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発明の名称 セメント系材料を用いた立体成形方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−235623
公開日 平成10年(1998)9月8日
出願番号 特願平9−37714
出願日 平成9年(1997)2月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
発明者 渕田 安浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 コンピュータにおいて演算処理された立体成形物の3次元データを所定の厚さで切断して2次元スライスデータを作成し、吹付けノズルを前記2次元スライスデータに基づいて縦横方向に移動制御しつつセメント系材料を吹き付け、吹き付けたセメント系材料を自立硬化させることにより前記2次元スライスデータに基づく形状の固化層を形成し、かかる固化層の形成作業を繰り返して上下方向に順次積層させてゆくことにより、前記3次元データに基づく立体形状に成形することを特徴とするセメント系材料を用いた立体成形方法。
【請求項2】 前記セメント系材料に急結剤を添加混合することにより、吹付けノズルを介して吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させることを特徴とする請求項1に記載のセメント系材料を用いた立体成形方法。
【請求項3】 前記吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を、蒸気養生室内において行うことにより、吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させることを特徴とする請求項1に記載のセメント系材料を用いた立体成形方法。
【請求項4】 前記吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を、高温高圧養生室内において行うことにより、吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させることを特徴とする請求項1に記載のセメント系材料を用いた立体成形方法。
【請求項5】 前記セメント系材料に繊維を混入することにより、吹付けノズルを介して吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させることを特徴とする請求項1に記載のセメント系材料を用いた立体成形方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セメント系材料を用いた立体成形方法に関し、特に、コンピュータにおいて演算処理された立体成形物の3次元データに基づいてセメント系材料を立体形状に成形する立体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートやモルタル等のセメント系材料を用いて、各種の部材や構造物などの立体成形物を所望形状に形成する場合、一般に、金属製や木製あるいはその他の成形可能な材質の材料からなる型枠を、立体成形物の形状と同一の内空を有するように組み立て、組み立てた型枠内にセメント系材料を流し込んで硬化させることにより当該立体成形物の形成作業が行われている。
【0003】また、最先端の技術としては、セメント系材料を用いて得られたコンクリート塊やモルタル塊を、特殊な制御用のソフトにより駆動するカッタ等の切削機を用いて削り出すことによって、所望の形状に仕上げる技術も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の成形方法によれば、型枠を用いる方法では、型枠の作製に際して、成形物の抜け勾配や取り合い、型枠材同士の組み合わせ方を検討するとともに、保水性や剛性、剥離性等を検討しつつ型枠の加工や組み立てを行う必要を生じ、特に、曲面や抜け勾配のないような複雑な立体形状を有する成形物を形成する場合には、かかる型枠の作製作業に多くの手間と労力を必要とするという課題があった。
【0005】また、複数の製品を必要としない単品の立体成形物でも、型枠の作製が必ず必要となり、これらの型枠は、一回の使用で廃棄処分となることも多いので、かかる単品製作の場合には、効率的に立体成形物を製作することができないという課題があった。
【0006】一方、コンクリート塊やモルタル塊を削り出す方法によれば、最先端の切削技術を用いたとしても、特に抜け勾配のない部分や、複雑な形状の部分については、6から7自由度を持った高性能な切削機を使用する必要を生じるとともに、切削機の刃先やアーム部分に相当の強度や剛性を確保する必要を生じて、工作機械が高価になり、また、工作機械の制御命令が複雑になってこれを制御するためのソフトの肥大化を招くことになるという課題があった。
【0007】そこで、この発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、型枠を使用することなく、かつ高価な工作機械や複雑な制御ソフトを必要とすることなく、複雑な形状や抜け勾配のないような立体形状を有する成形物であっても、セメント系材料を用いて容易に形成してゆくことが可能な立体成形方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、コンピュータにおいて演算処理された立体成形物の3次元データを所定の厚さで切断して2次元スライスデータを作成し、吹付けノズルを前記2次元スライスデータに基づいて縦横方向に移動制御しつつセメント系材料を吹き付け、吹き付けたセメント系材料を自立硬化させることにより前記2次元スライスデータに基づく形状の固化層を形成し、かかる固化層の形成作業を繰り返して上下方向に順次積層させてゆくことにより、前記3次元データに基づく立体形状に成形することを特徴とするセメント系材料を用いた立体成形方法にある。
【0009】すなわち、本願発明によれば、例えば光造形法の分野における公知の技術である積層造形法をセメント系材料による立体成形方法に適用したものであり、この積層造形法は、例えばコンピュータにおいて得られた3次元CADデータから、直接立体造形物を取り出して形成することができるようにしたもので、3次元CAD上の数値データを平面でスライスし、2次元の断面形状を算出するとともに、その断面形状にしたがって一定厚みの固体層を形成し、それらを順次に積み重ねて立体物を作製して行く、原料素材を相互に付着しつつ立体形状を創成する加工法である。
【0010】そして、本願発明は、この積層造形法をコンクリートやモルタル等のセメント系材料を用いた立体成形方法に適用するために、吹付けノズルを2次元スライスデータに基づいて縦横方向に移動制御しつつセメント系材料を吹き付け、吹き付けたセメント系材料を自立硬化させることにより前記2次元スライスデータに基づく形状の固化層を形成し、かかる固化層の形成作業を繰り返して上下方向に順次積層させてゆくことにより、3次元データに基づく立体形状に成形するという構成を採用したものである。
【0011】また、この発明の立体成形方法は、セメント系材料に急結剤を添加混合することにより、吹付けノズルを介して吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させるようにすることが好ましい。
【0012】さらに、吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を、蒸気養生室内において行うことにより、吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させるようにすることもできる。
【0013】さらにまた、前記吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を、高温高圧養生室内において行うことにより、吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させることもできる。
【0014】また、セメント系材料に繊維を混入しておくことにより、吹付けノズルを介して吹き付けられた各層のセメント系材料を自立硬化させてもよい。
【0015】そして、この発明のセメント系材料を用いた立体成形方法によれば、3次元データを切断して得られた2次元スライスデータに基づいて、例えばNC制御(数値制御)等による2次元制御により、先端に吹付けノズルを有する装置を縦横方向に移動制御しつつ、例えば上下方向に移動可能なテーブルやベッド等の基盤に対してセメント系材料を吹き付ければ、この吹き付けたセメント系材料の硬化によって、例えば吹付けノズルの移動速度やセメント系材料の吹付け量に応じた所望の厚さの固化層が基盤上に形成されることになる。
【0016】しかる後に、例えば基盤を上下に移動して高さ方向の位置決めを行ない、次の層の2次元スライスデータに基づいて、同様に吹付けノズルを縦横方向に移動制御しつつ、セメント系材料を吹き付け、これを硬化させれば、セメント系材料の固化層が順次積層してゆくので、かかる作業の繰り返しによって、コンピュータにおける3次元データと同様の形状の立体成形物が基盤上に形成されてゆくことになる。
【0017】すなわち、この発明によれば、型枠を製作することなく、かつ、既知の2次元制御による吹付けノズルの縦横方向の移動制御や、テーブルやベッド等の基盤の上下方向の移動制御、あるいはノズルのON/OFF制御などの簡易な制御により、セメント系材料を用いた所望の形状の立体成形物が容易に形成されてゆくことになる。
【0018】また、この発明によれば、セメント系材料に急結剤を添加混合することや、吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を蒸気養生室内や高温高圧養生室内において行うこと、あるいはセメント系材料に繊維を混入することにより、吹き付けられた各層のセメント系材料の自立硬化を促進させることができ、これらによって、セメント系材料を用いた立体成形物の形成作業の迅速化を容易に図ることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。この実施形態にかかるセメント系材料を用いた立体成形方法は、一例として、セメント系材料としてのモルタルを用いて立体成形物を形成すべく採用されたものである。
【0020】そして、この実施形態によれば、図1に示すように、まず、例えば数字データの手入力、接触型形状測定装置による座標入力、非接触型形状測定装置による座標入力等によって、EWS(エンジニアリングワークステーション)やパーソナルコンピュータ等のコンピュータに、形成すべき立体成形物の3次元データを入力し(Step1)、演算処理によって、3次元CADデータを作製する(Step2)。
【0021】なお、このようにして得られた3次元CADデータは、コンピュータ上で試作品を完成する等のフィードバック作業が可能であるため、形成すべき立体成形物の3次元形状のチェックを行ない、適宜演算処理を繰り返して、精度の良い3次元CADデータないしは3次元モデルを得ることができる。
【0022】次に、得られた3次元CADデータを、コンピュータにおいて所定の厚さで例えば水平方向に切断し、スライスデータを作製して、3次元CADデータを2次元データに展開するとともに(Step3)、この各層のスライスデータに基づいて、後述するように、2次元制御が可能なNC制御により、吹付けノズルを縦横方向に駆動して、テーブル上に固化層を形成する作業を順次繰り返してゆくことにより、固化層が積層一体化した3次元形状の立体成形物を形成する作業を行なう(Step4)。
【0023】ここで、3次元CADデータから2次元データへの展開は、例えば3次元CADデータによる立体面を、まず多数の3角形で面を張り合わせたものに変換し、CAMに相当する既知のソフトウェアを使用して、このCADデータを所定の厚さで切断して2次元スライスデータを作製することにより行われる。
【0024】一方、このようにして作製された2次元スライスデータに基づいて、固化層を形成してゆくには、図2に示すような成形装置10を使用する。すなわち、この成形装置10は、水蒸気を充満した養生室11内に設けられたもので、上下方向すなわちZ方向に移動制御される吹付け基盤としてのベッド12と、このベッド12に対向するように下方に向けて配置された吹付けノズル13とを備え、この吹付けノズル13は、NC制御装置14によって駆動制御されるX軸モーター15及びY軸モーター16の駆動により、水平面における縦横方向であるXY方向の任意の位置に移動することができるようになっている。
【0025】なお、NC制御装置14は、コンピュータによって製作された、2次元スライスデータ群をメモリしておき、そのスライス図形を下端から順次取り出してX軸モーター15及びY軸モーター16を駆動制御するとともに、ベッド12をZ方向に移動させるZ軸モータとも接続して、ベッド12の上下方向の位置を調整制御することができるようになっている。
【0026】また、この実施形態によれば、吹付けノズル13は、図3に示すように、セメントと細骨材をプレミックスしてなるドライミックスモルタルを圧縮空気を介して供給するモルタル供給ホース17と接続しているとともに、このモルタル供給ホース17には、急結剤を水とともに圧送供給する急結剤供給ホース18が流量調節弁19を介して接続しており、吹付けノズル13のON/OFF制御によって、ドライミックスモルタルを水と混合してなるモルタルを、吹付けノズル13の先端から混合攪拌しながら噴射することができるようになっている。
【0027】ここで、急結剤としては、例えば瞬結性ポリマーセメントモルタル吹付工法であるアロンMショット工法(アロンMショット工法研究会)に用いる、特殊アクリルポリマーを使用することができ、このような急結剤を添加混合したモルタルを用いることにより、吹き付けたモルタルを僅か数秒で自立硬化させることができ、これによって、立体成形物の形成作業の迅速化を図ることが可能になる。
【0028】また、モルタルの吹付け作業を、水蒸気を充満した養生室11内において行うことにより、通常の気中におかれた状態よりもセメントの水和反応が活性化し、初期強度の発現が促進されるという作用によって、吹き付けたモルタルの自立硬化を促進させ、これによっても、立体成形物の形成作業の迅速化を図ることが可能になる。
【0029】そして、この実施形態によれば、NC制御装置14にメモリされたコンピュータからの2次元スライスデータ群から、スライス図形を下端部分から順次取り出して、このデータに従ってX軸モーター15及びY軸モーター16を駆動制御しながら2次元スライスデータの厚さに応じた厚さでモルタルの吹付け作業を行ってゆくとともに、ベッド12をZ方向に移動制御しながら自立硬化したモルタルの固化層20を順次積層させてゆくことにより、3次元CADデータによる形状と同様の形状の3次元立体成形物が形成されることになる。
【0030】すなわち、この実施形態によれば、型枠を製作することなく、かつ、既知のNC制御装置14による吹付けノズル13のXY方向の移動制御や、ベッド12のZ方向の移動制御、あるいは吹付けノズル13のON/OFF制御などの簡易な制御により、複雑な形状や抜け勾配のないような立体形状を有する成形物であっても、モルタルを用いて容易に形成してゆくことができる。
【0031】なお、この発明は、上記実施形態の態様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載された構成の範囲内において種々に変更して採用することができる。例えば、セメント系材料として、モルタル以外にも、コンクリートやセメントペースト等を用いてこの発明を実施することができ、また、吹き付けたセメント系材料の自立硬化を促進するための手段として、急結剤を添加混合する方法や蒸気養生室内において吹付け作業を行なう方法の他、高温高圧養生室内において吹付け作業を行なう方法や、セメント系材料に短繊維などの繊維を混入して吹付ける方法等を採用することができる。
【0032】すなわち、高温高圧養生室内において吹付け作業を行なう方法では、セメントの水和反応が強制的に促進され、吹付け後約24時間で通常の28日強度が得られる程度の強度発現を確保することができるという作用により(硬化中に発泡するため、コンクリートが軽量化されるという付加的効果も得られる。)、また、セメント系材料に短繊維などの繊維を混入して吹付ける方法では、コンクリート中に繊維が散在することにより、方向性を問わず強度が確保され、コンクリートの自主性に十分寄与するという作用により、セメント系材料の自立硬化の促進を容易に図ることが可能になる。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明のセメント系材料を用いた立体成形方法によれば、コンピュータにおいて演算処理された立体成形物の3次元データから2次元スライスデータを作成し、この2次元スライスデータに基づいて吹き付けノズルを移動しながらセメント系材料を吹き付けてこれを自立硬化させ、かかる固化層の形成作業を繰り返して上下方向に順次積層させてゆくことにより、3次元データに基づく立体形状に成形するので、型枠を使用することなく、かつ高価な工作機械や複雑な制御ソフトを必要とすることなく、複雑な形状や抜け勾配のないような立体形状を有する成形物であっても、セメント系材料を用いて容易に形成してゆくことができる。
【0034】また、セメント系材料に急結剤を添加混合することや、吹付けノズルを介したセメント系材料の吹付け作業を蒸気養生室内や高温高圧養生室内において行うこと、あるいはセメント系材料に繊維を混入することにより、吹き付けられた各層のセメント系材料の自立硬化を促進させることができ、これにらよって、セメント系材料を用いた立体成形物の形成作業の迅速化を図ることが容易に可能になる。




 

 


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