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発明の名称 長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−34378
公開日 平成10年(1998)2月10日
出願番号 特願平8−198914
出願日 平成8年(1996)7月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和夫 (外1名)
発明者 黒田 周 / 当摩 建
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
【請求項2】Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
【請求項3】Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
【請求項4】Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有することを特徴とする長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
【請求項5】前記Al合金は、重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造に関するものであり、特に熱交換器など各種構造用部材のろう付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラジエータなど熱交換器は、芯材とフィンをろう付け部で接合したろう付け構造を有していることは一般に知られているところであり、このろう付け構造の一部断面図を図1に示す。図1において、2は芯材、3はフィン、1はろう付け部である。このろう付け構造の芯材2は、通常、JIS 3003(重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物)Al−Mn系合金で構成されており、芯材2の片面にJIS 4045(重量%で、Si:9.0〜11.0%、Cu:0.30%以下、Fe:0.8%以下、Mn:0.05以下%、Mg:0.05以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物)などのAl−Si系Al合金ろう材5をクラッドしてなるブレージングシートにフィンを接触させた状態で加熱すると、ろう材5溶融し、表面張力によってろう付け部1が形成され、ろう付け構造が形成される。
【0003】さらにフィン3のろう付け部1と反対側に図1に示されるようなAl合金犠牲陽極皮材4が形成されていると耐食性が向上する。したがって、ラジエータなど熱交換器のチューブ内に腐食性の強い冷媒を流すブレージングシートは、Al−Si系Al合金ろう材と反対の芯材の他方の片面にMg:0.3〜2.5%を含有するAl合金犠牲陽極皮材、Mg:0.3〜2.5%、Zn:2%以下を含有するAl合金犠牲陽極皮材またはMg:0.3〜2.5%、Mn:0.2〜1.5%を含有し、さらにCu:0.5%以下、Cr:0.3%以下、Zr:0.2%以下を含有するAl合金犠牲陽極皮材をクラッドしてなるものが使用される。
【0004】前記Al−Si系Al合金ろう材で形成されたろう付け部は、Siの含有により電位が貴になるため、被接合材との電位差が小さく、犠牲陽極効果が劣る。したがって、Znを添加することによりろう付け部の電位を被接合材の電位よりも卑とし、犠牲陽極効果を改善している。ろう付けは、通常、固液共存の領域で行われるが、ろう付け時に接合に寄与するのは液相であり、これが流動することにより被接合材と接合される。ろう付け後はろう付け時に液相であったのが共晶α相となり、固相であったのが初晶α相となる。初晶α相はろう付け部全体に占める体積比率が大きく、共晶α相はろう付け部全体に占める体積比率が比較的少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記Al−Si系Al合金ろう材で形成されたろう付け部のSiの固溶量は、初晶α相の方が共晶α相よりも多くなる。さらに、Znを添加したろう材では、ろう付け時に、液相にZnが濃縮し、ろう付け後は共晶α相のZn固溶量は初晶α相に比べて多くなる。これはAl−Znに現平衡状態図からも理解できる。このようにろう付けして得られたろう付け部の組織は、SiおよびZnの固溶量の違いにより、共晶α相は初晶α相に比べて電気化学的に卑になり優先的に腐食される。したがって、ろう付け部とAl合金の隣接部の大部分がろう付け時に流動してできた共晶α相からなるため、優先的に腐食が進行し、早期に被接合材との剥離が起こり、接合強度が低下してしまうという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、かかる観点から、従来よりも長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造を得るべく研究を行った結果、(I)Al合金とAl合金をろう付けして得られた(a)重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、(b)重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、(c)重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部、並びに(d)重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有するろう付け部は、いずれも初晶α相および共晶α相が共存した組織を有しており、この組織における共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴であると、長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができる、(II)ろう付け部の共晶α相および初晶α相からなる組織における共晶α相を初晶α相よりも電気化学的に貴にするには、ろう付け後の580℃から400℃の間の冷却速度を35〜200℃/minで冷却することによって形成することができる、という知見を得たのである。
【0007】この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、(1)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(2)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%、の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(3)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(4)Al合金とAl合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、に特徴を有するものである。
【0008】この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造を構成する芯材およびフィン材などのAl合金は、いかなるAl合金でも良く、特に限定されるものではないが、重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金であることが特に好ましい。したがって、この発明は、(5)重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(6)重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(7)重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、Bi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、(8)重量%で、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.20%、Si:0.6%以下、Zr:0.7以下%、Zn:0.10以下%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成のAl−Mn系合金をろう付け部により接合してなるろう付け構造において、前記ろう付け部は、重量%で、Si:3〜15%、Zn:5〜15%、Cu:0.01〜0.2%を含有し、さらに、In:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%の内の1種または2種を含有し、さらにBi:0.01〜0.5%、Be:0.0005〜0.1%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに初晶α相および共晶α相が共存しておりかつ共晶α相が初晶α相よりも電気化学的に貴である組織を有する長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造、に特徴を有するものである。
【0009】この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造のろう付け部は、(i)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するAl合金ろう材をクラッドしてなるブレージングシートを接触させた状態で加熱することにより、(ii)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するAl合金ろう材粉末とフラックスおよび溶剤もしくは溶剤とバインダーからなるペーストを加熱することにより、または、(iii)ろう付け部の成分組成と同じ成分組成を有するプリフォームされたAl合金ろう材を加熱することにより、それぞれ形成することができる。
【0010】この発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造のろう付け部は、共晶α相中のCu固溶量が重要で、Cu固溶量が少ないと、共晶α相の電位が初晶α相よりも卑になるが、多いと共晶α相の電位は初晶α相よりも貴になる。これは、ろう付け後の冷却速度に大きく依存し、冷却速度が遅いとCuの固溶量が少なくなって共晶α相の電位が初晶α相よりも卑になってしまう。したがって、冷却速度は、ろう付け後の580℃から400℃の間の冷却速度が早い方が好ましく、35℃/min以上が好ましい。しかし、熱交換器の実機炉では200℃/min以上の冷却速度を得ることは難しいため、冷却速度は35〜200℃/minに定めた。特にこの発明の長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造は、熱交換器のろう付け構造として用いるのが好ましく、特に自動車の熱交換器のろう付け構造として用いるのが好ましい。
【0011】次に、この発明のろう付け性および長期にわたって優れた耐食性および接合強度を維持することができるろう付け構造の成分組成を上述のごとく限定した理由を述べる。
Si:ろう付け部におけるSiは、ろう付け部形成時のろう材の融点を低下させるとともに流動性を付与し、きれいなろう付け部を形成する成分であるが、その含有量が3%未満では所望の効果が得られず、一方、15%を越えると加工性が低下すると共に、ろう材の融点が低下して被接合部材が浸食され、さらに初晶Siの出現により腐食速度が増大するので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるSiの含有量は3〜15%に定めた。Siの含有量の一層好ましい範囲は5〜10%である。
【0012】Zn:ろう付け部におけるZnは、ろう付け部形成時に被接合部材に拡散してろう材表面から心材内部へ電気化学的性質の勾配、すなわち電位勾配を形成する作用があるが、その含有量が5%未満では所望の効果が得られず、一方、15%を越えて含有すると、ろう付け部の腐食速度が大きくなり、また、圧延などの加工性が低下するので好ましくない。したがって、Zn:5〜15%に定めた。Znの含有量の一層好ましい範囲は6〜10%である。
【0013】Cu:Cuは、ろう付け部形成時に共晶α相に濃縮することにより、ろう付け部の共晶α相の電気化学的性質を貴にし、初晶α相を優先的に溶解させて、Al合金と被接合部材の隣接部の耐食性および接合強度を維持する作用があるが、その含有量が0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、0.2%を越えて含有すると、共晶α相へ濃縮したCuが析出し、カソードとなるためにろう付け部の腐食速度が急激に大きくなり、防食効果の寿命が短縮されるので好ましくない。したがって、Cu:0.01〜0.2%に定めた。Cuの含有量の一層好ましい範囲は0.05〜0.1%である。
【0014】In、Sn:これら成分は、いずれもろう付け部の電気化学的性質を卑にし、被接合部材に対する犠牲陽極効果を向上させる成分であるので必要に応じて添加するが、その含有量がそれぞれIn:0.001%未満、Sn:0.001%未満では所望の効果が得られず、一方、In:0.3%を越え、Sn:0.3%を越えて含有すると圧延などの加工性が低下すると共に、腐食速度が大きくなり、防食効果の寿命が短縮されるので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるIn、Snの含有量は、それぞれIn:0.001〜0.3%、Sn:0.001〜0.3%に定めた。これら成分の一層好ましい範囲は、In:0.01〜0.2%、Sn:0.01〜0.2%である。
【0015】Bi、Be:これら成分は、いずれもろう付け部の機械的性質を向上させ、ろう付け部形成時のろう材の流動性を向上させる成分であるので、必要に応じて添加するが、その含有量がそれぞれBi:0.01%未満、Be:0.0005%未満では所望の効果が得られず、一方、Bi:0.1%を越え、Be:0.1%を越えて含有すると加工性が低下するので好ましくない。したがって、ろう付け部におけるBi、Beの含有量は、それぞれBi:0.01〜0.1%、Be:0.0005〜0.1%に定めた。これら成分の一層好ましい範囲は、Bi:0.03〜0.05%、Be:0.001〜0.05%である。
【0016】
【発明の実施の形態】JIS 3003のAl合金(Si:0.6%、Fe:0.7%、Mg:0.1%以下、Mn:1.2%、Zn:0.10%以下を含有し、残部:Alおよび不可避不純物)からなる厚さ:0.95mmの圧延板を心材とし、その表面に表1〜表2に示す成分組成を有し、厚さ:0.05mmAl合金ろう材A〜Uをクラッドしたブレージングシートを作製した。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

(*印は、この発明の範囲から外れている値を示す)
【0019】これらJIS 3003のAl合金に表1〜表2に示す成分組成のろう材A〜Uをクラッドしたブレージングシートにそれぞれ厚さ:0.1mmのフィンを組み付けた後、これらを窒素ガス雰囲気中、温度:600℃、3分間保持の条件でろう付けし、のど厚:0.5mmのろう付け部を形成し、このろう付け部を580℃から400℃までを表3〜表5に示される冷却速度で冷却することにより、表1〜表2に示す成分組成のろう材A〜Uと同じ組成および表3〜表5に示される電位の共晶α相および初晶α相からなる組織を持ったろう付け部を有する本発明ろう付け構造1〜16および比較ろう付け構造1〜7を作製した。
【0020】ろう付け構造のろう付け部の組織における共晶α相および初晶α相の電位は、ろう付け部表面を研磨して表面を平滑面とし、その表面を光学顕微鏡(100倍)で観察し、まず、初晶α相を塗装シールし、塗膜が乾燥した後、3.5%食塩水(25℃)に浸漬して電位計で電位を測定することにより共晶α相の電位を決定し、次に、共晶α相を塗装シールし、塗膜が乾燥した後、3.5%食塩水(25℃)に浸漬して電位計で電位を測定することにより初晶α相の電位を決定することにより求めた。
【0021】このようにして得られた本発明ろう付け構造1〜16および比較ろう付け構造1〜7をASTM規格G85−85に規定される20日間のSWAAT耐食試験(噴霧液の酢酸酸性人工海水を50℃で30分間噴霧し、さらに50℃で90分間湿潤させる試験)を行い、ろう付け部の最大孔食深さを測定し、その結果を表3〜表5に示し、ろう付け部の耐食性を評価した。
【0022】さらに前記SWAAT耐食試験した本発明ろう付け構造1〜16および比較ろう付け構造1〜7のフィンを引きむしり取り、破断する個所を観察し、その結果を表3〜表5に示し、ろう付け部の強度を評価した。ろう付け構造のろう付け部に形成された孔食深さが短ければろう付け部の強度が確保され、フィンが破断するが、孔食深さが長いとろう付け部の強度が低下してろう付け部が破断するところから、ろう付け部の強度が評価できる。
【0023】
【表3】

【0024】
【表4】

【0025】
【表5】

【0026】
【発明の効果】表3〜表5に示される結果から、本発明ろう付け構造1〜16は、比較ろう付け構造1〜7に比べて、ろう付け部の強度が不足したり、ろう付け部の最大孔食深さが大きくて腐食しやすかったりするなど好ましくない特性が現れることが分かる。上述のように、この発明のろう付け構造は、長期にわたって優れた耐食性および強度が共に優れ、産業の発展に大いに貢献し得るものである。




 

 


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