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押出成形装置 - 三菱アルミニウム株式会社
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発明の名称 押出成形装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−166040
公開日 平成10年(1998)6月23日
出願番号 特願平8−352342
出願日 平成8年(1996)12月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
発明者 加藤 雅嗣
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 加熱された成形材が収納されるコンテナと、このコンテナの一端部側に配設されて上記コンテナ内の成形材を他端部側に押圧する加圧機と、上記コンテナの他端部に配設されて上記コンテナから押出される成形材を押出孔を介して製品形状に成形するダイスが組込まれたダイスアッセンブリと、このダイスアッセンブリを基盤上に支承するダイスタックとを備えてなり、かつ上記ダイスアッセンブリには、当該ダイスアッセンブリを加熱する加熱手段が配設されていることを特徴とする押出成形装置。
【請求項2】 上記ダイスタックは、上方に開口して上記ダイスアッセンブリを挿脱するための凹部が形成され、かつ上記上部開口部間に、補強部材が架設されるとともに、この補強部材と上記凹部内の上記ダイスアッセンブリとの間に、当該ダイスアッセンブリの移動を係止する係止部材が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の押出成形装置。
【請求項3】 上記ダイスアッセンブリは、管状のダイリング内に、上記成形材の押出方向に向けて順次ダイスと、このダイスを支持するバックプレートとが収納されており、かつ上記ダイリングの外周に、周方向に沿って複数のヒータが組込まれることによって上記加熱手段が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の押出成形装置。
【請求項4】 上記ダイスは、固定ダイス孔が穿設された固定ダイスと、この固定ダイスに移動自在に設けられ、移動ダイス孔が穿設された移動ダイスとを有してなり、上記固定ダイス孔と移動ダイス孔との連通部分によって形状が可変の上記押出孔が構成されるとともに、上記移動ダイスに当該移動ダイスを移動させる駆動手段の駆動部先端が連結されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の押出成形装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム等の成形材を押出加工するための押出成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、熱交換器用のフィンチューブ等の各種管材や、軽量化の要請が強い車両に用いられる各種の構造部材として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の押出成形によって成形されたものが多々使用されている。この押出成形は、図13および図14に示すように、コンテナ101の先端側に設置されたダイスタック102に、上記構成部材等の断面形状に穿設された押出孔103を有するダイス108が組込まれたダイスアッセンブリ104を設置し、コンテナ101内に加熱したビレット(成形材)105を挿入するとともに、このビレット105をステム(加圧機)106によってダイスアッセンブリ104側に押圧して押出孔103から押し出すことにより、上記構成部材を押出成形するものである。
【0003】ここで、ダイスタック102は、床面(基盤)上に固定されるとともに、エンドプラテン110によって支持された肉厚板状の部材で、その中央部には上方に開口するU字状の凹部102aが形成されたものであり、この凹部102a内にダイスアッセンブリ104が設置されている。このダイスアッセンブリ104は、管状のダイリング107内に、ビレット成形材105の押出方向に向けて、順次中央部に上記押出孔103が穿設されたダイス108と、このダイス108を支持するバックプレート109とが収納されたものである。このような押出成形装置によれば、先ず別途加熱したビレット105をコンテナ101内に収納し、次いでステム106によってビレット105をダイス108の押出孔103から押出すことにより、連続して一定断面形状の上記構成部材を押出成形することができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の押出成形装置にあっては、押出成形の当初においてエンドプラテン110およびダイスタック102が常温であるために、押出成形開始後、次第に加熱したビレット105が投入されたコンテナからの熱がダイスタック102からエンドプラテン110へと逃げてしまう。この結果、押出成形の時間の経過とともに、次第にダイスアッセンブリ104側の温度が低下し、逆にダイスタック102の温度が上昇して熱膨張するために、ダイスアッセンブリ104とこれを支承するダイスタック102の凹部102a内壁との間に隙間を生じてしまい、ダイスアッセンブリ104にガタを生じて円滑な押出しが行えなくなってしまうという問題点があった。加えて、ダイスアッセンブリ104の温度が低下することにより、素材アルミニウムの温度も低下し、この結果アルミニウムの変形抵抗が増加することにより押圧力が高くなり、甚だしい場合には押出成形が不可能になってしまうという問題点もあった。
【0005】ところで、上記押出成形装置によれば、ダイス108の押出孔103が一定の断面形状を有しているために、得られた上記構成部材等も、長手方向に向けて一定の断面形状に成形される。一方、押出成形によって製造される上記構成部材のうち、例えば一般乗用車やトラック等の各種車輌の構造部材においては、上記押出用ダイスでこれを成形した場合には、得られた構造部材が長手方向に向けて一定の断面形状、換言すれば一定の断面二次モーメントを有するために、長手方向において必要以上の寸法および強度を有する部材が成形されてしまい、成形材料が無駄になって不経済であるとともに、当該構成部材の設置スペースのコンパクト化および軽量化を妨げるという問題点がある。そこで、上記ダイスを、固定ダイス孔が穿設された固定ダイスと、この固定ダイスに移動自在に設けられて移動ダイス孔が穿設された移動ダイスとによって構成し、ステムによる押出しと並行して移動ダイスを移動させることにより、固定ダイス孔と移動ダイス孔との連通部分によって形成される押出孔の形状を変化させて、長手方向に断面形状が変化する可変断面が可能な押出成形装置も提案されている。
【0006】ところが、このような可変断面押出しを行うための押出成形装置において上述したようなダイスアッセンブリの温度低下が発生すると、先ずダイスアッセンブリとダイスタックとの間にガタが生じることにより、ダイスタックに対する固定ダイスの位置が変化してしまうために、当該固定ダイスと移動ダイスとの間に相対変位が生じ、この結果押出精度が悪化するとともに、固定ダイスに対する移動ダイスの駆動軸線がずれて、その駆動に大きな押圧力を必要とするという問題点が考えられる。加えて、ダイスアッセンブリ内のダイスおよびこれを通過する成形材の温度低下によって、成形材の変形抵抗が増加し、よって移動ダイスを駆動するために必要な押圧力が上昇するために、上述した駆動軸線のずれに起因する押圧力の上昇とあいまって、円滑な押出成形が困難になるといった問題点も考えられる。
【0007】本発明は、このような従来の押出成形装置における課題を有効に解決すべくなされたもので、ダイスアッセンブリを常に一定位置に保持することができて精度の高い押出成形を安定的に行うことができる押出成形装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明に係る押出成形装置は、加熱された成形材が収納されるコンテナと、このコンテナの一端部側に配設されて当該コンテナ内の成形材を他端部側に押圧する加圧機と、コンテナの他端部に配設されてコンテナから押出される成形材を押出孔を介して製品形状に成形するダイスが組込まれたダイスアッセンブリと、このダイスアッセンブリを基盤上に支承するダイスタックとを備えてなり、かつ上記ダイスアッセンブリには、当該ダイスアッセンブリを加熱する加熱手段が配設されていることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、上記ダイスタックは、上方に開口して上記ダイスアッセンブリを挿脱するための凹部が形成され、かつ上記上部開口部間に、補強部材が架設されるとともに、この補強部材と凹部内のダイスアッセンブリとの間に、当該ダイスアッセンブリの移動を係止する係止部材が配設されていることを特徴とするものである。
【0010】次いで、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のダイスアッセンブリが、管状のダイリング内に、上記成形材の押出方向に向けて順次ダイスと、このダイスを支持するバックプレートとが収納されたものであり、かつ上記ダイリングの外周に、周方向に沿って複数のヒータが組込まれることによって上記加熱手段が構成されていることを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のダイスは、固定ダイス孔が穿設された固定ダイスと、この固定ダイスに移動自在に設けられ、移動ダイス孔が穿設された移動ダイスとを有してなり、上記固定ダイス孔と移動ダイス孔との連通部分によって形状が可変の上記押出孔が構成されるとともに、上記移動ダイスに当該移動ダイスを移動させる駆動手段の駆動部先端が連結されていることを特徴とするものである。
【0012】請求項1〜4のいずれかに記載の発明においては、ダイスアッセンブリに加熱手段を設けているので、押出成形の開始後、時間の経過とともにダイスタック側に熱が逃げることによりダイスアッセンブリの温度が低下傾向を示した際に、上記加熱手段によって積極的にダイスアッセンブリを加熱することにより、ダイスタックとの間に熱収縮に起因する隙間が発生することを確実に防止することができる。また、ダイスアッセンブリを加熱することにより、ダイスの押出孔を通過する成形材の温度が低下することも防止することができるために、上記成形材の変形抵抗が大きくなってステムの所要押圧力が上昇することも防止することができる。
【0013】この際に、請求項2に記載の発明では、上記ダイスタックの上部開口部間に架設した補強部材によって凹部の上部開口の変形や、あるいは凹部内のダイスアッセンブリとの間に介装した係止部材によってダイスアッセンブリの上方への移動および回転移動をも防止することができるために、ダイスの変位を一層確実に防止して安定的な押出成形を行うことが可能になる。
【0014】また、請求項3に記載の発明においては、ダイスを管状のダイリングで囲繞し、このダイリングに加熱手段であるヒータを組込んでいるので、上記ダイスをより一層一定の温度に保持することができ、この結果ダイスの熱歪を低減化させて精度の高い押出成形を行うことができるとともに、ダイリングの外周に周方向に沿って複数のヒータを設けているので、各ヒータによる温度制御を細かく行うことにより、ダイスにおける面内の温度偏差を低減化させることが可能になる。したがって、特にダイスに複数のダイス孔を形成して多条の成形体を同時に押出成形する場合においても、各成形体を同じ温度条件で均一に押出成形することができるといった利点が得られる。しかも、ダイスアッセンブリ全体を一のダイスによって構成する場合と比較して、ダイスの厚さ寸法をより薄く設定することができてその製造が容易になるとともに、ダイリングおよびバックプレートについては、異なる形状に対応した種々の固定ダイスに対して、共通部材として使用することができて経済的であるという付帯的な効果も得られる。
【0015】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明を、可変断面押出しを行うための押出成形装置に適用した態様であり、この押出成形装置によれば、ダイスアッセンブリの温度が低下することによって、ダイスタックとダイスアッセンブリとの間にガタを生じて固定ダイスと移動ダイスとの間に相対変位が生じ、この結果押出精度が悪化したり、あるいはダイスアッセンブリおよびこれを通過する成形材の温度低下等の要因によって、成形材の変形抵抗が増加し、移動ダイスを駆動するために必要な押圧力が上昇するといった虞が無いために、円滑かつ精度の高い可変断面の押出成形を安定的に行うことが可能になるといった顕著な効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜図8は、本発明に係る押出成形装置を可変断面押出成形を行うものに適用した第1の実施形態を示すものである。図1に示すように、この押出成形装置は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のビレット(成形材)1が収納されるコンテナ2と、このコンテナ2の一端部側に配設されてコンテナ2内のビレット1を他端部側に押圧するステム(加圧機)3と、コンテナ2の他端部に配設されてこのコンテナ2から押出される成形材を押出孔4を介して製品形状に成形するダイスアッセンブリ5と、このダイスアッセンブリ5を基盤上に支承するダイスタック6と、このダイスタック6の後段に配設されたエンドプラテン7とが水平方向に配設され、さらに押出孔4の形状を変化させる駆動装置8が設けられるとともに、ダイスアッセンブリ5の移動ダイス12の変位量を直接測定する変位測定手段40が設けられることによって概略構成されたものである。ここで、ステム3、ダイスタック6およびエンドプラテン7は、それぞれ床面(基盤)上に固定されており、さらにステム3とエンドプラテン7とは、互いの4隅に介装されたタイロッド(図示を略す。)によって連結されている。
【0017】また、ダイスタック6は、図1および図2に示すように、方形板状の部材で、その中央部には上方に開口するU字状の凹部9が形成されている。そして、この凹部9内に、ダイスアッセンブリ5が挿脱自在に収納されている。このダイスアッセンブリ5は、一部フランジが形成されないH型部材を押出加工するためのもので、円管状のダイリング10内に、成形材1の押出方向に向けて順次固定ダイス11と、この固定ダイス11に穿設された孔部22内に摺動自在に設けられた移動ダイス12と、固定ダイス11を支持するバックプレート13と、固定ダイス11の上流側に設けられてバックプレート13とともに固定ダイスを挟むリードインプレート16とが収納されたものである。ここで、ダイスタック6の凹部9の内壁部には、成形材の押出方向と交差する方向に溝部9aが形成されており、この溝部9a内にダイリング10の外周に形成された凸部10aが嵌合されている。
【0018】また、上記固定ダイス11は、熱間工具鋼によって形成された略外観円板状の部材で、図5および図6に示すように、コンテナ2側に位置する上面15の中央部には、コンテナ2から押出される成形材1の流路となる凹部17が形成されるとともに、この凹部17の底部に固定ダイス孔18が穿設されている。
【0019】この固定ダイス孔18は、成形するH型部材の一方のフランジの最大厚さ寸法と同一の幅寸法を有するフランジ部形成孔19と、このフランジ部形成孔19の中央部と直交する方向に延びるウエブ形成孔20と、このウエブ形成孔20の他端部に形成されたフランジ部連通孔21とから形成されたものである。フランジ部連通孔21は、フランジ部形成孔19と同一の長さ寸法を有し、かつ該フランジ部形成孔19よりも大きな幅寸法を有するように形成されている。また、この固定ダイス11の側面中央部には、ウエブ形成孔20と平行に延びて側面間を貫通し、かつ固定ダイス孔18と連通する孔部22が穿設されており、この孔部22の側面中央部には、移動ダイス12の側面を密に摺動自在に案内するための案内壁23が形成されている。そして、この固定ダイス11の孔部22内に、移動ダイス12が摺動自在に設けられている。
【0020】この移動ダイス12は、図7に示すように、孔部22内に挿入される頭部25と、この頭部25を孔部22内において摺動させるための駆動装置8の駆動軸(駆動部)24の先端部24aが連結されるクランプ部26とから一体に構成されたものである。上記頭部25は、熱間工具鋼等によって形成された外観略方形板状の部材で、その中央部には、固定ダイス孔18と同一寸法に形成されたフランジ部形成孔27と、このフランジ部形成孔27の中央部と直交するウエブ形成孔28と、このウエブ形成孔の他端部に形成されたフランジ部連通孔29からなる移動ダイス孔30が穿設されている。なお、上記ウエブ形成孔28は、この移動ダイス12の側壁31と平行になるように形成されている。移動ダイス12は、フランジ部形成孔27を固定ダイス孔18のフランジ部連通孔21側に位置させ、かつ互いのウエブ形成孔20、28を連通させて、固定ダイス11の孔部22内の案内壁23に沿って摺動自在に挿入されている。
【0021】そして、この移動ダイス12の移動方向にのぞむダイリング10の側壁には、固定ダイス11の孔部22よりも僅かに大きな開口部34が形成されており、この開口部34から移動ダイス12を内部に組込まれた固定ダイス11の孔部22内に装着するようになっている。さらに、ダイリング10の外周部には、上記開口部34が形成された部位を除いて、複数(図では合計12)の長穴10c…が穿設されており、長穴10c内に各々2〜4kw程度のパイプヒータ(加熱手段)50が組込まれている。また、このダイリング10の外周には、各箇所の温度を測定する複数の温度計測器(図示を略す。)が周方向に組込まれている。
【0022】上記構成からなるダイスアッセンブリ5が収納されたダイスタック6の上部開口部間には、H型鋼あるいはL型鋼からなる補強部材52がボルト53によって架設されており、さらにこの補強部材52には、ダイリング10の上部外周に溶接されて当該ダイスアッセンブリ5の移動を係止するための係止部材51、51が、支持部材54およびボルト55を介して支承されている。一方、図2に示すように、ダイスタック6の側面には、取付け部材32を介して上記駆動装置8が固定されている。この駆動装置8は、油圧シリンダ33と、この油圧シリンダ33によって進退する駆動軸24とから構成されたもので、上記駆動装置24は、ダイスタック6およびダイリング10の側壁に形成された開口部34、35に挿通されて、その先端部24aが移動ダイス12のクランプ部26に連結されている。
【0023】さらに、図1および図8に示すように、駆動装置8が取付けられている取付け部材32には、移動ダイス12の変位量を直接測定するための上記変位測定手段40が取付けられている。この変位測定手段40は、軸受41によって取付け台32上に移動ダイス12の移動方向に向けて進退自在の設けられたロッド42と、このロッド42にピン43によって固定された受け板44と軸受41との間に介装されてロッド42を移動ダイス42側に付勢するスプリング(付勢部材)45と、ロッド42の基端部に連結されてロッドの変位量を電気信号に変換するデジタルスケール(変位測定装置)46とから構成されたもので、ロッド42の先端部42aは、スプリングの付勢力によって、常時移動ダイス12に固定された係止板12aに当接するようになっている。また、この先端部42aは、スクリュージョイント47によって長さ寸法が調整可能になっている。
【0024】次に、図1〜図11に基づいて、以上の構成からなる押出成形装置を用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金製のH型部材の可変断面押出成形方法について説明する。先ず、ステム3を後退させた状態で、コンテナ2内に加熱したアルミニウムビレット1を挿入した後に、ステム3を前進させて当該ビレット1をダイスアッセンブリ5内の固定ダイス11側に向けて押出す。すると、図9に示すように、固定ダイス孔18と移動ダイス孔30との連通部分によって構成されるダイス孔4(図中ハッチングで示す部分)から成形材1が押出され、ダイス孔4の形状を断面形状とするH型部材が押出成形される。そして、これと並行して、適宜駆動装置8の油圧シリンダ33を制御することにより、駆動軸24を介して移動ダイス12を固定ダイス11の孔部22内において摺動させると、成形される部材のフランジ間のウエブの長さ寸法Lを漸次増減させることができる。
【0025】次いで、移動ダイス12をさらに移動させて、図10に示す位置に設定すると、ウエブの両端部に、フランジ部形成孔19、27とフランジ部連通孔20、29との連通部分に相当する厚さ寸法Wのフランジを有するH型部材が成形される。この際に、上述した状態を保持しつつ移動ダイス12を移動させることにより、長手方向に向けてフランジの厚さ寸法Wを適宜変化させることができる。また、図11に示すように、固定ダイス孔18と移動ダイス孔30との互いのウエブ形成孔20、28を連通させ、かつ一方のフランジ部形成孔19、27と他方のフランジ部連通孔21、29とを連通させない位置において成形材1を押出すと、成形材1は、ウエブ形成孔20、28の連通した押出孔4のみを通過して押出されるため、この結果、押出孔4の長さ寸法に対応したフラットバー状のウエブのみを有する平板状の構成部材が成形される。以上のように、駆動装置8によって移動ダイス12を固定ダイス11に対して適宜位置に移動させることにより、長手方向に向けて多様な可変断面形状を有する構成部材を容易に成形加工することができる。
【0026】この際に、移動ダイス12を正確な位置に移動させるために、図8に示した変位測定手段40によって移動ダイス12の変位量が計測される。すなわち、ロッド42は、スプリング45によって常に移動ダイス12に付勢されて係止板12aに当接しているために、移動ダイス12が移動するとこれに追従し、その変位量が直接デジタルスケール46からの出力信号として計測される。そこで、当該変位量に対応させて駆動装置8の油圧シリンダ33が制御されて、移動ダイス12が所望の位置まで移動される。
【0027】また、ステム3による成形材1の押出しに伴って、固定ダイス11には、上記押出方向に向けたスラスト力が作用し、このスラスト力は、固定ダイス11からバックプレート13に作用し、さらに当該バックプレート13が係合するテーパ部からダイリング10に伝えられて、互いに嵌合する溝部9aおよび凸部10aを介し、ダイスタック6によって床面(基盤)上に支持される。
【0028】さらに、押出成形の開始後、時間の経過とともに、熱がダイスタック6からエンドプラテン7側へ逃げることに伴って次第にダイスアッセンブリ5の温度が低下してそのダイリング10が熱収縮する。そこで、上記押出成形と並行して、図示されない温度計測器によってダイリング10の温度を計測し、このダイスアッセンブリ5の温度が押出成形を行うに従って低下傾向を示した際に、パイプヒータ50に通電してダイリング10を積極的に加熱することにより、ダイリング10が熱収縮してダイスタック6との間に隙間が発生することを防止する。この際に、ダイリング10の周方向にわたってその温度が不均一である場合には、各位置にあるパイプヒータ50への通電を別個に制御して、全体が均一な温度になるように加熱する。
【0029】また、上記押出成形に際して、ダイスアッセンブリ5にはステム3からの押圧力がスラスト力として作用するが、ダイスタック6の上部開口部間に架設した補強部材52によって凹部9の上部開口が離間する方向に変形することが防止され、さらに凹部9内のダイスアッセンブリ5との間に介装した係止部材51によって、ダイスアッセンブリ5の上方への移動および回転移動が防止される。なお、上記押出成形装置によって、他の形状の可変断面部材を押出成形する場合には、先ず補強部材52を取り外して、先ずダイリング10に設けた吊り具によってダイスアッセンブリ5全体を吊り上げてダイスタック6の凹部9から上方に抜出し、次いで当該部材の対応した固定ダイスおよび移動ダイスを組込んだダイスアッセンブリをダイスタック6の凹部9内に収納させればよい。
【0030】以上のように、上記構成からなる押出成形装置にあっては、ダイスアッセンブリ5のダイリング10に、周方向に向けて複数のパイプヒータ50を組込んでいるので、押出成形の開始後、時間の経過とともに、次第に成形材が押出されることによりコンテナ2側の温度が低下し、これに伴ってダイスアッセンブリ5の温度が低下傾向を示した際に、パイプヒータ50によって積極的にダイスアッセンブリ5を加熱することにより、ダイスタック6との間に熱収縮に起因する隙間が発生することを確実に防止することができる。この結果、固定ダイス11と移動ダイス12との間に相対変位が生じて押出精度が悪化したり、あるいは固定ダイス11および移動ダイス12の温度が低下してこれらを通過する成形材1の温度が低下することによりその変形抵抗が増加し、移動ダイス12を駆動するために必要な押圧力が上昇するといった虞が無いために、円滑かつ精度の高い可変断面の押出成形を安定的に行うことができる。
【0031】また、ダイスタック6の上部開口部間に架設した補強部材52によって凹部9の上部開口における変形や、凹部9内のダイスアッセンブリ5との間に介装した係止部材51によってダイスアッセンブリ5の上方への移動および回転移動を防止することができるために、固定ダイス11の変位を一層確実に防止して安定的な押出成形を行うことができる。
【0032】加えて、固定ダイス11を管状のダイリング10で囲繞し、このダイリング10にパイプヒータ50を組込んでいるので、固定ダイス11および移動ダイス12を一定の温度に保持することができ、よって固定ダイス11の熱歪を低減化させて精度の高い押出成形を行うことができる。しかも、ダイリング10の外周に周方向に沿って複数のパイプヒータ50を設けているので、各パイプヒータ50による温度制御を細かく行うことにより、固定ダイス11における面内の温度偏差を低減化させることができる。
【0033】なお、上記実施の形態においては、固定ダイス11および移動ダイス12としてH型の構成部材を押出成形するものを使用した場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、各種の可変断面の構成部材を押出成形するための固定ダイスおよび移動ダイスを組込むことが可能である。
【0034】図12は、本発明の押出成形装置を一定断面形状の部材を押出成形するものに適用した第2の実施形態を示すもので、他の構成については、駆動装置8および変位測定手段40並びにこれらに付随する開口部34、35等を有していない点を除いて、図1〜図4に示したものと同様であるために、以下同一符号を用いてその説明を省略する。本実施形態の押出成形装置においては、ダイリング10内に、上述した固定ダイス11および移動ダイス12に代えて、図12に示すように、複数本(図では例示として4本)の熱交換器用のフィンチューブを同時に並列的に押出すための押出孔60…が穿設されたダイス61が組込まれている。
【0035】上記ダイス61を組込んだ押出成形装置によれば、ステム3によってコンテナ2内のビレット1を押圧し、ダイス61の押出孔60から押出すことにより、同時に4本のフィンチューブを押出成形することができる。この際に、経時的にダイスアッセンブリ5の温度が低下すると、上記ダイス孔60が小径であることとあいまって、成形材1の押圧力が極端に上昇する。また、ダイス61の面内における温度偏差が生じると、温度の高い押出孔60からは容易に押出すことができるものの、温度の低い押出孔60からは円滑に成形材1が押出されずに偏った押出成形が行われ、よって4本のフィンチューブを効率的に押出加工することができなくなってしまう。また、このような偏った押出成形が行われる原因としては、ダイス61およびダイス孔60や装置全体の製作誤差も挙げられる。この点、上記押出成形装置にあっては、ダイスアッセンブリ5の温度が低下した際や、ダイス孔60等の製作誤差によって偏った押出成形が行われた際に、ダイリング10に組込んだパイプヒータ50をそれぞれの箇所の温度あるいは成形体の偏り程度に対応して細かく加熱制御することにより、ステム3による押圧力を上昇させることなく、4本のフィンチューブを円滑かつ偏りなく押出成形することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、ダイスアッセンブリに設けた加熱手段によって、経時的にダイスアッセンブリの温度が低下傾向を示した際に、当該ダイスアッセンブリを積極的に加熱することにより、ダイスタックとの間に熱収縮に起因する隙間が発生してダイスアッセンブリが変位することを確実に防止することができるとともに、押出孔を通過する成形材の温度が低下することも防止することができるために、上記成形材の変形抵抗が大きくなってステムの所要押圧力が上昇することも防止することができる。この際に、請求項2に記載の発明では、上記ダイスタックの上方への移動および回転移動をも防止することができるために、ダイスの変位を一層確実に防止して安定的な押出成形を行うことが可能になる。
【0037】また、請求項3に記載の発明によれば、ダイスをより一層一定の温度に保持することができ、この結果ダイスの熱歪を低減化させて精度の高い押出成形を行うことができる。したがって請求項1〜3のいずれかに記載の発明は、特に請求項4に記載の発明のように、可変断面押出しを行うための押出成形装置に適用した場合に、押出精度が悪化したり、あるいは移動ダイスを駆動するために必要な押圧力が上昇するといった虞が無く、よって円滑かつ精度の高い可変断面の押出成形を安定的に行うことが可能になるといった顕著な効果が得られる。




 

 


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