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発明の名称 ろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−175065
公開日 平成10年(1998)6月30日
出願番号 特願平8−352697
出願日 平成8年(1996)12月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】横井 幸喜
発明者 兵庫 靖憲 / 桃崎 博人 / 当摩 建
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 粉末状の過共晶Al−Si系合金からなることを特徴とするろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材【請求項2】 Al−Si系合金は、重量%で、Si:13越〜60%を含有することを特徴とする請求項1記載のろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材【請求項3】 フラックスとアルミニウム合金粉末とが混合されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる接合部材のろう付に用いられるアルミニウム合金粉末ろう材に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム製の部材を接合する方法としてろう付法があり、このろう付法では、ろう材を芯材にクラッドしてブレージングシートとして提供したり、線材や板材等として提供したりする。また、この他にろう材を粉末状にし、これを接合面に塗布してろう付する粉末ろう材も開発されている。上記粉末ろう材は、接合部の形状等の制約が小さく、複雑形状品等のように従来のろう材では配置が困難な箇所にも容易に適用できるものとして注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ろう材を粉末化した粉末ろう材でろう付する際、従来のブレージングシート等と同等のろう付性を得るためには、ブレージングシートのろう材量と同じだけの粉末ろう材を塗布する必要がある。そのため大きな隙間がある接合部(例えば熱交換器のチューブとヘッダーの接合部など)や大きなフィレットの形成が必要な接合部などは、ろう付に必要なろう材量が著しく増すために粉末ろう材の塗布量も同様に増すことになる。しかし、粉末ろう材の塗布量を増加した場合、一度のコート(フローコート法等)で塗布できる塗布量に限界があるため、重ね塗りが必要となり塗布回数が増加して製造コストアップを招くという問題がある。また、粉末ろう材は高価なため使用量が増加すると材料コストもアップする。したがって、従来の粉末ろう付では、これらが問題になって、粉末ろう材の利点を十分に引き出せないという欠点を有している。本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、少ないろう材使用量で良好にろう付することができる粉末ろう材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】なお、従来、アルミニウムまたはアルミニウム合金のろう付では、粉末ろう材に限らず、ろう材用の合金としては、Al−Si系合金が使用されている。Al−Si系合金は、共晶型の合金で、融点、耐食性等に優れており、ろう材には、数%〜共晶点前後、すなわち数%〜12%前後のSiを含有するものが使用されている。このSiは含有量が増えると、母材(接合材)を侵食するため、Si量は最大でも13%とされている(例えばJIS BA4047)。ところが、本発明者達は、これと逆に過共晶のAl−Si系合金を粉末ろう材として使用することにより、局所的に母材の溶融を起こさせ、よって少ないろう材量で確実にろう付をできることを見出し本発明をするに至ったものである。ただし、この過共晶のろう材を粉末ろう材以外、例えばブレージングシートや板状ろう材として使用すると、過共晶合金は巨大で強固なSi晶出物が形成されるため、非常に圧延性が悪く、板状に加工できないため、過共晶のAl−Si系合金は、粉末ろう材として使用した場合に有用になる。
【0005】すなわち、本発明の粉末ろう材のうち第1の発明は、粉末状の過共晶Al−Si系合金からなることを特徴とする。また、第2の発明は、第1の発明において、Al−Si系合金が、重量%で、Si:13越〜60%を含有することを特徴とする。第3の発明は、第1または第2の発明において、フラックスとアルミニウム合金粉末とが混合されてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】なお、本発明の過共晶Al−Si系合金は、Siを主成分とするAl合金であり、Si以外に少量の添加元素を含有するものであってもよい。また、当然にSiのみを含有し、残部が不純物およびAlからなるものであってもよい。共晶点になるSi含有量はその他の添加成分によっても異なるが、通常は、重量%で12%前後であり、本発明としては13%越〜60%をSi含有量の望ましい範囲としている。
【0007】ここで、Si含有量が13%以下であると、ろう材は共晶または亜共晶合金となり、母材を溶解させる作用が十分に得られず、ろう材量を低減する効果が小さいため下限を13%越とするのが望ましい。一方、Si含有量が60%を越えると、母材に対する侵食が過度になり強度低下等の問題が生じ、またろう材の融点が1150℃以上となり、粉末ろう材の製作時の溶解が困難となるため、Si含有量としては13越〜60wt%を望ましいものとした。なお、同様の理由で下限を15%越、上限を45%とするのが一層望ましく、さらには下限を20%、上限を30%とするのが一層望ましい。これらの望ましい範囲では、母材に対する適度な溶解が生じるため、良好なろう付性を維持したままでろう材量を効果的に減少させることが可能になる。
【0008】上記観点から成分を定めたAl−Si系合金は、常法により粉末化することができるが、適当な粒径(例えば、最大粒径75μm)に調整する。このアルミニウム合金粉末は、所望によりフラックスと混合して粉末ろう材とすることができ、これらは適宜の混合比で混合される。上記フラックスには、フッ化物や塩化物フラックス等を用いることができるが本発明としては、特にその種別が限定されるものではない。
【0009】上記粉末ろう材を接合部に付着させる際には、各種溶剤やバインダを混合して付着を容易にすることができる。溶剤としては、水、アルコール類(特に炭素数1〜8の脂肪族アルコール)などを用いることが出来る。また、バインダーとしては、接合部の特性を低下させないで、粉末を良好に固着できるものであればよく、カルボキシル基を有する水溶性高分子化合物または、アクリル系、メタクリル系樹脂等を挙げることができる。上記した合金粉末は、適当に混合されて、接合材に付着させる。その方法も本発明としては特に限定されないが、例えば、スプレー法、シャワー法、フローコーター法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法といった手段を利用することができる。
【0010】粉末ろう材を付着させた後は、適当な雰囲気で適温に加熱して、ろう材を溶解させる。この際の加熱温度としては580〜620℃が望ましい。580℃以下ではろう材および母材の一部溶解が進まず、良好なろう付が難しく、一方、620℃を越えると、著しい侵食のため、上記温度範囲が望ましい。本発明の過共晶合金のろう材は、Siが過剰となっているのでろう付時にそのSiが母材に拡散流入し母材の融点を低下させその一部を溶融(浸食)する。この溶融した母材の一部が塗布されていた粉末ろうとともに流動し、接合部の隙間充填やフィレットの形成をする。すなわち、母材の一部もろうとして作用し接合に必要なろう材量を補完するので粉末ろう材の塗布(必要)量を減少させることができる。その結果、粉末ろう材の使用量、塗布回数を低減することでコストダウンが可能になる。
【0011】なお、本粉末ろう材の代わりに純Si粉末の使用も考えられるが、純Si粉末を用いた場合、母材の一部を浸食しろうとなってフィレットを形成する前に母材深さ方向への浸食が著しく、母材厚さの極端に薄い箇所ができるため、腐食による貫通孔が発生し易くなったり、接合部材の強度低下を招いたりして耐食面、強度面において問題が生ずるため使用は困難である。したがって、Al−Si系合金においてもSiが過量のものは上記と同様の理由で避ける必要がある。なお、本発明の粉末ろう材でろう付する場合、母材の一部がろうとなってろう付後の母材板厚が減少するので、板厚がある程度厚い部材(例えば板厚0.5mm以上)へのろう付に適している。
【0012】
【実施例】表1に示すように、Si量を7.5〜65%の間で変えたアルミニウム合金粉末(最大粒径75μm)を用意し、さらに、フラックスとしてフッ化物系フラックス、バインダとしてアクリル系樹脂を用意し、これらを重量比で10:1:1で混合して粉末ろう材を調製した。また、比較例として純Siを同じく粉末ろう材として用意した。上記粉末ろう材を用い、塗布量を変えて図1に示す逆T字型隙間充填性試験を行った。具体的には、JIS A3003合金を相手材1として水平に置き、同じくJIS A3003合金を母材2として両面に上記粉末ろう材をフローコート法によって塗布した後、これを相手材1上にT字状に配置するとともに、その設置面の一端に棒状のスペーサ3を配置して相手材1と母材2との間に小隙間4を形成した。これらを600℃×5分で加熱して不活性雰囲気中でフラックスを用いたろう付を行うと、ろう材と母材および相手材の一部とが溶解して上記小隙間4にろう付部5が形成された。ろう付後、図2、3に示すようにろう付部5の充填長さLと最大侵食深さDとを測定し、その結果を表1に示した。
【0013】
【表1】

【0014】表から明らかなように、ろう材Si含有量を15wt%以上とした試験片では、少ない塗布量、塗布回数で良好なろう付性(隙間充填性)が得られており、母材の溶解量(最大侵食深さ)も適度に得られている。特にSi含有量20〜30wt%では最大浸食深さが比較的浅く、良好なろう付接合部を得ることができる。これに対し、Si含有量が60wt%を越えるものや純Siでは、最大侵食深さが深く、母材が過度に侵食されていることが示されている。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルミニウム合金粉末によれば、過共晶のアルミニウム合金を使用するので、従来公知のろう材よりも一段と少ないろう材量で、同等もしくはそれ以上のろう付性を得ることができる。よって、粉末ろう材の使用量および塗布回数を低減することができ、ろう付け性を損なうことなく製造コストを大幅に低減することができる。また、上記アルミニウム合金におけるSi量を重量%で13%越〜60%とすれば、上記作用が確実に得られるとともに、過度な接合材の溶解が防止され、良好なろう付が確保される。




 

 


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