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発明の名称 セメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法、並びにその製造用型枠
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296708
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−111376
出願日 平成9年(1997)4月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
発明者 舩越 秀忠 / 川原 正雄 / 川地 武 / 林 好正 / 小川 晴果 / 三谷 一房
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 成形用型枠内にセメントモルタルもしくはコンクリートを打設し、その後脱型してセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記成形用型枠の成形面に塗布して該成形面に塗膜層を予め形成し、その後上記成形用型枠内に上記セメントモルタルもしくはコンクリートを打設することを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法。
【請求項2】 セメントモルタル体またはコンクリート体の表面に形成した貼り付けモルタル層に対し、貼り付け用型枠に目地材を介して配列したタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、少なくとも上記貼り付けモルタルによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該貼り付けモルタルの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該貼り付けモルタルの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記貼り付け用型枠の上記目地材に塗布して該目地材に塗膜層を予め形成し、その後上記目地材とともに上記タイルが配列された上記貼り付け用型枠を上記貼り付けモルタルに対し付着させることを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法。
【請求項3】 目地材を介してタイルが配列された成形用型枠内にセメントモルタルもしくはコンクリートを打設し、その後脱型してタイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記成形用型枠内の上記目地材に塗布して該目地材に塗膜層を予め形成し、その後上記タイルが配列された上記成形用型枠内に上記セメントモルタルもしくはコンクリートを打設することを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法。
【請求項4】 前記機能性表面処理材が、少なくとも無機抗菌剤、無機担体に担持させた有機抗菌剤、粉体状脱臭剤、粉体状消臭剤、粉体状脱・消臭剤、電波吸収剤、蓄光作用を有する粉体、蛍光作用を有する粉体、ホトクロミック作用を有する粉体、遠赤外線放射性を有する無機粉体、もしくは保水性を有する粉体のいずれかを含んでいることを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法。
【請求項5】 セメントモルタル体またはコンクリート体を製造するためにその内部にセメントモルタルもしくはコンクリートが打設される型枠において、上記セメントモルタルまたはコンクリートが打設される該型枠の成形面に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、該成形面に塗膜層を形成したことを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造用型枠。
【請求項6】 セメントモルタル体またはコンクリート体の表面に形成した貼り付けモルタル層に対し、目地材を介して配列したタイルを貼り付けるための型枠において、上記型枠の上記目地材に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、少なくとも上記貼り付けモルタルによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該貼り付けモルタルの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該貼り付けモルタルの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、上記型枠の上記目地材に塗膜層を形成したことを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造用型枠。
【請求項7】 タイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するためにその内部に目地材を介してタイルが配列されてセメントモルタルもしくはコンクリートが打設される型枠において、上記型枠内の上記目地材に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、該目地材に塗膜層を形成したことを特徴とするセメントモルタル体またはコンクリート体の製造用型枠。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントモルタル体やコンクリート体そのものを高機能化する際に、当該セメントモルタル体やコンクリート体の表層、もしくはこれらがタイル付きの場合にはそれらのタイル目地の表層に機能性表面処理材の層を効果的に効率よく形成することができる経済的なセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法、並びにその製造用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビルや集合住宅、戸建て住宅などの各種建物では、その構造要素としての柱や梁、床、壁、並びに内装材である天井や内装壁などがコンクリート体やセメントモルタル体で構成されている。
【0003】そして近年にあっては、これらコンクリート体やセメントモルタル体自体に抗菌作用や脱臭・消臭作用、電波吸収性能、発色作用や保水作用などを付与して、装飾性や耐久性、清潔さなど各コンクリート体やセメントモルタル体それぞれの使用向きに応じた機能性を備えさせて高機能化することが行われている。
【0004】例えば、コンクリート体やセメントモルタル体の表面に特殊な塗料を塗布することにより、機能性を付与する方法がある。従来知られている高機能化用の塗料はおおよそ、有機樹脂中に抗菌剤や電波吸収剤などの機能性材料を混入させていて、これを上記コンクリート体等の表面に塗布し、これによりこれらコンクリート体等の表面に抗菌剤や電波吸収剤などの各種機能性材料の層を形成するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記塗料を既に建て込まれた上記柱などや内装壁などに現場で塗布する塗装作業は、建物内外を巡って行う必要があり煩雑であるとともに、現場施工であるため雨天時などには施工できなかった。
【0006】また、特にタイルが貼り付けられることの多い外壁や浴室、洗面所等の内装壁を構成するコンクリート体やセメントモルタル体にあっては、特にタイル目地の汚損防止や防カビ、脱臭・消臭を目的として、当該タイル目地に抗菌剤や脱臭・消臭剤などを含む上記塗料を塗布することが好ましいが、縦横に格子状に形成されているタイル目地のみに対していちいち塗料を塗布することは、さらに煩瑣な作業を強いるものであり、このようなタイル付きのコンクリート体等ではその施工がきわめて大変であった。
【0007】他方、従来から知られている塗料は上述したように、有機樹脂中に各種の機能性材料を混合して分散させたものであるが、このような従来の塗料では、機能性材料が有している本来の機能を十分に発揮させることができなかった。具体的には、酸化チタンはその表面が光触媒作用を有していて抗菌性や防汚性を発揮するが、これを有機樹脂中に分散させて塗料化した場合には、その表面が有機樹脂で覆われてしまいほとんどその機能を発揮させ得なかった。同様に、活性炭やゼオライト、その他複合セラミックスなど表面の活性により消臭や脱臭機能を発揮するものでも、上記従来法による塗料化ではその効果が減殺されることとなっていた。
【0008】本発明は上述したような各種課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は機能性材料の層をセメントモルタル体やコンクリート体の表面に効率よく形成することができるとともに、当該機能性材料の機能を効果的に発揮させることができる経済的なセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法、並びにその製造用型枠を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、成形用型枠内にセメントモルタルもしくはコンクリートを打設し、その後脱型してセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記成形用型枠の成形面に塗布して該成形面に塗膜層を予め形成し、その後上記成形用型枠内に上記セメントモルタルもしくはコンクリートを打設することを特徴とする。
【0010】また請求項2の発明は、セメントモルタル体またはコンクリート体の表面に形成した貼り付けモルタル層に対し、貼り付け用型枠に目地材を介して配列したタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、少なくとも上記貼り付けモルタルによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該貼り付けモルタルの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該貼り付けモルタルの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記貼り付け用型枠の上記目地材に塗布して該目地材に塗膜層を予め形成し、その後上記目地材とともに上記タイルが配列された上記貼り付け用型枠を上記貼り付けモルタルに対し付着させることを特徴とする。
【0011】さらに、請求項3の発明は、目地材を介してタイルが配列された成形用型枠内にセメントモルタルもしくはコンクリートを打設し、その後脱型してタイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するに際して、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して塗料を形成し、該塗料を上記成形用型枠内の上記目地材に塗布して該目地材に塗膜層を予め形成し、その後上記タイルが配列された上記成形用型枠内に上記セメントモルタルもしくはコンクリートを打設することを特徴とする。
【0012】そして請求項4の発明は、前記機能性表面処理材が、少なくとも無機抗菌剤、無機担体に担持させた有機抗菌剤、粉体状脱臭剤、粉体状消臭剤、粉体状脱・消臭剤、電波吸収剤、蓄光作用を有する粉体、蛍光作用を有する粉体、ホトクロミック作用を有する粉体、遠赤外線放射性を有する無機粉体、もしくは保水性を有する粉体のいずれかを含んでいることを特徴とする。
【0013】他方、請求項5の発明は、セメントモルタル体またはコンクリート体を製造するためにその内部にセメントモルタルもしくはコンクリートが打設される型枠において、上記セメントモルタルまたはコンクリートが打設される該型枠の成形面に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、該成形面に塗膜層を形成したことを特徴とする。
【0014】また、請求項6の発明は、セメントモルタル体またはコンクリート体の表面に形成した貼り付けモルタル層に対し、目地材を介して配列したタイルを貼り付けるための型枠において、上記型枠の上記目地材に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、少なくとも上記貼り付けモルタルによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該貼り付けモルタルの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該貼り付けモルタルの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、上記型枠の上記目地材に塗膜層を形成したことを特徴とする。
【0015】さらに、請求項7の発明は、タイル付きのセメントモルタル体またはコンクリート体を製造するためにその内部に目地材を介してタイルが配列されてセメントモルタルもしくはコンクリートが打設される型枠において、上記型枠内の上記目地材に、酸性雰囲気および/または中性雰囲気で安定であって少なくともアルカリ性雰囲気で溶解する性質を有し、打設される上記セメントモルタルまたはコンクリートによって溶解されてその内部へと浸透するバインダーに対し、溶解し浸透していく該バインダーとは分離して該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に付着残留する機能性表面処理材および該機能性表面処理材を該セメントモルタルの表層もしくはコンクリートの表層に対して一体化させる液媒体を混合して形成した塗料を塗布して、該目地材に塗膜層を形成したことを特徴とする。
【0016】請求項1の発明は、構造要素としての柱や梁、床、壁、並びに内装材である天井や内装壁などのセメントモルタル体やコンクリート体を現場打ち用の成形用型枠やプレキャスト用の成形用型枠を用いて製造する場合であって、これら成形用型枠の成形面に上記塗料を塗布して塗膜層を予め形成しておき、その後この成形用型枠内にセメントモルタル等を打設することでこの打設作業によってそのままこれらセメントモルタル体等の表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層をセメントモルタル体やコンクリート体の表層に形成できるようになっている。
【0017】このように成形面に塗料を塗布しておいて、成形用型枠内にこれらコンクリート等を打設するのみでそのままコンクリート体等の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をセメントモルタル体やコンクリート体に形成することができる。
【0018】特に、成形用型枠がプレキャスト用のものである場合には、プレキャストによる周知の様々な利点、例えば天候に左右されず量産することができ、また現場ではプレハブ工法で建物を効率よく構築でき、さらに型枠の廃材がでないなどの利点を確保しつつ、当該セメントモルタル体やコンクリート体に高機能を付与することができる。
【0019】そして特に本発明に採用される塗料は、打設されるセメントモルタルやコンクリートが有している化学的性質自体、すなわちこれらコンクリート等がアルカリ性を示すことによって、成形用型枠の成形面に塗布しておくだけでコンクリート等を打設すると直ちにそのバインダーが溶解して当該コンクリート等内に浸透していく一方で、これと混合している機能性表面処理材はバインダーから分離してこれらコンクリート等の表層に残留して付着し、また液媒体がこの機能性表面処理材のコンクリート等の表層に対する一体化を促進するので、機能性表面処理材は被覆されることなく、セメントモルタルやコンクリートの表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成される。
【0020】このようにこれらコンクリート等の打設によるバインダーの溶解作用で、セメントモルタルやコンクリートの表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0021】そして上記塗料の特性を利用して成形用型枠に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0022】また請求項2の発明は、請求項1と同様に構造要素や内装材などのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する方法、殊にこれらセメントモルタル体等に対して事後的にタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する場合であって、既に成形されたセメントモルタル体等の表面に貼り付けモルタル層を形成する一方で、目地材を介してタイルを配列した貼り付け用型枠を用意し、この貼り付け用型枠の目地材に上記塗料を塗布して塗膜層を予め形成しておき、その後この貼り付け用型枠を目地材およびタイルとともに貼り付けモルタル層に付着させることでこの貼り付け作業によってそのままタイル目地の貼り付けモルタルの表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層を当該タイル目地の表層に形成できるようになっている。
【0023】このように目地材に塗料を塗布しておいて、貼り付け用型枠を貼り付けモルタル層に付着させるのみでそのままタイル目地の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に形成することができる。
【0024】そして本請求項の場合でも上記塗料は、少なくとも貼り付けモルタルが有している化学的性質自体によって、目地材に塗布しておくだけで貼り付けモルタル層に貼り付けると直ちにそのバインダーが溶解して当該貼り付けモルタル層内に浸透していく一方で、これと混合している機能性表面処理材はバインダーから分離して貼り付けモルタルの表層に残留して付着し、また液媒体がこの機能性表面処理材の貼り付けモルタルの表層に対する一体化を促進するので、機能性表面処理材は被覆されることなく、貼り付けモルタルのタイル目地の表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成される。
【0025】このように貼り付けモルタル層に対する貼り付けによるバインダーの溶解作用で、タイル目地の表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0026】そして上記塗料の特性を利用して目地材に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0027】さらに請求項3の発明は、請求項1と同様に構造要素や内装材などのセメントモルタル体やコンクリート体をプレキャスト用の成形用型枠を用いて製造する方法、殊にこれらセメントモルタル体等の製造段階でタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する場合であって、これら成形用型枠内の目地材に上記塗料を塗布して塗膜層を予め形成しておき、その後この成形用型枠内にこれらセメントモルタル等を打設することでこの打設作業によってそのままタイル目地のセメントモルタル体等の表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層を当該タイル目地の表層に形成できるようになっている。
【0028】このように目地材に塗料を塗布しておいて、当該成形用型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままタイル目地の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に形成することができる。
【0029】特に、プレキャスト製法であるので、上述したプレキャストによる周知の様々な利点を確保しつつ、当該タイル付きセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に高機能を付与することができる。
【0030】そして本請求項にあっても塗料は、請求項1と同様に打設されるセメントモルタルやコンクリート等が有している化学的性質自体によって、成形用型枠の目地材に塗布しておくだけでこれらコンクリート等を打設すると直ちにそのバインダーが溶解して当該コンクリート内に浸透していく一方で、これと混合している機能性表面処理材はバインダーから分離してタイル目地のコンクリート等の表層に残留して付着し、また液媒体がこの機能性表面処理材のコンクリート等の表層に対する一体化を促進するので、機能性表面処理材は被覆されることなく、タイル目地の表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成される。
【0031】このようにこれらコンクリート等の打設によるバインダーの溶解作用で、タイル目地の表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0032】そして上記塗料の特性を利用して目地材に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0033】そして請求項4のセメントモルタル体またはコンクリート体の製造方法の発明にあっては、前記機能性表面処理材が、少なくとも無機抗菌剤、無機担体に担持させた有機抗菌剤、粉体状脱臭剤、粉体状消臭剤、粉体状脱・消臭剤、電波吸収剤、蓄光作用を有する粉体、蛍光作用を有する粉体、ホトクロミック作用を有する粉体、遠赤外線放射性を有する無機粉体、もしくは保水性を有する粉体のいずれかを含んでいることによって、建物を構成する構造要素や内装材などとしてのセメントモルタル体やコンクリート体に、タイルの有無を問わずその使用向きにそれぞれ応じた各種の機能性を付与することができ、これらコンクリート体等の機能性向上を図ることができる。
【0034】他方、請求項5の発明は、構造要素としての柱や梁、床、壁、並びに内装材である天井や内装壁などのセメントモルタル体やコンクリート体を現場打ちやプレキャストで製造する場合の製造用型枠であって、この型枠の成形面に上記塗料を塗布して塗膜層を形成するようにし、この型枠内にセメントモルタルやコンクリートを打設することでこの打設作業によってそのままこれらセメントモルタル体等の表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層をセメントモルタル体やコンクリート体の表層に形成することができる。
【0035】このように型枠に塗膜層を形成した成形面を備えることにより、当該型枠内にこれらコンクリート等を打設するのみでそのままコンクリート体等の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をセメントモルタル体やコンクリート体に形成することができる。
【0036】特に、型枠がプレキャスト用のものである場合には、上記したプレキャストによる周知の様々な利点を確保しつつ、当該セメントモルタル体やコンクリート体に高機能を付与することができる。
【0037】そして本請求項にあっても当該塗料は請求項1の場合と同様に、機能性表面処理材が被覆されることなく、上記コンクリート等の表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成され、このようにこれらコンクリート等の打設によるバインダーの溶解作用で、セメントモルタルやコンクリートの表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0038】そして上記塗料の特性を利用して型枠に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0039】また請求項6の発明は、請求項5と同様に構造要素や内装材などのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する場合の製造用型枠、殊にこれらセメントモルタル体等に対して事後的にタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する型枠であって、既に成形されたセメントモルタル体等の表面に形成した貼り付けモルタル層に対して付着させる、目地材を介してタイルを配列した型枠の当該目地材に上記塗料を塗布して塗膜層を形成するようにし、この型枠を目地材およびタイルとともに貼り付けモルタル層に付着させることでこの貼り付け作業によってそのままタイル目地の貼り付けモルタルの表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層を当該タイル目地の表層に形成することができる。
【0040】このように塗膜層を形成した目地材を型枠に備えることにより、型枠を貼り付けモルタル層に付着させるのみでそのままタイル目地の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に形成することができる。
【0041】そして本請求項の場合でも当該塗料は請求項2の場合と同様に、機能性表面処理材が被覆されることなく貼り付けモルタル層のタイル目地の表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成され、このように貼り付けモルタル層に対する貼り付けによるバインダーの溶解作用で、タイル目地の表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0042】そして上記塗料の特性を利用して目地材に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0043】さらに請求項7の発明は、請求項5と同様に構造要素や内装材などのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する場合の成形用型枠、殊にこれらセメントモルタル体等の製造段階でタイルを貼り付けてタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体を製造する型枠であって、この型枠内の目地材に上記塗料を塗布して塗膜層を形成するようにし、この型枠内にこれらセメントモルタル等を打設することでこの打設作業によってそのままタイル目地のセメントモルタル等の表層に塗膜層を付着させて塗料に含まれている機能性表面処理材の層を当該タイル目地の表層に形成することができる。
【0044】このように塗膜層を形成した目地材を型枠に備えることにより、型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままタイル目地の表層に塗料を塗布する作業を完了することができるので、きわめて効率よく機能性表面処理材の層をタイル付きのセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に形成することができる。
【0045】特に、プレキャスト製法であるので、上述したプレキャストによる周知の様々な利点を確保しつつ、当該タイル付きセメントモルタル体やコンクリート体のタイル目地に高機能を付与することができる。
【0046】そして本請求項にあっても当該塗料は請求項3と同様に、機能性表面処理材が被覆されることなく、タイル目地の表層に効果的に機能性表面処理材の層が形成され、このようにこれらコンクリート等の打設によるバインダーの溶解作用で、タイル目地の表層に機能性表面処理材をその機能を阻害することなく付着させて有効な層を形成させることができ、当該機能性表面処理材を効果的に機能させることができる。
【0047】そして上記塗料の特性を利用して目地材に対し当該塗料を塗工するだけであって、高機能化コンクリート体等を高い経済性をもって製造することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明は上述したようにビルや集合住宅、戸建て住宅などの各種建物の構造要素である柱や梁、床、壁、並びに内装材である天井や内装壁などに適用されるすべてのセメントモルタル体やコンクリート体を対象とするが、以下の説明では壁用コンクリート体を例示して説明する。
【0049】本発明においては、木製、金属製、プラスチック製、ゴム製、モルタルやコンクリート製等のあらゆる型枠を使用することが可能である。
【0050】また塗料は塗装方法によりその粘性や混入固形分を自由に変更することができ、例えばスプレー塗装による場合には比較的低粘度に、またスクリーン印刷による場合には高粘度に設定することが好ましい。
【0051】図1および図2は本発明の第1実施形態であって、現場打ち用の型枠10とそれを用いた壁用コンクリート体11の製造方法を示している。
【0052】図示するように、現場でその内部にコンクリート12が打設されて壁用コンクリート体11を形成する成形用型枠10には、コンクリート体11の表層11aが接するその成形面10aに予め後述する機能性表面処理材を含有する塗料13が塗布されて、塗膜層14が形成される。そして塗膜層14を自然乾燥等により乾燥させた後、この塗膜層14が形成された成形面10aを内向きにして組み立てた成形用型枠10の内部に必要に応じて壁鉄筋15を配筋してコンクリート12を打設する。これにより打設コンクリート12と塗膜層14とを直接接触させることができる。その後、養生期間を経てコンクリート12が硬化したならば、当該成形用型枠10を脱型することで、機能性表面処理材の層19を有する壁用コンクリート体11が構築されるようになっている。
【0053】図3〜図5は本発明の第2実施形態であって、プレキャスト用の型枠20とそれを用いた壁用コンクリート体21の製造方法を示している。
【0054】図示するように、工場や現場サイトで製作されるプレキャスト製の壁用コンクリート体21の場合にあっては、例えば平打ちであれば、その内部にコンクリート12が打設されて壁用コンクリート体21を形成する皿状の成形用型枠20には、コンクリート体21の表層21aが接する成形面20aである少なくともその底面に予め後述する機能性表面処理材を含有する塗料13が塗布されて、塗膜層14が形成される。そして塗膜層14を自然乾燥等により乾燥させた後、この塗膜層14が形成された成形面20aを有する成形用型枠20の内部に必要に応じて壁鉄筋15を配筋してコンクリート12を打設する。これにより打設コンクリート12と塗膜層14とを直接接触させることができる。その後、養生期間を経てコンクリート12が硬化したならば、当該成形用型枠20を脱型することで、機能性表面処理材の層19を有するプレキャスト製の壁用コンクリート体21が成形されるようになっている。このプレキャスト製の壁用コンクリート体21は、現場に持ち込まれプレハブ工法等で建て込まれて壁を構成することになる。
【0055】図6〜図8は本発明の第3実施形態であって、壁用コンクリート体31に対し事後的にタイル36を貼り付けるための現場施工用の型枠30とそれを用いたタイル付き壁用コンクリート体31の製造方法を示している。
【0056】図示するように、例えばポリウレタン製の板状貼り付け用型枠30には目地材37が互いに間隔を隔てて配置されるとともに、これら目地材37間にタイル36が配列されている。これら目地材37およびタイル36は貼り付け用型枠30に対し、剥離可能に取り付けられている。
【0057】他方、現場打設により形成されもしくはプレキャスト成形された壁用コンクリート体31の表面には、これにタイル36を貼り付けるための貼り付けモルタル層32が形成されている。そして貼り付け用型枠30を介してこの貼り付けモルタル層32にタイル36とともに貼り付けられる目地材37には、貼り付けモルタル層32の表層と接する少なくともその貼り付け面側に予め後述する機能性表面処理材を含有する塗料13がスクリーン印刷により塗布されて、塗膜層14が形成される。そして塗膜層14を自然乾燥等により乾燥させた後、この塗膜層14が形成された目地材37を有する貼り付け用型枠30を貼り付けモルタル層32に当てて付着させる。これによりこの貼り付けモルタル32と塗膜層14とを直接接触させることができる。次いで、貼り付け用型枠30の外側から図示しないバイブレーター等で振動を加えてタイル36を貼り付けモルタル層32に深く食い込ませ、その後養生期間を経て当該貼り付け用型枠30を目地材37とともに脱型することで、タイル目地39に機能性表面処理材の層19を有するタイル付きの壁用コンクリート体31が形成されるようになっている。
【0058】図9〜図14は本発明の第4実施形態であって、壁用コンクリート体41に対し製造段階でタイル36を貼り付けるためのプレキャスト用の型枠40とそれを用いたタイル付き壁用コンクリート体41の製造方法を示している。
【0059】図示するように、バックアップシート48には目地材37が互いに間隔を隔てて配置されるとともに、これら目地材37間にタイル36が配列されている。これら目地材37およびタイル36はバックアップシート48に対し、剥離可能に取り付けられている。
【0060】そして当該バックアップシート48に備えた目地材37には、コンクリート体41の表層と接する少なくともその貼り付け面側に予め後述する機能性表面処理材を含有する塗料13がスクリーン印刷により塗布されて、塗膜層14が形成される。そして塗膜層14を自然乾燥等により乾燥させた後、この塗膜層14が形成された目地材37を有するバックアップシート48をタイル36とともに皿状の型枠40内部に配置し、また必要に応じて壁鉄筋15を配筋して、その後型枠40内部にコンクリート12を打設する。これにより打設コンクリート12と塗膜層14とを直接接触させることができる。その後、養生期間を経てコンクリート12が硬化したならば、当該型枠40を脱型しかつ目地材37とともにバックアップシート48を剥離することで、タイル目地39に機能性表面処理材の層19を有するプレキャスト製のタイル付き壁用コンクリート体41が成形されるようになっている。このプレキャスト製のタイル付き壁用コンクリート体41は、現場に持ち込まれプレハブ工法等で建て込まれて壁を構成することになる。
【0061】ところで、上記各実施形態の成形用型枠10,20の成形面10a,20aや目地材37に塗布される本願発明特有の塗料13について説明すると、この塗料は、酸性雰囲気および/または中性雰囲気では安定であり、かつ少なくともアルカリ性雰囲気では溶解する性質を有するバインダーを含むとともに、このバインダーとは分離する機能性表面処理材およびこの機能性表面処理材をコンクリートやセメントモルタルの表層に対して一体化させる液媒体を含んでいる。
【0062】そしてこの塗料13で形成した上記塗膜層14は、これに直接接触するコンクリートやセメントモルタルのセメント中の水溶性物質が呈するアルカリによって溶け、バインダー成分だけが未硬化のコンクリートやセメントモルタルの内部に浸透していき、他方、機能性表面処理材が残留してコンクリートやセメントモルタルの表層に層19をなして付着し一体化する。
【0063】塗料に用いるバインダーは、これにより得られた塗膜層が酸性雰囲気および/または中性雰囲気では安定でありかつアルカリ性雰囲気では容易に水に溶解する性質を有するものであればよく、例えば、酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系の樹脂エマルジョンまたは水溶性樹脂およびこれらの混合系等のほか、ゼラチン、寒天、デンプン等の天然物、CMC、HEC等の半合成品といわれる物質等を挙げることができる。
【0064】機能性表面処理材としては機能毎にさまざまなものがあり、また一つの物質で多種の機能を発揮するものもあるが、耐アルカリ性を有しかつセメントとの親和性の良いものが適している。
【0065】無機抗菌剤あるいは無機担体に有機抗菌剤を担持させたものとしては例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、銅化合物、銀化合物のような無機化合物のほか、ある種のアルコキシシランを無機粉体に担持させたものなどが挙げられる。
【0066】脱臭・消臭作用のある粉体としては例えば、活性炭、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、硫酸鉄、シリカ、ゼオライト、珪酸塩、アルミニウムおよび亜鉛塩などの複合セラミックスなどが挙げられる。
【0067】蓄光作用、蛍光作用、ホトクロミック作用を有する粉体としては例えば、硫化亜鉛(銅を賦活剤とする)、硫化カルシウムストロンチウム(ビスマスを賦活剤とする)、アルミン酸カルシウム(ユーロピウム、ネオジウムを賦活剤とする)、酸化チタン−酸化鉄系固溶体等が挙げられる。
【0068】遠赤外線放射性を有する無機粉体としては例えば、ジルコニア、チタニア、アルミナ等のセラミックス、コージライト、β−スポジューメン、チタン酸アルミニウム等が挙げられる。
【0069】電波吸収剤としては例えば、フェライト粉末、導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、針状ニッケル粉などが挙げられる。
【0070】保水性粉体としては例えば、ゼオライト、珪藻土等の物理吸着性の粉体のほか、光触媒性酸化チタンのような表面の触媒作用により空気中の水分を常に保持しているものなどが挙げられる。これらの粉体を用いると、表面の水分により汚れが固着し難く、また水で容易に洗い流せるという利点がある。
【0071】本発明に適用可能な塗料の各成分の割合は、バインダーの固形分重量と機能性表面処理材との重量比が0.2以上であれば良く、消泡剤、増粘剤、水等を含む液媒体の量および組成は、最終的に機能性表面処理材をコンクリートやセメントモルタルの表層に一体化させ得るように調整することになる。
【0072】以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。「部」とは、重量基準である。
【0073】
【実施例1】
(塗料配合)
水溶性アクリル系エマルジョン 40部シリコン系消泡剤 0.2部浸透剤 0.2部HEC系増粘剤 0.5部光触媒性酸化チタン 10部水 45〜50部【0074】上記配合の塗料を図6に示したような貼り付け用型枠の目地材のみにスクリーン印刷により、塗膜層厚約50μmで塗布し、3時間自然乾燥した。
【0075】(貼り付けモルタル配合)
白色ポルトランドセメント 10部珪砂 30部減水剤 0.1部水 6部【0076】上記配合の貼り付けモルタルをコンクリート体の表面に塗布し、塗膜層が形成されてタイル貼り付けの準備が完了した貼り付け用型枠を貼り付けモルタル層に当て、バイブレーターをかけて押し付けた。さらに常温で1日間養生した後貼り付け用型枠を取り外したところ、タイル目地にのみ光触媒性酸化チタンが一体化したタイル貼り付け面を得ることができた。そのまま2年間放置したが、タイル目地の表面には全くカビは生えず、良好な抗菌性を確保することができた。
【0077】
【比較例】上記実施例1で、目地材に塗膜層を形成しなかった貼り付け用型枠で形成したタイル目地には6ヶ月経過後、黒くカビが発生し始めた。
【0078】
【実施例2】
(塗料配合)
酢酸ビニル系エマルジョン 40部シリコン系消泡剤 0.2部ザンサンガム系増粘剤 0.4部エチレングリコール 5.0部ブチルセロソルブ 1.0部活性炭 20部水 38.4部【0079】上記配合の塗料を図1に示したような木製の成形用型枠の表面にスプレー塗装により、塗膜層厚約100μmで塗布し、18時間自然乾燥した。
【0080】(コンクリート配合)
ポルトランドセメント 10部珪砂 30部粗骨材 35部減水剤 0.1部水 6部【0081】前記塗膜層を形成した成形用型枠に上記配合のコンクリートを打設し、常温で3日間養生した後型枠を脱型した。得られた活性炭含有コンクリートは市販の活性炭含有塗料を塗ったコンクリート面よりも良好な消臭性能を示した。
【0082】本発明に適用される塗料によって形成した塗膜層は、本質的にセメント中のアルカリ性物質によって完全に溶解し、未硬化のセメントモルタルやコンクリートと接触するバインダー成分はこれらセメントモルタル等の中に溶解浸透してゆき、他方、バインダー成分と分離して溶解しない機能性表面処理材はこれらセメントモルタル等の表層に多く残留分布してモルタルセメント等の硬化とともにその一成分として固着する。この結果、機能性表面処理材はその表面が有機樹脂に覆われるようなことはなく、本来の機能を十分に発揮することができる。
【0083】また本発明によって得られるタイル目地を含むセメントモルタルやコンクリートの表層部分は、硬化後にあってはいわゆるポリマーセメント混合モルタル層(コンクリート層)を形成しており、通常のセメントモルタルやコンクリートの表面に比べてはるかに強度が向上するとともに、それだけではなく暴露によるエフロレッセンス(白華現象)の発生をも効果的に抑制することができる。
【0084】また、本発明に適用される塗料によって形成される塗膜層は、酸性雰囲気および/または中性雰囲気では溶解しない安定性を有しているので、当該塗膜は降雨等に晒されても溶出することがなく、きわめて取り扱い性が良い。
【0085】また上記機能性表面処理材の層は、型枠や目地材とコンクリートやモルタルとの固着を防止する機能をも発揮して養生後の離型を良くすることができ、従って従来の型枠のように型枠とコンクリート等との間に離型剤を塗布する工程も省略できる利点がある。
【0086】さらに、既に成形されたりあるいは構築されたセメントモルタル体やコンクリート体に後から塗料を塗工する従来の方法では、これらコンクリート体等から型枠を脱型した後、通常1週間から1ヶ月間もの養生期間を経た後でなければ当該塗工作業を実施できないが、本発明では、型枠を脱型する時点で既にこれらコンクリート体等に対する機能化処理を完了できていて、大幅な工期短縮を達成することができる。
【0087】
【発明の効果】請求項1の発明にあっては、成形用型枠の成形面に特有の上記塗料を予め塗布するようにしたので、成形用型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままコンクリート体等の表層に機能性表面処理材の層を形成でき、高機能化したセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0088】また請求項2の発明にあっては、貼り付け用型枠の目地材に特有の上記塗料を予め塗布するようにしたので、貼り付け用型枠を貼り付けモルタル層に付着させるのみでそのままタイル目地の表層に機能性表面処理材の層を形成でき、高機能化したタイル付きセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0089】さらに請求項3の発明にあっては、成形用型枠内の目地材に特有の上記塗料を予め塗布するようにしたので、成形用型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままタイル目地の表層に機能性表面処理材の層を形成でき、高機能化したタイル付きセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0090】そして上記いずれの請求項の発明にあっても上記塗料は、セメントモルタルやコンクリートが呈するアルカリ性によって、そのバインダーが溶解して当該コンクリート等内に浸透していく一方で、これと混合している機能性表面処理材はバインダーから分離してこれらコンクリート等の表層に残留して付着し、また液媒体がこの機能性表面処理材のコンクリート等の表層に対する一体化を促進するので、タイル目地を含むセメントモルタルやコンクリートの表層に効果的に機能性表面処理材の層を形成することができ、当該機能性表面処理材が有する本来の機能を有効に発揮させることができる。
【0091】以上のように、成形用型枠や目地材に対し当該塗料を塗工する簡単で効率の良い作業のみで当該塗料の特性を利用して有効な機能性表面処理材の層を形成できることから、高機能化コンクリート体等を低コストで製造することができる。
【0092】また請求項4の発明にあっては、機能性表面処理材として、少なくとも無機抗菌剤、無機担体に担持させた有機抗菌剤、粉体状脱臭剤、粉体状消臭剤、粉体状脱・消臭剤、電波吸収剤、蓄光作用を有する粉体、蛍光作用を有する粉体、ホトクロミック作用を有する粉体、遠赤外線放射性を有する無機粉体、もしくは保水性を有する粉体のいずれかを含有させるようにしたので、建物を構成する構造要素や内装材などとしてのセメントモルタル体やコンクリート体に、タイルの有無を問わずその使用向きにそれぞれ応じた各種の機能性を付与することができ、これらコンクリート体等の機能性向上を図ることができる。
【0093】他方、請求項5の発明にあっては、特有の上記塗料を塗布して塗膜層を形成した成形面を備える型枠であるので、当該型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままコンクリート体等の表層に塗料を付着させることができ、高機能化したセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0094】また請求項6の発明にあっては、特有の上記塗料を塗布して塗膜層を形成した目地材を備える貼り付け用型枠であるので、当該型枠を貼り付けモルタル層に付着させるのみでそのままタイル目地の表層に塗料を付着させることができ、高機能化したタイル付きセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0095】さらに請求項7の発明にあっては、特有の上記塗料を塗布して塗膜層を形成した目地材を備える型枠であるので、当該型枠内にコンクリート等を打設するのみでそのままタイル目地の表層に塗料を付着させることができ、高機能化したタイル付きセメントモルタル体やコンクリート体をきわめて効率よく製造することができる。
【0096】そして上記いずれの請求項の発明にあっても当該塗料は、タイル目地を含むセメントモルタルやコンクリートの表層に効果的に機能性表面処理材の層を形成することができ、当該機能性表面処理材が有する本来の機能を有効に発揮させることができる。
【0097】以上のようにして、上記塗料を塗工した型枠や目地材により当該塗料の特性を利用して有効な機能性表面処理材の層を形成できることから、高機能化コンクリート体等を低コストで製造することができる。




 

 


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