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発明の名称 アルミニウムドロス残灰の処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−244241
公開日 平成10年(1998)9月14日
出願番号 特願平9−65615
出願日 平成9年(1997)3月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
発明者 藤後 光男 / 三田村 康二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アルミニウムドロス残灰を、加熱バーナによって1000℃以上の温度範囲で焼成して、上記アルミニウムドロス残灰中の残留金属アルミニウムを酸化するとともに、窒素成分および塩素成分を除去するアルミニウムドロス残灰の処理方法において、回転炉内に焼成した後の上記アルミニウムドロスの一部を残留させ、これに新たなアルミニウムドロス残灰を加えて焼成することを特徴とするアルミニウムドロス残灰の処理方法。
【請求項2】 予め新たな上記アルミニウムドロス残灰と、焼成後の上記アルミニウムドロスとを混合した後に、上記回転炉内に投入することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
【請求項3】 残留金属アルミニウムの平均含有量が10%以下になるように、新たな上記アルミニウムドロス残灰と焼成後の上記アルミニウムドロスとを混合して焼成することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
【請求項4】 焼成後の上記アルミニウムドロスに、新たな上記アルミニウムドロス残灰を加えて行う焼成を、連続的に繰り返すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
【請求項5】 上記アルミニウムドロス残灰は、50重量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】アルミニウム溶解工程等で生成されるアルミニウムドロスの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常アルミニウムの製造工程では、溶解炉におけるアルミニウムの溶解時や保持炉において、残留アルミニウム、アルミニウムの酸化物、窒化物、塩化物等を含んだアルミニウムドロスが生成される。このアルミニウムドロスは、再度回転羽根式のしぼり機等により、さらに40%程度のアルミニウム成分の回収がなされて、残留金属アルミニウムを50重量%以下、一般には30重量%程度含むアルミニウムドロス残灰とされたのち、産業廃棄物として廃棄処理されることが殆どであるが、このアルミニウムドロス残灰中に残存する窒化アルミニウム等が水と反応し、AlN+3H2O → AL(OH)3 +NH3で表わされるように、室温のもとで湿気、雨水等の水分により加水分解してアンモニアを発生し、悪臭等の公害を生じることから、その無公害化処理ならびに再利用が種々検討されている。
【0003】そこで、本発明者等は、先に上記アルミニウムドロス残灰を1000℃以上の温度範囲で加熱処理することにより、残留金属アルミニウムを、2Al+3/2・O2 → Al23で表されるように、酸化してアルミナとし、かつ窒化アルミニウムも、2AlN+3/2・O2 → Al23 +N2で表されるようにアルミナと窒素ガスに化学変化させるとともに、上記塩素成分を効率的に気化して除去することにより、上記アルミニウムドロス残灰を無公害化処理することができるとの知見を得た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミニウムドロス残灰は比較的細かい粒子であって、金属アルミニウムを含んだ酸化物粒子と回収できなかった金属アルミニウム粒子とによって構成されており、上記金属アルミニウムの含有量は、上述したように高い場合には40%以上残存している。このため、上記アルミニウムドロス残灰を回転炉内においてゆっくり回転させながら、上述したような高い温度範囲で加熱処理を行なおうとすると、金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着し、結果的に大きな粒状の焼結体を生じようとし、この大きな塊が数センチの厚さで上記回転炉の内壁面のほぼ全周にわたって付着してしまうという現象をみた。
【0005】そして、加熱処理終了後にこの塊を突き棒によって崩して調査したところ、上記塊は、その表面部が溶融金属アルミニウムが酸化され、急激に温度が上昇して半溶融した固い緻密なアルミナ主体の焼結層で覆われてしまっており、この結果上記塊の内部においては、この緻密な表面層によって、金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムが充分酸化されず残存してしまうとともに、塩化物も気化されずに残存していることが認められ、よって上記加熱処理によっては、所望の無害化処理を円滑に行なうことが難しいという結論をみた。
【0006】そこで、本発明者等は、上記アルミニウムドロス残灰を加熱処理する際に、回転炉内に、当該アルミニウムドロス残灰とともに破砕用のボールを投入し、一緒に加熱処理したところ、アルミニウムドロスの固形化を防止したり、あるいは生成した固形物ないし回転炉の内壁面に付着したアルミニウムドロスの破砕に、一定の効果が得られた。ところが、上記処理方法においては、ボールとして耐熱性を有し、かつ化学的に安定なものを使用する必要がある。このため、先ず、上記破砕用のボールとして、アルミナを主体とするボールを用いたところ、上記加熱温度において極めて割れ易いという問題点を生じた。そこで、上記ボールとして窒化ケイ素(SiN)性のものを用いたところ、摩耗が生じるとともに、高価であるために不経済であるという問題点を生じた。
【0007】加えて、ボールによって破砕する場合には、当該ボールが大きいと、重量が嵩むうえに、アルミニウムドロス残灰に対する接触面積が相対的に小さく、かつ接触が大きな鈍角となって全体的に破砕を行うことが難しく、反面上記ボールが小さいと、アルミニウムドロス残灰に対する接触角度がより小さくなるとともに、全体としての接触面積が増加するものの、各ボールの重量が小さくなって個々のボールによる充分な破砕を行うことが難しくなるため、ボールの径および重量の選択が極めて難しいことが判明した。さらに、上記加熱と並行して破砕を行なうと、焼成により得られたアルミナが微細粒子化して、バーナの火炎により飛散し、排気ダクトから排出されてフィルタ等に捕集される等、その回収率が低下するという問題点もあった。
【0008】本発明は、このような従来のアルミニウムドロス残灰の処理方法が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、簡易な方法で、効率的かつ確実にアルミニウムドロス残灰中に含まれる金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムを酸化するとともに、塩化物も気化させることができて当該アルミニウムドロス残灰の無害化処理を行なうことが可能となるアルミニウムドロス残灰の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法は、アルミニウムドロス残灰を、加熱バーナによって1000℃以上の温度範囲で焼成して、上記アルミニウムドロス残灰中の残留金属アルミニウムを酸化するとともに、窒素成分および塩素成分を除去するに際して、回転炉内に焼成した後の上記アルミニウムドロスの一部を残留させ、これに新たなアルミニウムドロス残灰を加えて焼成することを特徴とするものである。なお、ここで回転炉とは、バッチ式に焼成処理する回転炉および連続的に焼成処理するロータリーキルンの双方を含むものである。
【0010】この際に、請求項2に記載の発明は、予め新たなアルミニウムドロス残灰と、焼成後のアルミニウムドロスとを混合した後に、上記回転炉内に投入することを特徴とするものである。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、残留金属アルミニウムの平均含有量が10%以下になるように、新たな上記アルミニウムドロス残灰と焼成後の上記アルミニウムドロスとを混合して焼成することを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記焼成後のアルミニウムドロスに、新たなアルミニウムドロス残灰を加えて行う焼成を連続的に繰り返すことを特徴とするものであり、さらに請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰が、50重量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とするものである。
【0012】請求項1ないし5のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法にあっては、回転炉内に焼成した後のアルミニウムドロスの一部を残留させ、これに新たなアルミニウムドロス残灰を加えて焼成することにより、これらが回転炉内で攪拌され、焼成後のアルミニウムドロスが固形流動物として新たなアルミニウムドロス残灰の間に入り込んで焼成が行われるために、新たなアルミニウムドロス残灰中の金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着するのを防止して、大きな粒状の焼結体を生じることが妨げられる。この結果、新たなアルミニウムドロス残灰を、内部に至るまでその焼成効率を上昇させることができ、よって効率的かつ確実に金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムを酸化するとともに、塩化物も気化させることができる。加えて、残留しているアルミニウムドロスについては、いわゆる2次焼成されることになるために、上述した焼成による無害化効果を一層促進させることができる。
【0013】このように、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法によれば、簡易な方法で、効率的かつ確実にアルミニウムドロス残灰中に含まれる金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムを酸化するとともに、塩化物も気化させることができ、よって当該アルミニウムドロス残灰を無害化して、セメントの原材料や骨材として再利用を図ることが可能になる。ここで、上述した新たなアルミニウムドロス残灰と焼成後のアルミニウムドロスとの混合は、回転炉内に焼成後のアルミニウムドロス残灰を残留させて、これに新たなアルミニウムドロス残灰を投入した後に、当該回転炉内において混合してもよく、あるいは請求項2に記載の発明のように、予め新たなアルミニウムドロス残灰と、焼成後のアルミニウムドロスとを混合した後に、上記回転炉内に投入してもよい。
【0014】この際に、新たに加えるアルミニウムドロス残灰の量に対して、回転炉内にどの程度の量の焼成後アルミニウムドロスを残留させるかは、主として新たに投入するアルミニウムドロス残灰中に含まれる残留金属アルミニウムの量との関係によって決定されるものである。ちなみに、本発明者等による各種の実験によれば、残留金属アルミニウムの平均含有量が10%以下になるように、新たな上記アルミニウムドロス残灰と焼成後の上記アルミニウムドロスとを混合して焼成すれば好適であることが判明した。すなわち、回転炉から取り出される処理後のアルミニウムドロス中における10mm以上の粒子は、当該粒子内に未焼成の芯部分が残存している可能性が高いので、破砕後に再焼成の必要がある。この点、請求項3に記載の発明によれば、当該処理後のアルミニウムドロス中における10mm以下の粒子の量を、全体の量の約1/2以上にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法の一実施形態を行なうための処理装置を示すもので、図中符号1がアルミニウムドロス残灰の処理装置を示すものである。この処理装置1は、アルミニウムドロス残灰Dが投入されるとともに、このアルミニウムドロス残灰Dを攪拌しつつ加熱するロータリーキルン(回転炉)2と、未処理のアルミニウムドロス残灰Dが貯留されるとともに、このアルミニウムドロス残灰Dを、ロータリーキルン2にその一端側から投入するドロス残灰ホッパー3と、ロータリーキルン2の他端側に配設され、その内部を加熱する酸素バーナ(バーナ)4と、この酸素バーナ4に燃料油および酸素を送る供給設備5と、前記酸素バーナ4およびロータリーキルン2の他端部開口部を覆って配置された回収ボックス6とによって概略構成されたものであり、上記ロータリーキルン2は、耐熱煉瓦によって構成された炉壁が鉄板によって覆われている。
【0016】上記ロータリーキルン2は、一端側が上方となるように所定角度で傾斜して設けられており、この傾斜と軸線回りの回転に伴って、一端側から投入されたアルミニウムドロス残灰Dを攪拌するとともに、他端側へ向けて搬送するようになっている。また、ロータリーキルン2の他端側には、排気ダクト7が連設されている。なお、図中符号8は、上記ロータリーキルン2を回転させるためのモータであり、このモータ8によって、上記ロータリーキルン2は、通常の加熱時に約0.1rpmで回転駆動され、さらに酸素バーナ4によって内部の加熱雰囲気が1200℃以上の温度に昇温した後に、10rpm程度の高速回転あるいは0.2rpm程度の低速保持回転数で回転駆動されるようになっている。また、符号10は、焼成後のアルミニウムドロスを再びロータリーキルン2内に投入するための、ホッパーである。
【0017】次いで、このように構成された処理装置1の作用とともに本発明のアルミニウムドロス残灰の処理方法の一実施形態について説明する。まず、予めロータリーキルン2内において焼成した後のアルミニウムドロスの一部を、当該ロータリーキルン2内に残留させるか、あるいは焼成したアルミニウムドロスの全量を一旦ロータリキルン2から回収し、その一部をホッパー10から再びロータリーキルン2内に導入し、さらにドロス残灰ホッパー3より新たなアルミニウムドロス残灰Dを投入した後に、ロータリーキルン2を軸回りに0.1rpm程度で回転させつつ、酸素バーナ4によって内部を昇温させて行く。そして、ロータリーキルン2内の温度が1200℃になったところで、上記回転数を0.2rpm程度の一定の回転速度に保持することによって、内部のアルミニウムドロス残灰を焼成する。なお、要すれば、この低速回転数で保持する前に、一旦10rpm程度の高速回転で内部のアルミニウムドロスを攪拌する。
【0018】これにより、内部のアルミニウムドロス残灰は、高温の雰囲気中においてゆっくりと攪拌されつつ焼成される。この際に、新たなアルミニウムドロス残灰Dは、焼成後の残留アルミニウムドロスとともにロータリーキルン2の回転によって上方へ掻き上げられたのちに落下させられる操作を繰り返し受けて攪拌される。これにより、焼成後のアルミニウムドロスが固形流動物として新たなアルミニウムドロス残灰Dの間に流動的に介在されつつ上記焼成が行われる。この結果、新たなアルミニウムドロス残灰中の残留金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着するのを防止して、大きな粒状の焼結体を生じることが妨げられる。また、当該残留アルミニウムドロスは、新たなアルミニウムドロス残灰とともに再び焼成され、無害化効果が一層促進される。
【0019】このようにして、上記加熱雰囲気中において、アルミニウムドロス残灰は、その残留アルミニウムおよび窒化アルミニウムの酸化および塩化物の気化が効率的かつ確実に促進されつつ、ロータリーキルン2の傾斜によって順次他端側へ送り込まれてゆく。そして、上記加熱が完了した後に、以上の加熱処理によりロータリーキルン2の他端部まで搬送されたアルミニウムドロス残灰Dは、αーアルミナとスピネルとになる。このようにして焼成されたアルミニウムドロスは、その一部が上記ロータリーキルン2内に残留され、他の部分がロータリーキルン2から回収ボックス6へ落とし込まれて回収され、無害化処理されるとともに、例えばセメントの酸化アルミニウム原料や骨材等として再利用される。次いで、焼成された上記アルミニウムドロスの一部が残存するロータリーキルン2内に、新たなアルミニウムドロス残灰Dを加えて投入し、繰り返し上述した焼成を行う。
【0020】以上のように、上記アルミニウムドロス残灰の処理方法によれば、ロータリーキルン2を用いてアルミニウムドロス残灰Dを焼成処理する際に、残留アルミニウムの酸化が発生する1000℃以上の上記加熱雰囲気において、上記ロータリーキルン2内に焼成した後のアルミニウムドロスの一部を残留させ、これに新たなアルミニウムドロス残灰Dを加えて焼成しているので、新たなアルミニウムドロス残灰中の金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着するのを防止して、大きな粒状の焼結体を生じることを防止することができる。
【0021】この結果、新たなアルミニウムドロス残灰を、内部に至るまでその焼成効率を上昇させることができ、よって効率的かつ確実に金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムを酸化するとともに、塩化物も気化させることができる。加えて、残留しているアルミニウムドロスについては、いわゆる2次焼成されることになるために、上述した焼成による無害化効果を一層促進させることができる。なお、上記焼成においては、予め新たなアルミニウムドロス残灰と、焼成後にロータリーキルン2から取り出した上記アルミニウムドロスとの一部を混合した後に、これらをホッパー3または10から上記ロータリーキルン2内に投入してもよい。
【0022】
【実施例】図1に示す処理装置を用いて、アルミニウムドロス残灰の加熱処理、すなわち焼成を行なった。ここで、アルミニウムドロス残灰として、本発明に係る実施例としては、いずれも平均粒径が1mm以下で、残留金属アルミニウムの含有量が30%のものを用いた。また、比較例としては、残留金属アルミニウムの含有量がこれよりも低い10%のものを用いた。先ず、本発明に係るアルミニウムドロスの処理方法の第1の実施例として、図2に示すように、ロータリーキルン内に、一旦焼成された残留アルミニウムドロスに対して、その約1/5の量の新たなアルミニウムドロス残灰を投入して、同図に示す条件により焼成を行ったところ、目視において炉壁への付着も見られず、かつ処理後のアルミニウムドロスのほぼ全部が10mm以下の細かい粒子となる良好な無害化処理を行うことができた。
【0023】次いで、新たに投入するアルミニウムドロス残灰の量と、焼成後の残留アルミニウムドロスの量との比を、約1:2になるようにして、両者を焼成したところ、同様に目視において炉壁への付着がなく、かつその1/2以上が10mm以下の細かい粒子となる良好な無害化処理を行うことができた。これに対して、焼成後の残留アルミニウムドロスに新たに投入するアルミニウムドロス残灰を、約1:1の比率になるように投入して、両者を焼成したところ、逆に処理後のアルミニウムドロスにおける10mm以上の粒子が、10mm以下の粒子の約2倍含まれており、充分な焼成を行うことができなかった。この結果、残留金属アルミニウムの含有量が30%以上のアルミニウムドロス残灰の処理を行う場合には、残留させる焼成後アルミニウムドロスの量を、より増加させる必要があることが判明した。
【0024】次に、本発明に係るアルミニウムドロスの処理方法の量産化の実施例として、図2に示したものと同様の3種類の比率で、焼成後の残留アルミニウムドロスに新たなアルミニウムドロス残灰を投入する焼成を、連続して2チャージまたは3チャージ行った。図3は、この実験結果を示すものである。また、この実験においては、各チャージにおいて1200℃に昇温した後に、10分間ロータリーキルンを10rpmの高速回転させて両者の攪拌を行った。同図から、新たなアルミニウムドロス残灰と残留アルミニウムドロスとの比率が約1:5の場合は、同様に炉壁への付着がなく、かつ処理後におけるアルミニウムドロスのほぼ全部が10mm以下の粒子となる良好な焼成が行われたことが判る。また、上記比率が約1:2の場合においても、ほぼ良好な焼成が行われ、特に連続して行った場合に、経時的に焼成効果が向上することが判明した。さらに、上記比率が約1:1の場合においても、温度上昇後の高速回転による攪拌の効果により、ほぼ良好な焼成を行うことができ、量産化が可能であることが判明した。
【0025】次いで、比較例として、図4に示すように、上記実施例よりも処理条件のよい残留金属アルミニウムの含有量が10%のアルミニウムドロス残灰のみを、同様のロータリーキルンに150kgまたは300kg投入して、同様の回転数および加熱温度によって焼成処理を行った。この結果、同図に見られるように、投入アルミニウムドロス残灰における残留金属アルミニウムの量が、上記第1および第2の実施例の場合と比較して大幅に少ないにも拘らず、いずれの場合も目視により炉壁への付着が多く見られるとともに、処理後のアルミニウムドロスにあっても10mm以上の未焼成と見られる粒子が多く存在しており、充分な焼成処理を行うことが出来なかった。
【0026】以上の実験から、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法によれば、一旦焼成された後のアルミニウムドロスに、新たなアルミニウムドロス残灰を投入して焼成することにより、残留アルミニウムおよび窒化アルミニウムの酸化および塩化物の気化を効率的かつ確実に行ない得ることが確認された。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし5のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法によれば、回転炉内に焼成した後のアルミニウムドロスの一部を残留させ、これに新たなアルミニウムドロス残灰を加えて焼成することにより、残留アルミニウムドロスが固形流動物として新たなアルミニウムドロス残灰の間に介在されつつ焼成が行われることにより、新たなアルミニウムドロス残灰中の金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着するのを防止して、大きな粒状の焼結体を生じることを防止することができるため、新たなアルミニウムドロス残灰を、内部に至るまでその焼成効率を上昇させることができるとともに、残留しているアルミニウムドロスについても、2次焼成されることになるために、よって効率的かつ確実に金属アルミニウムおよび窒化アルミニウムを酸化するとともに、塩化物も気化させることができる。
【0028】この際に、特に請求項3に記載の発明のように、残留金属アルミニウムの平均含有量が10%以下になるように、新たな上記アルミニウムドロス残灰と焼成後の上記アルミニウムドロスとを混合して焼成すれば、処理後のアルミニウムドロス中における10mm以下の粒子の量を、全体の量の約1/2以上にすることができ、よって確実に上記焼成効果を得ることができる。




 

 


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