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発明の名称 排ガス調質用アンモニア注入管
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128050
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−287164
出願日 平成8年(1996)10月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
発明者 望月 美彦 / 川畑 進一 / 榊原 貞夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】アンモニア注入管にノズルが取り付けられ、前記アンモニア注入管から前記ノズルを介してアンモニアを、排ガスに供給する排ガス調質用アンモニア注入管に於いて、前記注入管の、前記排ガス流れに対する後流側面に、断面形状が略三角形の整流部材を設け、前記ノズルの噴射口が前記整流部材の後流側に位置するように前記ノズルが取り付けられていることを特徴とする排ガス調質用アンモニア注入管。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス調質用アンモニア注入管に係り、特にボイラから排出される排ガスにアンモニアを注入して該排気ガスを調質する排ガス調質用アンモニア注入管に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラから排出された排ガスは、電気集塵装置の入口の煙道内でアンモニアが注入されて調質された後、前記電気集塵装置でダストが除去されて、出口から外気に放出される。ところで、前記煙道内には、排ガス調質用アンモニア注入管が設けられている。この排ガス調質用アンモニア注入管は、アンモニア供給装置から供給されたアンモニアガスを排ガス中に注入するものであり、このアンモニアは、排ガス中の三酸化イオウ(SO3 )と中和反応して、この結果、硫酸アンモニウムが発生する。発生した硫酸アンモニウムは、前記電気集塵装置によって、排ガス中の燃焼ダストと共に補集される。
【0003】前記排ガス調質用アンモニア注入管は、円筒状の注入管と、前記注入管に取り付けられた複数のノズルから構成される。アンモニアガスは、注入管からノズルを介して、排ガス中に供給される。注入管の排ガスの流れに対する後流側には渦が発生し、この渦に起因して下流側から注入管に向けて逆流する流れが生じる。中和反応によって発生した硫酸アンモニウムの一部は、前記渦の逆流する流れに乗って、注入管の方向に戻される。戻された硫酸アンモニウムは、排ガス流れの2つの剥離点間において注入管に付着する。
【0004】ここで注入管の後流側端は、注入ノズルが設けられているので、前記後流側端の付近は、アンモニア濃度が高い。この領域では、付着した硫酸アンモニウムは、粉末のままの状態であるため付着力が弱く、排ガスの流れで剥離され、付着ダストが肥大することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、注入管の剥離点付近に付着した硫酸アンモニウムは、上流側からのSO3 と水分とで化学反応を起こして、硫酸水素アンモニウムに変質する。硫酸水素アンモニウムの融点は約147℃であり、煙道内の温度は150℃以上に設定されている。そのため、硫酸水素アンモニウムは煙道中で融解し、この融解した硫酸水素アンモニウムは、付着力が強くなり、煙道内の排ガス流では注入管から剥離しなくなる。このため、従来の排ガス調質用アンモニア注入管では、付着した硫酸水素アンモニウムが、経時とともに剥離点の付近で肥大するので、排ガスの圧力損失が増大する欠点がある。
【0006】この欠点は、前記煙道内の温度を147℃以下に設定すれば解消できるが、147℃以下に設定すると、エアヒータのエレメントの腐食やエレメント内にダストが詰まるなどの故障が生じるので、前記煙道内の温度は強制的に150℃以上に設定されている。実開昭63─122625号公報の考案には、ノズルの先端が前記渦の発生領域の外部に位置するようにノズルが設けられている。しかしながら、この考案は、ノズルによってノズルの後流側に新たな渦が発生するので、その後流側で硫酸アンモニウムが生成されるという欠点がある。
【0007】本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、硫酸水素アンモニウムの付着を防止して圧力損失の改善を図ることにより排ガスを円滑に流すことができる排ガス調質用アンモニア注入管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、アンモニア注入管にノズルが取り付けられ、前記アンモニア注入管から前記ノズルを介してアンモニアを、排ガスに供給する排ガス調質用アンモニア注入管に於いて、前記注入管の、前記排ガス流れに対する後流側面に、断面形状が略三角形の整流部材を設け、前記ノズルの噴射口が前記整流部材の後流側端に位置するように前記ノズルが取り付けられていることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、注入管の周囲を流れる排ガスは、整流部材に沿って流れるので、注入管の後流付近で排ガスの流れの渦は発生しない。そのため、この付近では硫酸アンモニウムは生成されない。よって、排ガス調質用アンモニア注入管に、硫酸水素アンモニウムが付着することもなく、硫酸水素アンモニウムが肥大することもない。従って、本発明の排ガス調質用アンモニア注入管は、圧力損失を抑えて、排ガスを円滑に流すことができる。また、ノズルの噴射口は、渦の全く発生しない領域である整流部材の後流側端に位置しているので、噴射口から噴出されたアンモニアは、排ガスに円滑に供給される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係る排ガス調質用アンモニア注入管の好ましい実施の形態について詳説する。図3は、煙道内に配置されるアンモニア注入経路を示す説明図である。同図に示すように、煙道11内に排ガス調質用アンモニア注入管10が挿入配置されている。前記アンモニア注入管10は、煙道11の外部で2本の管10A、10Bに分岐され、その一方の管10Aからアンモニアガスが、そして、他方の管10Bからエアが供給されるようになっている。前記アンモニアガスとエアは、排ガス調質用アンモニア注入管10を介して、煙道11内に流れる排ガスに注入される。
【0011】図1は、本発明に係る排ガス調質用アンモニア注入管の斜視図である。同図に示すように、排ガス調質用アンモニア注入管10は、注入管12と、ノズル14と、2枚の整流板16、16とから構成されている。また、図示しないが前記ノズル14は前記注入管12に所定の間隔をもって配置される。前記注入管12は、内管18と外管20の2本の管を有し、前記内管18が前記外管20の内側に位置する同軸二重構造に構成されている。
【0012】前記ノズル14は、前記注入管12の排ガス流れに対する後流側端に、煙道内の排ガス流れと平行に設けられ(図2参照)、その先端に噴射口15が形成される。前記ノズル14は、細管22と太管24の2本の管を有し、前記細管22が前記太管24の内側に位置する同軸二重構造に構成されている。前記太管24は前記外管20に取り付けられると共に、前記細管22は前記内管18に取り付けられており、前記注入管12に複数のノズル14、14…が連結される。
【0013】2枚の整流板16、16は、注入管12の排ガス流れに対する後流側面(図2中右側面)に、互いに図2中上下対称に設けられる。前記整流板16、16の一端は、前記注入管12の排ガス流れに対する後流側面に接合され、他端は鋭角状につき合わされて接合される。この時、前記つき合わされた接合部17は排ガス流れに対して直交方向に位置され、前記各ノズル14は前記接合部17に形成された孔19を貫通して、噴射口15は外部に突出配置されている。即ち、前記噴射口15は、整流板16、16の接合部17の後流側に位置されている。
【0014】次に、上記の如く構成された排ガス調質用アンモニア注入管の作用について説明する。本発明の排ガス調質用アンモニア注入管10において、排ガス中にアンモニアガスを供給する際には、まずアンモニア供給装置から内管18にアンモニアを供給する。同時に、内管18と外管20の間にエアを供給する。
【0015】エアは、内管18と外管20の間から各細管22、22…と各太管24、24…の間を経由して煙道内の排ガス中に、排ガスの流れ方向と平行に導入される。一方アンモニアは、内管18内から各細管22、22…内を経由して、煙道内の排ガス中に、排ガスの流れ方向と平行に噴出される。排ガス中に噴出されたアンモニアガスは、前記エアに挟まれて、煙道内を排ガスの流れ方向と平行に搬送される。
【0016】排ガス中のアンモニアガスは、排ガスに含まれるSO3 と中和反応を起こし、硫酸アンモニウムが発生する。発生した硫酸アンモニウムは、煙道内のガス流に乗って下流方向に搬送され、電気集塵装置に導入されたのち、電気集塵装置で除去される。図2は、排ガス調質用アンモニア注入管の周囲における、排ガスの流れを示す説明図である。同図に示すように、注入管12の周囲を流れてきた排ガスは、整流板16、16に沿って下流側に流れる。よって、排ガスは、排ガス調質用アンモニア注入管10から剥離することはなく流れるので、注入管12の後流付近に排ガス流れの渦が発生しない。それにより、注入管12の後流付近で硫酸アンモニウムが生成されない。よって、排ガス調質用アンモニア注入管10に硫酸アンモニウムが付着することもなく、硫酸水素アンモニウムが肥大することもない。従って、本発明の排ガス調質用アンモニア注入管10は、圧力損失を抑えて、排ガスを円滑に流すことができる。
【0017】また、ノズル14の噴射口15は、渦の全く発生しない領域である整流板16、16の後流側端に位置しているので、噴射口15から噴出されたアンモニアは、排ガスに円滑に供給される。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の排ガス調質用アンモニア注入管によれば、アンモニア注入管の後流側部に整流部材を設けて硫酸水素アンモニウムの付着を防止したので、圧力損失を抑えて排ガスを円滑に流すことができる。




 

 


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