では、ノズルアレイを複数、配置し、ノズルアレイ毎に色若しくは粘度の少なくとも一方が異なる塗料を噴射するので、塗料配管の取り回しが複雑とならず、メンテナンス性の向上にもなる。
【0045】更に、請求項7では、異なる形状の噴口を有する複数種類の噴射ノズルを配列するので、建築板の表面に異なる形状の斑点がおり混ざった斬新な斑点模様を塗装することができる。
【0046】また、請求項8では、ノズルアレイを複数、配置し、ノズルアレイ毎に異なる形状の噴口を有する噴射ノズルを配列するので、同形状の噴口をもった噴射ノズルが並んで配置され、修理、点検等がしやすくメンテナンス性が向上する。
【0047】また、請求項9では、噴射時間を予め設定された変更パターン又はランダムな変更パターンで変化させるので、噴射時間の違いによる斑点の大きさや形状の変化が加わり、より一層、変化に富んだ面白味のある模様を建築板の表面に塗装することができる。
【0048】また、請求項10では、複数の噴射ノズルから、異なる噴射圧で塗料を噴射するので、噴射圧の違いによる斑点の大きさや形状の違いが現れ、より一層、変化に富んだ面白味のある模様を建築板の表面に塗装することができる。




 

 


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