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発明の名称 廃棄物処分場およびその構築工法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128267
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−286859
出願日 平成8年(1996)10月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松本 雅利
発明者 小谷 克己 / 嶽本 政宏 / 石田 道彦 / 黒岩 正夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下端が不透水層または遮水性の底版で閉塞された遮水性の地中連続壁を備え、前記地中連続壁の内側を掘削した後に、その内部に廃棄物を投棄する廃棄物処分場であって、前記地中連続壁の中間に給水した透水層を形成し、前記透水層および前記地中連続壁内の廃棄物水位とを検出する水位センサを設置し、これらの水位センサの検出値に基づいて前記透水層の水位が前記廃棄物水位よりも常時高くなるように給排水する制御装置を設けたことを特徴とする廃棄物処分場。
【請求項2】 地上から水平断面が閉塞された形状の遮水性の地中連続壁を形成し、前記地中連続壁の内部を掘削した後に、その内部に廃棄物を投棄する廃棄物処分場であって、前記地中連続壁を形成する際に、その中間部分に透水層を形成するとともに、その下端が不透水層に到達するように形成するか、または、内部を掘削した後に遮水性底版を形成して、前記地中連続壁の下端側を遮水閉塞するようにし、前記透水層の水位が前記廃棄物の水位よりも常時高くなるように給排水することを特徴とする廃棄物処分場の構築工法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、山間部などに構築される内陸型の廃棄物処分場およびその構築工法に関し、特に、その遮水性の改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汚染土などの産業廃棄物や家庭廃棄物の埋立て処分場として、内陸型の処分場が知られており、この種の処分場には、山間の谷部を堰止めて遮水工を施した凹部を形成し、この凹部内に廃棄物を投棄する方式、あるいは、平地部を掘削して遮水工を施した凹部を形成し、この凹部内に廃棄物を投棄する方式がある。
【0003】このような方式の廃棄物処分場では、遮水工としては、例えば、凹部の内面に合成ゴムや合成樹脂製の遮水シートを敷設する方法や、鉄筋コンクリート製の地中連続壁を不透水層まで構築する方法などが採用されている。
【0004】ところが、このような従来の遮水工には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の遮水シートや地中連続壁の遮水性は、諸条件によっては、内部の汚染水の浸出を完全に止めることができず、極わずかづつではあるが、汚染水が浸出し、周辺の地下水を汚染するという問題があった。
【0006】このような汚染水の浸出は、外部の地下水位が低下し、内部の水位よりも小さくなると、より一層顕著になる。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、外部の地下水位の変動にかかわらず、汚染水の浸出を防止することができる廃棄物処分場およびその構築工法を提供することにある。
【0008】また、別の目的として、汚染水の浸出が容易に検出することができる廃棄物処分場およびその構築工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、下端が不透水層または遮水性の底版で閉塞された遮水性の地中連続壁を備え、前記地中連続壁の内側を掘削した後に、その内部に廃棄物を投棄する廃棄物処分場であって、前記地中連続壁の中間に給水した透水層を形成し、前記透水層および前記地中連続壁内の廃棄物水位とを検出する水位センサを設置し、これらの水位センサの検出値に基づいて前記透水層の水位が前記廃棄物水位よりも常時高くなるように給排水する制御装置を設けた。また、本発明は、地上から水平断面が閉塞された形状の遮水性の地中連続壁を形成し、前記地中連続壁の内部を掘削した後に、その内部に廃棄物を投棄する廃棄物処分場であって、前記地中連続壁を形成する際に、その中間部分に透水層を形成するとともに、その下端が不透水層に到達するように形成するか、または、内部を掘削した後に遮水性底版を形成して、前記地中連続壁の下端側を遮水閉塞するようにし、前記透水層の水位が前記廃棄物の水位よりも常時高くなるように給排水する。このように構成された廃棄物処分場およびその構築工法によれば、地中連続壁の中間に形成された透水層の水位が廃棄物の水位よりも常時高くなるように給排水するので、外部の地下水位が変動したとしても、廃棄物からの汚染水が地中連続壁を介して、外部に浸出することが防げる。また、遮水層に給排水している水を検査することにより、汚染水の浸出の有無が簡単に判る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1は、本発明にかかる廃棄物処分場の一実施例を示している。同図に示す廃棄物処分場は、平地部に構築した内陸型のものであって、地中連続壁10と、透水層12とを有している。
【0011】地中連続壁10は、地中連続壁工法により形成された鉄筋コンクリートなどを主体とした遮水壁であり、水平断面が閉塞された角形,円形,楕円形などに形成される。
【0012】この実施例の場合には、地中連続壁10は、地盤14中の不透水層16に下端が到達し、不透水層16内に所定の長さだけ貫入する深度まで形成されていて、その下端側が不透水層16により遮水閉塞されている。
【0013】透水層12は、地中連続壁10の中間位置に設けられ、透水材12aと、透水材12aの中心に設けられた給排水用の孔部12bとから構成されていて、透水材12aの下端は、地中連続壁10の下端よりも上方に位置し、かつ、不透水層16に到達する深度まで設けられている。
【0014】地中連続壁10で囲撓された内部は、その下端側の不透水層16の深度まで根切り掘削され、この掘削により、外周が地中連続壁10に囲撓されて、下端側が不透水層16により遮水閉塞された凹所18内に汚染土などの廃棄物20が投棄される。
【0015】このような構造の廃棄物処分場では、透水層12の水位が、廃棄物20の水位よりも常時高くなるように制御装置22によりコントロールされる。
【0016】制御装置22には、透水層12の水位を検出するために、給排水用の孔部12b内に設置された第1水位センサ24と、廃棄物20の水位を検出する第2水位センサ26とが接続されている。
【0017】また、制御装置22には、孔部12bに水を給水する給水ポンプ28と、孔部12bから水を排出する排水ポンプ30とが接続されている。
【0018】制御装置22で行われる具体的な制御は、第1および第2水位センサ24,26の検出信号に基づいて、廃棄物20の水位が透水層12よりも高い場合には、給水ポンプ28を駆動して、孔部12bに水を供給して、透水層12の水位を上昇させる。
【0019】また、透水層12の水位が、廃棄物20の水位よりも高いが、両者の水位に大きな差がありすぎると、透水層12から内部に水が侵入するので、このような場合には、排水ポンプ30を駆動して、透水層から水を排出して、両者間の水位差を適正に保つことである。
【0020】透水層12の水位をこのようにコントロールすると、外部の地下水位の変動にかかわらず、透水層12側の水位が内部よりも高くなり、圧力差の関係から、廃棄物20側から汚染水が地中連続壁10の外側に浸出することを確実に防止することができる。
【0021】また、万一廃棄物20側から汚染水が浸出した場合にも、透水層12に給排水している水を検査することにより、汚染水の浸出の有無が簡単に判り、その後の対策を迅速に行える。
【0022】次ぎに、上記構成の廃棄物処分場の構築工法について、図2から図4に基づいて説明する。廃棄物処分場の構築では、まず、図2に示すように、地盤14中に地中連続壁10が地中連続壁工法により形成される。
【0023】地中連続壁10は、鉄筋コンクリートなどを主体とした遮水性のものであって、矩形状のパネル壁体10aが、矩形状の溝孔を掘削して、鉄筋籠を建込み、コンクリートを打設して、これを硬化させることで形成される。
【0024】パネル壁体10aの横方向には、同一形状のパネル壁体10bが同一工程により連結形成され、このようなパネル壁体を順次連結することで、閉塞した平面形状の連続壁が構築される。
【0025】この場合、各パネル壁体10a,10b……は、それぞれ地盤14中の不透水層16に下端が到達し、不透水層16内に所定の長さだけ貫入する深度まで形成される。
【0026】このとき、本実施例では、各パネル壁体10a,10b……内に透水層12が形成される。各パネル壁体10a,10b……内に形成される透水層12は、平板状に形成された透水材12aと、この透水材12aの中心に設けられた複数の給排水用の孔部12bとを有していて、例えば、プレキャストコンクリート製品により予め所定形状に形成されている。
【0027】透水層12を各パネル壁体10a,10b……内に形成する際には、例えば、矩形状の孔部内に建込む鉄筋籠に予めこれを係止しておけばよい。透水層12の透水材12aは、上端がパネル壁体10a,10b……とほぼ同一レベルにあって、下端が、地中連続壁10の下端よりも上方に位置し、かつ、不透水層16に到達する深度になるように形成されている。
【0028】以上のような構造の地中連続壁10の形成が終了すると、地中連続壁10で囲撓された内部の根切り掘削が、その下端側まで行われ、これにより、下端側が不透水層16により遮水閉塞された凹所18内が形成され、その後凹所18内に汚染土などの廃棄物20が投棄される。
【0029】そして、透水層12の孔部12bに第1水位センサ24を設置するとともに、凹所18内に第2水位センサ26を設置し、透水層12の水位が、廃棄物20の水位よりも常時高くなるように孔部12bを介して、給排水が行われる。
【0030】なお、本実施例の場合には、各パネル壁体10a,10b……に形成した排水材12aは、個別に独立しているので、これらのすべてにセンサ24や給排水ポンプ28,30を設置してもよいが、横方向に隣接する排水材12a間を、例えば、パイプなどにより連通し、1つのセンサにより水位を検出して、給排水することが望ましい。
【0031】さて、以上のように構成された廃棄物処分場およびその構築工法によれば、透水層12の水位が廃棄物20の水位よりも常時高くなるように給排水するので、外部の地下水位が変動したとしても、廃棄物20の汚染水が地中連続壁10を通過して、外部に浸出することを確実に防止することができる。
【0032】また、透水層12に給排水している水を検査することにより、汚染水の浸出の有無が簡単に判る。
【0033】図5は、本発明にかかる廃棄物処分場およびその構築工法の他の実施例を示しており、上記実施例と同一若しくは相当する部分に同符号を付して、その説明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説明する。
【0034】同図に示した実施例は、地盤14中の不透水層の深度が非常に深く、地中連続壁10の下端側を不透水層まで形成することが困難な場合に採用される。
【0035】この実施例の廃棄物処分場では、平面が閉塞された形状に形成された地中連続壁10と、その中間に形成された透水層12と、前述した実施例の不透水層18に相当する底版32とを有している。
【0036】底版32は、地中連続壁10の内部を根切り掘削した後に形成されるものであって、地中連続壁10の下部側を遮水閉塞するように形成されている。このように構成された廃棄物処分場においても、透水層12の水位が、廃棄物20の水位よりも常時高くなるように制御すると、不透水層が非常に深い場合でも、外部に汚染水が浸出することがない処分場を構築することができる。
【0037】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる廃棄物処分場およびその構築工法によれば、汚染水の外部浸出を確実に防止することができる。




 

 


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