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発明の名称 AlまたはAl合金ろう付け用混合粉末
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−263877
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−75357
出願日 平成9年(1997)3月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和夫 (外1名)
発明者 兵庫 靖憲 / 桃崎 博人 / 当摩 建
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Al−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とするAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末。
【請求項2】 重量%で、Si:13〜45%を含み、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有するAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とするAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末。
【請求項3】 重量%で、Si:13〜45%を含み、残りがAlと不可避不純物からなる組成のAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末であって、この混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末はSi量が合計で15〜60%となるように混合されていることを特徴とするAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末。
【請求項4】 前記Al−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径は5〜100μmの範囲内にあり、前記Si粉末の平均粒径は1〜50μmの範囲内にあり、かつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有することを特徴とする請求項1、2、または3記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末。
【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末にフラックスを混合してなることを特徴とするAlまたはAl合金ろう材。
【請求項6】 請求項1、2、3または4記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末にバインダ樹脂および溶剤と共に混合してスラリー状にしてなることを特徴とするAlまたはAl合金ろう材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、AlまたはAl合金をろう付けするために使用する混合粉末およびこの混合粉末を含むろう材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、AlまたはAl合金製品をろう付けするには、Si:6.8〜13.0重量%を含むAl−Si系合金のろう材が使用されることは知られており、これらAl−Si系合金のろう材を粉末に成形し、このろう材粉末にフラックスを混合したり、バインダ樹脂および溶剤と共に混合してスラリー状にしたものをAlまたはAl合金製品の接合個所に塗布して不活性ガス雰囲気下で加熱することによりろう付けすることも行われている。ろう材粉末は複雑形状品などの構造的にろう付けが困難な個所にも容易に適用できる利点を有しているものの、大きな隙間のある接合部(例えば、熱交換器のチューブとヘッダーの接合部など)や大きなフィレットの形成が必要な接合部などでは、ろう付けに必要なろう材量を著しく増す必要があり、そのために、従来はろう材粉末の塗布量を増加することで対処してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ろう材粉末を一度のコート(フローコート法)で塗布できる塗布量には限界があり、ろう材粉末の塗布量を増加するには重ね塗りが必要となり、塗布回数の増加は高価なろう材粉末の使用量の増加と共にろう付け時間の増加をもたらし、製造コストの増加の原因になっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、上述のような観点から、少量でろう付け可能なろう材粉末を開発すべく研究を行なった結果、(a)重量%で、Si:13〜45%を含み、残りがAlと不可避不純物からなる組成のAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末であって、この混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末はSi量が合計で15〜60%となるように混合されている混合粉末で構成されたろう付け用混合粉末から得られたろう材粉末は、これを用いてAlまたはAl合金をろう付けすると、比較的少量でろう付けすることができる、(b)前記Si粉末の融点は前記Al−Si二元系過共晶合金粉末の融点よりも高いこと、またSi粉末は母材への侵食が著しいため、塗布面全体に均一に塗布する必要があることから、Si粉末の粒径はAl−Si二元系過共晶合金粉末の粒径よりも微細にすることが好ましく、したがって、Al−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径は5〜100μmの範囲内にあり、前記Si粉末の平均粒径は1〜50μmの範囲内にあり、かつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有するようにする必要がある、という研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいてなされたものであり、(1)Al−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末で構成されたAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末、(2)重量%で、Si:13〜45%を含み、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有するAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末で構成されたAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末、(3)重量%で、Si:13〜45%を含み、残りがAlと不可避不純物からなる組成のAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末であって、この混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末はSi量が合計で15〜60%となるように混合されているAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末、(4)前記Al−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径は5〜100μmの範囲内にあり、前記Si粉末の平均粒径は1〜50μmの範囲内にあり、かつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有する前記(1)、(2)、または(3)記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末、に特徴を有するものである。
【0006】前記(1)、(2)、(3)または(4)記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末は、フラックスを混合したり、バインダ樹脂および溶剤と共に混合してスラリー状にして使用することができる。したがって、この発明は、(5)前記(1)、(2)、(3)または(4)記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末をフラックスと混合してなるAlまたはAl合金ろう材、(6)前記(1)、(2)、(3)または(4)記載のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末にバインダ樹脂および溶剤と共に混合してスラリー状にしてなるAlまたはAl合金ろう材、に特徴を有するものである。
【0007】この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末のSi含有量が13〜45%の範囲内にあるAl−Si二元系過共晶合金粉末であると、共晶あるいは過共晶となって母材に対する侵蝕が過度になることなく十分に母材を溶解させるることができる。この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末のSi含有量は15〜45%の範囲であることが一層好ましく、20〜30%の範囲であることがさらに一層好ましい。
【0008】この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末は、さらにSi粉末を含むが、Si粉末は、前記Al−Si二元系過共晶合金粉末に対してSiの合計量が15〜60%となるように混合されることが好ましく、Si粉末がAl−Si二元系過共晶合金粉末に対してSi量の合計で15%未満含有する混合粉末からなるろう材では母材を溶解させる作用が十分得られず、一方、Si量が合計で60%を越えて含有する混合粉末からなるろう材では母材に対する侵蝕が過度になり、強度低下の原因になって好ましくない。したがって、この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末はSi粉末をAl−Si二元系過共晶合金粉末に対してSiの合計量が15〜60%となるように定めた。Si粉末は、Si量の合計で20〜45%の範囲であることが一層好ましく、25〜35%の範囲であることがさらに一層好ましい。
【0009】この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末に含まれるSi粉末はAl−Si二元系過共晶合金粉末よりも融点が高いところから、Si粉末の粒径をAl−Si二元系過共晶合金粉末の粒径よりも微細にし、AlまたはAl合金ろう付け用混合粉末中に均一に分散させると共にSi粉末による局部侵蝕を低減し、母材表面の侵蝕を穏やかにする必要がある。したがって、この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末は、Al−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径は5〜100μmの範囲内にあり、Si粉末の平均粒径は1〜50μmの範囲内にあり、かつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有することが好ましい。この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末に含まれるAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径は10〜70μmの範囲内にあり、Si粉末の平均粒径は1〜30μmの範囲内にあり、かつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有することが一層好ましい。さらに一層好ましい範囲は、Al−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径が15〜40μmの範囲内にあり、Si粉末の平均粒径は1〜20μmの範囲内にありかつAl−Si二元系過共晶合金粉末の平均粒径はSi粉末の平均粒径よりも相対的に大きい平均粒径を有することがさらに一層好ましい。
【0010】この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末を使用することによりろう材粉末の使用量を減らすことができる理由として、Al−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末は、全体としてSi過剰の過共晶合金粉末となっているので、ろう付け時にSiが母材に拡散流入し、母材の融点を低下させて母材の一部を溶融侵蝕し、この溶融侵蝕した母材の一部が塗布された混合粉末と共に流動し、これが接合部の隙間を充填したりフィレットを形成することによるものと考えられる。
【0011】この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末はSi粉末を含むため、Si粉末がろうとなってフィレットを形成する前に母材深さ方向への侵蝕が著しく、母材厚さが極端に薄いと腐食による貫通孔が発生することがある。したがって、この発明のAl−Si二元系過共晶合金粉末とSi粉末からなる混合粉末で構成するAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末は、板厚さが0.5mm以上の比較的厚いAlまたはAl合金板のろう付けに特に適している。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明のろう付け用混合粉末を実施例により具体的に説明する。表1および2に示される成分組成をもったAl合金製溶湯をアトマイズして、表1および2に示される平均粒径を有するAl−Si二元系合金粉末を作製し、これらAl−Si二元系合金粉末に対して表1および2に示される平均粒径を有する純Si粉末を表1および2に示される割合に配合し、混合してSi量が合計で表1および2に示される値となる本発明ろう付け用混合粉末(以下、本発明混合粉末という)1〜8および比較ろう付け用混合粉末(以下、比較混合粉末という)1〜5を作製した。さらに、Al−Si二元系合金粉末からなる純Si粉末を含まない従来粉末を用意した。これら本発明混合粉末1〜8、比較混合粉末1〜5および従来粉末を10重量部に対してフラックス:1重量部、バインダー:1重量部の割合で混合し、スラリー状ろう材を作製した。なお、比較混合粉末1〜5は、構成成分のうちのいずれかの成分含有量がこの発明の範囲から外れたものである。
【0013】さらに、JIS A3003からなる縦:30mm、横:50mm、板厚:1mmの寸法を有する垂直板を用意し、さらに縦:30mm、横:60mm、板厚:1.5mmの寸法を有する水平板を用意し、図1に示されるように垂直板1と水平板2を一端に直径:2mmのスペーサー3を挟んで逆T字型に組み立て、垂直板1にスラリー状ろう材を塗布した後、これを不活性ガス雰囲気中、温度:600℃に5分間保持してろう付けし、図2に示されるろう付け部の充填長さLが30mmのフィレット4を有する逆T字型ろう付け組立体を作製した。
【0014】この充填長さLがいずれも30mmの逆T字型ろう付け組立体を作製するために要したろう材の塗布量を測定し、それらの結果を表1および2に示したのち、さらに図2のA−A断面である図3に示されるろう付け部のフィレット4の最大侵蝕深さHを測定し、それらの結果も表1および2に示した。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明混合粉末1〜8で作製したろう材の塗布量は、従来粉末で作製したろう材の塗布量に比べて格段に少ないことが分かる。さらにSi粉末の含有量がこの発明の範囲よりも多い比較混合粉末1で作製したろう材の最大侵食深さは大きくなり過ぎて好ましくなく、またSi粉末の含有量がこの発明の範囲よりも少ない比較混合粉末2で作製したろう材は塗布量が多くなって好ましくなく、Al−Si二元系合金粉末およびSi粉末の粒径がこの発明の範囲から外れている比較混合粉末3および4は、塗布量が多くなるかまたは最大侵蝕深さが大きくなり過ぎるので好ましくなく、さらにSi粉末の含有量が多量となる比較混合粉末5で構成したろう材は最大侵蝕深さが大きくなり過ぎて好ましくないことが分かる。
【0018】上述のように、この発明のAlまたはAl合金ろう付け用混合粉末を含むろう材は、少ないろう材で隙間を充填することができ、ろう付け部品の軽量化をはかることができ、工業上有用な効果をもたらすものである。




 

 


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