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発明の名称 アルミハニカム抑音パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128886
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−288815
出願日 平成8年(1996)10月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 大胡田 優 / 高橋 憲昭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ハニカムコアの表裏面に接着層を介して金属製の表板と裏板が接着され、前記接着層が前記ハニカムコアの表板側と裏板側のほぼ全面を覆って設けられるとともに、前記表板とハニカムコアとの間に介在された接着層がシリコン変性エポキシ接着剤からなり、前記裏板とハニカムコアとの間に介在された接着層がゴム変性エポキシ接着剤からなることを特徴とするアルミハニカム抑音パネル。
【請求項2】 ハニカムコアに多数形成された中空部の表側の各開口部がシリコン変性エポキシ接着剤からなる接着層によって閉じられ、裏側の各開口部がゴム変性エポキシ樹脂剤からなる接着層よって閉じられてなることを特徴とする請求項1記載のアルミハニカム抑音パネル。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロッターボード等に用いて好適なアルミハニカム抑音パネルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルミハニカムコアの上下両面に金属プレートを貼り付けてなる構造のアルミハニカムパネルが知られている。この種のアルミハニカムパネルは、軽量の割に強度が高く、取り扱いも容易であるがために、各種建築用パネル、航空機用構造材、車両用構造材等の分野において広く利用されている。また、前記アルミハニカムパネルにおいて、比較的安価で、一般的な強度、耐久性のものは、車両、建築内装材等に用いられ、高い強度と高耐熱性、耐久性が要求されるものは航空機用等に用いられている。ところで近年、この種のアルミハニカムパネルは、前述の従来からの用途に限らず、その軽量性を活かしてパラボラアンテナ反射鏡などの曲面パネルやCAD等の自動製図装置用プロッターボード(製図板)としても適用されている。
【0003】前記アルミハニカムパネルは、ハニカムコアの両面に金属プレートを接着剤で接着した構造であるがために、この接着剤の強度や耐久性によってパネルとしての強度、耐久性も支配される傾向にある。従って従来、一般的な強度、耐久性のものは、エポキシ樹脂ウレタンプレポリマーや合成ゴムを主体とした液状の接着剤を接着部分に厚塗りした後で、これらを常温または加熱接着してハニカムコアに金属プレートを貼り合わせて製造されており、高強度、高耐久性のものは、加熱硬化型のシート状の接着剤、いわゆる、プレプリグと称される接着剤を接着部分に設置し、プレスにより、長時間、高温高圧下に設置して接着剤を硬化させることにより製造されている。
【0004】以上のような接着技術は、アルミハニカムパネルが新しい分野に供された場合にも適用されており、アルミハニカムパネルがCAD等の自動製図装置用プロッターボード(製図板)に適用された場合、エポキシ樹脂系の接着剤が適用されていたが、エポキシ樹脂の接着剤のみでは、硬く、剛性は高いものの、脆い欠点があるので、エポキシ接着剤に少量の合成ゴムを添加したゴム系エポキシ接着剤が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造のアルミハニカムパネルをプロッタボードとして備えた自動製図装置は、描画ペンの先端がアルミハニカムパネル表板上の製図紙に対して接触と離間を繰り返しながらパネル上の製図紙に図を描くのであるが、アルミハニカムパネルが金属からなり、音が響き易い性質を有する上に、ハニカムコアの内部には、多数の中空部(空洞)が存在するので、描画ペンがアルミハニカムパネル表板を叩く際の接触音(衝突音)が頻発することになる。この衝突音は、木質系の製図板に比べてアルミハニカムパネルからなる製図板の方が大きいものであり、アルミハニカムパネルの製図板は軽量で強度が高く、平面性にも優れているものの、この衝突音を抑制することが望まれる。
【0006】本発明は前記課題に鑑みてなされたものであって、表面に描画ペン等の物体が接触した際の衝突音を抑えることができ、プロッターボード等の製図板用として好適であって、軽量で必要充分な強度も有するアルミハニカムパネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するために、ハニカムコアの表裏面に接着層を介して金属製の表板と裏板が接着され、前記接着層が前記ハニカムコアの表板側と裏板側のほぼ全面を覆って設けられるとともに、前記表板とハニカムコアとの間に介在された接着層がシリコン変性エポキシ接着剤からなり、前記裏板とハニカムコアとの間に介在された接着層がゴム変性エポキシ接着剤からなるものである。本発明において、ハニカムコアに多数形成された中空部の表側の各開口部がシリコン変性エポキシ接着剤からなる接着層によって閉じられ、裏側の各開口部がゴム変性エポキシ樹脂剤からなる接着層よって閉じられてなることが好ましい。
【0008】ハニカムコアの表板に、製図用の描画ペン等の物体が接触した際に、ハニカムコアの内部に中空部が多数存在するので、接触音が響くおそれがあるが、表板のハニカムコア側の面にはゴム変性エポキシ接着剤よりも粘性の高いシリコン変性エポキシ接着剤の接着層が設けられているのでこの接着層の存在により接触音が抑音される。また、シリコン変性エポキシ接着剤の接着層は、ハニカムコアの各中空部の開口部を閉じているので、中空部を共鳴して発しようとする共鳴音も抑制される。更に、ハニカムコアの他側の中空部はゴム変性エポキシ樹脂剤の接着層で閉じられているので、この開口部を起因とする音漏れは生じない。よって、シリコン変性エポキシ接着剤による抑音効果を損なうこともない。更にまた、ゴム変性エポキシ接着剤の接着層によりハニカムコアと裏板とを強固に接合できるので、ハニカムパネル全体の必要な強度と剛性も確保される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1と図2は本発明に係るアルミハニカムパネルの一形態を示すもので、この形態のアルミハニカムパネルAは、ハニカムコア1の表面に金属プレートからなる表板2が接着され、ハニカムコア1の裏面に金属プレートからなる裏板3が接着されて構成されている。前記表板2の下面のほぼ全面には、図2に示すようにシリコン変性エポキシ接着剤からなる接着層4が設けられるとともに、裏板3の上面にはゴム変性エポキシ接着剤からなる接着層5が設けられている。
【0010】また、ハニカムコア1は、図1に示すように6角型のセル6が多数配列一体化されたもので、各セル6の内部は中空部7とされている。そして、各セル6の上部開口部がシリコン変性エポキシ接着剤からなる接着層4により閉じられるとともに、各セル6の下部開口部がゴム変性エポキシ接着剤からなる接着層5により閉じられ、各接着層4、5は、図2に示すようにほぼ均一な厚さで表板2と裏板3に被着され、セル6の開口周縁部6aまわりにおいては接着剤のチクソトロピー性(thixotropy:揺変性)によりセルの開口部に沿ってフィレット部4a、5aを形成するように被着されている。前記表板2と裏板3は、塗装鋼板、ほうろう鋼板、ステンレス鋼板、銅または銅合金板、アルミニウムまたはアルミニウム合金板、チタンまたはチタン合金板などの金属プレートからなる。
【0011】前記シリコン変性エポキシ接着剤とは、2液型無溶剤型常温硬化型ゴム変性接着剤の1種として知られているもので、具体的には、主要構成成分となるエポキシ樹脂を主体とする樹脂液と、シリコーン変成オリゴマーを主体とする樹脂液が配合されて硬化されたものである。この系のエポキシ接着剤は、後述するゴム変成エポキシ接着剤よりも柔軟性に富むので、表板2の下面のほぼ全面に設けることで、表板2の振動を抑制するとともに、ハニカムコア1の中空部7の開口部を閉じた際に中空部7内での共鳴を効率良く抑制する。より具体的には、主剤として変性シリコンポリマーを90〜97%、3級アミンを2〜5%および少量の添加剤を配合し、硬化剤としてエポキシ樹脂40〜50%、無機質充填材を10〜20%、反応性希釈剤10〜20%と少量の添加剤を配合した[コニニ製商品名MOS1005]接着剤を1:1で混合したもの等を用いることができる。前記ゴム変成エポキシ接着剤とは、無溶剤型常温硬化型ゴム変性接着剤の1種として知られているもので、通常のエポキシ樹脂接着剤の持つ、剥離、衝撃などの強靱性の不足を解消した性質を有し、具体的には、主要構成成分となるエポキシ樹脂にゴム質系有機重合体が配合されたものである。より具体的には、鐘淵化学工業(株)製商品名カネカサイリルとビスフェノールA型エポキシ樹脂を混合したもの、主剤としてのエポキシ樹脂に硬化剤として変性脂肪族ポリアミンを10:2〜10:5の範囲で混合したものなどが用いられる。
【0012】前記構造のアルミハニカムパネルAにあっては、表板2の裏面側に、ゴム変成エポキシ接着剤よりも粘性が高く柔軟なシリコン変性エポキシ接着剤からなる接着層4がほぼ全面にわたって設けられ、しかも、接着層4がハニカムコア1の中空部7の開口部を覆っているので、表板2自体の振動を抑制できるとともに、中空部7で共鳴しようとする音波も抑制するので、結果的に、表板2に、製図用の描画ペン等の物体が接触した際の接触音(衝突音)を抑制することができる。また、裏板3の上面側には硬いゴム変性エポキシ樹脂剤の接着層5が設けられていて、ハニカムコア1と裏板3とが強固に接合されるので、ハニカムパネルA全体として必要な剛性も確保される。更に、ハニカムコア1の中空部7の下部開口部をゴム変性エポキシ接着剤の接着層5が閉じるので、中空部7において共鳴音が多少生じても音漏れを生じない。よって、前記シリコン変性エポキシ接着剤の接着層4が生じさせる抑音効果を損なうこともない。更に、接着層4は表板1のほぼ全面をほぼ均一な厚さで被覆しているので、表板1に対する衝突音の抑制にムラが無く効果的であり、しかも、ハニカムコア1のセル6の開口周縁部6a周りの部分においては接着層4、5にそれぞれ肉厚部4a、5aが形成されているので、隣接するセル間において音漏れを生じて共鳴を起こすこともない。このため極めて効率よく抑音効果を発揮する。
【0013】図3〜図8は、前記構成のアルミハニカムパネルAの製造方法について説明するもので、表板2の裏面のほぼ全面あるいは裏板3の表面のほぼ全面に図3に示すようにディスペンサー10で接着剤を塗布する。ここで表板2の裏面には前述のシリコン変性エポキシ接着剤を裏板3の上面にはゴム変性エポキシ接着剤を塗布する。次に、図4に示すハニカムコア1の上面に表板2を下面に裏板3をそれぞれ図5に示すように配置し、更に図6に示すように平面精度の高い上下の温度調整盤11、11の間に水平に挟んで温度を常温〜50℃程度に保持したままでプレス装置により1〜2kg/mm2程度の圧力を付加して1〜5日程度放置して接着剤を硬化させ、アルミハニカムパネルAを得ることができる。
【0014】続いて前記アルミハニカムパネルAを図7に示すようにカッター12で所望の大きさに裁断し取付用の穴を加工し、必要ならば金具等を装着することで例えばプロッターボード用として使用することができる。
【0015】
【実施例】JIS5052系のAl合金からなる縦1m、横1m、厚さ1mmの表板と裏板をそれぞれ用意し、厚さ0.06mm、6角形状の1辺7.3mmのセル(セルサイズ1/2インチ)を有する縦1m、横1mのハニカムコアの表面と裏面に、それぞれ接着剤を用いて表板と裏板を接着してアルミハニカムパネルを組み立てた。表板の裏面には、シリコン変性エポキシ接着剤であるコニニ製MOS1005の接着剤を厚さ0.3mmでディスペンサー又はロールコーターによりほぼ全面塗布し、裏板の上面には、ゴム変性エポキシ接着剤を厚さ0.3mmにディスペンサー又はロールコーターによりほぼ全面塗布した。次に、水平に設置したハニカムコアの上面に表板をハニカムコアの下面に裏板を設置し、全体を水平にしたままでプレスで上下から2kg/cm2の圧力で加圧し、1日放置して接着作業を終了し、アルミハニカムパネルを得た。
【0016】このアルミハニカムパネルに対する比較パネルとして、前記と同じ素材からなる同じ寸法の表板と裏板とハニカムコアを用い、表板と裏板の両方を前記と同じゴム変性エポキシ接着剤にてハニカムコアに接着して製造したアルミハニカムパネルと、表板と裏板の両方を前記と同じシリコン変性エポキシ接着剤にてハニカムコアに接着して製造したアルミハニカムパネルと、表板をゴム変性エポキシ接着剤にてハニカムコアに接着し裏板をシリコン変性エポキシ接着剤にてハニカムコアに接着して製造したアルミハニカムパネルを試作した。これらのアルミハニカムパネルに対する平坦度測定テストを行った結果を以下の表1に示す。平坦度測定テストは、1×1mのアルミハニカムパネルの表板を上にして水平に設置したパネルの2辺を支持し、パネル自重においてパネル全面に規定した25点を3次元測定した数値の最大値と最小値の範囲をmm表示したものである。また、パネルの種類として、試料1は表板接着をシリコン変性エポキシ接着剤で裏板接着をゴム変性エポキシ接着剤で行ったもの(本発明試料)、試料2は表板と裏板の接着をいずれもゴム変性エポキシ接着剤で行ったもの(比較試料)、試料3は表板と裏板の接着をいずれもシリコン変性エポキシ接着剤で行ったもの(比較試料)、試料4は表板接着をゴム変性エポキシ接着剤で裏板接着をシリコン変性エポキシ接着剤で行ったもの(比較試料)である。
【0017】
【表1】

【0018】表1に示す結果から明らかなように、表板と裏板の両方をシリコン変性エポキシ接着剤にて接着した試料3のパネルは、平坦度の数値が大きく、プロッターボードに要求される0.3mm以下という基準を満たすことができないことが判明した。これに対して試料1と試料2と試料4のパネルは平坦度の数値が小さいことが明らかである。
【0019】次に、前記各試作パネルについて、落下物による騒音テストを行った。重量5gの鉄球を高さ0.13mの所からパネル中央部に落下させた場合に発生する接触音をパネル中心から上方に0.5m離れた位置でリオン(株)等価騒音計で測定した結果を以下の表2に示す。なお、表2には、複数回測定時の平均騒音の値とピークの値を示した。
【0020】
【表2】

【0021】表2に示す結果から明らかなように、本発明に係るシリコン変性エポキシ接着剤を用いた構造を有する試料1と比較試料3の騒音が低いことが明らかであり、鉄球の接触に伴って発生する音を抑制できていることが明らかである。以上の結果から、本発明構造に係る試料1のものにおいては、プロッターボードに要求される平坦度と強度を確保した上で高い抑音効果を得ていることが明らかになった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ハニカムコアに対し、表板を粘性の高いシリコン変性エポキシ接着剤で裏板を剛性の高いゴム変性エポキシ接着剤で接着したので、ハニカムコアの表板に、製図用の描画ペン等の物体が接触した際に、表板のシリコン変性エポキシ接着剤の接着層の存在により接触音を抑音できる。また、シリコン変性エポキシ接着剤の接着層は、ハニカムコアの各中空部の開口部を閉じているので、中空部を共鳴して発しようとする共鳴音も抑制できる。更に、ハニカムコアの他側の中空部はゴム変性エポキシ樹脂剤の接着層で閉じられていて音漏れを生じないので、シリコン変性エポキシ接着剤の接着層による抑音効果を損なうことがない。更にまた、ゴム変性エポキシ接着剤の接着層によりハニカムコアと裏板とを強固に接合しているので、ハニカムパネル全体の必要な剛性と強度を確保できる。




 

 


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