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発明の名称 静電型空気清浄器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−328576
公開日 平成10年(1998)12月15日
出願番号 特願平9−157498
出願日 平成9年(1997)5月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中野 佳直
発明者 赤坂 章男 / 福沢 邦之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 放電線とそれに対向する平板からなる電極を配列した電極系を備え、前記電極自身の抵抗によりスパーク放電電流を抑制することを特徴とする静電型空気清浄器。
【請求項2】 前記電極系の静電容量と自己誘導係数で決る特性インピーダンスに対して、各々の電極が単位長さ当り、特性インピーダンスのπ倍以上の分布した抵抗成分を持つことを特徴とする請求項1記載の静電型空気清浄器。
【請求項3】 前記各々の電極の全抵抗が特性インピーダンスの2π倍以上かつ、106Ω以下であることを特徴とする請求項1記載の静電型空気清浄器。
【請求項4】 放電線および/または平板を抵抗材で成形して前記抵抗成分を持たせたことを特徴とする請求項1記載の静電型空気清浄器。
【請求項5】 放電線とそれに対向する平板からなる帯電部の電極系及び高電圧印加平板と集塵板からなる集塵部の電極系により構成される二段式の静電型空気清浄器において、前記帯電部及び集塵部の電極自身の抵抗によりスパーク放電電流を抑制することを特徴とする静電型空気清浄器。
【請求項6】 請求項2又は3に記載された電極の抵抗を持たせた帯電部とし、電極の平板を抵抗材で成形し単位長さ当り、各々の対向する平板間の静電容量と自己誘導係数で決まる特性インスピーダンスのπ倍以上の抵抗成分を持たせ集塵部からなる請求項5記載の静電型空気清浄器。
【請求項7】 前記集塵部の電極のうち、高電圧を印加する平板および/または接地された平板を抵抗材で成形して前記抵抗成分を持たせたことを特徴とする請求項5記載の静電型空気清浄器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電型空気清浄器に係り、特に高電圧を印加する電極を備えた静電型空気清浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】静電型空気清浄器は、空気中の塵をコロナ放電で発生したイオンで帯電させる帯電部と帯電した塵を直流高電圧を印加した平行平板で補集する集塵部とからなる二段式電気集塵器の構造が多く使用されている。また、火力発電所や産業用に使われる電気集塵装置のように帯電部と集塵部を一つにした一段式電気集塵器が使用されることもある。どちらのタイプの静電型空気清浄器の場合も、多くの場合、ケーシングは空気の吸込み側または吹出し側、またはその両方が開放になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気集塵器は、印加電圧が高いほど除塵性能が高くなる。しかし、高くし過ぎると電極間でスパーク放電が発生するのでスパーク電圧よりわずかに低い印加電圧に設定して運転している。それでも電極に捕集した塵の付着状態や放電極の振動でスパーク放電を発生することがある。また、静電型空気清浄器の場合、蛾や蚊などの昆虫が進入してスパーク放電が発生することがある。このようなスパーク放電は急激な電流変化を伴うので強力な電磁波がノイズとなって放射される。前述の産業用や火力発電所用の電気集塵器は全体が金属のケーシングで囲われているので、スパーク放電で発生した電磁波ノイズが外部に漏れることはなかった。
【0004】一方、静電型空気清浄器は開口部があるので、そこから電磁波ノイズが外部に放射される。静電型空気清浄器の近辺に電子機器が置かれていると、電磁波ノイズにより動作に障害を引き起すおそれがある。したがって、従来の静電型空気清浄器は、スパーク電圧よりもずっと低い電圧を印加し、低い除塵性能で運転するか、以下のようないくつかの放電電流の制御手段が考えられていた。すなわち特開平1−194954号公報に開示されているものはアーク放電検出回路を有し、電極間で一定時間アーク放電が継続したとき高圧発生回路を停止させるように構成されている。この方法は離散的に発生するアーク放電に対しては異常状態と判断せず継続的なアーク放電に対してだけ高圧発生回路を制御するものである。しかしながら、静電型空気清浄器の周辺に置かれた電子機器などは、単発的な放射電磁波に対してでも影響されることがあり、対策としては不十分である。
【0005】これに対し、実公昭54−20692号公報、特開平5−31398号公報及び特開平7−132249号公報のように高圧電源と電極の間に抵抗体やインダクタンス等の電流制限用素子を介在させて、スパーク発生時の放電電流を抑える方法が開示されている。それらの例を図7、図8及び図9に示す。図7の抵抗器102、図8の抵抗器114及び図9のインダクタンス124は電流制限用素子であり、スパーク放電が発生したとき放電電流を抑えるために挿入されたものである。これらの電流制限素子により放電電流を抑制することで、スパーク発生時の放射電磁波強度や放電の発生音を小さくしようとするものである。しかし、上記の対策を施しても、放射電磁波強度を測定したところ、明確な抑制効果を認めることが出来なかった。確かに高圧電源から電極に流れる電流は、抑えられるが、放射電磁波の強度はほとんど抑制されなかった。
【0006】次にこの理由を考えてみる。上記特開平7−132249号公報で記述されているように高圧が印加される電極(図7の103及び105、図8の111、図9の120及び121)と、接地側の電極(図7の101、図8の112、図9の122)の構成は空気コンデンサの役割を果し、運転時両電極間に高電圧が印加されるため、電荷が蓄積されている。特開平7−132249号公報では、スパーク放電が生じると、電極間に蓄えられた電荷が瞬時に放出される。このときの電荷の放出がスパーク電流として現れるので、この電荷の放出を抑制する必要があるとしている。そして、その電荷の放出を止めようとする対策が図8の電流制限用素子のインダクタンス124である。電極間に蓄えられていた電荷の急変な流れがスパーク放電電流であるという考え方には同意できる。そして、電流制限用素子の効果で電極から高圧電源へ流れる電流、あるいは高圧電源から電極へ流れる電流は抑えられる。このことは、前記3例に共通して言えることであり、実験でも確認された。
【0007】しかし、空気コンデンサを構成している電極に蓄えられた電荷は、スパーク放電のときに電極の外部に放出されるのではなく、スパーク放電路を通して電極内で中和される。このときスパーク放電路を流れる電流がスパーク放電電流である。模型で表すと図2のようになり、空気コンデンサがスパーク点を通して絶縁破壊したのと等価である。したがって、スパーク放電電流は電極外部に取付けた電流検出器では捉えることが出来ず、また外部に設けた電流制限用素子では抑制することが出来ない。ただ、高圧電源から電極に流れ込む電流を制限するだけである。したがって、スパーク放電電流を抑制できないため、放射される電磁波の強度も抑制できない。
【0008】図3は従来の静電型空気清浄器を使って、放電線電極と平板電極からなる帯電部でスパーク放電を発生させたとき、電極間電圧と放射された電磁波の電界強度の時間変化を示したものである。電極間電圧はスパーク発生後、減衰振動しながら電圧がゼロに落ちてゆくが、その波形を詳しく観ると比較的周期の長い減衰振動の上に周期の短い振動が重畳している。周期の長い振動は帯電部の全放電線電極と平板電極の間の静電容量と、電極を構成する電流路及びスパーク放電路の持つインダクタンスによる振動の成分である。一方、周期の短い振動はスパークを発生した放電線電極だけが平板電極との間で持つ静電容量とインダクタンスによる振動であることが判った。
【0009】電磁波電界強度は、短い周期に対応する電磁波が強く放射されていることが判る。周期の長い振動に対する電磁波の波長に対して静電型空気清浄器の電極系の寸法は非常に短く、電極をアンテナと考えたとき共振周波数が大きくずれていて放射効率が低くなっている。それに対し、周期の短い振動に対する電磁波の波長は短く、電極の共振周波数に近付き、放射効率が高く、強い電磁波が放射されると考えられる。以上の実験結果から、放射電磁波ノイズを抑制するためには、電極全体を一纒めにしてスパーク放電電流を抑制しようとする手段では効果がないことが判る。本発明の目的は高い運転電圧で高い除塵性能をもち、スパーク放電が発生しても、放射される電磁波ノイズが弱い静電型空気清浄器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1の発明に係る静電型空気清浄器は放電線とそれに対向する平板からなる電極を配列した電極系を備え、電極自身の抵抗によりスパーク放電電流を抑制することを特徴とする。また請求項2の発明は、請求項1の発明において、電極系の静電容量と自己誘導係数で決る特性インピーダンスに対して、各々の電極が単位長さ当り、特性インピーダンスのπ倍以上の分布した抵抗成分を持つことを特徴とする。また請求項3の発明は、請求項1の発明において、各々の電極の全抵抗が特性インピーダンスの2π倍以上かつ、106Ω以下であることを特徴とする。また請求項4の発明は、請求項1の発明において、放電線および/または平板を抵抗材で成形して前記抵抗成分を持たせたことを特徴とする。更に、請求項5の発明は、放電線とそれに対向する平板からなる帯電部の電極系及び高電圧印加平板と集塵板からなる集塵部の電極系により構成される二段式の静電型空気清浄器において、帯電部及び集塵部の電極自身の抵抗によりスパーク放電電流を抑制することを特徴とする。また請求項6の発明は、請求項5の発明において、帯電部は請求項2又は3の電極の抵抗を持たせるとともに、集塵部は電極の平板を抵抗材で成形し単位長さ当り、各々の対向する平板間の静電容量と自己誘導係数で決まる特性インスピーダンスのπ倍以上の抵抗成分を持たせことを特徴とする。また請求項7の発明は、請求項5の発明において、集塵部の電極のうち、高電圧を印加する平板および/または接地された平板を抵抗材で成形して抵抗成分を持たせたことを特徴とする。
【0011】
【発明の作用・効果】本発明の構成によれば、電極に高い電気抵抗を持たせることにより、スパーク放電が発生したとき放電電流を減少できる為、放射される電磁波ノイズの強さを大きく抑制でき、周辺に置かれた電子機器などへの電磁波による障害をなくし、しかも放電発生音を小さくできる。また高い電圧の運転が可能となる為、除塵性能の向上が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例を示す電極の構造図である。外観形状としては従来の静電型空気清浄器と大きく異なるところはない。本例は二段式電気集塵器であり、帯電部10と集塵部20からなっている。帯電部10は高電圧を印加してコロナ放電を生じさせる放電線11と接地平板12から構成されている。集塵部20は帯電した塵を捕集する集塵板22と集塵板22に向って帯電した塵が電気力が働くように電界を作る高電圧印加平板21から構成されている。
【0013】帯電部の電極を構成する放電線11と接地平板12、および集塵部の電極を構成する高電圧印加平板21と集塵板22にそれぞれ抵抗材料を用いる。電極に抵抗成分を持たせる方法としてはすべての電極に抵抗成分を持たせる構造や各々の電極の一方の電極部材、つまり帯電部の放電線または接地平板および集塵部の高電圧印加平板または集塵板に抵抗成分を持たせる構造にする。まず帯電部10について述べると、放電線11とそれをはさむ2枚の平板12で構成される電極を伝送路とみた場合の特性インピーダンス、すなわち、図1の縦方向単位長さ当りの放電線11と平板12間の静電容量をC、インダクタンスをLとすると、(L/C)0.5の値は、およそ100〜300Ωである。これは、平板12の間隔や放電線11の太さなど電極構造によって変る。
【0014】ここで各々の放電線と平板からなる伝送路が抵抗成分を持つとスパーク放電が発生したときのスパーク放電電流が抑制される。図4は横軸に伝送路単位長さ当りの抵抗Rの特性インピーダンス(L/C)0.5に対する比をとり、スパーク放電電流の大きさを示したものである。抑制効果は抵抗Rが高いほど大きい。また周波数によっても変化するが、静電型空気清浄器がスパーク放電を発生したときに生じる振動は、最低次の伝送路の共振周波数に対応するものが圧倒的に多く二次以上の共振周波数に対応する振動はほとんど観測されないので図4は最低次の共振周波数に対して示した。
【0015】抵抗Rが特性インスピーダンスのπ(円周率)倍以上で、スパーク放電電流の抑制効果が顕著になり、電極が導体で作製されている場合(R≒O)の1/2以下になる。さらに、伝送路の過渡現象において、伝送路の長さ(放電線の長さにほぼ等しい)をl(エル)とすると単位長さ当りの抵抗Rが2π(L/C)0.5/l以上になると、伝送路に流れる電流は振動成分を持たない減衰波形となる。したがって、図3で現れた短い周期の振動成分は消滅する。R*lは放電線11とそれを挟む接地平板12を伝送路とみたときの一伝送路当りの全抵抗であり、これが特性インピーダンス(L/C)0.5の2π倍以上で振動を抑えることが出来る。
【0016】スパーク放電電流は抵抗が高いほど抑制できるが高すぎると正常運転時の放電線や接地平板に流れる電流による電圧降下が無視できなくなる。通常、放電線一本当りのコロナ放電電流は大きなものでも1mA程度であるから一伝送路当りの抵抗R*lが106Ω以下であれば電圧降下は1000V程度以下となる。10000V以上の電圧で運転する静電型空気清浄器では、電源電圧に電圧降下分の余裕をとることは容易である。伝送路としての抵抗を持たせる方法は、放電線を抵抗器用金属線や熱電対用の合金線を使用できる。また平板をカーボンファイバー強化プラスチック、炭素繊維と高分子樹脂またはガラス繊維との複合板などの抵抗を持つ材料を使用してもよい。放電線だけを、または接地平板だけを抵抗材料で成形してもよいし、両方を抵抗材で成形してもよい。
【0017】以上のように各放電線11とそれを挟む接地平板12からなる伝送路に単位長さ当り、特性インピーダンスのπ倍以上の抵抗を持たせることにより、スパーク放電電流を1/2以下に抑えることができる。したがって、放射電磁波のエネルギーを1/4以下に抑えることができる。また各伝送路の全抵抗を特性インピーダンスの2π倍以上にするとスパーク発生時の振動がなくなり、さらに放射電磁波強度を抑えることができる。図6は本発明による静電型空気清浄器の帯電部でスパーク放電が生じたときの電極間電圧と放射電磁波強度の測定例を示す。放電極の抵抗は特性インピーダンスの約4π倍で、その他は図3に示した測定時と同じである。電極間電圧は振動がなく、静電容量に蓄えられた電荷が抵抗を通してゆっくり放電している。放射電磁波強度も激減し、図3に比べ最大のピーク値で1/40以下に抑制されている。
【0018】次に集塵部20について説明する。集塵部は帯電した塵を捕集する集塵板22と高電圧印加平板21が平行に向い合わされて構成されている。これらの向い合った平板形の電極は帯電した塵にクーロン力を作用させる電界を作ることが働きであり、従来使われているような導体板であることを必要としない。帯電部10から流れてくるイオンの電荷や塵を帯電させていた電荷がこれらの平板形の電極に蓄積しない程度の抵抗材を使用できる。集塵部の電極に流れる電流は帯電部より2桁以上小さいため、抵抗材を用いた電極による電圧降下が小さく、帯電部より抵抗を100倍以上高くできる。
【0019】スパーク放電電流の抑制の面から必要な抵抗を求めてみる。ここで、高電圧印加平板21と集塵板22の間隔をa、平板の幅をbとする。静電型空気清浄器の場合、導体で作られた平行平板電極の特性インピーダンスは、a<bのとき近似式120πa/bで表される。通常の静電型空気清浄器では数十Ωから200Ωの程度である。帯電部の説明と同様に高電圧印加平板21と集塵板22の一対の電極に単位長さ当り、この値のπ倍以上の抵抗を持たせることにより、スパーク放電電流を1/2以下に大きく減少させることができる。また1対ま電極の全抵抗を2π倍以上にすると、強い電磁波放射の原因になる振動を消すことができる。
【0020】図5に帯電部または集塵部の平板の電極の変形例を示す。この変形例は金属板を抵抗板で両側から挟み込み平板の電極を成形したものである。電極は、間に挟み込んだ金属板が等電位面になるため、抵抗板表面の電位の分布が均等に近づく。したがって、全てを抵抗材で成形した場合、電位分布のバラツキが発生し、空気の流路で除塵性能が低下する場所が生じる欠点があったが、この変形例ではこの欠点を解消する効果がある。




 

 


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